現在位置 : トップページ > 財務省について > 審議会・研究会等 > 関税・外国為替等審議会 > 関税・外国為替等審議会関税分科会 > 特殊関税部会 議事要旨等 > 議事録 > 関税・外国為替等審議会 関税分科会 特殊関税部会(平成31年2月14日)議事録

関税・外国為替等審議会 関税分科会 特殊関税部会(平成31年2月14日)議事録

本稿は、平成31年2月14日の関税・外国為替等審議会 関税分科会 特殊関税部会の議事録です。

 

午前10時56分開会

佐藤部会長 ただいまから関税・外国為替等審議会 関税分科会 特殊関税部会を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、御多用中のところ御出席くださいまして、誠にありがとうございます。

 本日の議題は、議事日程のとおりでございます。

 まず、「中華人民共和国産電解二酸化マンガンに対する不当廉売関税」に関しましては、資料1のとおり、不当廉売関税を課する期間の延長について、財務大臣から当審議会に諮問がなされております。

 これを受けて、小川会長及び森田分科会長より、本件が当部会に付託されております。

 したがいまして、本件につきましては、委員の皆様方に御審議いただき、その後、答申の取りまとめも本日中に行いたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。

 それでは初めに、「電解二酸化マンガンの産業の現状について」につきまして、経済産業省製造産業局素材産業課井上企画調査官より御説明をお願いいたします。

井上製造産業局素材産業課企画調査官(経済産業省) おはようございます。ただいま御紹介いただきました経済産業省の井上でございます。

 お手元の資料2−1をご覧いただきたいと思います。

 電解二酸化マンガンにつきましては、英語名はElectrolytic manganese dioxide、EMDと訳しております。このEMDは、マンガン酸化物の一つでありまして、灰黒色の粉末、主として、一次電池に利用されています。

 乾燥、粉砕した二酸化マンガン鉱石を還元することにより一酸化マンガンとした後、硫酸に溶解させ、電気分解により析出します。

 製造メーカーとしては、東ソー日向が国内唯一のEMD生産者でありまして、親会社であります東ソーが、全量を買い取り販売しております。

 EMDの用途でございますが、一次電池(アルカリマンガン電池)や二次電池(リチウムイオン電池)の正極材の原料として使用されているほか、磁性材料であるフェライト、あるいは、触媒の製造原料にも使用されています。

 EMDの用途のウェイトは、一次電池が足元では85%程度、二次電池が10%強、その他が残りということになっております。

 定置用リチウムイオン電池、これは二次電池の主なものでありますが、住宅等に設置し、夜間に貯められた電力を昼間に利用したり、あるいは、停電時のバックアップ対策として用いられる電池でございますが、二次電池のうちの定置用リチウム電池に使用されているマンガン酸リチウムの原料にもなっております。

 右側の図が、アルカリ電池の構造例でございまして、このプラス極、正極の原料に二酸化マンガンが使われております。

 次のページですが、EMDの輸入量の推移を表わしております。オレンジの部分が中国以外、ブルーの部分が中国です。平成20年9月からアンチ・ダンピング課税を開始し、翌年には輸入量はかなり減っております。その後、22年度、23年度は円高基調ということもあり、また当時、足元では使われていないようですが、電気自動車向けの需要見込みということから、22年度、23年度と増えましたが、その後また暫時減少し、足元では中国もほぼ輸入量がなくなっている状態であります。

 まとめでございます。足元としては、中国からの輸入量は減っておるところでございますが、後ほど御説明されるとおり、ダンピング輸入が継続又は再発するおそれや国内産業に対する実質的な損害が継続又は再発するおそれがあるとみなされることから、国内生産者は、中国産EMDに対する課税期間の延長を希望、申請しております。

 中国からの安価な貨物の輸入が国内産業に悪影響を及ぼさないよう、アンチ・ダンピング課税延長による保護の必要性があると考えております。

 以上でございます。

佐藤部会長 ありがとうございました。

 引き続き、「中華人民共和国産電解二酸化マンガンに対する不当廉売関税の課税期間の延長」という資料につきまして、升平特殊関税調査室長より御説明をお願いいたします。

升平特殊関税調査室長 特殊関税調査室長の升平でございます。

 では、資料2−2をご覧ください。

 まず、1ページ目に、「電解二酸化マンガンに係る不当廉売関税の現状」について記してございます。

 本事案の対象貨物である電解二酸化マンガンにつきましては、先ほど経済産業省から説明がございましたので省略いたします。

 この電解二酸化マンガンに対する不当廉売関税の課税につきましては、我が国は、平成20年よりスペイン、中国、南アフリカの電解二酸化マンガンに対し、不当廉売関税を発動中でございます。

 現在の課税期間は、本年3月4日で終了することから、昨年3月に東ソーグループから中国産の電解二酸化マンガンについて課税期間の延長申請がございました。なお、スペイン産はヨーロッパ向けであること、南アフリカ産については生産から撤退していることから、今回の申請には含まれておりません。

 この延長申請を受けまして、昨年4月から調査を行ってきたところでございます。

 次に、資料の3ページをご覧ください。

 今回の調査で判明した事実について御説明いたします。

 まず、不当廉売された貨物の輸入の事実についてでございます。これにつきまして調査したところ、現在も少量ですが、中国産電解二酸化マンガンの輸入はございます。そして価格を調査し、正常価格と本邦への輸出価格を比較し、不当廉売差額が輸出価格に比べてどのくらいに当たるかを示す不当廉売差額率を求めましたところ、この表にございますとおり約101%という数字が出ております。これは輸出価格は正常価格の約半額であり、したがいまして不当廉売された貨物の輸入の事実を確認しているところでございます。

 次に、不当廉売された貨物の輸入継続のおそれでございますが、中国の供給者には相当程度の余剰生産能力がございます。また、これを吸収できる市場は、中国国内はもとより海外にも存在しないところでございます。

 したがいまして、今後も不当廉売された電解二酸化マンガンの輸入が継続するおそれがあることが判明したところでございます。

 次に、4ページでございます。

 本邦産業の損害のおそれについてでございます。

 まず、上段右の表ですが、1段目に、国内の電解二酸化マンガン市場の規模を指数で記してございます。市場規模につきましては、ほとんど変化なし、もしくは、緩やかに縮小しているところでございます。

 次に、2段目の中国からの輸入量につきましては、不当廉売関税措置によりまして、大きく減少してきております。これに伴いまして、一番下の段にございます国内産業の営業利益でございますが、こちらは大きく増加しておりまして、損害から回復傾向にあることが分かりますが、他方、販売価格に影響されやすいという傾向も見てとれるところでございます。

 また、こういった損害の再発のおそれですが、先に述べましたように市場規模に大きな変動が見られないところ、現行の不当廉売関税が満了した場合には、中国の供給者の状況等に鑑みれば、日本への輸出は増加されるものと見込まれます。その場合、価格競争により電解二酸化マンガンの販売価格の引下げが強いられ、場合によっては、製造原価割れのおそれもあるところでございます。

 したがいまして、現行の不当廉売関税が終了した場合、本邦産業の損害の再発のおそれがあると言えるところでございます。

 次に、資料の5ページをご覧ください。

 調査を踏まえた対応でございます。これまでに御説明いたしました調査により判明した事実を含む重要事実を関係者に開示しましたところ、中国の供給者等から反論の提出がございました。これら反論につきましては、検証・確認したところ、重要事実の内容を変更する必要は認められなかったところでございます。

 つきましては、これら調査によって判明した事実及び現在の水準で不当廉売関税を課していることによって中国からの輸入量は減少し、本邦産業の損害の改善も見られることから、中国産電解二酸化マンガンに対する不当廉売関税につきましては、現行の税率で、課税期間を5年間延長することが適当と判断したところでございます。つきましては、今般この内容につき審議会に諮問を行い、御議論いただく次第でございます。

 なお、スペイン産及び南アフリカ産の電解二酸化マンガンに対する不当廉売関税でございますが、現行の課税期間であります本年3月4日をもって満了となります。

 以上でございます。

佐藤部会長 どうもありがとうございました。

 それでは、審議をしたいと思います。ただいまの井上企画調査官及び升平特殊関税調査室長の御説明について、御質問、御意見はございますでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。

古城委員 本件に対しては、反対はいたしませんけれども、こういう国内市場が縮小していって、しかも国内で産業が1社しか残っていないというような場合に、こういう措置をとりますと、かなり保護主義的な印象を受けるのですけれども、こういう場合も、やはり不当廉売関税という措置で対応するということが、保護主義との関係で、そこの調整というのはどのようにお考えかというのを、お伺いしたいと思いました。

佐藤部会長 升平室長、お願いします。

升平特殊関税調査室長 ありがとうございます。まず、この不当廉売関税でございますけれども、そもそも関税定率法第8条におきまして、不当廉売された貨物の輸入があり、また、本邦産業に実質的な損害を与え又は与えるおそれがあるという条件を満たす場合には、不当廉売関税を課すことができる、とされております。

また、不当廉売関税に関する政令におきまして、課税を所管する財務大臣、それから申請のあった当該産業を所管する産業所管大臣、そして通商政策を所管する経済産業大臣は、調査等に当たって緊密な連絡を保ち、重要事項について協議するとされているところでございます。

 本件に関しましては、調査の結果、先に御説明いたしました課税に係る必要条件を満たしていることから、協議の上、課税期間の延長が適当と判断したところでございます。

 なお、今後とも、産業所管省及び経済産業省と緊密な連絡をとりつつ、引き続き、適正な運用につきまして協議を続けていきたいと思います。

 まず、財務省からは以上でございます。

佐藤部会長 ありがとうございます。経済産業省から何かございますか。

井上製造産業局素材産業課企画調査官(経済産業省) 御質問の中で、国内市場が縮小傾向にあるという点につきましては、一定程度縮小はしていますが、その後、一定規模の市場を保っておりますので、大幅に今後市場が縮小するということは、現時点ではないと考えております。

 したがいまして、当該物品を供給している産業の保護の観点からは、著しい産業保護ということではなく、また、輸入品も引き続き入ってきていますので、市場における競争も確保されていると考えておりまして、今回のAD税延長というのは、妥当であると考えております。

佐藤部会長 ありがとうございました。よろしいですか。

 資料3ページにもありましたように、不当廉売差額率は、100%を超えているというような価格での輸出が行われているということに対応する手段で、最後に御指摘ありましたように、海外産品も引き続き入っていて、競争状態にあるというように御説明を承りました。よろしゅうございますか。ありがとうございます。

 ほかの委員の先生方いかがでしょうか。よろしゅうございますか。

 特に御質問等がございませんようでしたら、答申の取りまとめを行いたいと存じます。

 答申案を御配付ください。

(答申案配付)

佐藤部会長 お手元に、答申案は行き渡っておりますでしょうか。

 答申案をご覧ください。ご覧になって、御質問、御意見等ございましたら挙手をお願いいたします。

 御質問、御意見はございませんか。よろしゅうございますか。

 それでは、特に御質問、御意見等がございませんようでしたら、本部会として、この答申案のとおり決定することとしたいと存じますが、よろしゅうございますか。

(「異議なし」の声あり)

佐藤部会長 ありがとうございます。御異議がございませんので、中華人民共和国産電解二酸化マンガンに対して、不当廉売関税を課する期間の延長につきまして、当部会といたしまして、答申案どおり決定することとし、これをもって関税・外国為替等審議会としての答申といたしたいと存じます。ありがとうございます。

 続きまして、「不当廉売関税に関する手続き等についてのガイドラインの見直し」につきまして、升平特殊関税調査室長より御説明をお願いいたします。

升平特殊関税調査室長 では、このサンプリングの実施要件の見直しにつきまして説明いたします。

 こういった説明は、従前からガイドラインにつきまして見直し等を行う場合に、特殊関税部会に差し上げているところでございます。

 では、資料3をご覧ください。

 まず、1ページ、ガイドライン及びサンプリング等についてでございます。

そもそも、このガイドラインというものでございますが、不当廉売関税について定めているWTO協定や国内関係法令を補完し、相談方法や現地調査の運用といった手続きの詳細を取りまとめているものでございます。そもそもは、手続きの透明性を高めるため、昭和61年に関係5省―財務、経産、厚労、農水、国交の5省で、申し合わせにより制定したものでございます。

 次に、ここで取り上げておりますサンプリングでございますが、これは調査対象者が多い場合等に、調査対象を合理的な数に制限するものでございます。不当廉売関税の調査では、原則生産者ごとに、不当廉売の価格差を決定する必要がございます。しかしながら、調査対象者が多過ぎる場合には、これを合理的な数に制限するため、協定上、このサンプリングが認められているところでございます。

 現行のガイドラインのサンプリング実施要件でございますが、「生産者数が20を超える場合」にサンプリングを可能、として規定しております。平成16年にこれを制定した当時は、次のように整理しておりました。まず、生産者のうち調査に協力してもよいとする生産者数は、経験則からすれば、その2割程度でありまして、これであれば、20者以下であれば、調査対象者は3、4者程度と適当な範囲におさまるところでございました。これを踏まえまして、生産者数が20以下であればそのまま調査で対応、これを超える場合にはサンプリングの実施が必要、としまして、現行の数値20を盛り込んだ実施要件を規定したところでございます。

 次に、下の2ページにまいります。

 このサンプリングの実施要件の見直しについてでございますが、平成28年のポリエチレンテレフタレート事案でサンプリングを行ったところ、これでよいのかという懸念が出てきたところでございます。この事案におきましては、生産者数が21者、協力可能とする生産者数が11者でございまして、この場合、生産者数が20を上回っておりますので、サンプリングを実施することができ、対応ができたところでございます。

 しかしながら、このとき調査に関して、協力を可能とする生産者数は、想定の2割程度を上回って5割程度となっております。したがいまして、生産者数が20以下でありましても、調査に協力可能とする生産者数が、従来想定していたところを上回る可能性が見えてきたところでございます。このため、調査に支障を来す可能性があると考えまして、規定の見直しが必要と思料したところでございます。

 これを受けまして、今回、対応策として、ガイドラインにこれを補完する一文を追加することといたしました。一番下の囲みでございます。従前、生産者数が20を超える場合にサンプリングを可能、としておりましたが、ここを見直しまして、まずこの条項は基本文として残します。これに補完する文言としまして、「ただし」以下、生産者数が20を超えない場合でも、調査・協力を表明した生産者数が合理的に調査できる範囲を超えるときにはサンプリング可能、という文言を追加するところでございます。

 以上でございます。

佐藤部会長 ありがとうございました。

 5省の合意で作成していらっしゃるということで、当部会の議決が必要だということではないようですが、調査実務について、委員の先生方の御理解をいただきたいということだろうと思います。概ね3者程度の調査で、このサンプリングで調査ができるようにというガイドラインの見直しですが、御質問等いかがでしょうか。

 升平室長、3者というのは少ないようにも思いますが、これは国際標準というふうに考えてよろしいのでしょうか。

升平特殊関税調査室長 現行、例えば、サンプリングを行いまして、米国、EU等もこれを行っているところですが、大体3者程度が大宗でございます。したがいまして、今回の3、4者程度を目安としていることについては、特段の問題はございません。

佐藤部会長 このくらいの水準だということですが、森田委員よろしいですか。

森田委員 特にございません。

佐藤部会長 特に御質問等ございませんか。

 特に御質問等ございませんようでしたら、以上をもちまして本日の特殊関税部会を終了いたします。本日は御多用中のところ、御出席をいただきまして、誠にありがとうございました。重ねて御礼申し上げます。

午前11時18分閉会

財務省の政策