関税・外国為替等審議会
第69回外国為替等分科会議事録
令和8年6月10日(水)
財務省 国際局
於財務省第3特別会議室
(本庁舎4階)
1.開会
2.最近の国際金融情勢について
3.対内直接投資審査制度について
4.閉会
| 出席者 | |||
|---|---|---|---|
| 委員 |
五十嵐チカ 植田健一 江藤名保子 亀坂安紀子 神作裕之 木村旬 佐藤清隆 杉山晶子 田村善之 根本直子 原田喜美枝 山口博臣 渡井理佳子 |
財務省 |
緒方国際局長 今村国際局次長 細田国際局審議官 渡邉副財務官 西方副財務官 木原国際局総務課長 春木国際局調査課長 池田国際機構課長 野元開発機関課長 津田地域協力課長 恵﨑投資企画審査室長 宮地大臣官房企画官 |
| 臨時委員 |
大野早苗 左三川郁子 清水順子 |
||
| 専門委員 |
伊藤亜聖 伊藤由希子 河野真理子 |
午前10時00分開会
○神作分科会長おはようございます。定刻になりましたので、ただいまより第69回外国為替等分科会を開催いたします。
委員の皆様方におかれましては、御多用中のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。本日は、オンラインでの御参加を含め、大勢の委員の皆様に御参加いただいております。
議事に入ります前に、進行上の留意点などについて、事務局より御説明をお願いいたします。
○春木調査課長おはようございます。今日も御参加いただきましてありがとうございます。
留意点としまして、いつもと同じ点でございますけれども、ハイブリッドで今回行っているということになりまして、そちらの留意点ですけれども、会議室にお越しいただいている先生の皆様におかれましては、御発言の際にはできるだけマイクに近づけて御発言いただきたいと思っておりますのと、オンラインで参加されている方につきましては、御発言以外の際にはミュートにしていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
それでは、早速本日の議事に入らせていただきます。
本日の議題は、最近の国際金融情勢及び対内直接投資審査制度についてでございます。
初めに事務局より御説明をいただいた後、意見交換の時間をお取りしたいと存じます。
それでは、池田国際機構課長、どうぞよろしくお願いいたします。
○池田国際機構課長委員の先生方、おはようございます。国際機構課長の池田でございます。
私からはIMFの世界経済見通し、直近の4月のG7・G20、そして5月にパリで行われたG7、こちらのポイントを御紹介したいと思います。
まず資料の2ページ目を御覧ください。
IMF世界経済見通しの概要がございます。ポイントといたしましては、2ページの下半分の箱の中を御覧ください。昨年4月もそうでしたけれども、先行きの不確実性が極めて高いということで、IMFとして1本のシナリオを示すということではなくて、複数の前提を置いた3本のシナリオを示すという形になっております。参照見通し、悪化シナリオ、深刻シナリオの3つでございます。
それぞれの前提といたしまして、まず参照見通しについては、中東での紛争が今年半ばぐらいまでには収束し、生産や輸出が正常化していくと。その結果、2026年の油価の平均価格は82ドルという前提を置きますと、世界の成長率は2026年に3.1%、2027年には3.2%、インフレ率はそれぞれ4.4%、3.7%という数字が示されています。
悪化シナリオについては、紛争の影響が2026年中にわたって継続し、結果として年間の平均の油価は100ドル、27年には75ドルといった状況。そして成長率については、2026年、2027年でそれぞれ2.5%、3.0%ということで、下押しされるということになってございます。また、金融市場についてもタイト化、リスクプレミアムの上昇がそれぞれ見られると。
深刻シナリオにつきましては、2027年以降も紛争の影響が持ち越すという中で、26年の平均油価は1バレル約110ドル、そして2027年に至っても125ドルといった状況に至りますと、世界の成長率は2.0%、2.2%、それぞれさらに下押しされるという見通しが示されたところです。
そして、今既に2026年半ばでございますので、参照見通しというのは妥当性を失いつつあるということだというふうに考えられます。パリのG7でもIMFのほうから状況は悪化シナリオに近づいているというような説明があったところでございます。
続きまして、4ページを御覧いただきますと、幾つかリスクが並んでいます。地政学的緊張の更なる激化ですとか、あるいはAI主導の収益性見通しが過度に楽観的であることが判明した場合の株価の調整、それから貿易政策、財政の脆弱性といった4つのリスクが並んでいますけれども、この中で注目いただきたいのは「レアアース等の重要投入財を対象とした非関税措置も、世界のサプライチェーンを混乱させる可能性」ということが示されているところです。
この点につきまして、IMFは4月のWEOで次の5ページにございます特集を組んでおります。中国による一連のレアアース規制、こちらについて日本に対するものも含めて明記した上で、レアアースのサプライチェーンの混乱が各国に及ぼすマクロ経済上のインパクトと今後10年間でレアアースサプライチェーンをde-riskした場合の財政コスト、こちらについて定量分析をした、14~15ページぐらいにわたる特集が組まれています。内容は後でお時間ある際に御覧いただければと思いますけれども、ポイントといたしましては分析結果①のところについて、代替品への移行がほとんど発生しない場合、すなわち価格に対する需要の弾力性が極めて低い場合と一定程度移行が発生する場合、それぞれについてアメリカ、日本、フランス、ドイツ等G7諸国に加えてインド、これらのGDPの減少率がどのくらいになるかということを試算してございます。アメリカ、日本について、代替が発生しない場合についてはそれぞれ1.5%、1.75%のGDPの下押し圧力が発生するというような試算が示されてございます。
これに対応するべく、例えば補助金やいわゆるプライスフロアを使って2035年までに米国が25%のレアアース自給率を実現する上での財政コストの比較も示されました。その際には米国単独で実施する場合と輸入国全てによる同時実施をした場合、それぞれについて示されているところでございます。結論としましては、投資補助金のほうはプライスフロアと比べて財政コストが前倒しで発生するということ、そして財政コストの額も少ない見通しであるということと、それから皆で一緒にやったほうが財政コストが低いというようなことが示されたところでございます。
以上がIMFのWEOのポイントの御紹介でございます。
8ページに移っていただきますと、4月にワシントンで開催されましたIMF・世銀春会合のポイントをまとめております。
まずG7につきましてですけれども、世界経済・中東情勢について、片山大臣からは高市総理からその数日前に発表された100億ドル相当のPOWERR Asiaを紹介して、各国を支援していくことが日本を含む世界経済の強化につながるという旨を発言いただいています。そしてもちろんホルムズ海峡の航行の安全を含めて、事態の沈静化は世界の経済の安定に不可欠であるということ。
重要鉱物に関しましては、G7に加えて複数の新興国を交えた会合が開催されました。この中で片山大臣はフランスのレスキュール大臣、世銀・バンガ総裁とともに共同議長を務めて、そして早急に中国産の重要鉱物への過度な依存に対して脱却していくべく対応する必要があるということを強調いただいています。
IMFCのところでございますけれども、こちらの中で、先ほど御紹介したIMFのWEOにおいて、レアアースの輸出管理が世界経済に与える悪影響を定量的に分析を示したことを歓迎ということを発信いただいております。
その他、バイ面会につきましては、アメリカのベッセント財務長官はじめ、非常に多くのバイ面会を行わせていただいたということでございます。
ちなみに、4月の会合ではG7・G20ともにコミュニケは出されておりません。
次のページに移っていただきますと、9ページはパリでのG7財務大臣・中銀総裁会議のポイントでございます。こちらについては2日間にわたり対面で開催されまして、1日目はG7のみ、2日目はフランス議長が招いた招待国、すなわちブラジル、インド、ケニア、韓国、こちらが参加をしています。また、世界経済のセッションではカタール、サウジ、UAEの大臣や総裁も参加されたところでございます。
そして、共同声明が出されましたけれども、2本に分かれてございます。議論したイシューをそれぞれコミュニケでまとめておりますけれども、世界経済とグローバル・インバランスについては招待国の参加も得て議論した旨を明記の上、別冊という形で発出しているところでございます。
世界経済のところでございますけれども、1つポイントは中東情勢に伴うエネルギーの動向だけではなくて、肥料・食糧の動向に極めて注意が必要であると。そして肥料価格の高騰が食糧価格の高騰、さらには食糧不安といったことにならないように、G7としてMDBsとも連携して早急に対応することが必要であるということを片山大臣から強調いただき、そして、そういったことがコミュニケにも書かれています。
グローバル・インバランスについては、こちらはフランス議長、そしてG20のアメリカ議長でも精力的に議論が続いているものでございますけれども、片山大臣からは中国に対して各国に悪影響を与えるような産業政策を控えるようにG7やパートナー国が一致して訴えていくべきであることと、その際に先ほどのレアアースと同様、IMFやOECDがデータに基づく客観的な分析を中国に示して行動変容を促していくべきだろうということが示されております。
その結果、コミュニケでは、非市場的政策・慣行、こちら中国を念頭に置いたものですけれども、これがグローバル・インバランスの要因になり得るということが明記されました。また、個別の国の名前の明記はございませんけれども、それぞれ対外黒字が過度で継続的な国、赤字が過度で継続的な国に対して、どういったことが必要かという政策についても明記がされたところでございます。
10ページに移っていただきまして、重要鉱物も重要なイシューでございました。片山大臣からは中国の輸出管理措置に対して、G7として一致して懸念を表明して、協調して行動していくことが必要であるということ、そして需要面、供給面、それぞれで対応が必要なんだけれども、特に供給面に関しては公的金融支援やMDBsを通じた支援強化をやっていく必要があるということを強調いただいています。
合意事項の中では、こちら中国と名指しはございませんけれども、恣意的な輸出制限に関する懸念を引き続き表明するということが盛り込まれています。
また、ちょうど今日ですけれども、ビジネス7、日本からは経団連の方が参加されていますけれども、こちらのB7の機会を捉えて官民で重要鉱物の問題、どう対応していくのかということのイベントがパリで開催されているところでございます。
最後に金融安定の部分ですけれども、4月の春会合の直前にアンソロピックからClaude Mythosという、いわゆるフロンティアAIのモデルがローンチされ、これが金融システム、あるいは金融機関の脆弱性の特定、そしてその突破に極めて脅威的な機能を発揮するというふうなことが耳目を集めているところでございますけれども、こちらについてもかなり突っ込んだ議論がございました。大臣からは迅速なパッチ、脆弱性の是正のシステムの適用、こちらをしっかりとやっていかなきゃいけない、それから同志国におけるフロンティアAIモデルへのアクセス確保を通じた脆弱性への協働、そしてG7への攻撃に対する協調対応、の重要性を指摘されています。こちらについてはG7で、例えばサイバー・エキスパート・グループというものもございますので、現在こちらでも対応について精力的に議論が進められていると同時に、国内でも金融庁を中心に片山大臣のリーダーシップのもとで対応が検討されているというところでございます。
その他、金融犯罪、ウクライナ、国際的パートナーシップについても議論がなされ、しかるべくコミュニケに日本として重要視していることが盛り込まれたということでございます。
私からは以上です。
○神作分科会長続いて、野元課長からお願いいたします。
○野元開発機関課長よろしくお願いします。アジア開発銀行の年次総会がウズベキスタン・サマルカンドにおいて5月3日から4日に行われましたので、そちらについて説明させていただきます。
まず最初に、アジア開発銀行の総会で各国総務が集まって行う一番大きいビジネスセッションという会議があるのですけれども、片山大臣にはその先頭で発言をしていただいて、本年4月に総理から発表されたPOWERR Asiaや、その枠組みの一環としてアジア開発銀行と連携して行う、ACCELという枠組みをアジア開発銀行と立ち上げましたので、それについても発表をしていただき、サプライチェーンを構成する加盟途上国中小企業の支援や日本の知見・技術を活用したエネルギー構造転換、これは今回を機に、より脱石油を目指す取組等について支援を行っていくということを表明いたしました。
そのほかに、重要鉱物関係はやはり最近重要な課題ですので、それについてもサイドイベントが行われて、そこで基調講演を行うとともに、アジア開発銀行が立ち上げた重要鉱物サプライチェーン多様化を支援する新たな枠組みに対して日本からも拠出をいたしますので、そこに対する拠出の合意文書への署名式も行いました。その基調講演の中で特に強調をしたのは、重要鉱物関係の取組というのは途上国においては産業高度化を進める機会になるとともに、日本を含めた輸入国にとってもサプライチェーンの多様化をもって輸入が安定化するという、ウィン・ウィンの取組だという点です。
そのほかに、アジア開発銀行の神田現総裁が4月下旬に再選を目指す意向を表明しておりますので、バイ面会の機会を捉え、各国に対して支持を呼びかけたところです。
そのほか、来年、愛知・名古屋で年次総会が開催されますので、そちらについてもアピールをしていただき、年次総会の最後には愛知・名古屋の方にも参加をいただいて、名古屋からおもてなし武将隊という甲冑ダンス等のパフォーマンスを行う団体などもお呼びしてイベントを行いました。加えて、名古屋の食事を提供するセッションを開催し、愛知・名古屋にぜひ来ていただきたいということをアピールして、大臣ご自身はそのPRイベントそのものにはご参加いただけなかったものの、会場内に愛知・名古屋をアピールするブースを設けましたので、そこに大臣にご参加いただいて、愛知産の日本酒等をアピールしていただきました。
バイ面会では、ウズベキスタンのミルジヨーエフ大統領、ホジャーエフ副首相、あとはアゼルバイジャン、カザフスタンの財務大臣等と面会をし、昨年12月の「中央アジア+日本」対話・首脳会合で人材育成等の分野で協力をしていくことで合意をしましたので、そうした分野に関する先方の要望をさらに聞いた他、重要鉱物・石油等のサプライチェーンの多様化について議論をしたということになります。
そのほかに、アジアの韓国のク副総理とか、シンガポール、フィジーの財務大臣と意見交換を行い、ここでもアジア地域におけるエネルギー事情やASEAN+3における連携強化について議論をしたということになります。
以上です。よろしくお願いします。
○神作分科会長続いて、津田課長、お願いいたします。
○津田地域協力課長ありがとうございます。地域協力課でございます。私からは今御説明があったADB総会のマージンで開催されました2つの大臣級会合について御報告したいと思います。
まず14ページを御覧いただきまして、ASEAN+3の財務大臣・中央銀行総裁会議でございます。5月3日に無事開催され、概要、以下のようなステートメントをまとめたわけなんですけれども、その直前のコンテクストといいますと、ちょうど4月8日に本来マニラで対面開催で代理級会合をやる予定でございましたが、エネルギー問題も念頭にフィリピン政府の判断としてオンライン開催にしようという、一定の緊張感、不透明感を共有した文脈で開催されたものでございます。こういったこともありまして、共同議長国である日本の提案として、それから3週間後の4月28日に別途アドホックな代理級会合をオンラインで開催し、足元の中東情勢をめぐる状況について意見交換をした上で、この5月3日の大臣会合に臨んだというものでございます。
そちらにおきましては、先ほど来触れております高市総裁から発表されました、いわゆるPOWERR Asia等の日本の取組について説明し、ASEAN+3の協力の価値というものを全員で確認したということで、POWERR Asiaに対する感謝の意もいろいろなメンバー国から述べられましたし、そういったこともステートメントでは盛り込むことができたということでございます。
その他は、5つのプライオリティといいますか、4つの柱と1つの日本のプライオリティでございますが、1つ目、チェンマイ・イニシアティブにつきましては、先般チェンマイ・イニシアティブの実効性の向上と、それを実施する機関であるところのAMROの機能強化、こういったことの議論を進めておりまして、それを一定のポリシーペーパーという形でまとめて、それを大臣級で歓迎したと。これに基づいて、さらに具体化を今後図っていくということと、これも従前から議論しております、いわゆる払込資本型へのチェンマイ・イニシアティブの移行につきましては、今後複数年かかるということで中期的なロードマップを合意し、さらにこれに沿って議論を進めていこうということが確認されました。
AMROにつきましては、ちょうど今年が国際機関化10周年ということで、先ほども述べましたとおりですが、AMROのサーベイランス、チェンマイ・イニシアティブの実施等、あるいはIMFを含む他機関とのさらなる連携強化、こういったことの必要性を大臣級で確認したところでございます。
ABMIですけれども、こちらは昨年末に御報告した際にも、20年来取り組んできまして、アジア通貨危機の発端となったダブルミスマッチ、通貨と期間のミスマッチというものが一定程度解消されてきたということで、この取組をいかに発展的に拡張していくかという議論をこの数か月進めてまいりました。その結果、引き続きまだ債券は、発行は進んだものの、流通市場等々に課題がある国もありますので、債券の取組は引き続き行うものの、より幅広い金融仲介手法というものも検討していきたいという国もありましたので、それを両方とも包含する形でアジア債券・金融市場イニシアティブ、ABMIからABFMIというふうな枠組みに転換しようということで合意を果たしたところでございます。
4点目、DRFにつきましては、こちらは昨年5月にコンセプトノートをまとめておりますので、これを1年かけてロードマップに具体化していくという議論をしてまいりました。そういった観点で今後は各国のDRF戦略を策定し、それに基づいて災害保険、あるいはCATボンド等の災害保険以外のツール、こういったことの3本柱でもって広範にこのイニシアティブを進めていこうというロードマップを策定合意したということであります。併せまして、これまでSEADRIFが担っていた事務局機能を、暫定的に担っておったわけですけれども、今後は恒久的にADBに移管するということで関係者の合意が取れましたので、これについても合意をしたということでございます。
最後に、クロスボーダー・デジタル決済ですけれども、こちらにつきましてはこの地域内で起きているいろいろなクロスボーダー決済の取組についてテイクストックしつつ、ステーブルコインがもたらすリスクと機会といったことを域内で共通認識を持つべく、AMROの調査報告書を歓迎し、さらに議論を継続する観点から、今後はリテール及びホールセールの決済接続性、あるいはステーブルコインに係る規制上のアプローチといったことをテーマにした作業部会というものを設立することを含めて今後検討していこうということを合意したということでございます。
以上がASEAN+3でございまして、続きまして、2枚おめくりいただきまして16ページ、日・太平洋島嶼国財務大臣会合でございます。こちらは第3回目の大臣級会合となっておりますが、今年は同会議に先立って次官級のアウトリーチというものを開催しまして、といいますのも特にコルレス銀行問題が、非常に時間はかかるものの早く始めなければなかなか答えが見つからないという状態の中で、日本が呼びかけまして、米国、豪州、ニュージーランドといったドナーの国々とどういった将来像を見据えていくべきかと、そういった原則づくりの議論をしておりましたので、そういった関係国も含めてコルレス銀行問題にフォーカスを置いた次官級のアウトリーチ会合を開催したということでございます。
共同議長総括はこの紙の下のほうにまとめてございますが、POWERR Asiaについても太平洋島嶼国から歓迎をいただいたほか、先ほど申し上げたコルレス銀行問題についての日本のリーダーシップについて謝意が述べられたということ、加えまして、DRFの関係でADBに新たに設置されたマルチドナー信託基金に対する日本の貢献や気候変動に強靱な債務条項を組み込んだ円借款といった直近の動きを報告し、加えまして、日本としてもDRM、税収能力を強化していくということで、税に関する協力プラットフォームやWCOと連携した税関の能力向上など、こういった国内資金動員の強化を支援するということをうたったところでございます。
次のページに先ほど来申し上げております日本が主導してまとめた集中決済機関に関する原則という紙をつけてございますが、時間の関係で御説明は割愛させていただければと思います。
ありがとうございました。
○神作分科会長ありがとうございました。
それでは、続きまして春木課長より、対内直接投資審査制度についての御説明をお願いいたします。
○春木調査課長調査課長の春木です。よろしくお願いします。配付資料②に基づいてご説明したいと思っております。また、今日はこの後に総会が控えており、時間がいつもよりタイトになっていますので、簡潔にご説明させていただきたいと思っております。
まず1ページ目に項目が書いておりますけれども、答申の御意見を踏まえまして、法案が無事に成立いたしまして、5月29日に国会で成立したところでございます。皆様の御意見ありがとうございました。
①に書いていますのは、答申の内容を踏まえての法整備を行ったというところでございますので、内容は同じになりますが、参考資料のほうで再掲というところで載せさせていただいておるところでございます。
今日御紹介したいと思っておりますのは、以前の審議会でも、法律が通った後にまた政省令以下でどのような取組を行っていくのか、そういったところの説明もしてほしいというふうな御要望もあったと思いますので、そういった点で②から④を御紹介したいと思っております。基本的には投資家の方の負担を減らすというところの取組を政省令以下で行っていくというところの御紹介でございます。また、予見可能性を投資家の方々に対して高めていかなければいけないと、そういった御意見も委員の先生の皆様方からも多くいただいておるところでございますので、そういった点を中心に御紹介したいと思っております。
2ページ目の指定業種の見直しを行っていくところでございますが、答申の中で2つ、上のほうで引用しておりますけれども、情報通信技術関連業種のところでサイバーセキュリティ対策の分野に対象を絞って、こちらを縮小する、スリム化できないかといった御提言をいただいておったところでございます。また、2つ目につきましては、重要な技術というものに着目いたしまして、経済安全保障関連法令との整合性に配慮して指定業種というものを見直していくことが必要ではないかという御意見があったと思っております。
検討①でございますけれども、こちらはスリム化のほうでございまして、ソフトウェア業につきまして、安全保障等の観点から指定業種の対象を限定列挙していきたいと思っておりまして、今回の見直しを契機に非指定業種を増やしていくことを考えております。コア業種のほうはサイバーセキュリティ対策の関連性が高いもの等に絞られていると理解しておりますが、ノンコアのほうにつきましても、例えばここに書いてありますような経済安保推進法の関連業種、または大量の個人情報を扱うものといったところにスリム化していきたいと思っております。業種別で見ますとノンコアが大体半分ぐらいに減らせないかといったところを考えているところでございます。
右の検討②ですけれども、技術に着目し、外為法上の技術管理の対象となっているものについて、コアの対象にするですとか、経済安保推進法の特定重要物資に指定されたものをコア業種にするといったところを考えているところでございます。
3ページ目でございますが、負担軽減案でございますけれども、役員選任につきまして、再任のケースにつきましては原則として事前届出を不要にすることを検討しております。資料の※にありますとおり、届出件数全体の約3,000件のうち658件ほどを占めておるということでございますので、こういったものを件数として減らしていけないかというふうに考えているところでございます。その他の緩和措置としまして幾つか書いていますけれども、日本企業の100%海外子会社による投資につきましては、届出不要を幾つかつくれないかという御意見もあったかと思いますけれども、実質的に日本企業グループ内の組織再編に過ぎないような投資につきましては事前届出を不要とすることを検討していきたいと思っております。
4ページ目でございますが、届出報告様式の見直しを検討しております。審査の一環として通例、資料の①から④で記載されているような確認事項を質問しておるところでございますけれども、こういったものは現状では、届出を受けてから聞いていくということでございますけれども、届出時点で添付書類としてフォーマットを決めて提出を求めていくといったほうが予見可能性が高まるというふうに思いますし、投資家の方々もこれは確実に出さないといけないということで、見えやすい、また負担も減っていく、そうしたことで審査の実効性もあがっていくといったメリットがあると思っていますので、こういった対応、改善をしていきたいと思っております。
5ページ目ですけれども、リスク軽減措置につきましてガイドラインをつくっていくといったところでございまして、これも答申で御意見をいただいているところでございますけれども、囲みのほうの具体例としまして、外国政府の影響を受けないですとか、特定事業の廃止・縮小に係る提案を行わないですとか、技術等に係る秘密情報の取得、第三者への開示提案を行わない、そういったものをリスク軽減措置の主なものとして例示してお示ししていきたいと考えているところでございます。
6ページ目ですけれども、政府側の勧告・命令を行う際の情報開示につきましては、一定の考え方の整理が必要ではないかと考えております。今般の個別案件の中で政府側の説明をどうやっていくのかといったところについてはいろいろな御意見をいただいておるところでございますので、それを一旦整理していきたいと思っております。
背景にありますが、基本的には個社の株式情報でありますので、コメントはしていかないということになりますし、勧告・命令については不法行為があって何かしらの処分をするという性質のものではないということがありますので、当局から殊更何かしら個社の情報を公表していくということは必要ないというふうには思っておりますけれども、他方で、投資家の方々の予見可能性を確保する必要もございますので、どういった基準で勧告・命令を行うのかといったところの御関心、また、そういったことを開示すべきじゃないかという、他方でそういった御意見もあるといったところでございますので、2の①にございますとおり、勧告・命令で切り分けることを考えてございます。①の勧告につきましては、外国投資家が応諾是非を検討しているステータスであるといったところでございますので、そういった状況の中でありましたら外国投資家に先んじて、当局から勧告を行った旨ですとか、その内容について公表はしないという立てつけが望ましいのではないかと思っておりますけれども、他方で公開買付の条件等で適時開示などありまして、外国投資家が勧告を受けたことを公表しないといけないといった場合には、それに応じて、その範囲内で当局からも勧告内容を説明していくことが望ましいのではないかと思っております。②の命令につきましては、こちらは中止の内容を実質的に確定させるというステータスに変わりますので、そうなりますと命令の履行確保の観点ですとか、従わない場合には罰則が科されるといったことを踏まえる必要があろうかと考えております。運用の透明性をさらに確保しないといけないといったことで、勧告に比べますと公表の必要性が高いとみなされますので、こちらにつきましては公表していくことを考えてございます。また、対外公表を通じて具体事例を積み重ねていくことで投資家の方々が、ここのところまでは投資ができるんだ、できないんだ、といったところが分かっていくといった期待の声も出てきているところでございますので、やはりそれに応える必要もあろうかと思っております。その中で営業秘密等に係る機微な情報は不開示、なかなか公表できないというところ、そういった限界はありますけれども、できる範囲内で命令内容をご説明していくということを考えております。
また、これに加えまして、アニュアルレポート等を通じた情報開示は継続して行っていきたいと思っております。
7ページ目は、この後の総会の議案でございますけれども、先んじて御紹介させていただきますと、関税・外国為替等審議会議事規則等の改正を提案させていただきたいと考えてございます。
背景としまして、こちらの議事規則の中で「非公開とする場合には、その理由を明示して議事要旨を公開する」と規定されておるところでございますけれども、外資特別部会を開催する中で、仮に個社名を伏しても議事要旨を公表することにより個別案件とひもづけられて、株式市場のほうで憶測を招いて、企業のレピュテーションを損なうような事態、そういったことも否定できないと考えられますので、必要な場合には会議の開催事実、また議事要旨を含めて非公開とするような規定を設けることが適切ではないかと考えております。注書きにございますけれども、審議会の基本計画を平成11年に閣議決定しておりますけれども、その中でも行政処分等に関する事務を行う審議会等では、こういった非公開とすることができるということが盛り込まれており、ほかの省庁の審議会でもそういったものが規則の中で盛り込まれているものがかなり見られているというところでございます。
その中で、主に念頭に置いていますのは、個別案件を扱う外資特別部会になりますけれども、個別案件については政府で説明責任を負っていくことが適切ではないかと考えているところでございます。2にございますとおり、外資特別部会の議論を念頭に、議事要旨の全部又は一部を非公開にするといったことを議事規則に規定してはどうかというところが御提案内容でございます。こちらについては総会の議題にさせていただきたいと考えておるところでございます。
私からは以上になります。
○神作分科会長御説明どうもありがとうございました。
それでは、意見交換に移りたいと存じます。委員の皆様におかれましては、御発言の際は、御臨席の委員の方は従前どおり名札を立てていただき、また、オンラインで御参加の委員の方は、事前に事務局より御案内いただきましたとおり、御発言の意思をシステム上の挙手の機能を用いて事務局までお知らせいただければと存じます。
まず会場に御臨席の委員の皆様から順番に御発言をいただき、続きましてオンラインで御参加の委員の方に御発言をいただきたいと存じます。万一、順番が前後してしまった場合には御容赦願います。また、本日は総会が控えておりますので、委員の御発言につきましては、恐縮でございますけれども、お一人当たり3分ほどをめどに御発言をいただければとお願い申し上げます。
いかかでしょうか。それでは、植田委員、お願いいたします。
○植田委員いつも御丁寧な御説明ありがとうございます。私から、非常に時間もないので、かいつまんで簡単な質問だけで、恐らくもしかしたら既に説明がしっかりされているのかもしれませんが、法律のことがちょっと疎いものですから、お聞きしたいのは、最後の規則の改正のところで、勧告とか命令とかする際に不服があちら側にある場合はどういう手続を想定されているのかということを1つお聞きしたいのと、特にどういうことかというと、一般的な不服審査みたいな形だと、これはお金に関わることなので非常にスピードが重視されるケースもあるんじゃないかと。例えば1か月、2か月後にM&Aしたいんだけども、やりとりに1年、2年もかかっているようでは、とても間に合わないということもあるので、何か特別なプロセスを考えられるのかということが1つです。
もう1つは、非公開にするのは、確かにその時その時のいろいろな不測の影響を株式取引等に与えますので、必要なときに応じては非公開にしていいと思うんですけども、その一方で、まさに株式の話というのはその年その年、せいぜい影響があったとしても5年、10年ぐらいだと思いますので、例えば20年後とか30年後とかには公開しますというようなことはできないんだろうかということをお聞きしたいと思います。
○神作分科会長ありがとうございました。
多くの委員の皆様から御発言の御希望を寄せていただいておりますので、いつものように、まとめてご質問をいただき、その後、回答のほうもまとめてお願いしたいと思います。
続きまして、五十嵐委員、お願いいたします。
○五十嵐委員ありがとうございます。まず資料の1点目につきましては、重要鉱物のサプライチェーン多様化、フロンティアAIモデル、暗号資産を含むクロスボーダー決済、それから集中決済と、ほぼ全ての重要な項目において、日本が国際社会で非常にリーダーシップを示し、具体的な施策の提言などにコミットしている旨、非常に分かりやすくおまとめいただき、ありがとうございました。
資料の2点目、対内直投審査制度につきましては、基本的に答申を踏まえた合理化と深掘りということで、メリハリある制度設計を御提案いただいており、適切に政省令案の方向性をお示しいただいたと思っております。事務局及び関係各位の皆様にまず感謝申し上げたいと思います。
まず制度の合理化という面で、指定業種の見直しについては、現時点で過剰に過ぎるところは適切に整理していくなどの方向性は妥当と存じますので、今後も不断の見直しを続けていく必要があろうかと存じます。
ソフトウェアに関しては、資料の2ページ目、検討①として左側に整理いただいているうちの箇条書き1点目で、「コア業種に該当するものは」と書いていただいております。見直しの方向性はまさに賛成いたしますものの、コア業種の1つでありますマネージドサービスの定義に関しましては、今の定め方からすると、基本的に遠隔からの管理機能を有するソフトウェアサービスであれば広く当たってしまうようにも見えてしまいますので、今後の不断の見直しというプロセスの中で、この定義の見直しについてもお考えいただければと考えております。
資料3ページ、緩和策につきましては、従前積み残しとなっていたもの、例えば一番下の③の「孫会社以下についても」といったこの辺りを含め、重要な事項を幅広く対処いただいておりまして、非常にありがたく、実務上も歓迎されるものと理解しております。
資料の5ページ、リスク軽減措置につきましては、ガイドラインを定めていく方向性を示していただいております。外国投資家の予見可能性とか透明性の向上への配慮はもちろん重要ですが、今現在予見できないようなリスクシナリオが将来的に生じるかもしれませんし、今は想定できないようなリスク軽減措置が今後何らか出てくるかもしれません。恐らくは例示として整理される御予定だとは存じますが、柔軟な運用を阻害しないような方向性でガイドラインの取りまとめをお進めいただくことが重要かと考えております。
資料の6ページ、政府による情報開示の在り方、勧告、命令、議事録の公表に関しましては、3点とも御提案のとおりで違和感ございません。近年、アニュアルレポートの中で事前届出の件数や無届事案の件数など、制度運用の状況について具体的な情報発信が進められていること、歓迎しております。その中で、この勧告、命令というカテゴリーに当たるかどうかとはまた別途、明らかな違反事案というようなものがもしあれば、そこについては適切にタイムリーに開示していくほうがよいようにも思われますので、申し添えさせていただきます。
最後に、手続面ということで、資料の4ページの届出様式等の見直しが提案されております。上から2行目に「届出時点で添付書類として提出を求めることを検討」とお書きいただいておりますが、下に書かれている添付資料全て、全ての案件について全ての開示を求めていくというのは若干トゥーマッチなのかなという印象を受けております。審査は本来リスクベースで行われるべきでありますので、投資家及び関係者にとって過大な負担とならないように、必要な限度で情報を求める、必要な限度で添付資料の提供を求めるといった運用を御検討いただくことは可能でしょうか。
例えば、特に海外のファンドの投資家などにおいては、出資者の情報は、LPA(Limited Partnership 契約)と呼ばれているような契約書ですとか、守秘性が高い場合も多く、投資戦略や競争上の機微情報とも密接に関係するような情報も含まれているため、一律の開示を前提としてしまうとファンド運営の根底を揺るがすおそれがないかということを若干懸念しております。例えば米国のCFIUSの運用においては、提出された情報について法令上もある程度守秘の枠組みが制定されているなどもあるようでございまして、必ずしも日本においても同様の制度が必要とまでは考えておりませんが、いずれにしても守秘の枠組みであるとか、提出された情報の取扱いについて、何らかの制度的なメッセージを何らかの形で発信できるとよろしいのではないかというふうに思いました。
そして、日本の外為法上の仕組みからして個別の行為ごとに事前届出を要するという制度的な縛りがあることは理解しておりますものの、実際の取引では、TOBから始まり、スクイーズアウト、その後に完全子会社化を前提とした吸収合併などの組織再編が一連の取引として行われるものと理解しております。取引をまるっと一括して事前届出を行うという仕組み自体は、恐らく採用が困難又はあり得ないように思っておりますが、運用上、あるいは制度上の工夫の余地はあるのではないかと存じます。例えば制度の基本構造は維持しながら、リスクベースの観点から添付資料の提出を重要な案件に絞り込むでありますとか、最終親会社に変更がない場合やグループ内の再編であれば提出資料の簡素化を認める、又は一度出した資料を流用できるようにするといった若干の柔軟性を持った運用というところも併せて御検討いただければと思います。
以上でございます。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、佐藤委員、どうぞ御発言ください。
○佐藤委員非常に丁寧な御説明ありがとうございます。時間の関係があるということですので、私からは最近の国際金融情勢について1点だけ、基本的には質問になるんですが、少しお話ししたく思います。
全体として日本のリーダーシップが強く出ているというのが先ほどから委員の先生方がお話しされているとおりですが、私が気になりましたといいますか、関心を持っているのは一番最後の太平洋島嶼国に対する集中決済機関の設立に向けた支援、これについて非常に関心を持って見ておりました。アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドが距離を置く中で日本がリーダーシップをとって、こうした集中決済機関をリーダーシップを発揮してつくっていこうとするのは非常に良いことだと思います。質問したいことが、細かいことが3点あるんですが、今回もアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドが協力して取り組んでくれたようなんですけど、どの程度コミットメントというか、コミットする姿勢なのかというのは関心があるというか、不安に思いました。結局、もしそこまで積極的に関与してくれないのであれば、やはり日本主導で決済機関を、高い利便性も確保する形で提供しなきゃいけなくなるので、日本の役割は非常に重要ではないかと思いまして、その他の国々の協力がどういうものかということをお示しできる範囲で教えていただきたいのと、あと今回、世銀のコルレス銀行関係プロジェクトの下でこれを進めているということで、世銀がある程度の支援額を用意しているというのは聞いてはいるんですけど、どれぐらい十分なものというふうな感触なのかというのは、お分かりになる範囲でお示しいただければ助かります。
最後にですけども、資料の一番最後のところで、こうした集中決済機関の原則、6つある中の一番最後、持続性というところで、コスト回収ベースで運営されるようなこと、そういうことを目指すという、それはすごく良いことだと思うのですけども、一方で、この太平洋島嶼国のケースの場合、あまりコスト回収ベースを意識しないほうがいいのではないかなと。なかなか難しいのでアメリカやオーストラリア、ニュージーランドが距離を置いていったというふうに私は認識しているんですが、このコスト回収ベースは強く打ち出し過ぎないほうが良いかなと、そのように感じました。
以上3点、簡単な質問ですが、以上となります。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、江藤委員、御発言ください。
○江藤委員ありがとうございます。いつも非常に丁寧な御説明をいただいて大変勉強になります。私からは1つ、少し趣旨の違う御質問と、それから中国に対して質問させていただければと思います。
1点目につきましては、こちらであれば外為法であったり、あるいは今ほかの場所で検討が進んでいる安保三文書であったり、経済安全保障推進法であったりといったような様々な体制づくりが進んでいる中で、これから私たちがどのように使うのかということを考えたときに、AIにデータとしてどういうふうに吸収させるのかということを念頭に置いた発信ということは必要になるのではないかと思います。この制度の中で一体どういうふうに自分が立ち回れば最も利益を得られるのか、あるいはどこにこの制度の穴があるのかといったことをAIで検索をかけることによって発見されてしまうというところ、法律と法律の間での変化が起きたときの狭間の部分ですね、これを探す人が出てくる可能性があると。あるいは経済安全保障推進法や、こちらの外為法の中での言葉遣いの相違があるがゆえに、同じことを議論しているのに、それはAIに探知されないということで一般の方に対しての理解が及ばないというのが発生してしまうかもしれない。様々なことがデータとして処理されることによって生じ得るんだと思います。ですので、回してみるといいと思うんですね、実際にほかの官庁の方も含めてなんですけれども、質問を設定して、どういうふうに発想するのかということを想定して質問して、そのときに発生したものをひとまずは対応するという形で、何が起こり得るのかというシミュレーションをされるといいのではないかなというのが、この問題に限らずなんですけれども、あります。今のところ、一般のビジネスのマーケティングの中ではどういうふうに自分たちの発信をAIに食べさせるのか、AIが食べやすいデータの発信の仕方というのを講座として教えているところが出てくるぐらい、これをどういうふうに使うのかという話に展開していますので、当然ながらそうした発想で官庁の発信する文書を見る必要性が出てくるということではないかなと思っております。
もう1つ質問させていただきたいのがG7の位置づけなんですけれども、今回の片山大臣の御発言の中でも中国、名指しはせずとも問題認識を共有するという形での御説明をいただいて、それは非常に必要なことであり、納得感があります。しかし今、中国やロシアや北朝鮮等の動きを見ていますと、G7でできることって一体何だろう、あるいはG7で共有することの意味って何だろうということを考えたときに、それぞれが発信をする、訴えるということでは恐らく何ら変化をもたらすことはないのではないかなと思います。片やBRICSであったり、SCOであったりといったような他の枠組みが出てきて、G7がそもそもG20と比較したときの影響力ということがよく言われていた中のことですので、改めてG7で議論をする結果として何を効果として求めるのかということを考えたときに何が必要になるかなと思います。こちらから共有するだけではなくて、より効果的な、G7あるいは国際秩序ということを考えたときに今毀損されている部分が一体どこにあるのかということをもっと論理的に、中国にフォーカスをするだけではなく、我々って経済活動ってこうあらねばいけませんよねという考え方をシステムチェンジと同時にアイデアチェンジを図るような動きを率先してやっていくというのがこうした伝統があり、かつ結束力が高いG7のような枠組みには求められるのではないかなと思います。それにどれだけの実効力を持たせるのかというのは実はもっと必要な話ではあるんですけど、少なくとも共有する、あるいは一緒に発信するだけでは恐らくもはやそれだけの、それをするだけで世界が動く影響力をG7は持っていないというG7自体の位置づけの変化がありますので、よりアクティブにと申しますか、よりプログレッシブにG7の役割を考えるということも必要なのではないかと思いました。
以上です。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、木村委員、御発言ください。
○木村委員いつも丁寧な御説明をしていただいて、ありがとうございます。私からは最近の国際金融情勢及び対内直接投資に関して手短にコメント申し上げたいと思います。
国際金融情勢ですが、今、米ロという両大国が軍事行動に乗り出しているという極めて異例の事態、戦時下に世界経済が置かれているという異常な状況にあると思います。加えて、重要鉱物で経済的な威圧を続ける中国も含めて、一種帝国主義の時代を連想させるような時代を迎えていて、やはりここで求められるのは多国間主義を日本としても守っていくことが必要だと思います。その意味で今回示された資料の8ページなどにもありますように、日本がPOWERR Asia構想を打ち出したというのは非常に時宜を得たものと受け止めております。エネルギーの多国間協力を通じて地域の安定と経済関係の強化を図ることができれば、国際協調を立て直す一歩にもつながると思います。来週またG7サミットもあり、首脳宣言が2年連続で見送られる方向だとも報じられていますが、今後日本として、G7がG6とアメリカとの対立とも伝えられる中で、多国間協力の確保に向けて今後どのような役割を果たしていくのか、今後取り組むお考えをお聞かせ願えればと思います。
それから対内直投のほうですが、外為法改正が成立したということは非常によかったと思います。今後運用面が問われていく段階になりますが、大切なのは審査の透明性の確保だと思っております。たまたまなのかどうか分かりませんが、春木課長からも御言及があったように、買収中止勧告が16年ぶりに出されました。金融市場というか、マーケットのほうでは、これも根拠はよく分かりませんけど、買収は認められるんじゃないかという事前の予想が多かったらしくて、結構意外に受け止める関係者もいたというふうに聞いています。もちろん必要な勧告は当然なされるべきだと思いますが、対内直投の不要な萎縮を招かないようにするためにも、今後予見性の確保というのがより重要になっていくと思います。
その意味で、資料の5ページにあるリスク軽減措置に関わるガイドラインで、措置の類型とか具体例を示されるということは非常に大事なことだと思っています。具体例、幾つか挙げられていますが、これで十分なのか、五十嵐先生もおっしゃったように今後柔軟な対応を求められる可能性もありますので、そういう意味でまたさらに不断の見直しに努めていただきたいと思っております。
あと、6ページの政府の情報開示ですが、勧告とか命令の公表基準を定めるということは、恣意性を排除して透明性の向上につながることなので、これはぜひ進めていただきたいと思います。
その上でですけど、命令を公表するのは大変良いと思いますが、気になるのは勧告で、おっしゃるように行政処分ではないので原則公表しないという考え方はもちろん理解できますが、その分、透明性はやや劣るというふうに受け止められる可能性があります。これを補うために、6ページで示されたようなアニュアルレポート等を通じた情報開示の拡充ということは非常に重要になってくると思います。例えば個社名を明かさずにリスク軽減措置の傾向が投資家にある程度分かるとか、事案の積み重ねで判断の傾向がある程度分かるとか、何かしらこうした情報開示の拡充を通じて透明性の確保に努めていただきたいと思います。
最後に、議事規則の改正についてですけど、会議の情報公開の内容に制限をかけるということは、私、一応報道機関の立場として必ずしも好ましいことではないんですが、公共の利益を害するなどの正当な理由があればやむを得ないと考えております。ただ、公開を制限するにしても、公共の利益を害さないと判断できるようになった段階では会議の議事要旨を公開することを検討していただきたいなと。判断できるようになる段階というのが、植田先生もおっしゃったような10年、20年というのも1つのケースかもしれませんけど、若干長過ぎるのかなという感じもしまして、そこは適宜、必要に応じたというか、適切な時期を選んでいただいて、その上で公開していただければ、ほかの投資家とかの参考事例にもなりますでしょうし、透明性の向上にも資すると考えられますので、ぜひ御検討をお願いしたいと思っております。
以上です。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、渡井委員、御発言をお願いいたします。
○渡井委員ありがとうございます。私も対内直接投資審査制度について一言申し上げます。
このたびの外為法の改正によって、1月の外為審の答申を踏まえた必要な制度の見直しがなされたものと思います。今後も制度を確実に執行していくことが重要であると考えております。
次に、議事規則の改正の御提案には賛成をいたしますが、引き続き議事録または議事要旨は公開が原則であることに変更はないものと理解しております。1月の答申は冒頭で、「日本経済の健全な発展に寄与する対内直接投資の一層の促進」を図る必要性を掲げておりました。既に御意見があったように、予見可能性を確保して外国投資家が萎縮することのないよう、情報の不開示は必要な場合に限るのが重要であると考えております。そして私も、仮に不開示の運用をした場合には、一定の時間が経過した後に一般化できる限りにおいて、会議の開催の事実を含む情報をアニュアルレポートなどを通じて開示していただくことも検討に値するのではないかと思っております。
以上でございます。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、伊藤亜聖委員、どうぞ御発言ください。
○伊藤(亜)専門委員伊藤亜聖です。丁寧な御説明ありがとうございました。POWERR Asiaをはじめ、日本からアジアのこういった協力、目下の状況に対するイニシアチブを提案しているということが重要かと思います。最近、ワシントンD.C.に行く機会があったんですけれども、なかなか米国政府からこういったアイデアが出てきて実行するのは難しい状況の中で非常に重要な取組だというふうに感じております。
経済見通しの点で2点御質問です。1点目はレアアースに関する推計が出てきているんですけども、リスクシナリオだとGDP比率でマイナス1.75%というかなり強い数字が出ています。一方で弾力性が高い、つまり代替できる場合はほぼその効果がゼロになるということなんですけども、この推計をどう見るのかと。現実に日本企業も代替したり、備蓄したり、いろいろな動きがある中で、私の印象だとこの弾力性、2つの値というのはすごく両極端で、現実はこの中間ぐらいかなという感想を持っているんですけども、このインパクトをどう考えるのかということが1点です。
もう1点は、IMFは春のレポートで防衛費の支出増がマクロ経済に与える影響というのが第2章でかなり議論されています。もちろんこの論点は、中心的には財政のほうの審議会の課題となろうかと思うんですけども、中長期的には防衛費引上げ、主にレポートではNATOの議論、ヨーロッパの議論なんですけども、日本でも防衛費、GDP比率を上げていったときに対外経済に与える帰結というのはあり得るだろうと。とりわけ輸入が増えるんじゃないかと。経常収支に与える影響というのはそれなりのサイズになる可能性があるんじゃないかなというふうに考えておりまして、この点、少しお伺いできればと思います。
以上です。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、河野委員、どうぞ御発言ください。
○河野専門委員ありがとうございます。私からも対内直接投資審査制度についての部分についてのみ、簡単にコメントさせていただきます。
まず、今回の外為法の改正を実現された皆様の御尽力に心より御礼申し上げます。非常に重要な改正であったかと思います。ただし、やはり先ほど来、何人もの委員が御発言されておりますけれども、このような措置を取っていくことが少なくとも対内直接投資、日本に対する投資を底冷えさせるものであってはなりませんので、その点、やはり気をつけなければならないと思います。その意味では投資協定、あるいは経済連携協定に書かれております外国投資家の合理的な期待、あるいは制度の透明性の確保といったことが条約との整合性でも重要になろうかと思います。
その上で、特に5ページと6ページのガイドライン、それからアニュアルレポートでございますけれども、ガイドラインにつきましては、こちらも何人かの委員がおっしゃいましたけれども、これはどの程度の頻度で変わっていくものなのか、必ずしもこれが硬直的であってはなりませんので、その点どの程度を見込んでおられるのかということを伺わせていただきたいと思いますし、それから伺っておりますと何となくガイドラインとアニュアルレポートの関係も理解できるように思いますけれども、少なくともガイドラインとアニュアルレポートがどのような関係にあるのかということについて、少し教えていただければと思います。
以上でございます。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、左三川委員、どうぞ御発言ください。
○左三川臨時委員事前の御説明も含めまして御丁寧にありがとうございます。私からも対内直接投資審査に係る点について、御質問とコメントをさせていただきます。
勧告非公表、命令公表ということで異存はございませんけれども、御説明のところにありました個社の株式取引等に不測の影響を与えることを避けるという目的でございますが、上場企業をイメージした書きぶりでいらっしゃるようにお見受けしたんですけれども、非上場の企業についても何ら影響が及ぶことがあるかもしれないということで、どういった基準で勧告の非公表を御決断されるのかといった点についても教えていただければというふうに思いました。
また、情報開示についてですけれども、なぜ公表されなかったのかという点に加えまして、皆様、他の委員の先生方もおっしゃっていますが、最近の件数ですとか傾向といった問題、それから一旦の期間を経た後に公表されるのであれば、それが何年ぐらいなのかといったことについても明らかにしていただけるとよろしいかなというふうに思いました。
ありがとうございます。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、オンラインで御参加の委員の皆様から御発言をいただきたいと思います。
初めに、根本委員、どうぞ御発言ください。
○根本委員ありがとうございます。対内直接投資に関しては特に意見はありませんで、非常にリスクベースアプローチかつ透明性を考慮された制度をつくっていただいていると思います。他の委員の方もおっしゃっていたように非常によくできているんですけど、さらなる透明性の確保とか、また審査の効率性というふうなことも御配慮いただければと思います。
1つ質問と1つコメントが前半のほうでございまして、IMFの見通しなんですけれど、春会合などで大臣が非常に積極的に御発言になって、グローバル・インバランスの問題も強調されて、非常にいいことだと思うんですけど、IMFの4月のレポートでは経済不均衡についてグラフなどはよくなるような形になっていまして、もう少し米中の政策並びに経済状況に関して踏み込んだ分析があってもいいのではないのかなと思うんですけれど、そこは大国に忖度しないような経済的な分析を日本もプッシュしていただけないかなというのがコメントでございます。
もう1つは、資料になかったんですけれど、UAEに対してスワップを支援するというふうな米国の報道もあって分からないところもあるんですけれど、昨年アルゼンチンにやったと、そういう多国的な仕組みを超えて、やや恣意的に支援をするということ、そういったことについてどういうお考えか、差し支えない範囲で伺えればと思いました。
以上でございます。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、清水委員、どうぞ御発言ください。
○清水(順)臨時委員御説明ありがとうございます。私からは、まず最初の最近の国際情勢のところで2つと、対内直投1つ、質問させていただきます。
今、根本委員もおっしゃっていましたが、IMFの経済見通しを見ますと、要するに日本が一番よくないというのが一目瞭然かと思います。5ページの分析の結果を見ましても、やはりどちらのケースでも日本が突出しているということ、こういうことについて、なぜ相変わらずこういった状況が、日本の場合、デフレから脱却し、賃上げも進んで、企業収益が最高益を出している中で相変わらずこの状況が進んでいるのはなぜなのかということをやはりしっかり考えていかなきゃいけないのではないかなと思いますので、その点について御意見をいただければと思います。特に中国、先ほど根本委員が御指摘されたグローバル・インバランスの問題も、はっきり言って米中の問題であって、実際に中国人民元などは昨年ぐらいからずっと人民元高が続いている中で、日本は相変わらず円安から脱却できていない、そういった点も含めますと、IMFの経済見通しを単にこういった結果ですと言うのではなく、こういった中で我々はどうしなければいけないのかということを考えないといけないんじゃないかなと今日の資料を見て思いました。
もう1つはPOWERR Asiaについてですが、1兆6,000億円ですか、かなりの金額で、これを日本経済のみならず、アジアの中でもばらまくのではないかといった懸念もされているかと思います。これについては今出していただいている中でレアアースの輸出規制などで、一国ではなくて多国間でいろいろ協調することによって財政コストが低くなるみたいな結論が出ているとすれば、こういった結果と合わせて、今後POWERR Asiaをいかに日本経済にプラスの影響を与えるように持っていくのかというのが非常に重要になってくると思います。その点についてぜひ一言いただければと思います。
それから対日直接投資につきましても、先ほどどなたか、他の委員がおっしゃっていましたが、やはりこれだけ制度が厳しくなっていく中で、日本としては今後の成長を、日本経済の成長のためには対内直接投資を増やしていかなければいけない、そういった局面になるとすると、対内直接投資の外為法とは別に、日本としてこういった対内直投が欲しいといった分野について、より積極的に受け入れるような、EPAやFTAを利用する、あるいは二か国間協定を利用するような形で、こういった複雑な投資審査をクリアできているような投資をあらかじめ受け入れるような、新たな対内直投促進ルートというのを考えていかなきゃいけないのじゃないかなというふうに思っております。もしそういったことで御意見がありましたら、よろしくお願いいたします。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、大野委員、どうぞ御発言ください。
○大野臨時委員ありがとうございます。1点だけ申し上げさせていただきます。
最近の国際金融情勢に関するレアアースに関してです。中国のレアアース輸出規制が各国に甚大な影響をもたらしているということで、供給サイドのほうで代替品に移行していくというようなことで影響の緩和を模索されているということかと思われますが、供給サイドのみならず、需要サイドでも今後構造的な変化が進んでいくということも予想されるのではないかと思います。例えば昨今のエネルギー関係のリスクの高まりということで、脱炭素化というような方向に世界各国が進んでいくということがもし仮に起こりますと、これはレアアースに対する需要をさらに高めていくというようなことにもつながっていくかと思います。あるいは地政学リスクの高まりということで、軍事品に対する需要の高まりというものも、レアアースに対するさらなる需要の高まりといったようなことが進んでいくのではないかと思います。レアアースの調達について国際的な協調を強めて対処していくということが言われてはいますけれども、供給サイドのみならず需要サイドのほうにも今後、様々な懸念事項ということがありますので、これを国際的に何か対処していくというような、そんな議論というのがあるのかどうか、そういったことに関しまして少し伺えればと思います。
私からは以上です。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
多数の御質問をいただきました。まとめて御回答いただきたいと思いますけれども、池田課長からお願いできますでしょうか。
○池田国際機構課長ありがとうございます。
まず江藤委員、木村委員からいただきましたG7の位置づけをはじめとする今後の国際協調についてですけれども、ポイントとしましては国際機関の有効活用、それから新興国の巻き込み、これを使って、まさに江藤委員がおっしゃったような訴求力のあるナラティブをG7で考えて、そして対外的に発信していくということが重要なんだろうと考えております。
グローバル・インバランスについて、例を考えてみますと、中国に対して補助金がけしからんとG7だけで言っていくのでは恐らく他から見ると政治体制の違いゆえに主観的に文句をつけているだけではないかと見られて、有意な行動変容に結びつかないし、国際社会からの理解も得にくいということであろうと思います。この点、例えばIMFを活用して客観的な立場から、例えば中国の巨額な産業補助金が東南アジア諸国を中心とする近隣の国々の雇用ですとか産業ですとか、こういったところにどういった悪影響があるのかと、こういったことを定量的に示していけば、今回のレアアースの事例もそうですけれども、G7だけではなくて、多くの新興途上国の賛同、あるいは理解も得ながら中国に働きかけていくことが可能であろうということが1つ。
それから、もう1つは、インバランスに関しては、中国自身の自立的な、持続的な成長の観点からも、今のように投資、そして輸出主導の内巻き競争を促進していくようなやり方というのは彼らの自立的な、持続的な経済成長にとってもよろしくないであろうと。これも例えば中国向けのArticle Ⅳに明記されているわけですけれども、こういったことをしっかりと訴えていくということが重要であろうというふうに考えております。
今、IMFのことを申し上げましたけれども、OECDも各国の産業補助金、こちらの規模ですとか内容ですとか、これまでの過去と比べた変化、こういったものをまとめたデータベースも発表しています。こういったところを客観的に使って、G7でまずしっかりと作戦を考えた上で、G20やIMF、あるいは世銀の理事会ですとか公表物を活用して働きかけていくことが有効であろうというふうに考えております。
それから、伊藤(亜)委員から御指摘がありましたIMFのWEOの第2章で特集が組まれている防衛費の問題ですけれども、こちらは今日本の輸入に占める防衛装備品の割合、おおむね1%程度ということでございますけれども、御指摘のとおり今後防衛費への支出が増えていく中で、恐らく膨らんでいくということが想定されるんだと思います。ただ、同時に、こちらは私の担当からは外れますけれども、日本の中で防衛費を上げていく際には、もちろん防衛装備品の輸出ですとか、あるいは国内産業の育成といったところも含まれていくんだろうというふうに思います。例えばGCAPとございますけれども、イタリアとイギリスとの戦闘機の共同開発、こういったものもそういった文脈で位置づけられるんだろうというふうに思います。防衛装備品に限りませんけれども、やはり自立性、強靱性といったものを高めていくといったことが非常に重要なんだろうというふうに考えております。
それから、レアアース、重要鉱物に関しましては、春木課長からも補足があるかもしれませんけれども、伊藤(亜)委員、大野委員からも御指摘がありました。まずIMFの分析は、こちらは1つの目安なんだろうと思います。こういったものを1つの国際的なウェイクアップコールとして、どういった代替品、あるいは調達を進めていくかということが重要になってくると思います。その際には供給サイド、需要サイド、双方の働きかけが重要であろうというふうに考えております。供給サイドについてはもちろんMDBs等を使って重要鉱物産出国に対して支援、あるいは働きかけをすることで調達先を多様化していくということ、需要サイドに関しましては、こちらは共同調達なのかもしれませんし、あるいはリサイクルの活用かもしれませんし、様々な活用策が検討される、俎上に上るということだと思います。こちらについては貿易大臣会合、資源大臣会合でも、G7の、議論が進められていますので、最終的にサミットの中で財務トラック、あるいは鉱物資源の関係の大臣のやりとり、こういったものを踏まえた総合的な絵姿が示されていくんだろうというふうに考えます。
それから、清水委員からございましたPOWERR Asiaの活用も含めて、日本の脆弱性を緩和していく、強靱性を高めていく観点からもこういった国際協力を進めていくことが重要であろうというふうに考えております。こちらのPOWERR Asiaについては、影響を受けているアジアの特に低所得国や脆弱国への支援ということだけではなくて、ナフサの問題ですとか、あるいは医療に関わる、手袋ですとか、こういった供給品が滞り得るということもいろいろと指摘がありますけれども、これら東南アジア地域でつくられて、そして日本に輸出されている部分が多うございます。したがいまして、こういうところに対して支援、融資をしていくことが日本の供給網をしっかりと安定的、強靱化していく上でも重要であろうという意味で、ウィン・ウィンの形で展開していくということが肝なのであろうというふうに考えております。
私からは以上です。
○神作分科会長続きまして、野元課長からお答えいただけますでしょうか。
○野元開発機関課長私に対する質問は特になかったものと承知しておりますが、重要鉱物に関しては、MDBsを通じて、特に供給面における取組を進めていく方針となっております。その際には、池田課長から申し上げたとおり、必ずオフテイカーを巻き込んで議論をしていかないと商業性が確保できないため、この点が1つの重要な論点となります。また、特にレアアース等について、開発に5年から10年単位で時間がかかるものですので、その間に技術が大きく変化し得る点にも留意が必要です。例えば、今使っているバッテリー等、バッテリーはもちろんレアメタルとかのほうが多いわけですけど、そういうものに関しても、ほかの物質を使ってそういうバッテリーができるかもしれないですし、実際、レアアースの場合というのはEV関連の磁石が主な争点ですが、レアアースを使わないで磁石をつくる技術も実用化されつつあります。このため、こうしたう技術変化について長期的に見ていかなければならず、まさにそうした需要面の変化も捉えながら、しっかりと施策を講じていくことが重要であると認識しております。
○神作分科会長続きまして、津田課長から御回答をお願いいたします。
○津田地域協力課長ありがとうございます。私のほうは佐藤委員から太平洋島嶼国の集中決済機関に関する御質問を3点いただいております。
まず日本のリーダーシップを多とするものの、他国の支援はどういうふうになっているのかということと、世銀としてどういうふうにファンディングしているのかということなんですけれども、ファンディング全体としましては、今集中決済機関を立てるに当たってのフィージビリティスタディをやりつつ、当面のコルレス銀行の遮断に対する短期的な措置と、こういったフェーズ1という取組をしておりまして、それに対して世銀のIDAの資金を使って70ミリオンドルの資金を確保しているという状況でございます。これに加えまして、日本のみならず、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド等のドナー国が個別に資金を拠出して、PPMに関する付随的な技術支援等の取組もやっております。まさにこれに示されるとおり、アメリカやオーストラリア、ニュージーランドも本件に対する問題意識なり、コミットメントというのは非常に高いと我々認識しておりますし、さらに言えば、太平洋島嶼国はともすれば米ドル、豪ドル等々を自国通貨として使い、経済的にも非常に連関性の高い参加国でございますので、ファンディングパートナーのみならず、非常に重要なステークホルダーとしても彼らの協力は非常に重要だと思っており、引き続き日本としてリーダーシップをとりながら、こういった国と連携してやっていきたいと思っております。
そういった中でもう1点、特に原則の持続性については、結局コスト回収ばかり重視して高くついてしまって使われないと元も子もないのではないかと、そういった問題意識かと拝察しました。おっしゃるとおりだと思っております。他方で、フィージビリティスタディを今後やっていく中で、そもそもパシフィック、集中決済機関がどういった役割を担い、どういったコスト構図になるのかというのが明らかになってこないと、そもそもどのぐらい高いコストになるのかが分からないところですので、あくまでここは原則ベースでコスト回収をまずは目指そうと。その上で、仮につくるものが何らかの追加的な資金支援が必要だということになれば、それはまたそのときに、その必要性を踏まえて各国で検討していくということかと考えております。
私のほうからは以上です。
○神作分科会長どうもありがとうございます。
続きまして、春木課長、お願いいたします。
○春木調査課長御意見ありがとうございました。
植田先生からの規則の非公開化に関する御指摘につきまして、その他の委員の皆様からも同様の御意見をいろいろといただきましてありがとうございます。今考えていますのは、資料にもありますけれども、非公開とすることができるという、可能であるということだけでありまして、場合によってはもちろん公開していくといったことがまず選択肢としてあるということだと思っておりまして、全て不開示にするというわけではないというところがあると思います。また、例えばですけれども、直近の事案についても既に議事要旨というものは出しておりまして、とりわけ命令まで至れば当局から主体的にもこういった命令措置というものを公表するということになりますので、それに応じて特別部会で公表できる範囲を考えながら議事要旨を出していくということはあるのではないかというふうに考えているところでございます。また、御指摘の投資家側に不服がある場合でございますが、その点につきましては不服審査が設けられているというところでありまして、もちろんそれで納得いかないということでありましたら、そこから裁判というところになるとは思いますけれども、私の理解では特段そこで何かファーストトラックみたいな、速い手続きというのは想定されておらず、ほかの事案と一律で扱っていくということを想定していると理解しております。
また、五十嵐先生からの指定業種の見直しの御指摘など、ありがとうございます。マネージドサービスの話につきましては、少し何か限定することができないかというところを考えているところでございますので、また意見交換させていただいて、どのように進めていければいいか考えていきたいなというふうに思っております。
リスク軽減措置のガイドラインにつきましては、複数の先生から御意見いただきまして、柔軟にやってほしいというようなお話があったかと思いますけれども、そこはまさにいろいろと状況も変わり得る話だと思いますので、アドホックに対応していくのかなと思いますし、今後の見通しにつきましては、後ほど企画官の宮地から追加で説明させていただきたいと思っております。
明らかな違反があった場合、タイムリーな開示をしてはどうかというお話、こういったところもまた今後の検討事項と考えております。また、4ページの添付書類の提出を求めることの提案につきまして、それが多過ぎるかもしれないというお話もありましたけれども、ここは考えどころかなと思っておりまして、これを仮に減らしていきますと、そうするとこの情報がやっぱり欲しいんだというふうに押し問答が始まって、審査期間が結局どんどん長引いてしまって、そこで投資家の方々にとってむしろマイナス要因が出てくるというリスクが結構あるのではないかと思っております。そこは少しトレードオフになるかなとも思いますので、そこについて投資家の方々、どちらがいいのかといったところはいろいろな御意見があると思いますので、そこは丁寧にご意見を聞きながら改善案というのは進めていきたいと思っております。
江藤先生、AIの活用といったことでございまして、ありがとうございます。むしろ財務省としてもオンライン化を例の2028年度からしっかりと届出のほうで新システムを構築するというところもありますので、それも見据えながら、どういった活用の仕方がやりやすいかということは考えていきたいなというふうに思っておるところでございます。
木村先生のお話のところで、アニュアルレポート、透明性の確保といったところで、引き続きその辺は意識してやっていきたいというふうに思っております。
渡井先生からの議事規則のお話も先ほどと同じ回答になるかと思っております。河野先生のガイドラインに関する御指摘につきましては、後ほど企画官の宮地から回答させていただきますが、アニュアルレポートとの関係というところですけれども、アニュアルレポートというのは年1回定期的に公表していく必要がございますが、ガイドラインは先ほどの状況を見据えながらアドホックに運用指針的なものになると思いますので、時期を決めずに必要なときに改定していくことを検討しております。
左三川先生から御指摘がございました、非上場のケースにつきましては、基本的には上場とそこまで差をつけないのかなとは思っております。勧告のケースでは投資家の方々がどの程度公表するのかについてはおそらく裁量の余地があるとは思いますけれども、勧告のほうで非上場会社が公表すると何かしら不服があるといったことになれば、外向けに発表があると思いますけれども、その範囲内で当局としても説明していきますし、命令に至るということになりましたら、それは上場・非上場分けずに、こちらのほうから公開していくということで差が何か生じることはないというふうに思っております。
清水先生から対日直接投資の促進施策につきまして御質問をいただきましたが、私の理解では、内閣府が主導して検討をしておりますので、投資推進の会議をつくり、民間の方々の御意見ですとか、あと伊藤元重先生ですとか、そういったアカデミアの先生も集まって議論されていると理解しておりますけれども、骨太の方針でも今53兆円という対日直接投資の額ですけれども、それを2030年に120兆円に引き上げて、2030年の前半の早いうちに150兆円まで引き上げるということが閣議決定でなされているところでございますので、それを受けての内閣府のほうで促進策といったところをいろいろと規制緩和をはじめとして考えているところだというふうに理解しております。
大野先生のレアアースにつきましては、池田課長が回答していただいたところに大分尽きておりますけれども、私の理解でも特定国に対する依存度が高いといったところはG7共通でのリスク要因として皆が共有しているところだというふうに思っておりまして、特段レアアースにつきましては日米のアクションプランといったところでそういった投資、依存度を引き下げるといった取組を今後進めていくということを首脳レベルで確認しておりますし、また同様の取組をアメリカ、ヨーロッパのほうでも結んでおるのと、アメリカ、メキシコでも結んでいるというのが足元の現状でありますので、少なくともそういった国々、G7プラスアルファの国の中では共通意識を持ちながら対応策を練っているというところでございます。
○宮地大臣官房企画官調査課の宮地です。御議論いただき、どうもありがとうございました。
時間も限られておりますので、簡潔にリスク軽減措置のガイドラインについて補足をさせていただきますけれども、御指摘をいただいたとおり、これはケース・バイ・ケースの性質のものではありますので、ガイドラインであまりがんじがらめにしてもなかなか難しいというところはあると思っております。ただ、一方で外国投資家の予見可能性であるとか便宜の観点から、一定の類型であるとか具体例が示されるべきということでありますので、そこのバランスをとった書きぶりというのは今日いただいた御指摘も踏まえながらよく検討していきたいというふうに思っています。
その上で、具体的な執行状況につきましては、やはりアニュアルレポートでできる限り書いていくというのが基本だと思っていますので、ガイドラインについては更新の頻度などは決め打ちせずに、むしろ執行状況を踏まえて、一般化できるようなものがあれば、時期は特定せずですけども、適時に見直しをするということを考えているところでございます。
1点だけ、届出様式の添付書類について御指摘をいただいたので、補足させていただきますと、現状、審査の過程でほぼ全ての案件について御質問させていただいている項目に絞って添付書類という形で事前に御提出をいただけないかという形で工夫を試みておりまして、また形式につきましても、様式に全てそれを求めるということになると、かえって様式の受理までにいろいろ手間がかかるんじゃないかということもある中で、一定柔軟な対応ができる添付書類という形式を考えているということでございまして、そういう意味では先ほど課長の春木から申し上げたような、事前に十分な情報をいただいて審査の効率化につなげるという話と外国投資家さんの御負担というのを、バランスをとろうということを一応考えたものではございます。
以上です。
○神作分科会長ありがとうございます。
池田課長から追加の御回答があるということですので、よろしくお願いいたします。
○池田国際機構課長再び失礼します。先ほど根本委員からいただいた御質問への回答をし損ねておりました。大変失礼いたしました。
2点ございました。IMFの分析において大国に忖度しないような分析が重要であるという御指摘、これは全くそのとおりだと思います。この点に関しまして、WEOにおいては記述が軽微であったという御指摘がありましたけれども、その直前に出ました対米Article Ⅳリポート、それから対中Article Ⅳリポートにおいては、それぞれかなり踏み込んだ、忖度のない政策提言とか、あるいは分析が示されているというふうに認識しております。アメリカに対しては、関税は貿易赤字の解消には効かないのであるとか、あるいはスピルオーバーがひどいのであるというふうなこともしっかりと指摘をされていますし、中国に対する産業政策の問題についてもしかりでございます。日本としては、先ほど申し上げたとおり国際機関の活用が大事だと思っていますので、その大前提として忖度のない客観的な率直な分析・提言が重要であるということは引き続き訴えていきたいというふうに思っております。
2点目、スワップの扱いについて御質問がございました。こちらはグローバルフィナンシャルセーフティネットは三層構造、すなわち各国の外貨準備、2点目がリージョナル、あるいはバイラテラルなスワップ、そして3つ目がIMFと、この三層構造がうまく機能していくこと、補完的に機能していくことが重要であるというふうに私ども認識しております。この点、スワップに関しましては、例えばアルゼンチンの事例がそうであったように、その国の経済的なファンダメンタルズとは直接関係のない、例えば政治的な問題ですとか、あるいは安全保障上の問題、こういったものでマーケットセンチメントが荒れた場合に、その国に対して一定のコンフィデンスを提供していくといった役割があるのであろうというふうに認識しております。ただし、こちらはIMFの例えばプログラムを代替するようなものではないというふうにも考えてございます。また、提供するに当たっては条件ですとか、あるいは金額ですとか、この辺の透明性、こちらも確保していくことが重要であろうというふうに考えております。
以上です。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
ほかに財務省の側から御回答いただく点はございますでしょうか。よろしゅうございますか。
それでは、時間も迫ってきておりますので、よろしければ、この辺りで閉会とさせていただきたいと存じますけれども、何か特に御発言等はございますでしょうか。よろしゅうございますか。
それでは、本日の議事はこれにて終了とさせていただきます。
なお、本分科会の終了後、引き続き関税・外国為替等審議会総会を開催いたします。総会は11時45分から開始させていただきますので、それまでにこの部屋に戻っていただきますようお願いいたします。
本日も大変活発なご議論をいただき、誠にありがとうございました。
午前11時40分閉会

