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関税・外国為替等審議会 関税分科会 (平成30年11月28日開催) 議事録

本稿は、平成30年11月28日の関税・外国為替等審議会 関税分科会の議事録です。

 

午後4時00分開会

森田分科会長 皆様こんにちは。時間になりましたので、ただいまから関税・外国為替等審議会関税分科会を開催いたします。

 委員の皆様方には、御多用中のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

 それでは、早速ですが、本日の議事に入らせていただきたいと思います。本日の議題はお手元の議事日程のとおりでございます。具体的に申し上げますと、「関税制度に関する研究会について」、そのほか「暫定税率等の適用期限の到来」及び「入国旅客の携帯品等に係る簡易税率の取扱い」、これらにつきまして御説明を受けまして、それから審議を行いたいと思います。

 それでは、まず「関税制度に関する研究会について」につきまして、根本座長より説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

根本座長 ただいま御紹介に預かりました根本でございます。よろしくお願いいたします。

 最初に、本研究会の趣旨について御説明申し上げます。

 本研究会は、関税分科会での審議を踏まえ、関税割当制度など関税に関する制度について点検作業を行っていくことが重要との認識から設立されたものです。メンバーは、関税分科会の委員のほか、複数の外部専門家を招き、物資所管省も交え、少人数で開催いたしました。

 具体的には、関税割当制度について、その仕組みや対象品目といった制度概要及び適用状況を概観した上で、対象品目の国内産業の状況も踏まえつつ、点検を行いました。

 関税割当制度は、一定数量以内の輸入には低税率である枠内税率を適用して需要者を保護するとともに、その数量を超える輸入には、高税率である枠外税率を適用して、国内生産者の保護を図る制度でございます。

 本制度の適用状況について見たところ、割当枠が十分に消化されていない品目があることがわかりました。消化率が低い理由、品目ごとに様々であるものの、例えば、WTO協定で設定されている割当枠と比べて、国内需要が限られていることから消化率が低い。したがって、枠外輸入量も少ない品目や、枠内税率よりも低水準のEPA税率や、LDC特恵税率を適用した輸入が増えていることから、枠外輸入量が増え、その結果として消化率が低い品目などがございます。

 次に、本制度の運用実態でございますが、本制度は、過去の輸入実績などをもとに、事前に割当てを行う証明書発給方式を採用しています。割当てを受けるには、品目ごとに設定された申請者要件を満たし、所定の各種申請書類を提出する必要がございます。申請者要件の例としては、製造設備を有する者といった、いわゆる実需者要件や、一定量の国産品を購入することを条件に、枠内税率を適用する抱合せ要件などがございます。証明書発給方式は行政・申請者双方に相応の負担を生じさせるという問題もありますが、これによって厳格な数量管理が可能となっております。

 研究会の参加者からは、「現行制度の課題」として様々な意見をいただきました。

 主なものとしては、消化率が低く枠外輸入もない品目や、制度導入以降に国内生産が落ち込んでいる品目などについては、本制度が持つ国内生産者保護としての機能が発揮されていると言えるのか。あるいは、EPAが相次ぐ中、関税割当てよりも有利なEPA税率が適用されることにより、今後、本制度の機能が発揮されなくなる可能性があるといった意見がありました。

 その一方で、「制度の見直し」に当たって考慮すべき事項としては、産業は技術改善で大きく変わる可能性があり、国内において生産性向上に向けた動きがあることを踏まえると、本制度を見直すよりも、しばらく様子を見たほうがよいのではないか。

 あるいは、国内産業保護の手法として、財政による直接的な支援と関税による保護がある中で、本制度を廃止した場合、支援施策が別途必要になる可能性がある。

 また、本制度の見直しは、国際交渉にも影響を及ぼす可能性がある。RCEPといった現在進行中の国際交渉の現状も踏まえるべきであるといった意見もあがりました。

 このほか、「運用上の課題」としては、関税割当証明書の取得に係る申請者の負担は、消化率を減少させる一因となり得るのではないか。あるいは、行政・申請者双方にとって相応の負担が生じており、今後とも効率化が必要であるといった意見もありました。

 以上を踏まえ、本研究会としては、まず「制度の見直し」に関して2点今後の方向性を示しました。まず、本制度については、今後も必要に応じて点検作業を行っていくことが望ましい。さらに、今後、大型EPAの発効が相次ぐ中、現段階ではこうした変化が国内生産者や需要者にもたらす影響が定かでなく、RCEPなどの新たなEPAの協議が引き続き行われていることから、今後の関税制度を取り巻く環境の変化や国内産業における競争力強化に向けた取組などを注視しつつ、本制度のあり方について、適当なタイミングで検討を行うことが望ましい。

 「運用上の課題」に関して、制度の効率化については不断に検討を行い、物資所管省を含めて、引き続き運用改善に努めていくことが望ましいという方向で、大方の意見が集約されたものと考えております。

 関税制度に関する研究会についての報告は、以上でございます。

森田分科会長 ありがとうございました。

 それでは、引き続き、資料1−1の「暫定税率等の適用期限の到来」につきまして、右下のページで7ページ目までですが、御説明を受けたいと思います。今の根本座長の報告も含めて、御質問、御意見はその説明の後、まとめてお受けしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。それではお願いいたします。

高橋関税課長 関税課長の高橋でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 早速資料1−1をご覧ください。

 1ページ目の上段に、基本税率と暫定税率の位置づけを記載いたしております。

 基本税率が中長期的な観点から、内外価格差や真に必要な保護水準を勘案して設定される税率であるのに対しまして、暫定税率は、政策上の必要性等から、適用期限を定めて、基本税率を暫定的に修正する税率でございます。

 したがいまして、暫定税率の水準及びその必要性につきましては、常に見直していくものとされておりまして、こうした観点から暫定税率の適用期間を1年とし、毎年度の関税改正において、適用期限の延長を行ってきたところでございます。

 30年度において暫定税率を設定している品目は、下段の表に記載しておりますように、合計で411品目でございます。これらの411品目の暫定税率が、31年3月31日に適用期限を迎えますので、その延長等を検討する必要があるというわけでございます。

 続いて、次の2ページをご覧ください。

 延長等の検討に際しましては、暫定税率を延長する必要があるのか、延長する場合に適用期限を何年とするのか、基本税率化をする必要があるのかといった観点から検討する必要があろうと考えております。

 また、考慮すべき事項といたしまして、暫定税率の延長については、記載しておりますような生産者及び消費者等の間の利益調整に及ぼす影響、国際交渉との関係、関係国との協議結果に基づく税率の引下げ措置の履行に及ぼす影響等々を考慮していく必要がございますし、適用期限の設定や基本税率化の適否という点につきましては、その時々の国内産業や国際交渉の状況、政策上の必要性、国際市況を踏まえて、常に見直しを行うべきとの理由から、適用期間を1年として、暫定税率を設定してきたという点に留意する必要があるというふうに考えております。

 こうした観点を踏まえまして、全411品目について検討を行いました結果、全品目の暫定税率の適用期限を1年延長することが適当と考えております。

 なお、※印にあります、石油化学製品製造用揮発油等・ノルマルパラフィンにつきましては、基本税率化の要望が出ているところでございますが、昨年度に引き続き、国内の石油化学産業への影響等について検証する必要があるということから、暫定税率の適用期限を1年延長することとしたいと考えております。

 続きまして、次の3ページでございます。

 関税割当制度の対象の追加でございます。

 現在、関税割当制度の対象となっている品目といたしまして、乳幼児用調製粉乳、いわゆる粉ミルクの製造に使用されるホエイがございます。

 一方で、乳幼児用調製液状乳、いわゆる液体ミルクにつきましては、現在、関税割当制度の対象とはなっておりませんので、乳幼児用の液体ミルク製造用にホエイを輸入する場合には、低い枠内税率が適用されず、枠外税率が適用されることとなります。

 乳幼児用ミルクにつきまして、災害時や外出時、夜間の授乳を簡便に行うニーズの高まりを受けまして「女性活躍加速のための重点方針2017」等に基づき、粉ミルクに代わる新たな選択肢として、液体ミルクの普及促進に向けた取組が進められているところでございます。

 また、本年8月に、厚労省の省令において、液体ミルクの定義・規格基準が設定されまして、国内での液体ミルクの製造・流通が可能となったところでございます。

 こうした状況を踏まえまして、液体ミルクの製造に当たって、安価に原料を確保できるよう、液体ミルク製造用ホエイについても、関税割当制度の対象に追加する改正要望が提出されているところでございます。

 この要望の取扱いでございますが、ホエイにつきましては、一定の輸入数量まで無税または低税率での市場アクセス機会を提供するといった国際約束に関して、国内産業を保護する必要があるということで、用途を限定して関税割当制度の対象としているところでございます。

 この点、液体ミルクの製造に使用するホエイを関税割当制度の対象とした場合であっても、乳幼児用ミルク全体の需要は変動するわけではなく、一部ホエイの使用用途が粉ミルク製造用から液体ミルク製造用に切り替わるだけだと考えられますので、国内産業保護の観点からは、問題は生じないと考えております。

 したがいまして、要望どおり、液体ミルク製造用のホエイにつきましても、関税割当制度の対象とすることとしたいと考えております。

 次の4ページ以降、暫定税率と一体的なものとして、関税暫定措置法で適用期限が定められている制度について、順次御説明をいたします。

 4ページ目の特別緊急関税制度は、上に図示しておりますように、輸入数量が一定の水準を超えた場合に関税率を引き上げる制度でございまして、適用期間を1年として、毎年度の関税改正において、適用期限の延長を行ってきたところでございます。

 考慮すべき事項に記載しておりますように、この制度はウルグアイ・ラウンド合意に基づき関税化された農産品について、関税化の代償として農産品の輸入急増時の安全弁ということで、関税化措置と一体として設けられた制度でございますので、暫定税率と一体的に検討する必要があると考えております。

 したがいまして、暫定税率の延長を踏まえまして、この特別緊急関税制度の適用期限も1年延長することが適当と考えております。

 続いて5ページ目は、牛肉に係る関税の緊急措置でございます。

 上段に牛肉に係る関税の緊急措置の概要を示しております。

 暫定税率によって協定税率の50%よりも低い水準である38.5%まで引き下げている税率を、輸入数量が一定水準を超えた場合に、自動的に協定税率の水準である50%まで戻す制度でございまして、特別緊急関税制度と同様、適用期間を1年として、毎年度の関税改正において、適用期限の延長を行ってきたところでございます。

 考慮すべき事項にございますように、この制度はウルグアイ・ラウンド合意時の関係国との協議結果に基づき、協定税率より低い水準まで関税率を自主的に引き下げることとした際、その代償として、牛肉の輸入急増時の安全弁として設けられた制度でございます。したがいまして、暫定税率と一体的に検討する必要があると考えております。

 改正の方向性にございますように、暫定税率の適用期限の1年延長を踏まえまして、牛肉に係る関税緊急措置につきましても、適用期限を1年延長することが適当と考えております。

 また、右上の図の下の※印に記載をしております、前年度の輸入実績が北米におけるBSE発生前の水準を下回る場合には、平成14年度と15年度の輸入実績の平均値を算出基礎とする暫定措置、いわゆるBSE特例につきましても、適用期間を1年として、毎年度の関税改正において、適用期限の延長を行ってきたところでございますが、我が国の牛肉輸入が、北米におけるBSE発生前の水準を安定的に上回る状況になっているかどうかという点について、来年度も引き続き検証する必要があるということから、BSE特例についても、適用期限を1年延長することが適当と考えております。

 続いて、6ページ目は、豚肉に係る関税の緊急措置でございます。

 豚肉に係る関税の緊急措置につきましても、制度の趣旨は牛肉と同様でございまして、暫定税率によって協定税率よりも低い水準まで引き下げている税率を、輸入数量が一定水準を超えた場合に、国際的に合意された水準まで自動的に戻す制度でございます。

 この豚肉に係る関税の緊急措置につきましても、適用期間を1年として、毎年度の関税改正において、適用期限の延長を行ってきたところでございます。

 考慮すべき事項に記載いたしておりますように、この制度もウルグアイ・ラウンド合意時の関係国との協議結果に基づき、暫定税率によって、協定税率より低い水準まで関税率を自主的に引き下げることとした際、その代償として、豚肉の輸入急増時の安全弁として設けられた制度でございますので、暫定税率と一体的に検討する必要があると考えております。

 したがいまして、改正の方向性にございますように、暫定税率の適用期限の1年延長を踏まえまして、豚肉に係る関税緊急措置につきましても、適用期限を1年延長することが適当と考えております。

 続いて、7ページをご覧ください。

 関税制度の利便性向上に向けた取組みでございます。

 上の欄に、関税割当制度に関する利便性向上に向けた現在の取組みをまとめてございます。(1)申請機会の拡大といたしまして、例えば、パイナップル缶詰のように、関税割当申請書の提出期間を順次拡大してきているところでございます。

 次に、(2)申請時の提出書類の簡素化といたしまして、例えば、チョコレート製造用無糖ココア調製品のように、直近年に割当てを受けた者について、所定の申請書類の提出を一部省略いたしております。

 さらに、(3)申請手続の電子化といたしまして、その他乳製品の抽選枠について、従前の往復はがきに代えて、農林水産省ホームページを通じた申込みに変更いたしております。

 こうした取組みを進めまして、関税割当ての申請者にとっての利便性向上等に努めてきたところでございます。

 下の欄は、特別緊急関税制度等の見直しでございます。

 現在は、特別緊急関税制度や牛肉・豚肉に係る関税の緊急措置等につきましては、輸入数量等を官報で告示を行っているところでございますが、利用者利便の向上のため、インターネットでよりわかりやすい形で公表したいと考えておりまして、そのための制度改正を、31年度改正で手当をしたいと考えております。

 私からの説明は、ひとまず以上でございます。

森田分科会長 ありがとうございました。それでは、これまでの御説明につきまして、御質問、御意見等ございましたら、御発言をお願いいたします。

 長谷川委員、どうぞ。

長谷川委員 丁寧な説明をありがとうございました。

 まず一点、最初の関税割当てについてですが、この消化率が非常に低い品目がたくさんあるということが、私も非常に驚きでもありますし、研究会の方でもありましたけれども、生産者保護という機能が発揮されていない可能性があるという指摘は、多分そうなのだろうと思います。

 恐らく今、見直す時期に来ているのだろうというふうに感じております。考慮すべき事項の中で、国際交渉に影響を及ぼすということが挙げられており、結論部分で、今後の大型EPAがもたらす影響、その他を注視しつつ、適当なタイミングで検討を行うことが望ましいということでありました。

 私もそう思いますが、EPAの交渉というのは、もちろん、先ほどお話にありましたRCEPもありますけれども、2国間の交渉もたくさんあります。その辺の影響をずっと見続けてしまうということになると、いつまで経っても見直しが行われず、いつするのかという話にもなってしまいますので、多数の国が参加するRCEPの交渉が合意した時点で、一旦この制度については、見直すのが適当なのではないかと、そのように私自身は考えています。これは意見です。

 もう一点、関税緊急措置に関する話ですが、牛肉に関する関税緊急措置については、昨年来かなり話題になっていた部分があるかと思います。お伺いしたいのは、豚肉のほうの関税緊急措置についてです。牛肉のときはTPP11が発効したり、日豪EPAがあったりということで、実質対象になる国は、アメリカに絞られるという話だったと思います。豚肉のほうはその点どうなのかと。TPPももちろんありますし、日欧のEPAもあります。多分輸入相手先として多いのは、アメリカとかカナダとかデンマークあたりかと思いますけれども、この辺の大型の協定が発効した後に、この対象になる国というのが、アメリカ以外にはどんなところがあるのかとか、その辺の状況についてお教えいただけないでしょうか。

 それとあわせて、牛肉のときは、輸入牛肉と国産牛のすみ分けがかなり進んでいるという状況もあったかと思うのですけれども、豚肉のほうは、その点でどうなのかと。特にTPPとか日欧EPAで対象外となる国を除いた国との競争状況が今どうなっているのか。その辺についてお教えいただけないでしょうか。

森田分科会長 では、回答をお願いいたします。

高橋関税課長 すみません、御質問の1問目は、私のほうで答えさせていただきまして、1問目の補足、あるいは、2問目については、必要であれば農水省さんのほうから補足をいただければというふうに思っております。

 豚肉の関税緊急措置につきましては、委員御指摘のように、カナダ、あるいはデンマーク等からも現在は輸入されているということでございますけれども、TPP11、あるいは日EU・EPAが発効した場合には、アメリカ以外の大部分は緊急措置の対象から外れる見込みだというふうに考えております。残るのはアメリカが大部分ということになるのではないかと考えております。

森田分科会長 では、農水省お願いいたします。

三野大臣官房国際部国際経済課長(農林水産省) 農林水産省の国際経済課長、三野と申します。よろしくお願いいたします。

 まず、手元にある昨年度の数字ですけれども、委員御指摘の輸入量のシェアということで申しますと、豚肉について、TPP11諸国の輸入量の合計が32万8,000トンで全輸入量の約35%でございます。

 それから、EUでございますが、同じく輸入量につきましては33万4,000トンで、日本の全輸入量の約36%でございます。EUからの輸入はほとんどが冷凍でございまして、過去ずっと経年で追ってみましても、3割、あるいは、それ以上の輸入がずっと続いているということでございます。

 アメリカがTPPから抜けても、なお、依然としてEUからの輸入量は相当量あるということでして、具体的には、先ほどおっしゃられたデンマーク、スペインといった国々からの輸入量は相当量あるというのが実情でございます。

森田分科会長 それでは、ほかにいかがでしょうか。

 伊藤委員、どうぞ。

伊藤委員 御説明ありがとうございました。

 最初の関税割当制度のところに関して、コメントさせていただきたいのですけれども、まず、こういう関税割当制度を、今回いろいろ精査されたということ自体、非常に評価されるべきものだと思いまして、非常に有用な情報だと思います。

 出されている意見もごもっともな意見がまとめられていまして、これに関しては、納得できる意見と思います。先ほどのコメントにもあったように、このまま検討を続けていくということだけですと、いつまで検討するのかということで、いつまで経っても話が前に進まないというような印象を若干受けました。

 もう少し具体的にというか、積極的なアクションまで考えていく方向にいけないかと思いまして、先ほどは、RCEPがある程度合意した時点で、もう一度再検討というお話出ましたけれども、例えばそういうことであったり、定期的にこういった検証をする。

 あと、幾つかの品目に関しては、どうもこの制度が形骸化しているように思われる品目がありまして、そういう品目についても、このまま放っておいて、また今度検討するということにしていいのか、もう少し幾つかの品目については、具体的に撤廃してしまったらどうなるかというところも、深く考えるべきなのではないかと思います。

 このままちょっと放っておいて、今後の国際交渉のカードに使えるという意見も出てはいますけれども、結局ほとんど使われていないような制度を持っているだけで、国際的には、日本は貿易障壁が高い国だという印象を与えてしまうという面もあるかと思いますので、ぜひもう少し踏み込んだアクションプランのようなものを考えていくべきではないかと思います。以上です。

森田分科会長 ありがとうございました。どうぞ。

根本座長 御指摘のとおりだと思います。過去の関税審議会の答申にもありますように、この関税割当制度というのは、そのときの需要量とか、供給量とか、そういう市場の条件で割当の枠が決まってくるわけなので、常に見直しをしていくべきものだと思います。何回か、そのような趣旨の答申をいただいているわけです。

 この研究会が始まるときも、御指摘にあったような問題意識で点検を始めようということになったわけですけれども、やっぱり夏以降、大分雰囲気が変わってきたように思います。これは私の個人的な意見ですが、関税を2国間交渉の手段にするというような傾向も強くなっていく中で、日本が一方的に、自由化に向けてカードをどんどんどんどん切っていくというのはどうなのか、ちょっと様子を見ようということもあると思います。

 御指摘にあったように、この先1年ぐらいで大分動きがあると思われますので、その段階で、もう一度検討するということが考えられます。そういう御提案もありましたけれども、私は賛成であります。

森田分科会長 よろしゅうございますか。

 それでは、ほかにいかがでしょうか。清水委員。

清水委員 同じような話題で恐縮いたしますが、研究会の中で、関税割当証明書の取得にかかわる申請者負担が消化率の減少の一因になるというような御定義をされた上で、この資料の中では、関税制度の利便性向上に向けた取組みというところで、関税割当制度に関する現在の取組みが7ページに書かれております。ここでは申請機会の拡大であったり、提出書類の簡素化、電子化といったことが挙げられていますが、これらの取組みと、関税割当証明書の取得の簡素化といったことについては、どのような関連があるのでしょうか。

高橋関税課長 必要があれば、農水省さんのほうで何かございますでしょうか、お願いできればと思いますが。

森田分科会長 お願いいたします。

三野大臣官房国際部国際経済課長(農林水産省) 申しわけございません。手続の面に関しましては、先ほど御指摘いただきましたように、電子化などを進めて、利用者負担の軽減ということで、さまざまな方策を講じておりまして、こちらにございますような申請機会の拡大のほか、書類の簡素化、電子化などを進めてきているところでございます。

 証明書のことに関しましては、電子化を大規模に進め、通関の状況を、実際に証明書に反映させるということに関しましては、かなりの額の予算も実際に必要になりますし、省庁間にまたがる調整等も必要でございますので、この場で農水省のほうから、こういう方向を目指すということは、なかなかお答えが難しいということは御理解いただければと思います。

高橋関税課長 御指摘を踏まえまして、関係省庁間でよく相談させていただきたいと思います。

森田分科会長 清水委員、よろしゅうございますか。

清水委員 ぜひそのように、省庁間での連携を強めていただければと思います。

森田分科会長 ほかにいかがでしょうか。古城委員。

古城委員 今の質問に関連して、些細な質問ですけれども、利便性の向上のためにホームページに変えたと。往復はがきからホームページに変えたということですけれども、これによって変化というのは何かあるのでしょうか。想定のように、これによって利便性がよくなって申請が増えるとか、そのような傾向というのは見ることができるのでしょうか。

森田分科会長 農水省のほうからお答えいただけますか。

三野大臣官房国際部国際経済課長(農林水産省) まだ取組みを開始したばかりということもございまして、定量的に数字などで申し上げることは難しい状況でございますけれども、先ほど御紹介のありました大型経済連携協定として、TPP11の発効が12月30日に決まり、日EU・EPAの発効も年内に手続を完了させ、年明け早々の発効を目指し、今、国会で御審議いただいているというところでございます。

 そういった中で、将来の関税割当てが導入されることとなる場合においても、今、申しましたような、利便性向上、業務の簡素化、それらを相まって、透明性の向上という観点からも、さらなる利便性の向上に努めてまいりたいというふうに思っております。

森田分科会長 財務省はよろしいですか。

高橋関税課長 はい。

森田分科会長 では相澤委員、どうぞ。

相澤委員 根本座長の取りまとめにつきまして、異論があるわけではありませんけれども、国内産業を保護するための関税制度全般につきましては、どういう国内産業をどのように保護しているのかを明らかにした方が良いのではないかと思います。

 国内産業の状況が制度を策定したときと変わってきていることも含めて、引き続き検討していただきたいと思います。

森田分科会長 それは、よろしゅうございますか。

根本座長 御指摘のとおりだと思います。

森田分科会長 ほかにいかがでしょうか。

 どうぞ、農水省。

三野大臣官房国際部国際経済課長(農林水産省) 先ほどの御質問の補足で、1つお答えさせていただきます。定量的な効果改善が難しいと申しましたけれども、実際に農水省で取り組んでいる事例を紹介しますと、毎年申請者の400社から500社の企業の方々や実業者の方々に、実際に農水省まで御足労いただいて、抽選を実際に農水省で物理的に行っておりました。昨年度以降はこれを改善しまして、抽選の申請登録を往復はがきに変え、さらに今年度からはホームページという方法も導入しながら、抽選結果を公表して、申請の受付を実施するということを、具体的に実行しております。

 こういった取組みを講じておりますが、研究会でも利用率の向上という御指摘をいただきましたので、それらを踏まえて、さらなる利便性の向上に努めてまいりたいと考えております。

森田分科会長 よろしいですか。ほかにいかがでしょうか。

 では、宮島委員どうぞ。

宮島委員 ありがとうございます。

 まず、関税割当制度に関しましては、やはりこのように議論があって、ちゃんといろいろな視点からチェックが行われたということはよかったと思います。

 この考慮すべき事項の中で、国際交渉のところは、まさに特にこの1年ぐらいは、かなりいろいろな意味でシビアな時期だと思いますので、その時期に関して状況を見るということは納得します。

 それより、この中で、一番最初に挙げられた生産性向上に向けた動きがあることを踏まえて、しばらく様子を見るということですけれども、多分業界はいつも生産性向上の動きはあり、そして、みんな発展しようとしているのだと思うので、生産性向上に向けた動きがあるから見直しができないとなると、ずっとできないと思います。これは具体的に何を示しているのかわかりませんけれども、むしろ、ここから技術改善はもっともっとスピードが速くなっていくと思うので、そのフレキシビリティと恒久化のところのバランスをどこでとっていくかということを踏まえて、考えていただきたいと思います。

 同じように、これは暫定税率とかいろいろなこともそうですけれども、漫然といろいろなことが続くということは、基本的によくないことだと思っております。

 暫定税率ももちろん、恒久化されてしまうと、かえって動きがとれなくなるというデメリットはあると思うので、メリット、デメリットをそれぞれよく考えながらということだと思いますけれども、見直さずに放置されているということが多分一番いけないことだと思います。

 その中では、今の利便性の向上というのは、これをスタートしたのはとてもよいというふうに思うのとともに、一方で、一般の感覚からすれば、往復はがきをホームページにしましたというのは、なかなか、ちょっとうっとくるところがありまして。やっぱり官庁全体として、例えば非常に紙が多いなど、仕事のやり方に関して、なお改善の余地が大変あるのではないかと思います。特に公務員の働き方改革とか、いろいろ考えますと、今まで人的コストを使うことに関して、かなりないがしろにされていたと思うのですけれども、そのままですと、公務員に人が来なくなってしまいますし、今までよりもその人的コストを使うことに関しても、いろいろ十分に配慮しながら、仕事の進め方を考えていただければと思います。

森田分科会長 これにつきまして、お願いします。

根本座長 「生産性向上に向けた動きがある」という、ここだけ聞いて、何かちょっと違和感を感じられたと思います。これ実は、ある品目が想定されて、この文言が入っています。繭とか生糸なのですけれども、日本の産業規模はどんどん小さくなっていってはいるのですが、一部事業者がかなり高機能の変わった生糸ですかね、そういうものを生産して、それがヒットするかもしれない。そういうのがあって、こういう文言が付け加えられたと思います。そういうことがほかの分野でもあり得るだろうという意味で、我々はこの文言を使わせていただきました。

森田分科会長 よろしいでしょうか、ほかにいかがでしょうか。

 では、石毛委員。

石毛委員 今のお答えですけれども、だったら、もっとスペシフィックに必要な範囲のことを言えばいいのであって、ほかで全部可能性がありそうだから、こういうふうに広い対象にするというのは、ちょっとこの種の検討としては不適当ではないかと思いますけれども。

森田分科会長 どうぞ。

高橋関税課長 議論の取りまとめの表現ぶりということでございますので、そこは説明の便宜ということで御理解いただければというふうに思います。

森田分科会長 それでは藤原委員、どうぞ。

藤原委員 今、技術革新のお話が出てきたのですけれども、イノベーションもさることながら、用途に関して、今まで生糸ベースのものというのは、おおよそ衣服とか、寝具等というようなものに限られていたように思われますけれども、私は、今後はもっと違った産業資材としての用途にも広がるという意味でのイノベーションとか、もう少し幅広に先細っていかないような施策というのは、見解としては妥当ではないかなと思います。

 このような文言に関しては、もう少し考える余地があるかもわかりませんけれども、先々のアプリケーションの広がりとか、それからバイオテックも含めて、さまざまな今後の技術革新というと、あたかも生産性を上げるための革新というふうにとられがちですけれども、それのみならず、ほかの用途も含めた産業を新たに興す、その起爆剤になるという観点も含めた御判断だったかと思いますので、そのあたりが少し見えるような文言でもよいのではないかと思いました。

森田分科会長 それはよろしいですね。

根本座長 ありがとうございます。

森田分科会長 それでは、ほかによろしいでしょうか。

〔根本座長委員席へ移動〕

森田分科会長 それでは、続きまして、資料1−1、8ページ目「沖縄に係る関税制度上の特例措置」及び資料2「入国旅客の携帯品等に係る簡易税率の取扱いについて」、こちらにつきまして説明を受けたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

高橋関税課長 それでは、資料1−1の8ページをご覧ください。

 沖縄に係る関税制度上の特例措置であります、選択課税制度について御説明いたします。

 まず、この制度の背景ですが、沖縄につきましては、歴史的、地理的な特殊事情に鑑み、その総合的かつ計画的な振興を図ることなどを目的として定められました沖縄振興特別措置法に基づきまして、各種税制上の特例措置が設けられております。

 それらの一環といたしまして、関税暫定措置法上に選択課税制度及び沖縄型特定免税店制度の具体的内容と適用期限が定められております。

 このうち、選択課税制度につきましては、本年度末に2年の適用期限が到来をいたしますことから、内閣府より適用期限を32年度末まで2年延長する内容の要望がなされているところでございます。

 選択課税制度の概要につきましては、資料中ほどにありますように、沖縄振興特別措置法に基づき指定されます国際物流拠点産業集積地域の保税工場等におきまして、外国貨物を原料として製造される製品について、原料課税か製品課税かを輸入者が選択できる制度でございまして、国際物流拠点産業集積地域における企業誘致等の観点から一つの魅力となっているところでございます。

 改正の方向性といたしましては、この選択課税制度は、沖縄振興特別措置法に基づく国際物流拠点産業集積地域の税制上の特例措置の一環であるということ等に鑑みまして、適用期限を2年延長することとしたいと考えております。

 続いて、資料2の1ページをご覧ください。

 入国旅客の携帯品等に係る簡易税率の取扱いについて御説明いたします。

 中ほどの現行制度の概要をご覧ください。

 入国旅客が携帯又は別送して輸入する貨物が携帯品免税の範囲、これは一般の携帯品は20万円、アルコール飲料は3本まで等というふうに免税範囲が設定されておりますけれども、この免税の範囲を超える場合に、関税有税のものについては、税関手続の簡素化及び迅速化を目的といたしまして、簡易税率が設けられております。

 この簡易税率は、関税、内国消費税及び地方消費税の率を総合して算出されておりまして、入国旅客の利便のため、一般の携帯品は5%刻み、アルコール飲料は100円刻みで設定されております。

 現行税率は、記載のとおり、一般の携帯品は15%、アルコール飲料のうち、蒸留酒が1リットル当たり300円、その他のものは1リットル当たり200円となっております。

 この簡易税率でございますが、ただいま申し上げましたように、関税、消費税込みで設定されておりますので、来年10月に消費税率が8%から10%に引き上げられることを踏まえて、現行税率の水準を見直すことが必要かどうか検討いたしましたけれども、一般の携帯品については5%刻み、アルコール飲料については100円刻みの引上げ水準に満たないという結果になりましたことから、現行税率を維持することが適当と考えております。

 私からの説明は、以上でございます。

森田分科会長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見等ございましたら、どうぞ御発言ください。佐藤委員、どうぞ。

佐藤委員 入国旅客の携帯品等に係る簡易税率について、1つ御質問があります。

 総合的に勘案して、引上げには至らなかったという御結論ですが、恐らく税関を通る全ての物品についての平均税率のようなものを勘案された結果かと思います。お手元にその数字があれば、御紹介いただくと審議に資するものと思いますが、いかがでしょうか。

高橋関税課長 一般の携帯品につきましては、平成29年度の関税有税品、このうち旅客が入国時に携帯輸入することが想定されないもの、例えば石油等は携帯輸入を想定されませんので、そういったものを除いた平均関税負担率が7.8%ということでございまして、それをもとに、消費税込みの簡易税率設定の基礎となる税率を算出したところ18.58%ということですので、引上げには至らないという判断をした次第でございます。

佐藤委員 ありがとうございました。今回の御提案に全く賛成であります。

 1点コメントですが、今お示しくださったような平均の関税率というのは、恐らく、これからEPA等の発効に伴って動くことがあるのではないかと思います。今回は、たまたま消費税の引上げということをきっかけにいたしましたが、平均税率が動く要素があった場合については、適切な時期を捉えて見直す、あるいは見直さなくてよいという検証を行っていただきたいと存じました。

 以上です。

森田分科会長 よろしゅうございますか。

高橋関税課長 貴重な御指摘ありがとうございます。

森田分科会長 ほかにいかがでしょうか。

 特に御質問がございませんようでしたら、本日をもちまして平成31年度関税改正検討項目につきまして、委員の皆様に一通りの御審議を賜りましたので、今後、当分科会におきましては、答申を取りまとめる作業に移ることとなります。

 次回の分科会におきまして、これまでの御審議の内容を踏まえた答申案を提示させていただき、御議論いただくということにしたいと考えております。

 なお、次回の関税分科会の詳細につきましては、事務局と調整の上、別途御連絡を申し上げたいと思います。そういうことで、よろしゅうございますか。

 それでは、本日は御多用中のところ御出席をいただきまして、ありがとうございました。

午後4時50分閉会

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