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関税・外国為替等審議会 関税分科会 (平成26年11月14日開催) 議事録

関税・外国為替等審議会 関税分科会 議事録

本稿は、平成26年11月14日の関税・外国為替等審議会 関税分科会 の議事録です。
午後3時03分 開会

○圓川分科会長時間も参りましたので、ただいまから関税・外国為替等審議会関税分科会を開催いたします。

委員の皆様方には御多用中のところ御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。

議事に入ります前に、委員の交代がございましたので、私から御紹介申し上げます。

末永太委員が日本労働組合総連合会総合政策局経済政策局長から同連合会東京事務局次長に異動されたことに伴いまして御退任されまして、御後任に経済政策局長に新たに就任された竹詰仁委員が任命されています。竹詰さん、よろしくお願いいたします。

○竹詰委員連合の竹詰と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

○圓川分科会長続きまして、本年8月から10月までの間に本分科会で審議していただいた日豪EPA発効のための必要な関税関係法整備につきまして、事務局より御報告がございます。

○小宮関税課長恐縮でございます。関税課長の小宮でございます。

本分科会で御議論いただきました日豪EPA発効のために必要な関税関係法の整備につきましては、2法案が去る11月12日、参議院本会議において可決され、成立の運びとなりました。

原産地手続の自己申告制度の導入に係る法整備につきましては、分科会におきましても御議論を頂戴いたしまして、我が国からの輸出貨物の原産性について豪州側から確認要請があった場合に、我が国税関として対応するための規定を整備しているところでございます。

特に、法律におきましては、我が国が提供する情報の目的外使用のおそれがある場合や、求められている情報が秘密情報である場合にまで豪州に協力することは求められていないということを明確化するとともに、貿易政策や産業政策をつかさどる関係官庁との緊密な連携の観点から、豪州への情報提供時の経済産業省への協議等も法律上義務づけているところでございます。

また、協定上、輸入国税関から輸出者、生産者への連絡には必ず輸出国である我が国政府を経由することとなっておりまして、もし豪州税関から乱用的な情報提供要請があったとしても、我が国として、その事実を直ちに把握できるとともに、適切な対応をとることができることとなっているところでございます。

また、答申におきまして、関係者等への新制度の丁寧な周知につきましても御指摘をいただいているところでございます。通関業連合会、自動車工業会、日本貿易会等の関係業界への説明会、さらにはEPAセミナーの開催等、新制度の周知のための取組みを現在進めているところでございます。また、こうした取組みの中で、産業界等からも大変使い勝手のよい制度にしていただいているという言葉も頂戴していることをあわせて報告させていただきます。以上でございます。

○圓川分科会長ありがとうございました。

それでは、本日の議事に入らせていただきたいと思います。

本日の議題は、お手元にお配りしている議事のとおりでございます。

最初に、平成27年度関税改正についてですけれども、前回の関税分科会におきまして、平成27年度関税改正の議論の前提として、現状をよく知っていただくために、事務局より、最近の税関行政をめぐる諸問題や関税をめぐる国際的諸問題につきまして御説明をいただきました。

平成27年度関税改正につきましては、今回と次回の関税分科会におきまして各項目について審議を行い、その次の関税分科会におきまして答申案の御議論をいただくことを考えています。

つきましては、まず平成27年度関税改正に係る各省からの要望事項の概要から事務局より説明を受けたいと思います。よろしくお願いします。

○小宮関税課長恐縮でございます。お手元に本日の資料がございますが、議事日程と委員名簿の次に「資料1」という一枚紙がございます。これを御覧いただければと存じます。

これは、27年度関税改正に係る各省からの要望事項を概要としてまとめたものでございます。5項目を掲げさせていただいております。最初の4項目につきましては本日御審議いただきたい項目でございまして、暫定税率の適用期限延長につきましては農林水産省、経済産業省、国税庁、当省の理財局から、そして、特別緊急関税制度等の適用期限延長については農林水産省から要望が提出されております。また、外務省からは、ニット製衣類に係る特恵原産地規則の緩和の要望が提出されておりまして、さらには、内閣府、文部科学省、厚生労働省からは、子ども・子育て支援新制度に伴う税制上の所要の措置について、要望が昨年に引き続き提出されているところでございます。

一番下でございますけれども、そのほかに1項目ございまして、経済産業省から営業秘密侵害物品の水際措置の導入に係る要望が提出されております。これにつきましては、現在、経済産業省におきまして、不正競争防止法の一部を改正し、営業秘密侵害物品の譲渡、輸出入等を規制の対象として加えることについて検討が行われているところと承知しております。

関税改正に当たりましては、経済産業省における検討内容を踏まえて検討を行う必要があると考えているところでございまして、次回以降の関税分科会において御審議いただくか、または検討状況の御報告をさせていただきたいと存じます。以上でございます。

○圓川分科会長ありがとうございました。

それでは次に、平成27年度関税改正検討項目につきまして事務局より説明を受けたいと思います。御意見、御質問は後でまとめてお受けしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○小宮関税課長それでは、お手元の資料の2−1をごらんいただければと存じます。まず「暫定税率等の適用期限の到来について」という資料でございます。参考資料は資料2−2となってございます。

1枚おめくりいただきまして、背景・経緯から順に御説明申し上げます。背景・経緯でございますけれども、基本税率が長期的な観点から内外価格差や真に必要な保護水準を勘案して設定されている税率であるのに対しまして、暫定税率は、一定の政策上の必要性等から適用期限を定めて基本税率を暫定的に修正する税率でございます。暫定税率は、その水準及び必要性について常に見直していくものとされているところでございます。

平成27年の3月31日に433品目の暫定税率の適用期限が到来することになっておりまして、これらにつきましては単年度ずつ延長されてきたものでございますけれども、その後の取扱いについて今回検討する必要があるというものでございます。

そして、2.改正の考え方及び検討でございます。まず延長の適否でございますが、イといたしまして、国内の生産者と消費者等との利益調整に及ぼす影響についてでございます。関税率には、産業保護を求める国内の生産者と安価な供給を求める消費者・需要者との間の利益調整を考慮して設定される面がございまして、この水準を変更しようとする場合には、その国内経済への影響を考慮する必要がございます。

また、関税割当品目につきましては、枠外の基本税率等によりまして必要な保護水準を維持する一方、暫定税率により一定の数量に限って枠内を無税または低税率としているところでございますが、この暫定税率の延長に当たりましては、このような国内生産者を保護する制度の必要性も踏まえて検討する必要があるところでございます。

次に、ロといたしまして、WTO交渉との関係についてでございます。ウルグアイ・ラウンド合意を踏まえて、暫定税率により枠内税率等が設定されている関税割当品目及び国家貿易品目につきましては、一定の数量までその関税率での市場アクセス機会の提供を国際的に約束していることに留意する必要がございます。

現在設定されております暫定税率に関連する事項につきましては、WTOドーハ・ラウンド交渉の対象となってございますけれども、このドーハ・ラウンド交渉におきまして新たな市場アクセスの枠組みに係る合意がまとまっていないところでございまして、今後の同交渉の行方を予断することなく注視していく必要がございます。

続いて、ハといたしまして、関係国との協議結果に基づく税率の引き下げ措置の履行に及ぼす影響についてでございます。ウルグアイ・ラウンド合意に際しまして、関係国との協議の結果に基づき、協定税率からさらに実行税率を引き下げるために暫定税率を設定している例えば牛肉等の品目につきましては、こうした関係国との協議の経緯を考慮する必要がございます。これらの品目につきまして、仮にその暫定税率を廃止しようとしますと、関係国との再協議が必要となるというところでございます。

最後に、ニといたしまして、国内政策上の必要性でございます。国内政策上の要請に応じて暫定税率が設定されている品目につきましては、その時々の政策上の必要性を考慮し、常に見直した上で暫定税率設定の是非を判断する必要がございます。その際、内国税におきまして同様の施策がとられている場合には、それとの関係にも留意する必要があるところでございます。

次に、大きな考え方の視点として、(2)といたしまして、基本税率化の適否というものがございます。暫定税率が長年にわたって設定され定着している場合には、これを基本税率化、すなわち、暫定税率を廃止して同水準の基本税率を設定することも考えられますが、その際、各々暫定税率として設定されてきた経緯等を考慮する必要がございます。

例えば、関税割当制度につきましては、無税または低税率が適用される輸入数量を限定する国境措置でございまして、過去の関税率審議会等におきまして、過度の輸入抑制効果や国内産業の合理化の阻害などの弊害が生じないよう常に見直しを行い、一般の税率形態への移行の可能性を検討すべきものと位置づけられているところでございます。このような経緯等を踏まえつつ、同制度を維持する品目について、その関税率を基本税率とすることは適当ではなく、また、これまで暫定税率として設定されてきているというところがございます。

3番目に、適用期限の論点でございます。暫定税率の適用期限を延長する場合には、その時々の政策上の必要性や直近の国際市況に基づいて暫定税率の適否を判断するという趣旨から、従来、延長を1年としてきた経緯というものがありまして、これを考慮する必要がございます。

以上申し上げました経緯、それから考え方に沿いまして全品目について検討を行いました結果、後ほど御説明いたしますアルコール製造用糖みつを除く431品目につきましては、暫定税率の適用期限を延長することが適当であると考えられるところでございます。

そして3.は、今申し上げたアルコール製造用糖みつの用途別軽減税率及び関税割当制度の廃止についてでございます。

まず、現行制度及び税率でございますけれども、アルコール製造用糖みつにつきましては用途別軽減税率と関税割当制度の両制度から成り立っておりまして、糖みつのうちアルコール製造用として関税割当を受けたものにつきまして、暫定税率が適用されているところでございます。

そして、経緯及び改正理由でございますけれども、アルコール製造用糖みつの関税割当制度は、アルコール製造原料であります国産の甘しょ等の安定的引取りを確保しつつ、アルコール製造者のコスト低減を図ることを目的といたしまして、昭和62年度に導入されております。現在、当該品目の関税率につきましては、枠内税率の無税、これは暫定税率としてでございます、そして枠外税率は15.30円/キログラムとなっておりますけれども、平成21年度以降5年間にわたってこの関税割当制度を実際に利用した輸入実績がございません。利用者であるアルコール製造者を所管する経済産業省としては、今後も同制度の利用は見込まれないとしておりまして、糖みつ等の原料を所管する農林水産省からも、関税割当制度及び用途別軽減税率の廃止の要望が出されているところでございます。

これを踏まえまして、検討でございます。まず5年間にわたって輸入実績がない背景といたしまして、主要な輸出国であるブラジルやタイでのバイオエタノール増産政策等により、糖みつの国際価格が高止まりしてございます。結果、輸入糖みつが、国産の糖みつや、糖みつを代替する他の原料品の価格を上回っている状況が続いているという価格面の理由がございます。

また、国産の糖みつから発酵アルコールを製造する際、糖度の問題、すなわち国産糖みつが輸入糖みつに比べて糖度が低いということがございますが、この問題から、以前は輸入糖みつを混合する必要があったところでございますけれども、発酵技術が進歩したということで、国産糖みつ単独でのアルコール製造が可能となってきているという技術面の理由等が挙げられるところでございます。

アルコール製造用糖みつの輸入につきましては、もはや需要がないと見込まれるところでございまして、当該用途に適用される用途別軽減税率を廃止することが適当ではないかと考えられるところでございます。また、これに伴いまして、当該品目の関税割当制度を廃止するとともに、対応する暫定税率としての枠内税率につきましても、廃止することが適当であると考えられるところでございます。

そして、まとめ、改正の方向性でございますけれども、アルコール製造用糖みつ(2品目)につきましては、用途別軽減税率、関税割当制度及び枠内税率を定める暫定税率を廃止することとし、これらを除く431品目につきましては、暫定税率の適用期限を1年間延長する方向で対応することが適当ではないかというものでございます。

続きまして、5ページを御覧いただければと思います。特別緊急関税制度等の取扱いでございます。

まず、背景・経緯について御説明申し上げます。特別緊急関税制度、いわゆるSSGでございますけれども、これは、ウルグアイ・ラウンド合意に基づき関税化された農産品につきまして、輸入数量が一定の水準を超えた場合、または課税価格が一定の水準を下回った場合に、それぞれ関税率の引上げを行うものでございます。

平成27年、来年の3月31日にSSGの適用期限も到来するところでございまして、これらにつきましては、先ほどと同じように単年度ずつ延長されてきたものでございますけれども、その後の取扱いについて検討する必要があるというものでございます。

そして、改正の検討でございますけれども、まずSSGにつきましては、ウルグアイ・ラウンド合意に基づき関税化された農産品の輸入急増時の安全弁として、関税化措置と一体として設けられているということから、暫定税率と一体的に検討を行う必要があるというものでございます。

また、このSSGの対象品目につきましては、国際的に約束した市場アクセス機会の確保等から、暫定税率の設定が引続き必要と考えられておりますところ、SSGにつきましても、適用期限の延長を行うことが適当ではないかと考えられるところでございます。

なお、生糸に係る価格ベースSSGにつきましては、来年4月1日の日本農林規格の廃止に伴う所要の改正が必要と考えられるところでございます。

そして、改正の方向性でございますけれども、SSGにつきましても1年間適用期限を延長する方向で対応するとともに、生糸につきましては、当該規格の廃止に伴う所要の改正を行うことが適当ではないかと考えているところでございます。

続きまして、6ページを御覧いただければと思います。牛肉及び豚肉に係る関税の緊急措置の取扱いでございます。

まず、背景・経緯でございますけれども、牛肉及び豚肉に係る関税の緊急措置は、暫定税率により協定税率よりも低い水準まで引き下げている実行税率を、輸入数量が一定水準を超えた場合に、協定の譲許水準まで引き上げるものでございます。

例は牛肉の場合でございますけれども、協定税率は50%でございますが、これよりも低い38.5%の暫定税率を設定してございます。当該年度の牛肉の累計輸入数量が一定の水準、原則としては前年度の数量の実績の1.17倍でございますが、を超えた場合に、関税率を38.5%から50%まで戻すという仕組みになってございます。

これにつきましても、来年の3月31日に適用期限が到来するわけでございます。これらも単年度ずつ延長されてきているものでございますけれども、その取扱いについて検討する必要があるところでございます。

そして、検討でございますけれども、これらの関税の緊急措置につきましては、ウルグアイ・ラウンド合意の際の関係国との協議の結果に基づき、協定税率よりも低い水準まで実行税率を自主的に引き下げることとした際、これと一体として牛肉及び豚肉の輸入急増時の安全弁として設けられたものであるという経緯がございます。したがいまして、暫定税率と一体的に検討を行う必要がございます。

また、関係国との協議結果の履行のため、前述の暫定税率が引続き必要と考えられておりますところ、暫定税率と一体的な制度である関税の緊急措置についても、適用期限の延長を行う必要があるのではないかというところでございます。

したがいまして、改正の方向性でございますけれども、牛肉及び豚肉に係る関税の緊急措置につきまして、1年間適用期限を延長する方向で対応することが適当ではないかと考えられているところでございます。

続きまして、7ページでございます。牛肉に係る関税の緊急措置の発動基準数量の取扱いでございます。

背景・経緯でございますけれども、この発動基準数量の算出基礎は、ウルグアイ・ラウンド合意の際の関係国との協議の結果、原則として当該年度の前年度の輸入実績とされているところでございます。

しかしながら、御承知のとおり、平成18年度から平成26年度までの各年度におきましては、牛肉の輸入数量が米国でのBSE発生前の水準に回復したとは断言できない状況のもと、特例といたしまして、発動基準数量の算出基礎を、当該年度の前年度の輸入実績または平成14年度と平成15年度、すなわちBSE発生前の輸入実績の平均値のいずれか大きいほうとするという特例措置を設けているところでございまして、今後の取扱いについて検討する必要があるというものでございます。

これにつきましての改正の検討でございますけれども、まず本年度におきましては、冷凍牛肉については、平成25年度の輸入実績が14年度、15年度の平均値を上回っているところでございます。したがいまして、発動基準数量の算出基礎として適用されるものは、平成25年度の輸入実績を用いているところでございます。

他方、生鮮・冷蔵牛肉については、平成25年度の輸入実績が依然として14、15年度平均値を下回っている状態でございまして、特例措置の適用をしているところでございます。したがいまして、全体としてでございますけれども、いまだ牛肉全体の輸入としては米国でのBSE発生前の水準に回復したとは断言できないのではないかと考えられるところでございます。

また、このような回復過程にある中で仮に特例措置を廃止するとした場合、今後の輸入動向によっては、BSE発生前の水準以下の輸入数量であっても緊急措置の発動が生じ得るということとなりまして、その場合は消費者等の負担が増すこととなるおそれもございます。

以上を踏まえまして、改正の方向性でございますけれども、牛肉に係る関税の緊急措置を延長する場合には、発動基準数量の算出基礎の特例措置を来年度、27年度においても継続することが適当ではないかと考えられるところでございます。

以上が、暫定税率等の適用期限の到来についての御説明でございます。

続きまして、恐縮でございますが、今度は資料の3−1をごらんいただければと存じます。関連資料は3−2となってございます。特恵関税制度に係る事項でございます。

まず、特恵関税制度に係る事項の最初、1.の国別・品目別特恵適用除外措置からでございます。

背景・経緯でございますけれども、特恵関税制度は、開発途上国を支援する観点から、開発途上国を原産地とする特定の輸入物品に対しまして、一般の税率よりも低い特恵税率を適用する制度でございます。144カ国の国及び地域を対象とした一般の開発途上国に対する特恵関税制度に加えまして、後発開発途上国に対する特別措置、LDC特恵関税制度は、先ほど申し上げました144カ国のうち47カ国が対象となっておりますが、これを設けているところでございます。

特恵関税の対象産品でありましても、国際競争力が高いものにつきましては、国及び品目を政令で指定して同制度を適用しないこととしているところでございます。また、その基準は、財務省告示「国別・品目別特恵適用除外措置及び高所得国に係る特恵適用除外措置の適用基準」によりまして、一の特恵受益国の産品であって、過去3年間の平均輸入額が15億円超、かつ、同一物品の総輸入額の50%超であるという基準を設けて運用しているところでございます。

そして、改正の検討及び方向性でございます。まず国別・品目別特恵適用除外措置でございますが、27年度におきましては、上記の国別・品目別特恵適用除外措置の基準に該当した、このページの下のほうに掲げておりますけれども、農水産品2品目、それから鉱工業品24品目につきまして、来年の4月1日から平成30年3月31日まで3年間特恵税率の適用除外とし、一般の税率を適用することが適当ではないかと考えられるところでございます。

続きまして、個別の特殊な事項でございますけれども、2.として、ニット製衣類に関する特恵原産地規則の緩和という事項でございます。

背景・経緯でございますけれども、関税暫定措置法上、61類のニット製衣類は、一般特恵関税制度の対象とはなっていないところでございますけれども、先ほど申し上げましたLDC特恵関税制度の対象となってございます。LDCを原産国とするニット製衣類の我が国への輸入については関税が無税となっているところでございます。

ニット製衣類につきましては、LDCにおきまして、非原産品である糸から製造する場合、すなわち生地を製造して、縫製をするという2工程を経る場合に当該国の原産品としての資格が与えられる、いわゆる2工程ルールが原産地規則として適用されているところでございます。

また、ニット製衣類の原産地規則につきましては、去る平成23年度の改正におきまして、特恵関税制度の目的が開発途上国の支援であること等を踏まえまして、LDCの特恵関税制度によって与えられる利益の改善に資する観点から、国内産業への影響に配慮しつつ、糸の原繊維から製造する、すなわち製糸、生地の製造、縫製の3工程を経る、いわゆる3工程ルールから現在の2工程ルールに緩和をされてきているという経緯がございます。

そして、今回の改正の検討としては、これをさらに縫製のみの1工程に緩和する要望が提出されているところでございます。

改正の検討でございますけれども、平成23年度改正におきまして、ニット製衣類の原産地規則を3工程から2工程に緩和した効果といたしまして、特にバングラデシュ、カンボジア、ミャンマー等のLDCから日本向けのニット製衣類の輸出が増加傾向にあるところでございまして、この2工程からさらに1工程へ緩和した場合に、LDCにおける特恵メリットのさらなる改善に資することになるのではないかと考えられるところでございます。

また、2つ目といたしまして、ニット製衣類の国内需要の約97%は既に輸入品に占められているところでございますけれども、LDCから輸入されるニット製衣類につきましては、品質、価格等の面におきまして、日本産のニット製衣類と直接競合するものではないことから、原産地規則の緩和による本邦の、すなわち我が国国内におけるニット製衣類の生産者への影響はほとんどないのではないかと考えられるところでございます。

なお、中国における人件費の高騰等を背景に、衣料品の生産拠点をLDCに移転する日本企業が増加するなど、現在、国際分業が進んでいる状況にございまして、ニット製衣類の原産地規則を1工程に緩和した場合に、LDCに進出する日本企業にとっても逆にメリットがあるのではないかと考えられるところでございます。

以上を踏まえまして、改正の方向性でございますけれども、特恵関税制度の目的が開発途上国の支援であることから、ニット製衣類の原産地規則を緩和することが適当なのではないかというところでございます。

続きまして、今度は資料4−1をごらんいただければと思います。子ども・子育て支援新制度に伴う脱脂粉乳に対する関税減税措置についてでございます。実は、この事項につきましては、26年度改正におきまして定率法の改正の事項として御議論をいただいたものでございます。

まず背景でございますけれども、子ども・子育て支援新制度は、去る平成24年8月、幼児期の学校教育・保育、地域の子育て支援を総合的に推進するため、子ども・子育て関連3法が成立いたしまして、「子ども・子育て支援新制度」が導入されることとなりました。これに伴いまして、幼稚園、保育所等に係る制度が改正されることとなり、この新制度は来年の4月から本格施行予定となっているところでございます。

また、この新制度におきまして、新たに学校及び児童福祉施設としての法的な位置づけを持つ単一の施設である幼保連携型認定こども園が創設されるほか、大都市部の保育需要の増大に機動的に対応できるよう、現行制度下では保育所として認可されていない小規模保育事業等が法律上に位置づけられることとなったところでございます。

そして、脱脂粉乳に係る関税減税措置でございますけれども、まず現行制度におきましては、小学校、中学校、幼稚園及び児童福祉法に基づく児童福祉施設等に対しまして、給食用の脱脂粉乳に対する関税減税措置が講じられているところでございます。

具体的には、関税定率法におきまして、通常の脱脂粉乳より低い関税率が設定されております。またこれに加えまして、関税暫定措置法におきまして関税割当制度が設けられ、枠内の税率は暫定税率として無税とされているところでございます。

新制度におきまして導入される新たな施設等のうち、幼保連携型認定こども園につきましては、児童福祉法上の「児童福祉施設」に該当することになりまして、引続き関税減税措置の対象となるところでございます。一方、これら以外の小規模保育事業等につきましては、自動的に同減税措置の対象にならないものですから、その対象とするための改正が必要となるというところでございます。

平成26年度中に新制度の参入者を募集するに当たり、昨年度の関税審議会におきまして議論いただきましたけれども、関連する税制措置の枠組みを明らかにして、事前に関係者への周知が図られることを目的としまして、26年度関税改正におきまして、制度の施行、すなわち来年の4月に予定されている施行に先行する形で、新制度における小規模保育事業等に係る給食用脱脂粉乳の関税定率法上の特例的位置づけについては既に措置をしているところでございます。

他方、今回御議論いただく項目といたしましては、関税暫定措置法上の当該枠内暫定税率につきましては、一定の政策の必要性等からこの水準及び必要性について毎年度検討を行い、単年度ずつ延長を実施している暫定税率等でございますので、27年、すなわち来年の4月に本格施行予定のものにつきましては26年度改正によって対応することができず、27年度、すなわち今回、改正について検討をする必要があるという状況になっているところでございます。

そして、小規模保育事業等に対する要望につきましては、現行制度のもとでは保育所として認可されていない保育事業につきまして、従来の保育所に対する認可と同等の基準を満たすものを市町村による認可事業として位置づけておりまして、小規模保育事業、家庭的保育事業、事業所内保育事業及び居宅訪問型保育事業の4類型がこの新制度のもとで設置されることとなっております。

このうち、給食の提供を行わない居宅訪問型保育事業を除く残りの3類型において給食用として使用する輸入脱脂粉乳につきまして、保育所と同様の措置を講ずることとするよう要望が改めて提出されているところでございます。

そして、検討でございますけれども、26年度改正におきましては、制度の目的及び認可基準、並びに発育途上にあります生徒・児童等の心身の健全な発展を図るとの脱脂粉乳の関税減税措置の趣旨に鑑みまして、定率法におきまして措置を講じたところでございますが、来年度に向けての要望事項につきましては、前年度措置済み事項と一体の改正でございまして、新制度下の小規模保育事業等について、関税暫定措置法においても、保育所と同様に給食用脱脂粉乳に係る関税減税措置の対象とすることが適当ではないかと考えられるところでございます。

以上を踏まえまして、改正の方向性でございますけれども、子ども・子育て支援新制度下での小規模保育事業等につきまして、関税暫定措置法においても脱脂粉乳に係る関税減税措置の適用対象となるよう、所要の法令改正を行うことが適当ではないかというところでございます。

私のほうからは以上でございます。

○圓川分科会長ありがとうございました。

それでは、これまでの事務局の説明につきまして、御質問、御意見を頂戴したいと思います。いかがでしょうか。どうぞ、清水委員。

○清水委員御説明をありがとうございました。2点ございます。

まず、ニット製衣類の輸入にかかわることですが、資料3−2の一番最後のページを見ますと、「ニット製衣類の輸入額の推移」ということで、今回対象となるLDCの金額とは別に、中国、ベトナムといった国の輸入がメインであるということが書かれております。つまり、今回、LDCに関しての第1工程でよりも中国、ベトナムといった国からの輸入が増えるということに対しては、背景としては中国の人件費が上がり、中国に生産拠点を持っていた企業がバングラデシュなどに移っていくということで、そういった生産ネットワークのポジションが変わっていくことを促進するということで、日本の企業にとってはいい面があるとは思うんですが、こういった措置を通すことによって中国から何か文句を言われないのか、そういったことに関しての懸念はないのでしょうかというのが1点。あるいは、中国とかベトナムに対してもそういったことの措置に対しての意見が出ないのかどうかということです。

もう1つは、最後に説明していただきました脱脂粉乳に関することですが、こちらも資料を見させていただきましたこところ、資料4−2の2枚目のところに、今までは小学校、中学校と大きなところが対象となっているわけですが、これからは、資料の1にありますように、小規模の保育事業、家庭的保育事業といったところも対象とするということですが、具体的にそういうところがどうやって脱脂粉乳の無税を利用できるのか。小規模であれば、例えば牛乳を買ってきて終わってしまうということで、こういった措置が本当に小規模な保育事業にプラスの影響をもたらすのかどうかということについてお伺いしたいと思います。

○小宮関税課長まず、ニットは、中国、ベトナムとの関係において大丈夫だろうかという御質問でございますけれども、当該特恵メリットを享受するのはあくまでLDCなわけです。ただし、1工程になりますので、例えば糸とか生地の部分について間接的に中国製とかベトナム製を使うことは、むしろ逆にベトナム、中国はもしかしたら間接的に利益を享受できるかもしれないという部分も併せて考える必要があると思います。

また、少なくともこれまでのところ、我々が承知している範囲内におきまして、当該措置を適用し、1工程化したことによりまして、中国、ベトナムから反発といいますか、批判が出るということが起こりそうな状況にあるとは承知しておりません。

それから、脱脂粉乳のほうにつきましては、今日は関係省庁の担当の方が来られていますので、そちらのほうからお願いします。

○南保育課幼保連携推進室長(厚生労働省)厚生労働省からお答えさせていただきます。

小規模保育、あるいは今回対象に考えております家庭的保育というのは定員が19人以下の施設でございまして、それ以外は全く保育所と同じ保育をするところでございます。小規模保育も家庭的保育も保育所と同じように自園調理、基本的には自分のところで調理する。それで、給食を提供する義務が法令上あります。

脱脂粉乳でございますけれども、非常に栄養価が高いということから、小さな子どもにとっては給食の調理の際によく使われるものでございまして、年齢の低い子どもにとっては栄養価の高い食品としても、給食としても適しているというところでございます。小規模保育においても給食の提供義務があるということから、この脱脂粉乳を安価に得ることができるというのは大変大きなメリットがあるというふうに考えております。

○圓川分科会長他にいかがでしょうか。相澤委員。

○相澤委員資料3−1の特恵関税制度に関連してですが、ここで開発途上国の基準が1人当たりGDPということになっているのでしょうが、日本よりも経済規模の大きい国に対して特恵制度が与えられているというのは違和感があります。今年度の答申につきまして異論があるわけではありませんが、この点について、例えば米国の取扱い等を含めて今後検討していただければと思います。

○小宮関税課長まず、そういう意味では制度上どういう取扱いをしているのかと再確認をさせていただきたいと思います。御指摘の世界第2位の経済大国である中国でございますけれども、各国の特恵関税制度、いわゆる税率が低いものを適用するというものにつきましては、日本と全く同じ考え方かどうかまでは承知しておりませんが、WTOの公表資料によると例えばオーストラリア、カナダ、EU、ニュージーランド、ノルウエー、ロシア、スイス、トルコは日本と同様に、中国を特恵関税の対象国としているところでございます。

基本的に、我が国の制度におきましては、国として考える場合は、1人当たりの所得というものをメルクマールとして特恵関税制度の対象とするかしないかという基準を設けまして、適用しているところでございます。ちなみに、今、世界銀行の統計におきまして高所得に入る国については、我が国におきましても特恵対象の国から外すという措置をとってきているところでございます。実際、それによりまして卒業となった国が過去幾つもございます。

中国はどうかと申しますと、世界銀行の統計では1人当たりの国民所得1万2,746ドル以上(平成25年)が高所得国に該当するという分類になっておりまして、中国の1人当たりの国民総所得は幾らかといいますと、まだ6,560ドルということでございます。したがいまして、世界銀行の基準上の高所得国に入るにはもう少し時間がかかりそうな状況にございます。

他方、御指摘の論点につきましては、結局、関税制度といたしましては、国としての特恵関税対象国という基準のほかに、まさに品目別の基準も設けているところでございまして、中国産であっても品目別の基準に該当するものにつきましては適用除外となっていますし、今回御審議いただいております品目もほとんどごらんのとおり中国産でございます。このような中、これまでの経緯、それから状況を踏まえつつ、また御指摘いただきました論点につきましても十分考慮しつつ、対応を検討していきたいと考えてございます。

以上です。

○相澤委員米国はどうなっているのか、確認をお願いします。

○小宮関税課長我々の承知しているところでは、米国の特恵関税制度におきましては、特恵受益国の適格要件というのがございまして、共産主義国でないこと等がございます。米国は現在のところ、共産主義体制であること、それだけではないんですけれども、そのこと等を理由に中国のほかベトナム等を特恵受益国から除外をしております。なお、共産主義以外の要件としては、例えばテロとの関係等でやはり除外をしている国があると承知をしてございます。

○圓川分科会長ありがとうございました。青山委員。

○青山委員暫定税率の適用期限の到来について基本的に別に異議があるわけではないんですが、毎年この時期になるとこれを見直すという定例的な作業になっているかなというふうに思うんですね。今回、431品目をこのまま引き続きということについては異議あるものではないんですけれども、暫定税率で毎年毎年来ているものについて、基本税率化するような抜本的な見直しの作業というものは考えられないものなんでしょうか。いろいろ多角的に検討しているのは分かるんですけれども、その辺、どういう方向性を持っているのかお聞かせいただければありがたいと思います。

○小宮関税課長御指摘いただきました論点につきましても、まさに毎年確認をさせていただいているところでございまして、資料では2−1の2ページの下のほうから「基本税率化の適否」ということで論点を書かせていただいているところでございます。

いずれにいたしましても、我々としましても常にこの視点は忘れることなく、毎年毎年状況を踏まえながら検討を行っているところでございまして、今年もというほうが正確であろうと思いますけれども、この基本税率をする状況にはないという判断に、今年再検討をして至ったということに尽きるというところでございます。

○圓川分科会長石毛委員、どうぞ。

○石毛委員先ほどの相澤先生のお話にも関連するんですけれども、中国からの輸入に占める特恵対象品目のウエートというのはどれぐらいあるものなんですか。それで、中国側からは、こういう特恵制度をぜひ対象にしてくれという要望は寄せられているものなんですか。時代も随分変わっているからそういう強い希望もないように感じるんですけれども、徐々にというよりもしっかり期限を限って、こういうことでやるんですということがあっていいんじゃないかという気もします。

日本の企業も今、中国で投資をして活動している中で、為替レートが変わってきたから輸出もできないし、拠点を変えようとかいろいろなことが起こっている中、冒頭に申し上げた、そもそもこれがどの程度中国にとって重要なのか、それを見る必要があるんじゃないかなという気がします。

○小宮関税課長まず、中国から入ってくるもののうち、どのぐらい特恵対象品目があり、また実際に特恵を適用しているのかということでございますけれども、平成25年度、昨年度の輸入実績で見ますと、全部の総輸入額は18兆4,478億1,000万円となっておりまして、そのうち特恵の対象となる品目の輸入額は3兆308億8,700万円ということで、目の子6分の1ぐらいが対象であると。ただ、実際に特恵の適用をして輸入されたものはどのぐらいかと申しますと、もう1桁小さくなりまして、8,065億5,000万円ということで、全産品の輸入額に占める割合は4.4%程度という状況になってございます。

これを大きいと見るのか、小さいと見るのかは見る人によって分かれるかもしれませんけれども、少なくともこの特恵制度につきまして、中国側から、近年この制度を適用して中国を対象としてくださいというような要望がこちらに届いているということはございませんし、また、この特恵除外対象の基準につきましては、過年度におきまして、まさにこの分科会において御議論いただきまして、透明・公平なルールということで、基本的に品目等は数値に基づいた基準に統一しますという扱いをしてきているところでございます。

○圓川分科会長よろしいでしょうか。

時間もありますので、そろそろ次のほうの議題に移らせていただきます。よろしいでしょうか。

それでは、次は指定薬物をめぐる情勢でございますけれども、指定薬物につきましては、これを含めた危険ドラッグの乱用者による犯罪事故が社会問題となっていることを背景に、現在、政府一丸となって取組みが進められていると承知しております。

このような状況の中で、本日の関税分科会におきまして、まず指定薬物をめぐる情勢等につきまして事務局より説明をいただきたいと思います。その上で、指定薬物に対する水際での具体的な対応については、次回の関税分科会におきまして審議を行っていただければと思います。

それでは、事務局より御説明をお願いいたします。

○前田調査課長調査課長の前田といいます。よろしくお願いします。

まず、お手元の資料5を御覧下さい。私ども調査課におきましては、政府の閣僚レベルで行われる薬物乱用対策推進会議の窓口も担当しておりますことから、本日は私のほうから御説明させていただきます。

まず、1ページ目の「指定薬物をめぐる情勢」を御覧下さい。昨今、危険ドラッグの乱用者による交通死亡事故が頻繁に起きており、特に御記憶がおありかと思いますが、6月の終わりに池袋で大変社会的インパクトの大きい死亡事故がございました。そういう事案等々もあり、7月8日に安倍総理の指示が出ております。これには、実態の徹底的な把握、速やかに指定薬物の指定を行う、できることは全て行う、という3点があります。この総理指示を受け、7月に薬物乱用対策推進会議が開かれ、緊急対策が策定されました。財務省も政府の一員として積極的に取り組んでいるということでございます。

3ページ、4ページに詳細な資料をつけさせていただいておりますが、特に4ページには、9月18日に緊急対策フォローアップとして発表しておりますように、税関の職員が学校等に行って注意喚起を行ったり、厚労省の麻薬取締部や警察と共同で捜査をして、密輸入事件を摘発したり、各税関との会議を持ち、水際取締りを徹底的に実施するという申し合わせなどを行っております。

4ページの最後に、財務省と関係省庁との情報に関する連携の強化がございます。基本的に、税関では、指定薬物の疑いがある場合は形状等を勘案した上で分析を行っております。税関で分析の結果、はっきりと指定薬物ではないと言えない場合は厚生労働省に依頼して、国立医薬品食品衛生研究所でさらに分析を行っていただく等、厚生労働省と連携を強化しているところでございます。

1ページ目に戻っていただきまして、危険ドラッグの定義ですが、2ページに図をつけております。まずブルーの四角が2つあるかと思いますが、左の四角は「規制薬物」、右は「指定薬物」と書かれています。法律上、若干規制の仕方が異なっており、いわゆる覚醒剤、大麻、麻薬、向精神薬、あへん、けしがらは原則として全て取締りを行う必要があります。これは、最初の目的にも書いてございますが、基本的に大麻等については精神毒性がきちんと立証されており、取締りを行う必要があるということで、規制薬物としてそれぞれの法律で規定されております。

他方、指定薬物については、精神毒性を有する蓋然性が高く、かつ、それを摂取した場合、健康上も危険のおそれがあるという定義が薬事法の第2条にあり、規制薬物とは若干異なるレベルでの法律の規定となっております。

次に1ページの2.につきまして、指定薬物は、薬事法の第76条の4で医療等の用途以外の用途に供する目的での輸入、製造、販売等が禁止されています。医療や研究等といった用途であれば問題はありませんが、それ以外の用途に供する目的での輸入、製造、販売、所持等が禁止されているということでございます。

現在、税関におきましては、指定薬物を発見した場合に、職員は、関税法の第70条第1項に基づきまして、いわゆる他法令確認といっておりますが、厚生労働省の確認印がある用途誓約書を輸入者が持っているかどうかを確認し、その誓約書を持っていれば輸入を許可し、持っていなければ輸入を許可しないという措置をしております。それが2.に書かれていることでございます。

ただし、3つ目の「○」のなお書きですが、税関長の許可を受けないで輸入された場合、すなわち無申告の場合、または偽った申告や証明書で輸入された場合、これは虚偽申告でございますが、関税法上の違反嫌疑事件として摘発しております。

このように一定の対応はとっているところでございますが、3.の論点に移ります。関税法にはもう一段レベルの高い「輸入してはならない貨物」が第69条の11に11項目ございまして、これに指定薬物を追加することによって、より一層厳重な取締りができないかという論点を提示させていただいております。

具体的には、現在、税関は、先ほど申したとおり、関税法70条第1項で他法令確認を行っておりますが、税関長は指定薬物を没収できません。仮に、指定薬物が、第69条の11の「輸入してはならない貨物」になりますと、第69条の11の第2項によって没収等ができることになります。

さらに、現在は、先ほど申しました虚偽申告、無申告の疑いでの摘発はできますが、それ以上に輸入そのものについて、実体規定違反として罰則を科すことができないことについてどう考えるかというのが1点目の論点です。

もう1つは、1点目とも関係しますが、関税法第70条の他法令確認は通関手続上の措置でありますことから、犯則調査権限がなく、指定薬物の不正輸入等の可能性が疑われる場合でも、まずは関係機関に連絡する必要が生じ、税関が主体的かつ機動的に取締りができないという一定の制約が存在しております。そのため、より機動的に税関が取締りをできるようにする必要があるのではないかという論点を提示させていただいています。

最後に、5ページの関税法の第69条の11の「輸入してはならない貨物」に係る基本的な考え方でございます。これは、私どもの中で、これまでこういう基本的な考え方に基づいて「輸入してはならない貨物」に追加してきているという考え方でございますが、国民生活の安全、社会・経済秩序の維持といった社会公共の利益の観点から、他の法令により輸入を実質的に禁止している物品について、税関職員をして積極的に水際取締りの実効を期すことが特に必要と認めるものを掲げているというものです。

具体的には、非常に概括的な考え方でございますが、マル1輸入を禁止することが、社会公共の利益の観点から特に必要かつ重要であり、国民的なコンセンサスがあるもので、マル2国内に流入することにより、社会公共の利益が著しく損なわれているか、または潜在的にその可能性があるもの、マル3税関職員が、積極的に水際で輸入禁止の実効を期すことが国家的見地からも有効かつ効果的であり、そのような厳重な取締りを行うことについて国民的コンセンサスがあるものという基本的な考え方をとっております。以上です。

○圓川分科会長ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見をいただきたいと存じます。冒頭に申しましたように、関税局の方々は4時半から別の外せない予定が入っていますので、4時半までに終わらせたいと思います。そういったことでぜひ御協力をよろしくお願いいたします。

それでは、御質問、御意見等をよろしくお願いします。いかがでしょうか。どうぞ、竹中委員。

○竹中委員「輸入してはならない貨物」は11項目と言われましたけれども、ざっと挙げてみてくれますか。

○前田調査課長先ほど申しました覚醒剤、大麻、麻薬、向精神薬、あへん、けしがら、火薬類、拳銃、生物兵器関係の病原体、わいせつ物、児童ポルノ、不正競争防止法関連のもの、偽造通貨といったものがございます。

○相澤委員指定薬物の対象というのは薬事法により指定されるということで、対象物は明確であるというふうに理解してよろしいでしょうか。

○前田調査課長現在、11月8日時点で1,422物質となっており、名称と構造などで指定されていると承知しております。

○圓川分科会長この件につきましては、次回御審議いただくということになります。

よろしいでしょうか。それでは、御質問がないようでしたら、以上をもちまして本日の関税分科会を終了いたします。

なお、次回の関税分科会の詳細につきましては、事務局において調整の上、別途御連絡申し上げたいと思います。

本日はご多用中のところ御出席をいただきまして、誠にありがとうございました。

午後4時11分 閉会

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