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関税・外国為替等審議会 関税分科会 (平成29年11月29日開催) 議事録

本稿は、平成29年11月29日の関税・外国為替等審議会 関税分科会の議事録です。

 

午前10時00分開会

森田分科会長  おはようございます。時間になりましたので、ただいまから関税・外国為替等審議会関税分科会を開催いたします。

 委員の皆様方には御多用中のところ御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。

 それでは、本日の議事に入らせていただきたいと思います。

 本日の議題は、お手元の議事のとおりでございます。

 前回の関税分科会におきましては、平成30年度関税改正検討項目につきまして審議を行っていただきました。本日の関税分科会におきましては、前回に引き続き平成30年度関税改正検討項目について審議を行っていただくとともに、最近の関税政策をめぐる国際的な状況等について御報告をいただく予定としております。

 それでは、早速ですが、事務局より説明を受けたいと思います。御意見、御質問は後でまとめてお受けしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、まず農水省から説明をお願いいたします。

大島生産局食肉鶏卵課長(農林水産省)  農林水産省の食肉鶏卵課長をしております大島と申します。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。

 本年は14年ぶりに牛肉の関税緊急措置が発動してございます。その発動の経緯、あるいはその後の状況等につきまして、資料1−1で御説明申し上げたいと思います。

 まず、資料の右下のページ2をご覧いただきたいと存じます。この措置の背景でございます。ウルグアイ・ラウンドの農業合意におきまして、交渉の結果、当時の交渉参加国の約束事として、ここまではやってもらうということで決まっておりました譲許税率の水準が牛肉については50%であったところでございますが、米国等関係国との協議の結果、これをさらに我が国として深掘りをするという判断をしたわけでございます。7年度から12年度まで段階的に38.5%にすることにしたわけでございますが、この深掘りの代償として、輸入量が一定以上増加した場合には自動的に関税率を本来の水準である50%に戻すということで、この措置をパッケージ、まさにセットで導入したということでございます。

 国際約束に基づいたルールということでして、この約束は、輸出国と輸入国との間の約束という面もございますし、あるいは、痛みを伴う国内生産者に対して、輸入急増の場合は50%に戻しますからということで、その痛みを受け入れていただいたということで、二重の面での約束という側面があるのではないかと考えてございます。

 続きまして、3ページをご覧いただきたいと存じます。左下の表だけ補足的に御説明申し上げたいと思います。牛肉につきましては、昭和の時代までは、輸入数量制限ということで、国境措置で厳格にブロックをかけていたところでございます。牛肉の輸入自由化ということで、一定の関税率を支払えば自由に輸入ができるとして、大きな国境措置の見直しをしております。

 当時適用されておりましたのは関税率70%ということで、自由化当初はそういう税率が張られていたわけでございますが、これを、先ほどのウルグアイ・ラウンドの交渉の結果といたしまして、平成7年度から6年かけて12年度には38.5%まで削減をするということを決めたわけでございます。発射点が70%、それがわずか10年の間に38.5%でございますので、先般のTPPで38.5%から16年かけて9%まで下げていくということを上回るような荒波の中に国内の肉用牛農家が放り込まれたということで、その痛みを御理解いただければと思っております。

 続きまして、4ページでございます。今回の関税緊急発動措置の対象について円グラフで図示をさせていただいております。左がトータルでございまして、右の2つの円グラフがこれを冷蔵と冷凍に分けたものでございます。

 8月から発動しておりますのは、この制度導入後4回目の発動ということでございますが、過去3回発動のケースがございます。平成7年度と8年度に冷凍牛肉について、直近、平成15年度の発動は生鮮・冷蔵牛肉について適用されてございます。今回は、冷凍牛肉について適用されているということでございます。

 前回との違いといたしまして、前回以降、オーストラリア等、我が国との間でEPAを締結した国がございまして、このようなEPA税率が適用される諸国からの輸入牛肉につきましては、この関税緊急措置、オリジナルなセーフガードの発動の対象外と位置付けられてございます。ですので、今回発動の対象となりますのは、この下の冷凍の円グラフの赤い枠で囲ってある部分でございまして、アメリカが約8割でございますが、この部分だということでございます。

 冷蔵と冷凍牛肉それぞれ用途ごとに若干の違いがございまして、冷蔵牛肉は前回発動いたしておりますが、これは小売り(テーブルミート)等でも使用されることが多いので国民生活により密着していたということもございますが、冷凍牛肉の場合は、牛丼の具材、あるいはハンバーガーのパティ等、または大衆的な価格帯での焼肉店等で提供されているということで、外食、加工用の比率がより多いということが言えるのではなかろうかと思っております。赤い枠がかかっております部分は、輸入量全体の約2割強に相当するということで御理解いただければと思います。

 続きまして、5ページでございます。今回の発動の背景について整理をさせていただいております。下半分の表の赤囲みの部分をご覧いただきたいと思います。委員の皆様は御承知のことと思いますが、現在の関税緊急措置につきましては、要件が2つ課されてございます。

 要件のno01.gifが、全世界からの牛肉の輸入量が対前年同期の117%を超えているかどうかで見るということでございます。

 加えまして、要件no02.gifがまた別途適用されてございます。これは、オーストラリア等EPA税率の適用を受ける国がどっと輸入を増やすことによって全体の関税率が引き上げられるということでは、なかなかフェアにできないんじゃないかという他国からのフラストレーションを受け止めるという意味もございまして、そのEPA税率が適用されていない国を取り出してみても117%を超えている場合は適用するということで、二重の要件をかけているということでございます。

 今回、29年度第1四半期につきましては、この要件no01.gifno02.gifそれぞれが超過したので発動に至ったということでございます。

 発動の背景を上の四角囲みの中段以降で整理をさせていただいております。先ほど申し上げましたとおり、特に要件no02.gifで見ますところの輸入牛肉につきましては、アメリカのシェアが大変高いわけでございますが、アメリカが比較的肉用牛の増産が進んでおって、現地価格が低下傾向で推移していて、お求めやすい水準にあったということでございます。

 その下でございますが、私どもは、これが大きなファクターであったのではないかと思っておりますが、アメリカと中国の両国政府の間で5月に大きなプログラムを発表してございます。この中で、中国が14年ぶりにアメリカ産牛肉の輸入を再開するというアナウンスがございまして、あれだけの人口大国がこれから輸入市場に入ってくるということになりますと、近い将来、価格が高くなるのではないかという価格の先高感が一瞬マーケットに広がりまして、今のうちに調達しておこうということで調達量が増えたことが背景としてあるのではないかと思っております。

 また、この第1四半期の場合、月ごとの動向を見ますとイレギュラーなあらわれ方をしてございます。それぞれ対前年同月比で申し上げますと、4月については実は減ってございまして、対前年から9割程度であったわけでございます。

 そういった中で、5月に先ほど申し上げた中国のファクターがございまして、2割以上、3割近く、大きく対前年同期比増ということになりまして、これは大変だな、そろそろトリガーぎりぎりだなと輸入業者の皆様がお気づきになったのが、5月の貿易統計の数値が公表される6月の下旬ということで、四半期末まであまり時間が残っていなくて通関時期の繰り延べ等の調整もきかなかったということが、今回の背景の1つとしてあるというふうに想像しているところでございます。

 続きまして、6ページ、先ほどの5ページの若干の補足を申し上げたいと思います。上の四角囲みの2番目のポツにフォーカスして御説明したいと思いますが、アメリカの価格が比較的リーズナブルであったということの背景でございます。

 アメリカ、オーストラリア等の牛肉につきましては、配合飼料等を食べさせている部分もございますが、牧草をやっている部分も多いということでございます。牧草は自然環境により生育状況が左右されます。干ばつ等が起きますと牧草が生えなくなって、牛にあげる餌がなくなるということもございます。

 そういった場合、食べさせる餌もないので、では早く屠殺に回すかということで牛の前倒し出荷が行われます。そうなりますと瞬間的に供給量が増加いたしますので、価格が一瞬需給がダブつきまして安くなるわけでございますが、その後天候が回復して牧草が再び生い茂ってまいりますと、それだったらもう一回牛の数をもとに戻そうかということで復元のサイクルに入りまして、供給量が絞り込まれていくということでございます。

 そして、それがまた平時に回復していくということでありますが、アメリカはオーストラリアとの比較ではこのサイクルが一足先に終わっておりまして、生産量が増加するサイクル、局面に入ってきたということもあって、現地価格が回復してきたということがこの背景にあろうかと思っております。

 続きまして、7ページをご覧いただきたいと存じます。四角囲みの下で2つ、前年度と当年度の各月ごとの輸入量、左は冷凍、右は冷蔵でございますが、冷凍と冷蔵を分けまして、国別の内訳も付して整理をさせていただいたものでございます。御案内のとおり、8月からこの措置が発動されてございますので、直近に影響を及ぼしましたのは8月でございますが、棒グラフを分解いたしました下の部分は、赤がアメリカ、青がオーストラリアでございます。

 左でございますが、8月のアメリカの冷凍を対前年と比べていただきますと、ちょっと減っているということがご覧いただけると思います。これでいろいろとメディアが、早速関税率引き上げに反応したんじゃないかということもございますが、実は7月と8月でトータルで合わせてご覧いただきますと、ほぼ前年同期と同等ということでございます。恐らく7月の後半にはそろそろ発動の可能性も高そうだなという予見もございましたので、ある程度関税率が高くなる前に先に通関を切ろうかという輸入業者さんの御判断もあって、7月への前倒し通関が行われた。その影響ではなかろうかと思っているところでございます。

 そのようなこともございまして、今度9月に目を転じますと、逆に関税率が上がっている中ではございますが、(2)のあたりでも御説明しておりますが、最近の焼肉等の堅調な肉食の需要増を反映いたしまして、むしろ関税率が上がっておりますアメリカにつきましても、冷凍牛肉の輸入量が増えているということでございます。

 そのすぐ上の青い部分はオーストラリアでございます。オーストラリアの9月の冷凍牛肉の輸入量もかなり対前年同月比で増えてございます。この背景は、輸入業者等に聞き取って分析をさせていただきましたが、(3)のところで若干書いてございますように、冷凍牛肉でございますので、多少の日もちがいたします。業者の皆様は関税率以外にも為替レート等々、税関長公示レートをよくご覧になりながら、いつの時期に通関を切るのが最も経済的に有利かということで判断されております。

 豪州産の冷凍牛肉は、たまたまこの時期に積み上がっておりました未通関在庫、9月から10月にかけてどうも円安基調に転じるということが先の予見としてございましたので、それであればこの9月の間に通関させるかということで少し前倒しがございまして、9月の輸入量が大きく増加したというふうに聞いているところでございます。

 このページの下半分では、発動前後の牛肉輸入量を協定対象国と対象外国に分けており、協定対象外国が今回の関税緊急措置の発動の対象になるアメリカ等のグループでございます。協定というのはEPA協定の意味ですので、オーストラリア等─オーストラリアはまた別途の税率がございますが、関税率が50%までは上がらないグループということで分けて、発動前の4−7月平均と、発動後の8−9月平均の数字がどういうふうに動いてきたかということを整理させていただいた表でございます。

 計の上、冷凍の欄を横にご覧いただければと思いますが、冷凍の欄の一番右の行をご覧いただきますと、発動後の8−9月のアメリカ等関税率が上がったグループについての対前年伸び率でございます。堅調な需要を反映いたしまして、関税率が上がった中でも微増ということでございますが、上がる前の4−7月平均と比べますと伸び率は明らかに鈍化をしてございますし、EPA税率が適用され、50%への関税引き上げの網から逃れているグループと比べましても、輸入量の対前年同期比はかなり小さな数字になっているということで、この措置はそれなりに輸入急増の歯止め措置としてきいているということは言えるのではなかろうかと分析をしているところでございます。ただ、発動してまだ2カ月でございますので、これから先の状況等を十分注視してまいりたいと思っているところでございます。

 8ページをご覧いただきたいと存じます。8ページの下の表でございますが、24年度以降、29年度につきましては発動の前後に分けまして、通関時の輸入CIF価格に関税率を適用してみた結果として試算をして、課税後価格をはじいてみたものでございます。この黄色い網をかけております648円/kgというのが8〜9月の課税後価格の試算値でございますが、過去3年平均の青の部分より若干下回ってございます。ということで、いろいろと現地価格の動向等もございますので、関税率が上がった結果としても、それほど大きな調達価格の増には結び付いていないのではないかと分析をしているところでございます。

 次に、9ページを御説明させていただきたいと存じます。本措置の発動後に一部のメディアから、既に国産牛肉については、高級な牛肉、いわゆる和牛等の牛肉はしっかりと輸入牛肉とすみ分けをしていることもあるので、この措置はそろそろ役割を終えているのではないかという論調もあったところでございます。

 ただ、牛肉の消費マーケットは、用途ごと、価格帯ごとに分析してまいりますと、さまざまなセグメントがございます。言及がありましたようないわゆる霜降りの高級和牛も一部ございますけれども、牛乳を搾るホルスタインから出てくる雄の牛、あるいは役割を終えた乳用種の雌牛が肉に回ってくるという部分もございまして、これも少なからぬ割合を占めているということでございます。

 これは、輸入業者からの聞き取りをもとに整理をさせていただいておりますが、下のグレードになればなるほど輸入牛肉と用途面でも競合しているということがご覧いただけるのではなかろうかと思っております。真ん中に書いてある交雑種というのは、和牛と乳用種との合いの子というふうに御理解いただければと思っております。

 10ページは割愛させていただきまして、11ページでございます。これまた一部メディアのほうでも、国産牛肉は高い価格で推移していて国内の生産者は別に経営的に痛んでいないのだから、そろそろこの措置は卒業してもいいのではないかというような形の論調もあったわけでございますが、実際の価格をフォローさせていただきますと、グレーの線が本年の価格でございますが、いずれのカテゴリーの牛をとってみても下落基調にあるということでございます。

 セーフガードというふうに一般的に言われますので一部誤解もあるようでございますが、これはWTO上認めておられます別途の一般セーフガードとは異なりまして、発動に当たりまして、国内産品の損害等についての立証は必要としておらず、輸入量の急増という定量要件の事実に着目いたしまして自動的に発動されるという制度でございますが、参考までに申し上げると、価格としても国産は決して順調な環境にはないということでございます。牛を育てる前の子牛を買ってくる価格、あるいは餌の価格、それぞれコスト面でもかなり高騰基調にございますので、国内産の農家の経営収支は決してよくないということで、参考での御説明でございます。

 最後、12ページに長期の需給の推移ということで棒グラフを整理させていただいておりますが、時間の関係もございますので、これは質疑の中で必要に応じまして別途御説明させていただきたいと存じます。

 大変駆け足でございましたが、私からの説明は以上でございます。

森田分科会長  ありがとうございました。それでは、続いて財務省より説明をお願いいたします。

泉関税課長  関税課長の泉でございます。

 それでは、資料の1−2をご覧ください。ただいま農水省のほうから説明がございましたが、それも踏まえまして、重なるところもございますが、関税暫定措置法上の取扱いについて御説明いたします。

 資料の1ページをご覧ください。上のボックスですが、牛肉に係る関税の暫定税率6品目とございますけれども、冷凍、冷蔵、それぞれ部位ごとに3品目ずつございまして、協定税率の50%よりも低い水準、すなわち38.5%まで自主的に引き下げて、暫定税率として設定されてございます。そして、関税の緊急措置は、輸入数量が一定の水準を超えた場合、自動的に50%まで税率を戻す仕組みということでございます。

 そこで、中央のボックスですが、これらはウルグアイ・ラウンド合意時の関係国との協議の結果、暫定税率によって協定税率より低い水準まで税率を引き下げたこととセットで、牛肉の輸入急増時の安全弁としてこの関税の緊急措置が設けられたことから、これらを一体的に検討する必要があろうと考えてございます。

 その上で、税率を譲許水準より引き下げるという国際約束を履行する観点から、引き続き暫定税率を維持する必要があり、これと一体的な関税の緊急措置についても同様であろうというふうに考えてございます。

 したがいまして、一番下のボックスでございますが、牛肉に係る暫定税率及び関税の緊急措置につきましては、適用期限を1年延長する方向で検討してはどうかと考えてございます。

 それで、次のページでございますが、この緊急措置に関連しまして、発動基準数量の算出方法に係る特例についてでございます。技術的なものですが、これも暫定措置法上の措置でございまして、延長を検討する必要があると考えてございます。

 一番上のボックスですけれども、発動基準数量は前年度輸入実績をベースにその117%といった形で算出されるわけでございますが、米国でBSEが発生した際に米国からの輸入がストップしたため、前年度輸入実績をベースにしますと、基準数量が一段と低くなってしまうことから特例が設けられてございます。

 具体的には、前年度の輸入実績がBSE発生前の水準を下回るという場合に、BSE発生前の水準、すなわち平成14年度と15年度の輸入実績の平均値をベースに算出するという特例でございます。

 ここで、中央のボックスでございますが、生鮮・冷蔵牛肉につきましては、いまだ昨年度の輸入実績がBSE発生前の水準を回復していないという状況にございますので、一番下のオレンジ色のボックスですけれども、この特例措置も継続する方向で検討してはどうかというふうに考えてございます。以上です。

森田分科会長  ありがとうございました。

 それでは、これまでの事務局の御説明につきまして、御質問、御意見をいただきたいと思います。どうぞ御自由に御発言いただきたいと思います。

浦田委員  どうもありがとうございます。2つあります。

 1つは、きょうの日経新聞にセーフガード制度維持という記事が載っています。これは、今、我々が議論しようとしているテーマです。もしこのような記事が既に出ているのであれば、この委員会の役割というのは何なのでしょうかというのがまず1つの質問です。

 もう1つは、牛肉の自由化、関税化に伴って日本の畜産農家にどういう影響があったのかということについて、今すぐお答えいただきたいというわけではないのですが、今後の牛肉の輸入政策を考えるに当たって、やはり過去の実績といいますか、実情がどうだったかということを把握する必要があると思います。

 最近、輸入自由化の産業への影響というようなテーマで、諸外国では、かなり、いろいろな興味深い分析が行われています。ただ、その分析のほとんどは製造業に対する分析ですので、あまり農業、あるいは畜産業に関する分析というのはないのですが、今まで得られた一つのテンタティブな結論として、輸入自由化によって価格が下がり、それによって競争力のある企業、あるいはこの場合は農家が生き残って、そして、さらに輸入の競争に対抗するために生産性を上げる、あるいは新商品を開発するような動きがある一方で、生産性の低い農家は退出を余儀なくされるといったような分析結果があります。

 私は、経済というのは、やはり労働力だとか、資本とかを生産性の低い部分から高い部分にシフトさせることによって活性化するし、経済成長が実現し、そのためにも自由化というのは非常に有効だと思っています。実際にそのようなことが牛肉の農家について起きたのかどうかということを、先ほど言いましたように、今すぐというわけではないのですが調べていただけると、今後の農業に関する輸入政策の非常に重要な材料になるのではないかなと思いました。

 もう1つ、それに関連してですけれども、今回は輸入自由化の関税のお話があったわけですけれども、誤解でしたら誤解しているということで訂正していただければありがたいのですが、補助金、つまり、数量規制はなくなったわけですけれども、輸入関税という形、セーフガードという形で農業、牛肉農家は守られているわけですけれども、それに加えて、もし補助金とかがあるのであれば、農家を守るに当たって日本の国民はどの程度の負担をしているのかという点でございます。

 1つは、高い牛肉を買うという意味での負担。もう1つは、今言いましたように補助金。これは税金から来るわけですけれども、そこでの負担というのがあるわけで、そのようなことに関して現状どうなっているかということを、今すぐではなくてもちろん結構なので、教えていただけるとありがたいです。以上です。

森田分科会長  ありがとうございました。1つ目の質問につきましては、お願いいたします。

泉関税課長  1つ目の御指摘につきましては、まさしく御指摘ありましたとおり、今ここの場で関税の暫定措置の取り扱いについて御審議をいただいている状況でございまして、新聞報道にありましたような事実はございません。そういうことでございます。

森田分科会長  よろしゅうございますか。

浦田委員  事実はないといっても新聞に出ているのですが、どこからこの情報は漏れたのでしょうか。別に追及するつもりはないのですが。

飯塚関税局長  すみません。さきほど課長が申し上げたとおり、我々としてはここで御審議いただく話だと思っておりまして、我々のほうから発表したということではございません。

森田分科会長  では、続けて、農水省から回答願います。

大島生産局食肉鶏卵課長(農林水産省)  調べて、ゆっくりまた別途の材料がございましたら、改めてお時間をいただきまして御説明に参りたいと思いますが、理解している限りでまず御説明申し上げたいと思います。

 資料の9ページをご覧いただきたいと思いますけれども、国産の牛肉もさまざまなカテゴリーのものがあるということでございます。恐らく委員御指摘になられましたように、輸入自由化への対抗の戦略としては、品質で差別化していこうという動きは確かにあっただろうと思います。

 輸入自由化の前後で申し上げますと、恐らく濃い赤の和牛とかは、ますますサシの入りをよくして改良しながら品質をよくして、高い価格帯で勝負をしていこう、ハイエンドのセグメントを取りにいこうという動きが確かにあったということだろうと思います。

 加えまして、逆の面で見ますと、最も競合した部分の乳用種等につきましては、輸入数量制限でしっかりブロックしていた時代は、しっかりと再生産が確保されてしかるべきウエートがあったものが、この輸入自由化の前後ではそれなりにボリュームを落として退出を余儀なくされてきたことではなかろうかと思っております。

 ただ、国産牛肉でいうところの一番下位のカテゴリーの乳用種、ホルスタインの牛でございますけれども、やはり国内の消費者に対して合理的な価格帯で利用できる大衆国産牛肉ということで一定のニーズがございますので、我々、ここはしっかりと国境措置を守ることによって、ここもしっかりと生産者が食べていけるようにしたいという気持ちは引き続きございます。

 2点目の御質問の補助金の関係でございます。これは御存じのことと思いますが、牛肉の関税につきましてはある意味特定財源的なスキームがございまして、牛肉自由化で牛肉関税のうちの一部を肉用子牛の生産流通の振興等に回すことができるという形になってございます。

 ただ、それは関税収入の全てを使うということではなくて、財政当局との御相談の中で、今年度についてはこれぐらいの額が必要だということをお認めいただく中で使っているというのが実態でございます。関税収入は、恐らく直近28年度で申しますと800億円以上、あるいは1,000億円近い額があろうかと思いますが、対策に使われておりますのはその3〜4割でございます。経営安定対策、消費拡大対策、さまざまなものがございます。

森田分科会長  浦田委員、よろしゅうございますか。それでは長谷川委員、どうぞ。

長谷川委員  お伺いしたいのは、5ページに関するものですが、今回の発動の背景の話の中で、米国産の牛肉について4月は大幅に輸入量が減ったけれども、5月に中国のファクターが入ったために大幅に増えたと説明いただきました。問題は、多分、輸入業者が気づいたのが6月下旬だったということで、1カ月ぐらい遅れてぎりぎりになってようやくその状況に気づいたという話だったと思います。

 それで、この措置に関しては日米の経済対話の中でも議論されていて、報道によりますと、その中で日本政府側は運用の見直しで何とかやっていきたいとのことでした。その中には、例えば1カ月たって輸入数量が把握されるような状況ではなくて、もう少し早い段階でやっていけるようにすることで、ある程度改善できるのではないかということを話しているという報道もありますが、そういうことが可能なのであればそれをやればいいと思いますし、現実、アメリカとの交渉事の中でどこまでどのように外に話せるのかよくわかりませんけれども、その辺の運用の見直しということが果たして可能なのかどうなのか、また、それが有効な措置となり得るのかどうなのか、その辺の見方についてお伺いできるでしょうか。

森田分科会長  では、農水省からお願いいたします。

大島生産局食肉鶏卵課長(農林水産省)  日米経済対話、そしてそれに引き続いての首脳会談で、各分野ごと、イシューごとに何がどう決まったかというのは、内閣官房のほうから追ってブリーフィングもございましたが、率直なところを申し上げますと、外交のやりとりの中身については立ち入って申し上げることはできませんが、お互い合意の上決まったということは、農業分野についてはなかったというのが正直なところでございます。

 ただ、私、先ほど申し上げましたような4月の減、5月の急増が、翌月末にならないと公式な統計数値ではわからないということについては、輸入業者の方々にも、対前年比117%というような発動のトリガーの大きなすき間がある中で、ちょっとこういうこともないだろうということでの油断と申し上げると言葉が過ぎるかもしれませんが、あったのではなかろうかと思っております。恐らく今回の発動の影響を最も受けていらっしゃるのは、調達コストが増になった輸入業者だろうと思っておりまして、皆さんは、これからはしっかりと数字をモニタリングしていきたいという気持ちを持っておられるようでございます。

 私どもは、輸入業者の団体であります食肉輸出入協会と定例的な意見交換等を行っておりまして、輸入動向の見通し等についても情報交換させていただいているところでございます。この協会の会員シェアは8割程度ございますので、この8割でそれぞれ各社の調達の動向、予定数量等が突き合わされる中で、8割、0.8で割り戻せば大体今月はこのぐらい行くのではないかということは、ある程度先々のことも含めて予見できるのではなかろうかと思っております。

 引き続きこういった日常の情報交換のよりきめ細かなモニタリングを通じて恐らく輸入業者の方々がより予見性を高めて、これから安定的、計画的な輸入を行っていかれることになるだろうと思っております。

森田分科会長  よろしいでしょうか。ほかにいかがですか。石毛委員、どうぞ。

石毛委員  先ほど浦田先生からお話があった点に関係するのですが、9ページにある図は非常に興味深い。A5とかA4とありますが、この基準というのは日本だけですよね。外国がそういうものを導入しているのか、ちょっと事実が知りたいと思います。

 なぜかというと、やはり高付加価値化とか、高品質化とかいいますが、一体そういうセクターがどれぐらいの価格のものであって、どれぐらいの販売額になっていて、下のほうのセクターと比較してどういう状況になっているのかという現状をしっかり理解しないといけないと思います。牛肉は全部一緒ですというものではなくなってきていることをしっかり認識して、行政の仕方というか、こういうような通商の取扱いについても行っていくべきではないかと思います。

 とりわけ、これは輸入だけを扱っていますけれども、これから輸出ということに重点を置いていく中において、そういった品質ごとの国内の状況はどうなっているか、輸出はどういう部分についてどれぐらい出ているのか、そういうものをしっかり把握できるようにすることは重要ではないかと思っております。これは意見です。

森田分科会長  これについても、ではお願いいたします。

大島生産局食肉鶏卵課長(農林水産省)  御質問いただきましたA4、A5などの格付けにつきましては、日本のスタンダードでございます。日本食肉格付協会という民間の団体が、しっかりと訓練を積んだ格付員によって、わかりやすい例でいえば、脂肪のサシの入り方ですとか、肉の締り、光沢等さまざまな基準に基づいて肉を、A、B、Cは歩留りの基準、1から5は品質の基準でございますが、それに応じて当てはめていっているということでございます。

 アメリカはアメリカ、オーストラリアはオーストラリアで、それぞれの国内のグレーディングのルールがございます。プライム、セレクト、チョイスと申しますのは、きょうは手元に持ってきてございませんが、彼らのグレーディングの中でより高級なグレードに位置付けられているものがプライム、そうでないものがセレクト、チョイスということで御理解いただければと思います。

 価格帯が違うのは確かに事実でございます。簡単に手元の数字で申し上げますと、黒毛和牛の最高級のグレードは、キロ当たり3,000円近い単価がつくこともございます。これはやはり高級なすき焼き店ですとか、しゃぶしゃぶ店ですとか、しかるべく対価を払って買いたいというニーズにお応えになっていらっしゃるからだろうと思います。

 今、最も輸入牛肉と競合していると御紹介した乳用種のB3、B2のグレードで申し上げますと、28年度の数字で高かった時期ですので、それよりさらに落ちているはずでございますが、1,000円をちょっと上回る程度ということなので、相当大きな価格帯の差があるだろうと思っております。

 輸出についても、委員おっしゃるように、これからしっかりと海外市場に目を転じて頑張っていかなきゃいけないと思っております。ただ、直近の28年の輸出の数量はまだ2,000トンに届かないような数量でございますので、国内で牛肉は三十数万トン生産してございますが、まだまだ緒についたばかりです。

 ただ、これから人口は高齢化、少子化して胃袋は縮んでいくということもございますので、まさにこういった高級な霜降りに対する海外のハイエンドのニーズというのは確かにあろうかと思いますので、しっかりとプロモーションをかけて、海外市場の展開につなげてまいりたいと思っております。

森田分科会長  石毛委員、よろしゅうございますか。

 それでは、大分時間が進んでおりますが、手が挙がっておりますので、最初に村上委員のほうから、それから大橋委員、相澤委員ということでお願いいたします。

村上委員  セーフガードを今回発動されたのは、先ほど御説明があったように、ある意味で特殊な状況によったのだろうと思います。私自身も、牛肉の自由化の際の交渉に若干携わったことがございますけれども、自由化を進めていく上で、1つの安全弁として、あるいは国内農家に対する説明の1つとして、安心感を与えるという意味でセーフガードがセットになっているということであろうと思います。

 通常であれば、先ほど大島課長からお話があったように、恐らく輸入動向の観察を通じてある程度の安定的な輸入が行われるということになるだろうと思いますし、そういう意味でセーフガードが制度としてあることによって、輸入の安定化と自由化のバランスが一定程度とられているのではないかと思います。

 TPPの交渉の場合もそうでしたけれども、今後ハイレベルの自由化を達成しいく交渉の中で、セーフガードが一つの役割を果たしているということに鑑み、交渉でまとまったものの国内に対する信頼性ということでは、今後の交渉を考える上でもこの制度を維持していくことが必要ではないかというふうに思っております。

森田分科会長  御意見ということでよろしゅうございますね。

 それでは、大橋委員。

大橋委員  2点ございます。

 まず1点は、このセーフガードは、国内産業への影響は特段必要とされていないとはいえ、国内産品と輸入品とがどの程度競合しているのかという視点は極めて重要だと思います。11ページ目に国内価格の推移をいただきましたけれども、この価格の下落がひとえに輸入によるものなのかどうかがこの図からはちょっと見づらいと思います。少なくとも冷凍と冷蔵は分けて考えるべきだし、また、品質とそれぞれの3つのものがどう対応しているのかをもう少し詳細に見る必要があると思います。よって、この図だけで、輸入の影響で国内産業云々という話、あるいは競合しているということは言い切れないのかなと思います。

 2点目ですが、この制度は、先ほど課長の御説明を聞いて感じたのですが、かなり輸入業者の行動に歪みを与えているという感じがします。今後として、ある種輸入業者の協調行為に期待するような御発言もありましたけれど、これは別な面からするとかなり問題があるという感じもいたします。

 例えば、50%が切れるときに、今度次の関税が下がるというときには、そのときは皆さんは輸入するのを留めておき、38に下がったときにまたどっと輸入すると今度は何が起こるのかなとか、制度上運用を考えていく上で当初想定していないようなこともいろいろ起きているのではないのかと。そういう意味で、制度をこういう機会に改めて考え直すというのも一つの方向性なのかなと思って、伺っていました。以上です。

森田分科会長  ありがとうございました。相澤委員の御質問は関連していますか。

相澤委員  何のために、どのような措置であるかを考えるべきです。国内産業を保護するための関税措置ですが、冷凍牛肉を食べる消費者の負担で国内の冷凍牛肉を保護している制度であると理解できると思います。

 保護される競合する冷凍牛肉の日本の生産量はどのぐらいあるのでしょうか。また、保護される牛肉が価格面で競合しないのであれば、市場が競合していると言えないと思います。

 それから、四半期ごとに計算をすることで、短期的な輸入量の変化により関税が変わることになります。輸入者が輸入量を調節すると関税が変わる制度には疑問があります。かつて、関税法の改正が毎年のようにあった頃は、四半期で計算するということもそれなりの理由があったのかもしれませんが、今、四半期で計算することの理由を教えていただきたいと思います。

森田分科会長  これは、最初に農水省に答えていただき、それから、財務省から説明をお願いいたします。

大島生産局食肉鶏卵課長(農林水産省)  幾つか両委員から御質問がございました。合わさる部分もございますので、まとめてお答え申し上げたいと思います。

 日本で冷凍はどのくらいあるのかということについてでございますが、国内の場合はコールドチェーンの中で流通いたしますので、冷凍牛肉についてあるかどうかというと、国内ではチルド(冷蔵)の形態で出回っているものがほとんどだろうということでございます。

 ただ、冷蔵と冷凍ではっきりと分かれていて、その片方の部分に国産は居場所がないのであれば、国境措置が全く不要かというとそういうことはございません。冷蔵、冷凍というカテゴリーがある中でも、冷凍で入ってきます輸入牛肉とユーザーの調達行動の中で競合する部分は、リーズナブルな価格帯で提供される焼肉さんですとか、あるいはお弁当屋さんの具材とかですとか、さまざまな部分があると思いますので、そこはしっかり競合関係はあって今も機能を果たしている部分は確かにあるのだろうと考えているところでございます。

 P.11はちょっときめ細かな分析になっていないのではないかという点については、すみません、時間と資料のボリュームの制約もありまして、十分な問題意識にお応えできていないところは申し訳なく思いますが、価格の下落、チルド、フローズン、それぞれさまざまな用途がございますけれども、いろいろと聞いておりますと、今回は発動対象外でございますが、チルドで入ってきます輸入牛肉にスーパーマーケットの棚が相当奪われることで、国産牛肉の販路を狭めているという脅威が確かにあることは、私どもが、国内生産者、あるいは小売店の皆様からヒアリングをさせていただく中でも確かにおっしゃっていることでございますので、競合はあると考えていいのだろうと思っているところでございます。

 あと、輸入業者の行動に歪みを与えているということでございますが、38.5%になるならない、50%に上がる、そして50%から38.5に戻るというその前後の瞬間を見ますと、先ほど私が資料の中で御説明させていただきましたとおり、それが確実に起こるということであれば、より有利な関税率が適用される時期に通関を行おうという動きが一部あるということは否定できないのだろうとは思います。ただ、それぞれ顧客との結び付きの中で定時定量の供給をしなければならないということもございますので、大きく動くかというと、部分的にはそういうこともあるということだろうと思っております。

 今回、来年の4月になりましたら38.5%に、50%からのセーフガード税率がもとに戻ります。11.5%分また下がるということでございますが、直近の例を挙げると、日豪EPAの税率は適用初年度と2年度目で10%近い税率の格差があったわけでございますが、この中でも確かに一部翌四半期に繰り越した部分はございますけれども、マジョリティーの部分は、なおしかるべく前の第4四半期の中で通関が切られて、国内のユーザー業界への供給が行われたと承知をしているところでございます。

 四半期ごとについての管理のあり方がどうなのかという話もございます。ただ、四半期ごとの形にすることによって、その輸入の急増に対してよりタイムリーにセーフガードの発動で輸入急増の歯止めをかける効果があるということで、この発動の機動性もあわせて、輸入自由化、ウルグアイ・ラウンドによる大幅な関税の削減の代償措置として国内生産者に説明してきた経緯がございます。

 さまざまな効果についての評価はあろうかと思いますが、このよって立つところのもともとの導入された経緯を考えますと、この機動的な発動の必要性は今もなお変わっていないだろうというふうに農水省として考えているところでございます。

森田分科会長  それでは、泉課長、お願いします。

泉関税課長  先ほど最後の部分について農水省から今御説明がございましたけれども、牛肉に関して四半期ごとにトリガーが設定されているのは、先ほど説明がありましたとおり、ウルグアイ・ラウンド合意時の議論の結果に尽きるというふうに考えてございます。

 他方、御指摘がありましたように、セーフガード措置のトリガーの設定の仕方というのは、いろんなやり方があるのだろうと思います。例えば、TPPで決まっているセーフガードでありますとか、日豪EPAで決まっているセーフガードは四半期ごとの設定ではございません。そういったことから、牛肉に関しましては、ウルグアイ・ラウンド当時の議論でこういう設定の仕方がなされておりますが、今後、どういう制度がいいのかということは、当然のことながら引き続き不断に議論をしていくことではなかろうかと思ってございます。

森田分科会長  大分予定時間を上回っておりますので、これぐらいでよろしゅうございますか。

 ありがとうございました。それでは、事務局より次の議題についての御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

泉関税課長  それでは、議題はかわりまして、資料の2−1、「金の密輸入に対する罰則強化」という資料でございます。

 ページをおめくりください。最初に「背景」とございますけれども、左上に金の密輸入の摘発数量を記してございます。昨年、平成28年では1年間に約2.8トンであったものが、今年になって9か月間で約4.5トンに増加してございます。

 右側の棒グラフは、金密輸入事件の脱税額と税関が告発などを行った処分件数の推移でございますが、一番右側、平成28事務年度で脱税額としては約8億7,000万円、処分件数も467件と最近になって急増してございまして、このグラフをご覧いただければわかりますとおり、消費税率が5%から8%に上がったこととの相関関係が推察されるわけでございます。

 しかしながら、税関当局としては、現在の摘発件数はまさに氷山の一角にすぎないのではないかと思ってございます。前回の分科会でも御説明いたしましたが、例えば貿易統計における金地金の輸出入量を申し上げますと、正規の輸入量は2016年で約5トンでございます。一方、輸出量は約197トンとなっているわけでございます。

 輸入が約5トンで、輸出が約197トンとなっておりますと、もちろん国内でも一定程度金は生産されるわけでございますけれども、それでも輸入と輸出の差を説明できるとは考えにくいところでございます。したがって、現在、税関で摘発している件数というのは氷山の一角にすぎず、相当程度の利益が例えば犯罪組織などにも流れているのではないかと考えられるわけでございます。

 こうした状況を受けまして、関税局・税関では今月7日に、ここに書いてございますが、『「ストップ金密輸」緊急対策』を取りまとめたわけでございまして、検査の強化、処罰の強化、そして情報収集の充実等に取り組むこととしておりますが、その中で罰則の強化を検討する方針を掲げさせていただいているわけでございます。

 2ページをご覧ください。このページは現行の罰則を記してございます。上のボックスにありますとおり、金を密輸入した場合には、関税法上の無許可輸出入等の罪、消費税法上の消費税ほ脱罪、地方税法上の地方消費税ほ脱罪の3罪が成立いたします。関税法上の無許可輸出入等の罪について申し上げますと、懲役5年以下、罰金500万円以下となっているわけでございます。

 ちなみに、密輸入されている金のイメージですけれども、金の価格というのは、大体1キロ当たり500万円くらいでして、大きさでいいますと縦10センチ、横5センチ、厚さ1センチぐらいでございます。言ってみれば手のひらに乗るようなサイズで1個500万円になるわけでございまして、これを複数人で複数個ずつ体や荷物に隠して密輸入する、これが組織的な犯行であれば何度も何度も繰り返して、事案によっては一度に100キロ以上の密輸入となるわけでございます。

 こういった中で、先ほど申し上げましたが、現在税関で摘発に至っているのは残念ながら氷山の一角にすぎないという状況になってございます。したがいまして、金の密輸入が多発しているという状況に関しまして、現在の罰則水準は効果的な、意味のある水準となっているかというのが論点でございます。

 ここで、3ページをご覧ください。現状の罰則の評価となります。まず、罰則の目的ですが、1つは犯罪行為を事前に抑止すること、すなわち、抑止効果の発揮でございます。もう1つは、犯罪を犯した者に刑を科すことで再犯を防ぐこと、すなわち、可罰効果を与えるということでございます。

 次に、現在、税関の現場で摘発に努めている状況ではございますが、残念ながら金の密輸入が多発している状況です。したがいまして、ここに記してありますとおり、関税法上の現行の罰則は、金の密輸入者に対して効果的に不利益を与え、そして、金の密輸入に対して抑止効果を発揮するのに十分な水準とは言い難いのではないかと認識しているところでございます。

 また、これは下の図の右側に関連しますが、右側に「密輸品譲受等の罪」と書いてございます。すなわち、密輸品であることを知って金を買い取るとか、運搬する等の罪に関連します。金の密輸入を根絶する観点からは、密輸入者のみではなくて、悪質な国内買取業者等に対しても厳正に対処する必要があるということでございます。

 次に、改正の方向性でございます。4ページをご覧ください。金の密輸入に対する抑止効果を高め、密輸入者等を一層厳正に処分するため、すなわち可罰効果を与えるため、無許可輸出入等の罪や密輸品譲受等の罪につきまして、罰金額を大幅に引き上げてはどうかと考えてございます。

 具体的には、無許可輸出入等の罪について申し上げますと、現行で500万円となっている罰金上限額を1,000万円に引き上げまして、さらに括弧の中ですが、貨物の価格の5倍が1,000万円超の場合、その価格の5倍までを罰金上限額とする方向で検討してはどうかと考えてございます。

 例えば1億円の金を密輸入する場合、現行の関税法では罰金500万円以下となっているのですが、価格の5倍までとなりますので、最大5億円の罰金を科すことを可能としてはどうかということでございます。もちろん、これは罰金上限額の引上げでございますので、実際に刑事裁判に至った場合には、裁判官が罰金上限額の範囲内で、実際の犯情に応じて量刑を行うということになります。

 下のボックスに改正の考え方を記しております。今回の関税法上の罰則の引上げについては、同じく輸出入に関する規制である外為法上の規定を参考にしているということでございまして、ちょっと小さい字で(参考)とありますが、外為法上に罰金1,000万円以下、そして括弧の中に、貨物の価格の5倍が1,000万円超の場合、価格の5倍までという規定が整備されているということでございます。

 次のページはイメージ図ですけれども、水色の点線が現行の関税法上の罰金上限額ですが、これを水色の実線にすることで、金の密輸入に対する抑止効果と可罰効果を現行以上に発揮させることとしたいということでございます。

 駆け足ですみません。続きまして、資料の3−1をご覧ください。これは子畜用配合飼料規格の見直しという話でございます。子畜というのは哺乳期の牛や豚でございまして、その餌となる乳製品の輸入についての議論でございます。

 この図を見ていただきたいのですが、例えば脱脂粉乳を輸入する場合ですと、通常ですと図の水色矢印の上のほうでして、21.3%+92円等といった関税がかかります。一方、矢印の下のほうですが、子畜用の配合飼料、餌として使用する場合には関税は無税となっております。

 その際、これらをどうやって区別するかということですけれども、無税となるものは子畜の配合飼料用に限られます。したがいまして、我々人間の食品用への流用を防止する観点から食品用には向かないようにする、すなわち、食用の不適化のために添加物を加えるということが要件になってございまして、関税定率法の施行規則に添加物の規格が定められてございます。その1つに現在、抗菌性飼料添加物が定められておりまして、一言で言うと抗生物質でして、例えば硫酸コリスチンといった添加物でございます。

 ここで、中央の「背景」というボックスを見ていただきたいのですが、最近、政府が推進している薬剤耐性対策の一環として、農水省が人の健康に影響があると評価された抗菌性の飼料添加物の使用を禁止する方針を決定いたしました。すなわち、こうしたものを餌として食べ続けた牛や豚が最終的に人の食用となった際に、我々人の健康、医療に悪影響が生じかねないということでございます。

 したがいまして、オレンジのボックスのところですが、薬剤耐性対策を推進する観点から、従来使用されてきた抗菌性飼料添加物、すなわち硫酸コリスチンといったものはやめまして、それにかえて、引き続き流用防止の観点から、人の食用には不適化させるように、食品添加物として認められていない飼料添加物、例えばヨウ素酸カルシウムといったものを今後用いるようにするということでございます。これにより関税定率法の施行規則を改正することになりますので、大変細かい話で恐縮でございますが、関税改正の一環として御報告させていただいたということでございます。

森田分科会長  続きまして、監視課長、お願いいたします。

秋田監視課長  監視課長の秋田でございます。

 私からは、海外旅行者の免税額のうち、たばこの免税額の簡素化を行いたいという件について御説明いたします。

 資料は4−1と4−2になります。4−1の資料を使って御説明いたしますが、4−2の内容につきましても、この説明の中であわせて御説明いたします。

 まず初めに、携帯品免税制度でございます。これは、入国旅客が入国の際に携帯して輸入する物品については、旅客の通関手続上の便宜を図り、もって国際観光等を促進するため、個人的な使用に供するものに限って一定の範囲内で関税及び内国消費税が免除されるという制度でございます。

 これは、よく海外旅行のお土産品の免税枠として御理解いただいているものでございますが、もともとは日本にお越しになる旅客が身につけておられるものですとか、旅行中にお使いになるものについて全て課税するとなると煩雑ですし、また利便性を害するということから、このような免税枠を定めているというものでございまして、諸外国でも同様の制度が古くからございます。我が国におきましても、これは明治時代からあるという制度でございます。

 現在、免税枠といたしまして、お酒、香水、たばこ、その他の物品と、それぞれについて免税枠を定めておりまして、お酒については、標準的な大きさのお酒でありますとボトル3本、香水でありましたら2オンス、たばこにつきましてはこれから御説明いたしますが、その他の物品については総額20万円以下ということで免税枠を定めているものであります。

 この免税枠につきましては、関税定率法第14条第7号及び輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律第13条に根拠がございますが、具体的な免税枠につきましては、関税定率法施行規則によって定めているというものでございます。

 たばこの免税枠につきましては、資料の表のとおりでございまして、たばこが外国製か、日本製か、また入国旅客であるお客様が日本に居住されている方か、居住されていない方かということで、4通りの免税枠となっておりまして、非常に複雑になっているというものであります。

 これにつきましては経緯がございまして、昭和39年以前は、外国製のたばこ200本という免税枠になっておりました。当時、たばこは専売制なものですから、国産のたばこは輸入禁止になっておりまして、外国製のものについては、200本の免税枠と一定の数量まで個人的に輸入できるという仕組みになっておりました。

 しかしながら、当時も海外旅行者向けに国産のたばこが販売されておりましたことから、日本に帰ってくる方から国産のたばこについても免税輸入をしたいという要望が強うございまして、昭和39年に外国製のたばこ200本、日本製のたばこ200本という枠が設けられ、その後変遷がありまして、居住者と非居住者でまた枠の大きさが変わったという形になっております。これが現在の免税枠でございます。

 次のページに参ります。次のページは、諸外国におけるたばこの免税枠でございますけれども、米国、カナダ、EU、また韓国につきましては200本の免税枠。ここでは、外国製・日本製というような区分もございませんし、また、居住者・非居住者の区分も設けられておりません。非常にシンプルな形になっております。

 また、豪州については25本、ニュージーランドについては50本となっております。豪州、ニュージーランドにおいては、公衆衛生上の必要性からたばこについては非常に厳しいといいますか、小さな免税枠になっていると聞いております。

 最後のページでございます。見直しの必要性について御説明いたします。ただいまご覧いただきましたように、たばこについての免税枠は、外国製か、日本製か、また入国旅客であるお客様が居住者か非居住者かという区分によって免税の枠が違います。諸外国はシンプルな免税枠になっているのに比べて複雑な免税区分となっておりまして、入国旅客にとってわかりにくく、また税関にとっても、実務上、免税の範囲を決める判断に時間がかかっているという現状にございます。

 例えば、日本ブランドのたばこを持ってお帰りになるお客様もおられるのですが、日本ブランドのたばこも日本で生産されたものと海外で生産されたものがございまして、一見してよくわからない場合があります。

 お客様のほうは日本製のたばこ200本、外国製のたばこ200本という400本の枠があると思って、400本をお買いになって戻ってこられますと、それが全部日本製ですと200本分は課税になります。一方、日本製と外国製の同じブランドのものであっても日本製200本、外国製200本であれば、その場合は免税になります。このため、この前買ってきたときは免税だったのに、何で今回は200本が課税になるのかといったお叱りもしばしば受けますし、また、日本製と外国製の判別はなかなかパッケージを一見したところではわからず、確認に非常に時間がかかることとなります。

 現在、インバウンドのお客様は非常に増えておりますけれども、これからもますます増えていくことが見込まれる中、こういった複雑な免税区分となっておりますと、通関に非常に時間を要してしまうおそれもございます。免税枠をお使いの方は、サンプリング調査でございますけれども、入国される方の約2割となっております。

 今、4,000万人からの入国旅客がおられるわけですけれども、その2割でございますので、800万件こういった、たばこの判別作業を行っている状況です。今後、インバウンドのお客様だけでも4,000万人、6,000万人となる一方、日本人のお客様が2,000万人超おられますので、1,000万件ほど、どこの国のたばこかというような判別作業が繰り返されるということになりますので、これを簡素化したいと考えているところでございます。

 見直しの方向性でございますけれども、現在、諸外国では200本となっているのがスタンダードでございますので、最終的には200本の免税枠に統一したいと考えております。しかしながら、特に日本人のお客様には免税枠は400本と理解されておりますので、混乱を避けるという意味で3年の経過措置を設けまして、当面は400本に統一し、3年後には200本にすることとしております。その間、お客様に混乱を与えないように、また免税売店等にも御迷惑をかけないように、200本に変えていくということについては十分周知を行った上で、こういう形で見直していきたいと考えているところでございます。

 説明は以上でございます。

森田分科会長  続けて説明をお願いいたします。

錦織業務課長  業務課長の錦織でございます。

 私からは、成年後見制度に係る通関業法上の欠格事由の見直しにつきまして御説明申し上げます。

 お手元の資料5−1の表紙を1枚おめくりください。まずは、この資料の現行の通関制度の概要につきまして御説明させていただきます。

 上の囲みの部分をご覧ください。通関業者・通関士とは何かというところでございます。まず通関業者は、輸出入者からの依頼により、輸出入者にかわって貨物の輸出入に必要な書類の作成や申告等の業務を行う者でございます。通関業者が税関に対して行う内容につきましては、国家試験である通関士試験に合格し、通関業者に雇用される通関士が審査をしなければならないこととされております。

 この通関業法におきましては、依頼者の利益を保護し、適正な通関を確保することを目的といたしまして、通関業を営むためには財務大臣の許可を受けることとしております。また、通関士として業務を行うためには、通関士試験に合格した上で、これも財務大臣の確認を受けなければならないこととされております。

 続きまして、現行の通関業法上の欠格事由について御説明いたします。囲みの下のほうに移らせていただきます。依頼者の利益保護や適正な通関の確保の必要性から、通関業の許可と通関士の確認の際には、通関業法に規定いたします欠格事由に該当しないことの確認を行っております。

 点線の囲みにも例示してございますが、通関業法の欠格事由といたしまして、例えば成年被後見人または被保佐人、あるいは破産者であって復権を得ないもの、あるいは法律違反により処罰を受けた後一定期間を経過しない者、また暴力団員といったものが具体的に規定されております。今回の見直しは、このうち最初の成年被後見人または被保佐人に関するものでございます。

 1枚おめくりいただきますでしょうか。見直しの必要性について上の囲みをご覧いただきたいと思います。本年3月に成年後見制度利用促進基本計画が閣議決定されております。この計画の中では、下線が引いてございますとおり、「成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度については、成年後見制度の利用を躊躇させる要因の一つであると指摘されている」との記述がなされております。

 今後、政府においては、成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度、いわゆる欠格事由について検討を加え、速やかに必要な見直しを行うこととされております。この成年被後見人等を欠格事由として規定いたしております士業は、例えば弁護士法や医師法など多くございます。これにつきましては、政府全体で対応するために見直しの方向で各省において検討が進められていると伺っております。

 続きまして、下の囲みの見直しの方向性についてでございます。今回お諮りする通関業法の見直しの方向性につきましては、次ページに関係条文の一覧がございますので、こちらをご覧いただきたいと思います。この下線が引いてございます通関業の欠格事由といたしましては、現行法の第6条1号に「成年被後見人又は被保佐人」という形式的な規定を、他の法律の例を参考に今後業務を適正に遂行する能力を有しない者である旨の実質的な規定に改めることを検討してはどうかと考えております。

 今申し上げましたのは通関業の欠格事由でございますが、この参照条文の下のほう、第31条でございます。ここには通関士の欠格事由について書いてございまして、現状の31条の第2項第1号に規定されておりますが、この部分につきましては条文の改正は予定してございません。これは、上に書いてあります第6条第1号をそのまま引用しておりますので、通関業と同様に実質的な規定の適用を受けることになるからでございます。

 私からの説明は以上でございます。

森田分科会長  ありがとうございました。それでは、幾つかございましたが、これまでの事務局からの説明につきまして御質問、御意見等ございましたら、御発言をお願いいたします。杉山委員、どうぞ。

杉山委員  成年後見制度の資料の2ページですが、見直しの方向性で「『成年被後見人又は被保佐人』を削除し」とあって、それにかえて「『通関業及び通関士の業務を適正に遂行する能力を有しない者』である」というふうに、ここの文言を変えるという理解でよろしいでしょうか。

錦織業務課長  その御理解で結構でございます。

杉山委員  そうしますと、1ページ目の通関業法上の欠格事由の例として、条文は例示列挙になっていると思うのですが、それと同列でこの文言を入れますと、この文言に例示列挙の内容が全部入ってくるように思うのですが、いかがでしょうか。

錦織業務課長  現在、改正案についてはどういう案文にするか検討中でございますが、イメージとしては、この「成年被後見人又は被保佐人」という部分を、例えばですが、「心身の故障により通関業務を適正に行うことができない者」といったような条文で特定いたしますので、特段の支障は生じないかと考えております。

杉山委員  わかりました。ありがとうございます。

森田分科会長  浦田委員、どうぞ。

浦田委員  最初に御説明いただいた子畜用配合飼料規格の見直しということについて1つ質問したいと思います。これは、同じ例として脱脂粉乳が挙がっていますけれども、それを食品として使う場合には課税する、つまり、食品業界を保護するという意味で課税する一方、それを畜産農家が飼料として使う場合は、そういった農家に対して不利な状況をつくり出さないように無税にするという制度と理解してよろしいでしょうか。

 もしそうであれば、例えば関税を取り除く、つまり自由化するという考えは、こういう議論の中で出てこなかったのでしょうか。一方の目的のためには課税し、もう一方では課税しない、そして、流用されないために新しい規格をつくるという、何か非常に制度を複雑化させているような印象を受けるのですけれども、それを簡素化する、具体的には関税を取り除く、自由化するというような議論はなかったのでしょうか。

森田分科会長  泉課長、お願いします。

泉関税課長  この制度自体は、今先生が御指摘のとおり、国内の生乳生産の維持振興のため、乳製品の需給調整を行うために関税率を課している部分と、畜産振興のための飼料用原料としての無税輸入を両立させるための制度でございます。御指摘は、制度がやや複雑になっているので、重課して、税率をもっと上げてはどうかということでしょうか。

浦田委員  無税にしてしまうということです。

泉関税課長  下げるということですね。これにつきましては、制度創設時の経緯自体は後で確認させていただきますが、いただいている御指摘は、脱脂粉乳に関する関税率は、先ほどご説明させていただいたとおり、産業政策上用途に応じて異なる税率を設定しているものであり、また、国際約束等々で決まっている部分もありますので、税率を動かすという形にはなかなかならないのではないかなというふうに今直感的には思っているところでございます。

浦田委員  要は、流用防止のために措置を設けて、流用されていないかどうかという検査というか、そういったシステムになっているわけですよね。そうすると、そこのところでまた政策が非常に複雑になっているわけで、もっとわかりやすい政策にしたほうがいいのではないかという意見です。

森田分科会長  ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。

 よろしいでしょうか。それでは、時間も押しておりますので、次の議題に移りたいと思います。

 これは事務局のほうから御報告をお願いいたします。どうぞ山崎参事官。

山崎参事官(国際交渉担当)  国際交渉担当の参事官の山崎でございます。

 お手元の「最近の関税政策を巡る国際的状況」の資料に沿って御説明申し上げたいと思います。

 早速ですが、1ページ目をお開きいただけますでしょうか。主要なEPA、FTA、今回御説明させていただきますのはTPP、RCEPを中心に御説明させていただきますが、その主なEPA等の交渉参加国のGDP構成ということで、経済的なインパクトを少しおわかりいただくためにこのような資料を御用意いたしております。

 左上の部分でございますけれども、日EU・EPAは、本年の7月に大枠合意されたものでございます。全体の規模で申しますと、GDPベースで21兆ドルあるということでございます。うち、Brexitが想定されている英国では2.6兆ドルというような状況になってございます。

 それから、RCEPでございますが、これは規模が非常に大きく24兆ドルあり、うち、中国が11.2兆ドルを占めるなど、非常に中国のプレゼンスが大きうございます。

 その右側、TPP11とTPP12が並んでおります。やはり米国のシェアが非常に大きく、TPP12全体で29兆ドルございましたが、うち18.6兆ドル、65%を米国が占めていたというような構造でございます。これが今般、その上のTPP11になり、10兆USドルということになってございます。世界全体のGDPシェアでいえば、その1割強、13%程度でございますので、依然として大きいプレゼンスを有しているということが言えようかと思います。

 その右側でございますけれども、NAFTAについても参考までに掲げさせていただいております。全体で21兆ドルということで、うち88%を米国が占めるということでございます。

 次のページでございます。これはマルチではなく、日米の経済関係についての御報告でございます。先ほどのコンテクストで申し上げますと、日米のGDPの合計額が23.5兆ドルあるということで、非常に大きい経済関係にあるということでございます。

 上のほうでございます。日米経済対話の第2回会合が10月16日にホワイトハウスで開かれてございます。この会合は、麻生副総理とペンス副大統領によるトップの会議でございまして、3つの大きな柱がございます。1つ目は貿易・投資のルール/課題に関する共通戦略、 2つ目が経済及び構造政策分野における協力、3つ目が分野別協力、この3つの柱に沿いまして議論が行われております。

 戦略的にも極めて重要な日米関係をさらに深化させるために、今後とも建設的な議論を進めていく重要性について確認がなされております。この会合におけます成果物としまして、各柱についての両国間の議論の進捗、成果を確認した共同プレスリリースが公表されてございます。

 なお、本会議におきましては、米側のほうから貿易赤字に関する考え方が示されたということでございますけれども、日本側からは、日本企業の投資が米国の雇用創出に貢献しているといったことをデータに基づいて丁寧に説明をしたということでございます。今後の日程につきましては、また事務レベルで調整をするということになってございます。

 それから、下の部分、日米首脳会談でございます。11月5日から7日までトランプ大統領が来日いたしまして、6日に日米首脳会談が開催されてございます。会談では、第2回の日米経済対話の成果を歓迎した上で、日米両国が地域に広がる高い基準の貿易投資ルール作りを主導していく、第三国の不公正な貿易慣行に対するエンフォースメントに関する協力を進めていく、さらに、地域、ひいては世界における開発・投資に関する支援の面で力強くリードしていく、こういう考えであることで一致したところでございます。

 なお、トランプ大統領からは、日米FTA、あるいは牛肉セーフガードに関する言及はなかったところでございます。

 次のページでございます。ベトナム(ダナン)におけますTPP11交渉の結果でございます。私も現地に行ってまいりまして、その交渉の推移を見守ってまいりましたけれども、経緯を申し上げますと、本年1月にアメリカがTPPから離脱を宣言し 、その後、3月にチリで閣僚会合が開かれ、5月にハノイで閣僚声明が出されております。

 ハノイの閣僚声明では、やはり米国抜きでも各国がTPPの早期発効を追求すべきであろうということで一致をいたしまして、その後、高級事務レベル会合が随時行われております。7月には箱根、8月にはシドニー、9月には東京、10月には舞浜ということで、毎月のように交渉を重ねてきたわけでございます。そこで、11月9日のTPP閣僚会合にて、新協定の条文、凍結リスト等を含む合意パッケージに全閣僚が合意したということでございます。

 交渉の中身は大きく2つございまして、そもそも新しい協定をどのような協定にするのかという交渉と、もう1つは、米国の強い主張で入ったような条項について、それを凍結すべきであるという意見もございましたので、それをどの範囲にするか、この2つの交渉が非常に大きな論点でございました。結局、11月の閣僚会合で凍結項目の内容、それから新協定の条文について合意がなされたところでございます。

 皆様、報道で御案内かと思いますが、この翌10日にTPP首脳会合を開いて、各国首脳がこの成果をエンドースするということも考えられていたのですけれども、カナダの首相より、閣僚合意について、首脳レベルで確認する段階ではないとの主張があり、首脳会合は延期されました。そこで、急遽、その日の夕方からまた閣僚会合が開かれまして、改めてその合意内容の文章について丁寧に確認をした上で、合意をして閣僚声明が作成されたところでございます。

 結局、この合意に至るまで、先ほどの実質的な交渉でいえば、7月の箱根の会合から11月のTPP閣僚会合の合意ということで、実に4カ月間で合意に至ったということで、非常にスピード感を持った対応であったのではないかと考えてございます。

 中でも、日本はこの交渉を主導いたしまして、まさに高級事務レベル会合も、箱根、東京、舞浜と日本で数多く開いてまいりましたし、交渉の中身におきましても、先進国と途上国の間に立って調整を行ってきたわけでございます。さらに、11月の閣僚会合では日本はベトナムとともに共同議長を務めましたし、また、プレスリリースでは茂木大臣とベトナムのアイン大臣が共同記者会見を行った、このようなことになってございます。

 2番目の新協定の内容でございますけれども、名称は「包括的及び先進的な環太平洋パートナーシップ協定(Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership)」ということでございます。

 条文の概要でございますけれども、第1条はTPP協定の組込みということでございまして、実はTPP協定は8,000ページに及ぶ非常に大部にわたる協定であるところ、これを一から直したものを、また8,000ページのものをつくって、それぞれの議会に諮るか、あるいはそれを参酌する形でインコーポレートするという2つのやり方があったわけでございますけれども、今回は後者のほうで、TPP協定を横に置いて、それを参酌するというような形になってございます。

 第2条が、先ほど申し上げました凍結項目でございます。詳細は後ほど御説明申し上げます。

 第3条の効力発生でございますけれども、11か国のうち、6か国の締結完了が要件となっております。

 4条、5条は脱退、加入ということで、これはTPP12とほとんど変わりがございません。

 6条は、本協定の見直しの規定になってございます。これも後ほど御説明申し上げます。

 次のページをお開きいただきたいと思います。主な凍結項目でございます。凍結項目は全体で20項目ございまして、これを絞り込むのがこれまでの交渉の課題であったわけでございます。TPP12は600条の条文でございまして、附属書を含めれば1,000条ございます。そのうちの20項目ですので、なるべく凍結を最小限にとどめたと言うことができようかと思います。

 具体的な凍結項目でございますけれども、急送少額貨物につきましては、締約国に一定額以下の急送貨物の関税免除について定期的に検討することを義務付けた規定がございます。これを凍結しておりますが、この凍結した部分は定期的に検討する部分のみでございまして、一定額以下の貨物について関税免除を義務付けた規定は凍結されてございません。

 それから、締約国が投資の許可、合意に違反した場合に、投資家等がISDSに基づいて国際仲裁に訴えることができるという規定がございました。この部分は、一般的な投資のルールに従って内国民待遇とか、そこに違反した部分については当然引き続きISDSに訴えることができるのですが、それプラスアルファで投資の許可、合意というのは、いろんなEPAでもとれたりとれなかったりという質の高い部分でございますので、そこはやむを得ないということで今回凍結の対象になってございます。

 それから、生物製剤でございますけれども、これはバイオ製剤のデータ保護期間でございます。御案内のとおり、TPP12交渉においてアメリカとオーストラリアで非常にもめたもので、8年間ということで最後決まったものでございます。これについても凍結になっているということでございます。

 先ほど、アメリカの主張に伴って入れたものを凍結しようという話がありましたけれども、それは単にレベルを下げようというものではなくて、例えばバイオ製剤のデータ保護期間については、これをこのまま凍結しないでいると、各国が国内法制を整備しなければならなくなり、アメリカがフリーライドできる形になってしまうということで、むしろアメリカの復帰を促すインセンティブになるという面もあるという評価ができようかと思っております。

 このような凍結はございましたが、関税局の主要関心分野であります貿易円滑化、知的財産の国境措置、原産地規則につきましては、TPP12の合意がほぼそのまま維持できたと評価できようかと思っております。

 なお、詳細を署名までに具体化すべき項目といたしまして、マレーシアのペトロナスという国有企業に関する留保表、それからブルネイの石炭産業に関しますサービス・投資章の留保表、ベトナムの労働章に関する紛争処理の3つ、それからカナダから文化例外──これはフランス語文化の保護に関するもので要望が出てきております。これらについては署名日までに決着をつけるということになってございます。

 なお、見直し条項でございますけれども、4番目に特出しさせていただいております。TPP12の発効が見込まれる場合または見込まれない場合に、いずれかの締約国の要請があったときは、TPP11協定の改正等を考慮するため、この協定の見直しを行うとされてございます。

 同じようなTPP12が発効するのであれば、その11と12の調整をどうしようかという調整を行うのは当然でございますけれども、TPP12の発効が見込まれない場合にも協定の見直しを行うこととされてございます。その心は、今のTPP12の例えば関税割当、あるいはセーフガードの基準数量については、アメリカが参加することを前提に数量を設定してございます。

 したがいまして、今回アメリカが抜けたことに伴って、これを縮めるかどうかという議論も当然出てくるわけでございますが、今回のTPP11の交渉では、各国はマーケットアクセスについては要望しないというルールがございまして、そのルールに従って、結局今回はマーケットアクセスについては議論をなされなかったということでございます。他方で、アメリカがTPP11に入ってこないということであれば、やはりそこはTPP12ワイドでいいのかどうかというところは、改めて協議の上、協定の見直しについて議論が行われるというようなことを確保したということでございます。

 お時間の都合もございますので次のページは省略させていただきまして、RCEPの交渉状況でございます。交渉の経緯といたしましては、2012年にASEAN関連首脳会議で交渉立ち上げが宣言されまして、2013年以降交渉を行ってきてございます。閣僚会合で申しますと合計9回の開催が行われておりまして、今月、11月14日にはRCEPの首脳会議がフィリピンのマニラで行われてございます。

 実は、ASEANは創設50周年ということで、本年にかける意気込みも関係国は非常に強うございましたが、結局大筋合意といったところには届かなかったところでございます。ただ、首脳会議での共同声明では、現代的、包括的、かつ質の高い互恵的な経済連携協定を達成する、市場アクセス、ルール、協力の3本柱における成果を出すことで、協定の妥協にコミットする、RCEPの妥結に向けて2018年に一層努力する、ということが確認されてございます。

 今後の交渉予定でございますが、現在調整中でございます。インドネシアが2月上旬に21回の交渉会合のホストをしたいと申し出ている状況でございます。

 御説明は以上でございます。

森田分科会長  ありがとうございました。それでは、続いてお願いいたします。

松田事務管理室長  事務管理室長の松田でございます。

 私からは、NACCSの運用、開発を行っております輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社の在り方を御報告させていただきます。

 1枚資料をめくっていただきますと、NACCSセンターと私どもは申してございますが、こちらは昭和52年の10月に成田空港の開港に合わせまして、官民共同出資の認可法人として設立されておりますけれども、その後、独立行政法人を経まして、平成20年10月に現在のような株式会社として発足しております。

 株式会社化に当たりましては、平成19年の12月に独立行政法人整理合理化計画というのがございましたが、その前に本審議会におきましても御審議を賜っておりまして、1ページの下にありますような答申をいただいております。

 これを受けまして、20年通常国会で私どもは当時のNACCS特例法という法律に株式会社化するために必要な規定などを盛り込んだNACCS法というものに改正をいたしまして、必要な法令を整備したところでございます。

 1枚めくっていただいて、資料の2ページ目には、NACCS法に基づくセンターに対する国の関与等を簡単に整理したものを掲げてございますけれども、ここの一番下にございますように、センターの在り方の検討ということで、改正法の附則の第24条に「政府は、この法律の施行後十年以内に、この法律の施行の状況等を勘案しつつ、会社の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に応じて所要の見直しを行うものとする」という規定がございまして、この改正法の施行が実は平成20年の10月1日でございます。したがいまして、来年の9月末には施行後10年になりますので、この機会にセンターに関連する改正法の実施状況等の現状について御報告を差し上げたいということでございます。

 同じページの上に、NACCS法の7条にございますように、政府は、会社の議決権の過半を保有しなければならないとしている一方で、改正のときの附則で、政府は、また、保有義務がない株式についてはなるべく早期に売却するようにとも求められておりまして、これを受けて政府は、昨年3月ですが、当初100%保有しておりました1万株のうち、半数の1株を上回る5,001株を残して、残りの4,999株については一般競争入札で売却をしたところでございます。

 1枚めくっていただきまして、株式会社後のNACCSセンターの状況でございますが、株式会社化を決めた閣議決定におきましては、あわせてNACCSの利用料金の引き下げについて求められておりましたけれども、平成20年の10月に海上機能を更改したとき、続いて22年2月に航空機能を更改したときに、それぞれ大幅に利用料金を引き下げておりまして、特に国に対する申告、申請等に係る業務については原則無料化したということでございます。

 その後、今年の10月になりますけれども、NACCSセンターは、平成22年の海と空のシステムの統合以後初めてになります全面的なシステム更改を約8年ぶりに実施いたしまして、過去に例のない大規模な更改でございましたけれども、ほぼ無事に完了しているところでございます。

 NACCSセンターでは、株式会社になって以降、NACCSの利用料金を引き下げたりした中で、政府からの補助金等は一切なく必要な利益を確保してございまして、経営情報を積極的に公開する等、効率的かつ透明性のある経営の推進に努めているところでございます。

 NACCSは、株式会社後の9年間におきましては、国の他のシステムとの統合も進めておりまして、税関手続のみならず、貿易手続や港湾、空港における入出港手続全般の電子化を主導してきておりまして、重要な国の施策でありますところの貿易の円滑化に大きく貢献をしてきてございます。

 また、例えばこの10月の更改に合わせまして、税関におきましては輸出入の申告官署の自由化を実施したわけでございますけれども、こちらにつきましても、NACCSの利用を前提としたものになってございます。

 最近では、これらに加えまして、東京オリンピックやパラリンピック等を迎えまして、テロ対策をはじめとする水際での取締りを効率的に推進していくために必要となりますさまざまな事前情報を関係の事業者から電子情報として提出していただくために、NACCSをプラットフォームとして使っているところでございます。

 最後のところのオレンジ色の枠になりますが、今後ともNACCSが国際物流の基幹システムとして貿易の円滑化を主導し、国民の安心・安全の確保など国の施策を確実かつ適切に実施していくためには、現在と同様に国がセンターに関与いたしまして、公平、中立かつ安定的な運営を確保する一方で、民間活力による業務運営の効率化を図ることができるバランスのとれた体制を引き続き維持していく必要があるのではないかと私どもは考えてございます。

 なお、政府といたしましては、センターの過半の議決権を有している株主といたしまして、センターの経営陣とともに、NACCSのさらなるコスト削減、あるいは民間利用者の利便性の向上を図る観点から、最新の技術動向等を踏まえ、将来のシステム設計等に関する検討なども今後進めていかなければいけないのではないかと考えているところでございます。

 早口になりましたが、私のほうからは以上でございます。

森田分科会長  ありがとうございました。それでは、最後に泉関税課長、お願いします。

泉関税課長  前回の関税分科会において、現行の暫定税率の対象品目である418品目に関しまして、事務局としてはどういう検討を行って、来年度改正で暫定税率を維持する、もしくは基本税率化を行うという方向になったのか、そのプロセスとか検証過程をわかるようにすべきではないか、という御指摘をいただいておりました。そこで御報告をさせていただきます。

 「暫定税率の取扱い」という資料をご覧ください。この図表の一番右下にあるとおり、現在、暫定税率の対象品目は418品目でございます。このうちの大宗の約9割、379品目は、青色の部分ですが、農産品でございます。ちなみに、「等」というのは皮革製品でございます。

 こうした品目、青の部分ですけれども、関税割当制度の対象品目やウルグアイ・ラウンド合意に基づいて関税化された品目などとなってございます。

 これらについては、矢印のところで記しておりますが、基本税率とは別に、国際約束した市場アクセス機会を無税などで提供する一方、それを超える輸入に対しては高い税率を暫定税率として設定しているという品目でございます。2つ目の矢印ですが、これは牛肉などが典型でございますけれども、基本税率とは別に、関係国との協議結果に基づいて自主的に低い税率を暫定税率として設定しているといった品目でございます。

 こういった品目につきましては、毎年度、直近の輸入動向や国内の供給見込みですとか、消費や価格動向を踏まえる必要があり、また、毎年度その時点での国際交渉の展開を見きわめる必要がございます。こういった観点から、これらについては基本税率ではなくて、税率としては暫定税率として維持する必要があろうという整理を行っているものでございます。

 次に、黄色い部分ですが、ここは鉱工業品でございます。このうち、輸入品の価格によって関税率を変動させていたという品目、具体的には銅、鉛、亜鉛といった26品目でございます。これは、安い輸入品には関税を課し高い輸入品は無税とする、すなわち、関税率を変動させるスライド関税の対象品目でございます。

 これにつきましては前回御説明いたしましたが、これまで無税点、すなわち、この価格より上は税率を無税とするという無税点価格を柔軟に変動させていたわけですけれども、国際交渉の結果、無税点を超える価格というものが協定で無税とされたわけですから、もはや今後、無税点を動かす、その結果税率見直しを行うという蓋然性が認められなくなったことから、来年度改正において現行の暫定税率の水準を基本税率化してはどうかということをお諮りしたものでございます。

 もう1つの類型は一番下でございまして、産業政策上の要請から、基本税率とは別に、暫定税率の設定を行う必要がある品目でございまして、石油化学製品製造用の揮発油、すなわちナフサ等への税率でございます。これについても前回の分科会でも御説明いたしましたが、基本税率化の要望はあったものの、もうしばらくは我が国産業への影響等を検証していく必要があろうということで、暫定税率を維持することとしてはどうかという整理を行っているものでございます。

 したがいまして、現行の暫定税率418品目のうち、銅、鉛、亜鉛の26品目については、暫定税率をやめて基本税率化を行い、残りの392品目については暫定税率を維持延長してはどうかということでお諮りをしているわけでございます。

 以上、前回の分科会でいただきました御指摘について御報告させていただきました。

森田分科会長  ありがとうございました。いろいろございますし、時間も押しておりますが、御意見、御質問等ございましたら、御発言をお願いいたします。

 よろしいでしょうか。それでは、最後に事務局から連絡事項がございますので、泉関税課長より御説明をお願いいたします。

泉関税課長  当分科会の終了後に引き続き当会場におきまして企画部会を開催いたします。大変恐縮ですが、企画部会の委員の方におかれましては、そのままお待ちいただきますようお願いいたします。

森田分科会長  ありがとうございました。それでは、本日をもちまして、平成30年度関税改正項目につきまして委員の皆様に一通りの御審議を賜りましたので、今後、当分科会におきましては、答申を取りまとめる作業に移ることとなります。次回の分科会におきまして、これまでの御審議の内容を踏まえた答申案を御提示させていただき、御審議賜ることにしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 なお、次回の関税分科会の詳細につきましては事務局と調整の上、別途御連絡申し上げたいと思います。

 本日は、私の不手際もございまして少し時間をオーバーしてまいりましたけれども、これで終わらせていただきます。御多用中のところ御出席をいただきまして、誠にありがとうございました。

午前11時45分閉会

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