現在位置 : トップページ > 財務省について > 審議会・研究会等 > 関税・外国為替等審議会 > 関税・外国為替等審議会関税分科会 > 関税分科会 議事要旨等 > 議事録 > 関税・外国為替等審議会 関税分科会 (平成27年4月7日開催) 議事録

関税・外国為替等審議会 関税分科会 (平成27年4月7日開催) 議事録

 

関税・外国為替等審議会 関税分科会 議事録

本稿は、平成27年4月7日の関税・外国為替等審議会 関税分科会の議事録です。
午前10時36分開会

○小宮関税課長それでは、若干時間が早くなりましたけれども、ただいまから関税・外国為替等審議会関税分科会を開催いたします。

委員の皆様方には、引き続き御出席をいただきましてまことにありがとうございます。

私は、関税分科会の庶務を担当しております関税局関税課長の小宮でございます。分科会長選任までの間、議事進行を務めさせていただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。

まず、本分科会の委員名簿でございますけれども、お手元にお配りしております資料1のとおりとなっております。

また、本日の議題は、お手元にお配りしております議事日程のとおりでございます。

それでは、改選後初めての関税分科会でございますので、分科会長の選任をお願いしたいと存じます。

分科会長につきましては、お手元の資料2にございます関税・外国為替等審議会令第6条第5項の規定によりまして、互選により選任することとされております。早速ではございますが、どなたか分科会長を御推挙いただけますでしょうか。

藤原委員、お願いいたします。

○藤原委員私は、先ほど総会で関税・外国為替等審議会の会長に選任されました森田朗氏を推薦したいと存じます。先ほども御紹介がございましたけれども、森田委員は行政学の分野でも大変多くの実績を上げられているとともに、中央社会保険医療協議会の会長、そして、国立社会保障・人口問題研究所の所長も務めておられます。幅広い知識、それから御見識、御経験を合わせますと、分科会長には森田委員がふさわしいと存じます。

○小宮関税課長ただいま藤原委員より森田朗委員を推薦する御提案がございましたけれども、いかがでございましょうか。

(「異議なし」の声あり)

○小宮関税課長ありがとうございます。皆様方の御賛同を得ましたので、分科会長は森田委員にお願いしたいと存じます。森田分科会長におかれましては、恐縮でございますけれども、こちらの会長席のほうにお移りいただきたいと存じます。

(森田分科会長着席)

○小宮関税課長それでは、以後の議事進行を森田分科会長にお願いしたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。

○森田分科会長森田でございます。分科会長を務めさせていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。

委員の皆様方の御協力をいただきまして、これからは円滑な分科会の運営に努めてまいりたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

それでは、早速ではございますが、分科会長代理、分科会に属すべき委員及び各部会長の指名につきまして、小宮関税課長より御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○小宮関税課長私のほうから、分科会長代理、部会に属すべき委員及び各部会長の指名につきまして御説明申し上げます。

まず、分科会長代理につきましては、関税・外国為替等審議会令第6条第7項の規定によりまして、分科会長が指名することとされております。また、部会に属すべき委員及び部会長につきましても、関税・外国為替等審議会令、これは第7条第2項及び第3項の規定によりまして、分科会長が指名することとされてございます。分科会長代理、企画部会、特殊関税部会に属すべき委員、それから企画部会長及び特殊関税部会長につきまして、森田分科会長より指名をお願いしたいと存じます。

○森田分科会長ありがとうございました。それでは、事務局から名簿案を配付させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

(名簿案配付)

○森田分科会長ただいま配付させていただきました名簿案のとおり、各部会に所属すべき委員を指名させていただくとともに、分科会長代理及び企画部会長は櫻井敬子委員、特殊関税部会長は佐藤英明委員、それぞれお二人の委員にお願いしたいと存じますが、いかがでございましょうか。

(「異議なし」の声あり)

○森田分科会長ありがとうございます。それでは、櫻井分科会長代理兼企画部会長及び佐藤特殊関税部会長より一言御挨拶を頂戴いたしたいと思います。よろしくお願いします。

○櫻井委員櫻井でございます。不慣れでございますが、どうぞよろしくお願いいたします。

○佐藤委員佐藤でございます。色々と教えていただきながら役を務めたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○森田分科会長ありがとうございました。

それでは続きまして、今後の審議の参考として、関税政策・税関行政について、事務局より説明を受けたいと思います。

それでは、山名総務課長より御説明をお願いいたします。

○山名総務課長関税局総務課長の山名でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、早速でございますが、お手元の資料3の2ページ目をお開きください。税関の3つの使命ということでございます。四方を海に囲まれる我が国におきましては、水際対策が極めて有効でございます。税関は、水際におきまして、1つとして、国民の安全・安心の確保、2つとして、適正かつ公平な関税等の徴収、3つ目として、貿易円滑化の3つの使命を担っております。

3ページ目をご覧ください。この3つの使命を果たすために、全国に9つの税関を置きまして、その定員は27年度末で8,846名となっております。港や空港を中心に税関の官署を設置しておりますので、財務局や国税局といった他の地方支分部局とは異なる区割りとなっております。例えばピンク色の部分は函館税関が北海道以外に東北の青森、秋田、岩手、それから水色の部分は横浜税関が宮城、福島を管轄しているということでございます。

1ページおめくりいただきまして4ページ目でございます。税関をめぐる状況でございます。税関は、その使命を果たすために入国旅客や輸入貨物等のチェックを行っておりますが、訪日外国人旅行者の増加に伴いまして入国者数が大きく増加しております。輸入貨物も増加しております。具体的には、一番上の欄をご覧いただきますと、10年前と比較いたしましても入国者数で約6割増し、輸入申告件数でも約6割増しという状況でございます。

1ページおめくりいただきまして5ページ目でございます。こうした中で税関の第一の課題は、訪日外国人の増加への対応でございます。左側のグラフでございますが、2012年の836万人から2014年の1,341万人へと、ここ2年で500万人も増加しております。さらに政府は、2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会に向けまして、訪日外国人旅行者数2,000万人の高みを目指しており、これへの対応ということでございます。

1ページおめくりいただきまして、第2の課題は、不正薬物対策でございます。ポイントは3つでございます。

1つ目は、依然として不正薬物の押収量、3年連続で600キロを超えまして深刻な状況でございます。600キロと言いますと、覚醒剤で言いますと約1,900万回分、末端価格換算で約400億円弱に相当するような規模でございます。

2つ目が、覚醒剤の押収、これは水際での押収が98%ということでございます。

3つ目に、航空機旅客による摘発、押収が非常に多いということでございます。

1ページ飛ばしていただきまして、8ページ目をご覧ください。さらに危険ドラッグが非常に社会問題化しております。このため、昨年、医薬品医療機器等法改正の議員立法ですとか、それから、当審議会でも御議論いただきましたが、平成27年度関税改正で取締りを強化しております。具体的には、指定薬物を関税法上の輸入してはならない貨物に追加しております。

1ページ飛ばしまして、10ページをご覧いただきますと、指定薬物の指定数も急増しておりまして、現在1,470物質が対象になっているということでございます。

1ページおめくりいただきまして、3つ目の課題が、知財侵害物品対策でございます。これも依然深刻な状況で、ポイントは3つございます。1つ目が差止件数は3万2,000件と過去最高、2つ目が9割超が中国からのもの。3つ目が、輸送手段は国際郵便が大半であるということでございます。

1ページ飛ばしていただきまして、13ページ目をごらんください。税関のテロ対策、これが第4の課題でございます。今回の邦人殺害テロ事件ですとか、ヨーロッパでの色々な事件などの厳しいテロ情勢を受けまして、また、来年のサミット、2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会に向けまして、特に水際対策が重要ということでございます。

14ページ目でございます。このような入国旅客、輸入貨物が増加する中で、水際におけるテロ対策、不正薬物対策の徹底が必要ということで、税関の体制整備は非常に重要でございます。ポイントは3つございまして、第1に必要な定員の確保、第2に検査機器等の整備、第3に限られた人員、予算を有効に活用するためにも、リスク分析に必要な事前情報の入手、分析が重要ということでございます。

15ページ目でございます。税関定員でございます。税関定員につきましては、厳しい定員事情の中で、ここ3年は純減が続いていたのですけれども、本年1月の緊急増員及び平成27年度の定員査定でプラス100人の純増を確保し、過去最高の8,846人となることになります。今後も計画的な体制整備が重要ということでございます。

次のページが、TDS、ガスクロマトグラフといった、現在活用している主な監視取締機器になります。

次が17ページ目、リスク分析に必要な情報の事前入手ということで、航空機旅客、海上貨物、国際郵便物・航空貨物、それぞれについて国際的な連携も図りながら事前入手を推進しております。航空機の旅客につきましては、PNRと呼ばれます航空会社が保有する旅客の予約記録が取締りに極めて有効ということでございます。

さらに18ページ目でございます。航空機旅客については、テロ対策に加えて、覚醒剤の密輸も多いため不正薬物対策面でも特に適正な通関が求められております。一方で、訪日外国人は大きく増加する中で、大多数の善良な入国者に対する迅速な通関も求められており、その両立を図るためには、PNRを事前に入手し、大多数のリスクの低い旅客につきましては迅速に通関するとともに、リスクの高い旅客に対して重点的なチェックを行うというメリハリをつけることが重要でございます。このため、全ての航空会社によるPNRの悉皆的、電子的な提出の実現を目指しております。本年4月1日より航空会社のNACCSによる電子的な提出を可能としておりますし、さらに本年3月11日には、内閣官房も同席の下、財務省及び国交省共催の説明会を開催いたしまして、航空会社に悉皆的、電子的提出を要請したところでございます。

1ページおめくりいただきまして、海上貨物につきましては、船舶が出港する24時間前までに詳細な積荷情報を電子的に報告することを義務づける出港前報告制度を運用しております。

20ページ目でございます。国際郵便物についても、事前情報を活用したセキュリティ対策強化を推進することが重要であるということでございます。

21ページ目でございます。以上が3つの使命のうち国民の安全・安心の確保の関係でございましたが、次は、適正かつ公平な関税等の徴収の関係でございます。これも極めて重要で、平成25年度の税関における収納額は、約6.5兆円、内訳は関税収入で約1兆円。平均関税率は低下してきておりますが、輸入額の増大等によりまして関税収入は増加しておりまして、この1兆円超は過去最高の水準でございます。

更に、税関では消費税等も徴収しており、これが約4.2兆円となっております。平成26年度は消費税率が8%に上がっているため、この2月までの消費税、地方消費税の徴収額でも約5兆円と前年同期比約1.5倍となり、収納額の一層の増加が見込まれており、徴税機関としての税関の重要性も一層増しているということでございます。

次のページが、こうした関税等の納税が適正に行われるよう事後調査を実施しているということでございます。

23ページ目でございます。こちらから税関の3つの使命のうちの貿易円滑化の推進の関係でございます。これも極めて重要で積極的に取り組んでおります。通常、輸出入申告は貨物の蔵置場所の税関官署に行う必要がございますが、AEO事業者につきましては、全国のどこの税関官署にでも輸出入申告を可能とする申告官署の自由化を平成29年度の次期NACCS更改までに実施する予定で進めております。

24ページ目でございます。今申し上げましたAEO事業者とは、コンプライアンス遵守やセキュリティ管理の優れた事業者で、適正な通関と迅速な通関を両立するための税関のパートナーとして活躍しております。

次のページでございますが、貿易相手国との相互承認も積極的に実施しておりまして、アメリカ、EUを含む7組の相互承認をやっております。これによって貿易円滑化に貢献しております。

26ページ目でございます。こうした通関業務を円滑に行うシステム面の基盤となっているのがNACCSという官民共同システムでございます。これによりまして輸出入申告総件数の約98%が電子的に処理されております。また、平成29年10月に次のシステム更改を予定しておりまして、一層の電子化、ペーパーレス化の推進を行う予定としております。

27ページ目からは、関税をめぐる国際的な状況でございます。近年、主要国間でEPA交渉を拡大しており、我が国では、本年1月の日豪EPAの発効により14本のEPAが発効しております。一方、現在8本のEPAが交渉中であり、最近はTPP、RCEP、日EUなど、大規模で広域をカバーするEPA交渉が行われているということでございます。

次に29ページ目でございます。オーストラリアとのEPA発効によりまして、我が国の貿易額に占めるEPA締結国との貿易額の比率は約23%にまで上昇しております。

ちなみに、アメリカは40%、EUは30%等々でございますが、交渉中のEPAが全て発効すれば、約84%をカバーすることになります。成長戦略ではこれを2018年までに70%とすることを目標としているということでございます。

次に32ページ目でございます。EPAにつきましては、実際に有効活用されることがより重要でございまして、このため利用率の低い中小企業等を対象に、商工会議所や財務局等と連携しましてEPAの利用支援セミナーを開催させていただいております。好評であり、今後とも続けていくことにしております。

次に33ページ目のTPPでございます。日本は2013年7月に交渉に参加して、現在12カ国により交渉中でございます。安倍総理も施政方針演説で述べておられますようにTPP交渉は最終局面にございますが、一方で、市場アクセス、知財、国有企業の規律など、残されている問題が絞られてくるほど各国にとってのセンシティビティにかかわってくるため交渉は難しくなってきており、厳しい詰めの交渉を続けているということでございます。

また、一番下にございますが、現在米国のTPA(貿易促進権限)法案をめぐる議会の動向が注目を集めており、交渉の最終局面で残された難しい課題を進めるためには、TPA法案のメドが立つことが必要と認識している交渉参加国が多いと見受けられ、我が国としても早期成立を期待しているところでございます。交渉の先行きは楽観できませんが、政府としては全力を挙げて交渉に取り組んでいるということでございます。

1ページ飛ばしまして35ページ目でございます。具体的なTPP交渉で扱われている分野が21分野存在します。特に財務省はセーフガード、関税割当、原産地手続といった関税制度を所管する立場であるとともに、情報交換、税関協力等税関手続、さらにお酒やたばこといった所管物資の関税等に係る交渉等を担当しているところでございます。

2ページ飛ばしていただきまして、今度はマルチの関係でございます。38ページ。WTOにおきましては、2001年から、通称ドーハ・ラウンド交渉が開始され、その中で貿易円滑化につきましては、昨年11月、WTO全加盟国によりまして、WTO貿易円滑化協定に関する改正議定書が採択されております。貿易円滑化協定は、貿易規則の透明性の向上、税関手続の迅速化を図るためにWTO加盟国が実施すべき措置を規定しておりまして、これによって貿易取引の時間、コストが削減され、貿易拡大、経済成長への貢献が期待されております。

今後、加盟国の3分の2以上が国内受諾すれば発効することとなりますが、これはWTO発足後に結ばれた初の多国間協定となり、ドーハ・ラウンドの大きな成果の1つということになります。我が国におきましても、本年3月10日、本協定の国会承認を求める旨を閣議決定して国会に提出し、審議を待っているという状況でございます。

以上が国際交渉の関係でございますが、次に、国際協力につきましてでございます。開発途上国の税関を対象に関税技術協力を実施しております。これによりまして貿易円滑化を通じた経済成長への貢献、日系企業の海外展開への側面支援等々を期待しているところでございます。具体的には、途上国税関職員を日本に招いて行う受入れ研修や、我が国税関職員を現地に派遣する専門家派遣などを実施しております。

40ページでございます。先ほど申し上げました我が国の通関システムNACCSにつきましても、海外展開を推進しております。ベトナム、ミャンマーに対して導入支援を実施しておりまして、ベトナムは昨年より運用開始、ミャンマーは2016年中にも運用開始を予定しているということでございます。

41ページでございます。WCO、世界税関機構は、税関関連唯一の国際機関でございまして、179カ国・地域が加入しております。現在事務局のトップである事務総局長は日本の御厨邦雄氏でございます。関税制度の調和・統一、税関行政の国際協力の推進に取り組んでいるということでございます。

最後に42ページ、43ページでございますが、関税改正についてでございます。税関を取り巻く環境はこのように常に変化を続けております。その変化に対応して適切に関税政策、税関行政を展開していくために、毎年度、関税制度について当分科会で御審議いただき、年度改正を行ってございます。平成27年度改正の内容や、近年における主な関税改正事項は今申し上げました資料のとおりでございますが、委員の皆様には、関税改正の議論のタイミングが参りましたら御審議いただくことになりますので、よろしくお願い申し上げます。

私からの説明は以上でございます。

○森田分科会長どうもありがとうございました。ただいまの説明につきまして、御質問、御意見等ございましたら御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。

○佐藤委員詳細な御説明をありがとうございました。

テロ対策等の観点で、あるいは水際作戦ということで税関が重要な役割を果たしているということを、改めて認識いたしました。先ほどのお話の中では、最近の改正で、PNRという情報を入手して、これによるリスクの高い旅客の選別を行うという方向性を伺いました。他方、PNRというのはかなり詳細な個人情報が含まれるものであるように理解をしておりますが、18ページでお書きになっていらっしゃるような悉皆的、電子的な提出の実現を目指すという微妙な表現の中に、直ちに行うわけにはいかない事情等がおありなのではなかろうかと拝察いたしました。お話しいただける範囲で、どういう状況であるのか伺えますでしょうか。

○齋藤監視課長監視課長の齋藤でございます。御質問ありがとうございます。

このPNRにつきましては、関税分科会でも御審議いただきまして、平成23年10月から関税法の規定に基づきまして税関が入手しているものでございます。この入手目的も関税法に規定がございまして、関税法69条の11その他関税法の規定を実施するために必要があるときと目的が規定されておりまして、この関税法69条の11というのは、輸入してはならない貨物ということで、テロ関連物資ですとか不正薬物等がその条文に掲げられているところでございます。税関はそのようなテロ関連物資とか不正薬物を水際で阻止すべく不審旅客を絞り込んでいくために、このPNRという情報をとっているところでございます。

このような取得したPNRにつきましては個人情報に当たるわけでございますけれども、税関には一般的に国家公務員の守秘義務がかけられておりますし、それ以外にも個人情報を利用しようとすると、行政機関の保有する個人情報保護法の規制を我々は受けるわけでございます。この個人情報保護法には、取得した個人情報というのは原則として目的以外に利用してはいけないというふうな規定になっております。ただ例外の一つとして、他の行政機関に提供するような場合は、他の行政機関の業務が法令に基づく業務で本当に必要があるとか、提供することに相当の理由があるとか、そういう要件がかかっておりまして、我々はその要件を厳格に運用しているところでございます。

今このようなことをやり出した必要性ということに関しましては、PNRというのはNACCSで4月からとれるようにいたしましたが、それまでは紙でいただいていました。さらには閲覧端末というのもございますけれども、その閲覧端末も、紙でもらうものをスクロールして見るだけで、ソーティングとかは一切できないような状況でございます。

そういう状況で、我々は事前に情報をもらって審査ができるのは一部の乗客に限られていたという状況でございますけれども、先ほど説明がありましたように、頻発しているテロ事件や来年のサミット、さらに2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会とか、そういうことを考えると、我々としては、そういう限られた旅客だけの事前チェックではとても間に合わない。やはり全旅客について、あらかじめ事前審査をしてリスクを判断して、リスクの少ない旅客はさっと通っていただく。リスクの高い旅客にマンパワーを集中して検査するということをやらなくてはいけないと考えておりまして、そのためには旅客の事前情報としてPNRをNACCSで電子的に悉皆的にいただいて、全ての旅客について事前審査を行ってリスクを判定していきたいということでございます。

○浦田委員今の点に関連するのですが、17ページの資料ですと、一番左のほうに、「米国、カナダ、豪州等の税関当局は、全旅客のPNRを電子的に入手」ということで、既にそういう状況になっていると理解するのですが、日本の場合は現状はどうなっているのでしょうか。まだアメリカあるいはカナダ、豪州等のような状況にはなっていないという認識でよろしいのでしょうか。

○齋藤監視課長4月からNACCSで提出できるようになったということではございますけれども、NACCSで実際に出していただくためには、航空会社は予約システムというものを持っていますが、その予約システムとNACCSをつないで、その予約システムからPNRをNACCSに流し込むことがどうしても必要になります。

それは、通常プロバイダを介して、航空会社の予約システムからプロバイダに一旦情報が来て、そのプロバイダからNACCSを通じて税関に情報が流れるということでございますけれども、そのようなシステムを構築するために、プロバイダに聞きますと、最短で2カ月ぐらいはかかる。最短で2カ月でございますので、3月ごろに契約をしたとしても、6月ごろに出始めるということではございますけれども、プロバイダにも一定のキャパシティがございますので、航空会社が日本に乗り入れているのは80社ぐらいございます。その80社が一遍に申し込んでも、プロバイダのほうでもなかなか対応し切れないというような面がございますので、全てNACCSで提出されるまでにはちょっと時間がかかるかなというような気がしております。

○竹中委員今の関連ですが、残っているのはそういう技術的な問題だけでしょうか。それとも、航空会社の協力体制には問題はないのでしょうか。技術的な問題さえ解消されれば協力してもらえる状況なのでしょうか。

○齋藤監視課長3月11日に説明会を開いた後、多くの航空会社からはPNRをNACCSで提出しますということになっております。ただ、EU系の航空会社につきましては、EU内の個人情報保護法制という問題があって、出すのはなかなか難しいというようなことは言われております。

○相澤委員関連しまして、日本の航空会社が外国の航空会社に比べて、競争上の不利益に陥らないように十分な配慮をお願いします。

それから、日本における情報の守秘については問題ないと思っていますが、情報を各国と共有することになりますと、関連国における情報の漏えいということが問題になると思いますので、その点についても御配慮をお願いしたいと思います。

○齋藤監視課長日本系の航空会社が不利にならないということは対応してまいりたいと思います。一方、日本の航空会社が例えば外国の行政機関に出すときの守秘の問題は、これはどちらかといいますと、PNRの問題というよりも、民間が持っている個人情報を外国の政府に出すときの対応ということを考えると、必ずしも関税法だけの問題ではないかなと。個人情報保護法という個人情報についての一般的な法律はございますけれども、そのような外国の行政機関に渡すときの個人情報保護の一般的な法律があればいいのかなという感じがしております。

○藤原委員先ほどEUの話が出ましたけれども、EUと情報を交換できるという見込みはどれぐらいおありなのでしょうか。それから、現在、総務省だけではなく横断的に個人情報保護法の見直しが進められており、今後、比較的速やかに制度としても発効するというふうに聞いております。それに対して我が国が例えばEUと情報を交換することができないがゆえにこうむるリスクというか、危険というか、そういうような情報に関しては他の省庁とも十分に御協議なさっているのかどうか、そのあたりを伺いたいと思います。

実は、先日それに関連する勉強会に私も出席させていただいて、そのときの議論があまりに内向きなもので、経済の発展あるいは活性化に資するか否かというところに焦点が当たり過ぎており、そもそもの我が国がさらされている危険に対してのリスクという議論がほとんど聞かれなかったので、少し危惧をしているところです。

○齋藤監視課長私のわかる範囲内でお答えをいたします。

EUの航空会社から例えばPNRを出していただけないということになると、そこが言ってみればセキュリティホールになって、セキュリティホールが狙われるということは十分考えておりまして、我々としてもEU系の航空会社からもちゃんとPNRを出していただくべく、いろいろ動いているところでございまして、このPNRの悉皆的、電子的提出というのは、先ほど説明もありましたように、関税局だけで動いているわけではなくて、内閣官房をはじめ外務省、個人情報保護制度を所管している総務省、国交省とか法務省とか、全ての関係省庁が一緒になって取り組んでいるところでございまして、日本の個人情報保護というのは大丈夫だと思っていますけれども、EUのほうとの話し合いも進めていかなくてはいけないと考えているところでございます。

○藤原委員EUに関しては、今後の交渉の糸口もまだあまり見えていないということなのでしょうか。麻薬等のトラフィックを考えると、最近は特にEU経由の流入が多いというふうにも聞いております。この件に関しては、国内法での個人情報保護法の議論のみでは解決できない日本としてはとても緊急に対応しなければいけない問題を抱えていると思いますので、その旨を個人情報保護法を省庁横断的に議論していらっしゃる場でもしっかりとお示しいただいて議論していただくようにお願いしたいと思います。

○宮内関税局長今年の初めからテロが頻発しており、イスラム国と呼ばれる人々は日本人もターゲットにするということを公言し、脅迫的なことをしているという状況でございます。テロに限ったことではございませんが、このPNRの取得ということが霞が関の中でも非常に重要な課題となってございます。

現在、内閣官房を中心に、私ども、それから国土交通省、入管を担当する法務省、外務省、個人情報保護にかかわりますから総務省、それからインバウンド振興ということを阻害しないようにもしなければいけませんので円滑化とテロ対策を両立するという観点から観光庁、こういったさまざまな省庁も加わって協議をしているところでございます。

個人情報保護につきましては、相澤先生からもお話がありましたけれども、我が国の個人情報保護の制度というのはかなり十分なものがあろうかと思います。今17ページの資料がございましたが、アメリカとかカナダとかオーストラリアは、EUとPNRに関する協定を結んでいるのでEUからも取得できているという状況でございますので、私どもも場合によっては協定が必要になるかもしれません。ただ、協定を結ばなくても、これらの国と同様、あるいはそれ以上の個人情報保護レベルがあるのではないかというふうにも思っております。そのあたりはEUはどういったところに関心を持っているかということをこれから聞いていかなければいけないということが1つあろうかと思います。

それから、国際的な働きかけに関してでございますが、既に海外の首脳が日本に見えられたときとか、あるいは閣僚が日本に見えられたときとか、閣僚間あるいは首脳間の議論の中で、この問題に対して、ヨーロッパからの首脳や閣僚がお見えになったときに、当方の首脳、閣僚からもこの件の重要性について話を始めているところでございます。

それから、さまざまな国際会議の場というのがございます。それは、テロ対策を語るような場もありますし、先ほど出てまいりましたWCOという税関の国際的な場面もございます。それだけではなくて、今お話しにありました省庁もそれぞれ国際会議を持っています。それぞれの場でもってPNRの交換がテロ対策として極めて重要であるということについて、我が方の代表が既に話を始めているところでございます。そういった働きかけを今後とも進めていくということであろうと考えているところでございます。

○森田分科会長大変重要な問題であると思いますけれども、よろしいでしょうか。

○古谷委員11ページと12ページに関して御質問したいのですが、11ページは知的財産侵害物品で過去最高を記録というところと、12ページは安全性にかかわる製品の差し止めが増加しているとお伺いしたのですが、実際の市場の実態として、まだまだ問題がいっぱいあるというふうな認識なのでしょうか。それに対して例えばまだまだ実は問題があって対応しなければいけないという認識であるとすれば、どのような対応をなされようとしているのかということをお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○米山知的財産調査室長関税局で知的財産を担当しております米山と申します。よろしくお願いいたします。

御質問のございました知的財産の侵害物品でございますけれども、先生御指摘のとおり、健康や安全を脅かす危険性がある知的財産侵害物品に関しましては、これは現状、増えている状況でございます。例えば資料12ページの右側に具体的な健康や安全を脅かす危険性がある物品ということで、枠の中の左に医薬品の偽物を掲載しています。これは以前から差し止めている健康と安全を脅かす物品ではございます。一方、右側にございますように、最近ではバッテリーだとか抱っこひもというものがかなり市場でも出回っています。これは、それぞれのメーカーのホームページによりましても、例えば抱っこひもを普通にインターネットで購入すると、かなりの割合が偽物であるというようなことも指摘されているところでございます。したがいまして、私ども税関といたしましても、このような権利者の方々との連携を強化いたしまして、権利者の方から色々と情報を提供いただいた上でしっかりと水際で取締りを行うということを引き続き強化していく必要があろうかと思っております。

そのほか健康と安全を脅かす物品以外におきましても、例えば資料左側の写真のピアスとか、従来輸入されなかったような商品だとかもどんどん増えているような状況でございますので、今後は、より幅広く網をかけ、しっかりと止めるべきものを水際で止めるという対策をすべく、昨年の関税分科会におきましてもいろいろな御検討をいただいたところでございまして、引き続き制度整備を含めまして知的財産侵害物品の取り締まりに当たっていきたいと思っております。

○宮島委員今のと関連ですけれども、知財の戦略というのは日本にとっても非常に重要だと思いまして、この侵害物品の数が増えているというのは問題だなと思っております。特に中国に関して非常に数が多いわけですけれども、対中国、あるいは別に特定の国でなくてもいいんですけれども、関連の他省庁などとも連携しながらいろいろ対策をとられていると思うんですけれども、そのあたりの状況を教えていただけますか。

○米山知的財産調査室長御質問ありがとうございます。対中国や諸外国におきましては、私ども政府といたしましても、まずは内閣官房の知的財産戦略推進事務局が中心になりまして、関係省庁一丸となっていろいろな場面で各国に働きかけているところでございます。税関に関しましても、税関同士の会議だとか、先ほど御説明がありました技術協力という面でも各国の税関に私ども日本税関の水際取締りの知見を共有しているところでございます。

また、そもそも日本の消費者の方々が偽物を買わないようにというような働きかけも重要かと思っておりまして、そのような国内への働きかけ、また、国外、中国やその他の国に関しましても個別具体的に働きかけて取り締まりを強化しております。

○相澤委員知的財産権の侵害でありますが、国際的な物流の進展に伴って知的財産侵害品の物流も大きくなっている状況であると思います。これにつきましては、日本国における水際措置ばかりでなく、国際的な知的財産の侵害抑止のための取り組みが知的財産侵害品の抑止にも有効であると思いますので、その点の努力もお願いしたいと思います。

○石毛委員相澤先生からこちらを向いて発言があったので、述べさせていただきます。JETROはこういう分野でもそれぞれの外国にある事務所で活動しておりまして、知的財産の専門家として特許庁からの出向者を受け入れて、10人ほどなんですけれども、配置をしております。特許庁からは、もっとこういう面での人員配置の充実を考えたいというふうな話もいただいているところであります。相澤先生がおっしゃいましたように、日本の水際だけではなくて、出元のほうというか、いろいろなところに物が流れていきますので、そこでの対応について相談できる体制を整えようとしております。

○森田分科会長ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。

では、他に御質問がないようでございますので、このあたりといたしまして、最後に事務局から連絡事項がございますので、小宮関税課長より御説明をお願いいたします。

○小宮関税課長私から御報告申し上げます。

まず、本分科会における議事録の取扱いでございますけれども、当審議会議事規則第5条の規定によりまして、原則公開ということになってございます。具体的な取扱いにつきましては、総会と同様といたしまして、公開に先立ちまして、それぞれの御発言部分を事前にご覧になりたい委員の方におかれましては、各会議終了後にその旨を事務局に御連絡をいただければと存じます。また御連絡いただきました委員の方には、議事録案がまとまりました段階で送付をさせていただければと存じます。その後1週間程度の間に御意見などがない場合は、恐縮でございますけれども、御了解いただいたものとさせていただきたいと存じます。

議事録の取扱いにつきましては、今後ともこの扱いで進めさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

更に、当分科会の終了後でございますけれども、引き続き当会場におきまして特殊関税部会を開催することになってございます。特殊関税部会の委員におかれましては、そのままお待ちいただきますようお願い申し上げます。また、一部の委員には、恐縮でございますけれども、事務局が誘導いたしますので、少し席の移動をお願いしたいと存じます。

私からは以上でございます。

○森田分科会長ありがとうございました。

それでは、以上をもちまして本日の議事を終了させていただきたいと存じます。

次回の関税分科会の開催につきましては、事務局と調整の上、別途御連絡をさせていただきたいと思います。

それでは、本日は御多用中のところ御出席を賜りましてまことにありがとうございました。

                                      
午前11時26分閉会

財務省の政策