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関税・外国為替等審議会 関税分科会 特殊関税部会(平成29年12月14日)議事録

本稿は、平成29年12月14日の関税・外国為替等審議会 関税分科会 特殊関税部会の議事録です。

 

午前10時37分開会

佐藤部会長 若干時間を過ぎましたので、ただいまから関税・外国為替等審議会関税分科会特殊関税部会を開催いたします。

 それでは、本日の議事に入らせていただきたいと存じます。本日の議題はお手元の議事日程のとおりでございまして、「中華人民共和国産高重合度ポリエチレンテレフタレートに対する不当廉売関税の課税」及び「大韓民国及び中華人民共和国産炭素鋼製突合せ溶接式継手に対する暫定的な不当廉売関税の課税」の2点について御審議いただきたいと存じます。

 中華人民共和国産高重合度ポリエチレンテレフタレートに対する不当廉売関税の課税につきましては、お手元の資料1のとおり、財務大臣から不当廉売関税の課税について当審議会に諮問がされております。また、大韓民国及び中華人民共和国産炭素鋼製突合せ溶接式継手に対する暫定的な不当廉売関税の課税につきましても同様に、資料3のとおり、財務大臣から諮問がされております。これら2件が当部会に付託されております。

 本日は、委員の皆様方にこれら2件を御審議いただいた後、答申の取りまとめを行いたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。

 それでは、事務局より説明を受けたいと思います。皆様からの御意見、御質問は後で2件まとめてお受けいたしたいと存じます。

 まず、中華人民共和国産高重合度ポリエチレンテレフタレートについて、経済産業省、財務省より説明をお願いいたします。

生田目製造産業局素材産業課企画官(経済産業省) では、資料2-1に沿って御説明させていただきます。経済産業省製造産業局素材産業課の生田目と申します。

 まず、1ページ目をご覧ください。高重合度ポリエチレンテレフタレート、略して高重合度PET樹脂について御説明いたします。ページの中ほどに対象物質の写真、製造フローを記載しております。プラスチックの一部ですので、原料は原油精製されたナフサから、化学工場において幾つかの分解工程を経て取り出された固体状のテレフタル酸及び液体状のエチレングリコールの2つの物質が主成分になります。この2つの物質に幾つかの触媒物質を加えまして、反応器の中で加熱しながらまぜ合わせる溶融重合や、その結果出ました乾燥状態の物質に不活性ガスを吹きつける固相重合など、いずれも二百数十度の高温真空状態による化学反応の処理過程を経まして高重合度PET樹脂を製造いたします。

 資料の写真で、少々わかりづらいのですが、溶融重合されました左側のペレットは透明、固相重合された右側のペレットは白色になります。今回の対象物質はPET樹脂と呼ばれ、市場で取引・流通しているもののうち、1グラムにつき0.7デシリットル以上の固相重合された高重合度の樹脂でございます。具体的な用途は、町なかでも見かけますさまざまなペットボトルや業務用の包装梱包用シートなどに加工されます。

 国内の製造事業者でございますが、現在、三井化学、三菱ケミカルグループなど記載の8社・グループを確認しており、国内で生産を行っております。

 なお、記載の事業者には、使用済みペットボトルをリサイクルした再生樹脂を活用し高重合度PET樹脂を製造している事業者も含まれております。

 次に、2ページ目に移ります。高重合度PET樹脂の輸入推移でございます。中国からの輸入量は、記載の3年分だけでも年々約20%前後の割合で増加しており、2016年度には約42万トンに達しております。

 次、3ページ目でございます。国別の輸入量を記載しておりますが、中国からの輸入量が最も多く、今年2017年1月から8月の合計では約32万4,000トンと全体の5割以上、51.6%に達しておりましたが、9月、10月の合計では全体の7.8%と1割を下回っております。

 4ページ目のまとめでございますが、高重合度PETは、主に飲料用のペットボトルなどに使用されている樹脂材料でございます。本年9月以降における中国からの高重合度PETの輸入量は減少しており、暫定措置の効果が見受けられております。アンチダンピング課税は、ルールに違反する貿易に対抗するため、各加盟国にWTO協定上認められた措置でございます。引き続き、中国からの安価な貨物の輸入が本邦産業に悪影響を及ぼさないよう、確定措置の発動による保護の必要がございます。

 私のほうからは以上でございます。

武次特殊関税調査室長 続きまして、財務省関税局関税課特殊関税調査室の武次と申します。よろしくお願いいたします。着座にて失礼いたします。

 私のほうからは資料2-2に基づいて説明したいと思います。

 中国産高重合度ポリエチレンテレフタレートにつきましては、関税定率法8条5項に基づく調査を終了いたしましたので、不当廉売関税に関する政令第20条に基づきお諮りしているわけですけれども、その前提となるような最終的な調査結果の御報告でございます。

 まず、調査の概要でございます。これには調査の対象国、先ほど経済産業省から詳しい説明がございましたが、調査の対象貨物、それから調査の対象期間を書いているところでございます。

 次のページをお願いいたします。こちらには、不当廉売関税の課税の要件、3要件を書いております。ダンピング輸入の事実、本邦産業がダンピング輸入で損害等があるという事実、本邦の産業の保護の必要が認められることという要件がございます。

 では、次のページをお願いいたします。仮の決定を出しまして、供給者、輸入者等から反論をいただくという手続をいたしました。主なものを説明いたしますと、供給者が中国産高重合度PETと本邦産高重合度PETの同種性について意見を言ってまいりました。中国産のPETに使っている触媒は、日本で用いられる耐熱ボトルへの使用は制限されている触媒だから、日本でつくっているPETと競合しませんと説明してきたのですけれども、ほかの供給者ですとか輸入者への調査によりますと、耐熱ボトルへの使用が規制されている事実とか、すみ分けできている・用途が違うという事実はありませんでしたので、この意見は受けませんでした。輸入者も同様に同種性について意見を言っておりまして、その輸入者が輸入しておる中国産高重合度PETと本邦産高重合度PETについては用途が違うことを説明したのですけれども、ほかの関係者からの提出書類を見たところではそういう事実はありませんでしたので、こちらもお受けしなかったということでございます。

 次のページに参ります。利害関係者等に対しては、最終決定する前に、重要事実の内容を利害関係者に対してお示ししておるわけですけれども、それに対して意見が1件ございました。この意見の内容としましては、代替国の正常価格は、当該代替国所在の生産者から出された数字ではなくて、民間調査機関が発表している地域ごとの取引価格情報を使ったらどうかということだったのですが、我々の検討では、当該調査機関が出している価格情報は、代替国だけではなくて、その他の近隣国を含む地域全体のものでありましたので、代替国の正常価格算出のデータとしては適切ではないと判断して、この意見は受けませんでした。

 最後に価格約束でございます。供給者5者から価格約束の申し出がありました。平たく言いますと、国内産業の損害がなくなる程度に価格を高くして輸出しますので、課税はしないでくださいというお話です。これにつきましては、我々は、不当廉売関税に関する手続等についてのガイドラインを公表しておりまして、どういった条件を示せれば受諾しますということを公表しております。それを満たしてなかったものですから、その約束の申し出は受諾しないこととしました。

 次のページへ参ります。最終報告まで、中間報告で出した数字ですとか調査内容に変更がございませんでした。よって、ダンピングの事実ですとか国内産業の損害の事実は、いずれも夏にお諮りしたときから変わっておりません。

 加えまして、先ほど経済産業省から説明がございましたとおり、仮の決定を示した事実に変更がない上、本邦産業の保護の必要もあるということで、関税定率法に規定します不当廉売関税の課税要件を満たしておるということでございますので、不当廉売関税を課することは適当であり、その税率は暫定措置と同率、期間は協定・法令で認められた5年間でお諮りしたいと考えているところでございます。

佐藤部会長 ありがとうございました。

 引き続き、2件目、大韓民国及び中華人民共和国産炭素鋼製突合せ溶接式継手について、経済産業省、財務省よりそれぞれ御説明をお願いいたします。

岡本製造産業局素形材産業室長(経済産業省) それでは、鉄鋼製継手産業の現状につきまして御説明をさせていただきます。私、経済産業省製造産業局素形材産業室の岡本と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 それでは、1枚おめくりいただきまして、こちらに「鉄鋼製継手について」と記載がございます。鉄鋼製の継手と申しますのは、2つ以上の鋼管をつなぎ合わせる鉄鋼製の継手を指します。いわゆるパイプとパイプをつなぐ部材と御理解いただければと思います。その用途といたしましては、化学プラント、発電所、製油所等、さまざまな大型の設備に用いられているところでございます。また、内部を流れる流体、例えば水を流すのか、液体の水素を流すのか、そういった用途に応じまして継手そのものの化学成分や材質、強度、寸法などの品質が要求されるものでございます。そこに写真を2つ張りつけさせていただきました。左側の茶色いものが突合せ溶接式と呼ばれているものでございます。右側がフランジと呼ばれているものでございまして、大きな穴があいておりますけれども、そこにパイプを通します。その回りに小さな穴があいておりますけれども、そこを2つのフランジで、ボルトで締めて止めるものでございます。

 右半分に鉄鋼製継手の分類を記載させていただいております。3つに分かれます。鋳造継手、ステンレス鋼製継手、その他の継手とございます。これは、端的に申し上げますと、継手に使っている金属、材質の分類でございます。今回アンチダンピング調査の対象となっております炭素鋼製突合せ溶接式継手と申しますのは、その他の継手の中にある黄色の部分の突合せ溶接式というところに該当するわけでございます。

 左下のほうに、御参考までに主なメーカーを記載させていただきました。

 次のページをご覧ください。「炭素鋼製突合せ溶接式継手について」と記載がございます。こちらは、溶接によって鋼管と接続する継手を鋼製突合せ溶接式継手といいまして、炭素鋼製のもの、その他合金製のものが存在いたします。このうち炭素鋼製のものを炭素鋼製突合せ溶接式継手と呼んでおります。継手の形状は、目的に応じまして、例えばエルボとか、Tタイプとか、レデューサとか、いろいろな形がございます。御参考までに写真と表を添付させていただいております。

 次のページをご覧ください。鉄鋼製突合せ溶接式継手の輸入状況を記載させていただいております。右上のところに円グラフがございます。こちらは2017年1月から10月の国別輸入数量の割合でございます。赤が韓国、黄色が中国、青がベトナム、緑がタイ、それから、少し見にくくございますが、薄い水色の部分がその他と分類をさせていただいております。タイ、ベトナムからの輸入貨物は日系企業により生産されたものでございます。日系企業が生産した製品を除きますと、韓国、中国からの輸入が大宗を占めておりまして、特に2010年以降は中国からの輸入が増加傾向にございます。先ほど申し上げましたけれども、需要先としましては国内のプラントが代表的なものでございますことから、需要量が一定の中、韓国、中国からの安価な貨物の輸入が本邦産業に悪影響を及ぼしているということでございまして、暫定措置の早期発動による保護の必要があるのではないかと考えております。

 私からは以上でございます。

武次特殊関税調査室長 財務省でございます。続いて、資料4-2に参りたいと思います。

 1枚おめくりいただいて、調査の概要でございます。調査対象国は大韓民国及び中華人民共和国でございます。調査対象貨物は、さきに経済産業省から説明のありました炭素鋼製突合せ溶接式継手でございます。調査対象期間でございますが、ダンピング輸入があったという事実につきましては、平成27年10月1日から1年間、不当廉売された貨物の輸入が本邦の産業に与える実質的な損害等の事実につきましては、平成25年1月1日より28年9月30日までの3年9カ月間をとっております。

 次に課税要件です。先ほどのポリエチレンテレフタレートでも説明しましたが、こちらは不当廉売されたダンピング輸入の事実の推定、ダンピング輸入貨物が本邦産業に実質的な損害を出しているという推定、本邦産業の保護の必要性になっております。これまでの調査の経緯でございますが、本年3月6日に課税申請がございまして、3月末日に調査を開始したところでございます。その後、種々手続をやりまして、10月には現地調査も実施いたしまして、先週12月8日には仮の決定に至っております。これに基づきまして本日お諮りをしておるところでございます。

 次のページに参ります。調査の初めに、利害関係者等に対して質問状を送付しているわけですけれども、回答状況は表1のとおりでございます。韓国の供給者へ19件送って3件の回答、中国からの回答はなかったということでございます。

 続いて、不当廉売された貨物の輸入の事実の調査でございます。韓国から回答のあった3者のうち、ここに特掲しております1者につきましては回答内容が十分でございましたので、回答のあった数字をそのまま利用いたしました。韓国のその他の供給者につきましては、回答内容が不十分または回答がなかったということで、知ることのできた事実に基づきまして不当廉売差額率を算出いたしました。中国につきましては、正常価格については代替国価格から、輸出価格は本邦輸入者からの輸入価格の回答から算定した価格を用いたものでございます。結果、橙色の枠で囲っております表2でございますが、不当廉売差額率が算出されておりますので、不当廉売のあった事実が推定されたということでございます。

 次のページをお願いします。ダンピングの輸入がありましても、本邦産業に損害が出ておらなければ課税の必要性はないわけですが、この調査を実施したものでございます。表3をご覧ください。期間中、国内需要量はほぼ横ばいでございました。一方、その下の韓国からの輸入量、中国からの輸入量は、少し増減はございますが、ならしてみれば、調査対象期間中、右肩上がりで推移ということでございます。この表の中央より上に国産品の市場占拠率とございますが、これを見ますと、当然ながら右肩下がりに推移したということでございます。この表の下から2つ目の行を見ていただくと製造原価を書いてあります。期間中、こちらも右肩上がりで推移しておるのですけれども、これを国産品の価格に転嫁したところ、中国、韓国からの輸入品にシェアを奪われまして、それから価格下げ圧力もあって価格も低下となりました。このために、国産品の売上高も減少しまして、一番下の行になりますが、国内産業の営業利益も、しばらくは黒字を出していたのですけれども、直近ではかなり急激に悪化して赤字に転落となっております。この間、他国からの輸入によります国産品価格への影響ですとか、消費態様の変化、ほかの要因、例えば投資に失敗したといった要因は見受けられませんでしたので、ここは韓国及び中国からの輸入が影響しているのではないかという推定に至ったものでございます。

 次のページに参ります。先ほどのポリエチレンテレフタレートの説明でも申し述べたとおりですが、仮の決定以降も調査は継続しておりまして、現時点では調査は終了していないわけでございます。しかしながら、調査終了までの数カ月間にダンピング輸入が継続いたしますと本邦産業に悪影響を及ぼすことから、調査終了前ではございますが、暫定的に課税をする必要があろうと考えておりますところ、税率につきましては、表4にありますとおり3つの段階、課税期間につきましては協定及び法令に定められた4カ月ということで、課税の可否についてお諮りしたいと考えております。

 以上でございます。

佐藤部会長 ありがとうございました。

 以上、2件の事務局からの御説明につきまして、御質問、御意見などありましたらお願いいたします。

相澤委員 ありがとうございます。今後もダンピングに対して適切な措置がとられることを期待したいと思います。

佐藤部会長 ありがとうございます。

 ほかに御意見、御質問等ございませんでしょうか。よろしゅうございますか。

 それでは、これ以上、特に御質問、御意見等がございませんようでしたら、答申の取りまとめを行いたいと存じます。

 お手元の答申書(案)をご覧ください。お手元の答申案につきまして御質問、御意見等ございますでしょうか。答申書が2通ございます。1通目がPETに対し不当廉売関税を課することについて、2つ目が継手で、暫定的な不当廉売関税を課することについてという2件です。よろしいですか。

 特に御意見がありませんでしたら、本部会として本案のとおり決定することといたしたいと存じますが、よろしいでしょうか。

 ありがとうございます。御異議がございませんので、中華人民共和国産高重合度ポリエチレンテレフタレートに対する不当廉売関税の課税及び、大韓民国及び中華人民共和国産炭素鋼製突合せ溶接式継手に対する暫定的な不当廉売関税の課税につきましては、当部会といたしましてこの案のとおり決定することといたします。

 なお、関税・外国為替等審議会議事規則第7条及び第8条の規定により、部会に付託された調査審議事項については部会の議決をもって審議会の議決とすることとされておりますので、これにより関税・外国為替等審議会として財務大臣に答申いたしたいと存じます。

 それでは、以上をもちまして本日の部会を終了いたします。

 本日は御多用のところ御出席、御審議賜りまして、誠にありがとうございました。

午前11時05分閉会