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関税・外国為替等審議会 関税分科会 (平成27年11月11日開催) 議事録

 

関税・外国為替等審議会 関税分科会 議事録

本稿は、平成27年11月11日の関税・外国為替等審議会 関税分科会の議事録です。
午後1時30分開会

○森田分科会長

時間も参りましたので、ただいまから関税外国為替等審議会関税分科会を開催いたします。

委員の皆様方には、御多用中のところ御出席をいただきまして誠にありがとうございます。

それでは、本日の議事に入らせていただきたいと思います。本日の議題は、お手元にお配りしている議事のとおりでございます。

前回の関税分科会におきましては、TPPの大筋合意の概要及び平成28年度関税改正検討項目について審議を行っていただきました。本日の関税分科会におきましては、前回に引き続き、平成28年度関税改正検討項目について審議を行っていただきたいと考えております。

それでは、事務局から説明をお願いしたいと思います。御意見、御質問は後でまとめてお受けしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

それでは、御説明をお願いいたします。

○堀田業務課長業務課長の堀田でございます。私からは輸出入申告官署の自由化等についてまず御説明申し上げます。お手元の資料1−1から1−4まで、少し多くて恐縮でございますが、こちらに基づいて御説明をいたします。

まず、資料1−1に基づきまして御説明いたします。

1ページをお開きいただきまして、申告官署の自由化等に係る経緯で、当分科会でも昨年以来御審議いただいておりまして、前々回10月5日の当分科会で、石原座長にもお越しいただきまして、開催いたしました研究会の御報告、それからそれに基づいた意見募集の結果と考え方について御説明を申し上げました。それを受けて、今回、申告官署の自由化等についての基本的な枠組みについての御説明でございます。

税関の使命としては、安全・安心な社会の実現、適正・公平な関税の徴収、貿易の円滑化を果たしていくことが重要でありまして、そのうち貿易の円滑化について、通関手続のより一層の迅速化が求められているということでございます。

それから、昨年の当審議会分科会において引き続き検討すべき事項として申告官署の自由化が位置づけられまして、1番目に、蔵置官署に対して輸出入申告を行う原則は維持する。2番目に、AEO輸出入申告については、非蔵置官署に対して行うことを可能とする。3番目として、通関業の営業区域制限を廃止する。この基本的な方向性をいただいたところであります。その後、私どもで先ほど申し上げたような具体的な検討を進めてきたわけでございます。

それから、2.といたしまして基本的な考え方でございます。今申し上げましたように、原則として輸出入申告は蔵置官署に対して行わなければならないわけでございます。その趣旨でございますが、貨物の場所と審査をする税関が一致することで貨物のすり替え等が行われるリスクを低く抑えるということで、通関の適正性を確保することが最も重要な点でございます。それによって効果的・効率的な審査・検査を確保しているということでございます。

一方で、3段落目でございますが、貿易の円滑化も税関の重要な使命の一つでございまして、通関の適正性を損なわない範囲内で非蔵置官署への輸出入申告を可能とすれば、輸出入申告に関連する事業者の業務の集約、事務の効率化、コストの削減を図ることができ、ひいては貿易の円滑化に資するものと考えられるわけでございます。こうした考え方を踏まえますと、あらかじめ税関の承認を受けたAEO事業者には適正な申告ができる、あるいは税関の業務処理の効率性に与える影響も小さいと考えられることから、AEO事業者に係る貨物の非蔵置官署への輸出入申告を認めることは可能であると考えられるわけでございます。

それに伴いまして、そういうことを可能とするとしますと、許可を受けた税関の管轄区域内でしか営業を行うことができないという現在の通関業法上の営業区域制限を廃止して、全国どこでも営業ができるようにする必要が必然的にあるわけでございます。

それから、2ページの一番下のところでございますが、こうした申告官署の自由化が実現すれば、関税法、通関業法の改正が必要になるわけでございますが、この法改正を機に通関業法について色々な環境の変化を踏まえた見直しを行うことが適当と考えられるわけでございます。

3ページ目の上のところですが、環境の変化を具体的に申し上げますと、通関手続の迅速化がますます求められており、NACCSを利用した電子化、ペーパーレス化が進展していること、2つ目としましては安全・安心の観点からセキュリティ管理、コンプライアンスの重要性が増大していること、3つ目といたしましてはEPAの拡大に伴いまして関税率・原産地規則の複雑化、関税評価・関税分類の困難事例が増加していること等の環境変化が見られるわけでございます。

通関業法の改正に当たっては、こうした環境変化を前提に、他の法律等も参考としつつ、経済的な規制は最小限にして、通関業者の創意工夫が生かされる環境を整備する必要がある。それから、自由な競争環境のもとで、自己規律の発揮と透明性ある事後チェック体制の整備を図る必要がある。3番目に、通関士・通関業者による高度な専門性の発揮をしていただく必要があること、を基本的な方向性とした見直しを行うことが適当であると考えられるわけでございます。

その次の3.検討内容でございますが、制度設計の骨格になると考えております。

対象貨物でございますが、基本的には全ての貨物を申告官署の自由化の対象とすることが適当であろうということでございます。ただし、そこにございますような日米の防衛援助協定の該当貨物のような特殊な貨物は自由化の対象とすることは適当ではない、あるいは、ワシントン条約の該当貨物についても、現在、通関官署が限定されておりますので、その官署の範囲内で自由化を行うことが適当であろうということでございます。

それから、4ページに進んでいただきまして、対象手続でございます。これは1番目が最も基本的なものでございますが、AEO輸入者又はAEO通関業者が行う輸入申告、2番目としてAEO輸出者、AEO通関業者又は特定製造貨物輸出者が行う輸出申告及び積戻し申告、これは少し説明を要すると思います。

恐縮ですが、資料1−2の8ページにAEOについての資料があると思うのでごらんいただきたいと思います。注6にも書いてございますが、資料1−2の真ん中より少し下のあたりに「AEO制度の対象となる事業者(計573者)」と書いてあるところがございまして、この一番右に「製造者」として1つ枠がございます。現在、日本では1者もこの実例はございませんが、制度の枠組みとしては、AEO製造者としての認定を受けたメーカーなどが、AEOではない、例えば商社のような会社が輸出入者になって輸出を行うときにはAEOとしてのベネフィットが得られるという枠組みになっております。従いまして、こうした枠組みのもとで行われるAEO製造者の管理のもとで行われる輸出についても輸出入申告官署の自由化の対象にする必要があるであろう、今後このAEO製造者というのが現れた場合に備える意味でも、こういった制度の枠組みを作っておく必要があるのではないかと考えております。

それから、マル3は、輸出入申告と同様の手続で、例えば蔵入承認申請とか移入承認申請のようなものでございますが、これも自由化の対象とするべきであろうと思っております。

(3)に進みます。申告官署の自由化に伴う規定の整備でございますが、マル1マル2は輸出入申告に先行する手続あるいは後続する手続でございます。これは、基本的に輸出入申告を行った官署に対して行うことにすることが適当であると考えられるわけでございます。

それから、少し飛びまして、マル4は、要するに、蔵置官署と申告官署が異なるケースが自由化に伴って出てくるわけでございます。その場合には、基本的に今の関税法の枠組みが税関長の権限をいろいろ定めてございますので、税関長が相互にその検査の委任、その結果の報告を求めるという規定が必要になってくるということでございます。

それから、マル5でございますが、今申し上げましたような審確分離あるいは審検分離の体制がとられることになりますので、基本的には、前々回の10月5日の際にもマニュアル申告は対象とはならないのではないかという考え方をお示ししておりますが、ここにございますように、蔵置官署でない官署に申告を行う場合には、NACCSを使用して行わなければならないとすることが適当であろうと考えております。

マル6は、外郵官署、外郵出張所という国際郵便だけを専門に取り扱っている出張所が国際郵便局にございますが、この官署はその郵便を能率的・効率的に処理する専門の官署でございますので、一般の輸出入申告を扱うことは適当ではなかろうということでございます。

それから、5ページの(4)でございますが、ここから基本的に通関業法の改正の中身でございます。

まず、1番目が通関業の営業区域制限の廃止。先ほど御説明いたしましたように、自由化に伴って必要になってくる改正でございます。

また、その次の需給調整条項の廃止も、平成10年3月31日の閣議決定で、需給調整条項がある法律は法改正の機会があるときに廃止することに既になっております。税関においても、これが実質的な参入の妨げにならないようにするということを通達で明確化しておりますが、これを明示的に廃止するということでございます。

それから、6ページに進んでいただきまして、マル3許可権者の変更でございます。現在は管轄区域の税関長が許可を行っているわけでございますが、これを全国で一本の許可といたしますので、それに伴って許可権者を財務大臣に変更するということでございます。ただ、実務上は引き続き税関に許可の実務を行わせることになりますので、そうした権限は税関長に委任することができるという規定が必要であろうと考えております。

それから、(5)に進みまして、その他の通関業制度に係る所要の見直しでございます。

まず、営業所の新設に係る手続の特例でございますが、AEO通関業者につきましては、現在全て許可制となっている営業所の新設の手続を届出制としてはどうかということでございます。

2番目に、通関業の許可、AEO通関業者の認定に係る地位を、その当該業者に合併や分割、相続等があった場合に承継できるかどうかという論点でございます。現在は、1行目にございますように、保税蔵置場の被許可者、それからAEO輸出入者等には税関長の承認を受けてその地位を承継することができる旨の規定がございますが、通関業者あるいはAEO通関業者についてはございませんので、これをできるようにする必要があろうということでございます。

あわせて、注9にございますが、現行法にございます保税蔵置場の許可、あるいはAEO輸出入者の地位の承継についてもそうでございますが、「合併等」の中には事業譲渡、事業の譲り受けが入っておりません。経済的には基本的に同じような効果を持つケースであるということで、入口でそれをシャットアウトする必要はないであろうと考えられますので、今回の改正にあわせて事業譲渡の場合も全てこの地位の承継を認めることとしてはどうかということでございます。

その次のマル3でございますが、通関業務料金の額につきましては、現在、通関業務ごとに最高額の規定を通達で定めておりまして、それ以上の額を受けてはならないという規定になっておりますが、これにつきましては、公正取引委員会が、料金の上限規制は料金設定の際の基準や目安となる価格を示すものとして機能していて、利用者の利益を害しているおそれがあるという指摘を行っております。それから、他の類似する業法あるいは士法を見ましても、こうした最高額を定めている例はほとんどございません。こうした環境変化を踏まえまして、通関業者の創意工夫が生かされる環境を整備する観点からも、この最高額の定めを廃止して、通関業者が提供するサービスの内容やコストに応じて、自由に通関業務の料金を設定することを可能とすることが適当であろうと考えております。

ただ、注10にございますが、同時に、通関業法にございます、営業所において料金の額を掲示しなければならない義務につきましては、依頼者の保護の観点から維持することが適当であろうということでございます。

それから、マル4通関士の設置に係る見直しでございますが、前々回の10月5日の地域限定の特例、貨物限定の特例のような、極めて限定的な貨物を取り扱っている、あるいは限定的な地域で業務を行っている通関業者については通関士を置く必要がないことに現在の規定上なっておるわけでございます。地域限定の特例が適用されている地域を見ますと、8ページのところでございますが、貿易量の増加ですとか、取り扱う貨物の種類も多様化しております。それから、EPA等の進展に伴いまして今後ますます申告手続も複雑化することが想定されるわけでございます。こうした環境変化を踏まえますと、地域限定で通関業をしている場合であっても通関士を置いていただきまして、申告書類の審査を行わせることが適当であろうと考えられるわけでございます。もちろん、通関士を置いた場合には、現在の地域の限定は外れて、全国で営業ができるようになるわけでございます。

ただし、なお書きのところでございますが、通関士の確保、あるいは現在通関業務に従事している方が通関士試験に合格して通関士となる資格を得る必要があるわけでございますので、それに要する期間を考慮しまして、特例の廃止については5年程度の猶予期間を設けてはどうかということでございます。

11は、10月5日にもこういうことを検討すると御説明しておりますが、貨物限定の特例については、一定の種類の貨物を恒常的に扱っているということで、基本的には通関業務の申告する貨物の種類が極めて定型的なケースでございます。これについては通関士の審査が必須であるとまでは言えないのではないかということで、特例を維持してはどうかということでございます。

続きまして、8ページのロの専任の通関士の要件の緩和でございます。それぞれの通関業者の営業所には――ここに常勤性、専従性とございます。常勤性というのは、最低1人は特定の、Aという営業所ならAという営業所だけで通関士の業務を行っている通関士が必要だということでございます。それから、専従性というのは、同じく最低1人の通関士は通関業務だけを行わなければならない。経理とか営業とかその他の業務を行ってはならない。そういう意味の専従性を現在は政令と通達で求めているわけでございますが、その下のマル1マル2マル3にございますように、ペーパーレス化が進んでいることによりまして、地理的に多少離れている営業所であっても通関士の審査は行えるのではないか。それから、通関業者という業者の組織形態も多様化する中で、通関士は他の業務を行ってはいけないというのは現実的ではないこと。それから、通関の適正性を確保する体制となっていないという場合には、後ほど御説明申し上げます業務改善命令によって対応することが適当であろうと考えられることを踏まえまして、通関営業所に置く通関士の「専任」の要件を緩和することが適当であろうということでございます。平たく申し上げますと、規制を緩和して、通関の適正性の確保の仕方は基本的に通関業者自身に考えてもらう方向の改正でございます。

それから、マル5通関業務に関する報告事項の見直しは、営業報告書を毎年1回税関に提出していただくのでありますが、その内容について簡素化・合理化等の必要な見直しを行うものでございます。

最後でございますが、通関業務の適正性を確保するための所要の改正でございます。

まず、第1が業務改善命令の新設で、適正な業務が行われていない場合に業務の改善を命ずるという規定が他の業法においてはむしろ一般的でございますが、通関業法にはこうした規定がございませんので、これを規定してはどうかということでございます。現在の通関業法には業務停止や許可の取消しといった規定しかございません。それから、業務停止や許可の取消しの前の段階として戒告という規定についてなお書きにありますが、主に通関士に適用されるべき戒告という規定が通関業者にも適用されるようになっております。これは廃止しまして、今後は通関業者に対しては業務改善命令、通関士に対しては引き続き戒告、ということを考えております。

その次の欠格事由は、通関業の許可基準が通関業法の第5条にございますが、十分な社会的信用があることが許可の要件となっております。それについて、暴力団員等に申請者が該当しないことが明文の規定とされておりませんので、既にこれがございます保税蔵置場やAEO事業者と同様に、通関業法上、明文の規定を置いてはどうかということでございます。

最後に、罰則の見直しでございますが、罰金刑の水準が他の法令に比較して著しく低いということでございますので、これを見直すこととしてはどうかということでございます。

10ページでございますが、改正の方向性として、以上の考え方を踏まえまして、輸出入申告官署の自由化について、輸出入申告を蔵置官署に対して行う原則は維持しつつ、AEO輸出入申告については、非蔵置官署に対して輸出入申告を行うことを可能とすることが適当ではないか。また、申告官署の自由化に伴い、通関業の営業区域制限を廃止するとともに、通関業務を取り巻く環境の変化を踏まえて、所要の見直しを行うことが適当ではないかということでございます。

どうぞよろしくお願いいたします。

○米山知的財産調査室長知的財産調査室長の米山でございます。本日はよろしくお願いいたします。

それでは、私から資料2−1「営業秘密侵害品に係る水際措置の導入について」と、資料2−2、その資料編の両方を用いて水際措置の導入に関しまして御説明したいと思います。

それでは、資料2−1の1ページ目をご覧ください。まず、現行制度の概要でございますけれども、営業秘密につきましては、不正競争防止法において、技術やノウハウといった情報のうち、「秘密として管理されている生産方法・販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないもの」を「営業秘密」として保護しているわけでございます。

具体的には、資料2−2の5ページをご覧いただければと思います。ここに我が国における技術流出の状況ということで、横の紙でございますが、具体的な事例を掲げさせていただいてございます。例えば左上の枠の中でございますが、日本の製鉄会社が特殊な鋼板をつくる技術を有したわけでございますけれども、従業員によって他の会社に不正にその技術を開示されたということでございます。また、右側でございますが、電子部品メーカーが有している技術が同じような形で提携企業の元技術者により競合他社に流れてしまった。このように、製造に係る技術上の情報などの営業秘密を用いて生産された物品に係る水際措置の導入に関しまして今回御審議いただく予定としてございます。

この左上、右上、両方の枠の中の下のほうに「民事訴訟」とか「刑事」と書いてございますけれども、先ほど私が御説明いたしましたとおり、営業秘密に関しましては、既に営業秘密を不正取得したり不正利用した場合は民事訴訟だとか刑事の対象として不正競争防止法上で規制されております。

一方、この営業秘密を不正に使用して製造された物品につきましては、これまで不正競争防止法におきましても規制対象外でございましたが、昨今の大型の技術流出事案が顕在化する中、既に不正競争防止法を改正いたしまして、このような営業秘密を不正に使用して製造された物品につきましても規制の対象となったわけでございます。このような環境の変化を受けまして、関税法も改正いたしまして、水際措置の対象にしてはどうかというのが最終的な本日御審議いただきたい内容でございます。

それでは、恐縮でございますが、資料2−1の1ページ目にお戻りいただければと思います。1.の(2)、現行関税法における取扱いにつきましては、頭のほうに書いてございます色々な権利、特許権、商標権、著作権等々といった知的財産につきましては現行関税法上の水際措置の対象としておりまして、税関におきましても日々積極的に取締りをしておるところでございますが、営業秘密に関する物品につきましては現行関税法上の水際措置の対象とはされておりません。

続きまして、背景でございますが、営業秘密に関しましては、先ほど御説明した申告官署の自由化と同じように昨年も当審議会で御検討いただいてございます。ただ、昨年の当時は、不正競争防止法で営業秘密の侵害品に関する規制につきまして経済産業省や産業構造審議会においてまだ検討途中でございましたので、当審議会におきましては、2.(1)の下線を引いているところでございますけれども、御検討いただいた結果、今後、不正競争防止法において営業秘密侵害品に係る輸出入規制が整備され、また、税関が水際において迅速・適正に侵害の該否を判断・確認できるような仕組みが導入された場合には、これを踏まえて検討することが適当であると記されたところでございます。

次の2.(2)の知的財産推進計画2015でございますが、この水際措置の導入に関しましては、内閣総理大臣を本部長とする知的財産戦略本部におきまして、今年の計画として、今後取り組むべき施策として営業秘密侵害品に係る水際措置導入が盛り込まれております。関係府省において検討を行い、本年度中に結論を得、必要な措置を講ずることともされておるわけでございます。

続きまして、資料を1枚おめくりいただきまして、「3.検討内容」でございます。私が先ほど御説明したとおり、(1)でございますけれども、不正競争防止法における営業秘密侵害品に係る輸出入規制は、既に法律が可決成立し、平成28年1月1日に施行予定でございます。(1)の2パラ目でございますが、この不正競争防止法の改正によりまして、色々な罰則の引上げ等のほか、営業秘密の不正使用により生じた物であることを知っている者が当該物品を譲渡・輸出入する行為等が、新たに規制・刑事罰の対象となりました。これによりまして、税関が水際で取り締まる場合の対象が明確になったところでございます。

続きまして、「(2)税関が水際で迅速・適正に侵害の該否を判断・確認できる仕組み」でございます。税関は、水際取締官庁という役割もございますが、一方で貿易円滑化、貨物をスムーズに流すという役割も使命として負っております。従いまして、税関が水際で迅速・適正に判断する仕組みというのは重要なところでございまして、恐縮ですが、資料2−2の2ページをご覧いただければと思います。ここにフローチャートが描いてございます。まず、営業秘密を侵害された方は、緑でバックグラウンドを塗ってあるところでございますが、不正競争防止法を所管する経済産業大臣に対しまして、「営業秘密の不正使用により生じた物」と「営業秘密不正使用物品であることを知っている者」の指定を申請していただきます。経済産業省でこの申立人だとか被申立人からしっかりと意見聴取していただき、必要に応じ学識経験者に意見照会をいただき、最終的に侵害であるという判断になれば、経済産業大臣が「営業秘密不正使用物品」と「営業秘密不正使用物品であることを知っている者」を指定するわけでございます。この指定を受けて、被侵害者はフローチャート左側の記載のとおり税関に差止申立ての申請をいただければ、税関としては水際取締りの対象が明らかになるということでございます。輸入差止申立て申請以降の流れに関しましては、今回、新たに導入するものではなく、特許権、商標権、意匠権、もろもろの権利でこのような差止申立ての申請手続が既にあるところでございます。

恐縮ですが、資料2−1の2ページにお戻りください。今、御説明した流れが(2)の仕組みのところで書いてございます。

最後に、(3)「輸出入してはならない貨物」への営業秘密侵害品の追加でございますが、これまで御説明したような内容で、営業秘密侵害品を関税法上の「輸出入してはならない貨物」に追加することが適当と考えております。(3)マル1に関しましては、御説明した不正競争防止法の改正だとか、経済産業大臣による指定制度が導入される予定であること。また、(3)マル2といたしましては、そもそも関税法上の「輸出入してはならない貨物」は、国民生活の安全、社会・経済秩序の維持といった公共の利益の観点から、他の法令によりその輸出入を実質的に禁止している物品について、税関による積極的な水際取締りの実効を期すことが必要と認められるものを対象としております。今回の営業秘密侵害品につきましては、社会・経済秩序の維持といった社会公共の利益の観点から、「輸出入してはならない貨物」として、税関による取締りの実効を期すことが必要であると考えられるとしております。

最後、資料の3ページでございます。改正の方向性につきましては、これまで御説明したのと同様のことが書いてございますので、下から4行目の後ろのほう、括弧書きで「営業秘密侵害品」と書いてございますが、そこから読み上げさせていただきます。「(営業秘密侵害品)を、関税法上の「輸出入してはならない貨物」に追加し、他の知的財産侵害物品と同様の仕組みにより、水際措置の対象とすることが適当ではないか」ということでございます。

私からの説明は以上でございます。

○小宮関税課長関税課長の小宮でございます。私からは延滞税の免除に係る規定の新設、郵便等による納税申告書等の提出時期に係る規定の新設の2つにつきまして、資料3−1及び資料4−1をもちまして御説明申し上げます。

まず、資料3−1をご覧いただきたいと思います。延滞税の免除に係る規定の新設でございます。現行制度でございますけれども、延滞税の免除関係に関しまして、消費税は輸入貨物に課されるところでございますが、現状、内国税と、関税と若干取扱いに差が生じ得る制度となっているところでございます。国税につきましては、参考2に書いてありますような様々な要件を満たした場合に延滞税の一部又は全部を免除する規定が設けられているところでございます。他方、関税につきましては、御承知のとおり、基本は納税申告と輸入申告が一緒でございまして、納税をしないと貨物の引取りができないというのが基本的な構造の中で、一部、特例申告におきましては、貨物の輸入の許可は先に受けて貨物を引取って、納税は後になる場合に納税の期限がある中で、これまでは内国税と同じような延滞税の免除に係る規定は、必要性等も鑑みて、設けていなかったところでございます。

近年、貿易量も非常に増加してきておりますので、この内国税と関税の取扱いの差によって、延滞税の取扱いで差が生じる案件が今後増えてくることも想定されるところでございます。今回、延滞税に係る規定を内国税と同じものにして、納税者にとって分かりやすい制度としようというのがこの延滞税に係る規定の新設事項でございます。

それから、資料4−1でございますけれども、これも内国税と取扱いが若干制度的に差が生じ得るものになっているものを、統一しようというものでございます。申告書等の効力につきまして、民法の一般原則がございますけれども、内国税については従来から発信主義を採用してございます。他方、関税につきましては、一般原則に基づいて到達主義を採用してきたところでございます。

2ページをご覧ください。通関業法についても見直しを行いまして、営業区域制限を廃止することを考えておりまして、それに伴いまして、AEO申告者等は基本的にNACCSで申告いたしますので、信書で郵送で申告するというのは、基本は非常に少ない中で、例えば東京に輸入者がいて、東京の輸入者が東京の通関業者にお願いして、荷物は東京以外の場所に届いてその場所に蔵置しているというときに、東京からその場所の税関に申告書を郵送することも想定されることになります。その場合、現在であれば、まさにその蔵置官署内での郵送になるわけですけれども、それが若干遠隔地に郵送することも想定し得る状況になる中で、この際、内国税とその効力の発生時期について取扱いを統一すべきではないかという検討項目でございます。

私からは以上でございます。

○森田分科会長ありがとうございました。

それでは、これまでの事務局からの御説明につきまして、御質問、御意見等をいただきたいと思います。どなたからでもどうぞ。

○相澤委員2−1の営業秘密侵害品に係る水際措置の導入につきましては、知的財産侵害品の国際的な流通が大きくなっている中で、迅速に水際措置の導入をしていただくという御意見をいただきまして、ありがとうございます。

今後とも国際的な商品流通が大きくなっていく中で、知的財産侵害品の水際措置の役割は大きくなっていくと思いますので、引き続き制度の改善等に努力をしていただければと思います。

○渡辺委員最後の郵便等による納税申告書等の提出時期に係る規定の新設で、納税申告書については発信主義にするんだということは結構だと思うのですけれども、逆に、税関のほうから納税者を色々処分するときの効力の発生時期は、今どうなっていて、今度変えるお気持ちがあるのか。その辺、まず今どうなっているのでしょうかというところを伺いたいんですが。

○小宮関税課長当局側から納税者に対して送達するときの効力発生時期につきましては、現状、到達主義を採用しており、かつ、今後も到達主義とする予定にしておりますので、今回改正をする予定はしておりません。

○渡辺委員わかりました。それなら結構でございます。

○小宮関税課長国税もそれは一緒でございます。

○宮島委員まず最初の申告官署の自由化などに関しましては、これに限らずですけれども、通関も迅速化が本当に求められていると思いますし、全体の行政の流れとして、規制の形ではなく、まずは業者にできるだけ自由度をあげて、そして事後チェックをするという流れで、TPP交渉もあると思いますので、この方向性は当然かと思います。

その中で、業者との信頼ですとか、普段からのコミュニケーションが非常に大事だと思うのですけれども、信じていたはずの業者がこんなことをやっているのかというようなことが色々ありまして、私たちも結構愕然とすることがあります。途中過程で業務改善命令を出していくというのは非常に重要だと思っておりまして、今回、業務改善命令という形で新設されましたけれども、ここに関しては割合躊躇なく、小さなことでも改善を求めていって、そして国民と業者の信頼を行政が繋ぐということを期待しております。開けてみたらとんでもないことがあったということがないような、丁寧なチェックをしながら進めていっていただければと思います。

あと、営業秘密侵害品に関してですけれども、やはり知財の分野というのは日本の産業とか成長力にとってものすごく重要だと思っております。私も知財の議論に少し参加させていただきましたが、この営業秘密というものが与える影響、この重要性というものも本当に感じておりまして、今回、罰則等も強化されましたし、こうした水際措置というのは極めて適切だと思います。

実務においては恐らく負担も増すことだと思うのですけれども、経済産業省との連携も非常に重要だと思うのですが、この点、厳しくやって、日本の産業界ですとか競争力に関して関税の面からもぜひ御努力をよろしくお願いいたします。

○森田分科会長御意見、ありがとうございました。

それでは、他にいかがでしょうか。

○古谷委員まず、輸出入申告官署の自由化等についての資料1−1の8ページで、先ほど宮島委員もおっしゃったことと関係しますが、業務改善命令に関してお尋ねします。問題が起きたときに業務改善命令をするという措置はいいと思いますが、これはあくまで問題が起きたときなので、問題が起きる前にいかに発見するかというところも重要になってくると思います。恐らく通関業者の報告書といったところの担保でなされるのかなと思うのですが、問題を発見する手がかりとなるような体制はどうなっているのかということをまず1点お聞きしたいと思います。

2点目ですが、営業秘密侵害品に係る水際措置の導入についての資料2−1の2ページで、税関が水際において迅速・適正に営業秘密侵害品の該否を判断できる仕組みとして、資料2−2の2ページの緑色のところの説明をいただきましたが、実際にこの流れがどれぐらいの期間を想定されているのでしょうか。適正にということであればきちんと長い期間が必要になり、迅速にという観点から考えればそれなりの短い期間ということになります。どのようにこの期間を想定されているのか。規定などがあれば教えていただければと思います。

○堀田業務課長1点目の業務改善命令につきまして、御指摘、御意見、御質問をいただきまして、ありがとうございます。

まず、業務改善命令でございますが、これは法律上というか、業務改善命令とぱっと聞いたときに思い浮かべるよりは非常に重い処分であると私どもは考えております。と言いますのは、もちろん各税関には業務部、その業務部の中に通関業監督官という職員がおりまして、通関業者の業務の適正性については日々、目を光らせております。毎日のように申告が来るわけでございますから、それについて非違があったときなどには、それを随時把握する体制ができております。この業務改善命令というのは、基本的にはそうした非違が頻発しているような、例えば通関業者における申告の適正性を担保する、代表的な例で申し上げますと通関士の審査がきちっと行われていない、体制に不備が認められるような場合等には、業務改善命令によってその体制を是正していただく必要があるようなことが典型的な例なのであろうと思います。

通関の申告には、残念ながら日頃から、非違と言っておりますが、ミスのようなことも起こるわけでございます。ミスが起こるたびに一々業務改善命令を発するのではなくて、そうしたことが頻発するような体制になってしまっている、あるいは、これはもってのほかですが、意図的に何か不正な申告を行うようなことが起こっている、そういうことはあってはならないし、これまでもほとんどなかったと思いますが、そうした体制になっているときに業務改善命令が出てくる。従って、この資料にもございますが、それにさらに反したような場合には業務停止、許可の取り消しといった非常に重い処分に結びつくわけであります。従いまして、日々の注意のようなことはこれからも随時行ってまいりますし、業務改善命令が出たときには通関業者としては重大な受け止め方をする必要があるのであろうと我々は考えております。よろしくお願いします。

○森田分科会長1点目はよろしゅうございますね。では、続きましてどうぞ。

○米山知的財産調査室長続きまして、営業秘密侵害品の迅速・適正な判断ということでございますが、私から、先ほどは、資料2−2の2ページを御説明いたしましたが、税関に迅速・適正な判断が求められておりますのは、3ページ、実際に貨物が来た場合に、税関として、不必要に貨物を止めることなく正しい判断をするということでございます。従いまして、輸入申告がなされてから税関職員が侵害疑義物品を発見した。ここから、ゼロから不正競争防止法違反かどうかという検討を始めますと、これは相当時間がかかります。関係者の御意見なども聞きながら判断するということで時間がかかるわけでございますので、そのような時間をかけないためにも、資料2−2の2ページで御説明したような形で、あらかじめ不正競争防止法を所管する経済産業省で御判断をいただくという流れにしております。

また、さらに経済産業省で行う事前の指定におきましても、例えば被侵害者という方が他の目的を持って、私のものが盗まれたという形で一方的に言われたものをそのまま経済産業省が認めてしまいますと本来の趣旨と異なりますので、したがって、経済産業省においては、資料2−2の右側の上から2つ目の四角に書いてございますように、被侵害者だけでなく被申立人からも意見を聴取し、正確な判断をいただいた上で、「営業秘密の不正使用により生じた物」と「営業秘密不正使用物品であることを知っている者」を指定していただくと、税関では実際に疑義貨物を発見したときには迅速に判断できるのではないかと考えているところでございます。

○三石委員非常に基礎的なことで、もし既に前回あるいはその前のことで説明されていたら教えていただきたいのですが、資料1の6ページです。通関業の許可及び通関業者の認定に係る地位の承継に係る規定の新設、この部分、これはこれでわかるのですが、現行はそういうことはあまりないと思うのですが、例えば合併等が急速に進行した場合、地位の承継は、資本関係だとか、そういったところまで審査の対象になってくるのでしょうか。つまり、外国資本が入ってきた場合に、通関という我が国にとって大事な防波堤を、外国資本の企業が一定程度資本を取得した上でこの業界に入ってくる、こういうことは考えられるのでしょうか。それとも、それは法律上どこかで制限が定まっているのでしょうか。

例えば私が知っている例だと、アメリカの場合、一定の業界においては内国会社でなければこの業務をやってはいけないなど幾つか規制があります。ですから、TPPの影響もあり、かなり色々なことが自由化し、企業の合併、買収が自由に発生するようになったときに、この地位の承継について、例えば経営不振となったような企業を別の会社が買収しました、あるいは資本取得しましたという形により持ち主が変わってきた。そのような場合には何か制限というのはあるのでしょうか。

○堀田業務課長ありがとうございます。先生の御指摘、特に外資系のことを念頭に置いておられるのだと思いますが、外資系の通関業者というのは既に幾つもございます。ですから、通関業者、AEO輸出入者の場合には、外国資本だからといって何か排除するような規定はございません。

その上で、先ほど少し説明が不足しておったかもしれませんが、合併とか事業譲渡が行われたときには、自動的にその承継が認められるということではなくて、この7ページの3行目ぐらいに書いてございますが、財務大臣、税関長の承認が必要でございます。ですから、通関業の許可の基準として、例えば第5条には、通関業の経営の基礎が確実であること、あるいは、先ほどの欠格事由にも関連しますが、十分な社会的信用を有すること等々をしっかりと税関長が審査することになっておりますので、例えば通関業者の法的なステータスだけを外資が譲り受けて、その新法人あるいは新事業体には通関業を営む能力が全くないようなときは、当然その承継は認められないことになると考えております。

○櫻井委員単純な質問で、差し支えない範囲で教えていただきたいのですが、営業秘密の資料2−2の5ページに近年の主な事例というのが挙がっております。これの3つ目、2011年の三菱重工業の事案があるんですが、これはサイバー攻撃と書いてあって、対応は白地なんです。サイバー攻撃という話になると水際ということがもはや観念できないことになりますから、そうすると税関の問題ではなくて経済産業省の問題になるのかなと思うんですが、こちらについては、この表自体は、罪に問えなかったということで、対応がされていないというふうに理解してよろしいんでしょうか。

それから、情報もかなり重要な情報であって、こういうものについては本来どういうところで対応するというようなお考えといいますか、現在対応されているのであれば、そういうところも含めて。それから、不正競争防止法である程度対応することが可能なのかどうかということも教えていただければと思います。

○諸永知的財産政策室長(経済産業省)経済産業省でございます。今御質問いただいた部分は、まさに先生がおっしゃったように、水際で差し止めるというよりも、サイバー的なところで実際に漏れているおそれといった検知までにとどまっていまして、法的な手続まで進んでいない事案がここに載っています。

そして、そもそも論としてこういうものが起きた場合ですけれども、まさにわかった場合であるところは、国内の部分、そして今回法改正を行いまして海外にといったところも強化されましたので、日本国内における士法と、海外で情報を扱っている場合も国内法において裁けるところが今度の1月1日から施行する部分で強化されましたので、そういうところで国内の民事、刑事で対応していきたい。

あと、そもそも情報の性質として、特に機微というか、国として守っていくべきところは、特許であるとかオープン・クローズといったところでもしっかりと守っていきたいと考えております。

○相澤委員今の点につきまして、先生御指摘のように、情報そのものの保護、知的財産としての保護というのは重要ですが、侵害品が物として国内に入ってくるという側面がありますので、この関税法の改正におきまして、この側面について保護の強化をしていただくことに評価をしていただければと考えています。

情報そのものを関税法で対処することはちょっと違う筋ではないかと思います。依然として侵害品として物が入ってくるわけで、それに対する措置は、情報化が進んでも、物の流通がなくならない限りは引き続き重要性があると思います。したがって、この改正というのは重要であると理解をしております。

○櫻井委員それはおっしゃるとおりだと思うのですが、本体そのものについてどうするかというところが大変重要で、この辺は国家の側の能力というあたりがかなり厳しく問われているという実感がございますので、是非全省庁的に対応していただけるとよろしい問題なんじゃないかと思っております。

○森田分科会長これはそういう御意見ということでよろしゅうございますね。ありがとうございました。

それでは、他にいかがでしょうか。

○春田委員資料1−1の輸出入申告官署の自由化等についてであります。この考え方に、私も前向きに捉えているのですが、貿易の通関手続のより一層の迅速化が求められているということで、1.にも経緯が書かれており、また、3ページ目の3つ目のポツにもあるとおり、今TPPとこのEPAの拡大で原産地規則等々、非常に複雑化してきていると思います。従いまして、貿易の円滑化、迅速化とともに、こちらの関税のほうが非常に複雑化している、とりわけ、原産地規則が、非常に複雑化してきていますので、そこのきちんとした管理と迅速化とがうまく両立できるのかというところは少し不安に思うところであります。その点について、少し解説をお願いいたします。

○堀田業務課長御指摘、ごもっともであると考えております。TPP等の進展に伴いまして原産地規則も大変複雑化していくことが想定されるわけでございまして、税関においても原産地規則を専門に取り扱っている職員もおりますし、日々研修等を通じましてその専門性の向上に努めておるところでございます。一方で、今回の申告官署の自由化に伴います種々の通関業法の見直しというのは、まさに申告する側、それを専門に取り扱って業としている通関業者の側においても、税関が一から十まで全て審査をするまでもなく、適正な申告、あるいは申告者、輸出入者にとって有利な申告を適正に選んで行うことができる、税率が複雑化して色々な税率がとり得るわけでございますから、そういうことを通関業者の側においてスピーディーに適正に行っていただくことが理想的であるわけでございます。その意味で、委員のおっしゃった、3ページで申し上げれば、通関士、通関業者による高度な専門性の発揮というのはそういうことを我々としても期待して、意識して、こういう考え方をお示ししているということでございます。

○小宮関税課長御意見をいただいた観点につきましては、ある意味、複雑化の部分につきまして長年の課題になっているのは事実でございます。まず、そのルールの部分につきましては、これまではバイのEPAが多数あって、それぞれの品目についての原産地基準が、こっちのEPAではこういう基準、こっちのEPAではこういう基準と違いがございます。それから、今度TPPについては大筋合意されましたけれども、これについてはTPPの域内であれば一つの基準になるわけでございます。そういう中でルールづくり、これは国際的な交渉協議の場で、できる限り品目が色々なEPAごとに差が大きくならないように、それを頭に置いて今後も交渉を続けていく必要があるだろうというのが1つございます。

それから、逆にルールで若干違いがあるときに、実際の現場で適正かつ効率的に運用できるかという観点でございます。1つは、通関業法のレベルアップも関連いたしますけれども、申告をする方の知識、経験等を大幅にアップしていただくのに行政も支援をしていく。それから、行政側としては、EPAセミナー等も全国で展開しておりますけれども、事前教示制度を最大限活用して、物が来てから、さてどうなるんだろうではなくて、できる限り事前に、どういう規定の適用を受け、どういう税率になるのかをあらかじめお互い了知をした上で、通関は円滑に進むようにできる限り努力することが今後とも必要になろうかと思っておりますし、我々としてもそれを明確に念頭に置いて今後とも行政サービスを続けていきたいと考えております。

○工藤委員今のお話の流れから、やはり通関業務が複雑高度化かつスピード化を求められるとしますと、7ページにあります料金の自由化ですよね。自由料金制になるということで、自由に料金を設定することができることになりますと、大手に流れるのか、あるいは、幾ら競争とはいえ、今までどおり天井があったのを上回ってしまうのか。そこら辺の見込みはいかがでしょうか。見込みですので、そこら辺のお話をいただけたらと思います。

○堀田業務課長料金は自由にするということですので、何ら見込みを持っているものではありませんが、7ページのマル3の一番下にございますように、通関業者が提供するサービスの内容やコストに応じて自由に設定していただくということでございますから、もちろん今の最高限度額を上回るような料金を収受することも可能になると考えております。あるいは、ただ、今の料金は、お手元の資料1−2の一番最後のページについているのが現在の具体的な定め、31ページにあると思います、これが現在の財務大臣の定めでございますが、こういう決め方をしなければならないということでもないわけでございます。ですから、創意工夫を促すことによって、高度なサービスを提供する通関業者はより高い料金を収受することができるのは当然であると思っておりますし、例えば諸外国においてもそういうケースがあるというふうには聞いております。ありがとうございます。

○森田分科会長他によろしいでしょうか。

それでは、他に御質問等ございませんでしょうか。なければ、質疑はこのあたりにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

これまで平成28年度関税改正項目につきまして、委員の皆様から一通り御審議をいただいたところでございますが、先般大筋合意に至りましたTPPにつきましても、今後、関連する関税制度改正につきまして御審議をいただく必要があろうかと思っております。

このことも踏まえまして、次回の関税分科会の開催日程につきましては事務局より改めて御連絡申し上げることにしたいと思います。

それでは、本日は御多用のところ御出席いただきまして、ありがとうございました。

午後2時37分閉会

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