関税・外国為替等審議会
第68回外国為替等分科会議事録
令和8年4月8日(水)
財務省 国際局
於財務省第3特別会議室
(本庁舎4階)
1.開会
2.最近の国際金融情勢について
3.閉会
| 出席者 | |||
|---|---|---|---|
| 委員 |
五十嵐チカ 植田健一 江藤名保子 亀坂安紀子 神作裕之 木村旬 佐藤清隆 下坂朝子 杉山晶子 田村善之 中島宏 根本直子 原田喜美枝 山口博臣 渡井理佳子 |
財務省 |
緒方国際局長 今村国際局次長 細田国際局審議官 梶川国際局審議官 渡邉副財務官 木原国際局総務課長 春木国際局調査課長 池田国際機構課長 松本開発政策課長 山川地域協力課課長補佐 小多内閣府政策統括官(経済安全保障担当)付 参事官(総括・企画担当) |
| 臨時委員 |
大野早苗 澤田康幸 清水順子 清水剛 |
||
| 専門委員 |
伊藤由希子 |
午前10時00分開会
○神作分科会長おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから第68回外国為替等分科会を開催いたします。
委員の皆様方におかれましては、御多用のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。本日は、オンラインでの御参加を含め、多くの委員の皆様に御参加いただいております。ありがとうございます。
議事に入ります前に、進行上の留意点などについて、事務局より御説明をお願いいたします。
○春木調査課長おはようございます。本日はどうもありがとうございます。調査課長の春木です。
毎回同じ点で、留意事項ということで初めに申し上げておりますけれども、今回の外為審につきましてもハイブリッド形式での開催ということになっておりまして、多くの先生の方にオンラインのほうで御参加していただいております。注意事項といたしまして、会議室のほうで御参加されている皆様につきましては、御発言の際にはできるだけマイクのほうに近づいて御発言をお願いしたいと思っておりまして、また、オンラインで御参加されている先生の方につきましては、御発言以外はミュートにしていただきますようによろしくお願いいたします。
以上になります。
○神作分科会長御説明どうもありがとうございました。
それでは、早速本日の議事に入りたいと存じます。
本日の議題は、最近の国際金融情勢についてでございます。
まず事務局より御説明をいただいた後、意見交換の時間をお取りしたいと思います。
それでは、池田国際機構課長から御説明をどうぞよろしくお願いいたします。
○池田国際機構課長委員の皆様、おはようございます。国際機構課長の池田でございます。
2月28日にイスラエルとアメリカによるイランへの攻撃が始まって以来、経済、そして金融市場、様々な動きが見られますけれども、そうした中でG7としてどういった対応、議論をしてきたのかということを中心にまず御報告をさせていただきます。
資料2ページを御覧ください。
まず、3月9日にG7財務大臣のオンライン会合が行われました。
こちら、G7の財務大臣に加え、こちらに書かせていただいた4つの国際機関、IMF、世界銀行、OECD、そして、ふだんは参加しないIEAのトップに参加をいただいて開催した次第です。
IEAのビロル事務局長は、現在のエネルギー市場の状況を踏まえて、ホルムズ海峡の再開、あるいは各国の石油備蓄の放出が必要であるということを呼びかけたということでございます。
また、IMFのゲオルギエバ専務理事からは、足元の中東情勢が金融市場や世界経済に与える影響について説明がありました。
日本からは片山大臣が出席をされた上で、足元の株式市場、あるいは為替を含む日本の金融市場について説明をした上で、特に我が国を含むアジア各国、こちらについて、中東への依存度が非常に高いということを強調した上で、海上輸送にかかる保険、アメリカのDFCによる保険付与、あるいはロイズによる海上保険の提供の取組を歓迎ということを発信いただいています。その上で、財務大臣は、IEA加盟国による石油備蓄の協調放出を所管大臣に働きかけるべきであるということを呼びかけました。そして、状況が刻々と変わりますので、G7財務大臣間で引き続き緊密な情報共有に努めて、メッセージと施策をタイムリーに打ち出していこうということを呼びかけております。
会合の後に共同声明も出されました。この中で強調すべき点としては、非常に短いものですけれども、一番最後の部分、「我々は、備蓄放出などエネルギーの世界的供給を支援することを含め、必要な対応を講じる用意がある」ということで、この翌日にエネルギー大臣会合、さらにその次の日にG7首脳が開かれて、そしてIEAによる共同放出、それから、それに先立つ日本政府による日本の民間及び政府の備蓄を放出していくという流れが作られていったということでございます。
続きまして、3月30日にもG7エネルギー大臣・財務大臣、そして中銀総裁、3者そろっての合同会合が開催されました。
こちらにもIMF、世銀、OECD、FSB、そしてIEAのトップが参加したということでございます。
片山大臣からは、こちらに記しましたメッセージを発信しています。具体的には、原油市場や、株式、債券、為替等の金融市場が大きく変動する状況が継続している。そして、原油先物市場の変動が為替市場にも波及しているので、極めて高い緊張感を持って市場を注視しているということ。そして、先ほどのメッセージと重なりますが、アジア地域はやはりホルムズ海峡経由のエネルギー輸入への依存が高い。そして、既に一部の国で勤務日の削減、それから移動制限などの経済社会活動の抑制を余儀なくされているという現状を説明されました。その上で、エネルギーの供給不足が新たな供給ショックとして、例えば労働の供給ショック、それから運輸のサービスの供給ショック、こういったものとして経済にさらなる悪影響を与えないか注視が必要であるということを発信いただいています。
その上で、次のページをおめくりいただきますと、こちらもエネルギー大臣・財務大臣・中銀総裁の共同メッセージとしての声明が出されています。
この中で注目すべきポイントとしては、まず、2つ目のポツですけれども、引き続き金融市場の状況等をよく注視するということ。そして、3月11日のIEA加盟国による過去最大の協調放出、この意思決定を歓迎するということでございます。
それから、3つ目ですけれども、中銀の話といたしまして、今回の一連の動きがインフレに与える影響、それから経済活動に対するダウンサイドの影響、この両面があるので、それを引き続き両方注視していくということが記されております。
その上で、G7エネルギー大臣・財務大臣のメッセージとして、適切に機能し、安定的で、かつ透明性のあるエネルギー市場を確保すると我々の強いコミットメントを改めて協調する。そして、IEAが示した需要管理に関する選択肢に留意するというメッセージも入っております。こちらは、3月20日にIEAが公表しました石油・ガス使用量削減のための10の措置ということで、例えば在宅勤務の奨励ですとか、公共交通機関の利用ですとか、こういったものが盛り込まれていますけれども、こういったものに留意するということでございます。それから、もちろんその部分については、国ごとの状況に応じてということは付されてございます。
そして、次のポツですけれども、航行の安全や重要な海上航路及びインフラの保護を含む、安全かつ途切れのない貿易の流れの重要性を改めて確認する。
そして、下から4つ目ですけれども、世銀、IMF、OECDに対して、途上国への影響、セクター別への影響、そして重要鉱物を含む戦略的なバリューチェーンや食料安全保障への含意を含む様々な影響についての評価、これをしっかりと深めて、来週から開催されますけれども、ワシントンでの世銀・IMF春会合で報告をすることを求めるというメッセージも入っております。
こちらで私からは以上になります。ありがとうございました。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、重要鉱物について、春木調査課長、どうぞよろしくお願いいたします。
○春木調査課長よろしくお願いいたします。調査課長、春木です。
外為審、今回1月以来ということでして、前回は答申を取りまとめていただきました。1月7日だったんですけれども、この間3か月ありまして、その中で、重要鉱物、特にレアアースにつきまして、国際的な議論もかなり行われたところでございますので、そちらのほうのアップデートということで御紹介したいと思っております。
まず、資料のほうですけれども、まず、中国の輸出管理の措置を並べておりまして、こちらは1月、2月、2度日本に対しての管理措置を取っているというところでございまして、まず、1つ目の1月6日のほうでございますけれども、内容としましては、日本の軍事力向上、デュアルユースを対象として輸出を禁止するといったことでございますけれども、特に注目点としましては、ここに書いています、日本の軍事力向上に寄与する一切のその他のエンドユーザー向けについてを対象にするということが書かれておりまして、こちらを見ますと、民生品も含まれ得るような幅広い対象になり得るような措置を向こうのほうが出してきたといったところが特徴になっております。また、こちらはちょっと記述がなかったんですけれども、第三国経由で日本に入るものの迂回輸出につきましても禁止するというような内容が盛り込まれておったといったところが、広範な影響を及ぼし得るなというふうに捉えられたところでございます。
2月にさらなる措置というものが出ておりまして、こちらは個別の会社をリストアップして輸出を禁止するといった取組になっておりまして、まず、上のほうが「管理リスト」ということで、こちらは重工ですとか、そういったところを中心にリストアップしておりまして、下のほうが「懸念リスト」といったところで、こちらにつきましては輸出審査の厳格化をしていくということでして、特に防衛関係のみならず、SUBARUですとか、日野自動車ですとか、通常の自動車会社も対象に含めて輸出審査を厳しくしようといったことが打ち出されたところでございます。
次のページに行きまして、1月12日にワシントンD.C.のほうで財務大臣会合を開いておりまして、書いてありますが、ベッセント長官の意向で開催したというものでございまして、メンバーとしましてはG7プラス、オーストラリア、韓国、インド、メキシコといったところで、重要鉱物の産出国並びに消費国の両方が参加するといったところで議論を行っておりました。
内容としましては、まさに特定国に依存度があまりに高くなっているといった現状がございますので、アメリカの問題意識としまして、それを低減するという取組を国際的に進める必要があろうといったもので、議論をキックオフしたのがこちらの1月の会合でありまして、片山財務大臣のほうに御参加いただきまして、プレゼンをしていただきました。
その際には、先ほど申し上げた1月6日の中国措置に対する問題点、また2010年の尖閣諸島以降の日本の取組──こちらにつきましては、対中依存度というものが90%あったものが現状足元のほうで60%ぐらいまで下がっておるんですけれども、特に2010年から二、三年ぐらいでまず一旦60%ぐらいまで下げておりまして、そちらの取組ということを御紹介しまして、具体策としましては、調達先の多様化ですとか、リサイクルを進めている。また、レアアースを使わない技術を開発している。そういったところを紹介したところでございます。また、今後の将来の施策というところにつきまして、需要・供給の両面から短期・中期・長期の観点で取組を整理する必要があるといったことを提言したところでございます。
こちらの結果、会議の成果としましては、一番最後の矢印でございますけれども、アメリカのReadoutというものが出ておりまして、参加国皆でスピード感を持ってその依存度を引き下げていくといったことを共有した点ですとか、サプライチェーンの混乱や操作に対しての強靱性を構築する必要があるといったことに合意したといったところで、G7プラス4カ国で取組を進めていくことに合意があったところが大きい成果であったと思っております。
次のページが、2月にさらに重要鉱物閣僚会合というものを、こちらはアメリカのルビオ長官、国務省のほうが主催で行ったものでございますが、そこのマージンで、日米欧で共同プレスステートメントというものを出したところが1つのポイントでございまして、先ほどのアメリカ主導の提案、取組につきまして、日米欧で連携しながら進めていくといったことを確認しました。
中身につきましては、こちら、ポツで言うと4つ目のところでございまして、日米欧が共同で出しておりますが、その中で、行動計画というものをつくっていく、また、成果物としまして、複数国間の貿易イニシアティブということを探求していく。具体策としまして、国境で調整される価格フロア、最低価格と呼ばれるものですけれども、そういったものを設定していこうと。また、基準に基づく市場というものをつくっていく必要がある。これは人権の尊重ですとか労働基準ですとか、そういったところを差異化できないかというような問題意識でございまして、また、こちらがプライスフロアというものを設定しますと、中国のプライスと少し差異が生じて高い価格の設定ということになると思いますけれども、そこについての補助金というものを考える必要があるんじゃないかといった点、また、そのオフテイク契約といったものを追求していくということでして、こちらのほうを同志国の中で進めていこうといったことに合意して、ステートメントを出したところでございます。
最後のページは、先日の高市総理の訪米時に締結しました日米アクションプランといったものでございまして、先ほど申し上げたものをさらにまた具体化して記述しているといったものでありまして、日米のほうでこれについて締結して、さらに具体化を進めているところでございます。
最終的な成果物としましては、ここに書かれています複数国間の協定というものを、アメリカ、USTRが代表してこちらの議論を主導しておるんですけれども、そういったものを目指すといったことでございまして、今後、USTRから協定案文などが出てくるということになろうかと思いますので、それを見ながら日本としてどういう参画の仕方があるかということを考えていくという状況でございます。
以上です。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、日韓財務対話につきまして、山川課長補佐から御説明をお願いいたします。
○山川地域協力課課長補佐ありがとうございます。おはようございます。地域協力課の山川と申します。よろしくお願いいたします。
地域協力課からは、11月の分科会で日豪経済対話、12月の分科会でASEAN+3の代理級について御報告させていただいたところでございます。今回は、3月14日に開催した日韓財務対話について御報告させていただければと思います。こちらの第10回日韓財務対話は、日本側は片山大臣で、韓国側は具潤哲副総理兼財政経済部長官が参加という形で開催しております。
まず、日韓関係の全般の背景からお話しさせていただきますと、高市総理と李在明大統領の間で、昨年10月に韓国・慶州で開催されたAPECの機会に、就任後初の日韓首脳会談が行われたところでございます。こちらでシャトル外交の両国の積極的な実施を確認したところでございますが、それに続きまして、本年1月には李大統領が訪日されて、奈良で日韓首脳会談が開催されたところでございます。この際に日韓関係の戦略的重要性について認識を共有するとともに、今後もシャトル外交を継続することで一致しておるところでございます。このように両首脳のシャトル外交が着実に進んでいるところ、こうした流れを受けて、財務当局間においてもこのような日韓財務対話を開催したという形でございます。
前回の開催は2024年6月ということになっておりますが、それ以降も次官級で25年9月に日韓財務次官級協議ですとか、本年1月に具長官と片山大臣がワシントンD.C.でバイ面会を行っているところでございます。そういった機会を捉えて、税関協力ですとか、国際課税に関する専門家の協議ですとか、研究機関の連携ですとか、そういった幅広い分野での取組が前進していることも確認しつつ、今回の開催につながったという形でございます。
3月14日のこちらの日韓財務対話でございますが、こちらでは世界経済ですとか地域経済、あとは経済安全保障、多国間・二国間の協力ですとか、多岐にわたる論点について意見交換を行ったところでございます。
主要な点を3点、スライドに沿って御報告させていただきます。
1つ目、世界経済・地域経済について。現下の中東情勢をめぐって国際的な不確実性が高まっているところでございますが、エネルギー、金融市場の動向を注視しつつ、エネルギーの安定供給に向けて緊密に両国で連携することの重要性を確認しております。また、経済成長と金融の安定を維持するために、機動的な政策対応が必要であることを確認しております。加えて、最近の急速な韓国ウォン及び円の両通貨の減価に関する深刻な懸念を共有したところでございます。
2つ目、経済安全保障についてお話しさせていただきます。グローバルサプライチェーンの強化が経済安全保障上の優先課題であるとの両国の共通認識の下、RISEパートナーシップなどの多国間の枠組みを通じて、重要鉱物のサプライチェーンの多様化を一層推進していくことで一致しました。また、北朝鮮による大量破壊兵器や弾道ミサイルの資金源となっている暗号資産の窃取等についても、国際安全保障に対する深刻な脅威をもたらしているとの認識を共有したところでございます。
3点目、大きく多国間・二国間協力について申し上げます。ASEAN+3について、本年、日本がフィリピンと共同議長を務めているところでございますが、そういった枠組みですとか、あとはG20ですとかを含む多国間のフォーラムにおいても、引き続き両国で緊密に連携していくことを確認しております。また、冒頭少し申し上げましたが、税関協力ですとか、あと人事交流ですとかといった分野において、両国の財務当局間の継続的な協力についてやっていこうということで、改めて確認してございます。
最後に、対話全体を通じてですが、両首脳のシャトル外交が着実に進んでいるところ、財務当局間においても、片山大臣と具長官での閣僚レベルでの議論を通じて、二国間の協力関係を一層深めることができたところでございます。引き続き韓国当局と緊密かつ機動的に連携してまいりたいと考えております。
以上、第10回日韓財務対話に関する御報告です。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、経済安保推進法につきまして、国家安全保障局の小多参事官から御説明をお願いいたします。
○小多内閣府政策統括官(経済安全保障担当)付参事官(総括・企画担当)御紹介いただきました国家安全保障局及び内閣府の参事官を務めております小多と申します。
本日、この場でお時間をいただきまして御紹介をさせていただきますのは、今、表題にありますけれども、経済安全保障推進法、こちらの改正と併せて、財務省国際局所管の国際協力銀行法を改正するということになりましたので、この機会に今回の法改正の概要についてということでお話をさせていただきたいと思います。特に、当然ながら、国際協力銀行法の改正部分を中心にということにさせていただこうと思います。
私どもは、今、自己紹介申し上げましたけれども、内閣府の経済安全保障担当ということで、この経済安全保障推進法の所管をしております。今回、この法改正におきまして新しく制度を設けるということで、この新しくできる制度が国際協力銀行と一緒にやっていく制度であるということで、そこを中心にということになります。
まず、めくっていただきますと、経済安全保障推進法とは何かということについての紹介ということになります。このページは、2021年から22年というふうに書いておりますように、この経済安全保障推進法が制定された当時のことについて書かれています。
「総理首班指名」とありますけれども、これは岸田総理が首班指名されまして、今の小林鷹之自民党政調会長が初代の経済安全保障担当大臣に任命されて、この経済安保推進法が制定されてきた。
ここを御覧いただきますと、11月26日というところに「経済安全保障法制に関する有識者会議」というのがございます。渡井先生には実はこちらの有識者にもなっていただいておりまして、今日に至るまでずっとお世話になっているというものでございますけれども、こういった会議での議論、提言も踏まえまして、今から4年前、2022年の5月にこの法律が成立したという経緯でございます。
この法律の中身でございますけれども、次のページに行っていただきますと、現行法では4つの制度が含まれています。
この4つの制度についてなんですけれども、そもそも経済安全保障推進法の目的といいますものは、我が国の、あるいは我が国経済の自律性を向上していく。他国に依存しないということですね。それから、我が国、あるいは我が国経済が優位性・不可欠性を確保していく。これは言葉としては若干分かりにくいんですけれども、我が国の技術、あるいは経済がほかの国に対して優位である、あるいは、ほかの国からしてみると日本の技術がなくてはならないといったような、優位性・不可欠性といったものを確保していこうということを目的として、現行法では4つの制度が設けられております。
簡単にだけ紹介いたしますと、1つ目がサプライチェーンの強靱化ということで、こちらは、ここにありますけれども、特定重要物資というもの、下に米印でありますが、抗菌薬であるとか、肥料であるとか、あるいは次の行にあります重要鉱物といったもの、物資を指定して、こういった物資を生産する、あるいは備蓄するという事業者の計画を認定し、それに対して助成していく、補助金行政をしていくという内容でございます。これまで16物資を指定して、総額2.5兆円を予算措置いただきまして助成をしてきているというところでございます。この措置を通じて、我が国に物資がしっかりと供給されてくる、あるいは備蓄されてくるという状況をつくるということを目的としております。足元、現下で中東情勢が動いているところでございますけれども、まさにそういったことを想定しながら制度設計してきたものであるというものでございます。これが1つ目です。
それから、2つ目の制度として、基幹インフラ役務の安定的な提供の確保という制度がございます。こちらは、助成措置ではなくて、いわゆる規制措置という形のものでございまして、下に電気、ガス等が並んでおりますけれども、この15分野について、これらは国の国民生活にとっての基幹インフラであるということで、15分野を指定。そしてさらに、その中でも数値基準を設けまして、非常に大きな企業だけ──ですので15分野で計257社になりますけれども──を事業者として指定して、この事業者については一定の行為を行う場合には事前届出をしていただくという規制措置です。その一定の行為といいますものは、こういった事業者が業務を行っていくに当たっての中心となります設備といいますかシステム、例えば鉄道運行システムといったようなもの、あるいは電力の供給に関するシステムというようなものですけれども、そういった各企業の基幹的なシステム、こういったものを新たに導入する、あるいは導入しているシステムの運営を外部の事業者に委託するという場合に事前届出をしていただく。事前届出をしていただいた上で、当局としては、これに外部からの影響がないか、不意にサイバー攻撃を受けてしまって止まったりということはないかということについてのチェックをさせていただくという制度でございます。
3つ目が先端的な重要技術の開発支援という制度でございまして、こちらは総額で5,000億円を確保させていただきまして、国により特に経済安全保障上重要と考えられる技術開発について支援をしてきているというものでございます。
最後が、4つ目が特許出願の非公開という制度でございまして、こちらは、特許出願というと通常は公開される、公開することによって人がまねできないということになるわけなんですけれども、この制度を一定の場合には非公開にするという、そういう制度でございます。
これらにつきまして定めているのが現行の経済安全保障推進法と。今回の改正は、これにもう1つ、5つ目の制度として、この後、紹介しますけれども、海外事業の展開支援を行っていくという制度を設けるという内容でございます。
次のページに行っていただきまして、ここからは、すみません、現行、今申しました4つの制度についてのそれぞれ概要資料になりますので、この後、必要であればまた紹介しますけれども、一旦割愛させていただきまして、ページで申し上げますと、19ページまで飛んでいただきます。
順番、本当はこちらを先に紹介したほうがよかったのかもしれないんですけれども、19ページは、政府による経済安全保障の推進ということで、「経済安全保障」、ワードとしては大分流布しているところではあるんですけれども、これを政府としてどのように推進してきているかという全体像でございます。
左のほうから、「自律性の向上」、それから真ん中に「優位性・不可欠性の確保」、右に「国際秩序の維持・強化」と並んでおりますけれども、こういった3つの柱、この3つの方向性の下に、目的としては国家及び国民の安全を経済面から確保すべく様々な施策を実施していくのであると。
その観点で、ちょっと分かりにくいんですけれども、左下のほうに水色で引いてあるところ、ここの4つ、「基幹インフラ」「サプライチェーン」「特許出願非公開」「官民技術協力」、この4つが今、経済安全保障推進法の下で実施している施策ではあるわけなんですけれども、経済安全保障の推進といった場合には、この4つにとどまるものではなくて、ちょうどページのど真ん中にありますけれども、外為法上の審査、投資審査につきましても、広い意味で言えば経済安全保障の推進に位置づけられるものというふうに捉えているものでございます。これが全体像でございます。
次のページ以降が今回の改正に向けてというところでございますが、問題意識としては、制定から3年たって、昨年の夏ぐらいからしっかりと検討しなきゃいけないということで問題意識を持ちまして、検討を進めてきたというところでございます。
国際情勢が変化していること。特に、2行目にありますけれども、グローバル・サウス諸国のプレゼンスが非常に大きくなっているといった状況。それから、その次のパラグラフですけれども、技術の進展、技術開発競争というものが非常に激化しているといった、そういう状況というものを踏まえて、改正の必要性というものについて検討してきたという経緯でございます。
次のページ以降が具体的な今回の検討内容についての簡単な解説でございますけれども、まずは趣旨としてですけれども、先ほど申しましたとおりですが、推進法の成立から3年が経過しているという状況の中で、現状に対応していくということで、改正するということを追求していくということです。
改正内容を簡単に御紹介しますけれども、まず1つ目が先ほど申しましたサプライチェーンの強靱化のために助成金を与えていくという制度でございますけれども、現行の制度の下でできない部分というのがあるなということを確認していく中で分かってきたことがございましたので、それに対応していくということです。
①というところでありますけれども、「重要な物資の供給に不可欠な役務に対する支援」というふうに書いています。不可欠な役務というのは何なんだということなんですけれども、具体例ということでいつも申し上げているのは、海底ケーブルでございます。現行制度の下で言いますと、海底ケーブルを生産する事業者、あるいは、あまり意味があるか分かりませんけど、海底ケーブルを備蓄する事業者に対する支援というのは、現行制度の下でもストレートにできる。ただ一方で、海底ケーブルは、作っても備蓄しておいても意味はなくて、当然ながら海底に敷設する必要がある。ただ、この敷設するという部分について、必ずしも明確に支援できるような法律の体系になってございませんでしたので、そこは支援できるようにしようというのが1つの改正内容です。
それから2つ目、②のところで書いていますけれども、これは事業者間相互の連携・協力、あるいは外資から買収されるというような話があった場合に何らかできないのかということについての規定をしているというものです。この制度はあくまで助成措置、補助金の支援措置でございますので、可能な限り事業者と当局、それから関係者、金融機関等を含めて、しっかりと協力できるようなものを整備しようということで規定を設けたというものでございます。
それから、2番目に「基幹インフラ役務の安定的な提供の確保」とございます。こちらは、基幹インフラとして、先ほど電気、ガス等を並べておりましたけれども、それに加えて、医療の分野を追加しようということです。一定の大きな病院、それから、箱の①のところに書いていますけれども、医療情報基盤・診療報酬審査支払機構──これは、今まで社会保険診療報酬支払基金だったものが、昨年の臨時国会で法改正がありまして、こういう機構に名前が変わりました。名前が変わっただけではなくて、ただの診療報酬の計算をするという機関ではなくて、医療DXの推進の中心的な存在になるんだということで、我々の、マイナンバーカードの保険証になりましたけれども、そういった情報が全て集約されるということになりますので、ここのシステムは守る必要があるだろうということで、これを対象に追加するという内容です。
それから、次のページに行っていただいて、3つ目の技術開発の部分につきましても、少し支援対象を拡大しようということの改正をしている。
4番目が、今回JBIC法の改正も併せてやるという重要な海外事業の促進ですけれども、これは次のページになりますので飛ばさせていただきまして、最後、5番目でございますが、総合的な経済安全保障シンクタンク・官民協議会というものを新たに新設します。これは、ポイントは民という部分なんですよね。官だけでやはり経済安全保障というものは語れない。従来の「経済」がつかない安全保障というのは、外交・防衛の世界というのは、必ずしも民間のプレーヤーの役割というのは中心的なものではなかったという認識でしたけれども、経済安全保障というものを語っていく上では、やはりプレーヤーとして、民の特に事業者、あるいは国民一人一人も含めて、民のプレーヤーの存在というものは決して見失ってはいけない。官民連携といいますか、官民協力といいますか、そういった側面というものは非常に重視していく必要があるだろうということで、この①②という形で、シンクタンク、ここにも民間からの出向者というか、民間からの方にも来ていただきますし、それから官民協議会という形の枠組みも設けて、官民で情報共有をしながら、今ある課題もそうですし、非常に激動の状況でございますので、これからの経済安全保障上の課題というものを見つけ出し、そして対応を考えていくためのスキームというものを法律上設計するというのがこの5番のところでございます。
4番の海外事業の促進につきましては、松本開発政策課長のほうからお願いいたします。
○松本開発政策課長開発政策課長の松本でございます。
私からは、重要な海外事業の展開支援ということで、経済安保上重要な海外事業を対象に、これをより積極的に支援できるようにJBICに新たな勘定をつくったり、新たな金融ツールを使えるようにするという法改正内容でございます。
具体的にどういった事業を対象に念頭に置いているかということが最初の1の四角の中にある「特定海外事業」ということで、(1)の「国際的な輸送網の強靱化のための施設等の整備・運用」。これは海外に造る船の燃料補給のための拠点等々を今念頭というか、イメージとしては、事例としては考えております。
2番目が「重要サービスの提供に用いられる施設等の整備・運用」。これもイメージとしては海外に造る衛星通信システムの地上設備といったもの。
最後は、「重要技術の海外展開のための施設等の整備・運用」ということで、経済安保上重要な技術をちゃんと維持する上では、海外でちゃんとそれを活用して技術を維持しなければいけないということも念頭に設けている規定でして、デジタルインフラのオープンRANのシステムの導入等々をイメージとしては念頭に置いております。
こうした特定海外事業について新たな支援を受けるためには、まず、2の(1)ですけども、こういった整備をする民間事業者が特定海外事業に関する計画を作成して、主務大臣と──通常JBICは財務大臣なんですけども、この経済安保の部分については、財務大臣と、経済安全保障推進法を所管し、経済安全保障に関する施策について統一的な方向性を示す立場である内閣府の長としての内閣総理大臣という2名に認定を受けるということと、主務大臣は、この認定をするに際しては、まさに海外での事業の知見・経験を有するJBICに対して情報の提供を求めることを可能にするということで、こうした認定を受けた事業者はJBICからの支援を受けることを可能にするというようなプロセスを想定しております。
具体的なJBIC法改正の内容につきましては、この4ポツのところに書いてございますとおり、1つは、JBIC法の目的規定に経済安全保障の推進への寄与ということを追加する。現行の法律上もJBIC法の目的規定としては何点か、例えば我が国産業の競争力の維持・向上といったことや、日本にとって重要な資源の開発・取得といったものがありまして、多くのものは既存のものでも読めるのかもしれませんが、今の既存の目的規定を超えてより広範に経済安保上重要な海外事業を支援できるように、目的規定に「経済安保」という言葉を追加するということと、あと、(2)番に出てきますように、まさにこういった事業に出資等を行う上で、区分経理をして財務の健全性を確保するということで、新たな勘定を設けるということでございます。
(3)番が新たな金融ツールということだと思うのですが、既存の勘定、JBICは既に一般勘定と特別勘定という2つの勘定がございまして、一般勘定につきましては、償還確実性と、あと収支相償。償還確実性というのは、個別の融資に関する償還の確実性を確保するということ、収支相償というのは、勘定全体として収支のバランスを取るということなんですけれども、この2つを要件とする一般勘定とこのうちの収支相償のみを要件とする特別勘定というものは既存の勘定としてあるんですけれども、この新しい勘定については、より積極的にリスクを取って民間資金を動員できるように、この2つの適用は受けないものとした上で、JBICは、経済安保上重要な事業に対しては、いわゆる劣後出資とか劣後融資とか、通常の出融資よりリスクを取った上で民間の資金を動員するというような仕組みと考えております。
私からは以上となります。
○神作分科会長御説明どうもありがとうございました。
それでは、意見交換に移りたいと存じます。委員の皆様におかれましては、御発言の際には、御臨席の委員の方は従前どおり名札を立てていただき、また、オンラインで御参加の委員の皆様には、事前に事務局より御案内いただきましたとおり、御発言の意思をシステム上の挙手の機能を用いて事務局までお知らせいただければと存じます。
御臨席の委員の方から先に御発言をいただき、次にオンラインで御参加の委員の方に御発言をお願いいたします。順番が前後してしまうことがあろうかと思いますけども、その場合にはどうか御容赦をいただければと存じます。
それでは、会場の皆様から御発言をお願いしたいと思いますけども、まず、植田委員、お願いいたします。
○植田委員いつも本当に御丁寧な御説明をありがとうございます。昨今いろんなことが起きている中で、非常に大変なお仕事、お疲れさまです。今後ともよろしくお願いいたします。
私のほうからは、この御説明で非常にいろんなことを理解しております。ただ、ちょっと、どっちかというと感想なのかもしれませんが、思ったことがあってですね。
経済学的に言うと、というか、普通に言ってもそうかもしれませんが、短期と長期の視点というんですかね。
これは毎年毎年、もしくは毎月毎月、毎週毎週かもしれませんけども、それぞれ今日御説明をいただいたことは確かに筋が通っているんですね。恐らくこれまでも、筋が通っていることは、やはりここで議論して、皆さん理解してきていると思うんです。ただ、一番最初にこういうものが始まったとき、第1次トランプ政権のときぐらいだったような気がしていますけれども、やはり長期的に見て本当に行き着く先は何なのか。つまり、ぱっと見てみますと、今日も中国と日本の話が入っていましたけども、それぞれが確かに合理的な動きを短期的にはしているようなんですけれども、やはりある意味で第二次世界大戦前の状況をどうしても思い浮かべてしまうんです。少しずつ互い互いに規制強化というか、より厳しい壁を立てていくというか、そういうような動きがやっぱり見えている。ただ、そのときそのときのデシジョンは、やっぱりいろんな国、日本もそうでしょうけども、合理的に行っているようなんですけども、短期的に合理的なことが、本当に長期的にいいことなのかということをどこかで考えてみる必要があるんじゃないかと思います。
これは何度も繰り返していろんなところで、私もここでも言っていると思うんですけれども、長期的には、例えば経済安全保障として言われる自律性というところも、本当はやはりそうじゃないはずですよね。石油なんかは、どう考えても自律的に提供されえないのは明らかなんですけども。レアアースも、もちろんたくさん日本国内で出てくればありがたいんですけども、それはもうどうなるか分からないわけですし。いろんな意味で、各国がそれぞれの国ではできないものをあきらめ、もしくは得意なものに特化して、その特化した得意なものを貿易し合うというのが本来の世界経済及び各国の繁栄です。そういうことができるような国際経済システムというか、国際政治環境というのをやはりつくる努力は、特に日本は資源がないという意味でもしないといけない。その中で、短期的に合理的なことだけで動いていいのかというのは、何度も言いますように、毎回毎回の御説明、非常に合理的で筋が通っているので、これは認めざるを得ないと私は思っていて、今日もそうなんですけれども、本当に長期的視野に立ったときに我々はいい方向に進んでいるんだろうかというのは、やはり考えないといけない視点だなと思います。
JBIC関連である意味で1つ気になったのも、新しく新勘定ができるのは、当然、まさに今の状況で合理的だと思っているんです。筋が通っていると思うんです。ただし、この一方で、もしJBICが、新しく予算をもらうのならいいのですけれども、今まで使っていた、いわゆる本来の発展途上国、非常に貧しい国のようなところとか、そういうところの発展を手助けするような趣旨における国際協力銀行の業務の部分の予算が削られるとかというふうになってくると、これはまた長期的なことを考えると心配です。そういう貧しい国にこそテロリストが出てくるわけですし、また、そういう貧しい国がより繁栄していく中で、行く行くはまさに自由民主主義の陣営に来てくれるかもしれないのを、もしかしたらそれをちょっと遅くするかもしれないというのもあるので、当然のことながらそういうところにも予算をしっかり今後も出してもらいたいわけです。その一方で、国の予算というのも限りがあるので、それをどうするのか。いろんな意味があると思うんですが、いろんな意味で、長期的な視野を忘れずにやっていただけたらなというのが要望です。
それから、全く話が別なんですが、今日、全く話が出ていなかった件で、1月から今日までの間に何となくメディアをにぎわしていたニュースについてです。ソブリン・ウェルス・ファンドがどのこうのというニュースを時々見かけていて、私もニュースでしか見たことがないのですけれど、そのときに外為特会を使うだのどうだのと聞いているんですが、それは、今どういう状況か私は知りませんけども、本来やはりここの審議会の場でもしっかりとどこかで決まる前に話し合うべき話ではないかと思っていまして、もしそういう方向で何らかの形で動きがあるのであれば、少々御説明いただければありがたいと思います。
以上です。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
既に多くの委員の皆様から御発言の御意思を示していただいております。時間の関係もございますので、いつものように、まとめてご質問をいただき、その後、まとめて御回答いただくということにいたしたいと存じます。
それでは続きまして、江藤委員、どうぞ御発言ください。
○江藤委員ありがとうございます。今回、非常に、改めて状況が変わってきているので、さらにフェーズを上げて経済安全保障を考えるタイミングなのだろうと思いながら伺っておりました。
私からは、今お話の中に出てきたエネルギーとレアアースということがやはり目下非常に大きな問題であると思うんですが、中国を見ている視点からお話しさせていただくと、捉え方が少し異なっていいのではないかと思う部分があります。いずれも、今、非常に中国に対して、レアアースの案件があるということ、デュアルユース案件があるということもあって、厳しい見方が広がっていて、フリーチャイナの動きが続いていると思いますけれども、しかし、10年後、20年後の中国との付き合い方を考えたときに、付き合い続けなきゃいけない部分というのが恐らくエネルギーとして出てくるのではないかなというふうに思っております。
というのは、今、中国、西電東送という形で言われているように、内陸部でのソーラーパネルとグリーンエネルギーを使ったエネルギートランジションを進めている。EV、ソーラーパネル等のもともと中国が狙いを込めて展開してきたこういった部分での技術というのは、やはり非常に進んでいるものがありますし、政策として後押しをしていますので、アメリカがやはり石油中心型の国家に回帰しようとしているところで、中国はいわゆる電力国家を目指しているという、非常に対比的な構造が生まれている。この大きな国際的なエネルギーの構成を考えたときに、中国のやっていることを否定し切れない部分が出てくるのではないかと。
今、足元では付き合いにくいことは間違いないですし、技術の問題がありますので軽々に協力案件をと考えにくい部分はあると思うんですが、長期的に考えたときに、アジアにおけるエネルギーはどういうふうに供給されるのかといったときに、石油価格が上がっているので、今、東南アジアでも電気自動車化が進んでいるという指摘がありますように、恐らくトレンドとしては残ることを中国は先鞭をつけてやっているんだと思います。こういった部分は、排除するよりも、参加して活用できないかということを考えることが望ましく、全般的に中国排除という動きが強まっているので、なかなかそうした思考になりにくい部分はあると思うんですけれども、その先ですよね。習近平体制は10年ぐらい続くと言われていますので、その先での国際経済の中の中国の立ち位置、恐らく今よりも経済的にも大きくなっている、軍事的にも間違いなく強くなっているという国との付き合い方として捉えたときに、経済安全保障上の戦略論の中での中国の位置づけはもう少し恐らく複雑になるんじゃないかと思います。
この部分の御指摘、実はいろんなところでさせていただいているんですけれども、エネルギーについては何かしら協力案件をプロトタイプ的につくることが可能ではないかと個人的には考えておりまして、ここはもしかするとAPEC等で案件として可能性を検討してもいいのではないかなと思っております。
以上です。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、木村委員、どうぞ御発言ください。
○木村委員御説明ありがとうございました。
私、植田先生がおっしゃった短期的な合理性と長期的に必要な視点というこの2つの考え方を非常に、今、重要な御指摘だなと思って聞いていました。
私、ちょっとそれと似たような話になるかもしれませんが、また違った角度で、主にG7関係と重要鉱物についてコメント申し上げたいと思います。
まず、G7関係ですけど、アメリカのイラン攻撃によって、日本は今、G7発足以来、極めて厳しい胸突き八丁の立場に置かれているんじゃないかというような話を今日申し上げようと思って準備していたんですけど、先ほど即時停戦という話が入ってきて、合意という話が入ってきて、これから申し上げることがまた前提が大きく変わっているので今の状況とそぐわないかもしれませんが、即時停戦の中身もまだはっきりしないことですし、今後留意すべきことということで聞いていただければと思います。
この厳しいというのは2つあって、1つは、ホルムズ海峡閉鎖に伴う原油高騰という経済的な面ですね。もう1つは、いわゆるアメリカのイラン攻撃への外交上、安全保障上の日本の関わり方という、この2つにおいて、日本は厳しい立場に置かれているんじゃないかということで、まず1つ目の経済的な面ですけど、G7でホルムズ海峡の再開及び安全な海上輸送及びエネルギーの安定供給確保を確認したということは、極めて適切な対応だったと思います。仮に供給が途絶すれば、1970年代の石油危機をしのぐ経済的ショックに見舞われるという見方も出ていますので、この安定供給の確保は極めて重要だと思いますし、その適切な対応に万全を期していただきたいと思います。その観点から、今回、G7で決められたIEAの備蓄の協調放出、これも支持できる対応だと思いますけど、これはあくまで緊急避難的な措置でありますから、安定供給をやっぱり実現するためには、最終的に停戦を実現しなければならないと。その意味で、今回、即時停戦というのがどこまで効力を発揮するか分かりませんが、取りあえず歓迎すべきことで、日本としてもこの流れを後押しするような対応に努めていただきたいということです。
ここで2つ目の外交安全保障上の問題が関わってくると思いますけど、この外交安全保障上の問題というのは、日本として微妙な問題ですけど、アメリカの行動をどう法的に評価するかという難しい問題も最終的にはらんでいます。日米同盟、基軸と考えておりますけど、イラン攻撃自体は国際法上の疑義があると。法の支配を重視してきた日本として、もう少しアメリカに自制を求める発言をしていいのではないかなと私個人的には思っていますが、何せ相手はどう出てくるか分からない大統領なので、日本が踏み込んだ発言をすることでどういうふうなものを突きつけてくるか、それが最終的に日本の国益を損ねるおそれもあるので、難しい立場にあることはよく分かります。ただ、本来的に国際的なエネルギーの安定供給というのはアメリカ自身が重視してきたもので、70年代の石油危機時に設立されたIEAも、アメリカ、キッシンジャーが提唱したと聞いていますので、エネルギーの安定供給の重要性というのは、アメリカが石油の輸出国になった今も恐らく変わらないでしょうから、今回の停戦の動き、これの永続化というのは必要なので、これを最終的に日本としてもアメリカに働きかけていただきたいということはあります。
それとあと、重要鉱物に関しては、サプライチェーンの強化、これは日本の国益を考える上で極めて大事な案件だと思います。特に御説明があったように、中国がレアアースを経済的な威圧の手段として使っている、特に環境や人権を無視するような体制で極めて安い価格のレアアースを生産し、国際シェアの大半を握っているということは極めて不当なことだと思いますので、こうした動きに対して日本が同志国と連携してサプライチェーンを強靱化することは意味のあることだと思います。
その上で、1点教えていただきたいんですけど、8ページにある「国境で調整される価格フロア」、フロア自体は中国の不当な低価格を是正するために必要だと思いますけど、このフロアを具体的にどう実現されるのか。国際的な公定価格をつくるのか。ウクライナの後でもオイルでプライス・キャップとかという話もありましたけど、果たしてそれがどこまで実効的に機能しているかどうか定かでないところもありますので、そうした国際的なフロアというのはどういうふうにできるのかというのは、まだイメージが具体的に固まっていないかもしれないけど、もし差し支えなければ教えていただければというのと、このフロアを実現する手法の1つとして、協調関税案というのも検討されているというふうに一部で報じられていますけど、この協調関税というのを仮にやるとすれば、国際ルールに適合した関税となるのかどうか。法の支配を重視する日本としての立場にも関わると思いますので、もし差し支えなければこれに関連した考え方も併せて教えていただければと思います。
以上です。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、佐藤委員、御発言ください。
○佐藤委員では、私から感想等を述べさせていただきます。
まず最初に、非常に簡潔に過去大体3か月ぐらいの動向というのを整理して説明していただきまして、ありがとうございました。かなり状況をもう一度思い出したり、クリアに理解することができました。
私からはG7関係で1つなんですけれども、この会議に参加する前に、ここに来るまでにニュース等をチェックしていると、先ほども御説明がありましたけども、たしか2週間停戦すると。それに反応してマーケットがどうなったかというと、株価は日本の日経平均が2,000円以上上がって、ドル円も1ドル158円台ぐらいじゃなかったかと思うんですけど、ちょっと下がった。そういうふうに大きく反応して、原油価格も1バレル97.8ドルだったと記憶しています、ここに来る前は。よいことが起こっているというか、マーケットが安心しているわけですけれども、例えば原油価格に関して言うと、1バレル97.8ドルというのは非常に高い。日本にとってはもう極めて厳しい状況で、全く安心できない。しかも、それはWTIなので、ドバイのほうの価格というのがもっと日本にとって重要だと思うんですが、この価格差は大きく違いますので、決して安心できない状況じゃないかなと。イラン侵攻が起こる前の例えばWTIで1バレル50から60ドル台ぐらいというのがぎりぎり日本の貿易収支が何とか赤字を拡大せずに済む、均衡というか黒字に向かって進めるような水準だったと思うわけですけれども、また一気に状況が変わってしまって、2週間の停戦とはいえどうなるか分かりませんし、仮に停戦が実現しても、中東諸国、いろんなところで石油関連の施設が破壊されていることがありますので、容易に戻らない状況かと思っています。
こうした中で、やはり短期的に言うと簡単にはこの状況を解決できない。原油価格がこういう状況であるとすれば、あるいは供給もまだまだ絞られた状況であるとすればマーケットは何を考えるかというと、一段の円安というところを考えることになると思いますので、やはり日本の金融政策、非常に心配して ずっと見ております。決してビハインド・ザ・カーブにならないように動いてほしいと、そういう希望は持っておりますが、これに関しては事態を注視するしかないと。そういう非常に短期的に厳しい状況だということを今回の2週間の停戦が合意されたとしても私たちは強く意識しなければならないんじゃないかという、そういう感想をまずG7関係で持ちました。
今のが1点目でございます。すみません、ちょっと感想になりましたが。
2点目の重要鉱物ですけども、委員の先生方から幾つも御指摘がありましたので、ちょっと簡潔に懸念点というか心配なところだけ申し上げると、例えば7ページぐらいで、様々な形でレアアースに関して協力していくと、先進国間で。そして、そのときに短期・中期・長期で取り組むべき政策の考え方を提示するというのが7ページにあるように思うんですが、ここで述べられていることを通じて感じたのは、やっぱりどちらかというと短期的にはあまり解決できない、これから少し長いスパンで考えていく対応策だろうと感じました。やっぱり短期的に何もしないでいいのか。民間部門がある程度の備蓄があるとはいえ、そこはどういうふうに考えているのかというのが、ちょっと私、ここは詳しく情報を持っておりませんでしたので、もし御存じであれば短期的にどういうふうな政策があり得るのかということも教えていただけるとありがたく思います。
あともう1点だけ。これは質問になりますが、JBIC法の改正のところですけれども、たしか一番最後のページだったと記憶しています。一番最後のページ、23ページの1から4のうちの4の「JBIC法を以下のとおり改正」するというところで、(2)や(3)のところ、特に(3)ですかね。簡単に言うと、収益性を度外視してJBICがリスクを取るということだったように理解しました。これはある方向から見ると大きな進展のようにも思えますが、一方で、何らかの制約を課しておかないといけないのではないかなという、ちょっとそういう懸念といいますか心配な点もあります。JBICがリスクを取って、あと民間資金の動員を図るというのは、確かにJBICがリスクを取って民間を引っ張っていくという側面はあり得るのかもしれませんけど、むしろ民間もちょっと慎重になって、実際に本当に民間資金の動員までいくのかという、そうした疑問といいますか懸念も持ちましたので、もし私の理解が少し間違っていたりとか、あるいはこういう考え方でいるというふうな追加の情報がありましたら、御説明いただけると大変ありがたく思います。
以上です。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、渡井委員、どうぞ御発言ください。
○渡井委員ありがとうございます。渡井でございます。
私は、経済安全保障推進法の改正と外為法の投資規制についてコメントさせていただきます。
政府による安全保障の取組が非常に重要であるのと同時に、外為法の特にコア業種との関係では、投資の推進とのバランスが課題として出てくるものと思います。
そこで、投資審査においては、これまで以上にリスク軽減措置を求めることによって、個別案件のレベルでの調整を図るケースが増えてくるのではないかと想像しております。
リスク軽減措置の内容は、当事者以外には基本的に見えるものでもなく、公開にもなじまないものでもあるでしょうが、そうであっても、予見可能性の確保は非常に重要であると考えております。リスク軽減措置が投資の実現において鍵となる、そういうものであればこそ、これまでにも申し上げてまいりましたけれども、リスク軽減措置の典型的な手法ですとか在り方について、予見可能性の見地から、情報の開示や分かりやすい御説明をお願いしたいと思っております。
以上でございます。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、清水委員、どうぞ御発言ください。
○清水(剛)臨時委員清水でございます。御説明どうもありがとうございました。
私のほうから、佐藤委員とかなり重なるのですが、JBIC法の件でちょっと気になった点がありましたので、お伺いできればと思っております。
先ほどの話のとおり、償還確実性・収支相償の原則を外すということですので、リスクを取るというようなことになると思うんですが、1つは、まず資金源との関係が気になったところでありまして、私が勘違いしていなければ、JBICは多くは債券による資金調達をしているかと思うのですけども、そうでありますと、債券による資金調達を行って、それに対してリスクを取るというのは、若干ミスマッチが起こり得る話であるわけです。
かつ、それに対して劣後出資ということですので、リターンも後でとなってくるということになりますと、もちろんJBICは営利を目的としているわけではないわけですけども、何かを間違えると損失が膨れ上がるようなことも考えられなくはないわけでありまして、そうしますと、JBIC本体の健全性にも関わるような話になろうかと思いますので、そこに対して、あまりモニタリングという言葉は私は好きではないのですけれども、何らかのチェック機能と申しましょうか、あまりおかしな使われ方にならないような仕組みというのが必要というか、何らかの方法は必要かというふうに思ったのですが、その辺りについてお考えを伺えればというふうに思っております。
以上でございます。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
それでは続きまして、オンラインで御参加の委員の皆様から御発言をいただきたいと思います。
初めに、杉山委員、どうぞ御発言ください。
○杉山委員ありがとうございます。杉山でございます。
御説明をいただきまして誠にありがとうございました。特定重要物資の指定についてお伺いいたします。
現在、特定重要物資として16品目が指定されておりますが、技術革新や国際情勢の変化に伴ってサプライチェーン上のリスクも変化していくものと考えられます。今後、追加的な指定を検討する可能性のある分野や物資について、現時点での政府の考え方がございましたら御説明いただければと思います。
以上でございます。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、五十嵐委員、どうぞ御発言ください。
○五十嵐委員ありがとうございます。
本日は、足元の国際情勢の変化を踏まえて、重要な課題についてご整理いただきましたことにつき、事務局の御尽力に感謝申し上げます。
私からは、資料19ページ、投資審査の全体像の図の中央部分、外為法上の投資審査に関連して2点発言させていただきたいと思います。
第1点目は、外為法上の指定業種の在り方についてでございます。指定業種の見直しを検討される場合、対象に該当するのかどうかの判断が実務上難しく、運用に不確実性が生じるリスクがあると理解しております。他方で、例えば、インフラ事業者へのサービス提供や政府調達上重要な事業など、安全保障上は重要であるにもかかわらず、現行の枠組みでは必ずしも十分にカバーされていない領域も存在し得ると認識しております。
この点につき、以下の3項目をご検討いただきたいと考えております。まず、(1)産業分類ベースでの業種指定の在り方そのものについて今一度再検討のご議論をいただきたいと考えております。次に、(2)所管が必ずしも明確ではない新しい業態やデータ関連分野などについても適切に対象としていくことに御留意いただきたく存じます。最後に、(3)重要性が必ずしも高くない事業に関しましては、今後導入される予定の事後的な対応も含め、メリハリある見直しということを御検討いただきたいと考えております。
第2点目は、投資審査の実務運用に関する直近の状況についてです。直近の投資審査の実務につきまして、企業の代理人弁護士としての関与や他の実務家からの見聞をふまえますと、近時、特にリスク軽減措置を求められる事例が従前と比べて増加していると認識しております。その結果、審査期間が長期化するケースも増えており、投資案件のスケジュールへよろしくない影響が生じているとの指摘もなされているように思います。こうした点を踏まえまして、2項目ご提案ですが、まず、(1)リスク軽減措置が真に必要な事案の見極めに関して、予見可能性の観点から、基準の明確化や、情報発信の充実の余地がないか、ご検討いただきたいと考えております。また、(2)当該措置を適切かつ効率的に実施するための体制整備について、今後の運用の在り方をどのように整理されていかれる方針なのか、もし今時点でお差し支えない範囲でお伺いできるお考えがあればお聞きしたいと思います。
続きまして、資料のページの順番に沿って幾つかコメントいたします。まず、資料6ページ、中国による輸出管理措置についてです。本資料に分かりやすくおまとめいただきましたとおり、デュアルユース品目を中心に対象範囲が広く、また再輸出規制の導入によって第三国経由の取引にも影響が及び得るということで、実務上の重要な論点と認識しております。特にサプライチェーンの上流を含めた場合の対応の水準その他につきまして、現時点での政府としての基本的な考え方がおありでしたら、可能な範囲でご教示いただければと思います。
続きまして、資料7ページ以下のレアアース及び重要鉱物関係についてです。対中依存度をスピード感を持って引き下げていくこと等の方針は重要であり、価格フロアや国際的な連携の進展、日本の従前の経験の共有等の取組は、中長期的に意義が大きく重要な試みと理解しております。一方で、他の委員の方々からも御指摘がありましたとおり、短期的な目線においては、やはり企業における調達実務、例えば調達コストや供給安定性への影響などとの整合性も重要と理解しております。国際的な協調関係の中で今後検討する、今後の課題ということかもしれませんが、例えば価格フロアや共同投資の枠組みと長期オフテイク契約等との関係について、どのような整理を御想定されているのか。具体的には、価格フロアと既存の長期契約との関係や、公的な関与と民間のリスク分担の考え方、あるいは既存の契約の見直しの必要性といった実務に影響の大きい問題点を含めまして、現時点の御整理があれば御教示いただければと思います。
最後に、資料23ページ、経済安全保障推進法やJBIC法に関する法令の見直しについてです。経済安全保障推進法の成立から3年ということで、その後の状況変化を踏まえた多面的な見直しの方向性を示していただいていると理解しておりまして、非常に重要な試みと感謝いたします。その一方で、例えば重要な物資や重要な海外事業の範囲や判断基準については、企業側から見て必ずしも明確ではない場面もあると認識しております。他の委員からも御指摘がありましたとおり、やはり可能な範囲での予見可能性の確保と情報発信の充実を是非お願いしたいと思います。外為法に基づく対内直投に関する見直しに関する議論においても、複数の委員から何度か御指摘のあったところですが、経済安全保障推進法及びJBIC法の見直しにおいても同様に、心がけていただくことが必要かと思っております。
以上でございます。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、オンラインで御参加の清水委員、どうぞ御発言ください。
○清水(順)臨時委員本日はどうもありがとうございます。
皆様方からたくさん意見が出ているので、私も実は植田先生と同じで、この1年間、トランプ関税から始まって、今年に入ってイランの戦争ということで、アメリカ発でいろいろな大きな影響を日本経済が受けているということの、波に押されてやはりその場その場でやらなければいけないことがどんどん起きてしまって、後手後手に回っているような。というか、日本が本当は何をやるべきかということがあまり明確に世界に伝わらなくなっているようなことを本当に危惧しています。例えば、四、五年前であれば、この外為審の中でもこういった声明の中に必ず日本が自由貿易を死守するみたいな、自由貿易の覇者としてみたいな文句が必ず入っていたと思うんですが、関税導入後はそういった文言も消えてしまっていて、やはり長期的に日本経済が世界に対してどういったスタンスを発信するのかということが植田先生と同様に私も重要だと思っております。その辺りを、どうしても対米に対する政策という形、あるいは中国との関係悪化に対しての対応ということに終始してしまわないで、アジアの一国として世界に、日本がどのようなスタンスであるべきかということをぜひ念頭に置いて政策を考えていくべきだと私も常々思っております。
その観点から申し上げまして、1つ意見と質問があるんですけれども、今回御説明いただいた日韓の資料があったかと思います。こういった世界経済にいろいろアメリカ主導で問題が起きてという中で、3月に日韓財務対話をしていただいたということは非常にありがたいことだと思っておりました。やはりアジアの中で日本が隣国といろいろ協調していくという姿勢を見せていくということは非常に重要だと思っております。こうしてウォン安・円安に対して2か国で協調するというようなことも、片山財務大臣が発言されていたということも非常にいいなというふうに思っておりました。その点で、踏み込んでこういうことは言えないかと思うんですが、実際に円安が、先週とかは160円を超えるというようなことで、介入みたいな発言とかもあったと思うんですけれども、新たに、日米だけではなくて、韓国と協調してそういった通貨安に対応するというようなこと、その点において何か御意見がありましたら教えていただければと思います。
また、その際に、ここでも書かれております「チェンマイ・イニシアティブの実効性を高め」ということもありまして、こういった世の中だからこそASEAN+3。ASEAN+3というのは、実はこの中に中国が入っているので、ASEAN+3で、今年、日本がフィリピンと共に議長国になっているということであるとすれば、やはり中国も含めた形でアジアの経済安定のためにさらにこの取組を強化していくということをぜひ進めていただきたいと思っております。
アジア債券市場育成イニシアティブの次期ロードマップにつきましても、やはりアジアが成長が進んできて、いろいろな運用先、アジアの中でアジアの貯蓄をアジアに運用するということをさらに強めていくいい時期だとも考えておりますので、特に今年のチェンマイも含めたASEAN+3での取組で何かさらに新しいことを考えていらっしゃるのであれば、ぜひその点についてもお伺いしたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、オンラインで御参加の原田委員、どうぞ御発言ください。
○原田委員ありがとうございます。時間もあるかと思いますので、私のほうからは、JBICの新たな特別勘定に関することについて1点だけ申し上げたいと思います。
JBIC法を改正して、特別勘定に新たな勘定を設けて特定の海外事業の業務に出資をするという新設の制度を御説明いただきました。この特別勘定は、先ほどの御説明ですと、償還確実性を求めないなどというふうにお話がありました。非常に公的なイメージが強い、また、この特別勘定が大きくなっている現状であるというふうに理解をいたしました。この新たな制度に関してだけではない話にはなるかと思いますけれども、補助金のように使われないということですとか、政策には透明性を求めるですとか、そういったことにも注力していただきたいなというふうに考えました。一般勘定のほうがまだずっと大きいとは思うんですけれども、一般勘定のほうでは、財投資金も活用されてはいますけれども、市場調達もしているところであります。会場参加の清水委員もこの点おっしゃっていらっしゃいましたが、JBICは財投機関ですので、財投機関債を発行しています。つまりは市場での評価を受けているということになりますので、市場の資金調達に影響が出ないように、特別勘定の規模感ですとか、民業サポートに徹するですとか、政策の透明性を上げるですとか、そういったことを心がけていっていただければというふうに思っております。これが1点申し上げたいことになります。
あと追加で、ほんの一言だけなんですけれども、オンラインで御参加の清水委員が先ほどおっしゃった今年3月の日韓の対話につきまして、隣国とのよい関係をキープするというのは非常に重要なことだと思いますので、こういった対話をしていただいたことに感謝しておりますし、今後も継続していっていただければというふうに思います。そう思っていらっしゃる委員の方はほかにも大勢いらっしゃるかと思います。
以上になります。ありがとうございます。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、オンラインで御参加の大野委員、どうぞ御発言ください。
○大野臨時委員ありがとうございます。
では、私も、ほかの委員の方々の発言の内容と重複してしまうかと思いますけれども、JBIC法の改正につきまして質問させていただきたいと思います。
このたび、JBIC法を改正して、償還確実性を求めない形でJBICが出資の業務を拡大させていくということが可能になるというような御説明をいただきました。
それで、ほかの委員の方々からも、この点に関して懸念の御意見等があったかと思います。私もその点につきましては疑問も持っているところではございますけれども、一方では、経済安全保障の推進においてJBICが果たす役割というのも大きいというところもあるかと思います。その上での法改正であるというようにも理解しております。
そして、劣後出資を供与できるようにしたということと民間資金の動員を図ると書かれていますが、この点が無尽蔵に、政策目的を優先して何でも引き受けてしまうというようなことにならずに歯止めをかけるような仕組みになるのではないかとも思いました。民間資金の判断を導入することによって、経済合理性があまりにも求められないような案件を引き受けてしまうといった事態を回避できると。民間資金が入ってこないのではないかというような御懸念、佐藤委員からもあったかと思いますけれども、逆に、民間資金の動員を図ることによってリスク回避を図れるということにもなるのではないかというように思いましたが、その点につきまして何かございましたら伺えればと思います。
あともう1つ、JBIC法改正に関することなんですけれども、昨今の状況でこういった公的資金の役割が非常に大きくなっているという状況がございますが、ということで、JBICが関与する案件の数というのも今後ますます拡大していく。しかも、関与する案件の内容が変質していくというようなことにもなるのではないかと思います。そういったときに、JBICは少数精鋭集団ということで、海外事業についても非常に知見・経験を蓄積している方々だというように思っておりますが、ただ、案件が増えていく、あるいはこれまでの事案とは異なるものを扱っていくというようなことになった場合に、JBICのボトルネックといいますか、キャパシティの問題のようなものが発生しないのかどうか。それがめぐりめぐって経済合理性が非常に不安視されるような案件を引き受けてしまうといったリスクにつながっていきやしないかといったような懸念はないのか。その辺りについて伺えればと思います。
以上です。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、オンラインで御参加の伊藤委員、どうぞ御発言ください。
○伊藤(由)専門委員御説明ありがとうございました。質問ではなくコメントになります。
21ページに書いてあります医療分野を基幹インフラとして設定するという経済安全保障推進法の改正案について、コメントしたいと思います。非常に部分的かつ短視眼的かつ財務省の業務に直接関係ないので、大変恐縮ではあるんですけれども。
こちらの具体的に基幹インフラ役務のために何をするのかということを読んでみますと、結局、医療機関が重要な設備を導入したり、医療機器ですとかシステムを入れたりするために、事前に審査をするというような内容になっております。初め、医療関係者は、基幹インフラに医療がなったというときに、あ、じゃあ、補助金が来るのかとぬか喜びした医療関係者もいるぐらいだったというようなことを踏まえると、大分ちょっと現場のインセンティブとは矛盾しているというか、インフラに指定された挙げ句、審査が厳しくなって、システムの導入が遅れたりですとか、欲しかったものが買えなかったりですとか、そういった現場の医療の混乱というのもあり得るのかなというふうに思いまして、役務インフラの確保というのがいろんな形であると思うんですけど、やっぱり単純な規制強化だとなかなか結局現場はついてこられないのかなというのを思っております。
まず、本質的な安全保障というのは、まず予防すること、それから何か異常があったときに検出すること、そしてその異常に対して対応することという、総合的な意味での体力というか筋力というか、そういうところがより現場に浸透しなければいけないものであるのに対して、どうしても審査をすればよいというような形に逆になってしまうのは、かえって安全保障の本質を損ねるのではないかというような懸念を持っております。
あと、やっぱり医療現場というのは、ここにも書いてあるとおり、一定の病院が行う業務というふうに書いてあるので、病院関係者としては、「一定の病院」にうちはなるのかならないのかみたいなところが非常に難しいところになって、できればなりたくないみたいなことになってしまうと。そういう意味でも、医療を安全保障の大事なポイントとして位置づけること自体には異論がないんですけれども、具体的に何をやるのかという議論がちょっとまだ不十分な印象を受けていて、これがどういう影響を結果的にもたらすのかというのは、もう少し注意深く検証する必要があると思っています。
かつ、医療現場というのは、現場に分散しているデータが多様なので、どこかの病院が攻撃を受けたところで全国が破綻するわけではないんですけど、例えば同じ社会保障分野で年金とかになりますと、年金は1個システムが崩れると全高齢者の現金支給が停止するなんていうこともあり得ますので、これはもう物価高どころの比ではない騒ぎになりかねないということも考えると、民間にこれをあれする、これをあれするというようなことではなくて、国の中でもっとお金を使って強化しなきゃいけないもの、人材を投入して得なければいけない知見というのは別にあるのかなというふうに思っておりますので、そういった状況を今後精査する必要があるというようなコメントを申し上げたいと思います。
すみません、ちょっと全体的な論点に関わっていないんですけれども、以上となります。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
たくさんの御意見や御質問をいただき、誠にありがとうございました。
それでは、委員から頂戴した御質問等につきまして、事務局より回答ないしコメントをお願いいたします。
それでは最初に、池田国際機構課長からお願いできますでしょうか。
○池田国際機構課長ありがとうございます。
それでは、私のほうからは、G7を中心とした多国間協調の点について、植田委員、木村委員、江藤委員、佐藤委員、そして清水委員など、皆様からいただいたコメント、メッセージに対してこちらの見解を述べさせていただきます。
まず、短期的に様々な事象が起こっている中に、それに対して反応、対応するだけではなくて、長期的な視点を持って取り組んでいくべきではないかと。そうした文脈の中で、例えば対米関係重視、それから対中対抗というのは大事なのかもしれないけれども、それにとらわれ過ぎることなく長期的な視点を持って取り組むべしというメッセージをいただきました。大変重要なことだと思っています。
そういう意味で、このサプライチェーンの問題ですとか、あるいはG7でかつて入った「自由貿易」、これを推進するとか、こういったメッセージ、日本が推してきたメッセージが入っていないという部分について少し長期的に振り返ってみますと、例えば3.11のときにサプライチェーンが分断した。同じ年に起こったバンコクでの大洪水、ブレグジットでイギリスとヨーロッパとの間での物流の混乱、そしてコロナですね。そして、ロシアのウクライナ侵攻、その萌芽は2014年のクリミア侵攻という、ある意味、長い目で振り返ってみると、この1年間で起こった、そして我々が意識していることの芽みたいなものとか大きなショックみたいなものというのは、実は長い視点で起こっているということでございます。そして、それは地政学的な観点だけではなくて、例えば異常気象ですとか、あるいは感染症、こういった様々な経済の外で起こるようなリスクが我々の経済や金融に大きな影響を及ぼしていると。
こういった非常に長期的な構造的な変容の中で、我々としてはこれまでの比較優位論、それから効率性重視といった、一言で言えばジャスト・イン・タイムというサプライチェーンから、様々なリスクに対応していくジャスト・イン・ケースのサプライチェーンを構築するために、官民を挙げて、そして政府としてどういった役割を果たしていくのかと。そういった部分で、経済的な部分、そしてあるいは外交的な面で、恐らくキーワードが「多様化」ですとか「重層化」なのであろうと。すなわち、G7だけではなくてG20もそうですけれども、そして世銀やADB、IDB、こういった地域の開発金融機関もそうですし、IMFもそうですし、こういった国際機関とうまく連携していく。そして、ASEAN+3やお話のあった日韓、それから日・島嶼国とかAPEC、こういった様々な大臣級の会合、その下にある様々な事務レベルの会合というものを我々は多層的・重層的にやっております。こういったサプライチェーンもそうですし、経済外交も含めて、多層化・重層化でリスクの非常に高い世界の中で、高いレベルで効率性と、それから強靱性のバランスを取っていくというのが恐らく長期的な方向で、そういった中で「自由貿易」という文言を推すというのが、恐らくそれだけをハイライトするということではなくなっているということだと理解しております。
それから、2つ目の点として、佐藤委員から非常に重要な御指摘をいただきました。要するに油断するなということでございます。
停戦のアナウンスがありましたけれども、これはどうなるか分かりませんし、仮に停戦したとしても、様々な天然資源の輸送、サプライチェーン、復旧には恐らくそれなりの時間がかかると思いますし、長期的な行動変容もあるかもしれません。
こういった中で、財務省、そして財務大臣の付加価値というのは、恐らく日々市場のリスクに向き合っている、市場の動きに向き合っているということだと思います。市場は、御案内のとおり、世界中つながってございますので、ここを見ている。そして、結局、何かあったときに、国内に対して財政政策、税制を活用して対応していく、そして説明責任を果たしていかなきゃいけない、こういう立場にあると。これはG7各国財務大臣共通の立場でございます。外交政策に違いはあるかもしれませんけれども、こういった共通の責任、そして立場を持っている財務大臣、そしてそれを支えるスタッフとして、それが定期的に集まるというところの付加価値を大事にしながら取り組んでいきたいというふうに思っております。
私からは以上です。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、重要鉱物関係について、春木課長からお願いいたします。
○春木調査課長いろいろと重要鉱物、また外為法のお話も幾つかいただいているので、そこを所管する私のほうでお答えしたいと思っております。
1つ、植田先生からソブリン・ウェルス・ファンドのお話もあったんですけれども、私が知っている限りで簡単にお答えしておきますと、この間の選挙でソブリン・ウェルス・ファンド創設に関する構想が話題になったように、ご関心をお持ちの方もおられるとは思うんですけれども、私の理解では、与党においてまだ制度設計の詳細等の段階まで議論されているという感じではないですし、ご指摘のあった外為特会について申し上げれば、外為特会は剰余金の一般会計繰入により既に一般会計の財政に貢献しているという、そういった事情を御理解いただいていると思いますので、まだその本格的な議論は進んでいないんだろうなというふうに思っております。
木村先生からのお話が重要鉱物の価格のプライスフロアとかのお話でございまして、アメリカのほうがいろいろ主導して、USTRがやっている話なんですけれども、なかなかその協定案というもの、彼らもまだ出していない状態でありまして、進捗状況としましては、2月の末ぐらいにUSTRが一度パブリックコメントというのをアメリカの国内で手続を進めていますけれども、3月19日がコメント締切りだったんですけれども、USTRも具体論を全然まだ出さずに、どういう手法が望ましいでしょうかというような、外の人に意見をむしろ求めるみたいな形で今進めているので、正直、具体論がまだ見えていない段階であります。ただ、ここにちょっと記述させていただきましたけども、8ページのほうですと、例えばプレスステートメントを今出していますけれども、アイデアとしましては書いていますけど、貿易政策を使うという話がありまして、これはまさに関税とかを念頭には置いていますのと、あと、それと値差に対しての補助金というのも書いておりまして、いろんなオプションが多分恐らくあると思いまして、フロアは設定するんですけれども、それが高過ぎれば補助金で下げていくということはもちろん一案あるとは思いますし、それに対して何かしら壁をつくるみたいな話がありまして、そのためには外から入ってくるものに対しての関税をかけて、そこのプライスのギャップをちょっと埋めていこうという手法もあろうかと思いますし、いろいろな組合せを今後考えて、御指摘のとおり、関税政策を取る場合には、WTOとの整合性というのは問題になってきますので、そこについても要検討というふうに思っておりまして、これからまたいろいろ考えたいと思っています。
佐藤先生からいただきました短期的な話と中期的な話というのがございまして、御指摘のとおりでして、短期で何ができるのという話なんですけども、確かにこちらは結局時間がかかるということがございまして、鉱物の話はですね。プロジェクト、結局投資したところで、発掘して、実際に物が出てくるまでに数年単位でかかってくるということになるので、そうすると、何かしら現状を変えようとすると、年単位で検討が必要で、成果もそれだけかかりますということですので、御指摘のとおり短期だけで解決するわけではございませんので、中長期的にそういったものを地道に、供給の多様化というところを進めていくのが一方で正攻法でございますけれども、短期の取組としては、先ほど申し上げたアメリカの協定案というのが1つありますけれども、やり方としては、例えば代替性が大分進んでいるもの、例えば中国への依存度が少し低いもの、個々でありますので、鉱物の中でそういった例えば代替が割と利くものにターゲットを絞って、それに対して、協定案で先ほど申し上げたような何かしら依存度を下げていく取組ということを複数国間でやっていくということは、アプローチの1つとしてあり得るかなとも思います。そういった枠組みを仮に作ろうとすると、それなりにアイデア自体は割と早く決まっていく、そういったこともあり得るかというふうに思いますので、できるものは早めにやっていきたい。そういったものの組合せなのかなというふうに思っております。
あと、渡井先生のほうから御指摘があったリスク軽減措置の関係でございまして、基本的には予見可能性を高めるというのは御指摘のとおりだと思いますし、答申案を作っていく上でそういった御意見を多数いただいていて、実際、その答申案のほうにおきましても、もう一回見返していたところだったんですけども、まさにリスク軽減措置の類型ですとか具体例をガイドライン等で示していって予見可能性を高めていくというふうに書いていただいたところでございますので、我々としてもそういったことを施行に向けてやっていかないといけないなというふうに思っていますので、何かしらまたアイデアがある程度固まった段階でこちらの外為審のほうでまた先生の御意見も伺えるような機会をつくることができればなというふうに思っておりますし、今の点は特に五十嵐先生からの御指摘のところと重複していただろうというふうに思っております。
あと、五十嵐先生からは、それに加えて指定業種のメリハリづけというところも御指摘いただきまして、これも答申のところに大分その論点というのは網羅されておったところでございまして、今眺めていたんですけども、まさにサイバーセキュリティ対策の観点で真に必要なものに限定していくというものが適当であるというふうな御提言をいただいておるところと、また、リスクが低いものにつきましては合理化を図っていったら良いのではないか、また、業種だけではなくて、重要な技術というものに着目しながら事前届出の対象にすべきか検討していくことが必要であるというふうにも答申案のほうで書いていただいておりまして、まさにそういったところを踏まえながらメリハリづけというのを進めていく必要があるかと思います。こちらのほうも何かしらアイデアが固まりましたらまた外為審で御議論いただくということも良いのではないかと考えております。
あと、五十嵐先生のほうからサプライチェーンの話もございましたが、こちらは鉱物の関係で上流の議論、こちらのほうにつきましては、先ほど申し上げたアメリカとの今の取組の連携、日米のアクションプランというものを3月19日に結んだところでございますので、そういったところが上流としての今の取組の対応の一案だというふうに考えております。
また、オフテイクをどうするのかというお話がございましたけれども、まさにそこも協定の中で、アクションプランの中でも明示されているところでございまして、アメリカの例としましては、想定されていますのが、米国のMPマテリアルズというところが実際先日、長期契約のオフテイクというのを公表しておりまして、戦争省が全量磁石を長期契約で買い取り、価格保証するといったことを公表しております。そういったことを外に公表することによりまして、需要がこれだけあるので供給のほうをまた促進していくと。そこからまた供給サイドが動き始めるといったことを狙いとして持っていますので、そういった契約内容をどんどん外に公表していくということが供給促進につながるんだろうと思っております。
私からは以上になります。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、日韓の財務対話について、評価とか御意見もいただいておりますけども、山川課長補佐から一言ございますでしょうか。
○山川地域協力課課長補佐ありがとうございます。
様々御指摘いただき、ありがとうございました。特に江藤委員からいただいた中国との関係、中国との付き合い方ですとか、あと、清水委員、原田委員から日韓の財務対話について大変心強い評価をいただきまして、ありがとうございます。
まず、池田国際機構課長からお話がありましたとおり、植田委員からいただきました、短期的な合理性だけではなく、長期的な経済理論ですとか自由貿易ですとか、そういったこともしっかり視野に入れながら政策を行っていくべきという点、我々も非常に重要だと思っておりまして、特に政府の見解としましても中国との対話の扉はオープンということでやっておりますし、我々財務トラックとしても、清水委員から御指摘いただきましたように、ASEAN+3の会合で中国とも毎回一緒に議論しているところですし、ちょうど今日も、オンラインになりましたが、次官級の会合で財務官が中国のカウンターパートとも共に議論をしているところでございます。特に中東情勢がこういう形でアジアに大きな影響がある中で、ASEANの諸国をどう日中韓でサポートしていけるかですとか、そういった点も含めて議論しているところでございます。
日米韓の枠組み、日米だけではなく韓国も含めてという御指摘を清水委員からいただいたところでございます。こちらについても、24年7月になりますが、3か国でのステートメントを出しておりまして、これも池田国際機構課長からお話があったとおり、多層化・重層化をして、様々なチャネルを使って取組んでいくということで、日米韓だけではなくて、我々地域協力課が所管しておりますアジア太平洋の地域では、例えば11月に行いました日豪経済対話ですとか、ニュージーランドとも連携を今深めているところでございまして、あとは、今回第3回になりますけど、5月に日・太平島嶼国での財務大臣会合も開催いたします。こちらについては、日本と太平洋島嶼国だけではなくて、アメリカですとかオーストラリア、ニュージーランドといった重要なステークホルダーも含めて議論していけないかですとか、これも繰り返しになりますが、枠組みを多層化・重層化させていくということで、うまく全体的にバランスを取っていけないかということで、様々取組を行っているところでございます。
清水委員から、新しい取組について御質問いただきました。ABMIですとかも含めて様々御支援いただき、本当にありがとうございます。ASEAN+3の新しい取組に関しては、前回、12月の分科会で議論させていただきました、クロスボーダー決済の議論を始めているところでございまして、あとは、RFFという緊急支援融資ファシリティについても、チェンマイ・イニシアティブの中で新しいファシリティを立ち上げて、コロナ危機を契機に議論を始めたところですけど、まさにこういったエネルギー危機ですとか、外的ショックにチェンマイとして立ち向かうために、ASEAN+3として立ち向かうためにファシリティをつくっているところですが、こういった形でASEAN+3での金融協力を拡充ですとか充実させていこうという取組を様々行っているところでございます。
私からは以上です。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
それでは続きまして、経済安保推進法及びJBIC法の改正に関しまして、小多参事官、または松本課長からお答えをいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○松本開発政策課長まず、JBIC法にフォーカスした質問について私からお答えをさせていただきたいと思います。
恐らく説明の中で新勘定の財源についての説明が抜けていたというのは、質問いただいて気づいたと。すみませんでしたということなんですけども、財源が、新勘定については既存の勘定とは別に追加的に一般会計から出資を、措置をしてもらうという構造になっておりまして、もちろん実際の新勘定での業務というのは劣後出資とか劣後融資なのでややリスクが高いということで、当然しっかりモニタリングするんですけど、やっぱり一定の損失というのは想定されるんですけども、その損失が資本金の範囲内に収まるようにすることで一定の財政上の歯止めをかけるという構造になっておりますので、何かほかの勘定の、既存の勘定のお金を食ってしまうとか、全く歯止めなくやってしまうとか、負債サイドが市場調達なのに資産サイドが劣化出資じゃ変じゃないかとか、そこら辺はちょっとそういうことで、財源面でアドレスをしているということでございます。
佐藤委員から、民間資金動員効果があるや否やといったお話もあったと思いますが、もちろんこれは新しい制度なのでという側面はあるにせよ、劣後出資、劣後融資ということで、うまくいかなかった場合には、まさにJBICの劣後出資・融資が最初にファーストロスを負担するという意味では、ほかの民間の出資者ないし投資家から見るとリスク・リターン・プロファイルというのは向上するわけで、そうした意味で民間資金の動員効果というのはあると思いますし、こうした手法というのは開発の分野でもよく使われているのではないのかなと思っております。
あとは、原田委員からあったように透明性の重要性というのはそのとおりでございますし、補助金のようにならないようにという御指摘もございましたが、劣後出資・融資を供与する以上、若干の補助金的なエレメントはなきにしもあらずなのですが、いずれにしても、そういった仮に損失が出たとしても、自己資本の範囲内とかということはしっかりと確保しておきますし、事後的なモニタリングについては、JBICのアセットサイドに残り続けるものなので、また通常の業務と同様にしっかりとやっていくということかと思っております。
あとは、最後に大野先生から御指摘いただいたJBICのキャパシティの問題というのは、これは当然よく意識はしておりまして、今、経済安保法の前の段階でも、まさに日米投資イニシアティブの関係で、JBICのリソース的には相当な負担はかかっていて、これについては今年度の予算においても相応の数、役員レベル、職員レベルそれぞれ、前例のない規模での増員というのは実現しておりまして、また、仮にこの法案が施行ということになりましたら、それを踏まえて予算当局に要求をしていくということだと我々としては思っております。
それでは、私からは以上となります。
○小多内閣府政策統括官(経済安全保障担当)付参事官(総括・企画担当)続きまして、内閣府の小多でございます。
まず、冒頭、植田先生、それから恐らく多くの先生が同じことを考えておられたと思いますけれども、短期と長期の視点という点でございます。
我々は、政策、特に法改正に向けて議論とかをしていると、どうしても現実、目の前に対してリアクティブな対応という形での対策を考えるということになりがちではありますけれども、ただ、やはりアクティブというかプロアクティブにこれからを見てということを意識しなきゃいけないということを改めてリマインドしていただいたというふうに思っております。
そういう意味で申しますと、今も報道等も出ていますけれども、これから年末に向けて国家安保戦略を含む3文書の改定ということに向けての議論というのが進んでいくということになります。そのプロセスの中でも、国際経済に限定するかどうか分かりませんけれども、国際秩序の再構成といったもの、それも念頭に置きながら、その際には経済理論であるとか、あるいは国際法の世界における整合性といいますか、それのもしかすると調整も含めてかもしれませんけれども、そういったこともしっかりと念頭に置きながら検討を進めなきゃいけないんだなということを改めて思わせていただいたというところでございます。
それから、私からは、JBIC法以外の部分について幾つか御質問をいただいておりましたので、御回答させていただきます。
まず、杉山先生から特定重要物資の指定についてということで考え方の御質問をいただきました。
現行、制度に基づきまして、今4つの要件を設けております。4つの要件、順番に申し上げますと、すみません、資料には全然書いていないんですけれども、1つが、その物資が国民の生存にとって必要不可欠なもの、または広く国民生活や経済活動が依拠しているものであるかどうかという重要性という要件。それから、その物資が海外に過度に依存してしまっているという外部依存性という要件。それから、外部から行われる行為によって供給が途絶する可能性、その蓋然性が認められるという、供給途絶蓋然性というふうに呼んでいますけれども、この要件。そして最後が、この制度による措置の必要性。つまり、ほかの制度が既にあるものに関して、わざわざこの制度を持ち出さなくてもいいじゃないかという、この4つの要件というものを満たすということが実質的な要件ということになります。
プロセス論ということで申し上げますと、各物資所管省庁とうちとで一緒になってですけれども、サプライチェーンについてのリスク点検を行いまして、特定の物資について、これがサプライチェーン上リスクがあるということについての検討をして、そして判断をして、それを決めていく。最終的な決定としては、これは法律事項ではなくて政令になりますけども、政令指定という形で定めていくということになります。一方で、これは補助金、助成金を与えて行っていくということになりますから、当然その原資が必要であるということになりますので、予算要求のプロセスと併せて、同時並行で進んでいく。予算要求のプロセスを経て、予算措置のめどが立つということになりましたら指定していくということになっているということでございます。
今申しましたサプライチェーンリスク点検のプロセスに関しましては、これは随時行っているという状況でございまして、今もまさに、このイランの情勢を踏まえてということでは必ずしもないんですけれども、具体的に常にサプライチェーンのリスク点検というのは行っているという状況でございます。
それから、五十嵐先生から、特定重要物資、あるいは今回の海外事業について、企業からすると予見可能性が必要で、どういったものであるかということについて明らかにしていく必要があるんじゃないかという御指摘をいただいております。
それにつきましては、法律だけでは必ずしもはっきりしないというところがございます。今申し上げました特定重要物資の4要件なんかにつきましても、法律ではなくて、サプライチェーンの取組についての基本方針という文書、あるいは個々の物資についてどういった取組が──具体的に言いますと、その物資を備蓄するためなのか、あるいはその物資の生産のためなのかといった、その物資に関してどういう取組であれば助成を得られるのかということにつきましては、個々の物資についての取組方針といったものを文書として作成し、それをパブリックコメントなんかのプロセスを通じて策定していくということでございますので、そういった中で、民間の事業者にとってもある程度予見可能性というものは確保されていくのではないかというふうに考えております。
何よりポイントとなりますのは、今の予見可能性という点も含めてですけれども、先ほども申しましたように、官民でしっかりと連携していくということがこの経済安全保障の観点から非常に重要であるということでございますので、官が勝手にこれが必要だからといって定めているというものではなくて、民間事業者の状況、ニーズ、それはサプライ側だけではなくてデマンド側も含めて、しっかりと話を聞きながらこれを策定していくということを進めているというところでございます。
そういう意味で言いますと、最後に、伊藤委員から医療の追加に関して病院側の御懸念という話もありました。
その点に関しましても、すみません、コメントということでありましたけれども、少しだけお話をさせていただければと思いますが、この基幹インフラ事業者に対しては、確かにこれは規制措置ではございます。そして、なおかつ申し上げると、この制度に基づいてということでのいわゆる補助金、助成金というものはございません。確かにそのとおりでございますけれども、これも我々としては、事業者との間でのしっかりとした対話を積み重ねていくことによって、御理解をいただきながら制度として執行していっているというプロセスでございます。
具体的なところで申しますと、この届出をしていただくという段階の前からいろいろと話はさせていただいておりますし、具体的にこういうことが懸念なんですよ、こういう点をチェックするんですよということについての話もさせていただきますし、実際に届出を出していただいた後も、駄目だと言って終わるというだけではなくて、こういうふうにするといいんじゃないですかと。もちろん企業秘密もありますので、他社の情報をそのまま流すということはいかないわけですけれども、ほかの事業者さんが取り組んでいらっしゃるようなものについて参考になるものを提供させていただくとか、そういった形でこれまでのほかの15分野については対話を続けてやってきていると。そして、運用の中でいろいろと直してもらいたいんだという点があれば、そこは細かい点も含めてしっかりと運用改善をしていくということ。ちょうど今ページを示していただいているところ(21ページ)の一番下の②のところで書いておりますけれども、今回の法改正の事項としても、一部事業者からのこれまでの運用の中で出てきた運用改善の意見を踏まえた改正も行いますし、法律事項じゃないレベルのものに関しては随時見直しをさせていただいてということでやっていると。
繰り返しになりますけれども、民間の事業者の方々に経済安全保障という考え方についての理解を得るということが非常に重要だという認識で我々は常に政策執行を行っておりますので、医療の関係者に関しても御理解を賜れれば幸いでございます。
すみません、伊藤先生がそうなのかよく分からずしゃべっていますけれども、以上でございます。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
それでは最後に、植田委員からいただきました短期・長期の視点について、今村次長から御発言をいただきます。
○今村次長国際局次長の今村でございます。今日は本当に多様な御意見をいただきまして誠にありがとうございました。
課長の池田、山川等々からありましたので、私のほうから簡単にお答えさせていただきたいと思うんですけど、本当に先生御指摘は全くもっておっしゃるとおりで、最近の外為審は、主に外為法の改正や経済安全保障みたいなやや短期的な事柄の御審議をいただいておりますが、それは合理的でありつつも、長期的な視点、特に自由貿易ですとか市場経済ですとか、そういうものをやっぱり軸にした政策をつくっていくべきというのは、まさにおっしゃるとおりだと思っております。我々も、例えばアメリカの関税措置が昨年あったときに、こういう対外不均衡、これをどう解消するかについて、アメリカは関税措置に訴えたわけですけど、日本は、関税措置はそうした過剰な対外不均衡を是正する手段ではないということをはっきりマルチの場でも申し上ており、そういった形で、やっぱり自由貿易体制、そうしたものが我々の政策立案にとってのバックボーンであるということは全く変わりはございませんで、これからも引き続きそうしたスタンスでやっていきたいというふうに思っております。
それから、市場経済や自由貿易体制と並んで、マルチラテラリズム(多国間主義)というのが大事だと思っておりまして、そういう意味では、IMFですとか世銀ですとか、我々の所管する国際機関の中で日本がどれだけプレゼンスを発揮しているかというのは大事だと思っております。例えば、一昨年ですか、世銀のIDAの増資、これは途上国支援ですけども、日本の財政事情が大変厳しい中で相当額の貢献をして、そういった形で、やはり多国間の中で日本のプレゼンスを発揮して世界経済の発展に貢献することが日本の国益にもつながるという、そういう形で我々は対応していることでございまして、そういった面もまた今後の外為審の機会でいろいろ我々のほうから御説明させていただいて、委員の先生の方々からいろんな御意見とか御指導を頂戴できればなというふうに思っている次第でございます。
私からは以上です。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
大変活発な御議論をいただき、誠にありがとうございました。
ほぼ時間どおりになりましたけれども、何か御発言等はございますでしょうか。
特にないようでしたら、本日の議論はこれにて終了とさせていただきます。
議事録の作成について申し上げます。これまでどおり私に御一任をいただければと存じます。その際、発言部分について、事前に御覧になりたい委員の方におかれましては、会合終了後にその旨を事務局に御連絡いただくということとさせていただきたいと思います。御連絡いただきました委員の方には、案の段階で事務局より議事録を送付してお目通しいただきます。その後1週間程度の間に御意見がない場合には、御了解いただいたものとして取り扱わせていただきます。
次回の分科会につきましては、事務局と御相談の上、改めて御連絡をさせていただきます。
本日は、長時間にわたり、また大変活発な御議論をいただき、大変ありがとうございました。お疲れさまでした。
午後0時02分閉会

