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関税・外国為替等審議会 関税分科会 (令和元年11月8日開催) 議事録

  1. 開会
  2. 関税分科会長代理の指名
  3. 令和2年度関税改正検討項目(1)
    • 個別品目の関税率の見直し
    • 暫定的減免税制度の適用期限の到来
    • 加糖調製品の暫定税率の設定について
    • 国際コンテナ戦略港湾政策について
  4. 閉会

出席者
関税分科会長森田 朗財務省中江関税局長
委員伊藤 恵子山名審議官
浦田 秀次郎小宮審議官
金原 壽秀渡部総務課長
工藤 操高橋関税課長
坂元 龍三河西参事官
佐藤 英明荒木参事官
清水 順子有利監視課長
杉山 晶子芹生業務課長
高山 一郎福田調査課長
田村 善之田中事務管理室長
根本 敏則加藤特殊関税調査室長
野原 佐和子井田原産地規則室長
春田 雄一鈴木税関調査室長
古谷 由紀子酒井経済連携室長
三石 誠司坂田知的財産調査室長
専門委員阿部 克則福山企画官
国松 麻季農林水産省阿部大臣官房国際部国際経済課国際交渉官
佐々木 伸彦森下政策統括官付地域作物課長
末冨 純子経済産業省上野通商政策局通商機構部参事官
宮島 香澄杉浦製造産業局生活製品課長
村上 秀徳畑田製造産業局航空機武器宇宙産業課長
國澤製造産業局宇宙産業室室長補佐
国土交通省谷口国土交通省港湾局港湾経済課長

 

午前10時00分開会

森田分科会長 おはようございます。

 時間も参りましたので、ただいまから関税・外国為替等審議会関税分科会を開催いたします。

 委員の皆様方には、御多用中のところ御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。

 初めに、芹生業務課長より、前回の関税分科会における発言につきまして、補足をさせていただきたいと伺っておりますので、これについて御発言をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

芹生業務課長 おはようございます。

 前回の本分科会において、委員の皆様より、知財侵害物品の水際取締りにつきまして御質問を頂戴いたしましたが、その際の私の説明について一部補足させていただきます。

 税関におきましては、知的財産侵害物品の水際取締りを厳正に行っており、知財侵害の疑義がある物品の認定手続を年間3万件以上行っておりますが、うち2万6,000件以上につきまして差止を行っているところでございます。

 また、認定手続を開始した物品のうち、昨年は約6,000件について、輸入者から争う旨の申し出がなされており、このうち個人使用を理由とするものが大半を占めていますが、こうした場合にも、税関においては業者が個人使用を偽装していないかなどを含め、水際で厳正な取締りを行っているところです。

 近年、越境電子商取引の拡大に伴い、個人が通販等で手軽に模倣品を輸入することが可能になったことを受けて、個人使用を理由に争う旨の申し出がなされ、結果として通関を認めるケースが増えておりますが、現在知財推進計画2019を踏まえ、模倣品の国内流入増加へ対応するため、関係省庁において具体的な対応を検討しております。

 私からの補足説明は以上です。

森田分科会長 ありがとうございました。この件についてはよろしくお願いいたします。

 それでは、本日の議事に入らせていただきたいと存じます。

 まず、関税分科会長代理の指名についてでございますが、関税・外国為替等審議会令の規定によりまして、分科会長より指名することとされております。そこで、私が指名させていただきたいと思いますが、関税分科会長代理については、根本敏則委員にお願いしたいと思います。

 根本委員、一言お願いいたします。

根本委員 よろしくお願いいたします。

森田分科会長 ありがとうございました。

 続きまして、令和2年度関税改正検討項目といたしまして、本日は個別品目の関税率の見直しのほか、暫定的減免税制度の適用期限の到来、加糖調製品の暫定税率の設定について、及び国際コンテナ戦略港湾政策についての説明を受け、審議を行いたいと思います。

 それでは、まず個別品目の関税率の見直し及び暫定的減免税制度の適用期限の到来につきまして説明を受けたいと思います。

 関税課長、よろしくお願いいたします。

高橋関税課長 関税課長の高橋でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 私からは、2項目につきまして、続けて御説明をさせていただきます。

 それではまず、資料1−1を御覧ください。この資料におきましては、個別品目の関税率の見直しに関しまして、令和2年度改正要望が提出されております5つの項目について見直しの方向性を記載いたしております。

 1ページを御覧ください。1ページに基本税率の位置づけなどをまとめております。関税定率法上の基本税率は、中長期的な観点から、内外価格差や真に必要な保護水準などを勘案して設定をされているところでございますが、物資所管省庁の要望を踏まえ、必要に応じて見直しを行っているところでございまして、最近3年間においては、1ページ下段の表に記載の改正を行っております。

 続いて2ページを御覧ください。左側に、令和2年度改正要望として提出されております5項目について、輸入額、現行税率、そして用途などを表の形でまとめております。これら5項目について、基本税率無税化の要望が提出をされております。引き続き順次各項目の詳細を御説明いたします。

 2ページ右側のCHDMでございますが、こちらは合成樹脂に耐候性、耐熱性などの特殊な機能を付加させるための原料として使用されている物質でございまして、製造・加工工程の図にありますように、CHDMを使用した合成樹脂である特殊ポリカーボネートは、自動車用の外装材、内装材などに、特殊ポリエステルは、高級化粧品容器などにそれぞれ使用されております。

 下の現状及び見直しの方向性にございますように、CHDMの国内生産者は存在せず、海外から全量を輸入しているという状態にございます。

 一方で、電気自動車などの普及によりまして、車体軽量化などの観点から、高機能樹脂への関心が高まっており、CHDMを使用した高機能樹脂の需要は今後拡大していくことが予想される状況となってございます。

 こうしたことから、CHDMを使用する国内高機能樹脂産業の競争力強化を図るため、CHDMの基本税率、現行4.6%を無税化することが適当ではないかと考えております。

 次のページを御覧ください。左側の3,5−DMPでございます。製造・加工工程の図にありますように、この3,5−DMPという物質を原料としまして、新型ゼオライトというものがつくられ、この新型ゼオライトを使ってディーゼルエンジンの排ガス浄化に使用されるSCR触媒が製造されるという流れになっております。そして、この3,5−DMPを使用して製造された触媒は従来の触媒よりも効果的に排ガス浄化ができるという特徴がございます。

 下の現状及び見直しの方向性にございますように、3,5−DMPの国内生産者は存在せず、海外から全量を輸入しているという状態でございます。

 一方で、国内外における自動車排ガス規制の強化に対応するために、3,5−DMPを原料といたしました新型ゼオライトを用いて製造されるSCR触媒の需要拡大が見込まれるところでございます。こうしたことから、3,5−DMPを使用する国内新型ゼオライトメーカーの国際競争力強化のため、基本税率、現行4.6%を無税化することが適当ではないかと考えております。

 続いて右側の自動車安全部品用イグナイターでございますが、こちらは電気などにより点火し外部のガス発生剤に着火する点火具でございまして、ガス発生器に組み込まれ、自動車用エアバッグなどに使用されるものでございます。

 下の現状及び見直しの方向性にございますように、このイグナイターに関しましては、平成18年に長さ1.4から2.6センチ、直径0.7から1.2センチといった寸法の自動車安全部品用イグナイターについて基本税率を無税化したところでございます。

 一方で、近年安全性向上等の観点からエアバッグの機能、形状が多様化いたしまして、それに伴いイグナイターの形状も多様化した結果、無税とならない寸法のイグナイターが増加をいたしております。

 そして、この寸法規定外の自動車安全部品用イグナイターについては、国内生産者は存在せず、海外から全量を輸入している状況でございます。こうしたことから、国内自動車安全部品製造産業の競争力強化等のため、寸法規定外の自動車安全部品用イグナイターの基本税率、現行6.4%を無税化することが適当ではないかと考えております。

 続いて、次のページをお願いいたします。左側のアルキルベンゼンでございますが、ノルマルパラフィンから製造される石油化学製品でございまして、家庭用の合成洗剤、衣料用の粉末洗剤ですとか、産業用精密機械の潤滑油などの原料として使用されるものでございます。

 下の現状及び見直しの方向性にありますように、本年5月末にアルキルベンゼンの国内生産は終了し、この11月に国産品の販売は終了する予定となってございます。国内販売が終了した後は、海外から国内需要分の全量を輸入予定でございまして、今後原料調達コストの増加が見込まれ、国内洗剤製造業の競争力低下などが懸念される状況でございます。

 こうしたことから、国内洗剤製造業の競争力維持等の観点から、アルキルベンゼンの基本税率、現行3.9%を無税化することが適当ではないかと考えております。

 最後に、右側のリバーレースでございますが、こちらは極細の糸を数万本使用して、さまざまな模様により合わせて編むことによって、繊細で優美な模様をあらわすといった特徴があるレースでございます。製造・加工工程の図にありますように、国内で生産されたナイロン糸を原料につくられるものでございますが、このリバーレースを使って国内産業が高級下着類やウエディングドレスを生産しているところでございます。

 下の現状及び見直しの方向性にありますように、このリバーレースの国内生産者は存在せず、我が国は海外から全量を輸入しており、輸入の過半はEPAによって無税となっております。

 一方で、我が国の国内繊維産業全体を見ますと、近年、生産拠点の海外移転が進む中、リバーレースを使用する下着類などは高付加価値化を図るべく国内において縫製を行っておりますけれども、今後、生産コストの増加に伴って、リバーレース販売価格が上昇した場合には、国内繊維産業の競争力の低下や国内縫製工程の海外移転による産業空洞化の動きといったものの加速が懸念をされるところでございます。

 こうしたことから、国内繊維産業の競争力維持の観点から、リバーレースの基本税率を無税化することが適当ではないかと考えております。

 続きまして、資料2−1の暫定的減免税制度の適用期限の到来を御覧ください。

 令和元年度末に3年間の適用期限が到来する制度が2つございまして、1つ目が、航空機部分品等免税制度、2つ目が加工再輸入減税制度でございます。

 1ページを御覧ください。航空機部分品等免税制度につきまして、上段が本制度の概要でございますが、航空機の部分品並びに航空機及びその部分品の製作に使用する素材、そして、人工衛星及び人工衛星打ち上げ用ロケットなどの部分品並びにその製作に使用する素材、これらのうち国産困難と認められるものについて、その関税を免除するものでございます。

 本制度の目的につきましては、公共性の高い航空運送事業の発展及び広範な技術波及効果を有する航空宇宙産業の国際競争力強化に資することでございまして、航空機部分品等の免税は昭和26年度、宇宙開発用物品の免税は昭和48年度にそれぞれ導入された制度でございます。

 本制度は、航空宇宙産業における国産開発、国際競争力の度合いなど、その時々の制度を取り巻く状況を勘案しながら、延長の適否を検討するために暫定措置としておりまして、制度の安定的運用及び定期的な制度の見直しの必要性を考慮いたしまして、3年を適用期限としているところでございます。

 今般、来年3月末に適用期限が到来するということで、その後の取り扱いを検討する必要があるということでございます。

 1ページの下段に制度の利用状況をお示ししております。適用実績といたしましては、平成30年度の本制度を利用した輸入額は729億円でありまして、その結果、免税額は27億円となっております。

 続きまして、次のページを御覧ください。航空機産業の状況をまとめております。航空機産業におきましては、日本企業は国際共同開発へ参画をしているほか、国産の民間航空機の開発について、試験飛行などの最終局面を迎えているところでございます。

 続いて、次の3ページの上段に、宇宙産業の状況をまとめております。世界の宇宙産業の規模は毎年拡大をいたしまして、新規参入などの活発な動きが見られるところでございまして、国内においても宇宙産業への新規参入のチャンスが拡大をしているところでございます。H3ロケットの開発のほか、国内民間企業が高精度衛星データ提供などの宇宙ビジネスに参入をしているといった例が見られるところでございます。

 以上を踏まえた航空機部分品等免税制度の取り扱いでございますが、本制度は暫定的な制度でございますので、定期的に見直しを行って、制度の全部または一部について必要性がなくなった場合には、その廃止を行うことが求められるものではございます。しかしながら、航空機産業、宇宙産業ともに、市場は拡大しているものの、国産困難な部分品などについては、引き続き輸入に依存せざるを得ない状況に変わりはなく、当分の間、本制度の利用が見込まれております。

 したがいまして、本制度は引き続き必要なものと考えられますことから、3ページ下段の改正の方向性に記載のとおり、本制度が航空宇宙産業の新しい技術開発や事業化を支援する政策であることなどに鑑みまして、中期的な期間を設定することが妥当であるということで、適用期限を従来同様3年間延長することが適当ではないかと考えております。

 続いて次のページ、資料4ページ、加工再輸入減税制度について御説明をいたします。上段が本制度の概要でございます。

 我が国から加工または組立てのため輸出された貨物を原材料とした製品が原則として輸出の日から1年以内に輸入される場合、その製品に課される関税のうち、原材料相当分を軽減するものでございまして、昭和44年度に導入された制度でございます。対象となっている輸入製品は、これまで順次追加をされまして、現在は、かばん、手袋等の革製品、あるいは繊維製品、そして革製履物の甲でございます。

 本制度は、原材料の国内生産者が制度利用により国内生産を維持しつつ、構造改善を行い、国際競争力をつけるまでの措置であり、その時々の制度を取り巻く状況を勘案して、延長の適用を検討するために暫定措置といたしておりまして、制度の安定的運用及び定期的な見直しの必要性を考慮して、3年を適用期限としているところでございます。来年3月末にこの制度も適用期限が到来するため、その後の取り扱いを検討する必要がございます。

 下段に制度の利用状況をお示ししております。適用実績といたしまして、平成30年度の本制度を利用した製品輸入額は3,102億円でありまして、その結果、減税額は117億円となっております。

 次のページを御覧ください。左側に繊維産業の状況、右側に皮革関連産業の状況をお示ししております。国内生産量あるいは国内出荷額は減少いたしまして、いずれの産業においても海外からの輸入は増加傾向となってございますが、この制度を利用することにより、繊維産業においては国産原材料の競争力を強化し、皮革関連産業においては国産皮革等の利用を図りつつ、国内製品のブランド化や生産性向上の取り組みを実施しているところでございます。

 以上を踏まえまた加工再輸入減税制度の取り扱いでございますが、本制度は暫定的な制度であるということで、定期的に見直しを行って、制度の全部または一部について必要性がなくなった場合には、その廃止を行うことが求められるものではございますけれども、ただいま申し上げましたような国内産業の状況を踏まえますと、関連産業の競争力の維持向上のため本制度は引き続き必要なものと考えられます。

 したがいまして、改正の方向性に記載のとおり、本制度は産業の構造改善や国際競争力の強化を支援する政策であるということなどに鑑みまして、中期的な期間を設定することが妥当であるということで、適用期限を従来同様3年間延長することが適当ではないかと考えております。

 私からの説明は以上でございます。

森田分科会長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見等がございましたら御発言をお願いいたします。

春田委員 説明ありがとうございます。

 今説明がありました加工再輸入減税制度につきまして、この制度について今適用になっている対象は先ほどの2点あるということではありますけれども、これは昭和44年に導入されてから、今の対象の繊維産業と、皮革産業ということであります。これは、現状を見ますと、それ以外の産業についてもこの加工再輸入減税制度の対象としたほうがいいものも、ひょっとしたら現状としてあるかもしれません。今回の適用期限の3年延長ということでは理解しますけれども、それ以外の対象となる産業に関しても、現状に合わせて適宜見直しをしていく必要もあるのではないかなと思っているところであります。

 何かコメントがあればいただきたいと思っています。

 以上です。

高橋関税課長 この加工再輸入減税制度につきましては、先ほども申し上げたかと思いますけれども、これまで必要性に応じて産業の追加を行っているものもございますし、一方で、この制度が必要なくなった物品については、この制度を卒業していただいているといったような状況もございますので、その時々の時代の要請に応じまして、この対象となる産業というのは見直しといいますか、そういったものは行うということはあり得ると思いますし、そのためにも、この制度につきまして、恒久的な制度ということではなくて、暫定的に適用期限を設定して見直しを行っているというものだと御理解いただければと思います。

浦田委員 どうもありがとうございます。

 学術的な観点からの質問かもしれませんけれども、個別品目の関税率の見直しというところで、国内生産者は存在せずというのが最初の2つですけれども、それでも関税がかけられていたということであります。その次の製品に関しましては、国内生産が終了したので関税を撤廃する、こういう話ですけれども、最初の2つに関しまして、国内生産者がそもそもいなかったのか、それとも、3番目と同じように生産が終了したのでということで関税率をゼロにするのか。なぜ関税率がそもそもあったのかというのが質問の趣旨であります。

 もう一点、関税を無税にすることによって、税収がどの程度低下するのか。これは輸入額と協定税率を掛ければ大体そのような金額になるかとは思うのですけれども、FTA等さまざまな取り組みがありますので、必ずしも輸入額に関税率を掛けたものが関税収入ということではないと思いますので、もし、そのような情報がありましたら教えていただけるとありがたいです。

 以上です。

高橋関税課長 最初の2つの関税率、これまで設定されていたものですけれども、鉱工業品の関税率につきましては、過去の経緯といたしまして、ウルグアイラウンドの合意等々の際に一律で関税率の引き下げといったようなものを行ってきておりまして、その経緯もあって、これまで関税率が設定されていたといったような過去の経緯による部分もございます。

 それで、今回関税率の引き下げについてでございますけれども、これまで、まず一番最初のCHDMでございますけれども、こちらの関税改正を今年行うことにしたということにつきましては、ポリカーボネートの需要が今後堅調に増加する見込みであるということもあって、その関税率、これまで設定されていたものにつきまして引き下げてほしいといったような要望が出てきているというところでございます。

 また、2つ目の3,5−DMPにつきましては、本年度の改正の理由といたしまして、国内外のディーゼル自動車排ガス規制強化に対応するということで、3,5−DMPを使って生産をされるSCR触媒の需要拡大が見込まれるということで引き下げの要望が出てきているというところでございます。なお、国内生産者につきましては、最初の2つの品目についてはこれまでいなかった、存在しなかったということでございます。

浦田委員 質問は、それでもなお関税がなぜかけられていたのかということです。今すぐにお答えいただかなくても結構ですが、やはりなぜかなと思ってしまいます。

高橋関税課長 先ほど申し上げました経緯以外に、ちょっと確認をさせていただきます。

森田分科会長 それでは、次回といいましょうか、それまでに確認をしていただくということでよろしゅうございますか。

坂元委員 繊維産業に携わっている立場で少し御質問申し上げたいと思います。昭和44年、1969年ごろから考えますと、繊維産業の構造は非常に変化しております。かつては衣料繊維が中心であったものが、最近では、日本の繊維産業の素材力としての強さというというのは、衣料だけではなくて、むしろ生活用の資材であったり、産業用繊維であったりということになると思います。

 そういった中で、日本の繊維産業の競争力をさらにつけていくということを考えますと、衣料だけではなくて、例えば高強力繊維とか、高機能繊維を海外に輸出して、海外で加工したものを日本に持ち帰る。こういったものに対しての減税の適用ということも考えていただくと、日本の繊維産業の強さにつながってくるかなと思います。

 以上でございます。

高橋関税課長 加工再輸入減税制度の関係で、高機能繊維の輸出でございますとか、そういった今後の繊維産業全般を見渡した形での制度につきましての御意見と受けとめました。先ほども申し上げたことの繰り返しになるかもしれませんけれども、繊維産業全体の状況を見ながら、加工再輸入減税制度のあり方というのは適時に見直しをしていくというものかと思っておりますので、そういった時代の要請も踏まえながら、この適用期限の延長ですとか、あるいは制度の見直し自体は適用期限の延長のタイミングしかできないというわけでもございませんので、そこは毎年の状況を踏まえながら、物資所管省庁とも御議論の上で適切に検討の上で対応していくということかと考えております。

古谷委員 ありがとうございます。2点あるのですけれども、まず、個別品目の関税率の見直しの4ページのところで、非常に細かくて恐縮なのですが、アルキルベンゼンで消費者利益の観点からというのがここ1点だけあります。ほかはないのですけれども、それは、なぜないのか。ここだけ特に消費者利益にかかわるのかどうかというところで、多分そうなのだと思うので、そこを教えていただきたいと思います。

 2点目ですけれども、例えば関税率の見直しであるとか、減税制度の見直しだとか、いろいろな見直しの結果としてここの会議の俎上にのるわけです。その前に、関連の省庁であるとか、あるいは企業等の要望があると思うのですけれども、そういった要望があったのか、なかったのかというのは知るよしがないので、それをどこかで、例えば財務省なりが、要望があったけれども、これは検討しなかったのか、あるいは最終的に検討して乗せたのかというところがわかるようになっているのかどうか、そこをお聞きしたいと思います。

高橋関税課長 簡単なほうからお答えをさせていただきますと、要望につきましては、そういう意味では広報というか、周知の仕方が不十分なのかもしれませんけれども、各省庁からこういった要望が出ておりますということは財務省の関税関係のホームページのほうで掲載をさせていただいているところでございます。

 そして、アルキルベンゼンにつきまして、消費者利益の観点ということを申し上げましたけれども、関税の改正に当たっては、まずは国内産業保護の観点というのが一つ重要なポイントであろうかと思います。それ以外にも国内のそれを使って生産等を行う国内の関連産業の競争力といったような論点もございますし、それに加えて、幅広い消費者に影響を与えるようなものにつきましては、消費者への影響も考えて、関税率の取り扱いはどうかといったものをこれまで検討してきております。

 今回、特にアルキルベンゼンにつきまして言及いたしましたのは、こちらは家庭用合成洗剤ということで、非常に幅広く消費者に使われているものであるということで、特に消費者利益の観点というのをアルキルベンゼンについては特記をさせていただいた、そういう事情でございます。

宮島委員 ありがとうございます。もう全体のことなので、一言申し上げようかなと思ったのですけれども、やはり暫定措置は本来暫定であるべきだと思っているし、国民もそういうふうに見ていると思います。今回のそれぞれの暫定措置の延長については、納得はいくのですけれども、こういう理由というのに加えて、将来望ましい方向に進むための努力はどこまでされているかというのはしっかり見る必要があると思うんです。

 つまり、暫定がなくなるまでの目途というか、それに対してどのような努力がなされているのか。そうではないと、みんな、それは軽いほうがよかったりするものですから、特に努力をしないままに業者がこのままでいいと思って、そのまま何十年もたつというのはあまり望ましいことではないと思いますので、特に後段の2つに関しては、今どのような努力がなされていると理解されているかということをこれは経産省さんなのか、関税局さんなのか、教えていただきたいと思います。

高橋関税課長 宮島委員からの御質問については、後程、経済産業省より回答させていただきます。

森田分科会長 ありがとうございました。

 それでは、次の議題に移りたいと思います。農林水産省より、加糖調製品の暫定税率の設定について御説明いただきたいと思います。

森下政策統括官付地域作物課長(農林水産省) それでは、私より、加糖調製品の暫定税率の設定につきまして御説明を申し上げます。

 私は、農林水産省地域作物課長、森下と申します。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 それでは、まず資料の2ページ目を御覧ください。これが、砂糖の制度に関する全体像でございます。左側の図を御覧いただきたいのですけれども、砂糖の製造に当たっては、国の内外から原料となる粗糖を調達しているという状況でございます。左側の斜めの線で示しておりますけれども、外国、例えばオーストラリア、タイなどから砂糖の原料となる粗糖を輸入しております。その輸入する際に、ALICという農畜産業振興機構のところで調整金を徴収いたします。その上で、国内の精製糖工場に持ち込まれている状況でございます。

 輸入とあわせまして、国内でも原料となる粗糖を生産しております。1つは、表の下のほうでございますけれども、沖縄のさとうきび、それからもう1つは北海道のてん菜を原料として、そこで粗糖をつくって、その粗糖を消費地にある精製糖工場に持ち込むといったような仕組みになっております。

 それで、安い外国産の原料糖と高い国内産の原料糖があるということでございます。海外から輸入される原料糖は、国産の原料糖に比べまして大変安いといった状況でございますが、このままでは価格の高い国産の原料糖は売れない状況となってしまいます。

 そのため、2のところでございますけれども、国内産の原料糖を支える仕組みといたしまして、国の政策といたしまして、海外から安い原料糖が輸入される際には、輸入者から調整金を徴収いたしまして、それを原資といたしまして、国内の農家と、それから産地の製糖工場の支援に充てさせていただいているといったことでございます。

 その結果、外国産の原料糖価格と国内産の原料糖価格とのバランス、均衡がとられまして、農家の方々や砂糖製造工場の方々が安心して砂糖を生産できる。そして、ひいては我が国の食料自給率を高めることが可能となっております。

 3ページ目を御覧ください。調整金を徴収する制度の具体的な仕組みでございます。国産の原料糖は外国産の原料糖と比べますと、てん菜糖で約2倍、甘しゃ糖、これはさとうきびを原料とする粗糖でございますけれども、約6倍もの内外価格差がございます。このため、輸入される外国産の原料糖から一定の調整金を徴収いたしまして、これを財源として、国産の原料糖に対しまして、販売価格と生産、製造経費・製品の販売経費との差額相当分を補填する政策支援を実施しているといったところでございます。

 この結果、外国産の原料糖と国産の原料糖の間で価格のバランスがとれるといったことでございます。

 4ページ目を御覧ください。加糖調製品でございます。加糖調製品とは、砂糖と砂糖以外の物質を混ぜたものでございまして、例えば砂糖とココア、砂糖と粉乳を混ぜ合わせた混合物でございます。その形態は多岐にわたっておりまして、菓子類だとか、パン類だとか、飲料だとか、調味料だとか、練り製品、大変幅広く使用されているという実態にございます。

 引き続き5ページ目を御覧ください。その加糖調製品の事例でございます。例えばココア調製品につきましては、菓子類だとか、飲料原料だとか、チョコレート製品等に充てられているという実態、それから右側の例えば粉乳調製品であれば、缶飲料だとか、粉ミルクだとか、アイスクリーム原料、そういったところに使われているというふうな実態がございます。

 それから、6ページ目を御覧ください。砂糖及び加糖調製品の動向でございます。加糖調製品の輸入量でございますけれども、自由化された平成2年以降、大幅に増加してきております。これが、事実上国内の砂糖需要を代替するという形になっております。

 TPP11、日EUの発効に伴いまして、糖価調整制度は維持をしたといったところでございますけれども、あわせて関税割当枠の設定というふうな対応もとらせていただいておりまして、その結果、輸入量は今後増大していくのではないかと見込んでいるところでございます。

 引き続き7ページ目を御覧ください。TPP11、それから日EUの合意内容でございます。粗糖、精製糖につきましては、糖価調整制度を堅持したといったところでございます。その一方、砂糖を含む製品に原料として用いられている加糖調製品につきましては、世界からの輸入量が大変多く、砂糖との競合性が高い、そういった品目につきましては、関税割当枠を設定させていただいたといったことでございます。また、チョコレート菓子などの製品やココア調製品の一部につきましては、段階的に11年目に関税を撤廃するといったことを日EUの合意として取り決めさせていただいたところでございます。

 8ページ目を御覧ください。これは参考でございますけれども、TPP農林水産物市場アクセス交渉結果でございます。具体的には、加糖調製品につきまして、品目毎に以下のとおり関税割当枠を設定させていただいたといったところでございます。

 引き続き9ページ目を御覧ください。加糖調製品の調整金徴収制度でございます。TPP11、それから日EUの合意内容を踏まえまして、平成29年11月の総合政策大綱におきまして、甘味資源作物につきましては、国産甘味資源作物の安定供給を図るため、改正糖価調整法に基づきまして、加糖調製品を調整金の対象とするというふうに取り決めさせていただいたところでございます。

 3ポツ目でございます。平成30年12月30日、TPP11の発効日でございますけれども、そこから改正糖価調整法が施行されまして、これに基づきまして、加糖調製品を新たに調整金の対象とする、そして、これを砂糖の国内支援に充当すること等を通じまして、国産の砂糖の競争力を強化するといった措置を講じておるところでございます。

 引き続き10ページ目を御覧ください。加糖調製品の関税改正要望の内容でございます。加糖調製品からの調整金収入を確保することによりまして、砂糖と加糖調製品との価格差を縮小するため、令和2年度におきまして、3年目のTPP11税率の設定状況を踏まえまして、暫定税率の引き下げ及び延長を要望させていただきたいと思っております。

 改正要望の具体的なイメージは下段のところでございます。青色のところが関税割当の枠内でございます。これは協定に従いまして下げていくといったところでございます。そして、緑側の部分、これは枠外のところでございますけれども、青色の部分の引き下げに伴いまして、この緑色の部分の高さが暫定税率でございますけれども、これを引き下げていくといったこと、そして、譲許税率と暫定税率との間、ここの部分を調整金に充てるといったことを考えております。

 引き続き11ページ目を御覧ください。こちらは加糖調製品の暫定税率引き下げの対象ラインの一覧を御参考までにおつけした次第でございます。

 そして、最後、12ページ目でございます。加糖調製品の暫定税率を引き下げる必要性でございます。改正糖価調整法は、TPP11、それから日EUの税率の設定状況に応じまして、暫定税率を引き下げていくこと、これによりまして、加糖調製品からの調整金収入を確保することを前提にいたしまして、調整金収入を財源として国産の原料糖の支援に充当すること、これを通じまして、砂糖と加糖調製品との価格差を狭めていく、調整していくといったものでございます。

 初年度は、加糖調製品からの調整金を原資として、海外産の原料糖にかかる調整金を3.4円/kg軽減することによりまして、国産の砂糖の価格を低減する。これによって国産の砂糖の競争力を強化していくといったものでございます。

 しかしながら、国産の砂糖の価格は190円程度といったことに対しまして、加糖調製品の価格は120円から140円といったことでございまして、やはり差が残っているという状況でございます。暫定税率をTPP11、それから日EUの税率の設定状況に応じて引き下げることで、当該価格差を縮小していく必要がある、こういうふうに考えているところでございます。

 あと14ページ目以降、砂糖の位置づけ、砂糖の生産、輸入状況等を参考資料として添付させていただいております。適宜御参照いただければ幸いでございます。

 私からの説明は以上でございます。ありがとうございました。

森田分科会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見等をお願いいたします。

国松委員 御説明どうもありがとうございました。

 質問がございまして、まず、この類似の制度を諸外国で持っている国があるかどうかということを教えていただきたいという点と、あとWTO協定上、あるいは既存のEPA協定上、この制度はどういうふうに整理されているかということを教えていただければと思います。よろしくお願いします。

森下政策統括官付地域作物課長(農林水産省) まず1点目のところでございます。外国に類似の制度があるかというところでございますけれども、いわゆる糖価調整制度といって、輸入する際の調整金、これを原資にして国産糖の支援に充てていくといった制度は現時点においては多分日本だけなのではないかと考えております。

 あとWTOとの整合性でございます。基本、WTOのルールに基づきまして、国際約束として、関税、調整金のトータルの水準が規定されているところでございます。その範囲内におきまして、関税と調整金が整合性がとれるように設定されているといったところでございます。

国松委員 ありがとうございます。つまり、関税の世界で完結していて、補助金協定部分とは全く関係がないという理解でよろしいのでしょうか。

阿部大臣官房国際部国際経済課国際交渉官(農林水産省) 農林水産省の国際部でございます。

 補助金協定の対象にもなっておりまして、補助金通報も行っております。

工藤委員 ありがとうございます。ちょっとわからないところがありまして、2ページ目ですけれども、1と2がございまして、2番の国内産の原料糖を支える仕組みの中の最後の部分です。「我が国の食料自給率も高めることが可能」とありますが、ここをもう少し説明をしていただけたらと思います。

森下政策統括官付地域作物課長(農林水産省) お答え申し上げます。

 先ほど御説明を申し上げましたけれども、国産と海外産では非常に大きな内外価格差がございます。このままでは海外産に押されてしまうということでございますので、将来にわたって安定的な生産を支えていくためには、安定的な財源が必要であると考えておりまして、糖価調整制度、砂糖に関する支援制度、これを安定的に構築し、運営することによって、国産の自給率を高めていくといったことでございます。

工藤委員 そうしますと、この糖が安定的に供給されたり生産されたりすることで、下支えというか、そういうことでの食料自給率ということでしょうか。通常、私たちは一般的には、40%前後と把握しているのですけれども、それが、それほど影響するものなのでしょうか。

森下政策統括官付地域作物課長(農林水産省) お答え申し上げます。

 参考資料の15ページ目を御覧ください。これは砂糖の位置づけの中に記載させていただいております。砂糖は、国民の摂取カロリーという意味から考えますと、大変重要な役割を果たしておりまして、表の上段を御覧いただきたいと思います。国民1人、1日当たりの供給熱量におきまして、砂糖類は約8%を占めているといったことでございまして、カロリー、エネルギー源としても大変重要な役割を発揮しているといったところでございます。

工藤委員 そうしますと、カロリー自給率ということですか。

森下政策統括官付地域作物課長(農林水産省) さようでございます。

工藤委員 わかりました。ありがとうございます。

 ただ、今、国内では、砂糖の摂取量というか、消費量が減っていますよね。そこら辺はどう捉えていらっしゃいますか。

森下政策統括官付地域作物課長(農林水産省) 消費量が減っているといったことは、大変深刻な状況だと思っております。深刻というのは、国内農業、沖縄県の農業、北海道の農業を支えていく意味で、その基盤となるのは砂糖消費、砂糖需要でございますので、そういった国内農業、国内産業を維持発展させていく上でも、砂糖の消費をきちっと確保していく、維持していくといったことは重要な事柄であると考えております。

伊藤委員 御説明ありがとうございます。WTO等のルールにも反しないということなので、今、現時点でこれをどうこうという話ではないのですけれども、経済理論的にいうと、せっかくTPPを結んで関税率を下げたにもかかわらず、あまり消費者に価格低下という形で還元されないのではないかということを懸念しています。また、TPPと結んでいない国からの輸入に対して、調整金が以前より増えるというようなイメージを持ったのですけれども、そうなると、TPPを結んでいない国に対して、不当に差別的な貿易障壁が課されるというようなことにもなり、貿易理論的にはあまり望ましくない制度であると考えています。

 国内産業の競争力をしっかりとつけていくという理由でこういう制度を導入しているわけですし、それが非常に重要だと思っていまして、実際のところ、国内の砂糖に関連した生産者のコスト、競争力というものがどれぐらい向上してきているのかというようなところをしっかり検証していただきたい。実際にこの制度がどれほどの効果を持っているのか、また、あまり消費者に利益にならないことをいつまで続けていくことに意味があるのかを少し議論する必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 以上です。

森下政策統括官付地域作物課長(農林水産省) 御指摘ありがとうございます。

 まず、この砂糖の制度に関する意義でございます。これは、冒頭申し上げたとおり、沖縄だとか北海道だとか、いわゆる条件不利な地域におきまして、サトウキビだとかてん菜というのは大変重要な基幹作物でございます。かつ代替困難な作物でございまして、この地域の大変重要な産業になっているといったところでございます。

 さらには、沖縄に関しまして言いますと、離島で生業を立てていただく、産業を維持発展させていただくといったことは、事実上国境防衛だとか、安全保障だとか、そういった意義も果たしているといったところがございます。こういった大変重要な政策目的に立って、この砂糖の制度は構築されているといったところでございます。

 ただ、御指摘いただきましたように、いわゆる国産の生産あるいは製造コストがどうなっているのかといったところは、そこは不断に削減のための、合理化のための努力を続けていかないといけないといった必要性は感じているところでございまして、ここは我々としても、砂糖の生産支援制度の中におきまして、できるだけ合理化目標を立てる、生産コストの目標を立てる、その目標を目指してちゃんと合理化、生産コストの削減といったことが行われるように、政策的に誘導しているといったところでございます。

清水委員 今の伊藤委員の御意見にもかかわってきますが、今回、特に3ページの図を見ますと、調整金で得たものを原資として交付金を出していることになっています。すごく頭のいい制度である一方、今おっしゃったような沖縄の農家に対する補助金を全国民から砂糖を使うことによってあまねく集めているというような構図になっておりまして、それについては、これが本当にいい制度なのかということに関しては根本的に検証する必要があると私も思います。

 また、昨今、インバウンドで、日本のお菓子はすごく注目を集めています。アジアに住んでいましても、日本のお菓子が輸出されていることがわかります。そうなりますと、加糖とか加糖調製品といったものが実はお菓子産業の原材料の1つとなっていますので、彼らの競争力,これからインバウンドでもっと売っていく、あるいは輸出していくという産業から見ますと、この制度によるコストは非常に高いと思います。

 したがって、お砂糖の自給率、農家の保全ということももちろん重要ですけれども、加糖調製品を使う他の産業の今後の競争力といった観点も考慮して、この制度を見直していく必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

森下政策統括官付地域作物課長(農林水産省) 御指摘ありがとうございます。

 今御指摘いただいたのは、ユーザーサイド、食品産業サイドに立って、もっと競争力強化に資するような施策が大事ではないかというふうな御指摘かと思います。今回、加糖調製品から調整金をいただきまして、砂糖の調整金を下げる、そして、砂糖の価格を下げるといったことを考えて措置をさせていただいております。

 実は、食品産業は、加糖調製品も原料として使っているのですけれども、砂糖も原料としてあわせて使っているといったことがございまして、この砂糖の価格をできるだけ抑える、安く提供することができるというようなことも今回の措置の中にあわせて講じておりまして、そういったことによって、食品産業だとかユーザーだとか、そういったことの利便にも資するものではないかと考えております。

三石委員 いろいろ話を聞いていて、消費者サイドで私も大分納得できるところもあります。一方で、生産者サイドの面というか、今日の最初の5品目もそうですが、大きく見ると、いわゆる生産財に当たるものはみな海外に依存し、我々は最終的に加工と消費財で勝負していくのだと、こういう議論の流れに近くなってきている気がします。

 しかし、例えば、砂糖も確かにコスト面ではものすごく高いですが、先ほど農水省が言われましたとおり、離島における産業、これがもしなくなった場合、ここが無人島になるとか、何も産業がなくなると、今度はこの島をどうするのかという大きな問題が出てきます。ですから単一の品目だけで見るのではなく、必要に応じ関税審議会の領域を超える別の判断も求められるのではないかという気がします。

 この制度自体は大きな枠組みの中で決まっています。そして制度があろうがなかろうが、加糖調製品がこれからますます増えてくるということはわかります。そこで必要な原材料は全部輸入して、我々は今後、加工だけで生きていくのでしょうか。こういう大きな問題を突きつけています。そこら辺を踏まえて、我々は製造業における生産財、農業における国産農産物をこれからどうしていくのかということを税金や関税の制度だけではなくて、しっかり農水省、財務省を含めて、議論していただかないと、目の前の幾らかの金額だけの話ではないような気がします。

 ですから、今年度に関してはこれでよくても、そのまま毎年継続して良いような問題ではないのではないかという問題提起だけさせていただきます。

森田分科会長 ありがとうございます。大変重要な御指摘だと思いますけれども、ここでどういうふうに議論するかというのもあります。問題提起ということで理解させていただきます。

浦田委員 私も問題提起のようなコメントになってしまうかと思いますが、日本の現状を見てみますと、人口が減っているわけですし、労働力も減っている。そういう中で、与えられた労働力あるいは土地とかをいかに効率的に使うかというのが重要で、このような政策をとった場合に、一つの可能性として、重要な人材が、そこの非効率的、生産的ではない分野に滞ってしまう可能性がある。これは、長い目で見ると好ましくないわけです。日本の経済成長を見ても、非効率の分野から効率的な分野に人あるいは資本を動かしていって、成長を実現したわけですから、やはり長い目でこの問題を捉えなきゃいけないと私も思います。

 それで、例えば先ほど伊藤さんの御質問に対しまして、効率的な分野も見ていかれるというお話だったわけですけれども、実際にそういった調査をされた結果とかをこういうところで紹介していただけると非常にありがたいです。

 それから、農家の保護ということであるとするならば、農家の実態、砂糖農家はどのくらい所得を得ていて、もし補助金がなければどのぐらいの所得になってしまうかとか、そういった基本的な情報を出していただけると、有益な議論ができるのではないかと思います。

 以上、コメントです。

金原委員 今の件に関連して、私は生産者団体という形の中で、農業団体から来ております。先生がおっしゃられるように、非効率な部分でほかの産業が迷惑を被っているというような言い方でございますけれども、これは、もともと人口が減っているのは、要するに少子化が原因であって、そこが原因ではないと、私はそういうふうに思います。

 島とかそういう島嶼ではなくても、地域の中で農業というのが、対価として得られないからだんだん減ってくるわけでありますので、自由化が進めば進むほど、農家の数は減ってくる。その分だけ地域を守る機能はどんどんなくなっている。例えば林業でも同じです。売りっ放しで、あまりにも安い外材が入ってきたために、山を管理しなくなった。このことが原因で材木が土砂と一緒に流れる。根が浅くて、小さい木はどんどん流れるのです。

 だから、きちんと管理をしないと国土を守れない。では、そういう人材は必要ないのかという議論になって、お金だけ取れればいいかという議論は、農業分野はまた別の分野で、これもここで話す話ではないですけれども、今の調整金の問題も、結局は、税率はTPP11あるいはEPAで下がった分だけを確保しているわけですから、そこから先に、そこに充てる費用を調整金として取るということですので、そういう意味では、消費者にそんなにそのことが影響があるかと、私は影響はないと思います。そこは最低限そういうふうな形の中で地域を守る、そういうことにぜひ皆さん方もシフトしていただければと思います。

森下政策統括官付地域作物課長(農林水産省) 御指摘を踏まえまして、必要な資料は整理し直しまして、また御提示できればと考えております。

森田分科会長 よろしくお願いします。

 ちょっと議論が拡散して、この審議会の域を超えるようですけれども、関連して、あとお二人。

古谷委員 大きな話の後で小さな話で恐縮ですが、2ページの制度の全体像の下のところで、安全な品質の確保と家庭への安定供給というのが載っていると思います。調整金の制度が家庭への安定供給は流れとしてわかりますが、安全な品質の確保にどうつながるのかがちょっとこの資料だけではわからないので、教えていただければと思います。

森下政策統括官付地域作物課長(農林水産省) お答え申し上げます。ここで安全な品質の確保と書かせていただきましたのは、国内において、国産の品質の確かな砂糖をつくる。それによって品質の確保を図っていくといった趣旨でございます。

村上委員 この制度はかなり長い期間ずっと続いている制度でございますが、その間、いろいろ修正、改善をされてきていると思いますし、それから、先ほど国産の粗糖あるいはサトウキビ農家の合理化について、この制度の中でも、ある程度組み込まれているというところは一つ指摘しておく必要があるかと思います。

 それから、私は、たまたま、現在食品産業を代表する立場におりますけれども、食品産業は、ユーザーとしてこの制度に非常に関心が高いわけでございます。今回加糖調製品に調整金を課される中で、実質砂糖の価格が引き下げになるということで、利用者としては非常に歓迎しているところでございます。他方で、加糖調製品のほうに調整金がかかるということはコストアップでございますが、それとのバランスとして、関税割当てで安価なものの供給を図っていただいているという意味で、ユーザーに対しても配慮していただいているし、消費者に対して、僅かかもしれませんけれども、そのメリットがあるのではないかと思っております。

 以上です。

森田分科会長 ただいま御意見として伺っておいてよろしいですね。

末冨委員 1点だけ質問させていただければと思います。

 この制度がWTO協定やほかの国際条約に整合する形で運用されていると理解しておりますところ、WTOでは、ほかの国の制度で、サトウキビ以外の甘味料への課税が争われた案件があるかと思いますけれども、この制度自体がWTO等の国際会議等で議題として上げられたり、問題とされることはなかったという理解でよろしいでしょうか。

森下政策統括官付地域作物課長(農林水産省) さようでございます。

佐藤委員 12ページの上の囲みの2つ目のポツのロジックがちょっとよく理解できないのですが、そのことは図で言うと9ページに書かれていると思います。要は、よそから取ってくる調整金が増えるので、それを調整金の充当に充てるということだと思うのですが、それによって国内価格を引き下げるというロジックが私にはよくわかりません。外国産の原料糖にかける調整金そのものをそれだけ下げるということをおっしゃっているのだとすると、それはどういうふうに正当化される選択であるのかということをお伺いしたいと思います。

森下政策統括官付地域作物課長(農林水産省) お答え申し上げます。

 9ページ目を御覧いただきたいと思っております。まず、砂糖の価格を下げる仕組みでございますけれども、右下の図を御覧いただきたいと思います。輸入加糖調製品から新しく調整金を徴収いたしまして、そのことをもって、それを原資として、その右側にあります海外から輸入される原料糖にかかる調整金を下げるといったこと、その調整金を下げますと、それに伴って砂糖の価格も下がるといったような仕組みでございます。よろしゅうございますでしょうか。

佐藤委員 それは、この図で、右側でピンク色の部分が外国産と国内産の両方に及んでいることから示していらっしゃるのだと思いますが、その上で、トータルで見たときに、上に国費部分の黄色も乗っているわけで、輸入加糖調製品へのピンク色の調整金を右の緑色の調整金を下げることに使うということのポリシーとしての正当性というのはどのように説明しておられるんですか。

森下政策統括官付地域作物課長(農林水産省) お答え申し上げます。

 国産の砂糖が海外産の砂糖に比べて競争力が非常に弱いといった状況にございますので、これを少しでも競争力を高めていかないといけない。競争力ということを考えるならば、それは価格面というのが一番大きなハードルになっておりまして、そのために、調整金をもとにして砂糖の価格を下げることによって、砂糖の持つ国際競争力をより高めていく、そういうことができるのではないかという論理でございます。

佐藤委員 最後はコメントです。これだけの価格差があって、国内糖の国際競争力という言葉は適切なのかということには疑問を持ちます。恐らく国内において流通する際の競争力ということだと考えました。

 あと、調整金というのが輸入加糖調製品にかけられていますが、これと同等のものが日本国内でつくられているとすると、そことの関係もあります。つまり、よそからお金を取ってきて、砂糖の価格を下げる、端的に言えば、そういう仕組みであるということについて認識を新たにしました。ありがとうございます。

森田分科会長 ありがとうございました。大分いろいろと大きな問題かと思いますが、ここではこれくらいにさせていただきまして、次の議題もございますので、移らせていただきたいと思います。よろしゅうございますね。

 それでは、続きまして、国土交通省より、「国際コンテナ戦略港湾政策について」につきまして御説明をお願いいたします。

谷口港湾局港湾経済課長(国土交通省) 国土交通省で港湾経済課長をしております谷口と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 まず、資料4でございますけれども、表紙にコンテナとあります。用語としてはお聞きになられたことはあるかもしれませんが、要すればトレーラーの上に乗っている金属の四角い箱でございます。いろいろなサイズがございますが、鉄道に乗って運んでいるものは12フィートのコンテナでございます。船で国際的に運んでおりますのは20フィートのものと40フィートのものが主流でございまして、20フィートのもの1つを1TEU(twenty-foot equivalent unit)という単位で呼んでいるところでございます。

 この国際コンテナ戦略港湾政策の背景でございますけれども、こちらの1ページのグラフにございますように、世界的にコンテナの輸送量というのは増えております。貿易の拡大ということと、経済成長で増えてきております。世界全体では1.6倍ということであるのですけれども、我が国も地道に増えておりまして、ここ10年間で1.14倍ぐらいに増えてきてございます。

 アジアの伸びが非常に大きいという中で、日本は残念ながらアジアの周辺諸国ほどの伸びではないわけでありますけれども、日本も地道に増えているということでございます。

 次に2ページでございます。こういうコンテナを運ぶ船でございますけれども、ここ数年間、近年急速に大型化してきております。最初のころ、1965年ぐらい、アメリカの方がコンテナを発明して、コンテナ船による輸送というのが始まったわけでございますけれども、そのころは738TEUぐらいしか積めなかったというのが、今、足元、世界最大船型、就航しているのは2万3,500TEUということで、2万3,500個も20フィート換算で積めるということでございます。

 かつては、パナマ運河とかスエズ運河のサイズに制約があった関係で、ある程度のサイズで止まっていたのですけれども、運河を広く深く掘りまして、より大きくなれたということと、造船技術も上がってきたということで、急速に世界的にコンテナの船が大きくなってきてございます。

 この2万3,500フィートの船はどれぐらい大きいかということで、イメージをつかんでいただくために比較してみたのですが、全長400メートルほどございます。山手線、10両編成で210メートルでございます。山手線10両編成掛ける2倍ぐらいの長さということでございます。戦艦大和が263メートル、東京駅の本館が330メートル、東京駅の本館ぐらい積めちゃうかもしれないぐらいの感じのサイズということでかなり巨大なものでございます。

 こういう巨大な船でございますので、荷物を集めるのもそれなりに大変でございまして、1つの会社だけで荷物を集める、あるいは1つの会社だけで船をたくさん買うとなかなか負担があるということで、3ページにございますように、船会社同士の提携関係、アライアンスというものが進んでおります。アライアンスは以前からあったんですが、これがどんどんくっついて、今3つの巨大なアライアンスに再編されているというところでございます。

 下のほうでございますけれども、2Mと言われているアライアンス、オーシャンアライアンス、ザ・アライアンス、この3つに集約されてございます。世界最大の船会社Maerskは2Mに入っておりまして、日本の船会社はザ・アライアンスのほうに入っております。ザ・アライアンスは船腹シェア17%ということで、ほかのアライアンスより少なく見えるんですが、今度韓国の現代商船(Hyundai)さんが入ってくるということで、かなり拮抗した感じの勢力図になってくるというふうな見込みでございます。

 このザ・アライアンスにありますONEという会社ですが、これは日本郵船さん、商船三井さん、川崎汽船さん、3社のコンテナ部門が合併してできた会社でございます。船会社同士、生き残りが激しゅうございますので、合併してスケールメリット、統合効果を出すということで、合併されているということでございます。

 4ページを御覧ください。こちらは、我が国の港湾とアジアの主要港とのヨーロッパあるいはアメリカに行く基幹航路の寄港便数の比較でございます。左側がシンガポール、上海、釜山ということで、世界のトップクラスの港となっているわけでございますけれども、アジアの主要港は基幹航路の便数は横ばいまたは増加してきております。上海なども、中国の貿易量はすごく増えているので、貨物量はどんどん増えているんですが、一方で船も大きくなっているので、その結果として便数は横ばいぐらいに止まっているということでございます。釜山は、むしろ便数を伸ばしているという状況でございます。

 一方、我が国はどうかということでございますけれども、京浜港、これは東京、横浜、川崎であります。こちらは2010年から15年ぐらいまでにかけてはどんどん減っておりました。阪神もそうでございました。この状況に何とか歯止めをかけたいということで、国際コンテナ戦略港湾政策というものを始めて、選択と集中でコンテナ港湾に対するハード、ソフトの投資を集中的に戦略港湾のほうに集中させるという施策に転換いたしました。京浜港、阪神港を見て頂くと分かりますように、ずっと減っていたのが、最近横ばい気味ということで、この瞬間、とりあえず下げ止まりの傾向も見える、そういうふうな状況でございます。

 ただ、一方で、先ほど御覧いただきましたように、コンテナ船がますます大きくなり、アライアンスがどんどん巨大化しているという中にありまして、現状のままだと、きちんと手を打っていかないとまた減ってしまうおそれがあると思っておりまして、競争でございますので、政策としてもより強い競争力施策を講じていく必要があると思ってございます。

 なぜこんなふうに船の便数が減っているかということなのですが、大きい船になりますと、当然横幅とかも大きくなります。同じ時速で航行しようとすると、スピードアップしようとすると、水の抵抗がどんどん増してしまうので、燃料をいっぱい食ってしまいます。荷役作業をするときも、大きい船だと荷役量が多くなると時間が増えてしまいます。したがって、船会社は船を大きくするときは寄港地をなるべく減らしていこうというふうな行動に出ます。

 船は、来る日が毎日違ったら不便ですので、1週間の単位で動いてございます。毎週月曜日とか毎週火曜日に来るというふうにスケジュールを組みます。例えば日本とヨーロッパへ行く場合に、毎週月曜日にサービスをするとしたら、航行に必要な日数が7の倍数におさまるように船会社は計画していまして、7の倍数におさまる範囲でなるべく少ない船の数でサービスが提供できるようにということで絞り込みをする、そんなメカニズムでございます。

 次のページを御覧ください。こういう直行の航路がなくても、別にほかの国の港でもいいじゃないかというふうなお声もあったりいたしますが、一方で、国内の荷主の方はどう考えているかということで、私ども、いろいろなメーカーさんなど、あるいは経済団体と意見交換をしております。その中での声でございますけれども、例えば大手精密機械メーカーCEOということであります。やはり直行のほうが日数が少なくなって、積みかえの数が少なくなる。例えば釜山港に行った貨物、荷主さんがいらっしゃるのですが、積み替えのときに、荷物が壊れちゃったということで、また日本の港に戻ってきたようなケースなんかもございます。

 それと、リードタイムについてもいろいろなお話がありまして、例えば我が国の産業、最近、韓国、中国、台湾、こういうふうな国々の製造業とライバル関係になる産業も結構あるわけでございますが、日本から出荷する場合と、例えば韓国あるいは台湾、中国から出荷する場合、リードタイムで負けてしまうと、ほかの品質で同等だったら勝負に負けてしまう、そういうことでありまして、直行サービスを維持してほしい、そういうタイプのお声があるということでございます。

 こういうこともありまして、国際コンテナ戦略港湾政策をやっているわけでありますけれども、政策の目的といたしましては、国際基幹航路、特に欧州、北米の競争が激しいところでありまして、特に重視してございます。こういうところの我が国の寄港を維持、拡大することによって、企業の立地競争力を強化して、我が国産業の国際競争力を強化するということであります。これによって、雇用と所得の維持、創出を図りたいということでございます。骨太の方針でありますとか、成長戦略、総合物流施策大綱、こういうふうな閣議決定の中でも盛り込まれておりまして、政府全体として国策としてやっている取り組みということでございます。

 主な施策、3つございます。集貨、創貨、競争力強化でございます。これは、船会社の方がどんな港に寄りたいと思うのかということをいろいろと聞いてみますと、私どもは3つのCと呼んでいますけれども、カーゴボリューム、荷物がないと来ない。寄港してもいいかなと思う程度の荷物があるということでございます。それとコスト、入港するときに入港のときのお金が高いとあまり入りたくないと、そういうことでございます。コンビニエンス、利便性。港にやってきたんだけれども、荷役作業に1週間かかったとなると、船が何隻も必要になってしまいますので、そういう港は敬遠されるということで、荷役のスピードみたいなことも結構重視されるということでございますし、あと、そもそもその船に合った水深がなかったら港に着けないということでありまして、大きい船を入れるには、それなりに深い港も用意しておく必要があるということでございます。

 そういうふうなことで集貨、創貨、競争力強化ということでやっているんですけれども、やっている内容は毎年少しずつ変えながらやってきております。例えば集貨につきましては、国内の集貨を最初のころは一生懸命やってきていて、今も一生懸命頑張っておりますが、さらに船が大きくなっているので、荷物の量を増やすために、最近東南アジアからの集貨もしております。

 どういうことかと申しますと、東南アジアの荷物も結構増えております。アメリカに行く途中に日本の近くを通っていくわけです。ぜひ日本経由で、横浜経由でお願いしますと、例えばそういうことで集貨活動をやっているということでございます。

 下のほうに赤く書いている部分がございます。新しく足元で強化しようとしている最近の取り組みですが、この秋の臨時国会に港湾法の改正法案を提出させていただいております。各国が国策として港湾間競争していますので、港湾運営会社という実際に荷物を集めたりするために国や自治体、民間で出資した会社などが実際の集貨活動に取り組んでいるわけなのですが、そことの連携をより強化するというための港湾法の改正をしたりとか、あと右側に、今回、とん税・特別とん税についても軽減をお願いできればということで、これらも含めた入出港コストの軽減についても取り組みたいと考えているところでございます。

 入出港のコストでございますけれども、これもどういう取り組みをしてきて、どういうことをさらにやろうとしているかということを御説明させていただきたいと思います。

 7ページ、左側でございます。例えば港に入るときにかかるコストとしては、水先料金とかあるいは港湾管理者に払う入港料、いろいろなコストがあるのですけれども、港湾管理者の入港料につきましては、ボリュームインセンティブ制度を導入することによって、ケースにもよりますけれども、7割ぐらい軽減するということを既にやってございます。また、水先人といって、船が入港するときに、東京湾とかは混雑していますので、ほかの船舶とかとぶつからないように、そして、海流とかの影響とか風の影響なんかも考慮して最適なルートに案内する水先人を乗せるのですけれども、ここの制度改革をしまして、17.8%の軽減をしたということでございます。

 また、右側でございますけれども、今後の取り組みといたしまして、港湾運営会社によって、入出港コストの軽減に向けて追加的な取り組みをするということを今検討していただいております。来年度からやりたいということであります。船が大型化すると、入出港のコストも増えますので、そういうふうなコストの一部を港湾運営会社として自主的に事業をやって埋めていただくということを検討していただいております。

 また、タグボートの基地の整備などについても、関係する港湾管理者の方とやらせていただいております。これはタグボートというのは、大きな船が入港するとき速力を落とすと風の影響とか海流の影響で流れちゃったりするものですから、タイヤとかいっぱい付いている船を御覧になったことがあるかもしれませんが、ああいう船(タグボート)で押したり引いたりしながら、安全に着岸させます。自力で船だけで行こうとすると、港にぶつかっちゃったりして、船や港が壊れてしまいますので、そういうアシストをするわけでございますけれども、当然お金がかかるということであります。

 タグボートについては、基地から待ち合わせ場所まで行く時間も含めて料金がカウントされているのですけれども、例えば遠くにあったりするものをよりそういう船の近くのところに基地を建設する。そういうふうなことをすることによって、利用時間が短縮できますし、実はタグボートは船にタイヤの跡がつかないように水で濡らしてから押したりしているのですけれども、給水船で今給水しているのです。タグボートの基地にちゃんと水道管を通して給水するとか、電気についても、自家発電じゃなくて、基地で待っている間にちゃんと陸上から給電する。そういうことによってコストが落ちることになりますので、こういうことに取り組んでコストを落としていきたいということであります。

 これはあくまでも例で、これ以外にもいろいろと施策のヒントみたいなものを今勉強しておりますので、こういうふうなとん税以外の取り組みとして、これはこれでしっかりやっていきたいと考えているところでございます。

 そこで、とん税・特別とん税の課題でございます。私どもから見た課題ということでございますけれども、とん税・特別とん税は、仕組み上、これは船がどれぐらいの荷物が運べる容積がありますかということに応じて課税されております。1回1回入港のたびに払う都度払いというものと、まとめて払う、1年間何回来てもいいですという定額制みたいな一時払いというものの体系に分かれてございます。

 現在一時払いにつきましては、都度払い3回分の金額で設定をされているところでございます。3回以上入港する場合は、都度払いよりも一時払いのほうがお得ということでございます。

 そうした場合ですが、左側、近海航路ということで、緑色、韓国航路の例でございます。1回行ってまた戻ってくるための1周回の所要日数21日ぐらいの航路がございます。そうすると、1週間単位で船は動いておりますので、3隻あれば1週間に1回のサービスができます。近くの航路は大体船も小そうございます。700TEUぐらいということでございます。

 一方で、国際基幹航路は、これは例えば北米航路の例でございますが、1周回するのに42日間かかります。ということは、7で割っていくと、6隻ないといけないということになります。1つの船が年間何回入ってくるのだろうということを考えてみますと、要は同じ船が何回も入ってきたほうがお得であるということでありまして、遠くの航路は同じ船が入ってくる回数が結果として少なくなるものですから、ボリュームインセンティブが効きにくいというふうな構造にございます。また、船の容積自体も大きくございますので、純トン数も上がる。

 下のほうに計算したものを年間平均で出しておりますけれども、例えばこの比較した韓国航路と北米航路を比べると、純トン数は12倍でありますが、税額は24倍になるということでありまして、遠くの航路のユーザーにとっては負担感が大きいということでございます。

 これを入出港コストに関して、ほかのコストを含めて比較したものでございます。9ページを御覧ください。左下でございますけれども、例えば先ほど御紹介した韓国航路だと、いろいろなコストがあるのですが、船が小さいので、いずれもとん税も含めて少ないんですが、入出港コストにしてみると、とん税・特別とん税の割合は1.3%ぐらいでございます。

 一方で、国際基幹航路の場合は、船がだんだん大きくなっていくので、折れ線グラフのようにとん税・特別とん税の占める比率がだんだん高くなってまいります。例えばもし仮に世界最大の2万3,500TEUクラスのものが入ったと仮定すると、入出港コストのうち57%を税金が占めるということになってくるということで、船会社的には負担感が重く感じるというふうなものになってございます。

 例えば2万3,500TEUクラスのところで、横浜港と書いてあります。釜山港、上海港と書いていますけれども、点線で書かせていただきますとこれぐらい差があるということでございます。どこの港に行くか、あるいはどこの港に行くのをやめようかというときに、不利な要因であるかと私どもは思っておりまして、競争条件をコスト面でも整えるために、ぜひ軽減をお願いできればと考えているところでございます。

 ちなみに、国によって特徴はちょっと違いまして、釜山港はとん税・特別とん税は取らずに、入港料に一本化したりしておりまして、何かお金を取っているという意味では世界共通でありますけれども、取り方とかは少しずつ違うところがございます。

 今回、国土交通省といたしまして、国際基幹航路の寄港の維持、増加を図るためのとん税・特別とん税の所要の措置ということで税制改正要望をさせていただいているところでございます。これまでお話ししたことのまとめのような形でございますけれども、国際的なコンテナ船の大型化とか、アライアンスの再編などの中で、日本の港がサービス水準を維持していくためには、入出港にかかるコストの軽減なども必要であるということであります。これだけにとどまるわけではなく、ほかの競争要素もありますので、それはそれで頑張らなければいけないのですけれども、ここの分野についても弱いところをしっかり改善していきたいということでございます。

 次のスライドを御覧いただきたいと思います。ほかにもいろいろなことをやる必要があるわけなのですが、例えば国と自治体の港湾政策についての御質問が昨年の分科会でございました。それで、国が国際コンテナ戦略港湾ということでやっていっても、地方港の足並みが揃わなかったら、その効果は減殺されるのではないかという御指摘はおっしゃるとおりでございます。私どもは、地方の港の港湾管理者に、国の政策に御協力いただきたいとお願いの文書を出させていただいておりまして、こういうふうな文書を発出した結果、下に取り組みの成果を書かせていただいていますけれども、かなり政策に協力をしていただく形の制度の見直しをやってきていただいております。まだ完全にできているということではありませんけれども、やり方をさらに工夫した上で、また近々同様の要請をさせていただく方向でいきたいと思ってございます。

 また、とん税・特別とん税の特例措置についてです。やるとどういういいことがあるかということでありますけれども、便数が減少してしまうと、いろいろな港の関係の収入、港の関係の産業に影響もありますし、そして、メーカーなどの立地競争力、出荷競争力に影響してまいります。例えばとん税・特別とん税を軽減した場合、その税収は一時的には減るわけでありますが、船が大型化する中で、便数の維持に成功すれば増収が図られる要素があるということでありますし、また、減便された場合、関連するいろいろな雇用とか売り上げ等も減ってきますので、例えば所得税とか法人税、そういうところにもマイナスの影響が出てくるということでございますので、この税だけではなくて、トータルで効果があるかどうかというふうな検討が必要ではなかろうかと思っております。

 実際、その後いろいろな御要望を頂戴しております。横浜市とか神戸市みたいなところから要望書をいただいております。これは国税なのですけれども、特別とん税というのは港湾がある所在地の市町村に譲与される税でございます。特別とん税を軽減すると、税収は減るのですけれども、それでも、その足元の税収減よりも、航路維持、拡大のほうが重要であるというふうなお考えということでありまして、去年、分科会で御指摘いただきましたので、私はいろいろな自治体に行脚して意見交換などをしてまいりました。今どうなっているかと申しますと、関係する開港所在市町村全てから、むしろやってほしいということで要望を頂戴しているというふうな状況でございます。

 また、荷主側、ユーザーの立場として、日本貿易会様であるとか、機械輸出工業会様とか、あるいは船会社として外国船舶協会、日本船主協会、そして、日本港湾協会、港湾運営会社連絡協議会、日本港運協会、こういうふうな団体からもこの税制をぜひ実現をということで御要望をいただいているところでございます。

 私からの御説明は以上でございますが、ぜひ国際コンテナ戦略港湾、前に進めたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

森田分科会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見等ございましたら御発言をお願いいたします。

根本委員 御説明ありがとうございました。

 8枚目のスライドをよろしいですか。このスライドでは、韓国航路と北米航路を比較していますけれども、結局負担が違ってくるのは、船の大きさではなくて、寄港頻度が違うからということですね。韓国航路は21日に1回、北米航路は42日に1回寄っており、寄港頻度は異なるが、3回分だけ払えば年間パスポートみたいなものが購入できるので、欧米航路は相対的に不利になる。例えば中国あたりからもう少し大きなコンテナ船も来ているはずですけれども、もし韓国航路と同じ頻度だったら、韓国と同じ負担になるわけですよね。

 そういう意味で言うと、まず、頻度で負担を変えることが考えられます。年間パスポートの価格を寄港10回までだったら3倍でいい、11回から20回までだったら5倍ぐらいにするなどです。この税金は多分港を使う受益に応じて払ってくださいという思想で導入されているんじゃないかと思います。そうだとすれば、寄港頻度に合わせた形で税率、パスポートの値段を決めるというのは必要だと思います。

 もう一つ、さらにその上で、国際コンテナ戦略港湾政策として、特定の港に集中させるという意義はもちろんあると思うので、それはそれで、別途例えば京浜港と阪神港については、1トン当たり36円の税率を20円とか10円とかにするということもあるのかもしれません。ただ、それは別のものなので、それを独立してやらないと、わかりにくくなるのではないかと思います。

 以上です。

谷口港湾局港湾経済課長(国土交通省) 根本委員がおっしゃるとおり、ディズニーランドに例えるのが適当かはわかりませんが、ディズニーランドの年間パスポートの場合、千葉県の方は近所なのでよく行けるけれども、例えば九州に住んでいる人はなかなか滅多に行けないみたいな、ある種似ている部分はあるかとは思います。その際に、結局、年間パスポートのお値打ち感をどうやって出していくかということかもしれないのですけれども、やり方は、恐らく先生がおっしゃったように、いろいろあるかと思います。

 国交省的には、負担水準が、コスト面での競争条件が改善されればということであります。手法についてはいろいろな方法があるかと思いますので、税制という形でフィットしたものを税当局の皆さんと、審議会の先生方の御意見などもいただきながら、検討させていただきたいと思っております。

野原委員 私は、国交省交通審議会港湾分科会の委員で、港湾の戦略や基本方針等を議論しているものですから、その立場からも話を伺っていました。先ほど御説明にもありましたように、日本は島国で、産業関連品であれ消費品であれ、ほとんどの物品が船舶に搭載して入港するわけで、そういう意味で、船舶の入出港に関してどのように対応するかというのは重要な問題だと思います。

 そして、グローバルな海運物流の競争力を保つことが産業競争力につながるということで、基幹航路を維持することは重要な課題だと思います。この課題は、入出港コストを下げれば解決するわけではないですけれども、多数の施策の1つとして、入出港コストを競合する釜山や上海に引けを取らないような形にするために、対策を取ることは重要で、やるべきだと思っています。

 とん税や特別とん税は、基本的にトン当たりで金額が決まっていて、小さな船であろうと、どんな大きな船であろうと、全て1トン当たり16円とか20円、あるいは年間金額は3回分で、とん税は1トン当たり年間48円、特別とん税は1トン当たり年間60円となっています。その点については先ほど根本委員のおっしゃられた点もありますし、それに加えて、船舶が年々大型化していることが税制体系に適切に組み込まれていません。この点の見直しもこの際しっかりやるべきだと私は思います。

 9ページで、入出港コストに占めるとん税・特別とん税の割合が大型船舶ほど多いのは、年間に何往復するかという観点だけではなくて、大型船7,000TEUクラスが1回入港するのと、700TEUクラスの船舶が10回入港するのは同額でいいのかという議論になると思います。実際には、年間入港費は3回分なので3割の金額で10回でも入港できるわけですが。その点を踏まえて、単価も比率も変えるというような考えを入れるべきではないかと思います。それを含め、現在のとん税や特別とん税は、最近の海運状況に適していない点があるので、しっかりと見直しをしていただきたいと思います。

 今回、国交省の要望は、まず当面、港湾を限定して特別措置をという要請ですけれども、それは急ぎ行うとしても、並行して根本的にとん税や特別とん税を見直して、早急に新しい形に変えていく必要があると思います。それが1点目です。

 もう1点は、少し大きな観点ですが、先ほど輸入砂糖の話にもありましたけれども、日本の関税あるいはほかの税についても、徴税した税収入とその税の用途が微妙に絡み合っていまして、そのために社会変化に応じて適切に税制を改革することができないという課題があると感じます。

とん税・特別とん税については、特別とん税が地方に入るため、とん税を下げると地方自治体が税収減に困るというような、出入港時の費用削減によって基幹航路を維持するという政策の観点からすると、本来とは別の問題で、税制が動かないといったことが起こっていると感じます。

 この会議で取り上げることではないかもしれませんが、日本の税収と、その用途との関係を根本的に見直していく必要があると思います。先ほどの調整金の話も、輸入した砂糖からの調整金を上積みして、それを砂糖の国内生産の補助金に回すという枠組み自体に意味があるのかどうか、疑問に感じております。

 以上です。

森田分科会長 ありがとうございました。幾つかの論点があったと思いますが、たくさん発言の希望がございますので、少しまとめてから回答していただきたいと思います。

伊藤委員 コメントと質問ですけれども、まずこの税の減免等を検討すること自体は賛成なのですが、既にいろいろ御意見があったように、どういう仕組みにするのかとか、どれだけ下げれば本当に効果があるのかとか、さまざま論点があると思います。今エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキングということを政府も言っていますし、いろいろデータ等を集めてしっかり検証した上で進めていっていただきたいと思います。

 質問ですが、特区のような枠組みの中でこれをやるということではなく、税制を改正するという話なのか、そのあたり、どういう方向で考えていらっしゃるのかがよくわからないです。もし実験的に思い切って下げてみて、どれぐらいの効果があるのかを見ようとするのであれば、特区のような枠組みを使って1度やってみるというものも選択肢としてはあるのかなと思うのですけれども、どのような形で進めようとお考えでしょうか。お願いします。

佐々木委員 国際物流の競争力を高めるのは大変重要な施策だと思います。その意味でとん税・特別とん税の軽減を検討するということは賛成です。先ほど御説明いただいた中で、まさに9ページの絵ですけれども、曳船とか水先料とか、とん税・特別とん税だけではない部分の競争力もほかの港と比べると劣っているようですので、先ほどタグボートの例を御紹介いただきましたけれども、ここにAI、IoTといった技術、新しいデジタライゼーションの中で、どうやって港の競争力を高めていくかといった点について、工夫ないしは政策があれば教えていただきたいと思います。

佐藤委員 8ページ、9ページの図ですけれども、8ページから見ますと、純トン数が700TEUと6,800TEUの場合に12倍なのに、税額が24倍であるという図であります。その差は隻数の3と6から来ているということは見やすい道理であります。他方で、9ページの図を見ますと、大型になるほど、とん税・特別とん税の負担の割合が大きくなっていて、そこがある意味では悪影響になっているということが読み取れるわけであります。

 私は専門が租税法ですから、その観点から申し上げますと、まず、先ほどの御議論にもありましたように、7ページを見ていただくと、基本的により大きな船をより多くの回数、入港させれば、そこには大きな受益があり、また、担税力の観点から見れば、大きな船を多くの回数寄港させる能力のある者は担税力があるということですから、この考え方そのものは公平の観点からは維持するべきだと思います。

 他方で、先ほど御指摘のありましたように、単純にトン数というのが比例して担税力なり応益なりに直結するのかということについては、この税も結構古うございますから、現在のもとで、1万トンの上をもう1万トン積むときと、最初の1万トンとが同じ担税力なり応益なりをあらわしているのかということについては、再検討する余地は十分にあると思います。租税特別措置か本法かという観点から申せば、課税の公平の観点から言えば、現在のとん税・特別とん税の基本的な仕組みが時代おくれになっているのであれば、まずそこを修正し、9ページの図にありましたような大型の船に過剰な負担が生じるというような仕組みそのものをまず見直すのが先決であろうと私自身は考えております。

 その上で、この8ページの算式を見ますと、一時払いの3回というのは、理屈そのものは、あまりない数字ではなかろうかと思いまして、これはぜひお伺いしたいところで、どういう根拠で当時一律3ということになったのか。そこを洗い直した上で、現在のような運航方法を前提として、なおかつ常に3でいいのかという問題が生じるというように考えます。

 まとめますと、現在のとん税・特別とん税の基本的な仕組みが時代おくれになっているのであれば、まずそこを修正すべきであるというのが第1点。

 第2点として、何らかの措置を加えるのであれば、先ほど申し上げた基本的な改正を前提とした上で、操作可能なこの一時払いの仕組みについて、手を加えるということがあり得る。

 そして、第3点として、特区ということもおっしゃいましたが、基本的には課税の公平を念頭に置いて制度を構成すべきであると考えます。

 以上です。

清水委員 4ページのグラフを見ますと、京浜に寄港する数はこの10年間で大きく減っているのがわかります。特に欧米航路に至っては、増やそうというよりは、釜山に取られてしまった分を少しでも戻すということについて、より具体的な戦略を持って考えなければなりません。もしかすると、日本の企業の中に、釜山での利用が便利でそこから小さな船で運んでくるということで、時間的にもさほど困らないというのであれば、釜山に日本企業用の施設のようなものをつくって、より通関がしやすくするといった方向も一つの考え方ではないかと思います。

 一方で、先ほど来皆様が御指摘されていますが、9ページの図を見ますと、釜山港がとん税をなくして入港税を高くしているというのはすごく頭のいい戦略だなと思います。このようにすることで、大型船であればあるほど釜山に入るほうが有利なので、大型船を自然に誘致しているという形になっているかと思うのです。日本に超大型船を入れるために、例えば京浜港でまた護岸工事をしなければならないのであれば、それはそれで、コストも時間もかかります。

 いろいろな企業の方々にインタビューをされているということですので、例えば、超大型船ではなくて、従来型の大型船が週に1回は必ず回ってくるのが一番便利とかいうのであれば、そういった船が京浜に戻ってくるというような、よりニーズに合った形で、より効果的なとん税を使った優遇措置策をとって、企業のニーズに合った効果的な方法で船を戻すことができるということを精査して実施していくのが重要かと思います。

森田分科会長 ありがとうございました。いろいろと御質問が出ましたけれども、かなり共通しているところもあろうかと思いますが、最初に関税課長、お願いします。

高橋関税課長 私ども関税局としてお答えすべきは、例えば佐藤委員から、一時払いが3回となっていることの根拠ですとか、そういった制度のあり方といいますか、制度の仕組みについての御質問だったかと思います。その点については、まとめさせていただいて、次回の分科会のときに御議論といいますか、私どものほうから説明をさせていただく予定としておりますので、その中で反映をさせていただきたいと思っております。

谷口港湾局港湾経済課長(国土交通省) 佐々木委員から、AI、自動化についての御質問をいただきました。私どもはAIや自動化についての取り組みを進めようとしております。かつては、大きな船が入れないので港を深く掘るみたいなことがクローズアップされた時期もございましたが、ある程度港湾の整備も進めてきまして、多くの場合については、ある程度大きい船でも入れるような状況に既になってきております。

 日本で一番深いものは、18メートルぐらいのバースを今横浜で1カ所整備中でございますけれども、ほかのところは16メートルでございます。なぜ横浜が18メートル掘っているかといいますと、北米、アメリカに行くときに、一番主要港の中で最後に立ち寄る港だということで、ほぼ満載状態で来るということで、喫水が深くなるということでございます。途中の港は、満載状態で来ないことが想定されるのでそこまで深く要らないだろうと、そういうことを見ながら、全部べたっと整備するということではなくて、選択と集中ということでやっているというところでございます。

 それで、最近は、ソフト面に力を入れておりまして、まだあまり世の中に知られていないので頑張って宣伝もしなきゃいけないと思っているのですが、AIターミナルという施策をやっております。どういうことかいいますと、労働力不足ということも一つありますし、あと、大型船は一遍にたくさん荷物が来るものですから、短時間でさばかないと、例えば船が港に着岸している時間が長いとコンビニエンスという意味で魅力的な港でなくなってしまうものですから、大型船が入港してもスケジュールをきちっと守れるように、スピーディに荷役をしていく。

 そして、例えば現在港のターミナルゲート前でトラックのドライバーを長時間待たせてしまっているという事象がありまして、そういうものの改善もしなきゃいけないということで、AIを利用したり、あるいは遠隔操作を利用したり、そういうことによって、生産性を上げるという取り組みを別途進めているところでございます。実証事業でやってきたものをこれから横展開していくというふうなこと、あるいは新しい技術を追加的に実験して、また横展開、そういうことをこれから繰り返していって、良い港にしていきたいと思っています。

 また、船につきましても、現在、これは国際的に自動運航船ということで検討がされております。車の自動運転とも共通する部分があるのですが、船の場合、やや難しいのは、車は走っているときは、海流みたいなものはないのです。船は海流で、波で流されたりとか、あるいは水深みたいなものもありますし、いろいろとプラスアルファの技術が要るわけでありますが、そういう自動運航船の技術によって、コストを下げたり安全性を上げることはできそうだということに国際的になっていまして、国交省も今そういう実証実験などを官民連携でやっている、そういうふうなところでございます。

 あと釜山との関係でございますが、実は釜山港は自分の国の荷物は半分ぐらいしかないのです。残りの半分は中国とかロシアとか日本とか、あるいは東南アジアから集めてきて、それを戦略的に集めてから、そこからハブ港湾をやろうと、そういう国家戦略でやってきております。釜山港湾公社ですけれども、数十億円規模で補助金の予算を持っていて、釜山港に切りかえてくれると幾らみたいにやっていらっしゃいます。

 その中で、我々は西日本の港などが結構釜山のほうに流れているのを取り戻そうということで取り組みをしておりまして、例えば西日本の港から神戸港につなぐためのコンテナ航路がなかったものを新しくつくったりとか、また切りかえをする場合の補助金を講じたりということで、取り戻そうというふうな取り組みをしてございます。

 したがって、こういうソフト面で釜山に行っている要因を見た上で、地理的に、総体的に、より日本の港に戻しやすいマーケットというのがございますので、そういうところをまずしっかり戻しながら、日本のカーゴボリュームを確保していきたいと思っております。

 また、公共投資についても、ポイントを絞って効果的にやっていくべきではないかというふうなお話もございました。港のハード面につきましては、ニーズに応じた整備ということを基本にして、より需要の状況などを精査してから取り組むべきだとの御指摘などもいただいておりますので、しっかりと実際に、世の中のニーズの変化に遅れてしまうといけないのですけれども、ニーズがはっきりしないままガンガン作るということではなく、きちんと精査しながら、効率的にやって参りたいと思います。

 また、やり方としまして、ハード面だけではなくて、ソフト面とのバランスということも重要かと思っていますので、ソフト的な施策も併せて講じながら、特に船会社とか荷主の方のニーズ、ここを見ながら施策を進めていくように心がけたいと思います。ありがとうございます。

末冨委員 今のソフト面で魅力を増すということについて、1点だけコメントさせていただきますと、国際的なサプライチェーンを持っている企業にとっては、保税地域でできることというのはだんだん拡大していて、特に中国の保税地域なども最近すごく整備がされていて、大型の施設があったりしますので、そういう意味では、保税地域の活用ということは施策の1つになるのではないかと思いました。1点だけコメントさせていただきました。

森田分科会長 ありがとうございました。時間がかなり押しておりますが、御発言はよろしいでしょうか。

 それでは最後に、私から1つ伺いたいのですけれども、この話は、専門外の者には充分理解できていないのかもしれませんが、とん税それ自体が、船会社の運送コスト全体に占める比率といいましょうか、コストに対する寄与率がどれくらいかというのがわからないと、とん税が高いか低いか議論ができないのではないかという気がいたします。

 そのことは、8ページに比較表がありますように、大型化するというのは、1コンテナ当たりのコストを下げることになるわけですから、それによって企業の収益がどれぐらいあるかということとの比較で考えるべきことではないかという気がいたします。

 そのことを議論する場合には、当然船会社がどの港を選ぶかというときに、何を考慮するか。その考慮要因とそれぞれの寄与率がもう少し明確にならないと、この議論のエビデンスというのが出てこないのではないか。それをベースにして、ほかの港湾との比較という議論をしていきませんと、税の額だけに着目していても、港湾の国際競争力を高める上で有効とはいえないように思われますが、いかがでしょうか。

 ちょっと言い過ぎたかもしれませんが、ご容赦下さい。

 分科会長の立場でよけいなことを申しましたけれども、時間も参りましたし、特に御発言がなければ、このあたりで終わりにしたいと思いますが、事務当局からお答えになっていなかった御質問がございますので、それにつきまして、ここで回答いただきます。1つは、浦田委員の税収がどれぐらい減ったかという御質問です。もう1つは、後程、回答するとしていた宮島委員の暫定措置をいつごろまで続けるのかという御質問です。その点について、財務省と経産省のほうからお答えをお願いいたします。

高橋関税課長 浦田委員からの質問について、お答えさせていただきます。

 1つは、個別品目の基本税率の見直しの結果、関税収入に与える影響ということでございます。今数字は精査中でございますけれども、金額の規模としては、1億から2億ぐらいでございます。

 もう1つ、CHDMと3,5−DMPにつきまして、国内生産者がいない。これまでもいなかったということを申し上げましたけれども、それについて、なぜ関税率が設定されていたのかといったような御質問でございました。若干技術的になりますけれども、CHDMと3,5−DMPが含まれる統計品目番号にはほかにもさまざまな化学物質が含まれておりまして、それを含めて関税率が設定されております。そういった化学物質の中には国内生産者が存在するものもあるということでございますので、関税率は設定されていたということでございます。

 今回3,5−DMPとCHDMにつきましては、基本税率を無税にするわけでございますけれども、その他の国内生産者がいる物品とは切り離して、3,5−DMPとCHDMだけは細分をいたしまして、3,5−DMPとCHDMだけ基本税率を無税にするといったような改正を行う方向で検討いたしております。

杉浦製造産業局生活製品課長(経済産業省) 経済産業省生活製品課でございます。繊維と皮革製品を担当しております。

 宮島委員からの御指摘は、加工再輸入減税制度だったかと思いますけれども、この制度の趣旨が、国内生産者が国際競争力をつけるまでの暫定的な措置であり、その間に構造改革を行い、生産性向上を図り、国際競争力をつけるということを認識しています。

 まず繊維についてでございます。日本全国に産地といわれる産業集積がございますけれども、その産地の事業者におきまして、AIやIoTなどを用いました生産性向上ということとともに、単なる価格競争によって安易に海外生産などに代替されることのないような高性能、高機能、高品質の付加価値の高い素材や技術の開発に取り組んでいるところでございます。具体的には、産地間連携や、生産者、意欲的な販売事業者、デザイナーの連携、あるいは地域ブランドの確立といったものに取り組んでおります。国内市場は縮小している中、これにより、海外の販路開拓、市場開拓を目指しているところでございます。私どももそうした意欲的な取り組みを行うような事業者の方々を支援しているところであります。

 他方、皮革についてでございますが、アジア諸国からの低価格品の輸入の圧迫ということに加えまして、ブランド力についても、欧米、特に欧州でございますけれども、ギャップがございます。

 また、貿易を取り巻く環境を見ましても、自由貿易の流れは進展し、後退することはない状況でして、事業者にとって非常に厳しい経営環境が続いているところです。そうした中におきましても、構造改善の努力、競争力強化の取り組みというのは必要でございますし、実際事業者のほうで、最近サステナビリティーの流れの中で、環境対応のなめしプロセスを導入して、それによって、製品に付加価値をつけていくというような取り組み、それから、また海外展示会への出展、展示というものも積極的に行っていくような動きというものが見られ始めております。こうした動きをベースに、海外販路の開拓をしっかりとやってもらいまして、私たちもそういう事業者の方をしっかりと応援していくという形で取り組んでまいりたいと思っております。

 ありがとうございます。以上です。

谷口港湾局港湾経済課長(国土交通省) 申しわけございません。お答え漏れに気づきまして、短くお答えします。

 伊藤委員からの御質問をいただいた特区みたいな方法はということでございますが、それも一つの方法かと思います。ただ、一方で、船会社はコスト面の部分について、安定的な条件かどうかということも重視しているということもあり、また、競合している港がとん税・特別とん税を足元を値上げしそうな雰囲気もないものですから、できればある程度先を見通せるような形での措置をお願いできればと思っております。

森田分科会長 それでは、よろしいでしょうか。ありがとうございました。

 それでは、以上をもちまして、本日の関税分科会を終了させていただきます。

 なお、次回の分科会の開催につきましては、今月の下旬を予定しております。詳細につきましては、事務局と調整の上、また別途御連絡を差し上げたいと思います。

 それでは、本日は御多用中のところ御出席いただきましてありがとうございました。また、よろしくお願いいたします。

午前11時59分閉会

財務省の政策