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関税・外国為替等審議会 関税分科会 (平成28年11月24日開催) 議事録

本稿は、平成28年11月24日の関税・外国為替等審議会 関税分科会の議事録です。

 

午後3時30分開会

森田分科会長 時間も参りましたので、ただいまから関税・外国為替等審議会関税分科会を開催いたします。
 委員の皆様方には、御多用中のところ、また足元の悪い中、御出席をいただきまして、ありがとうございます。
 それでは、本日の議事に入らせていただきたいと思いますが、本日の議題はお手元にお配りしている議事のとおりでございます。
 前回の関税分科会におきましては、平成29年度関税改正検討項目について審議を行っていただきました。本日の関税分科会におきましては、前回に引き続き平成29年度関税改正検討項目について審議を行っていただきたく予定としております。
 なお、事前に御案内をしているところでございますが、本日につきましても第1回関税分科会と同様、試行的にタブレット端末により資料の説明をさせていただく予定でございます。まだ運用を開始したばかりであり、御不便をおかけいたしますが、御理解の程よろしくお願いいたします。
 それでは、早速ですが、事務局より説明を受けたいと思いますので、御意見、御質問等は後でまとめてお受けすることにしたいと思います。
 それでは、事務局、よろしくお願いいたします。
山崎関税課長 関税課長の山崎でございます。よろしくお願いいたします。
 お手元の資料の確認をさせていただきたいと思います。まず、紙でお配りしているものでございますけれども、本文編と資料編がございます。本文編、資料編それぞれの最後に「会議後回収」という資料6−1、資料6−2という資料がございます。こちらのタブレット端末の中ではそれぞれ本文編、それから資料編に分かれましてPDF化されております。それぞれのPDFをご覧いただくときには、エスケープのボタンを押していただいて、それぞれの必要なファイルをクリックしていただければご覧いただける形になってございます。本文編及び資料編について交互の御説明になりまして恐縮でございますが、早速御説明に入らせていただきたいと思います。
 まず、本文編の資料でございます。資料1−1、特恵関税制度の見直しでございます。
 特恵関税制度は、1.の(1)にございますように、開発途上国の支援のための制度でございます。開発途上国を原産地とします特定の輸入物品に対しましてその関税の減免を行うものでございます。現在143カ国が対象となっております。これは最恵国待遇の例外措置といたしましてGATT等で決まりがございます。我が国におきましては1971年から導入されている制度でございます。
 (3)にございますように、この制度につきましては、いわゆる卒業という制度がございます。平成12年度から全面卒業制度を導入し、世界銀行の統計で3年連続して高所得国に該当しました国につきましては、経済発展を遂げたということで卒業してもらうことになっております。
 次の2ページ目でございます。高所得国に関します特恵適用の除外措置で、これは卒業の前の段階の部分卒業についての説明でございます。3年連続で高所得国になれば卒業となりますが、その前に1年間だけでも高所得国に該当した国で、かつ、特定の品目について輸入額10億円超、それから輸入シェア25%超であれば、高所得国からの一定の競争力を有する品目の輸入であるということで特恵適用が1年間除外される仕組みがございます。
 それから、御説明申し上げた卒業とは全く制度が違うのですけれども、Bで国別・品目別の特恵適用除外措置がございます。これは、全ての特恵対象国に対し、国際競争力の高い品目については除外をしようというものでございまして、輸入額が15億円超、同一物品の輸入シェアが50%超であれば3年間除外される、このような仕組みになっております。
 次の3ページ目でございます。一般特恵関税制度の適用実績でございますけれども、今の特恵対象国の中でも新興市場国が多く含まれております。これらの国が順調に経済発展を遂げまして、特恵制度の対象とし続けることの意義があるかどうかということから、除外してはどうかと考えております。また、その適用実績を見ますと、その便益を享受しております国が一部の高中所得国に偏在してございます。また、海外に目を転じますと、ここ2年間でEUとカナダで高中所得国を特恵対象から除外する制度改正を実施しております。
 3ページ目の(2)以下でございますけれども、このような中で、我が国としては高中所得国を特恵の卒業対象に含めればいいのではないかと考えられますが、現時点での統計ですと50カ国が該当するということでございまして、一度に50カ国を卒業させることは少なからぬ影響も予想されます。
 次のページでございます。輸出競争力という観点から、カナダでも使っておりますけれども、世界の総輸出額に占める当該国の輸出額の割合が1%以上であることを所得基準に加えて設定してはどうかと考えております。
 また、(4)部分卒業でございます。これは1年でも該当すれば競争力のある品目を除外するという仕組みでございますけれども、これも今回の見直しにあわせて、高中所得国に該当し、輸出シェア1%以上に1年でも該当すれば除外することにしてはどうかと考えております。
 なお、品目の区分でございますけれども、今、国別・品目別の特恵適用除外措置につきましては、国際競争力の実態をより把握しやすいということで、鉱工業品につきましては4桁単位で把握しております。したがいまして、この制度におきましても鉱工業品は品目番号4桁としてはどうかと考えております。
 それから、5ページ目でございます。こういった仕組みは、事業者、消費者あるいは卒業国に一定のインパクトを与えるものでございますので、経過措置を設けてはどうかと考えております。したがいまして、関係者が必要な対応をとれますよう、部分卒業は平成30年度、全面卒業は平成31年度とすることが適当ではなかろうかと考えております。また、経過期間中、必要に応じまして、物資所管省庁とその税率の再検討をしていきたいと考えております。
 それから、6ページ目でございます。平成29年度の特恵除外措置の適用でございます。これは、従前の制度に基づきまして卒業等をしていく国でございますけれども、1.にございますように、過去3年連続で高所得国に該当した国、ウルグアイ、セントクリストファー・ネーヴィス、チリの3カ国については来年4月から卒業することでどうかと考えております。また、27年におきまして、部分卒業で該当します品目はアルゼンチン産のぶどう搾汁でございました。国別・品目別の特恵適用除外措置の対象につきましても必要な追加を図りたいと考えております。
 次に、承認工場制度に係る配合飼料の原料品の見直しでございます。これは、資料編をもとに御説明を申し上げたいと思います。資料編2−2の1ページ目でございます。これは家畜の飼料についてでございます。例えば飼料に使うとうもろこしでございますけれども、とうもろこしは、一般に輸入しようとしますと50%程の関税がかかってまいりますけれども、家畜の飼料用であれば、畜産農家の経営の安定確保の観点から関税を無税とする仕組みになっております。ただし、飼料の配合等は税関長が承認する承認工場というところで行うことになっております。
 その承認工場で配合するものにつきましては関税定率法の施行規則で細かく決まりがございます。例えば、たん白原料については魚粉等の動物性たん白原料に限られた対応になっておりますけれども、これに大豆油かす等の植物性たん白原料を加えることができれば、その飼料の価格低減に資することが期待されるため、特定の植物性たん白原料も配合することができるたん白原料として追加してはどうかと考えております。
 また、とうもろこしでございますけれども、現在、国内では飼料用とうもろこしの栽培も始まっておりますので、そういったものも使えるようにしてはどうかと考えております。
 それから、また本文に戻っていただきまして恐縮でございます。資料3−1、到着時免税店制度の設置でございます。現在の携帯品免税制度でございますけれども、1.の(1)にございますように、海外旅行者等がその入国の際に携帯して輸入する物品のうち、個人的な使用に供するものにつきましては、国際慣行等を踏まえまして一定の範囲内で、関税及び内国消費税が免除される仕組みがございます。具体的な制限につきましては注1にあるとおりでございます。
 (2)でございますけれども、本邦におきまして外国貨物を取り扱って免税販売を行うためには保税蔵置場の許可が必要となっております。現在、出国の旅客ターミナルでは、保税蔵置場の許可を受けましたブランド品の販売店などが免税店ということで店舗を展開しております。他方で、入国エリア内にはこうした免税店は設置されていないのが現状でございます。
 2.以降でございますけれども、これは国土交通省からの御要望ですが、観光ビジョン実現プログラム、それから日本再興戦略等を踏まえまして、入国旅客の利便性の向上を図って、外国で購入された免税品を国内に取り込むことによる日本経済の活性化を目的として到着時免税店を設置してはどうかという御要望をいただいております。
 (2)の検討にございますように、入国旅客の利便性の向上を図る必要性は認められると思われ、また、従来、外国や機内で購入された物品への携帯品免税適用の延長線上のものであって、現在の制度の枠内で実施される限りにおいては関税実務等に与える影響は限定的と思われるところ、要望のとおり認めることとしてはどうかと考えております。
 次の特殊関税制度の見直しでございます。また、資料編をご覧いただくこととなり大変恐縮でございます。資料編4−2の1ページでございます。特殊関税制度の見直しは、いわゆるアンチダンピング等でございます。ダンピング等によって損害を受けた企業が政府に対して課税をして欲しいという申請をして、政府で調査を開始し、要件を満たしていると判断される場合には課税が行われるというのがアンチダンピング課税に至るまでのフローとなっております。これは経済産業省からの要望でございますけれども、最近、独占禁止法の適用等を恐れて、企業間での情報交換、率直な意思疎通が困難になっている中で、申請者側で集められるデータに非常に制約がかかっており、そのような中にあって、なるべく申請の負担を軽減することで適切な課税につなげるような仕組みを構築することについて御要望をいただいたわけでございます。
 「現行」それから「見直し後」の内容を示したものが頁の下のほうにございますけれども、まず「現行」につきましては、申請者の生産高がAの25%以上であれば申請可となっているものです。このAと申しますのは国内生産者全体でございます。国内生産者の中には、通常の生産者、専ら生産を行う企業もあれば、輸入もするし生産もするという企業もございます。WTO協定上は、このような輸入生産者を除外することが可能になっておりますところ、申請者の生産高で見る要件については輸入生産者等を除いたCのベースで申請をできることとしてはどうかと考えております。
 それから、課税申請時の損害に係る証拠でございますけれども、本邦の産業全体の生産高の50%超を占める企業の損害を証明しなければいけないという現在の仕組みでは、非常に詳細なデータを求めてきたわけでございますけれども、申請者が提出する証拠は合理的に入手可能なものとしてはどうかと考えております。
 また、調査開始に関します要件につきましても、生産高ベースでCに属する支持者、つまり、輸入生産者等を除いたところに含まれる者の中でこの課税を支持する者が、その中にいる反対をしている者と輸入生産者等の合計より大きい場合には調査を開始することになっておりました。一方、WTO協定ではこのBを除いてもいいことになっておりますので、それに平仄を合わせる形で、Cに属する支持者がCに属する反対者を上回れば調査を開始することとしてはどうかと考えております。
 それから、申請者が課税申請の支持状況を調べるのですけれども、どうしても自分たちでは調べ切れない部分がございます。そういった意味で、申請者の申請の補助として物資所管省庁が支持状況を確認することができるようにしてはどうかと考えております。
 私からは以上でございます。
 続きまして、監視課長からの御説明でございます。
福田監視課長 監視課長の福田といいます。
 お手元の本文の資料5−1、1ページ目を開けていただけますでしょうか。事前報告制度の拡充ということで、タブレットの本文に加え、紙でお配りしております資料を一部参照させていただきたいと思いります。
 まず、1ページの事前報告制度でございますけれども、これはもともと米国等のテロとの関係から、世界各国の税関におきまして、貨物、旅客等の情報をできるだけ早く入手するという形で進められてきた制度でございます。我が国におきましては、2019年にラグビーのワールドカップ、2020年には東京オリンピックが控えておりますので、このテロ対策関連の取締りをより充実していく必要があると考えております。先日、観光庁の資料が発表されましたけれども、今年の訪日外国人の旅行者数はもう既に昨年を上回り、10月現在で2,000万人を超えております。今年中には2,400万人ぐらいに達するのではないかとの報道もあります。2020年に4,000万人という政府の目標が出ておりますので、税関としても、これらの多くの人を円滑に通関していくのはもちろんですけれども、入ってきては困る方に対しては取締りの一層の強化を進めていくべきかと思っております。
 この事前報告制度ですけれども、これまでもこの審議会でいろいろ議論していただきまして法制化を順次進めてきております。入出国のAPI、入国PNR、それから海上コンテナ貨物に係る出港前報告の原則化など、こういう種々の改善をしてまいりました。本日は、東京オリンピックを迎えますので、その前年までには事前情報を確実に入手し、東京オリンピックに備えたいという意味で、今まで導入してきました事前報告制度の拡充として、情報の充実、早期化及び電子化について取り組みたいと思っておりますので、その内容を説明させていただきます。
 次のページをお願いいたします。まず、航空機旅客に係る出国PNRでございます。現在、出国につきましては、APIは入手しておりますけれども、PNRは入手しておりません。税関におきましては、従来、出国時のAPI、これは出国の直前に来るものでございます。こういう情報で要注意旅客を選定しておりましたけれども、出国PNRですと1日前ぐらいに入手することが可能となりますので、できるだけ早い段階で入手して、これらを活用した効率的な検査体制がとれるような形にしたいと思っております。
 この出国PNRでございますけれども、既に航空会社は諸外国における出入国の手続のための入国PNRも持っており、出国PNRはこれと同様の内容であるため、特段新たな負担になることはないと考えております。特に米国、オーストラリア、メキシコ、韓国等は既に出国PNRを入手している状況でもありますので、我が国としても早期に入手に取り組みたいと思っております。
 続きまして、(2)の航空機に係る入国APIの報告時期の前倒しでございます。現在、入国APIは、航空機の入港の90分前に税関に提出していただく形をとっておりますけれども、こういう事前情報というのはできるだけ早く入手するのが良いと思っております。従いまして、諸外国の状況等を調べましたところ、外国の空港を出発したときに既に求めている国もありますし、航空会社によっては、出発後直ちに提出しているところもありますので、現在の90分前から相当程度前倒ししたく、航空会社の理解が得られれば、外国の空港を出発した段階で入手できるように今後作業を進めていきたいと思っております。
 それから、3ページ目、航空貨物の関係でございます。お手元資料編5−2の5ページをお開きいただきたいと思います。航空貨物につきましては、現在、入港の3時間前までにどういう貨物を積んでいるかという情報を税関に報告していただくことになっております。このページの「現行」のところを見ていただきますと、マスター・エアウェイビル情報は航空会社が持っている情報ですけれども、貨物の仕出地、仕向地と記号、番号等を原則として入港の3時間前に提出していただいております。マスター・エアウェイビルの下に「改正(案)」が記載してありますけれども、荷送人の氏名、住所、荷受人の氏名、住所名については現在報告を求めておらず、また、ハウス・エアウェイビルと申しまして、航空貨物というのは大多数が混載貨物になりまして、一つのコンテナーの中に複数の荷受人の貨物が入っておりますが、こういう情報も今まで求めておりませんでしたので、実際の荷受人が誰であるかというのが、入港の3時間前までには把握できない状況があります。今回の改正におきましては、貨物の輸入者である荷送人の氏名など、ハウス・エアウェイビルに係る情報を入手する形に変更したいと思っております。
 このマスター・エアウェイビル、それからハウス・エアウェイビルの情報につきましては、米国、カナダ、EU、オーストラリア、アジア諸国もほぼ入手していまして、むしろ日本は既に後れている状況にございます。そういう意味でも、これに早期に対応したいと考えております。
 それから、(4)のNACCSによる報告の原則化でございます。今まで御説明させていただきました入出国API、入国PNR、それから航空貨物の積荷情報でございますけれども、これはNACCS又は書面のいずれかで提出をしていただくことになっております。しかしながら、情報というのは電子的に入手するのが最も望ましいと思っておりまして、今後、原則としてNACCSによって報告を求めたいと考えております。
 NACCSによる報告を原則化した場合ですけれども、NACCSは、インターネットの環境さえ整えばnetNACCSという形で報告することは可能となっております。インターネットの環境というのは大多数の方はお持ちですので、これに対応するための準備時間と、それから官民でのシステム開発に多少の時間は要しますけれども、2年程度の経過期間を設け、平成30年度末までには電子的に報告をするということに取り組みたいと考えております。
 ただし、これについて、インターネット環境等の事情により、通信設備が十分に整っていない場合など、NACCSでの報告ができないという場合には、例外を認めることが適当ではないかと思っております。
 最後に、特殊船舶等に係る出港手続でございます。申し訳ありませんが、資料編5−2の7ページを開けていただけますでしょうか。この表には、外国貿易船等とか特殊船舶等と記載しております。外国貿易船等は外国との間で貿易をする船舶等をいいます。特殊船舶等といいますのは、クルーズ船やプライベートジェットなどをいいます。こういうものにも税関の手続が必要なのですけれども、ここに「×」と書いてあるところは、現在、税関の手続が必要ないものになっております。例えば特殊船舶が港に入港したとき、入港後の届出は必要となりますけれども、出港する際の届出は法律上特に必要とされておりません。税関に届出をしなくても出港していいことになっているわけですけれども、このあたりをきちんと整理すべきではないかと考えております。
 次に資料編5−2、8ページの資料を見ていただけますでしょうか。我々の取締りは、基本的には外国貿易船、外国貿易機を取締りの対象としてきました。しかし、資料にありますように、昨年、プライベートジェット機に金塊を隠していた事例、それから、外航ヨット、これは沖縄の事例ですけれども、台湾からヨットに覚醒剤を隠匿した事例が発見されております。
 そういう意味で、外国貿易船等だけでなくて、こういう特殊船舶等についても適正に税関手続をとっていただく必要があるという意味で、全ての船舶関係の手続は何らかの形で税関の手続を行うように整備していきたいと考えております。
 あわせまして、出国APIも、今、外国貿易船等は求めておりますけれども、特殊船舶につきましても対象にしたいと考えております。
 最後に、本文の5ページでございますけれども、東京オリンピックに向けましたテロ対策の一環としまして、遅くとも平成30年度末、東京オリンピックは多分平成32年7月頃ですので、その1年以上前までには今申し上げましたAPIとかPNRとか航空貨物の関係の情報を今よりも充実させること、早期に取得すること、そして、電子的にNACCSによって取得すること、それから、今まで手続面で不要としていた特殊船舶等につきましても手続を行わせるという形で、東京オリンピックに向け体制を整えていきたいと考えております。
 以上で説明を終わります。
中澤調査課長 調査課長の中澤でございます。お手元の資料6-1、電子データのほうは「会議後回収」とついているデータになると思いますので、そちらをご覧いただければと思います。
 お手元の資料に基づきまして、犯則調査手続の見直しについて御説明させていただきたいと思います。
 まず、1ページと書いてあるところをご覧いただければと思います。現行制度の概要でございます。関税法上の犯罪につきましては、その特殊性、専門性に鑑みまして、関税法第11章に税関職員が行う犯則事件の調査、処分などが規定されているところでございます。税関におきましては、これらの関税法上の犯則調査手続に基づきまして、犯則嫌疑者に対する質問、居宅の捜索・差押えなどを行いますとともに、調査の結果、犯則事実の存在についての心証を得た場合などには、罰金に相当する金額などを税関に納付すべき旨を通告する通告処分及び告発を行っているところでございます。
 なお、輸入される外国貨物につきましては関税のほか内国消費税等が徴収されることになりますが、輸入に係る内国消費税の犯則事件の調査及び処分につきましては、輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律によりまして、税関が国税犯則取締法の規定を適用して行っているところでございます。
 続きまして、1ページ目の後段の見直しの背景でございます。経済活動のICT化などの進展に伴いまして、脱税事件を取り巻く環境も急速に変化してきているところでございます。他方、先ほど言及いたしました国税犯則取締法につきましては、昭和23年の改正以降ほぼそのままの姿で今日に至っておりまして、こうした環境の変化に対応した証拠収集が困難になってきていることから、現在、国税犯則調査手続の見直しが検討されております。
 現在行われています見直しの中で、平成23年に刑事訴訟法に措置されました電磁的記録の証拠収集手続を参考として整備すべきと考えられている事項、同時に関税法上の犯則調査手続とのバランスをとること、この2つの観点から、刑事訴訟法や関税法などの規定を参照しつつ見直しが国税犯則取締法について行われているところでございます。
 ここで税関を取り巻く環境に戻りますと、これは同じようなところでございますが、依然として深刻な状況が続いております不正薬物の密輸入などの犯則事件に厳正に対処するために、税関におきましてもICT化への対応は同様に必要だと考えております。また、税関は、関税法と国税犯則取締法の両法を執行しておりますことから、両法の手続の調和を図る必要があるというふうにも考えております。
 ここで1ページおめくりいただきまして、2ページ目をご覧いただければと思います。3.の検討のところに入りたいと思います。以上申し上げましたような背景を踏まえました改正の検討でございまして、現行の関税法に規定のない以下の項目につきまして関税法上の犯則調査手続への導入を検討する必要があると考えておりますので、御説明したいと思います。
 まず、(1)電磁的記録に関する証拠収集手続のところをご覧いただければと思います。平成23年の刑訴法改正を踏まえまして、国税犯則調査における電磁的記録に関する証拠収集手続の整備の検討がなされている状況でございますが、具体的には以下の5点でございます。
 1点目でございますが、電磁的記録に係る記録媒体の差押えの執行方法でございます。こちらは差押えるべきものがパソコンもしくはサーバなどの記録媒体であるときには、これらの媒体自体の差押えに代えまして、これらの媒体に記録された電磁的記録を他の媒体、例えばUSBメモリを想像していただきたいと思いますが、そういうものに複写などをした上で、そちらの他の媒体を差押えることができるとした規定でございます。
 2点目でございますが、これはクラウドサービスへの対応と考えていただければと思いますが、具体的には接続サーバ内の自己作成データの差押えでございます。こちらは、パソコンなどで作成された電磁的記録を保管しているストレージサーバなどから電気通信回線を介して、その記録を差押えるべきパソコンなどに複写した上で差し押さえることができるとした規定となっております。
 3点目は、例えばアクセスログのようなものを想像していただきたいと思います。記録命令付差押えとなっておりますが、プロバイダなどの電磁的記録の保管者などに命じまして、サーバなどに保管された記録のうち必要なものについて、他の媒体に記録などをさせた上で、その他の媒体、例えばUSBメモリのようなものを差し押さえることができるとした規定でございます。
 4点目といたしまして、差押えなどを受ける者にパソコンの操作などの必要な協力を求めることができるとした規定でございます。
 5点目としては、プロバイダに対して通信履歴の電磁的記録の保全要請を行うことができることとした規定でございます。
 こういうものが現在検討されているところでございます。
 これらの点につきましては、関税法におきましても同様のことが言えるのではないかと考えております。すなわち、犯則事件を取り巻く環境の変化とそれに対応する観点におきまして、同様の規定を設けることが必要ではないかと考えているところでございます。
 続きまして、(2)をご覧いただきたいと思います。犯則調査手続の明確化でございます。刑事訴訟法に実際に今規定があるものとして、ここには4点ほど挙げておりますが、通訳・翻訳の委嘱、捜索などの中止の措置、捜査証明書の交付、また質問を受けた者に対する調書の閲覧、読み聞かせなどにつきましては、関税法に規定を整備することが望ましいと考えております。
 現在、国税犯則取締法には、5点目としてここで挙げております、犯則の心証を得ない場合におきまして犯則嫌疑者にその旨の通知を行わなければならないとする旨の規定がございます。関税法には同様の規定がない状況でございまして、適正手続の確保の観点から関税法にもこの規定を設けることが望ましいと考えているところでございます。
 最後に3点目、通告処分の見直しでございます。適正手続の確保の観点から、まず@として書いてございますのは、通告した罰金相当額などに誤りがあった場合に税関長が行う修正、Aとして、通告処分の効果としての公訴時効の中断を停止に変更すること、この2点につきまして関税法に規定を整備することが望ましいと考えている次第でございます。
 また、国税犯則取締法におきましては、Bに書いてございますけれども、差押物件などの保管に要した費用などについて通告処分を受ける者に負担を求めることができる規定がございます。関税法にはこのような規定がないところでございますので、両法の調和を図る観点などから、同様の規定を設けることが必要ではないかと考えているところでございます。
 1ページおめくりいただきまして、3ページ目をご覧いただきたいと思います。最後、4番の改正の方向性というところでございます。ここを読み上げさせていただきたいと思いますが、「国税犯則取締法の見直しが行われる場合には、関税法上の犯則調査手続についても見直しを行うことが適当ではないか。」と考えております。
 以上で説明を終わりたいと思いますが、御審議のほどよろしくお願いいたします。
森田分科会長 どうもありがとうございました。
 それでは、これまでの事務局からの御説明につきまして御質問、御意見等ございましたら発言をお願いしたいと思います。いろいろとございますが、どの案件からでもよろしゅうございます。
宮島委員 資料の中の到着時免税店の設置に関しての質問です。これを拝見しますと、日本の旅行客にとってもインバウンドにとってもいい効果があるかなと思うんですが、逆に言うと、資料を見ますと、これまでもかなりいろいろな国で行われているようなのですけれども、これまでこれが設置されなかったのは理由があるんでしょうか。つまり、国交省が要望しなかったからだけなのかもしれませんが、どこかに反対をするような方々がいたり、あるいは支障になるようなことがあったのでしょうか。
山崎関税課長 お答え申し上げます。結局、輸入物品に対して一定の減免措置を講じる、あるいは無税で国内に持ち込めるとなった場合に、やはり問題になりますのは国内産業との関係です。国内産業の保護の観点から、我が国の場合には、こうした制度がこれまでとられてこなかった事情がございます。
宮島委員 そうしますと、今回は、改めて調査した結果、その影響がそれほど大きくないか、あるいは国民に理解される程度であるといった結論を考えたということでしょうか。
山崎関税課長 現在の携帯品免税制度の利用状況につきましては税関でサンプル調査を行ったところ、例えば居住者の場合は、酒3本、たばこ200本とか、あとは20万円以内などの免税枠がありますが、その20万円以内という免税枠の利用については、大体2万円ぐらいで、大分残っているという状況ですから、今回このような措置を講じることについては、特段問題なかろうと考えたわけでございます。
 また、今回この制度を導入するに当たりましては、経済産業省や農林水産省の物資所管省庁とも議論いたしまして、現在の制度の範囲内で行われるのであれば、問題はないのではないかとの結論に至ったわけでございます。
三石委員 資料1−1の特恵関税制度の見直しの点で、方向性はこれで問題ないと思うので、どんな議論があったのか、なかったのかも含めて御質問させていただきたいんです。卒業要件のところに、例えば2年連続で世界の総輸出額の1%以上のシェアを占めるとか、1%という定量が出てきていますけれども、これは何で1%に決めたのでしょうか。例えば、他に1人当たりのGDPで見るとかいろんな指標があると思うのですけれども、ここは何で1%にされたのかな。参考資料などを見てみても、使っているのがカナダだけかなという感じがするので、ちょっと教えていただけたらと思います。
山崎関税課長 委員御指摘のとおり、カナダでは輸出シェア1%以上という基準を使っております。私どもも別途適用する基準を考えるに当たっては、やはり制度そのものが途上国の輸出競争力の強化を一つの目的としております。その中にあって、その国が輸出において一定のシェアを占めていることをはかるというのが一つのありようとしてあるのではないかと考えた次第でございます。
 何で1%かということにつきましては、1%以上にしますと、1%以上の国は約30カ国で、そのほとんどが先進国になっております。例えば0.5%とかに引き下げますと、十分に工業化が進んでいるとは言いがたいモノカルチャー経済国などが含まれるものですから、今回は1%という基準がよいのではないかと考えるに至った次第でございます。
根本委員 資料5−1のNACCSによる報告の原則化について一言コメントしたいと思います。最近、越境のネット通販が増えているわけですけれども、これをNACCSにのせるというのは非常に大変というか、難題だと思うんです。例えば越境ネット通販で入ってくる貨物、EMS、郵便局で入ってくる場合も結構多いわけですけれども、郵便局にいる税関の職員が荷受人のデータを手入力して、品目を調べて、税率を調べて、税額を決めて通知するという非常に手間のかかる、時間のかかる仕組みで今対応しているんですよね。
 何とかそういうものを電子化する方法はないのかと考えるのですけれども、1つ参考になる話としては、日本のネット通販事業者も、例えば中国の消費者に売るときにどうやっていいかわからないという話の中で、日本の物流事業者が間に入って、中国の税関事情に非常に詳しい、簡単に言うと通関士の方のような手助けを借りて、例えばどういうものが中国は入るのか入らないのか、税率はどうなのか、そういうふうな情報を全部、日本の中小の通販事業者に教えながらその間を取りもって問題なく中国に輸出できるようにお世話しているんです。
 だから、日本に入ってくるネット通販の荷物の相手はたぶん事業者だと思います。個人の場合もあるんだけれども、個人の場合はちょっと無理にしても、事業者ですから、その事業者が例えば日本の通関事業者の手助けなんかも借りながらNACCSにうまくつながっていくような仕組みというのは検討する価値があるのではないかなと思った次第です。
森田分科会長 御意見ですが、いかがでしょうか。
福田監視課長 確かに中国からEMSや国際宅配便を使って貨物が輸入されています。実際に中国からのデータを、日本における国際宅配便サービスを提供している輸送会社等が税関のNACCSに情報を入力する形で電子化が進んでおります。直接NACCSが中国とつながっているわけでありませんが、事業者を介した形で電子化はさらに進めていけることかと思っております。
金森業務課長 郵便に関しましては、確かに郵便というのは全世界でユニバーサルサービスということで、いろいろな人がその当局の郵便局に持っていきます。そうすると、郵便は郵便条約で、万国郵便連合の条約において、相手国の郵便局が受け付けたのは我々も郵便局が受け付けなければならないということとなっておりますので、そういう電子化みたいなものを全体に義務付けることはまだまだ今は難しい状況にあるのかと思います。
 ただ、その中でも我々は今、万国郵便連合とかでもやはりこうした情報の電子化とその共有は進めていこうという議論はされております。まだ始まったばかりではあるのですけれども、今後は電子情報化できるものから各国の郵便当局で交換できるものは交換していこうという方向で今議論が始まった状況にはあります。
佐藤委員 4点ほどお伺いしたいと思います。
 まず、資料1−1の特恵関税制度の見直しについては、本文の7ページの囲みで書いてあるところがわかりいいかと思いますが、全面卒業要件について3年連続でという御提案であるということですが、卒業実施時期については、全面卒業は平成31年度と書いてあります。これは、例えば28、29、30の3年で要件を満たすと平成31年度に卒業ということなのか、平成31年度から制度が走るので、31、32、33というふうに3年連続を見るという御説明なのか。その点がよくわからなかったので教えていただければと思います。
 質問の第2点です。承認工場制度に係る配合飼料の原料品の見直しですが、資料編を拝見してもかなり技術的な改正の提案であるというように理解をしましたが、これまでこうなっていなかったのはなぜなのでしょうという非常に単純な質問です。どういう理由でこうなっていなかったものを今回こういうふうに変えるという御提案をされているのか、お伺いできればと思います。
 第3点ですが、到着時免税店の設置について、今ある保税売店というのは、免税品を買って外にそのまま持って行ってしまうというつくりですが、逆に、免税を持って入ってくるというつくりになりますよね。そのときに問題がないだろうという御判断だったのは、資料編3-2の1ページを拝見するとよくわかりますが、現行の携帯品免税の枠内に入れるから問題がないと考えていらっしゃると理解をしました。私もそれでよいと思っていたのですが、先ほど宮島委員の御質問に対して、現行20万円枠が1割ほどしか使われていないとおっしゃったわけで、これまでは国内産業の保護の観点もあるからという御説明と突き合わせますと、18万円分余計にこれから入ってくることになるわけですね。そこのところについて、現行の制度が20万円だからそこまではオーケーだという形式的な説明になるのか、18万円分余計に使われるようになることについての影響をどのように御判断になったのか、この点が質問の第3点です。
 最後の点ですが、犯則手続調査の見直しについては大変結構な方向性だと思います。税調の国犯法の改正については、公表情報ですが、有識者会議も出てきて同じような意見を申し上げましたので、適切だと考えます。
 多岐にわたりましたが、どうぞよろしくお願いいたします。
山崎関税課長 まず、特恵の卒業国を見る基準ですけれども、平成31年4月から卒業が始まる国につきましては、恐らくその前年の年末にこの関税分科会に、この国は3年連続で該当しそうだという御説明をして御審議をいただくことになると思います。そのときに御提示ができる年数ですけれども、例えば平成31年度に始まる前には平成30年度にお諮りするということで、そのときにアベイラブルなデータは何かと申しますと、それは平成28年から30年に公表されたデータをもとに御審議をいただくことになろうかと思います。
 次に、配合飼料につきまして、なぜこれまで認められなかったのかということについて、過去の詳細な資料が手元にございませんが、そもそも今回見直しのきっかけとなりましたのは、農業の競争力を向上していく中で、なるべく飼料価格を低減しようということを農林水産省あるいは与党のほうで御議論いただく中で、こういった仕組みが考えられるのではなかろうかと現在の仕組みを洗い出して検討を行ったところ、こういったところにも改善の余地があるのではなかろうかということで改正に向けた提案があったものと認識しております。
 それから、到着時免税店制度でございますけれども、現在の免税枠の利用は約2万円でして、これから2万円以上使われることが予想されますけれども、それでいいのかという御指摘かと思います。その点につきましては、私どもは20万円という枠内で海外から入ってくることを覚悟している以上、そこが入ってきても大丈夫であろうと思っております。
藤城審議官 到着時免税店制度に関して、関税課長の説明を補足しますと、関税の世界の話のほか、旅客の立場からすれば、外国で購入した物品を携帯して入国することに比べれば、日本の空港に到着して物品を購入する方が利便性の向上に繋がります。一方、税関の立場からすれば、外国貨物の密輸のリスクが高まるのではいかといった慎重な考え方もあり、これまで到着時免税店は設置されてこなかったと考えられます。
 到着時免税店制度の創設に当たっては、国内産業の保護といった関税の世界の話と外国貨物の密輸取締りといった税関の話との両方を検討する必要がありました。空港事業者、旅客の利便性の向上、さらには、日本の店舗で購入されることによる消費の拡大、これらを総合的に検討したところです。
 密輸の取締りといった観点では、従来からも旅客の方々には税関検査にご協力いただいていますので、この点は、引き続きしっかり行っていきます。これらの総合的な判断の上、今回到着時免税店の設置を認めることとしたところです。
山崎関税課長 先ほど佐藤先生から御質問をいただきました、いつのデータをもとにということで若干補足の説明をさせていただきたいと思います。平成30年度にアベイラブルなデータで、それは平成28年から30年の数字であると申し上げましたが、実際に公表されるものは直近のものを使いますが、データといたしましては平成26年から28年のデータが平成29年ないしは30年に出てまいりますので、そういったものをもとに判断する、このようになります。
 大変失礼しました。
森田分科会長 佐藤委員、よろしいでしょうか。
佐藤委員 はい、承知しました。
森田分科会長 他にいかがでしょうか。
相澤委員 特恵制度の改正につきましては、そもそも、途上国の経済発展に資することにその趣旨があるので、経済が発展した国に対する特恵措置というのは廃止されていくべきです。したがって、高中位所得国に対する措置は廃止していくというのが基本的な考え方になると思います。高中位所得国にすると対象国が広がるということで、1%の基準というのは、一つの激変緩和措置として理解できるものであると思います。
 それから、特殊関税につきまして、速やかな申立てによる措置がなされないと、ダンピングによる我が国産業への被害が拡大することになりますので、産業被害がより小さい段階で申立てができるとすることは良いことであると思います。
 なお、申立て企業間における適切な情報交換につきまして、もし、独占禁止法上の懸念があるのであれば、申立てがしやすい状況を醸成する検討をしていただく必要があると思います。
 それから、事前の情報交換につきましては、適切な情報の管理あるいは危険の排除のほかに、我が国は貿易立国でありますから、円滑な国際貿易についても十分な配慮が期待されると思います。
山崎関税課長 お答え申し上げます。
 まず、今回の特恵の見直しに際しての輸出者1%基準が激変緩和措置かという御質問でございました。この特恵関税そのものが10年ごとの期限のある仕組みになっております。今回見直しを行いましたのは、1つは、前回の見直しから5年を経過したということで、今回その中間点であるということで見直しをしたものでございます。現段階で我々はベストの対応をしていると思います。ただ、恐らく5年後またこの期限が切れるときに各国の貿易の状況を見ながら、この1%基準をどうしていくか、さらに引き下げる余地があるのかどうかということをまたお諮りすることになるのではなかろうかと考えております。
 それから、特殊関税制度の申立てがしづらくなっている状況について、そこはしっかり政府として対応すべきではなかろうかということでございます。確かに事前の情報交換が独占禁止法上問題になるのかどうかということも、どこまでならセーフで、どこからがアウトかで疑心暗鬼になって率直な意見交換ができない状況もよろしくないと思いますので、そこはまた物資所管省庁ともよく連携しながら、どういった形で企業に伝えていくべきかということはよく考えてみたいと思っております。
○梶川関税局長 今の点、若干補足いたしますと、これからまた先に今の1%という話は見直しをしていくことになっていくと思います。その場合、世界貿易がどういうふうに進展していくかということと、もう1つはEPAとかFTAの進展も見ていく必要があると思っています。EPAなどが結ばれますと、特恵をそもそも適用しなくても恩恵をこうむれることになりますし、それ自体もインセンティブになる面があると思いますので、そういった面もあわせてまた将来的に検討していきたいと考えております。
藤原委員 ちょっとテクニカルな話になるかもわからないのですけれども、資料6−1の2ページ目のところで、ハードディスクから例えばUSBメモリのようなものにダウンロードするような御説明を受けたのですけれども、そもそもある物を差押えをしてそれをそのまま押収するのと、ダウンロードした場合とで、そのときにデータ自体の信憑性というか、オーセンティケーションはどういうふうに担保されているものなのでしょうか。
 それについて、先ほど私よりはお詳しいお隣の藤沢さんに伺ったんですけれども、要は、クラウドからダウンロードしたりなんかしていると案外オーセンティケーションのところで大きな問題が生じるというか、書き換えられる可能性があったり。だから、証拠品として入手するとした時点で、普通我々のデータは、ダウンロードして持ち帰ったらここに入ったのと同じという感じだと思うんですけれども、今の世の中、ここにあるだけじゃなくて、つながっていたり、つながった先も、皆さんが押収なさった後に書き換えられてしまったり、いろんな細工ができるんじゃないかと思うので、これ自体は利便的にはオーケーだと思いますし、便利になると思うんだけれども、そもそも法律的に法廷で証拠となるものが本当に入手できるのかどうかというのはこの後お考えいただかないといけないかなと思うんですね。
 それから、もっと言いますと、押収したサイドで書き換える可能性もあります。普通の文書であればPDFにして、PDFのままダウンロードすれば、それは前のデータを書き換えていないということになるのでしょうけれども、それですら解除してやる方法は巷でみんなやっているわけです。だから、このあたりのデータの扱いというのは、利便性を高めたら便利になりましたというだけの話ではないような気がします。
中澤調査課長 御指摘ありがとうございます。
 まず、オーセンティケーションに関しましては、実際この刑訴法は平成23年に改正されて、このもとで数々、証拠能力を発揮してきていたことはまず指摘をさせていただいた上で、一方で技術進歩があることも御指摘そのものだと思います。その点は、今回の改正にとどまらず、まさにICT化はどんどん進んでいくと思いますので、その対応も含めてより慎重に対応を考えていく必要がありますし、新たな技術への対応というところはしっかりやっていく必要があると考えているところでございます。
 また、書き換えの可能性についてもお話がありましたが、そこはもちろん我々サイドがそんなことをしてしまったら、信用なり証拠能力として、その1件のみならず全体を失うような話でございますので、そんなことはないようにというのはもちろんあるのですが、いずれにしろ、技術進歩への対応は常に怠りなくやっていきたいと考えているところでございます。
藤城審議官 今おっしゃられたことは根本的な問題で、もともとは資料というのは紙で必ず取得し、書き換えしていればわかるだろうみたいなところから帳簿の書類もみんな紙で確認するという時代がずっと続いていて、しかし、もう御時世はどんどん進んでいて、電子でいいとなっているので、我々も変わってきているわけです。そういう中で、いろいろなものを差押えするときに、従来、まさに任意でお願いしていたところを法的に位置付けようとするのが今回の話でありますので、若干さらに先の話を藤原委員は御心配されているのだと思います。
 途中のログ等をとって書き換えがあるかどうかということも疑い始めると、近い将来にはわからなくなるような時代も来るかもしれません。デジタル・フォレンジックといって、既に改ざんされたり捨てられたりしたものをもう一回復元するようなことも税関でも今一生懸命取り組んでいますけれども、これもなかなか限界があるようなところもあります。
 いろんなものを捨ててしまうという意味では、事後調査という形で、我々が調査に行きましてもいろいろなものを捨てられたり、改ざんされたりしております。裏帳簿なども昔から存在しているわけでありまして、本当に技術というのは進みますからイタチごっこであります。追いかけようとは思っていますが、なかなか大変だというのもおっしゃるとおりでありまして、むしろ何かアドバイスをいただければ、そこのところはさらに改善をしたいと思います。
藤原委員 何かサーティファイされるような仕組みみたいなものもどこかで考えたほうがいいと思います。それから、NACCSも電子的にいろいろ情報を交換するわけですけれども、NACCS自体はデジタルにつながっているネット上でできるという利便性はあるのだけれども、それが今でき上がってしまっているから、その先にそういう仕組みができる可能性があります。ウォーターマークなのか、何かわかりませんけれども、そのような仕組みも実は並行して研究する必要があって、全ての情報がそこを通るとすれば、そこでせき止めることができるというか、それをゲートウエーにして使うこともできるので、設計上は、NACCSの方だとか法律関係の方だとかそういう方たちを交えて、将来に向けてどういうレイヤーを付加するとか、ゲートウエーとして使うとかを検討されてはどうかと思います。
 また、先ほど不当廉売の話で、なかなか競争相手の情報が得られないみたいなお話がありましたけれども、そういうことで特に小さい企業はなかなか申立てしにくいし、自分たちが言ったとしても該当するのかどうかわからないといった問題についても、そこにゲートウエーのような形で、第三者でそのデータを見ることができる方がいらっしゃれば、そのアドバイスが適用されれば迅速に手続が始まるという面とかいろいろあるので、もう少し踏み出してといいますか、踏み込むんじゃなくて、今のお仕事の一つ手前のサービスまで提供なさるとか、一般的に言うところでは相談窓口とかになるのでしょうか。それから、そういうことが疑わしいときにどこへ相談に行ったらいいかわからないとかいう問題はあるような気がします。
藤城審議官 恐らくその場合、政府がどこまで民間の情報を管理するかという大きな問題と、それからセキュリティの問題について検討する必要があると思います。管理したのはいいけれども、全部漏洩してしまったみたいなことに対してどうするかとか、いろいろな問題が出てくるだろうと思います。
佐藤委員 今お話しになっていた資料6−1の2ページの3.の(1)のところです。国犯法のほうでも説明されていたことですが、これは刑訴法並びだということと、差押えを受ける者にとって極めて有利と言うと変ですが、彼らにとってもよいことでございまして、パソコンごととかサーバごと持って行かれるよりは、必要と思われるデータを転写した記録媒体を差し押さえるとか、あるいは規定があれば協力できる業者が疑いなく協力できるという意味で、これは当局の利便というだけではなく、差押えを受ける、あるいは協力をする者の利益にもなる改正であるということをぜひ世間にもお伝えいただければと思いました。
山崎関税課長 先ほど佐藤先生から御質問のありました、承認工場においてなぜこれまで動物性たん白原料しか認められていなかったのかということでございます。先ほど申し上げましたように、もともと高関税のかかるとうもろこしなどを飼料用として輸入する場合には無税としており、その場合には横流し等されることが厳にあってはならないということです。配合するときに不可逆的な加工をしなければならず、動物性たん白原料のほうがより不可逆性は高いため、これまで動物性たん白原料のみが認められてきたという経緯はあるようでございます。いずれにしろ、動物性たん白原料であれ植物性たん白原料であれ、しっかりここで配合なり加工されれば横流しされることはないということですので、今回認めるに至った次第でございます。
梶島大臣官房参事官(農林水産省) 農水省でございますが、若干、今の件に補足をさせていただきます。
 概ね今の関税局からの御説明のとおりですけれども、制度ができた平成8年ぐらいと比べ現行の動物性たん白、主に魚粉と呼ばれるものは倍以上に高騰してございます。特にペルー沖の海流の変化とかエルニーニョとかいったことが原因と言われておりますけれども、そういう中で、混ぜる魚粉の価格が相当高騰していることもあります。そういう中で、えさの価格を下げていかなければいけないと、先ほどいろいろ自民党の御議論なんかも御紹介されましたけれども、そうしたことをトータルとして考えて価格の引き下げに資するようにという経済的側面もあることを補足させていただければと思います。
 以上でございます。ありがとうございます。
森田分科会長 ありがとうございました。
 他にいかがでしょうか。
古谷委員 本日の議題と違うテーマでもよろしいでしょうか。
森田分科会長 はい。関連するテーマであればどうぞ。
古谷委員 どのタイミングで言わなきゃいけないか迷ったんですが、もし皆さんの議論が終わっているのであれば、ちょっとTPPについてお聞きしたいんです。
 アメリカの次期大統領のトランプ氏が離脱宣言をされたということで、このTPP発効の可能性について、基本的な認識ということで改めてお伺いしたいというのが1点目です。
 2点目としては、今後TPPを含む貿易協定のあり方というのは議論が活発になるものと思われます。その中で、国民が影響を受ける、あるいは関心を持つこともぜひ検討に入れていただいて、よりわかりやすく貿易協定のあり方というのが議論できるような情報提供をぜひお願いしたいと思います。現在、国民側としたら、国際的な取組みというのは、貿易協定だけではなく、例えばパリ協定であるとか、あるいは持続可能な開発目標、SDGSと言われていますが、そういった議論の中で国民のあり方というのが今問われておりますので、ぜひ貿易協定についてはわかりやすく御提示いただければ我々も判断しやすくなるのではないかということで、2点目は要望です。よろしくお願いいたします。
梶川関税局長 御質問ありがとうございました。
 まず、TPPをめぐる状況の確認ですけれども、TPPの発効要件といいますのは、署名国のうち、GDPが85%を占め、6カ国以上の原署名国が国内法上の手続を完了したことを通報、これはニュージーランドに通報することになっております。第1回のこの分科会でも御説明しましたけれども、85%というのは、日本とアメリカを足しますと78%になりますので、この2カ国が通報しないと発効しないということでございます。
 トランプ新大統領は、報道によりますと、大統領就任の日に離脱するという表明をする意向を示しているようでございます。理屈だけ言いますと、発効していないものから離脱することはできませんので、条約上は米国からの通報が行われないということになるのではないかと思われます。
 この関係で、今の政府の考え方ですけれども、先週、安倍総理はニューヨーク、リマ、ブエノスアイレスと回ってまいりまして、私もリマ、ブエノスアイレスの部分は随行して、APEC首脳会議ですとか、そのときに開かれたTPPの首脳会議等々のフォローをしてまいりました。その中で、特に、TPPの首脳会議というのが開かれまして、そこでどんな議論があったかということだけ簡単に御紹介させていただきます。
 現在、国会で審議されている話でございますので、総理がどういう発言をしたかというところを引用させていただきますけれども、2つポイントがあります。米国の大統領選挙後の状況を受けて、国内手続を遅らせたり、あるいはやめようという国は一国もなかったというわけであります。今国会で承認が得られるよう全力で取り組むとともに、あらゆる機会を捉えて、他の署名国に国内手続について早期の完了を働きかけていきたいと思うという話でございます。
 もう1つは、米国抜きでTPPを発効してはどうかという話です。これは、先ほど言いましたように、制度的には不可能ですので別の話になりますけれども、米国抜きでTPPの発効を目指すという意見については、12カ国の会議ではそのような議論にはなりませんでした。TPPは米国抜きでは意味がありません。再交渉が不可能であると同様に、根本的な利益のバランスが崩れてしまいます。ただ、米国新政権の方針について現段階で予断をもってコメントすることは差し控えたいと思います。
 これが総理が記者会見で述べた言葉でございますし、本日もTPPの参議院での審議が続いておりますけれども、こういったラインでの答弁が続いているというふうに承知しております。
 他の国の状況を簡単に申し上げますと、1つ大きな進展があったのはニュージーランドでございまして、11月15日、これは米国の大統領選挙よりも後になりますけれども、ニュージーランドでは国会で承認されたということでございます。まだ通報はしておりません。ニュージーランドは通報を受ける国ですから自分で自分に通報を受ける立場になりますけれども、そういう意味での通報はまだ行われていないようでございますけれども、大統領選挙後であっても1つ大きな進展があったということでございます。
 いずれにいたしましても、今、参議院で審議いただいておる状況でございますのであまり私見にわたる部分は差し控えさせていただきますけれども、今はこういう状況であるということだけ御理解いただけたらと思います。
森田分科会長 よろしゅうございますか。ありがとうございました。
 他にいかがでございましょうか。よろしいですか。
 それでは、他に御質問はないようでございますので、これで質疑は終わらせていただきたいと思います。
 それでは、最後に1点、本日の本分科会資料の扱いにつきまして御相談申し上げたいことがございます。先ほど事務局からも御案内がございましたけれども、席上に配付いたしました資料のうち資料6−1、6−2につきましては、政府部内で検討中の情報も含まれているところでございます。そういうことも踏まえまして、この扱いに関しましては私のほうに御一任いただき、事務局と調整の上、今後、適切なタイミングで公表させていただくことにさせていただければと思いますけれども、よろしゅうございますでしょうか。
〔「異議なし」との声あり〕
森田分科会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきたいと思います。
 本日をもちまして平成29年度関税改正項目につきまして委員の皆様に一通りの御審議を賜りましたので、今後、分科会におきましては答申を取りまとめる作業に移ることになります。次回の分科会におきまして、これまでの御審議の内容を踏まえた答申案を御提示させていただき、御審議、御議論賜ることにしたいと考えております。
 それでは、最後になりますけれども、会議を終了するに当たりまして事務局から連絡事項がございますので、お願いいたします。
山崎関税課長 連絡事項が1点ございます。本日席上に配付いたしました資料のうち、資料6−1と6−2につきましては会議後回収ということにさせていただきたいと思いますので、御退席いただく際には席上に残していただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
森田分科会長 そういうことでございます。どうもありがとうございました。
 次回の関税分科会は12月8日午前10時から開催予定となっておりますので、御出席よろしくお願いいたします。
 それでは、本日は御多用中のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございました。これで終了させていただきます。

午後4時46分閉会

財務省の政策