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関税・外国為替等審議会 関税分科会 特殊関税部会(平成30年3月14日)議事録

本稿は、平成30年3月14日の関税・外国為替等審議会 関税分科会 特殊関税部会の議事録です。

 

午前10時58分開会

佐藤部会長 それでは時間が参りましたので、ただいまから関税外国為替等審議会関税分科会特殊関税部会を開催いたします。

 委員の皆様におかれましては、御多用中のところ御出席くださいまして、どうもありがとうございます。

 それでは、本日の議事に入らせていただきます。

 本日の議題は、お手元の議事日程にありますとおり、韓国及び中国産炭素鋼製継手に対する不当廉売関税の課税について御審議をいただきたいと存じます。

 韓国及び中国産炭素鋼製継手につきましては、お手元の資料1のとおり、財務大臣から当審議会に不当廉売関税の課税についての諮問がされております。

 これを受けて、本件が当部会に付託されております。

 本日は、委員の皆様方に本件を御審議いただいた後、答申の取りまとめをいたしたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。

 それでは、事務局より炭素鋼製継手産業の現状及び韓国及び中国産炭素鋼製継手に対する不当廉売関税の課税について説明を受けたいと思います。

 それでは、どうぞよろしくお願いいたします。

駒井経済産業省素形材産業室室長補佐 経済産業省素形材産業室の駒井と申します。よろしくお願いします。

 では、お手元の資料2の説明をさせていただきます。

 炭素鋼製継手産業の現状となっております。まず、継手とはどういったものかということについて御説明をさせていただきます。

 継手とは、二つ以上の鋼管、パイプですね、これをつなぎ合わせる部品のことをいいまして、用途としては化学プラント、発電所、製油所、建築設備など、さまざまなところに使用されており、その中に何が流れるか、これによって化学成分、材質、強度、また寸法等の品質が要求されるということになります。

 下に写真が二つついておりますけれども、左が突合せ溶接式継手、右がフランジと呼ばれるようなものですけれども、左は、パイプと継手とを突き合わせた上で、溶接式によりつなげるといった方式です。フランジは、中央に開いている穴にパイプを入れて、2枚をつなぎ合わせてボルトで締めるという方式になります。

 右側に継手の分類が書いてあるのですけれども、継手は、こういった方式ですとか材料によって分類されることとなっていまして、今回は、鉄鋼製継手の中のその他の継手、その下にある黄色の部分、突合せ溶接式継手が対象となってございます。

 1枚おめくりいただきまして、突合せ溶接式継手ですけれども、鋼製溶接式継手には、炭素鋼製のものとその他合金製のものが存在しまして、今回の対象はそのうち炭素鋼製のものでして、炭素鋼製突合せ溶接式継手といったものになります。

 御参考ですが、継手の形状は目的に応じて、下に写真が載っておりますように、エルボですとか、Tですとかレデューサですとか、そういったような形状が存在します。

 8ページに進んでいただきまして、こちら、継手の市場占有率となってございます。継手ですけれども、先ほど申し上げましたように、用途が化学プラントなどの大型工場ですので、それほど需要量が大きく変動するものではありません。といいますのも、メンテナンスの際の取替のときに使用するというのが主な需要となりますので、需要量については、グラフの一番下にありますようにそれほど変動するものではございません。

 この表ですけれども、2013年を100とする指標で、2014年、2015年、また調査対象期間でどれくらいの占拠率があったかどうかというふうなものを示したグラフでございます。見ておわかりいただけますように、韓・中からの輸入貨物の占拠率というのは、2013年を100としたときに114、日本の同種の貨物の占拠率は85ということで、日本の貨物の占拠率は減少傾向にあるということが見てとれるかと思います。

 ただ、御留意をいただきたいのは、第三国産同種貨物の占拠率なのですけれども、これは主にタイとベトナムからになるのですけれども、タイ・ベトナムからの輸入貨物は日系企業により生産されたものがほぼ全てということになってございます。

 1枚おめくりいただきまして、こちらは、継手の販売価格を示したグラフになってございます。同様に、2013年を100としたときの数値を示しているのですけれども、ここで見ていただきたいのは、価格比のところでございます。

 調査期間中、韓・中からの輸入貨物は97、日本は106となっているのですけれども、価格比は、分子に韓・中の輸入貨物の価格、分母に日本産同種貨物の価格を置いたときのパーセンテージのレンジをあらわしてございます。要するに、2013年であれば、日本の価格に60〜75%を掛けた価格が韓・中からの輸入貨物の価格ということになってございまして、調査対象期間の2015年10月から2016年9月においては、韓・中からの価格というのは日本の50%〜70%ということで、国内の販売価格を下回っていたということになってございます。

 最後、おめくりいただきまして、暫定措置発動の効果及び「まとめ」となっているスライドですけれども、平成29年12月28日から暫定措置が発動しております。その効果というのが、暫定措置発動前の12月は約400トンであったところ、発動後は150トンを下回るというところで、暫定措置の効果というのは見受けられるかと思います。

 最後、オレンジのところに「まとめ」と書いてございますけれども、申し上げましたとおり、需要量がほぼ一定の中で、韓・中からの安価な貨物の輸入が本邦産業に悪影響を及ぼしており、確定措置の発動による保護の必要があるというふうに考えてございます。

 こちらからは以上です。

武次特殊関税調査室長 では、続きまして財務省関税局関税課でございます。

 本日は、右肩に資料3と書いてある資料に基づきまして説明申し上げます。それでは、1枚おめくりください。

 今回の調査の概要でございますが、先ほど経済産業省から説明がございましたので、ここは割愛いたします。

 では、次のページにお進みください。

 これは調査の経緯を書いております。昨年12月に仮の決定に基づきまして特殊関税部会にお諮りしまして、年末の暫定措置発動に至っているわけですけれども、本日は、その後の手続、薄い黄色で囲っている部分でございますが、これを説明してまいりたいと思います。

 少しページが飛んで恐縮ですが、4ページ進めていただけますでしょうか。

 ここは前回の調査のおさらいになってしまいますが、まず、いくら安いものが輸入されていても、不当廉売していなければ不当廉売関税を課すことはできないわけでございます。前回の報告では、ダンピングの事実を調査いたしまして、韓国の一供給者については約43%、その他の供給者には約73%の不当廉売差額率が算出されたところでございます。それから、中国の供給者については第三国価格を用いまして約60%の不当廉売差額率が算出されたという報告をいたしました。

 では、次のページにまいります。

 実際、不当廉売の事実があっても、国内産業が損害を受けていなければ、やはり不当廉売関税は発動しないわけでございます。先ほどの経済産業省の説明と重複するところはございますが御説明いたします。

 左上のグラフをご覧ください。国内需要量はほぼ横ばいということで推移しております。右上のグラフにまいりまして、期間中、国産品の製造原価は一貫して右肩上がりでございました。よって、平成25年から26年にかけて、製造原価が上がったので国産品の価格も上げたわけですけれども、そうしますと、韓国・中国からの輸入が急増し、国産品の市場占拠率がだんだん下がってきたということでございます。

 市場占拠率を回復するために、海外の安値攻勢に影響を受け、グレーの棒グラフでございますが、国産品の価格が右肩下がりになってしまいました。そうしますと、紫色の営業利益のグラフでございますが、平成25年から平成26年にかけては利益が少し上がったものの、その後縮小して、とうとう直近ではマイナスになってしまったということでございます。

 他方で、韓国・中国以外からの輸入もございます。そういう国からの輸入が損害を与えていないということを示さないと、韓国・中国の影響ということは説明できません。右下のグラフは平成27年10月以降の1年間における同じ品種で国産品、韓国・中国からの輸入品、第三国からの輸入品の価格を比較したものでございます。先ほど経済産業省から説明がございましたとおり、第三国といいましても、本邦企業が海外生産しているものがほとんどであり、価格面では国産品と同一でございますので、韓国・中国からの輸入品が少し安価で販売されているということがおわかりになるかと思います。そのため、国産品は韓国・中国からの輸入により損害を受けていると推定されるというのが、前回の報告でございました。

 4ページ戻りまして、利害関係者からの意見no01.gifというページにまいります。

 12月8日に仮の決定というものを公表しまして、利害関係者にも示したわけですけれども、それに対する反論と政府の見解をまとめております。

 主なものを説明申し上げますと、製造原価の算定にあたって労務費を配賦するわけですけれども、その基準について我々は重量ベースで算定したわけですが、供給者側は別の配賦基準を使うべきと反論してまいりました。

 この供給者の配賦基準は同一製品でも時期によって異なっているものが多く見受けられ、同一製品にも関わらず製造原価の計算が時期によって異なるのは合理的ではなく、重量があるほど作業時間もかかるであろうと判断したわけでございます。

 no02につきましては、質問状に対して真摯に回答したことから提出した数字を適用すべきと主張しているわけですけれども、実際には何度も督促や再質問をしており、かつ情報の正確性が認められなかったということを説明しております。

 no03no04につきましては、当局の算定の仕方が間違いであると指摘しているわけですけれども、これのよりどころとなる証拠の提出がなかったということでございます。

 no05.gifについて、質問状については日本語で書いておりますが、通知文には英語も使っているところでございますが、これがわからなかったと言っております。当初質問状を送付してから回収するまでに約半年の期間は設定しておりますし、実際に今回、仮決定にも反論できておりますので内容は把握していると考えられますので、内容を把握するに十分な期間は与えているという整理をしております。

 no06でございます。no01.gifからno05.gifは韓国の供給者からの反論でございました。no06につきましては、本邦生産者のうち1社、中国から輸入している社がございまして、そこから反論がございました。継手を完全な製品にするには最後に接合部分を少し削り溶接するわけでございますが、輸入製品は接合部分の加工を行っていない半製品であり、単なるパイプであるため調査対象貨物ではないと主張しているわけです。先ほどの経済産業省の説明にもありましたが、実際には曲げたり先を絞ったりという加工は既に行っているので単なるパイプではなく、また、接合部を溶接用に加工すれば完成品になるというものでございますので、完成品まで道半ばの半製品とは認められないとしているところでございます。

 以上より、仮の決定で示した判断を変える必要はないと認めているところでございます。

 次のページにまいります。

 今の我々の考え方を全ての利害関係者に対しまして通知いたしました。これを重要事実の開示と言っております。

 次のページにまいります。

 この重要事実の開示に対しましてもう一度反論が来ておりますが、まず、海外供給者からは、仮の決定に対する反論と同じ内容、それから進んだ内容は来ておりません。今回は、これに加えて韓国政府、我が国でいえば経済産業省に当たります産業通商資源部が、企業に十分な利益擁護の機会が保障されるよう関係者一同が意見を提出するための対質を開催すべきと主張してまいりました。

 この対質につきましては、調査を開始するにあたり、対質の申出は平成29年の9月までに行うよう伝えておりましたが、当該期間までに申出が無かった旨を通知しているということでございます。

 以上より、この重要事実の内容も変更する必要がないということで、我々の調査結果としましては、まず不当廉売された貨物の輸入事実も、それから、不当廉売貨物の輸入が本邦の産業に与える実質的な損害等の事実についても、推定ではなくて、確定したと判断したわけでございます。

 以上により、先ほど経済産業省からもございましたが、仮の決定で示した事実も変更がなく、本邦産業の保護の必要もあるということでございまして、不当廉売関税の課税要件を満たしていることから、不当廉売関税の課税を本発動に移行することは適当であると判断し、以上、お諮りしたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

佐藤部会長 ありがとうございました。

 昨年12月14日の部会で御報告を受け、議論をした状況に特に変更はなく、その後手続を進めてくださいましたが、特に変更すべき理由は無いという趣旨の御説明であったと存じます。

 ただいまの事務局からの御説明につきまして、御意見、御質問等ありましたらどうぞお願いいたします。

 相澤委員、どうぞ。

相澤委員 結論には異議ありません。不当廉売関税については迅速に調査をして、迅速に措置をしないと、本邦産業に与える被害が回復できない事態も想定されますので、当局におかれましては引き続き迅速な調査、処分ということについて努力をしていただきたいと思います。

佐藤部会長 ありがとうございました。武次室長、一言どうぞ。

武次特殊関税調査室長 ありがとうございます。今回の調査につきましては、昨年3月末日から調査を開始してから本日まででほぼ1年弱でございます。先生のおっしゃったとおり、丁寧過ぎて時間だけかかり、その期間中に国内産業の状況が悪化していくということがありましたら本末転倒でございます。一方、迅速性のみを重視し対外的には説明できない荒い調査になってもいけませんので、正確性及び迅速性に留意しつつ、通商担当の経済産業省や産業所管省と協力して取り組んでいきたいと考えております。ありがとうございます。

佐藤部会長 よろしいですか。

 ほかに御質問、御意見はございますでしょうか。

 よろしゅうございますか。

 特にこれ以上、御質問等がございませんようでしたら、答申の取りまとめに進みますが、よろしいですか。

 それではお願いします。

(答申案配付)

佐藤部会長 答申案はお手元に行き渡りましたでしょうか。

 朗読は省略いたしますので、ざっと御一読いただければと思います。

 お読みくださいましたでしょうか。

 お手元の答申案につきまして、御質問、御意見等がおありでしたら、挙手をお願いいたします。

 よろしいですか。

 それでは、特に御質問、御意見等がございませんようですので、本部会として本案のとおり決定することといたしたいと存じますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

佐藤部会長 ありがとうございます。御異議がございませんようですので、大韓民国及び中華人民共和国産炭素鋼製突合せ溶接式継手に対する不当廉売関税の課税につきましては、当部会といたしまして、この案のとおり決定することといたします。ありがとうございます。

 なお、関税外国為替等審議会議事規則第7条及び第8条の規定により、部会に付託された調査審議事項については、部会の決定をもって審議会の議決とすることとされております。したがって、これにより関税外国為替等審議会として財務大臣に答申いたしたいと存じます。御承知おきください。

 それでは、以上をもちまして本日の部会を終了いたします。

 本日は御多用中、御出席くださいましてどうもありがとうございました。

午前11時21分閉会

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