現在位置 : トップページ > 財務省について > 審議会・研究会等 > 関税・外国為替等審議会 > 関税・外国為替等審議会関税分科会 > 関税分科会 議事要旨等 > 議事録 > 関税・外国為替等審議会 関税分科会 (平成26年11月27日開催) 議事録

関税・外国為替等審議会 関税分科会 (平成26年11月27日開催) 議事録

関税・外国為替等審議会 関税分科会 議事録

本稿は、平成26年11月27日の関税・外国為替等審議会 関税分科会 の議事録です。
午前10時00分 開会

○圓川分科会長それでは、時間も参りましたので、ただいまから関税・外国為替等審議会関税分科会を開催いたします。

委員の皆様方には御多用中のところ御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。

それでは、本日の議題に入らせていただきたいと思います。

本日の議題は、お手元にお配りしている議事のとおりでございます。前回の関税分科会におきましては、平成27年度関税改正検討項目について1回目の審議を行っていただきました。本日の分科会におきましては、まず平成27年度関税改正検討項目について前回御審議いただかなかった3件、指定薬物の輸入してはならない貨物への追加、知的財産侵害物品の水際取締りに係る権利者の利便性向上策、航空機を利用して入国する旅客の予約情報の報告の電子化について御審議を行っていただく予定としております。

また、本日は、政府において関税関係法令等の制度改正の検討が進められている項目のうち、平成27年度改正ではなく、来年度以降の改正項目となるものについて、引き続き検討すべき事項として事務局より説明を聴取したいと思います。

それではまず、平成27年度関税改正検討項目につきまして事務局より説明を受けたいと思います。御意見、御質問は後でまとめてお受けしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○前田調査課長調査課長の前田です。よろしくお願いします。

私どもの調査課におきましては、薬物乱用対策推進会議の窓口をやっております関係で、私から本件を説明させていただきます。

お手元の資料1−1と資料編の1−2を用意させていただいております。

1−1の1ページをご覧下さい。まず、指定薬物につきましては厚生労働省所管の医薬品医療機器等法に規定がございます。前回は薬事法ということでご説明いたしましたが、名称を医薬品医療機器等法とする改正法が施行されております。以下では便宜的に薬機法と略称する場合がございます。

薬機法におきましては指定薬物につき、中枢神経系の興奮もしくは抑制、幻覚の作用を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物として、厚生労働大臣が指定するものとされております。

資料編の1ページ記載の同法第2条にこの定義が規定されております。指定薬物は、さらに第76条の4におきまして、医療等の用途以外の用途に供する目的での輸入等が禁止されています。資料編の1ページの中程です。指定薬物は、医療や研究などの用途以外の用途に供するために製造・輸入等をしてはならないとされ、一定の条件の下で輸入が禁止されています。

さて、税関では、指定薬物に関して厚生労働省が医療等の用途に供するものであることを確認した輸入指定薬物用途誓約書の提示がされないと輸入を許可しておりません。これは関税法第70条で、いわゆる他法令確認と申しており、この用途誓約書の有無をもって輸入の許可のメルクマールとしているものです。

なお、指定薬物の定義では、大麻、覚醒剤、麻薬、向精神薬、あへん、けしがらを除くとされており、除かれているものはそれぞれの取締法で規定されています。資料ではこの点が注記されています。

資料1.(3)には、輸入を許可しない場合にも、2.でも記載のとおり、税関長は、指定薬物を没収して廃棄できない点が記載されております。ただし、ほかの貨物と同じように、虚偽申告や無申告の場合は、関税法違反として処分しております。これに対しては、資料編の5ページ記載の関税法第111条において、最高で5年、500万円の罰則を科せられるということになっています。

また、国際郵便物のうち輸入申告が行われていないものについては、そもそも虚偽申告罪、無申告罪というのは問えないという点がございます。

次に、2ページに移ります。背景として、昨今、危険ドラッグの乱用者による交通死亡事故等が多発しており、6月の終わりに池袋で死傷者が出る大きな事故がございました。こうしたことも背景に、7月8日、総理指示が出されました。内容としては3点あり、実態の徹底把握と啓発強化、指定薬物への速やかな指定と取締り、できることは全て行うとの姿勢での規制等の見直し、が主なものです。

資料編の7ページをご覧ください。危険ドラッグにつきまして、法律上の定義ではありませんが厚生労働省により7月にインターネットに掲載されたもので、2つの内容がございます。第1に、規制薬物・指定薬物に化学構造を似せて作られ、これらと同様の薬理作用を有する物品です。現時点では図の青色の枠で示した法の規制の外にあるものです。

もう1つは、規制薬物・指定薬物を含有しない物品であることを標榜しながら規制薬物または指定薬物を含有する物品を含むものです。例えば厚生労働省の麻薬取締部が摘発を行ったときに、指定薬物、規制薬物を含んでいないと謳っていながら、実際はこれらを含んでいるケースがあり、こうした物品が含まれることを示したものです。

図の下の部分は規制薬物・指定薬物を含んでいますので法の規制の対象となります。先ほど総理指示の内容として、指定薬物への速やかな指定に言及をしましたが、図の上の白い部分から青色の枠囲い部分へと指定していくという作業を厚生労働省で進められていると思いますが、これが今の1つの流れでございます。

指定薬物は、右の青色の枠囲い部分に相当し、先週の時点で1,429物質が指定されており、2年半前の68物質に比べ、2年半で約20倍に増えています。危険ドラッグの問題が最近顕著になってきていることがお分かりになると思います。総理指示を踏まえて政府の緊急対策が策定され、政府一体となって進めているということでございます。

それから、若干補足ですが、資料編の8ページ、9ページをご覧下さい。警察庁が発表している指定薬物に係る旧薬事法違反検挙状況を見てもお分かりになりますとおり、5年前と比べまして、平成26年上半期で、事件数、人数とも5倍強と、1年間で10倍を超えるという勢いとなっています。

それから、海外では、危険ドラッグはNPS、New Psychoactive Substances、と呼ばれておりますが、国連やアメリカ、イギリスにおいても、対応を模索している状況に見受けられます。アメリカやイギリスの報告でも、いわばマニュファクチュアリングベースにつきましては、中国やインドで製造され、そこが主たる役割を担っているとされています。それから、航空貨物や郵便で入って来ているケースが多いともされています。は日本も例外ではございませんなくて、そのような状況にあるということでございます。

9ページ、右側のほうに写真を載せておりますが、先ほど申しましたように、危険ドラッグは、色々なものを混ぜて作られる場合もあり、固形状のものも、液体状のものもあります。厚生労働省の摘発により、店舗の数は減ってきておりますが、地下に潜り始めているともいわれております。実態は目に見えない敵と戦っているという状況もございます。

次に、戻りまして、2ページの(3)につきまして説明させていただきます。税関は医薬品医療機器等法上輸入が認められている旨の証明がされないことをもって、指定薬物を没収することはできないということがございます。輸入を許可しなかった場合、輸入者に対して滅却または任意放棄を慫慂しています。輸入者がこれに応じない場合は、厚生労働省に、薬機法に基づく廃棄等の処分を求めることになっております。

資料編の1ページに戻っていただきますと、薬機法の第76条の7で、厚生労働大臣又は都道府県知事は、第76条の4の規定に違反して輸入された指定薬物について、これを取り扱う者に対して、廃棄、回収等の措置を命ずることができるという規定がございます。第2項で、厚生労働大臣又は都道府県知事は、その命令に従わない場合で必要があると認めるときは、職員に代執行させることができるという規定がございます。

国際郵便物から指定薬物が発見され、税関が輸入を認めなかった場合には、名宛人の意思により任意放棄が行われるか、あるいは郵政当局に引き渡すことになっています。万国郵便条約においては、不正な薬物については差出元に返送しないこととされています。

(4)につきましては、先ほど申しましたとおり、虚偽申告、無申告の場合を除きまして税関の犯則調査の対象にはなりませんので、薬機法上違反が疑われる事実が発見された場合は、税関は厚生労働省や警察に通報することとなります。輸入者に廃棄を慫慂するか、あるいは関係機関に連絡する等にとどまるという点で、税関の主体的な調査や取締りに一定の制約がございます。

次に3ページでございます。これらのことを踏まえ、薬機法上輸入が認められていない指定薬物を関税法上の輸入してはならない貨物に追加することの検討を行う必要があると考えております。

資料編の10ページでございます。第69条の11には、現在輸入してはならない貨物として11項目ございます。ご覧のとおりいずれも、社会公共の利益の観点から、他の法令によりその輸入を実質的に禁止しているもので、水際で取り締まる必要があるものです。先ほど申しましたとおり、麻薬等以外に拳銃、爆発物、火薬類、化学兵器関係、感染症関係、偽造通貨、わいせつ物品、児童ポルノ、特許権等侵害物品、不正競争防止法違反物品とございまして、ここに薬機法上輸入が認められない指定薬物を追加することが適切ではないかというのが我々の問題認識です。

3.の検討内容ですが、先ほども申しましたとおり、輸入してはならない貨物の基本的な考え方は、水際で、社会公共の利益の観点から取り締まるべきかどうかということです。昨今の社会的な情勢を受けまして、薬機法で輸入が禁止されている指定薬物も、この輸入してはならない貨物に追加することが必要なのではないかと考えているところでございます。

(2)には、何が変わるのかの点がございます。11ページの表と合わせてご覧下さい。まず1つは、先ほど申しましたとおり、違法指定薬物について、現行制度では税関長が没収して廃棄をすることはできませんが、輸入してはならない貨物に追加されればこれができるようになり、確実に違法指定薬物の国内流入を抑止することができることとなります。

2つ目に、違法指定薬物について、関税法上の実体規定違反として、主体的かつ速やかに犯則調査に着手することが可能となります。輸入してはならないという規定に違反した疑いで犯則調査を行うこととなります。

最後に、罰則ですが、現在のところ、第69条の11に違反した場合、罰則は、最高で10年、3,000万円以下とされております。医薬品医療機器等法における罰則は最高で5年、500万円ですので、この観点からも抑止力が高まるのではないかと考えているところでございます。

以上により、違法指定薬物を関税法上の輸入してはならない貨物に追加することが適当と考えられますところでございます。本件の御審議をお願いできればと思います。

本日は、厚生労働省の医薬食品局監視指導・麻薬対策課の赤川課長に出席いただいておりますので、赤川課長から御発言をいただければと思っております。よろしくお願いします。

○赤川医薬食品局監視指導・麻薬対策課長(厚生労働省)厚生労働省の監視指導・麻薬対策課長の赤川でございます。

私どもといたしましても、危険ドラッグの乱用者による犯罪、重大な交通死傷事故等が後を絶たない状況でして、深刻な社会問題になっているということを背景にいたしまして、先ほども御説明がありましたけれども、総理の指示を踏まえまして、本年7月に薬物乱用対策推進会議におきまして、危険ドラッグの乱用根絶のための緊急対策が策定されたところでございまして、政府一体となっての取り組みが進められているという状況でございます。

こうした点を背景にいたしまして、厚生労働省におきましても、先ほど医薬品医療機器等法における指定薬物の規制について強化いたしまして、本年4月には、法改正によりまして指定薬物の所持・使用を禁止したところでございますし、また、緊急対策の取り組みといたしましても、指定薬物への迅速な指定、それから検査命令、販売停止命令、これは医薬品医療機器等法の第76条の6に基づくものでございますけれども、それの初めての実施ということでございます。法施行後、検査命令、販売停止命令は実施しておりませんでしたけれども、初めて実施したということでございます。

それから、インターネット販売店への削除要請、無承認医薬品としての取り締まりの取り組みを行っております。さらに指定薬物が関税法上も輸入してはならない貨物といされれば、指定薬物を含有する危険ドラッグに対しまして、関係省庁が連携して水際対策を強化する上で有効であると考えられますし、また、指定薬物の不正輸入が関税法上も罰則の対象となるとこれを抑止することにもつながるということでございまして、私どもの立場としましても賛同するものでございます。以上です。

○米山知的財産調査室長業務課知的財産調査室長の米山でございます。

続きまして、私から知的財産侵害物品の水際取締りに係る権利者等の利便性向上策につきまして、2点御説明させていただきます。資料2−1を御準備いただければと思います。

資料の御説明を入らせていただく前に、今回検討に至りました経緯について御説明いたします。税関においては、これまで、特許権や商標権といった権利を持つ権利者の皆様から提供される情報などの活用により、知的財産侵害物品の迅速、適正かつ効率的な水際取締りに努めてきたところでございます。この水際取締りに関する制度につきましては、制度利用者である、権利者の皆様などから幅広く御意見を伺い適宜制度改正を行い、制度を利用する方々の利便性の向上も図ってまいりました。

本日御説明する2点の利便性向上策につきましても、権利者の皆様などの御要望も踏まえ、税関におけるより一層、適正・迅速かつ効率的な水際取締りの実現のため、改正の方向性を検討したものでございます。

それでは、1点目の利便性向上策である輸出入差止申立て有効期間の延長について御説明いたします。

資料2−1の表紙を1枚目おめくりいただきまして、1ページ目、1.現行制度の概要でございます。特許権などの知的財産の権利者は、自己の権利を侵害すると認める貨物に関しまして、税関長に対し、その侵害の事実を疎明するために必要な証拠を提出し、輸出又は輸入されようとする場合には、当該貨物につきまして認定手続をとるべきことを申し立てることができることとなっております。

この申立てを差止申立てと呼んでおりますが、この手続におきまして、申立てをしようとする者は、申立てが効力を有する期間として希望する期間などを記載した申立書を税関に提出しなければならないこととされており、この希望する期間につきましては2年以内に限るものとされております。

なお、注書きにありますとおり、差止申立ては有効期間内に内容の変更や有効期間満了時には更新することができることになっております。

続きまして、2.背景及び改正の必要性でございます。税関における知的財産侵害物品の水際取締りは、権利者からの差止申立てに基づくものが件数ベースで9割を超えており、今後も、税関が効率的・効果的な取締りを行っていくためには、有効な輸出入差止申立ての維持及び新規の輸出入差止申立ての増加が重要であると考えております。したがいまして、これまでも、輸出入差止申立制度につきましては、手続の簡素化、提出書類の削減などの改善を図ってきたところでございます。

このような中、輸出入差止申立ての有効期間につきましては、現在、2年以内に限るとされておりますが、輸出入差止申立てを行っている権利者の皆様からは、有効期間の管理や、更新の際の事務手続を軽減するため、有効期間を延長してほしいとの声が上がっているところでございます。

続きまして、3.検討内容でございます。

まず、(1)輸出入差止申立て有効期間の考え方を御説明いたします。輸出入差止申立ての有効期間につきましては、権利者及び税関の更新に係る事務負担を考慮すれば、延長することが考えられますが、他方で、輸出入差止申立書には、申立てに係る侵害物品の品名、真贋識別ポイントなどの情報が記載されており、有効期間を延長した場合には、権利者が輸出入差止申立て受理以降に情報を更新しないと、差止申立書に記載された情報が最新のものでなくなり、既に流通していない商品が税関の取締対象であり続けたり、差止申立書に含まれている真贋識別ポイントが最新のものではなくなる懸念がございます。

したがいまして、輸出入差止申立ての有効期間につきましては、輸出入差止申立てに係る情報の適正な維持管理と権利者などの利便性の確保のバランスを考慮して定める必要があると考えております。

次に、(2)経緯及び現状でございます。先ほど御説明した有効期間の考え方を踏まえますと、現行の輸出入差止申立て制度の前身である権利者から税関への情報提供制度を昭和41年に通達にて導入した際には、有効期間を1年以内としておりましたが、平成4年、TRIPS協定に係る議論を受けまして、現行の輸出入差止申立て制度と同様の制度を通達化した際、現在の期間である2年以内に延長いたしました。

その後、税関における知的財産侵害物品の差止実績の増加に伴いまして、差止申立て制度の有用性が多くの権利者に御理解いただけるようになった結果、輸出入差止申立て件数が増加するとともに、1者で複数の輸出入差止申立てを行う権利者も増加してきております。

さらに、輸出入差止申立てを行っている権利者の皆様は、自らの知的財産を侵害する貨物の税関での効率的な輸出入差止めを希望している方でありまして、権利者が税関における差止めに有効な情報を新たに入手した場合には、有効期間の満了を待たずに、随時、差止申立書の内容を最新の状態に更新することが期待でき、こうした手続は権利者の間で広く定着してきているところでございます。

また、税関における知的財産侵害物品の水際取締りは、権利者からの差止申立てに基づくものが件数ベースで9割を超えております。今後も、税関が効率的・効果的な取締りを行っていくためには、有効な論出入差止申立ての維持及び新規の差止申立ての増加が不可欠であることを考慮いたしますと、権利者の皆様の事務負担を軽減し、利便性を向上させる必要が高くなっていると考えられます。

最後に、4.改正の方向性でございますが、現時点における権利者等の利便性向上や事務負担の軽減等の観点から、差止申立ての有効期間を2年から4年に延長することが適当ではないかということでございます。

なお、本改正を行う場合には、改正の方向性の枠の中に記載しております関税法施行令の改正になります。

続きまして、4ページにございます利便性の向上策の2点目でございます、認定手続における権利者等の意見・証拠提出の電子化について、資料に基づき御説明させていただきます。

まず、1.現行制度の概要でございますが、税関長は、輸出入されようとする貨物のうちに知的財産侵害物品に該当する貨物があると思料するときは、当該貨物が知的財産侵害物品に該当するか否かを認定するための手続を執らなければならないこととされております。

また、税関長は、認定手続におきましては、認定手続がとられた貨物に係る権利者または輸出入者に対し、当該貨物が知的財産侵害物品に該当すること又はしないことについて証拠を提出し、及び意見を述べる機会を与えなければならないこととされております。

次に、2.背景及び改正の必要性でございます。知的財産侵害物品に該当する貨物と思料される貨物の認定手続におきましては、税関は、原則、権利者及び輸出入者の双方から提出された意見・証拠に基づいて、侵害の該否の判断を行っております。また、税関から意見・証拠の提出を求められた権利者及び輸出入者は、原則、認定手続開始日の翌日から10執務日以内の限られた期間内に、税関に意見・証拠を提出できることとされております。

このような状況におきまして、税関から意見・証拠の提出を求められる機会の多い権利者の皆様からは、意見・証拠の作成に係る事務作業をより長く確保するため、現状では書面提出のみとしている意見・証拠の提出につきまして、具体的には主に書面を郵送で税関に提出いただいておりますが、電子的に提出できるようにしてほしいとの要望をいただいているところでございます。

次に、3.検討内容でございますが、関税局・税関におきましては、税関手続全般にわたり電子化・ペーパーレス化を積極的に進めているところでございます。認定手続における意見・証拠の提出を電子情報処理組織、具体的にはNACCSでございますが、NACCSで行う体制が整っている権利者又は輸出入者については、意見・証拠の提出をNACCSで電子的に行うことができるようにすることにより、権利者などは意見・証拠の作成に係る事務作業時間をより長く確保でき、権利者などの利便性向上につながるものと考えるところでございます。

最後に、4.改正の方向性でございますが、認定手続における権利者、輸出入者の意見・証拠提出業務を輸出入等関連業務に含め、NACCSで行うことができる業務とすることが適当ではないかということでございます。

なお、本改正を行う場合は、改正の方向性の枠の中に記載しておりますNACCS法施行令の別表の改正となります。

なお、資料といたしましては、資料2−2として、最近の知的財産取締り状況などをつけさせていただいております。

権利者等の利便性向上策の説明は以上でございます。

○齋藤監視課長監視課長の齋藤でございます。それでは、引き続きまして、資料3−1と資料3−2に基づきまして御説明申し上げます。

まず、資料3−1の1ページ目をお開きいただきたいと思います。現行制度でございますが、現在、関税法の規定に基づきまして、税関は、航空会社に対しまして、入国旅客の予約情報、これをPNR、Passenger Name Record、といっておりますけれども、これの報告を求めることができるとされております。

この規定は、次のような点を踏まえまして、平成23年度関税改正において導入されたものでございます。すなわち、平成23年度関税改正が行われる以前におきましても、効果的・効率的な水際取締りのために、税関は、事実上航空会社にお願いしてPNRの情報をいただいて、要注意人物の選定に活用してきたところであります。

ただ、近年、個人情報の取扱いがより慎重、厳格になってきている中で、法律の根拠なく、事実上協力依頼でPNRの情報をいただくということについては、航空会社から協力が得にくくなってきているような状況にあったということでございます。

したがいまして、税関がPNRを確実に入手して、要注意人物の選定に活用するためには、PNRの報告を求めることができるということを法律に明確に規定する必要があったということでございます。

現在、PNRの報告の方法としましては、書面もしくは電磁的記録媒体による提出、あるいは予約記録端末の閲覧で行われておりますけれども、多くは書面による提出となっているところでございます。

では、恐れ入りますけれども、資料3−2の1ページをご覧いただきまして、PNRの情報とは何かということでございます。資料の1ページの真ん中の枠でございます。PNRの情報は、大きく分けまして黒丸の4つの項目がございます。予約者に関する事項、予約の内容に関する事項、予約者の携帯品に関する事項、搭乗手続に関する事項、大きく分けてこの4つがございまして、それぞれの項目をさらにブレークダウンすると、ここにあるように全部で35項目が記載されております。

下の枠は、先ほど御説明しましたように、現在では、書面なり、電子媒体なり、予約記録端末の閲覧になっておりますけれども、これに加えまして、NACCSで電子的に報告できるようにしたいということでございます。

恐れ入りますけれども、資料3−1にお戻りいただきまして、改正の必要性でございます。昨年におきましては、航空機旅客による覚醒剤の押収量が過去最高となっております。そのような状況におきまして、PNRの情報は旅客の取締りにとって極めて有効な情報でございます。また、政府としては、日本再興戦略等におきまして、2020年までに訪日外国人旅行者数2,000万人の高みを目指すとしております。そのような中で、昨年は年間訪日外国人旅行者は初めて1,000万人を超えて、さらに、本年に入りまして昨年を上回っているという状況にございます。

このように、訪日外国人旅行者をはじめ入国者の増大が見込まれる中におきましては、より一層効果的・効率的に要注意人物の選定を行う必要があると考えております。NACCSによりPNRの報告がなされるようになれば、スクリーニングを効果的・効率的に行うことができるようになりまして、限られた時間内でより的確に要注意人物の選定を行うことが可能になると考えております。

3.改正の方向性ですが、以上のようなことを踏まえまして、税関が航空会社に対してPNRの報告を求めた場合にはNACCSにより報告することができるようにNACCS政令を改正することが適当ではないかということでございます。

私からは以上でございます。

○圓川分科会長ありがとうございました。

以上、資料1から資料3までの事務局の説明につきまして、御質問、御意見等を頂戴したいと思います。いかがでしょうか。

○竹詰委員連合の竹詰です。

まず、指定薬物の輸入してはならない貨物への追加について申し上げたいと思います。この内容につきましては、タイミングもこのタイミングでやっていただけるということで、何ら異存はありません。今、前田課長からお話しいただいた輸入してはならない貨物に追加する効果というところで、税関長が直ちに没収して廃棄をすることができるようになるというお話がありました。

税関長が直ちにと申しましても、実際にやる人は税関長だけではなく、そこで働いている職場の人だと思います。指定薬物の取締りの担い手は税関の職員が中心になると思いますので、過日、職場の状況を伺ってまいりました。いろんな意見を伺ってきたのですけれども、ポイントを絞りお話しさせていただきます。

まず職場としては、国民の安全と安心を守るという社会的な使命をぜひ果たしていきたいという意思を感じました。その上で、取り締まりの実効性を高めるためには、指定薬物を指定すればそれでとめられるというものではなく、例えば高度な分析機器を導入していただくとか、専門家を育成するとか、あるいはそれに必要な要員の確保をしていただきたいというお話を伺いました。

その中でも、特に分析機器については、税関によって差異が生じないように、等しく全国に分析機器を配備する必要があるということ、それから、専門性に対応するための研修とか、教育とか、あるいは訓練など、すなわち人材育成が欠かせないということで、分析機器と人材育成、あわせて実行していただきたいと思います。

まず1点目は以上です。続けて違うこともいいですか。

○圓川分科会長何か前田課長からありますか。

○前田調査課長御意見ありがとうございます。ご指摘のとおり、予算措置等にも関係することであり、すぐできるかどうかわかりませんが、やはり前線に立つ職員一人一人のそれぞれのノウハウ等がなければ達成し得ないことでございますので、分析機器、さらに長期的な観点からと思いますが、人材育成、教育という観点からも、関係課と協議しながら考えていきたいと思っております。ありがとうございます。

○竹詰委員続けて失礼します。資料の3のところですけれども、航空機を利用して入国する件につきまして1つ伺いたいんですが、NACCSを加えるというお話がありました。NACCSを加えることによるメリットがあるということだったんですけれども、NACCSで報告する側にどのような負担と言ったらいいんでしょうか、例えばNACCSを導入するための機器は航空会社側の負担で入れるのかとか、あるいはそれを利用するための利用料が発生しているのかとか、もしそれが発生しているのであれば、NACCSを広めることが行政側にメリットがあるのであれば、そのメリットを生かせるような、なるべく多くの人に使ってもらえるような工夫をするとか、その点を伺いたいと思います。

○齋藤監視課長ありがとうございます。

まずは、PNRの提出をNACCSでできるようになれば、航空会社のほうは自社のシステムに入っている旅客情報をそのままNACCSを通して税関のほうに出していただくというようなことで、航空会社の手間は省けるのではないかと考えています。

ただ、各航空会社は、それぞれ別の予約システムを持っていますので、それをNACCSにつなぐためには、これは幾つかの航空会社には打診をしているんですけれども、やはり自社のシステムをいじらないといけないというような話は出ておりますので、そういうところのコストは航空会社のほうにかかるのではないかと考えております。

○矢幅事務管理室長事務管理室長の矢幅でございます。

NACCSは、税関手続等の官の業務と貨物管理等の民間の業務を処理する官民共用のシステムとなっております。NACCSでは、行政手続は国が費用を負担することになっておりまして、民間は無料で手続をすることができるようになっております。したがいまして、税関手続の処理に関する部分の費用は税関が負担しております。今回のPNRの報告につきましても税関が負担することとなるため、航空会社等の利用者に利用料金の負担は発生しないこととなります。

○圓川分科会長ほかにいかがでしょうか。どうぞ、野坂委員。

○野坂委員知的財産侵害物品の水際取締りについて質問したいと思います。資料2−1の3ページ、2年から4年に有効期間を延長することが適当ではないかということは基本的に私も賛成いたしますが、その下に諸外国の有効期間が出ております。アメリカが20年、中国が10年と大分差がありますけれども、これだけ期間の長短が出ている中で、日本企業にとって不利な状況とか不都合は生じているのかどうか、教えていただければと思います。

また、これに関連してですが、この中でTRIPSにも触れられておりますけれども、諸外国の有効期間について何か国際的なハーモナイゼーションというか、調整するような動きがあるのかどうか、これもあわせて教えていただければと思います。

○米山知的財産調査室長知的財産調査室長の米山でございます。

まず、諸外国の例は、日本の場合と同じように有効期間の最高として20年や、10年としているということでございまして、そもそもの権利自体の存続期間が20年より短い場合に関しましては、権利の存続期間が有効期間になるかと思います。

御質問の日本企業に不利があるかどうかということでございますが、日本においては、権利者の方々から、一定期間内に情報をきちんと更新いただき、かつ現状の更新の期間を待たずにしっかりと情報提供いただきまして、税関が実効的な水際取締りをできる状況がありますので、各国におきましても同じような状況かと思っております。特に日本企業が、諸外国における有効期間の長短により有利になる、不利になるということは全くないと思っております。

また、2つ目の御質問の国際的なハーモナイゼーションということでございますが、国によって、税関の制度は異なる状況にございます。知的財産に関しましては、多国間で議論する場合は各国状況が相当異なるということでございまして、現時点におきまして、この期間についてハーモナイゼーションの議論は聞いておりませんし、また、現行のTRIPSにおきましても、有効期間に関しましてどのぐらいが望ましいというような規定はございません。

○圓川分科会長よろしいでしょうか。どうぞ、相澤委員。

○相澤委員有効期間については、同条約においてこの点についての規定がないので、条約上の問題はないと理解をしております。

○圓川分科会長ありがとうございました。國井委員、どうぞ。

○國井委員知的財産侵害物品の水際取締りでPNR、NACCSの活用はぜひ早くやっていただきたいと思います。ところで、こういうような電子化を進めれば利便性が高まるという業務はまだかなり残っているんでしょうか。きょうのお話ではないかとは思うんですけれども、早急に電子化は進めていかなければいけないと思いますが、関税関係で幾つかまだ項目があるのか、もうこれで大体対応が済むのかどうかというところを教えていただければと思います。

○矢幅事務管理室長事務管理室長の矢幅でございます。

現在、税関手続のうち、ある程度件数の実績があって電子化が望ましい手続につきましては、NACCSでの電子化手続が可能となっております。今後、電子化の要望があれば、その追加を検討していきたいというふうに考えております。

○國井委員そうすると、要望ベースで御対応されていると考えればよろしいんですか。

○圓川分科会長では、堀田課長。

○堀田業務課長私からお答えいたしますが、今申し上げましたように、通関手続自体はもちろん電子化しておりますし、これも10月に少し御説明したかもしれませんが、通関関係書類の提出についても、現在、電子化を進めております。昨年から始まっております。

もう1つは、きょうのPNRの話と少し似ているんですが、国際郵便物の中身に関する情報を電子的にやりとりするということについて、国際的に議論をしている途中でございまして、外国でも、今直ちにできているという国はほとんどないという状況がございます。

やはり国際郵便物の場合は、一方的に送付されるものが多く、個人の利用が多いことから、受取人がほとんど中身を把握していないといった特殊性があります。また、皆さんも御経験がおありかと思いますが、パッケージの表面に何が入っていると書いてあるぐらいのものが大半でございますので、これをどう電子的にやりとりするかということを今、国際的にいろんな場で議論している最中でございます。

○圓川分科会長ほかにいかがでしょうか。青山委員、どうぞ。

○青山委員ちょっとわからないので教えていただきたいんですけれども、航空機を利用して入国する旅客の税関負担を軽減するためにNACCSを利用するということなんですけれども、これはあくまでも不正薬物の密輸を摘発するものを前提としてということで税関にNACCSを利用したいということですか。ですから、出国は全然関係ないということなんですね。

○齋藤監視課長おっしゃるとおりでございまして、旅具通関におきましては、不正薬物なり、拳銃なり、いわゆる社会悪物品を主として取り締まっておりますので、その摘発を目的にPNRの報告をいただいているものでございまして、出国のほうはいただいておりません。

○圓川分科会長ほかにいかがでしょうか。

よろしいでしょうか。それでは、ございませんようですので、次に、引き続き検討すべき事項のほうに移りたいと存じます。営業秘密使用物品に係る水際措置の導入及び輸出入申告官署の自由化について、事務局より続けて説明をお願いいたします。

○堀田業務課長業務課長の堀田でございます。

それでは私から、引き続き検討していく事項といたしまして、営業秘密使用物品に係る水際措置の導入、それから資料の5ですが、輸出入申告官署の自由化につきまして、続けて御説明をさせていただきます。

最初に、お手元の資料4−1、4−2に基づきまして、営業秘密使用物品に係る水際措置の導入についての現在の検討状況の御説明でございます。

お手元の資料4−2の6ページ目に、これは経済産業省が作成した資料でございますが、我が国における技術流出の状況という資料がございます。ここにございますような日本企業に関する大型の技術流出事例が昨今顕在化しております。このような状況を受けまして、関係省庁とともに営業秘密使用物品に係る水際措置の導入について私どもでも検討を進めておりますが、本日、その状況について現状の御報告をさせていただきます。

それでは、資料4−1の縦の資料をごらんいただきたいと思います。

まず、現行制度の概要でございますが、現在、不正競争防止法において、技術、それからノウハウ等の情報のうち、秘密として管理されている生産方法・販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものを営業秘密として保護しております。しかしながら、営業秘密使用物品の譲渡、輸出入等は規制の対象にはなっておりません。

それから、現行関税法令における取り扱いでございますが、知的財産侵害物品のうち、特許権、実用新案権等ここにございます権利を侵害する物品、並びに不正競争防止法侵害物品のうち、形態模倣品、著名表示を冒用する物品及び周知表示との混同を惹起する物品等については、現行関税法上の水際措置の対象とされております。しかしながら、申し上げましたように、営業秘密使用物品については、現時点では不正競争防止法で輸出入が規制されておりませんので、関税法上の水際措置の対象ともされておりません。

それから、改めて背景及び検討状況の御説明でございます。

まず背景でございますが、昨今、日本企業から大型の技術流出事例、先ほどのような事例が相次いで顕在化する中で、営業秘密の保護強化に関しまして、営業秘密使用物品の譲渡、輸出入等を規制することが求められております。

この状況を受けまして、知的財産戦略本部が今年の7月に決定した計画でございますが、知的財産推進計画2014において、営業秘密保護法制の見直しが今後取り組むべき施策に盛り込まれておりまして、営業秘密の保護強化に関しまして、我が国における流出の実態と課題に照らして、刑事規定、民事規定や水際措置の導入を含めまして、知的財産関連法制の範囲で検討できる事項については、スピーディーに検討を進めていくこととされております。

次に、経済産業省所管の産業構造審議会での検討状況でございます。経済産業省は、本年9月30日より、産業構造審議会の小委員会において、不正競争防止法の改正等について検討を開始しております。この審議会において、不正競争防止法の営業秘密の要件を明確化するための営業秘密管理指針の改訂、それから営業秘密保護法制の見直しについて検討が行われていると伺っております。

水際措置の導入に関しましては、不正競争防止法において営業秘密使用物品の譲渡・輸出入等を不正競争行為に追加することが検討されておりますが、対象とする営業秘密の範囲や、営業秘密使用物品を規制することによって円滑な商業活動を阻害しないようにするための法制のあり方につきましてはさまざまな考え方があるところでございまして、現在、いまだ産業構造審議会において検討中であると伺っております。

それから、関税法上の水際措置の対象とすることについてでございます。関税法上の水際措置の対象となる物品は、関税関係法令以外の法令において、その輸出入が禁止され、または制限されているものでございます。また、水際措置の実効性を確保するためには、税関が水際で輸出入貨物が当該物品に該当するものであるかどうかを迅速・適正に判断・確認することができるような仕組みが、この場合でございましたら、不正競争防止法等の関税法以外の法令等で設けられていることが必要であると考えております。

そこで、営業秘密使用物品を関税法上の水際措置の対象とすることについて検討する場合でございますが、不正競争防止法において規制対象とする営業秘密使用物品の要件といった輸出入規制の整備や、税関が水際で輸出入貨物が営業秘密を不正に使用して生産された物品であることなどを迅速・適正に判断・確認することができるような仕組みが導入されていることが必要であると考えられるわけでございます。

このような規制整備・仕組みは、経済産業省の産業構造審議会や経済産業省において今後検討される予定であると伺っております。したがって、営業秘密使用物品を関税法上の水際措置の対象とすることにつきましては、経済産業省における検討の結果を待って、改めて私ども、それから当審議会においても検討をお願いすることが適当であると考えております。

ページを進みまして、今後の対応でございますが、経済産業省所管の審議会の結果等を受け、今後、不正競争防止法において営業秘密使用物品に係る輸出入規制が整備され、税関が水際において迅速・適正に侵害の該否を判断・確認できるような仕組みが導入される場合には、営業秘密使用物品を関税法上の水際措置の対象とすることについて、引き続き検討することが適当ではないかということでございます。

それから、ご参考といたしまして、先ほど申し上げました周知表示の混同を惹起する製品、著名表示を冒用する製品、形態模倣品について、審議会で御審議いただいた際にもほぼ同様の考え方で、マル1マル2ということで、侵害の該否を判断できるような仕組みが可能となることを前提として検討したという経緯がございます。

営業秘密使用物品に係る水際措置の導入について、以上、御報告いたしました。

続きまして、資料5−1、5−2でございますが、輸出入申告官署の自由化について続けて御説明をさせていただきます。

関税局・税関といたしましては、その使命の1つであります貿易の円滑化のために適正通関を図り、同時に通関の迅速化を図ることが大変重要であると考えておりまして、これまでもこれらの課題に積極的に取り組んできたところでございます。そのための検討の1つの課題といたしまして、輸出入申告官署の自由化がございます。

それでは、資料5−1をごらんいただきたいと思います。1ページ目でございますが、現行制度の概要からでございます。貨物を輸出入しようとする者は、その貨物の品名等必要な事項を税関長に申告していただきまして、必要な検査を経て、その許可を受けなければならないということに関税法でなっております。

この申告は、輸出入の許可を受けるために、申告に係る貨物を入れる保税地域等の所在地を所轄する税関長、これを通称、蔵置官署といっておりますが、に対して行うことを原則としております。資料5−2の下のほうに絵がございますが、一番左側が現状でございます。

背景、それから検討の必要性でございます。我が国におきましては、年々輸出入申告が増加しておりますが、これを適正・迅速に処理するためにNACCSを導入いたしまして、現在では輸出入申告の98%を電子的に処理しております。併せて、先ほども申し上げましたが、輸出入申告に際して税関に提出を要する通関関係書類の簡素化、PDF等による電子的提出を可能とするといった電子化・ペーパーレス化を推進しておるところでございます。

なお、NACCSでございますが、平成29年度に全面的な次期更改を予定しております。こうした通関手続の電子化を前提といたしまして、民間団体から、輸出入申告は、原則として貨物の保税地域等の所在地を所轄する税関官署に申告することになっているが、これを廃して、どこからでも、どこへでも申告を可能とすることにより手続の効率化をさらに進めていただきたいという要望が寄せられたわけでございます。

こうした要望を踏まえまして、昨年でございますが、規制改革実施計画で輸出通関申告官署の自由化が盛り込まれたことから、その対応について検討する必要があるわけでございます。

なお、ということでございますが、閣議決定の中には輸出通関だけが書いてあるんですが、そもそもの民間団体の要望も踏まえますと、輸出通関に限定することではなくて、輸入も含めて申告官署の自由化について検討する必要があると考えております。

私ども関税局におきましては、その後、学識経験者、民間事業者を交えた検討会、それから一般社団法人の通関業連合会がございますが、そちらにおいても各地区を代表した通関業者による研究会を設置いたしまして、輸出入申告官署の自由化や通関業のあり方等について議論を行っております。

それから、その検討状況の中身の御説明でございます。現行関税法におきましては、輸出入申告が行われる場合に、外国貨物を置くこと等ができる場所として税関長が許可をした場所である保税地域等で検査を行いまして、その後輸出入許可を行うことで、貨物のすり替え等が行われるリスクを低く抑えて、通関の適正性を確保しております。

それから、輸出入申告の受理から許可に至る一連の手続としまして、書類の審査、貨物の検査を同一官署の職員が一貫して行うということが原則でございまして、不正輸出入の疑義がある貨物に対する迅速な対応、それから効果的・効率的な検査を行うことを可能としております。こういった理由で、現在、蔵置官署に対する申告を原則としているということでございます。

このような事情に鑑みれば、この原則をすっぱりと廃しまして、全ての輸出入申告を蔵置官署以外の税関官署に対して行うことを全て認めてしまうということは、通関の適正性、それから業務処理の効率性を確保する観点からは適当でないと考えられるわけでございます。

一方で、貿易円滑化を図ることも税関の重要な使命の1つでございます。この自由化もそういう観点から検討しているわけでございますが、通関関係書類の電子化・ペーパーレス化を進めている現状におきましては、通関の適正性、業務処理の効率性を確保できるのであれば、特例として蔵置官署でない税関への申告を認めてもよいのではないかと考えられるわけでございます。

その次に、Authorized Economic Operatorと呼ばれておりますAEO事業者、これはAEO輸出者、AEO輸入者、AEO通関業者がこの場合には当てはまりますが、これらの事業者は、貨物の現況の的確な把握など輸出入に関する業務を適正かつ確実に遂行する能力を有すること、それから法令遵守の体制が整備されていること等を要件といたしまして、主にセキュリティとコンプライアンスと言っておりますが、この2つの要件を税関が審査をいたしまして、税関長の承認・認定を受けた業者でございます。

この点を踏まえますと、例えばAEO事業者においては不正輸出入のリスクは低い、それから、適正な申告を行っていただく、ということが期待できるわけでございまして、非蔵置官署への申告を認めたとしても、通関の適正性、それから業務処理の効率性に与える影響は小さいのではないかと考えられるわけでございます。したがって、これらのAEO輸出入申告については、特例的に非蔵置官署への申告を認めることが可能ではないかと考えられるわけでございます。

その次でございますが、AEO事業者に対して非蔵置官署への申告の特例を認めることとすれば、通関業の営業区域制限、通関業者は、その許可を受けた税関の、例えば東京税関なら東京税関の管轄区域でなければ営業を行うことができませんが、現在、通関業者を使わずに輸出入者が自らNACCSを使用して輸出入申告を行う場合には、全国どこからでも蔵置官署に対して申告を行うことが可能でございます。

これはちょっとわかりにくいかもしれませんので、先ほどの5−2の絵に戻っていただきまして、下の絵の一番左の現状の絵でございますが、この左、右に蔵置官署、非蔵置官署とございますが、A通関業者とかB通関業者はそれぞれで許可を受けていまして、これらの通関業者はX税関、Y税関の範囲内でしか営業ができないわけでございます。ところが、今はNACCSを用いて電子的に申告を行うことが可能でありますので、通関業者を使わずに、この枠の外にございます、我が国にいる輸出入者自身がNACCSを使って申告をすることもできるわけでございます。その場合には、こういった税関のテリトリーの制限なく、輸出入者は、X税関やY税関の管轄外にある会社である場合にも、日本全国どこからでもXにでもYにでも申告ができるという状況になっております。

この状況と比較しますと、通関業者を通した場合にだけ申告先の税関が限定されていくという状況は、必ずしも合理的ではないと考えられるわけでございます。

それから、今申し上げました通関業の営業区域制限でございますが、通関業の許可要件の1つである需給調整条項と密接に関連しているものでございます。この需給調整条項につきましては、規制緩和推進3か年計画、平成10年の古いものでございますが、こちらで、法改正をする機会に廃止するという原則が確立しております。

ただ、この需給調整条項につきましては、現在、それを発動しまして不許可とした事例もございませんし、現実の行政の執行上は、その需給調整条項を念頭に許可、不許可をしているという事例はないということを申し上げておきたいと思います。

(5)でございますが、以上申し上げましたようなことを踏まえれば、AEO事業者に対して非蔵置官署の申告の特例を認めることにあわせて、通関業の営業区域制限を廃止することが適当ではないかと考えられるわけでございます。

再度先ほどの絵をごらんいただきたいと思いますが、これは右、左、真ん中の順番がいろいろでございますが、先ほど申し上げたように、通関業法の通関業者の営業区域制限の規制がないといたしますと、一番右の絵でございますが、例えばY税関の管内にありますB税関業者でもX税関に対して申告を行うということが可能となってくるわけでございます。

さらに、AEO事業者に認められるのではないかと先ほど申し上げた申告官署の自由化が実現いたしますと、蔵置官署であるX税関に対して申告するだけではなくて、輸出入者が直接するときももちろんでございますが、A通関業者、B通関業者とも蔵置官署ではないY税関に対して申告を行うことができてくるということを考えておるわけでございます。

今後の対応でございますが、輸出入申告官署の自由化につきましては、まず第1に、輸出入申告を蔵置官署に対して行うという原則は維持する。2番目に、AEO輸出入申告について、特例的に非蔵置官署に対して行うことを可能とする。3番目に、通関業の営業区域制限を廃止する。この3つを基本的方向性として、輸出入者及び通関業者の利便性並びに税関業務に与える影響を考慮しつつ、先ほど少し御説明いたしましたが、平成29年度の次のNACCS更改時までの実施に向けて具体的な検討を進めることとしたいと考えております。

その際、今後の詳細の検討でございますが、貨物の検査に係る法令上の権限の整備が必要、それから、輸出入申告に対する許可の主体、あるいは貨物の種類──例えば海上、航空の違いはどう考えるか、それから、自由化の対象とする手続の範囲、これは輸出入申告もそうでございますが、輸出入申告に類似する手続がいろいろ保税地域の関連等でございまして、そういった手続をどこまで自由化するか、あるいは、貿易統計の計上方法、現在は、この絵でいいますと、X税関に貨物があって、なおかつ申告も行われますので、全てX税関で輸出入したという貿易統計の計上が行われますが、これが自由化によりまして分離したときにどう考えたらよいのか、こういった点、その他実務上の細かい点についてのさらなる検討が必要であると考えております。

それから、輸出入申告官署の自由化の一環といたしまして通関業の営業区域制限を廃止するということになれば、これは通関業法の改正になりますが、通関業法につきましては、長年この改正が行われていないということがございまして、輸出入申告官署の自由化に伴う改正を機に、昨今の通関手続を取り巻く環境の変化に対応するという観点から、制度全般にわたり論点をさらに整理した上で必要な見直しについて検討を進めていきたいと考えております。

私からの説明は以上でございます。ありがとうございました。

○圓川分科会長ありがとうございました。

ただいまの説明につきまして、御意見、御質問をいただきたいと思います。官署の自由化は税関にとっても非常に大きなインパクトのある改革かと思います。どうぞ、相澤委員。

○相澤委員営業秘密の不正使用に係る物品の流通を認めると、営業秘密を不正に利用して生産をして流通させる事業者が利益を得ることになり、営業秘密の不正な使用に対する誘引が生ずることになりますので、その流通を止めることは重要であると理解をしています。

さらに、手続につきましても、不正競争防止法上で違法な周知表示を付した商標等についての手続的整備がなされていますので、その手続に準じて整備をすることによって、現在の関税法の中に組み込んでいくことができると考えております。

○圓川分科会長ほかにいかがでしょうか。鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員直接的な質問ではないんですが、きょうもさまざまな貿易円滑化のための措置についてのお話がございましたけれども、それをやることによってどれだけの効果、特に経済的効果があって、それを進めるのに行政コストも含めてコストがどれだけかかるのかというような点について、できるだけ金額的に示すことでこれを推進するための力にしていくような形で、そういうことを示していく努力というのは一つ重要ではないかという気がいたします。

それに関連して最近気になったのが、例のWTOの貿易円滑化協定に絡んで、貿易円滑化を進めると世界全体で100兆円の効果が生じるというかなり莫大な数字が新聞等で報道されまして、あるのはもちろんありますが、これはちょっと直感的には相当に大きいなという気がいたしましたので、そのあたりについてどのように評価しておられるかということも含めてお聞かせいただけるならばありがたいなということです。

○源新参事官それでは、私のほうから御説明いたします。今、鈴木先生がおっしゃられました世界で100兆円の効果試算については、御指摘になられましたWTOの貿易円滑化協定が昨年の暮れに閣僚会議で妥結された際にも、WTOの事務局長のほうから、世界経済全体で年間1兆ドル相当の効果が期待されるというような発言もなされているところでございます。その根拠となっている試算につきましては、米国のピーターソン国際経済研究所というところで出されておりますレポートがもとになっておるようでございまして、貿易円滑化協定の実施によりまして、そうしたGDPの拡大効果が試算されているところではあります。

わかっている範囲内で申し上げますと、考え方としては、様々な貿易円滑化の関係の指標があるわけでございます。例えばシングルウィンドウ等々の改善効果に加えまして、港湾などのインフラ整備によっても貿易がどれくらい拡大するのか、その結果として、GDPがどれくらい拡大するのかという考え方に基づいて出された一つの推計だと承知しているところでございます。

評価というお尋ねではございますけれども、我々当局としてこういった定量的な試算は持っていないわけでございますけれども、いずれにしても、貿易円滑化の実施によって貿易が拡大する、それを通じて世界経済の拡大に寄与するという点において、重要なものだと考えているところでございます。

○圓川分科会長どうですか。もっと具体的に、今回の項目の中で、多分最後のものなどは利用者側のコスト削減がかなり見込まれると思うんですけど。

○堀田業務課長ありがとうございます。分科会長は最後の申告官署の自由化についておっしゃっておられると思いますが、自由化の経済効果を、先ほどの答えと同じようなもので恐縮ですが、現時点で数値であらわすことは困難であると考えておりますが、自由化後の貿易関係者の行動が、自由化の影響を受けます輸出入者や通関業者の側でも、制度の詳細がわからないとどうするかまだ決めていませんと言っている業者が多いということもございまして、現時点で予測することはできないと思いますが、申告官署の自由化によりまして、いろんな通関業者、輸出入者のコストが少なくとも削減される、それが効率化につながると思うのであれば集約することもできますし、あるいは蔵置官署で申告することが非常に便利だということであれば、今までどおりの申告も行うこともできるわけでございますから、効率化やコストの削減などによりまして貿易円滑化が進むということは考えられるわけでございまして、そうしたことからもちろん望ましい経済効果があらわれてくるのではないかと期待しているところでございます。

○圓川分科会長ほかにいかがでしょうか。國井委員、どうぞ。

○國井委員今の輸出入申告官署の自由化については利便性を高めていいと思いますが、ひとつ御質問します。AEOの通関業者さんは大手が多いとか、そういう何か特徴がありますか。1つ心配しているのは、自由化することによって、地方の通関業者さんのビジネスがすごく少なくなるとかということはあまり心配しなくていいんでしょうか。AEOの比率などについて、私はあまりよくわからないので、教えていただければと思います。

○堀田業務課長大手の比率等はもしありましたら後ほどお答えいたしますが、今、國井委員がおっしゃったような懸念があるということは我々も認識をしております。ただ、通関業者というのは通関業だけをやっている業者はほとんどいなくて、例えば運送ですとか、倉庫業ですとか、そういったものと一体として業務を請負っている者が多い、それから、通関業者としましても、今はこういった自由化とか、あるいは日豪のEPAなどもそうでございますが、様々な新しい世界がどんどん開けてきているわけでございまして、前向きにそういった環境の変化に取り組んでいるところを中心にしまして、今までの考え方から脱皮してどんどん前向きに取り組んでいこうという通関業者も多いという認識をしております。

そういったことを踏まえてこの自由化の検討もさらに進めていきたいと考えておりますが、一方で、今おっしゃったような、地方・中小の通関業者を中心に、懸念があるということも十分理解しておりますので、そのあたりをどういったやり方で克服していったらいいのか、よく考えてまいりたいと考えております。

○圓川分科会長ほかにいかがでしょうか。どうぞ工藤委員、お願いします。

○工藤委員ちょっと前に戻るんですが、指定薬物に関しまして1点ほど質問がございまして、お願いいたします。

今回の検討で指定薬物を輸入してはならないものへの追加ということでございますが、そうしますと、従来行っておりました指定薬物の中で、例えば研究など、いわゆる申告して輸入する物品として挙げているものがあると思うんですけれども、そのものは今後どのような取り扱いになるのか教えていただけますでしょうか。

○前田調査課長ありがとうございます。資料編の資料1−2の1ページで説明申し上げましたが、厚生労働省所管の薬機法第76条の4で、医療、研究等の用途以外の用途に供するために輸入してはならないとありますので、輸入する場合には、厚生労働省が医療等の用途に供するものであることを確認した用途誓約書が必要でございます。輸入者がそれを持っているかの確認は、指定薬物が第69条の11に追加されましても、変わらず行うこととなります。

○工藤委員そうしますと、この76条の4というのが優先するわけですね。

○前田調査課長指定薬物を輸入する場合には、厚生労働省が医療等の用途に供するものであることを確認した用途誓約書は必要であるということでございます。

○工藤委員わかりました。

○圓川分科会長ほかにいかがでしょうか。

これにて平成27年度関税改正項目についての委員の皆さんからの一通りの審議を賜りましたので、今後、年度改正に関する当分科会の答申を取りまとめる作業に移ることとなります。

次回分科会におきまして、前回と今回御審議いただきました内容を踏まえた答申案を御提示させていただきたいと思います。その上で御議論を賜るということにしたいと考えております。

本日は御多用のところ御出席をいただきまして、誠にありがとうございました。

午前11時28分 閉会

財務省の政策