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関税・外国為替等審議会 関税分科会 (平成30年3月14日開催) 議事録

本稿は、平成30年3月14日の関税・外国為替等審議会 関税分科会の議事録です。

 

午前10時00分開会

森田分科会長 時間も参りましたので、ただいまから関税外国為替等審議会関税分科会を開催いたします。

 委員の皆様方には、御多用中のところ御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。

 それでは、本日の議事に入らせていただきたいと思います。

 本日の議題は、お手元の議事のとおり、「TPP11協定実施のための関税関係法整備等」について御意見をいただきたいと存じます。

 それでは、早速ではございますが、事務局より「TPP11協定の概要」、「TPP11協定実施のための関税関係法整備」及び「最近の米国通商政策」について説明を受けたいと思います。その後で答申案について御意見等いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、早速、御説明をお願いいたします。

山崎参事官(国際交渉担当) 国際交渉担当参事官の山崎でございます。

 お手元の資料に沿いまして、TPP11協定の概要について御説明を申し上げます。3ページ目、それから4ページ目をご覧いただけますでしょうか。

 こちらにTPP協定の交渉の経緯について簡単に記載をさせていただいております。御案内のとおり、2015年10月にTPP12の閣僚会合で大筋合意、2016年2月には署名となったわけでございますけれども、2017年1月にアメリカから離脱の通知がなされたということでございます。

 これを受けまして閣僚会合が開かれて、その後の対応について議論が行われまして、TPP11の早期発効に向けて検討し、選択肢を11月のダナンのAPEC首脳会合までに検討するということで、合意がなされたわけでございます。

 これを受けて、11月8日から10日までベトナムのダナンにおきましてTPP11の閣僚会合が行われまして、ここでTPP11の協定が大筋合意となったわけでございます。

 年が明けまして、2018年1月にTPP11の高級事務レベル会合が東京で行われ協定文が確定し、3月8日、チリのサンティアゴにおきまして、TPP11の協定の署名がなされたということでございます。

 次のページをご覧いただきたいと思います。5ページ目でございます。

 TPP11協定の概要でございます。

 まず、その経済的意義について簡単に記載させていただいております。経済的意義としましては、モノの関税だけでなく、サービス、投資の自由化を進めるなど、幅広い分野で21世紀型のルールをアジア・太平洋に構築し、自由で公正な巨大市場をつくり出すということでございます。規模で申しますと、世界のGDPの約13%、貿易総額の15%、人口約5億人が圏内に含まれるということでございます。

 また、戦略的意義としまして、自由、民主主義、法の支配といった普遍的価値を共有する国と今後の世界の貿易・投資のルールの新たなスタンダードを提供するということでございます。

 2の条文の概要でございますけれども、まず第1条で、TPP12協定の組込みということで、8,000ページ以上ある協定でございますが、これを改正して新たに協定として国内承認の対象にするのではなくて、それを参酌して、組み込んでその一部を凍結するといった手続をとってございます。

 第2条に、特定の規定の適用の凍結という項目が設けられております。項目につきましては、後ほど御説明申し上げます。

 それから第3条で、効力発生要件といたしまして6カ国の締結完了ということになってございます。

 脱退、加入につきましては、一般的な規定が書かれておりまして、第6条の本協定の見直しのところでは、TPP12協定の効力発生が差し迫っている場合、またはTPP12協定が効力を生ずる見込みがない場合には、いずれかの締約国の要請に応じて、この協定の改正及び関係する事項を検討するために、この協定の運用を見直すとされてございます。これは日本側からの要望に沿って入った項目でございます。

 これは万が一ですけれども、米国がTPPへ加入する見込みがなくなった場合、元々TPP12協定の中には関税割当なり、セーフガードの発動のための基準数量がございますけれども、その数量は当然アメリカからの輸入総量というのを勘案して決められたわけでございます。したがいまして、アメリカが入らないということであれば、そこの割当数量なり基準数量について、見直しを図るべきという意見もお聞きしますけれども、今回、特にそのマーケットアクセスについては手をつけないというのがこの協議の前提でございましたので、そこについては手をつけず、そのかわりに、アメリカがTPP12に入らないというようなことが明確になった場合には、その運用を見直すということになっているわけでございます。

 それから、3番の凍結項目でございます。主なものを三つ掲げさせていただいておりますけれども、急送少額貨物、これはデミニミスの基準を各国がつくって、定期的に見直すということになってございますが、その定期的に見直すという部分が凍結されてございます。

 それからISDSにつきまして、投資そのものについては、そのまま規定は生きておりますけれども、政府と投資家との投資の許可、投資の合意につきましては、ここの部分に限って凍結がなされるということでございます。

 それから、生物製剤のデータ保護につきましては、これはTPP12が合意に至るまで非常にもめた部分であり、結局8年ということで決着が図られましたが、ここにつきましては凍結ということですので、各国は特段の国内手当てが必要なくなっているということでございます。

 今後の予定でございますけれども、TPP11協定及び関連国内法案を今国会に提出すべく今準備中ということでございます。

 それから、次のページは、凍結項目一覧でございますので、御説明は省略させていただきまして、よろしければその次のページ、TPP協定の効果でございます。

 農産品の重要5品目を中心に関税撤廃の例外を数多く確保しながら、全体では高いレベルの自由化が図れたという評価になろうかと思います。

 サービス・投資等の分野におきましては、まず投資につきましては、投資先の国が、投資企業に対して技術移転等を要求することを禁止しております。

 また、貿易円滑化でございますけれども、急送貨物の迅速な税関手続を確保するために、「6時間以内の引取」を明記してございます。

 また、その二つ下、電子商取引でございますけれども、デジタルコンテンツへの関税賦課の禁止、ソースコードの移転、アクセス要求の禁止、こういったものが確保されてございます。

 次のページは省略させていただきまして、その次のページでございます。

 御参考として、各国の関税撤廃率、農産品、工業製品に分けたものもつけてございますけれども、全体として見ますと、我が国が関税撤廃した率が95%、品目数・貿易額ベースともに95%になっておりまして、その他の国、これは日本に対する関税撤廃率でございますけれども、ほぼ100%となっておりますので、我が国としては守るべきものを守り、ほかの国からは取るべきものを取ったということが言えようかと思います。

 御参考として関税撤廃の資料をつけてございますけれども、お時間のあるときにご覧いただきまして、必要があれば、また御質問等いただければと思います。

 私の説明は以上でございます。

泉関税課長 関税課長の泉でございます。

 資料2の「TPP11協定実施のための関税関係法整備」について御説明をさせていただきたいと思います。

 早速ですが、次のページのTPP11の協定の実質的内容という部分をご覧ください。

 TPP11協定は、もともとのTPP12協定とは国際法上は別個の協定であるという位置づけを記してございます。他方、先ほどの説明にもありましたけれども、TPP11協定の中には、TPP12協定で定められた内容を中に取り込むという規定を置いておりますので、実質的に両者の内容は同一のものであるということになります。

 TPP11協定というのは国際条約でありますので、これを国内で実施するためには、細かい細則まで定めた、国内実施を担保するための法整備が必要ということになります。

 そこで、これから御説明するTPP11整備法案が必要となるわけですけれども、御承知のとおり、TPP12の協定が締結された際に、既に国内実施法としてTPP整備法が平成28年12月、つまり1年3カ月前に成立しております。しかしながら、米国が離脱したためにTPP12協定は発効しておらず、TPP整備法も未施行という状態のままになってございます。したがいまして、これから御説明するTPP11の法案ですが、未施行の状態にあるTPP整備法を、一部改正を行う形で整備するということでございます。

 それでは、次のページをご覧ください。

 TPP11整備法の概要ですが、やや技術的な内容となってございます。

 一つ目は、法律の題名の改正でございまして、1年3カ月前に成立したTPP整備法の題名である環太平洋パートナーシップ協定、すなわちTPP12協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律となっているのを、TPP12協定及びTPP11協定の締結に伴う関係法律に改正することとしております。

 二つ目は、法律の施行期日の改正でございまして、もともとの1年3カ月前のTPP整備法では、no01の関税暫定措置法を初めとして11本の法律をまとめて改正しておりましたが、これらの改正規定の発効日がTPP12協定の発効日となっていたのを、TPP11の協定の発効日に変えることとしております。

 以上がTPP11整備法の中身でございまして、先ほど申し上げましたとおりやや技術的な内容となっておりますが、本日は関税分科会ということで、関税が関係する部分について、もう少し具体的に御説明をしたいと思います。

 次のページをご覧ください。

 1年3カ月前のTPP整備法で整備された関税関連の各種規定について、TPP11整備法で所要の調整を行うとしております。

 一つ目は、先ほど申し上げましたとおり、関税関連の改正規定の施行期日を、TPP12ではなくて、TPP11協定の発効日にするものでございます。

 二つ目は、TPP整備法の中でTPP12協定という名称を引用して条文に規定した箇所があるのですが、このままだとTPP11協定で当該箇所は読み込めませんので、対応できるように規定を整備するというものです。

 三つ目は、牛肉の関税緊急措置に関する部分です。

 以上の三つについて、次のページ以降で具体的な内容を実例でもって御説明いたします。

 次ページをご覧ください。

 このページは、施行期日に関する改正例です。改正例no01と一番上の表題に記してございます。

 概略を申し上げますと、TPPに先立つ日豪EPAにおいて、それまで輸出物品の原産地確認をする際に、原産地証明書による確認が行われていたわけですが、新たに自己申告制度、すなわち輸出者などが、みずから原産性を申告する、つまり、原産地証明書の取得は要しないと、こういう制度が導入されました。

 次に、TPP整備法における整備内容について、中央の図をごらんください。

 TPP協定においては、自己申告制度を前提に、原産性の確認のために、輸入国側の税関から原産性の確認のために協力要請があった場合に、日本の税関は、物品の生産者や輸出者から情報収集して、相手国税関へ支援をするという仕組みが設けられました。

 また、日本側の生産者ですとか輸出者が、原産性の申告に間違いがあったということに気づいた場合は、その原産品でなかったことの通知を相手国側にしなければならないという義務も導入されました。

 こうしたTPP12協定で設けられた仕組みを、1年3カ月前のTPP整備法では国内実施すべく、国内法で細則も含めて措置していたというわけでございます。

 こうした仕組みというのはTPP11でも変わりませんので、この仕組みの国内法上の施行期日を、TPP12協定の発効日からTPP11協定の発効日へ今回改めるというわけでございます。

 一方、論理的には、TPP12協定がTPP11協定よりも先に発効するという場合もあり得ますので、そうした場合は、TPP12協定の発効日に施行させるという調整規定も別途措置しているということでございます。

 次のページをご覧ください。

 改正例のno02です。TPP12協定では、ある国から他の締約国に物品の加工・修繕のために一時的に輸出されて、そして再輸入されるものについては、関税を課してはならないとなっております。

 それまでであれば、こうした場合、その加工・修繕で付加価値が上がった部分については関税を課していたわけでございます。

 そこで、TPP12協定で決まった、こうした新しい制度の国内実施を担保するために、1年3カ月前のTPP整備法では、no01加工・修繕を目的とした輸出が行われて、no02で実際に加工・修繕されて、no03で再輸入された場合には、no04で関税を免除すると、こういう仕組みが細かな手続規定とともに、国内法として措置されたというわけでございます。

 こうした仕組みはTPP11でも変わらず、他方、TPP整備法では、条文の中にTPP12協定という名称を引用して書き込んでいる部分がありますので、その箇所を経済連携協定等に改めまして、TPP11協定にも対応できるように、規定の整備を行うということでございます。

 それで次のページをご覧ください。

 改正例のno03でして、これは牛肉の関税緊急措置に関する部分です。TPP12協定では、TPP12の締約国からの牛肉というのは、現行の我が国の牛肉に係る関税緊急措置の適用対象から除外するとされておりました。

 牛肉に係る関税の緊急措置というのは、御案内のとおり、38.5%の税率を、一定数量を超えた場合に50%に引き上げるという措置のことですけれども、TPP締約国からの牛肉は、別途新たに設けられたTPP用のセーフガードの対象とするとされたわけでございます。

 そこで、1年3カ月前にTPP整備法をつくった際には、我が国の輸入牛肉というのは99%超がTPP12の締約国からのものとなりますので、これらにTPP用のセーフガードが適用されるのであれば、現行の我が国の関税緊急措置は実質的な意義がなくなるために、TPP12協定の発効日に廃止することとしておりました。

 そうしますと、今般のTPP11の整備法では、先ほど来申し上げていますとおり、他の規定についてはTPP12の協定の発効日という施行期日をTPP11協定の発効日に改めることにしていますので、それにならいますと、牛肉に係る関税緊急措置はTPP11の発効日に廃止されることになるわけですけれども、牛肉については改正を行わないというのが、今、御説明している内容です。

 すなわち、TPP11の発効時点では、TPP11の非締約国が約40%残る状態となりますので、TPP用のセーフガードだけでなくて、非締約国からの牛肉に対する関税緊急措置も必要ということになります。

 したがいまして、牛肉の関税緊急措置の廃止規定の施行期日をTPP12協定の発効日とする扱いを変えないままにして、TPP11協定の発効時点では牛肉の関税緊急措置は存続させる扱いにすると、こういうわけでございます。

 次のページ以降をご覧ください。

 今般のTPP11整備法において、関税に関連する改正内容を一覧にしたものでございます

 1年3カ月前につくられたTPP整備法で措置された内容は、大きく三つの類型があるとしております。原産地手続関係、セーフガード関係、その他でございます。この図表で申し上げますと、青色の部分がそれに当たります。

 先ほど、私から改正例として三つ御説明いたしましたけれども、例えば私が一番最初に申し上げました原産性の確認に関する情報提供等の協力支援ですとか、原産品でなかったことの通知義務といった規定は、この表の左側から二つ目の欄にある番号で言いますと1番及び2番となります。また、加工・修繕を経て再輸入された貨物の関税の免除ということを申し上げましたけれども、それは14番となります。牛肉に係る関税緊急措置をTPP12の発効日に廃止する、すなわち規定を削除するという措置は11番になります。

 こうした1年3カ月前にTPP整備法で措置された規定を今般のTPP11の整備法でどう取り扱うかというのを示したのが、一番右側のオレンジ色の欄です。

 それぞれ記しておりますけれども、類型としては三つでして、一つ目が施行期日の調整、二つ目がTPP11協定にも対応できるような規定の整備、あるいはこの二つの類型の組合せとなるわけです。

 それで、三つ目の類型としては牛肉のところでして、オレンジ色のところをご覧いただきますと、現行規定、すなわち現行の関税緊急措置の規定を、TPP11の際には存続させるように規定整備を行い、そして、もともとTPP12協定の発効の際に廃止するとしていた取扱いは変えない、つまり、他の部分で行っているような施行期日の調整は行わないということにしてございます。

 次ページ以降は、1年3カ月前に成立したTPP整備法の概要について記載しているものです。御参考にご覧いただければと思います。

 以上が、今般、政府から本国会に提出を予定しておりますTPP11整備法の内容となります。

 関税関係法令の改正を含むものでありますから、本日の分科会で御説明させていただきました。

 私からは以上です。

森田分科会長 ありがとうございました。

 それでは続きまして、山崎参事官。

山崎参事官(国際交渉担当) それでは続きまして、最近の米国通商政策につきまして御説明を申し上げたいと思います。

 最近、米国の通商政策に関しましては非常に大きな動きがございましたので、この機会に委員の皆様方に、概略になりますが御説明を申し上げたいと思います。

 トランプ政権が誕生してから大きな流れが三つございまして、一つは、2017年4月から始まりました通商拡大法232条に基づく調査、鉄鋼・アルミニウムを対象とするものでございます。

 それから、5月、6月には、通商法第201条に基づく調査、太陽電池・大型洗濯機について調査が行われまして、これは既に発動もなされてございます。

 それから、8月には、通商法第301条に基づく調査が行われておりまして、これは中国の知的財産権侵害を対象とするものでございます。詳細について次ページ以降で御説明申し上げたいと思います。

 まず、米国の通商拡大法第232条の調査ですけれども、これは、国家安全保障を阻害するおそれのある輸入に関しまして、商務長官による調査、輸入調整に必要な措置の勧告に基づき措置を講ずる権限を大統領に付与したというものでございます。

 鉄鋼・アルミニウムにつきまして、昨年の4月から調査が行われておりました。1月には、商務長官が大統領に報告を行いまして、しばらくその内容は明らかになっていなかったのですけれども、本年2月に商務長官から大統領への報告の一部と勧告が公表されたわけでございます。

 鉄鋼に限って申し上げますと、三つのオプションが示されておりまして、全ての国に最低24%の関税をかける、または12カ国に最低53%の関税、その他の国には数量割当を行う、または全ての国に数量割当を行うと、このような内容になってございます。

 そもそも何でこのような数値になっているかでございますけれども、これは国内の鉄鋼設備の稼働率が72%であるところ、それを80%に引き上げるものであり、そのためには、現在3,600万トンの輸入がございますけれども、それを2,270万トンに引き下げる必要があるという観点からこうした数字が設定されてございます。

 どういった措置がとられるかということが非常に懸念されたわけでございますけれども、去る3月8日に、大統領が、カナダとメキシコを除く全ての国からの輸入品を対象に、鉄鋼には25%、アルミニウムに10%の追加関税を課すことを決定してございます。

 また、別途除外手続が設けられておりまして、国別の除外につきましてはUSTRが担当し、品目別の除外措置、これは代替品を生産できる能力がアメリカにない場合に、そうしたものについては適用除外とするものでございますけれども、これにつきましては商務省の担当となってございます。発動は今月23日が予定されているところでございます。

 この232条に基づきます調査ですけれども、少し過去の事例を調べてみたんですが、1982年にリビア産の原油に対しまして輸入禁止措置を講じて以来、本当に久しぶりの発動ということになってございます。発動はそれが最後で、それ以後いろいろ調査実績は10件以上ございますけれども、これまで発動はなされてこなかったというものでございます。

 最後に行われました調査は、2001年に鉄鉱石、鉄半製品について行われましたが、国の国家安全保障を阻害するおそれはないだろうということで、発動に至ってございません。

 本件についての我が国政府のスタンスでございますけれども、WTOの枠組みのもとで必要な対応を検討してまいりますし、また、その対象から除外するよう改めて米国への働きかけを行っていくというのが私どものスタンスでございます。

 それから、次のページは、米国通商法201条に基づくセーフガードの措置でございます。

 これは、特定品目の輸入の急増が国内産業に対する重大な損害、またそのおそれを与えていると認められる場合に、セーフガード措置を講じる権限を大統領に付与しているものでございます。

 太陽電池、大型洗濯機につきまして、昨年4月、それから5月から申し立て、調査が行われまして、本年1月に大統領が追加関税措置等を決定してございます。

 太陽電池につきましては、セーフガードの措置対象から個別製品を除外するための手続が公表されておりまして、必要があれば企業のほうでまた検討され、また経産省でも検討されるということになってございます。

 これにつきましては、セーフガードの過去の発動実績なのですけれども、2002年に鉄鋼のセーフガードを発動したのが最後になっておりまして、それ以降は特にセーフガード措置に基づくその発動はされていないということでございます。

 それから続きまして、次ページの米国通商法第301条の調査でございます。

 この米国通商法301条は、外国政府による貿易協定違反及び米国政府が不公正と判断する貿易慣行を対象としまして、その撤廃、是正を目的に制裁措置を発動する権限をUSTRに付与しているものでございます。

 昨年8月14日、大統領からUSTRに対しまして、中国の知的財産権侵害に関する調査の実施検討を指示しておりまして、8月からUSTRが調査を行っております。調査の対象は、中国企業への技術移転を義務づけ、またはその圧力となる差別的不透明な規制や慣行、それから、市場に基づくライセンス契約や技術移転などを困難にする規制、こういったことがないかということをUSTRで調査中ということでございます。

 また、本件につきましては、本日も報道されておりますけれども、近々、こうした措置を決定、公表するのではないかというふうに報じられているところでございます。

 本件につきましては、過去の例を見ますと、2010年に中国の風力発電設備、2013年から14年にウクライナの海賊版ソフトウェアについて、301条に基づきます調査が行われておりますが、発動はなされていないということでございます。

 私からの御説明は以上でございます。

森田分科会長 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの事務局からの説明につきまして御意見、御質問等ございましたら、御発言をいただきたいと思います。

相澤委員 牛肉に関しましては、前回の会議で、検討するということになっていたと思いますが、牛肉以外の農業産品につきましても、日本の農業市場、生産力の向上にあわせて、適宜関税を調整していただきたいと思います。それから、冷凍牛肉のようなものは、消費者に与える影響というものも極めて大きいところがありますので、その点も踏まえて措置をしていただきたいと思います。

泉関税課長 今、相澤委員から御指摘いただいたのは、昨年末の分科会の答申で、牛肉に関する関税の緊急措置に係る効果の検証ですとか制度の在り方について、安定的な輸入の実現を図る観点も踏まえて検討をするよう御指摘をいただいていますので、引き続き検討させていただきたいと思います。

依田大臣官房国際部国際経済課長(農林水産省) 農林水産省でございます。

 先生、御指摘ありがとうございます。今、縷々御説明をさせていただいたTPPの内容につきましては、複数年間にわたるぎりぎりの交渉の結果、日本の農林水産業の再生産確保のためにぎりぎりのラインということでございまして、関税を撤廃する場合でも、即時撤廃をなるべく忌避し、複数年間で暫減的に関税を下げていくというような形で、消費者と国内産業の保護のバランスをぎりぎりとった最終結果でございますので、この結果を所与のものとして、農林水産業の体質強化対策、これを必死に今進めているということでございますので、御理解のほどよろしくお願いします。

相澤委員 農業をめぐる産業構造の変化が著しいということを考慮していただければと思います。それから、冷凍牛肉の場合も含めて、消費者の負担というのがどこで考慮されるのだろうかということが懸念されます。消費者の利益についても、農林水産省さんにおかれまして、御検討いただきたいと思います。

依田大臣官房国際部国際経済課長(農林水産省) 先般の年末の答申の御趣旨を踏まえまして、暫定税率の設定に伴う緊急措置の制度の在り方については、円滑かつ安定的な輸入の実現を図る観点も踏まえて引き続き検討させていただきます。

森田分科会長 相澤委員、よろしいですか。

相澤委員 はい、結構でございます。

森田分科会長 それでは、次に阿部委員、お願いします。

阿部委員 私も相澤先生と同じような観点なのですけれども、この牛肉のセーフガードについて、昨年発動して一体どういう状況になっているのか、ちょっと伺いたいということと、あと、この牛肉に限らずいろいろな関税制度があるかと思います。関税割当とかいろいろあると思うのですけれども、そういったものについても一度、この審議会等で検討してもいいのではないかということは思っております。

 以上です。

泉関税課長 ありがとうございます。冷凍牛肉の輸入の状況でございますけれども、本年の1月末までの状況については結果が判明しております。2月末、つい先日ですけれども、貿易統計で公表しております。それによりますと、冷凍牛肉について申し上げますと、全世界からの輸入量は1月については対前年比で99%ぐらいとなってございます。

 一方、冷凍牛肉に対する関税緊急措置の仕組みは、EPAの対象外、例えば米国などが該当しますが、その輸入量がどうなっているかということと全世界からの輸入量がどうなっているかという二つの基準がございます。

 全世界の輸入量は、1月について申し上げますと対前年比で99%というふうになってございます。協定対象外、米国を含めた協定対象外について申し上げますと、1月の状況は対前年比でいいますと8割ぐらいと少し低い状況になってございまして、2月、3月の状況を注視していく必要があると思っている状況です。

 また、今、委員から話されました効果の検証みたいな話でございますけれども、これは昨年の分科会でご審議いただいた際にも、いろいろな委員の先生方から、関税制度については、要望を受けての税率の審議という形だけではなくて、関税制度そもそもについて、関税割当とおっしゃいましたけれども、各種制度についてその効果、生産者だけでなくて消費者、需要者の方への経済効果も含めた効果の検証をしていくことが重要だという御指摘もいただいていますので、これは所管省庁とも相談しながら、今後研究・検討して、御報告をさせていただきたいというふうに思ってございます。

森田分科会長 阿部委員、よろしゅうございますか。

 ほかにいかがでしょうか。

宮島委員 まずTPPにつきましては、アメリカの離脱でこの後どうなるかと思われた時期もありましたけれども、何とか一定の形におさめることができたのは皆様の御努力かと思います。

 それで、その中で、セーフガードに関しては今のような存続の形になったとは思うのですけれども、やはり今、御意見の中にもありましたように、価格の大きな変動が伴うということは消費者にとってはよくないことですし、生産者などを守るということとともに、いわゆる広い意味での公益の公正性とか安定性というところに対して、最も適切になるような形に落ちつくことが必要ではないかと思っておりまして、今後の審議では、そういうところをしっかりやっていただきたいと思います。

 それから、昨今のアメリカの通商の状況はいろいろ心配がありまして、特に、鉄鋼の追加関税などはみんな心配していると思いますし、この後のEUやアメリカの出方というのは気になるところです。

 通商交渉というのはおそらく難しくて、全部公にすることというのは難しいのかもしれませんけれども、昨今、政府のいろいろな形での説明責任ということに大変注目も集まっておりまして、どの部分をどの人たちのためにやっているのか、特にそれぞれの施策とか行動にはいろんな立場の方のメリット・デメリットが複雑に絡むところがありますので、できる限り説明責任を丁寧にやりながら進めていただきたいと思います。

森田分科会長 これについては特にお答え、よろしゅうございますか。

 はい。それでは、よろしくお願いいたします。

根本委員 ちょっと勉強のために教えてほしいのですけれども、資料1に、日本のメリットが四つ書いてあります。特にこの四つ目の自動化は非常に良いと思うのですが、現在11カ国の中でこれができていない国はどこでしょうか。どこの国と取引する日本の輸出入業者、物流事業者が特にメリットを受けるかということに興味があります。どこの国がまだ相当改善が必要なのかお伺いしたいと思います。

山崎参事官(国際交渉担当) すみません。手元に事実関係がわかる資料がございませんので、別途御説明に参上したいと思います。

根本委員 ありがとうございます。

森田分科会長 よろしゅうございますか。

 ほかにいかがでしょうか。

村上委員 TPPに限らず、経済連携協定などのセーフガードについて、いろいろ議論がございました。先般の会合でもちょっと申し上げましたけれども、高い自由化のレベルと、それに対する安心感とのバランスの話を申し上げましたが、もう一つ申し上げると、交渉主体としての政府のステークホルダーに対する信頼性ということも考えなければいけないのではないかと思います。

 もちろん、セーフガードを交渉の中で設定する場合には、完全に元の関税にスナップバックするという形ではなくて、おそらく徐々にスナップバックのレベルは下げて消費者に対する配慮もしていることと思いますし、また、一旦交渉で決まったことについて、政府としての責任を負うということが、今後のアメリカとの交渉がどうなるかわかりませんけれども、TPP12、あるいは日米の2国間交渉という将来の問題のことを考えて、やはり交渉主体としての政府のステークホルダーに対する責任ということは、考慮すべきではないかと思っております。

森田分科会長 はい。これも御意見ということでよろしゅうございますね。

村上委員 はい。

森田分科会長 ほかにいかがでございましょうか。

藤岡委員 資料1のTPP協定に関してでございますが、今般、先ほどの御発言もございましたけれども、TPP協定が12ヶ国で本来合意をしたところ、アメリカが離脱するという事態の中、TPP11という形で各国の合意が見られたことは極めて意義があることでございます。ここにございますとおり、経済的意義、戦略的意義は大変大きいものでございまして、交渉の担当に当たられました方々に敬意を表するものでございます。

 その上で非常に技術的な質問でございますが、急送少額貨物について、デミニミスに関する一部規定が凍結の対象となっております。現在、TPP域内においてもSP貨物の円滑な通関手続というのは極めて重要であり、大変意義深い規定だと思いますが、第5・7条1(f)、ただいまお話がございましたとおり、デミニミス、一定基準額以下の非課税について定期的な検討を促す規定でございますが、凍結の対象となっています。この点について凍結をした経緯がどのようなものであったかという点、あわせて、これはどちらかというと郵便の問題でございますが、急送便附属書の凍結についてどのような経緯があったか、その事実関係について御教示いただけたらと思います。

山崎参事官(国際交渉担当) TPP11交渉では、TPP12において、米国の強い要望で入った項目について、米国が復帰するまでの間、凍結する方向で議論が進められており、ご指摘の急送少額貨物の規定についても、今回、凍結項目の対象としてはどうかという声が一部の国から上がりまして、それに賛同する声多数ということで、このような凍結項目に含まれることになったということでございます。

藤岡委員 ただいまの説明、非常によくわかりました。全体としてそのような検討規定についての凍結がございますけれども、全体として見たときに、TPP11のSP貨物、急送少額貨物に対する規定は大変に意義深いものでございますので、ぜひこれを進めていただきたいと思います。

森田分科会長 はい、ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

春田委員 御説明ありがとうございます。

 米国通商拡大法第232条の件ですけれども、報道されているとおり、カナダとメキシコを除く全ての国からの輸入品を対象に、鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の追加関税を課すことを決定ということでございますけれども、これについて、やはり我々も日本への影響はどうなるのかというのを非常に懸念しております。この日本への影響というところで、実際にどういった除外手続が必要になっていくのかなど、手続論のところがもしわかれば教えていただきたい。

 それから、国際貿易秩序を考えたときに、WTOルールとの整合性として国家安全保障を阻害するおそれがあるというところをどう考えればいいのかということについて、コメント等がありましたらいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

山崎参事官(国際交渉担当) お答え申し上げます。まず、鉄鋼・アルミニウムにつきまして、非常に大きな影響ということはそのとおりでございます。輸出金額、数量について、米国が大統領布告において対象としている品目を、貿易統計を用いて機械的に足し上げたところ、鉄鋼につきましては、これは日本からアメリカへの輸出でございますけれども、大まかに申し上げますと、2017年は金額ベースで約2,000億円となってございます。また、アルミニウムにつきましては、2017年の金額ベースで約250億円ということで、やはりそのインパクトとしては、非常に鉄鋼の措置のインパクトが大きいといえようかと思います。

 それで、具体的な品目の除外の手続につきましては、3月8日に公表された際に、10日以内に公表されるということになっていたと思います。恐らくそれを見て、その手続に沿って除外申請をしていくということになろうかと思います。

 それから、WTOとの協定整合性のお話をいただきました。この点については、どういう根拠で米側がこのような対応しているかというところがまだ明らかになっておりませんので、予断をもってお答えすることは差し控えさせていただきます。それから、その国と品目の除外措置につきましては、既に大統領の決定の中で、まずその個別の品目につきましては、国内生産によって対処できない場合、特定の安全保障上の理由がある場合には、その除外を求めることができると、こういうことが既に公表されてございます。

 また、国につきましては、一定の条件のもとで関税を変更・撤廃する可能性ありということで、米国の安全保障を損なわないことを確保するための代替手段につき合意がなされた場合に、実施をするということになってございます。

森田分科会長 よろしいでしょうか。

 では、ほかにいかがですか。

 特にございませんでしょうか。

 それならば、御議論はこれぐらいにいたしまして、そろそろ答申の取りまとめに入りたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 それでは、配付をお願いいたします。

(資料配付)

森田分科会長 お手元に届きましたでしょうか。

 それならば、事務局から簡単に御説明をお願いいたします。

泉関税課長 別紙は、答申案としての中身でございます。具体的な中身は、TPP整備法で措置された関税関係法の各種規定について、TPP11協定の発効の際に国内で効力を生じさせるように、施行期日の改正等、所要の調整を行うことが適当であるというものでございます。

 また、牛肉の関税緊急措置について、その関税緊急措置の廃止をする規定については、その施行期日はTPP12協定発効日のままとすることが適当だという、先ほど私から御説明させていただいた内容を関税分科会の答申とさせていただき、この答申を踏まえた法案を国会に提出させていただきたいというのが事務局の考えでございます。

森田分科会長 ありがとうございました。

 ある意味で形式的な内容でございますけれども、特に御質問、御意見等ございますでしょうか。

 なければ、本分科会として、この案のとおりに決定することにしたいと存じますけれども、それでよろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

森田分科会長 ありがとうございます。御異議がないということでございますので、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定実施のための関税率及び関税制度の改正につきましては、本分科会として答申案どおり決定することといたします。

 なお、関税外国為替等審議会令第6条第8項及び関税外国為替等審議会議事規則第7条第2項の規定によりまして、当分科会に付託されました調査審議事項につきましては、分科会の議決をもって審議会の議決とするということになってございますので、これをもちまして関税外国為替等審議会として財務大臣に答申いたしたいと存じます。

 続きまして、事務局から連絡事項ございますので、泉課長、お願いいたします。

泉関税課長 ありがとうございます。当分科会の終了後に、引き続き当会場におきまして特殊関税部会を開催させていただきますので、恐縮ですが特殊関税部会の委員の先生方におかれましては、そのままお待ちいただければと存じます。

森田分科会長 ありがとうございました。以上をもちまして本日の議事を終了いたします。

 どうもありがとうございました。

午前10時53分閉会

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