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関税・外国為替等審議会 関税分科会 (平成30年11月6日開催) 議事録

本稿は、平成30年11月6日の関税・外国為替等審議会 関税分科会の議事録です。

 

午前9時45分開会

森田分科会長 おはようございます。皆様おそろいになりましたので、ただいまから関税・外国為替等審議会関税分科会を開催いたします。

 委員の皆様方には、御多用中のところ御出席いただきまして、ありがとうございます。

 それでは、早速ですが、本日の議事に入らせていただきたいと思います。本日の議題はお手元の議事日程のとおりでございます。具体的に申し上げますと、「個別品目の関税率等の見直し」等のほか、「国際コンテナ戦略港湾に係る税制措置の検討」、「牛肉の関税緊急措置の効果について」及び「日EU経済連携協定のための関税関係法の取扱いについて」、これらにつきまして御説明をいただき、審議を行いたいと思います。

 まず、「個別品目の関税率等の見直し」及び「特恵関税適用除外措置及びそれに伴う関税率の見直し」につきまして説明を受けたいと思いますので、お願いいたします。

高橋関税課長 関税課長の高橋でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、早速、資料1−1をご覧ください。この資料におきましては、個別品目の関税率等の見直しということで、31年度改正要望が提出されております2つの項目について見直しの方向性を記載いたしております。

 1ページをご覧ください。上段に基本税率の位置づけなどをまとめております。関税定率法上の基本税率は、中長期的な観点から、内外価格差や真に必要な保護水準などを勘案して設定されているところでございますが、物資所管省庁の要望を踏まえ、必要に応じて見直しを行っているところでございます。直近の2年間におきましては、中ほどの表に記載のような改正を行っております。

 下段に31年度改正要望が提出されております2項目、ヘキサメチレンジアミン及び海藻製品につきまして、用途等、輸入額、現行税率、要望内容を表にまとめてございます。ヘキサメチレンジアミンは、現行では協定税率3.1%が適用されておりますところ、基本税率を無税化すること、海藻製品は関税分類変更への対応を行うことについて、それぞれ要望がなされております。

 次の2ページで各項目についてそれぞれ詳細を御説明いたします。

 左側のヘキサメチレンジアミンは、「製造・加工工程」の図にありますように、石油から生成される化学物質でございまして、ナイロン繊維の原料となるものでございます。このヘキサメチレンジアミン由来のナイロン繊維は、強靱性などにすぐれているということで、自動車のエアバッグの基布などに使用されております。下の「現状及び見直しの方向性」にありますように、国内で使用するヘキサメチレンジアミンの約6割が輸入品、残りの約4割は国内のナイロン繊維メーカー、上の図で申しますとB社が自社生産を行っておりますけれども、自社生産で賄えない分は輸入に依存している状態にございます。近年、需給の逼迫によってヘキサメチレンジアミンの価格が上昇する中で、海外において代替素材を用いた安価なエアバッグ基布生産に向けた動きが見られ、さらなる競争の激化が予想される状況となっております。こうしたことから、国内ナイロン繊維メーカーの国際競争力維持のため、ヘキサメチレンジアミンの基本税率、現行4.6%を無税化することが適当ではないかと考えております。

 続いて、右側の海藻製品をご覧ください。まず、関税率と国内の生産状況でございますが、関税率については、砂糖を加えてあるかどうか、ひじきかその他のものかどうかといったことによりまして、記載のように、17.5%から29.8%の範囲でそれぞれ異なる税率が適用されております。また、海藻製品は、国内の零細漁業者の主要な生産品でありまして、国内産業保護の観点からこれらの関税率が設定されているところでございます。下の「現状及び見直しの方向性」にありますように、海藻製品は、これまで関税率表第2106.90号、その他の調製食料品に分類されてきたところでございますが、本年1月のHS委員会において海藻製品を第2008.99号、植物の調製食料品に分類することが決定されました。ところが、この新分類の実行税率は12〜16.8%と現行の海藻製品の関税率を下回る水準となっておりますので、引き続き国内産業を保護する必要があることから、新分類の2008.99号に分類変更される海藻製品に対しまして、税細分を新設した上で現行と同水準の関税率を設定することが適当ではないかと考えております。

 続きまして、資料2−1をご覧ください。こちらも、資料1−1と同様に、個別品目の関税率の見直しに係る要望への対応でございますが、この資料で取り扱う品目はいずれも29年度改正で行いました特恵関税適用除外要件の見直しを受けて関税改正要望が提出されたものでございますので、こちらの別の資料でまとめて御説明をいたします。

 1ページに特恵関税制度の概要をまとめております。特恵関税制度は、先進国が開発途上国の産品に対して、開発途上国の経済成長の促進を目的といたしまして、一般の税率より低い関税率であります特恵税率を適用する制度でございますが、一定の基準を満たした国及び品目につきましては、特恵関税の適用対象から除外する措置を講じているところでございます。この特恵関税制度について、29年度改正におきまして、既存の特恵対象国のうち新興市場国については既に一定の経済発展を遂げていること、特恵関税の適用実績を見ると受益国が高中所得国の一部に偏在していることなどを踏まえまして、次の2ページに記載をしておりますような適用除外要件の見直しを行っております。

 2ページの基準の列の朱書き部分が29年度改正における見直し内容でございます。特恵関税の適用対象から全ての品目が期間の定めなく除外されることとなります全面卒業の基準といたしましては、従来は3年連続して高所得国に該当した国のみだったわけでございますが、これに加えて、3年連続して高中所得国に該当し、かつ、世界の総輸出額に占める当該国の輸出額の割合が1%以上である国という基準を追加いたしました。この見直しによりまして、その右側にありますように、中国、ブラジル等の5カ国が31年度から適用除外されることになっております。

 また、全面卒業までの経過措置といたしまして、国際競争力の高い品目に限定して1年間適用除外となります部分卒業の対象国の基準といたしまして、全面卒業の対象国と同様の基準を追加いたしました。これにより中国産の868品目、ブラジル産の2品目につきましては30年度、すなわち今年4月から適用除外となっております。

 続いて、3ページをご覧ください。ただいま御説明申し上げました特恵適用除外要件の見直しによりまして特恵対象から除外される品目は特恵税率が適用されなくなるということでございますので、これを受けて31年度関税改正要望としてこの5項目が提出されております。主な用途、輸入額などは記載のとおりでございますが、項目1から4については基本税率無税化の要望、項目5については暫定税率を無税化する要望となっております。詳細は次のページ以降で順次御説明をいたします。

 左側のナフトールでございますが、こちらは石炭から生成される化学物質でございまして、LCP(液晶ポリマー)製造の原料として用いられ、最終的にはスマートフォンなどの電子機器の樹脂部品などとして使用されることになります。下段の「現状及び見直しの方向性」にございますように、ナフトールは輸入の約6割を中国に依存して、国内生産者は存在していない状況にございます。こうした中で、今年4月から中国産品は特恵適用除外となりまして、これまで特恵税率無税を適用されていたものが協定税率3.9%を適用されているところでございます。このナフトールはLCPの製造工程の前段階でありますLCP用モノマーの生産に係る変動費の約5割を占めておりまして、関税の引上げによりまして国産品の価格競争力が低下している状況にございます。この状況が継続いたしますとLCP用モノマーの国内生産が衰退して安定供給構造が失われ、ひいては国内LCPメーカーの競争力に悪影響を及ぼすことが想定されます。こうしたことから、国内LCPメーカーなどの国際競争力維持のため、ナフトールの基本税率、現行4.6%を無税化することが適当ではないかと考えております。

 続いて、右側のビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート等々でございますが、これらは石油から生成されましてリチウムイオン電池用の電解液の原料として使用されております。リチウムイオン電池は電気自動車をはじめとした幅広い用途があり、特に近年では環境車の需要増加によりまして車載用電池としての生産拡大が見込まれております。下段にありますように、このビニレンカーボネート等は輸入のほとんどを中国に依存して、国内生産者は存在しておりません。こうした中、4月から同様に中国産品が適用除外となり、無税であったものが協定税率3.9%を適用されているところでございます。現状では、この関税賦課によるコストアップについては、車載用電池などの最終製品への価格転嫁が難しいということで、国内のリチウムイオン電解液メーカーが負担している状況にございます。さらに、今後、リチウムイオン電池産業を保護、育成する政策方針を打ち出しております中国のリチウムイオン電池メーカーとの競争が激化することが予想されております。こうしたことから国内リチウムイオン電池メーカーなどの国際競争力維持のために、ビニレンカーボネート等の基本税率を無税化することが適当ではないかと考えております。

 続いて、5ページをご覧ください。左側のクリスタルバイオレットラクトンは、石油から生成されまして、伝票などの用紙に用いられる感圧紙の原料として使用される染料でございます。下段にありますように、輸入の全てを中国に依存して、こちらも国内生産者は存在しない中で、この4月から協定税率3.1%が適用されているところでございます。この関税賦課によるコストアップについては、現在は輸入業者が負担をしている状況にございますが、今後、価格転嫁されることになりますと国産感圧紙価格の上昇が予想されるところでございます。さらに、輸入先である中国における環境規制の影響でクリスタルバイオレットラクトンの価格が上昇している状況もございまして、国産感圧紙の価格競争力が低下しているところでございます。こうしたことから、感圧紙メーカーの国際競争力維持のため、クリスタルバイオレットラクトンの基本税率を無税化することが適当ではないかと考えております。

 続いて、右側のポリトリメチレンテレフタレート、PTTと略称しておりますけれども、こちらはバイオテクノロジーを用いて製造いたします植物由来のポリエステルでございまして、主に繊維製品に使用されております。このPTTを原料とするPTT繊維は、ストレッチ性や快適性にすぐれた高機能衣類などの材料として幅広く利用されていくことが見込まれております。下段にありますように、輸入のほとんどを中国に依存、こちらも国内生産者は存在しない状況にございます。同じくこの4月から中国産品について特恵適用除外となりまして、無税だったものが協定税率3.1%を適用されているところでございます。近年、海外の安価な繊維製品が国内市場に浸透する中で、コスト削減の観点から一部の国内繊維メーカーが生産拠点を海外へシフトするなど産業の空洞化が懸念される状況にございます。こうした状況の中で、関税賦課によるコスト増が国内繊維産業の価格競争力の低下のみならず産業空洞化の動きを加速しかねないと考えられるところでございます。こうしたことから、繊維メーカーなどの国際競争力維持のため、PTTの基本税率を無税化することが適当ではないかと考えております。

 続いて、次の6ページをご覧ください。こちらのバイオポリエチレンは暫定税率の改正要望となります。バイオPE(バイオポリエチレン)は、サトウキビなどのバイオマスを原料として製造されたポリエチレンでございまして、バイオマスプラスチックの原料となります。このバイオマスプラスチックは、ごみ袋、ラップフィルムなどに用いられております。このバイオポリエチレンは世界でブラジルのみにおいて製造されておりまして、我が国には国内生産者が存在せず、全量をブラジルからの輸入に依存いたしております。現在、ブラジル産のバイオポリエチレンに対しましては特恵税率2.6%または8.96円/kgのうちの低い税率が適用されておりますけれども、31年4月からブラジル産品が特恵適用除外となりますことから、このままでは6.5%の協定税率が適用されることになるわけでございます。

 右側の「輸入及び国内生産等の状況」に記載をしておりますとおり、我が国は、地球温暖化対策のため、CO2削減の有効な手法としてバイオマスプラスチックの導入目標を設定しておりまして、さらなる普及促進を図る必要がございます。また、バイオポリエチレンは石油由来のポリエチレンと比べて高価格である状況を踏まえまして、バイオポリエチレンの関税を現在の特恵税率の水準を下回る無税とすることが適当ではないかと考えております。一方で、現在、廃棄物を原料とした国産バイオポリエチレンの技術開発が進められておりまして、今後、実用化の可能性があることを踏まえまして、基本税率ではなく暫定税率による無税化が適当だと考えております。

 私からの説明は以上でございます。

森田分科会長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明につきまして御質問、御意見等ございましたら御発言いただきたいと思います。

春田委員 資料2−1の3頁目の平成31年度の関税改正要望のところでございます。今御説明いただいたとおり、改正要望の中身についてはこういうことだろうということで理解しているところでございますけれども、とりわけ項目1から4の中国産のところでございます。これは30年度から特恵適用除外で、まず無税から3.9%、その後、今回の要望で無税化というところで、一旦、特恵適用除外して、その後、無税化することが制度としてやむを得ない部分もあるのかもわかりませんが、あらかじめ例えば国内生産者がほとんどいないような状況とか調査でわかっていれば、一旦上げてまた無税にすることも防げるのではないかと思います。市場の影響とかいったことを考慮すると、あまり短期間で関税を上下することの影響だとか、もし今後同じようなことがある場合に、あらかじめ調査してわかる部分は対応もできるのではないかと思ったものですから、意見とさせていただきました。

高橋関税課長 今、春田委員から御指摘のとおり、平成30年度に中国からの輸入が適用除外になりました4品目の改正が要望されているところでございます。こちらにつきまして、平成29年度に特恵の適用除外要件を見直しました後、私ども財務省関税局といたしましては、平成30年度から特恵適用除外措置の対象となる国、品目を税関のホームページに事前に公表して周知を行ってきたところでございます。また、物資所管省庁におきましても、例年ですと関税局からの関税改正要望調査が7月頃ございまして、それを踏まえて関係業界に要望の有無を確認しているところでございますけれども、29年度の特恵適用除外要件の見直しの影響が出てまいります30年度、31年度改正に当たりましては、その改正要望調査を例年の調査時期に先立ちまして年明けから関係業界に特恵適用除外措置の内容を周知するとともに関税率の見直しが必要な品目の有無を確認してきたところでございます。

 ただいま申し上げましたように、政府としては可能な限り事前の周知等に努めてきたという認識ではございますけれども、こういった状況の中でも、今回要望が出てきております4品目につきましては関税率の引き上げによる影響が関係業界の事前の想定以上であったということです。国際市況あるいは情勢の変化は、昨年の改正時点ではなかなか事前に想定できなかったということで、今年度改正要望が提出されてきたものだというふうに認識をいたしております。そういったことで、我々としても事前に周知は続けてきたところでございますけれども、なかなか事前に見通すことができなかった状況が背景にあったということを御理解いただければと思います。

大橋委員 この案については特段異論があるわけではないですけれども、用語の使い方というか、考え方の点で2点、コメント的なところを含めて申し上げたいと思います。

 1つは「国際競争力維持のため」という言葉が結構出てくるわけですけれども、これに対する考え方についてであります。2つ事例を用いますが、1つはヘキサメチレンジアミンという個別品目の関税等に出てくるものですけれども、これは基本的に国内のナイロン繊維メーカーの国際競争力維持というのはB社のことを言っているのだと思います。このB社を見てみると、結局、ヘキサメチレンジアミン(HMD)の価格が下がったとしても自社生産を減らすだけなので、B社の国際競争力は基本的にそんなに変わらないのではないかと感じますが、いかがでしょうか。輸入と自社生産とのバランスを変えるだけなのではないかと思うという点が1つ。

 もう1つ、特恵関税のところでPTTがありますが、このPTTというのは、国内の生産者がいなくて、よって価格が上がると産業が空洞化するおそれがあると言っております。先ほどの事例も同じですが、国内消費者のメリットになると言っていただいたほうがすごくわかりやすくて、空洞化のためというと、どれだけ空洞化に資しているのかという話があると思うのですが、どうなのかなというのはこの文面からではよくわからない。

 先ほどの国際競争力と2つとも、基本的には国内消費者の観点で見ればメリットがある。私も、関税の引き下げというのはそういう観点でサポートされることもあると思うので、あまり国際競争力を安易に使うのはどうなのかなというのが1点、思った点です。

 2点目は、安定供給という言葉が出てくるのですが、それはナフトールという製品です。このナフトールに関する安定供給という言葉は、国内のLCP用モノマーの生産者から供給を受けるときに安定供給という言葉が使われることだと思うのです。そうすると、隣のVCみたいな話は、国内生産者がいなくて、海外から基本的に部材を買って生産しているので、このリチウムイオン電池は安定供給がないのかという話になると思うのです。国内の事業者から供給を受けるから安定供給があるのかというのは、本当なのかな。ここも安定供給という言葉はこの使い方でいいのかどうか。

 基本的に2点ですけれども、コメントも含めて。

高橋関税課長 国際競争力という言葉で、まず1点目のヘキサメチレンジアミンでございますけれども、大橋委員からはB社のことを念頭に置いているのではないかという御指摘でございました。こちらで申し上げております国際競争力というのは、A社も含めて、原料としてのヘキサメチレンジアミンの価格が高騰してしまうと国際競争力に影響を与えるのではないかということでございます。B社が自社生産を行っているかどうかとは関係なく、A社とB社の国内産業についての国際競争力という意味で使っておるところでございます。

 もう1つの産業空洞化と結びつけてポリトリメチレンテレフタレートについて国際競争力という言葉を使っているところにつきましては、確かに消費者利益に資するところがあるのは否定できない。そこは重要な要素であろうと思っております。産業空洞化については、ポリトリメチレンテレフタレートの価格が引き上がることによって、ますます国内の繊維メーカーの生産拠点の海外へのシフトといった動きが加速していってしまった場合に、我が国の国内の繊維業を保護するといいますか、その発展という意味で、産業空洞化を加速させるような動きを政策的に止める機能も関税にはあると理解しておりますので、今回、産業空洞化の動きの加速のおそれも理由として挙げさせていただいたところでございます。

 最後の安定供給でございますけれども、ナフトールにつきまして安定供給という言葉を使っております。ナフトールについては、中国産のLCP用モノマーもございますけれども、日本産のLCP用モノマーと比べまして品質面で劣る部分がございます。日本のLCPメーカーの国際競争力という意味では、我が国のLCP用モノマーのほうが品質が高いということでございます。そういった品質が高い我が国のLCP用モノマーの安定供給という意味で、この安定供給という言葉はそこも含めて使わせていただいているということで御理解いただければと思います。

大橋委員 HMDについてはちょっと誤解していたので、失礼いたしました。

森田分科会長 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。

 それでは、質問がございませんようですので、続きまして国土交通省より国際コンテナ戦略港湾政策について御説明を受け、引き続き事務局より国際コンテナ戦略港湾に係る税制措置の検討について御説明を受けたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

江原港湾局港湾経済課長(国土交通省) それでは、私、国土交通省の港湾局港湾経済課長から、お手元の資料3−1、国際コンテナ戦略港湾政策について御説明させていただきます。

 国際コンテナ戦略港湾政策といいますのは、一言で申し上げますと、国際基幹航路の定期コンテナ船の寄港を維持・拡大する。言いかえますと、海上コンテナ物流の幹線的な航路の寄港の頻度を維持・向上させることを目的とするものでございます。

 まず、海上コンテナ物流の概況について御紹介を差し上げたいと思います。

 1ページ目をご覧ください。こちらのグラフは、世界各地域の港湾におけるコンテナ取扱個数の推移を示したものでございます。ご覧いただきますように、ここ10年でも世界の港湾におけるコンテナ取扱個数は約1.7倍と大きく増加しているところでございまして、世界の物流でますますコンテナの重要性が高まっているということでございます。

 続きまして、2ページ目をご覧ください。こうしたコンテナを輸送するコンテナ船についてでございますけれども、各船会社がスケールメリットによる輸送コスト低減を目指していった結果として、グラフにお示ししておりますように、コンテナ船の大型化が年々進んでいる状況が見てとれます。

 続きまして、3ページ目はコンテナ船社の動きでございます。近年、船会社の間でアライアンスの再編が進んでおりまして、昨年4月以降は3つのアライアンスに集約されたところでございます。また、資料の右下にザ・アライアンスとございますけれども、その一番上、ONE(ワン)という会社は日本の3つの船会社がコンテナ部門を切り離して集約し設立した会社でございまして、今年4月からサービスを開始しております。このように、コンテナの船会社によるアライアンスの再編や経営統合が急速に進んでいるところでございます。

 さて、ここまでコンテナ物流あるいはコンテナ船の概況についてお話をしてまいりましたけれども、ここで改めて政策のターゲットであります国際基幹航路及び定期コンテナ船について御説明いたします。

 4ページをご覧ください。まず定期コンテナ船についてでございますけれども、これは、あらかじめ定められた港湾に定期的に決まった曜日・時間に寄港し、コンテナ貨物を積み卸しする運航形態のコンテナ船でございます。また、国際基幹航路とは、欧州とアジアなどの地域間を結ぶ国際海上物流の幹線として機能する航路のことをいいます。この国際基幹航路の定期コンテナ船でございますけれども、左下の図にもございますように、非常に長距離を運航するために航海日数が長くなります。そのために、毎週決まった曜日に寄港するウイークリーサービスを提供するためには多数のコンテナ船を投入する必要がありまして、この例示している欧州航路につきましては10隻のコンテナ船を投入してこういったサービスを維持していることになっております。

 また、御参考に、右側に距離の短い韓国航路の例を示しておりますけれども、こういった距離の短いものであれば1隻でウイークリーサービスを提供できる。こういった違いもあるということでございます。

 さて、このようにウイークリーサービスを運航する定期コンテナ航路について、コンテナ船の大型化、アライアンスの集約などに伴いまして、アジアと欧米などを結ぶ国際基幹航路につきましては寄港地の絞り込みが進行しているところでございます。ご覧いただきたいと思いますが、5ページに近隣のアジアの港と日本の港の寄港便数を比較したものを示させていただいております。左側が上海、釜山といった近隣のアジアの港の寄港便数でございまして、黄色が北米航路、緑が欧州航路となっております。右側が京浜、阪神、我が国の国際戦略港湾として位置づけているものでございます。ご覧いただきますように、左側のアジア主要港に寄港する欧米基幹航路の便数は増加ないしほぼ横ばいにございます。一方で、右側にございます日本に寄港する基幹航路の便数は減少傾向を示している状況になっております。こうした基幹航路の寄港の減少は海上輸送におけるサービス水準の低下につながり、我が国経済全体の国際競争力に影響を及ぼすおそれがあると考えております。

 なお、こちらで例示させていただいた上海、釜山のうち、特に釜山につきましては、貿易額についても我が国よりも多いわけではございませんけれども、周辺国からの積み替え貨物を取り込むことでこういった便数を維持している状況にあると認識しております。

 続きまして、6ページでございます。ただいま御説明したような減少傾向を食いとめて、基幹航路の寄港の維持・拡大を図ることが企業の立地環境に資するものであり、日本経済の国際競争力の強化につながり、ひいては我が国の雇用と所得を維持・創出するものと考えております。そのため、国土交通省では、京浜港と阪神港を国際コンテナ戦略港湾に選定いたしまして国際コンテナ戦略港湾政策を進めているところでございます。具体的には、国際戦略港湾でのコンテナの取扱個数を増やすことが必要になりますので、そのために国内外からの貨物を集めてくる集貨の取り組みと、国際戦略港湾の背後の産業集積によって新たなコンテナ貨物を生み出す創貨の取り組み、さらには大型コンテナ船に対応した大水深コンテナターミナルの機能強化、AI、IoT、自働化技術を組み合わせたターミナルの生産性向上などの競争力強化の取り組みを進めております。この集貨、創貨、競争力強化で進めさせていただいておりますけれども、入港コストの低減の取り組みにつきましては競争力強化の取り組みの一つと考えております。

 また、こういった政策につきましては、政府の計画におきましても明確に位置づけられているということで、6ページの下のほうに少しつけ加えさせていただいております。

 最後に、7ページでございます。中段のポイントに記載しておりますように、基幹航路の寄港の維持・拡大には、我が国港湾への入港コスト低減が重要な要素となると考えております。また、先ほど申し上げましたように、長距離の定期コンテナ航路におきましては当該航路へ充てる船舶隻数を多くする必要があり、それぞれがとん税を支払う必要があります。このような長距離のコンテナ航路などを運航している定期コンテナ船を対象とするとん税、特別とん税を減免することで入港コストの低減が可能となり、国際基幹航路の寄港の維持拡大に資するものと考えております。船会社からもとん税の負担が大きいという御意見もいただいておりますし、港湾管理者からも国際基幹航路に就航するコンテナ船の寄港促進に資するとん税・特別とん税の見直しを要望されているところでございます。

 以上で私からの説明を終わります。

高橋関税課長 それでは、続きまして私のほうから資料3−2に基づきまして、税制措置の検討について御説明をいたします。

 1ページをご覧ください。上段にとん税・特別とん税の現行制度の概要をまとめております。とん税・特別とん税は、外国貿易船の開港への入港という事実を捉えて課される一種の流通税でございまして、外国貿易船の純トン数が課税標準となっております。このうち特別とん税については、その全額が開港の港湾施設を管理する市町村に譲与されておりまして、市町村にとって貴重な財源となっているところでございます。

 なお、とん税は、国内産業保護を主な目的として課される関税とは異なりまして、財源目的の税目という位置づけでございます。とん税・特別とん税の徴収額は中ほどの表に記載のとおりでございますが、入港のたびに納付をする都度納付の税率と、1年分のとん税・特別とん税を一度に納付する一時納付の税率とが定められており、一時納付の税率は都度納付の税率の3回分に相当いたします。

 続いて、下段のとん税制度の現状でございますが、とん税率は昭和39年の税率引き上げ後は変更されておりませんけれども、その後の貿易量の拡大に伴いまして安定的に税収を確保できているところでございます。

 一時納付の仕組みは、年間寄港数の多い一部の外国貿易船の極端な税負担増に配慮する観点から設けられているものでございますが、官民双方における手続の簡素化、ひいては貿易円滑化にも資するものだと考えております。

 また、とん税の納付は船舶の入港手続と併せて行われておりまして、簡素な制度のもと、税関での徴税コストも少ないものとなっております。

 次の2ページをご覧ください。参考といたしまして諸外国のとん税制度をまとめております。ご覧のとおり、諸外国におきましても我が国のとん税制度に類似した制度が存在しておりまして、米国、中国などにおきましては我が国の一時納付に相当する仕組みも設けられているところでございます。

 次の3ページに今後の対応についてまとめております。先ほど国土交通省から御説明がございましたように、国際コンテナ戦略港湾に係るとん税・特別とん税の見直し要望が提出されているところでございますが、とん税引き下げなどの措置を検討するに当たりましては、具体的な見直し案を踏まえ、こちらに記載の3つの要素について十分に考慮する必要があろうと考えております。

 1点目の見直しの必要性及び効果という点につきましては、とん税等の見直しによってどのように国際基幹航路定期コンテナ船の寄港の維持・拡大に寄与することとなるのかといった点について、十分な必要性あるいは政策効果の検証が必要ではないかと考えております。

 2点目の財政収入への影響という点につきましては、国及び地方財政に与える影響、特に先ほど申し上げましたように、特別とん税は開港市町村にとって貴重な財源となっておりますので、具体的な見直し案を踏まえて関係者と十分に調整することが必要だと考えております。

 3点目の税の公平性・簡素性という点につきましては、特定の港湾、船種、航路に限った措置により生じる税負担の公平性への影響、とん税徴収に係る税関の執行負担、徴税コストの増加といった問題についても十分に検討することが必要と考えております。

 今後の対応といたしましては、国際コンテナ戦略港湾政策をめぐる状況を踏まえつつ、ただいま申し上げました3つの要素について十分に考慮した上で、平成32年度改正に向けて引き続き検討していくことが適当であろうと考えております。

 以上でございます。

森田分科会長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの御説明につきまして御質問、御意見等ございましたら御発言をお願いいたします。

佐藤委員 とん税の一時納付の制度について御質問いたします。これは船1隻について一時納付1年分というように考えればよろしいのでしょうか。

高橋関税課長 そのとおりでございます。

佐藤委員 確認になりますが、先ほどの1航路10隻で運航している場合には10隻それぞれについて3回分という形でつくられてい て、恐らくはウイークリーサービスであれば平均5回ぐらいは入ってくるわけですが、それが3回分で済んでいるというイメージを持って正しいですか。

高橋関税課長 結構でございます。

佐藤委員 ありがとうございます。

 私の意見は、この3ページにつきまして慎重な検討が必要であるということであります。今確認しましたように、既に一時納付について相当に負担は軽くなっているはずであり、かつ、2ページの図を見ると、都度納付の3回分というのは他国と比べても決して多いものではないと考えます。

 その中で3ページの(1)について、一体、港費というのでしょうか、寄港する費用の全体についてとん税・特別とん税がどれほどの割合を占めていて、その軽減がどれだけの効果を持つのかということは極めて重要なポイントだと思います。

 また、(2)につきましても、偏在性の強い税であるという特別とん税の性質がありますので、総務省とも十分に協議の上、各市町村の財源という面から、全体で123億というのは決して多い額ではありませんが、特定の市町村については相当な重要性を持つ可能性がありますので、ぜひその点も具体的に検証していただきたいと思います。

森田分科会長 ありがとうございました。御意見ということです。

宮島委員 国交省に御質問があります。日本への寄港を増やしたいということですけれども、これは、言ってみれば、近くの港と比べての競争力を上げたいということだと思うのです。競争力を上げるためには一般的に2つの方法があると思います。1つは、税のようなものを減らして相手のコストを減らすこと。もう1つは、ほかの環境を整えて、しっかり予算を使って環境を整えることによって競争力を上げる。2つの方法があると思います。政府は、例えばインバウンドを増やすためには、むしろ税を上げることで環境整備をしてインバウンドを増やすような手法を近年とったわけですけれども、港湾の場合、直接同じようには考えられませんが、しっかり予算を使って環境整備をすることが重要な場合もあるわけですね。それをこれまでもやってこられていると思うのですけれども、今回の要望は、そのような予算をつける形での政策を十分にやっても、なおやはり税金が高いことがネックであって、税を減らすことが競争力に非常に重要だというような御判断をされたということなのかどうか伺いたいと思います。

江原港湾局港湾経済課長(国土交通省) ありがとうございます。お答えをさせていただきます。

 御指摘は、コスト面と併せてほかの環境を整備する、こちらをしっかり予算も使ってやるべきではないかということだと思います。予算を活用させていただいて取り組んでいる事柄について御紹介させていただきたいと思います。まず、先ほど御説明の中で、世界のコンテナ船が大型化してくる中で、港湾そのもののハードの整備が非常に重要になってまいります。そういった意味では、今回この政策の中で戦略港湾として位置づけているのが京浜港と阪神港でございますけれども、こういった港湾につきましては深さのしっかりとあるような港湾のハード整備を進めさせていただいております。また、港の施設の一部として荷役機械、ガントリークレーンといったものも整備していく必要があります。それにつきましては無利子貸し付けや固定資産税の軽減のような措置を講じまして、それもやらせていただいている。あと、貨物を増やしていかないとどうしても船会社さんが来てくれない。この点では、平成26年度からですけれども、予算措置を講じまして集貨の取り組みをしっかりと進めている。また、お金だけではなくて、戦略港湾を運営する港湾運営会社や私どもの出先機関である地方整備局を総動員いたしまして、荷主さんであるとか船社さんに営業活動もしっかりやらせていただいているということで、かなりいろいろな手を尽くしてまいりました。

 さらに、貨物を増やす、使い勝手をよくする。もう1つは入港のコストを競争力のあるものにしていく必要がある。これもございまして、先ほど御紹介をいたしましたようなガントリークレーンの整備に国も支援することと、港湾管理者さんが入港料を取っているのですけれども、入港料についても港湾管理者さんで減免措置を講じる等、かなりいろいろなことをやっていく中で、総力戦の一部としてぜひとん税・特別とん税も、税の目的がございますので、そこに反しない範囲で一緒に取り組ませていただけないか。こういったことで要望させていただいている次第でございます。

河野委員 御説明ありがとうございました。

 港湾の国際競争力を考えるときに、税制上の措置をとるに当たって、確かに、国内的な視点で税の公平性や効果を考えなければいけないことは事実だと思います。その意味で、国際的比較として、ほかの港湾と比べて日本のとん税を他の国と比べる資料が示されるのは当然のことだと思います。しかしながら、国交省のお答えにありましたように、国際競争力を考える場合は、国内的な事情だけを勘案して考えるのではうまく議論できないと思います。特に競争の激しい基幹航路の港湾の維持に関しましては、ほかの国で総力戦の政策をとっているところがあると理解しております。その総力戦を採っている国との比較で国際競争力を考えざるを得ないところがあり、それらの国との比較でどういう施策がありえ、その中で税金を下げることがどういう効果を持つのかということを考慮することも必要だと思います。国際競争力の維持のための手段として税金を下げることの是非を考える場合、こうした国際的な側面も検討の対象にしていただく必要があると思います。

 国際的な海運とか港湾の競争力の維持のための施策については、日本の国内の事情を考えなければならないことをよく承知しておりますけれども、競争条件の国際的な比較も併せて御検討いただければと思います。これは、私の個人的な意見でございます。

三石委員 宮島委員が言われたことに私も追加します。1つは港湾施設をしっかりと整備し、これとの比較で考えていく、これは同意見です。

 もう1つは、とん税という制度自体が総額200億円ぐらいで、各国と比較してもほとんど変わらないということは、今ここでこれを引き下げることにどれだけ積極的な意味があるのかという点を考えておく必要があります。

 実際問題、ご説明のとおり、世界のコンテナ会社が大幅に集約化されていく中で、本件は一体誰にとって最大の利益があるのか。もちろん一消費者としては税金が安くなることは非常にありがたいことですが、税金、特に関税の場合には貿易相手国との関係もあります。その点を考えた上で各国比較などを見ていると、今の段階であえてこれをやる必要があるのかなと思います。各先生方が御指摘のように、全体的な検証を十分に行ってから慎重に実施すべきではないかという意見です。

森田分科会長 それも御意見でございますね。

伊藤委員 皆さん既に言われたコメントに私もほとんど賛成ですので、慎重な検討をお願いしたいということです。つけ加える点としましては、完全に釜山がハブみたいな感じになっている一方で、日本の多くの港湾がスポークのような位置づけに既になりつつあるというか、なっているような感じがします。そこでこの国際コンテナ戦略港湾として京浜港、阪神港を選定してこれから強化する。その戦略自体、どこまで勝算があるのかといいますか、既に釜山港がかなり優位な地位に立っている中で、日本が釜山と対抗できるほどのハブになれるのかという点も含めて、かなり戦略をじっくり考える必要があるのかなと感じました。

 その中で税が何か有効な手段になるということであればもちろん検討に値すると思うのですけれども、皆さん既におっしゃっているように、国際的な港湾の競争力という問題に関して、単に税の問題では済まされない、いろいろ大きな課題があるというふうに思いました。

相澤委員 32年度での改正に向けて検討するということには異論ありません。ただ、本日の説明では、とん税・特別とん税の国際コンテナ戦略港湾に対する影響が分かりにくいので、丁寧に説明していただいたほうがよろしいと思います。

大橋委員 1点、皆さんの御指摘になかった点で、とん税・特別とん税を国際戦略港湾に適用するに当たって1つエビデンスとして欲しいなと思うのは、航路のスイッチがどれだけ価格に感応的なのかというところを分析して教えていただけると、必要性あるいはどのくらいの額が必要なのかも含めてかなり認識が深まるなという感じがいたしましたというコメントです。

藤原委員 質問も含まれておりますけれども、32年度の改正に向けて引き続き検討する場合、その検討すべき範囲について、今既にそろそろ国としての競争戦略全体を見直すべきなのではないかということで、先ほどの国交省の御説明では、各国港湾の競争力維持あるいは強化に関しては総力戦でやっているから、我が国もそのようにすべきであるということは十分に認識した上で、さらに踏み込んで国交省が中長期にどういう戦略を持っていらっしゃるかというところまでお話しいただけるのかどうか。

 それから、先ほどもう既に御指摘がありましたけれども、ルート選定に関して、どうしても今ここに提出されている2つの港湾というのは太平洋側にあるわけですね。そして、実際、積み荷が増えている側に関しては現時点ではそれほどの強化を目指していらっしゃらないのか。あるいは、いろいろな地形も含めた、国内の交通網も含めてですけれども、さまざまな条件を考えて、そちらへの荷の移動といいますか、拠点を設けるようなことは全く考えないほうがいいのかどうか。

 相当広範囲に議論していただいた材料をいただいて、かといって、それを全て関税のこの審議会が判断すべきものではないとは思うのですけれども、引き続き検討という内容を、まだ時間の猶予があることはあるのですけれども、私はもう少しつまびらかにしていただきたいと思っています。現在要請があるのはとん税・特別とん税に関する措置のみですけれども、その背景にある全体の考え方をお知らせいただけるのかどうかということですね。直接我々この審議会でやらなくてはいけないことは限られているとはいえ、全容がどれぐらい説明いただけるのかということをぜひ伺っておきたいと思って質問しております。

村上委員 今までの御意見なり質問に似たところがあると思いますが、この5ページの数字を見ても、上海、釜山に比べて京浜、阪神が非常に減っている。この要因というのは一体どういうふうに分析されているのか、その辺がまず必要なんじゃないかな。私自身は、こういう状況を見ると、何とかいろいろな手を使って応援したいという気持ちがございますし、コストが下がるような手だてを関税の分野でもできればそれは非常にいいのではないかと思っておりますけれども、そもそもこんなに減った要因はどこにあるのかというところを概略でも教えていただければと思います。

森田分科会長 御質問はよろしいでしょうか。大体同じような方向での御意見、御質問があったと思いますので、併せてお答えいただければと思います。

江原港湾局港湾経済課長(国土交通省) 便数は残念ながら減ってきてしまっているような傾向がございます。船会社さんが寄港地を選択する要因は何なのかをまず申し上げますと、1つは、しっかりと事業が行えるだけの貨物量があるかどうか。特にコンテナ船も大きくなっているので、そのサイズに見合うような貨物が集まるかどうかというところが1つの選択のポイントだと思います。もう1つは入港のコストですね。当然のことながら運航コストがかかるわけですけれども、幾つかの港を絞り込みながら選んでいく際には、ほかの港との比較になると思います。特に近隣の港と比較した場合の入港コストと荷物の集まり方です。またその前提としては、しっかりとコンテナ船が入れる環境があるかどうか。深い岸壁があるか。あと、荷役の時間ですね。スケジュールどおりに運航することが一つの定期コンテナ船の重要なポイントになりますので、荷役が遅れて出港が遅れてしまうようであるとその港は選ばれないことになるわけでございます。

 我が国がこういった形で少し減少してきてしまっている要因というのは、それぞれ今申し上げた3つにやはり問題があるかなとは考えております。例えばほかの国の港であれば、経済成長に伴って集中、発生する貨物も増加していたり、あるいはいろいろな営業政策、インセンティブのようなことを打ちながら近隣国から貨物を集めるような取組みをやってきたところを、我々はそういった取組みについてちょっと出だしが遅れているのではないかという反省もございます。港の使い勝手についても同様でございまして、いろいろな新しい技術を使いながら、日本の港湾労働者の方の技術はすばらしいのですけれども、新しい技術を取り入れる側面が弱かったのではないかということで、今AIであるとかIoT、自働化技術を導入したコンテナターミナルの整備を進めようと考えております。

 もう1つはやはり寄港コストで、これはさまざまな要素、もちろん入港料とか岸壁使用料であるとかいったものはあるのですけれども、それぞれ下げる取り組みを進めてきておりますので、これをもう一歩先に進めていく必要があるのではないかと考えております。

 国際戦略港湾につきましては、平成26年から「深化と加速」と銘打ちまして、先ほども御紹介したような国費を使っての集貨事業を開始いたしました。ちょうど5年たちましてさまざまな施策の見直し時期に来ております。予算の仕組み、あるいは新技術を導入するためにどういったことができるのかということも実証事業をまさに今始めつつある中で、大きなパッケージの切りかわりのタイミングで、とん税・特別とん税についても、もちろん税の目的を損なわない範囲になると思いますけれども、どのようなことができるのか。引き続き32年度に向けて検討させていただきたいと考えております。

杉山委員 日本では京浜港と阪神港と2つ維持されておりますけれども、2つ合わせてもやはり便の数が釜山より4割ぐらい少ないということで、今後、阪神港を維持していくメリットというのもひとつ検討してもよろしいのかなというふうに考えました。

森田分科会長 御意見ということでよろしゅうございますね。ありがとうございました。

 では、よろしいでしょうか。それでは、さらに御質問はないようですので、続きまして農林水産省より牛肉の関税緊急措置の効果につきまして御説明をお願いしたいと思います。

望月生産局畜産部食肉鶏卵課長(農林水産省) 農林水産省の食肉鶏卵課長の望月でございます。よろしくお願いいたします。

 資料4の2ページをご覧いただきたいと存じます。2ページでは、牛肉の関税緊急措置の創設経緯と仕組みでございます。四角囲みの1つ目の丸に書いてございますように、この制度につきましては平成5年12月に妥結いたしましたウルグアイ・ラウンド農業合意におきまして、我が国はまず牛肉関税を50%で譲許しているということでございます。一方で、関係国との交渉の結果、自主的に関税率を50%から38.5%まで段階的に削減することを決めたわけでございますが、その代償といたしましてこのセーフガード措置を導入したということでございます。

 詳しいことは右下をご覧いただきたいと存じます。まず、セーフガードの仕組みでございますけれども、各四半期末までの累計輸入数量が発動基準数量、前年同期の輸入量の117%を超えた場合に発動されるもの。そして、豪州などEPA税率の適用を受ける輸入牛肉は不適用だということ。それから、発動の要件でございますが、全世界からの牛肉輸入量、そしてEPA税率の適用を受けない牛肉輸入量のいずれも発動基準数量を超えた場合に発動するという、2要件がかかっているということでございます。

 3ページをご覧いただきたいと存じます。そもそもセーフガードの仕組みでございますけれども、これはWTOなどの国際協定に基づきまして各国にいろいろな措置が認められているということでございます。下の表にございますが、GATT、WTOセーフガード協定の一般のセーフガード、あるいはWTO農業協定の特別セーフガードといったものが認められているところでございます。

 次の4ページをご覧いただきたいと存じます。この牛肉の関税緊急措置の見直しの経緯でございます。これまで我が国といたしましては、日豪EPAやTPP等を結んできてはおりますけれども、そのたびにこれらの牛肉につきましては関税緊急措置の対象外とする見直しを行ってきております。具体的に申し上げると、下の表を見ていただきたいと存じます。まず、平成26年度でございますけれども、平成27年1月に日豪EPA発効によって改正を行いました。このように豪州あるいはメキシコ、チリを関税緊急措置の対象から外しているということでございます。それから、28年の欄をご覧いただきたいと存じます。これはTPP12の発効に向けた改正でございまして、このときは整備法におきまして関税緊急措置の廃止を規定したということでございます。一方で、30年度、TPP11の発効のときでございますけれども、このときはアメリカがTPP12から離脱したことに伴いまして、関税緊急措置を存置するという規定をしたところでございます。

 それから、5ページをご覧いただきたいと存じます。まず、セーフガードでございますが、アメリカなどのEPA未発効国の冷凍牛肉に対して平成29年8月から30年3月までの間に発動しました。現在、今年4月からは関税率38.5%に戻っているところでございます。具体的に申し上げますと、下の表の真ん中のEPA未発効国の欄をご覧いただきたいと存じます。発動前、平成29年4月から7月までの輸入量、対前年同期比122.5%だったものが発動期間中、平成29年8月から平成30年3月までは81.2%と大きく輸入量は減少しており、この関税の引き上げによりまして発動対象牛肉については輸入量を抑制する効果があったと考えております。

 ちなみに、30年4月から6月、第1四半期でございますが、輸入量は対前年比105.7%とほぼ同水準ということでございます。

 6ページをご覧いただきたいと存じます。6ページにつきましては関税緊急措置発動の効果でございます。冷凍牛肉の8割はばら肉でございますので、ばら肉の価格で推移を見ております。米国産ばら肉の卸売価格を見ていただきますと、ピンクの発動期間の欄でございますが、発動の前後で大きな変化は見られないということでございます。その発動前には大幅な価格上昇はございましたけれども、これは中国がアメリカ産牛肉の輸入解禁方針を公表したことにより高騰したことによるものでございます。このように卸売価格が発動前とあまり変わらない状況でございます。したがいまして、表はつけておりませんが、小売価格もほとんど変化はなく、関税上昇分のコストは輸入業者が負担したと考えられまして、消費者が過度に負担する構造にはなっておりません。

 続きまして、7ページをご覧いただきたいと存じます。もう1つは累計輸入数量の推移でございます。まず、見づらいグラフでございますけれども、そもそも牛肉の輸入というのは発動基準数量の範囲内で安定的に行われてきています。特殊要因がない限り関税緊急措置は発動されておりません。下の段を見ていただきますと、冷蔵牛肉は平成15年、これは国内のBSE発生の消費減からの反動増等、冷凍牛肉につきましてはまさに21年ぶりに発動したということでございます。そもそも我が国の需要量の推移を見ますと、20年間を見ますと多い年で5%ぐらいの伸びでありまして、なかなか発動されない状況になっているところでございます。このように、関税緊急措置というのは四半期ごとにきめ細かく運用することで無秩序な輸入量の増加を抑制する効果を持っているところでございます。

 続きまして、9ページをご覧いただきたいと存じます。国産牛肉と輸入牛肉の競合関係についてでございます。左側の絵にございますように、和牛、交雑、乳用種といろいろあります。我々といたしましては乳用種のB2、ホルスタインの雄がアメリカ産を中心に競合しますということを描かせていただいております。

 右側のグラフを見ていただきたいと思います。量販店にアンケート調査した結果でございます。量販店さんに聞いたところ、交雑種を増加するというのは69%いらっしゃったのですが、その理由を聞くと、和牛からシフトしているということでございます。また、和牛の減少理由としてお聞きしたところ、輸入牛肉などへのシフトでございまして、販売現場ではかなり競合関係にあるということでございます。これはスーパーへ行きますとわかりますように棚の奪い合い、和牛、交雑種、それからホルスタインの雄、輸入牛で取り合っているところでございますので、量販店からこういうデータが出ているところでございます。

 それから、10ページをお開きいただきたいと存じます。牛肉需要の構造的変化でございまして、左下のグラフにございますように、牛肉の消費構成割合は外食・中食が圧倒的に多い状況でございます。外食・中食はどういう肉を使っているのか聞いたところ、右側でございますが、約8割が輸入牛肉を使っているということであります。御案内のように、例えばハンバーガー、マクドナルドとか、吉野家といった牛丼チェーンといったところが想起されるところでございます。

 それから、12ページをお開きいただきたいと存じます。牛肉の輸入自由化、ウルグアイ・ラウンド後の影響でございまして、輸入量、生産量を見たものでございます。平成3年の関税自由化以降、牛肉は消費量、輸入量が大幅に増加しております。そして、ウルグアイ・ラウンド合意に基づきまして、平成6年度50%から12年度38.5%まで関税率が段階的に下がってきたわけでございます。下の棒グラフの一番下の欄で国産の乳用種等の生産量が減少しているということでございまして、これによりまして国内需要に占める国産割合は低下しているということでございます。

 それから、13ページをお開きいただきたいと存じます。今度は価格面への影響でございますが、これは輸入牛肉と肉質的に競合いたします乳用種の枝肉価格は下落傾向で推移しております。これに伴いまして和牛の枝肉価格も下落しています。平成7年から9年はちょっと上がっているではないかと御指摘を受けますが、これはイギリスのBSE、あるいは国内でのO−157発生という特殊要因によりまして国産への回帰が進んできたということでございまして、長期的に見ると価格は下落してきているということでございます。

 それから、14ページでございます。国内生産への影響でございますけれども、やはり自由化以降、肉用牛の飼養戸数は大きく減っている。平成2年と12年を比べますと約半減しているということでございます。一方で、残った農家が規模拡大を進めていたという結果がありまして、1戸当たりの飼養頭数は伸びているわけであります。結果といたしまして、飼養頭数は何とか自由化前を維持しているということでございます。

 それから、15ページでございます。今度はUR合意後の国際交渉でございます。まず1つ目は日豪EPAでございます。日豪につきましては、1つ目の白丸に書いてございますように、冷凍については18年目に19.5%まで下げる。冷蔵につきましては23.5%へ15年目までに下げることになっております。その際の発動基準数量を超えた場合のセーフガード措置は、関税緊急措置は適用しませんが、この発動基準数量につきましては年度単位で設定・管理する仕組みとなっているところでございます。

 続きまして、TPPの話でございます。TPPにつきましても、発効初年度に27.5%、16年目に9%まで関税を削減するわけでございますが、セーフガードにつきましては基本的に年度単位で設定・管理する仕組みでございます。ただし、協定発効後11〜15年目は四半期単位の管理も併用しているということでございまして、TPP参加国には現行の関税緊急措置は適用しないということでございます。

 私からの説明は以上でございます。

森田分科会長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの御説明につきまして御質問、御意見等ございましたら御発言をお願いいたします。

伊藤委員 ありがとうございました。セーフガードを当面維持することに関しては特に異論はないのですけれども、質問が1点あります。国内の価格の推移が6ページですかね。セーフガード発動期間において特に価格が上がったということは見られないので、緊急措置の発動が消費者に過度な税負担となっていないと結論づけていられるのかと思うのです。でも、このグラフを見ますと、直近の価格は、平成29年4月ごろで急に牛肉の価格が上がった、前の価格よりもまだ高い状況になっています。国際的な牛肉のマーケットがどういう価格づけになっているのかよく知らないのでわからなのですが、もしここでセーフガードがなかったらもっと下がっていたみたいなことはないのか。米国産牛肉に関税がかかって米国産の価格が下がらなかったので、豪州産もあまり安くならなかったということもあったりするのかなという気もします。実際、緊急措置の発動が消費者に過度な税負担というか、消費者にとってデメリットにならなかったのかどうかということは、このグラフだけで結論づけられないのかなとも思うのです。国際的なマーケットはどういう価格の動きをしていて、それに対して国内の価格の動きがどうだったのかということを質問させていただきたいと思います。

望月生産局畜産部食肉鶏卵課長(農林水産省) まさに今の29年の初めの価格高騰について御質問だと思います。この時期につきましては、たしかアメリカ産の牛肉価格は国際的にも上がっていたという事実に加えまして為替が円安に振れたことで、二重の要素がありまして、このように価格が高水準になっているということでございます。先生の御指摘のように、ピンクの発動期間中につきましてほとんど影響は見られないということで、我々として、この緊急措置の効果としては消費者の過度な負担となっていないと考えております。

伊藤委員 もし発動がなかったらもっと下がって、もとの金額に近い価格まで戻ったのではないかということは言えないのですかね。

望月生産局畜産部食肉鶏卵課長(農林水産省) これは消費者の観点ですね。確かに卸売価格については、業者間がどういうふうな取引をするのか。例えばこれから先、入ってくる量が多くなるのか少なくなるのか。そういった需給によって、先の見通しによって決まってくるもの。そして、消費者の観点からいえば、まさに量販店さん、あるいは外食産業さんが価格を一時的に下げるかどうかという問題に関わってくると思います。関税緊急措置が発動されなかったら価格は下がるというわけではないと考えております。

相澤委員 実際に消費者にどのような影響があったということは、措置の対象となっている冷凍牛肉がどのように消費されているかということも含めて、考えていくべきものであると思います。例えば、冷凍牛肉が外食として販売されているのであれば、その外食価格で使われているものの価格を考慮しないと、実際に消費者に与えている影響というものは計測できないのではないかと思います。

 それから、冷凍輸入牛肉、ばら肉と国産牛のどの部分が競合するのかが明確ではないと思います。つまり、引上げた関税を支払ってもなお輸入されるというのであれば、国産の競合品がないということも考えられます。そこで、市場で、どの製品と競合しているかどうかということを御説明いただいたほうが分かりやすいと思います。

四半期ごとに集計しているのですが、このグラフを見ると、市場がゆがんでいる感じがします。四半期ごとの集計が良いかどうかも検討していただきたいと思います。

望月生産局畜産部食肉鶏卵課長(農林水産省) まず、競合する部位はどこだというお話がございました。冷凍牛肉の使い道といたしましてはハンバーガー、それからハンバーグ、牛丼の具といったものが考えられます。この時期にハンバーガーの価格は上がったのかどうか。例えばマクドナルドへ行って、マックの値段が一番安いのは100円でございますけれども、それが上がったかどうかというと上がっていない。あるいは、牛丼チェーンへ行っても価格は上がってはいないことからして、消費者に転嫁されていないと言えると思っています。

 逆に、ハンバーグと先ほど申した牛丼とどこが競合するのかでございますが、国産の乳用種関係の肉が主に競合すると思われます。では、和牛とかは大丈夫かというと、そうではなくて、国産の中でも、先ほどの量販店のアンケートにございましたように、明らかに和牛と交雑種と国内のホルスタインの雄は輸入牛肉と販売面で競合している関係にございます。卸売価格の差でいきますと、和牛のA4と交雑種が1,000円ぐらい違います。そして、交雑種とホルスタインの差は500円ぐらい違います。このような価格差をずっと保ったまま平行移動していくというのがこのマーケットの構造でございます。ですから、ハンバーグとか牛丼の具といった用途から国産のホルスタインの雄が追い出されてしまいますと、そこの値段が下がっていく。それがひいては交雑種、国産の和牛にも影響していくということでございます。

 もう1つ、輸入行動をゆがめているのではないかという御指摘がございました。これは私の説明の中でも申し上げましたけれども、国内の需要量の伸びというのは過去20年の中で多くて前年比5%増でございます。まさに発動基準数量は対前年度117%でございまして、通常の需要の伸びであればセーフガードは発動されないという仕組みでございまして、まさにセーフガードが発動されるのは特殊要因のときだけでございます。

相澤委員 歪みは、資料7ページのグラフを見ていると、四半期ごとに輸入数量が措置を前提とした動きをしています。これをどのように把握するかということです。

望月生産局畜産部食肉鶏卵課長(農林水産省) 我々も商社といろいろ話をしていますが、大体商社も通常どおりの輸入の行動になっているということでございます。

工藤委員 6ページのグラフですけれども、セーフガードが発動する前というのは決まりがありまして、輸入量が増えるという条件がありますよね。それで発動されたわけですが、これだけを見ますと、輸入の冷凍牛肉は、今お話も伺いましたけれども、ハンバーグだとか外食チェーンに主に使われて、家庭の中に上ることは少ないというふうに解釈しています。そう見ますと、価格高騰する前にといいますか、中国が購入することがわかって外食産業がここで買い占め、すごく輸入量を上げたという要素がありますよね。ですから、セーフガードが発動されて関税が上がって輸入量が抑えられたのか。それだけが要因なのかということも考えられると思うのですよね。といいますのは、これだけ先取りで買いだめしていますと、これは輸入をそんなにしなくてもおさまるのではないかなという気もします。セーフガードだけでこの結果になったのかなというのはちょっとわからないので御説明していただければと思います。

望月生産局畜産部食肉鶏卵課長(農林水産省) 輸入量をまさに抑えるというのがこの制度の目的でございますけれども、セーフガードが発動したがゆえに、先ほど5ページでも御説明申し上げましたが、この発動期間中は輸入量が81.2%まで減ったということでございます。ただ、1年間を通して見ると29年全体では97.4%で、輸入量は微減にとどまっているということでございます。この微減につきましては、各社さんとも在庫をお持ちでございますので、それで対応しているということでございます。

工藤委員 買いだめしていますと当然輸入量は減りますよね。ですから、そこら辺はセーフガードだけの要素ではない。そういうふうに解釈してもよろしいのでしょうか。

金原委員 1つ、私から質問させてもらっていいですか。セーフガードがかかったときに、冷凍、アメリカ産のチルドの動きはどうなっていますか。

望月生産局畜産部食肉鶏卵課長(農林水産省) まず最初の話でございますけれども、要するに在庫を持っているということでございますが、企業は何かあったときに備えて持っているわけでございまして、セーフガードがあるからといって意図的に過剰に持つことはないと思っております。

 そして、次の指摘のチルドの動きでございますけれども、アメリカのほうでございますかね。EPAの未発効国ということでほとんど足りますが、対前年度8月から3月にかけては118.8%と伸びているということでございます。

金原委員 極端に言えば、肉の量でいえば、関税の安いチルドにシフトしただけで、そんなにどこかに負担がかかったということではないと私は思っています。

 もう1つは、今皆さんが議論をされていますけど、セーフガードというのはルールを守らなかったために発動した。それが消費者に与える影響はどうなのかという議論は、私はこの場ではどうかな。我々はものづくりの場ですので、そういうものを壊さないためにいろいろなルールを決めておって、国と国とが決めたルールを守らなかったために発動したものについて、消費者の観点からというのはこの場の議論としてはどうも私は納得いかないのですけどね。

森田分科会長 ありがとうございます。御意見ということでよろしいですか。

金原委員 はい。

大橋委員 前回の議論を思い浮かべてみると、セーフガードのルールが結局、年度で切れている累積で勘案するということです。そうすると、先ほども御意見があったのですけれども、結局、事業者の間で協調行為を引き起こすような仕組みが入ってしまっているのでないかというふうなことがやりとりの中でちょっとあったのかなと記憶しています。ちょっとそこのあたりに懸念があるというふうなことで前回議論が終わったのですけれども、今回これをいただいて、なかなか協調行為があるかどうかというのは難しいのですが、ただ、価格の水準が維持されていることをもって問題がないというのかなというのは、若干議論の余地はあるかなという感じがしました。以上、コメントです。

森田分科会長 そろそろ時間も参っているのですが、よろしいでしょうか。

 それでは、最後のアジェンダになりますけれども、日EU経済連携協定のための関税関係法の取り扱いにつきまして御説明をお願いいたします。

高橋関税課長 それでは、資料5をご覧ください。日EU経済連携協定のための関税関係法の取り扱いにつきまして御説明をいたします。

 1ページをご覧いただきますと、経緯のところにございますように、日EU経済連携協定、EPAは本年7月17日に署名が行われまして、この臨時国会におきまして協定本体と関連する国内法について審議が行われる予定でございます。中ほどに日EU経済連携協定の発効に関係する関税関係法上の主な規定をまとめておりますけれども、(1)セーフガード関係、(2)原産地手続関係、(3)その他に大別されまして、それぞれ記載のとおりの規定を関税暫定措置法やEPA申告原産品法に整備をする必要がございます。

 しかしながら、資料の下段の「関税関係法改正の取扱い」に記載をいたしておりますように、本年6月に可決・成立いたしました環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律の一部を改正する法律、いわゆるTPP11整備法によって整備をいたしました関税関係法上の規定に、ただいま申し上げました(1)から(3)の各規定は含まれているところでございます。そして、下の1つ目の※印にありますように、TPP11の実施に必要な関税関係法の改正規定は、先般、6カ国が国内手続を終えたことによりまして、TPP11が発効することとなりました本年12月30日に施行することとなりましたので、これによって日EU経済連携協定の実施が可能となりまして、日EU経済連携協定のための関税関係法の整備は不要になるわけでございます。

 以上でございます。

森田分科会長 ありがとうございました。御報告に近い御説明かと思いますけれども、何かこれにつきましてさらに御質問等ございますでしょうか。よろしいですか。

 ありがとうございました。

 それでは、以上をもちまして本日の関税分科会は全ての議論が終わりましたので、終了させていただきたいと思います。

 なお、次回の関税分科会の開催につきましては今月下旬を予定しております。詳細につきましては事務局と調整の上、別途御連絡をいたします。

 本日は、御多用中のところ御出席いただきまして、ありがとうございました。

 これで終了といたします。

午前11時17分閉会

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