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負担能力に応じた公平な負担

 医療保険における高額療養費制度については、負担能力に応じた適正な負担とするため、高齢者のみに設けられている外来の特例措置の廃止、入院・外来を通じて高齢者の自己負担の上限額を所得水準に応じて現役世代と同水準とする見直しが必要である。介護保険における高額介護サービス費制度についても、高額療養費と同水準までの利用者負担限度額の引上げが必要である。また、医療・介護を通じて「現役並み所得」21の基準の妥当性の検討・見直しも行うべきである。これらの項目は、世代間・世代内の負担能力に応じた公平な負担の確保の観点から最優先で取り組むべきものであり、「第ローマ数字1トラック」で速やかに検討・実施すべきである。〔資料ローマ数字2−2−15、16参照(PDF:630KB)PDF
 自己負担割合については、65歳から74歳までの負担割合が、医療保険では2割となっている一方、介護保険では一定以上の所得者を除き1割となっている。両制度の均衡を図る観点から、介護保険において原則2割負担とするための改正を「第ローマ数字2トラック」で検討・実施すべきである。他方、75歳以上の自己負担割合に関しては、現在、医療保険において、平成26年4月以降に70歳となる者について、1割負担から2割負担への引上げを段階的に実施している。これにより2割負担化した世代が75歳に達する平成31年度以降に、現在の取組を連続的に延伸する観点から、75歳以上についても2割負担を原則とする見直しを「第ローマ数字3トラック」で医療・介護ともに行うべきである。〔資料ローマ数字2−2−16、17参照(PDF:570KB)PDF
 介護納付金の総報酬割化については、社会保障改革プログラム法の検討事項のうち未実施のものでもあり、現役被用者の報酬水準に応じた保険料負担の公平を図る観点から、現在の人頭割から総報酬割への移行を「第ローマ数字2トラック」で検討・実施すべきである。この他、前期高齢者納付金についても、総報酬割化による負担の公平化を「第ローマ数字3トラック」で検討・実施すべきである22。〔資料ローマ数字2−2−18、19参照(PDF:531KB)PDF
 金融資産等の保有状況を考慮に入れた負担の仕組みについて、マイナンバーに関しては、本年9月に預金口座への任意付番を可能とする改正法が公布され、付番開始後3年を目途に、預金口座に対する付番状況等を踏まえ、必要と認められるときは、国民の理解を得つつ、所要の措置を講じることとされている。こうした状況を踏まえ、マイナンバーを活用して負担能力を判定するための具体的な制度設計については、預金付番に係る見直しの検討と併せて、実施上の課題を整理し、具体化の方策を取りまとめるべきである。
 一方で、介護保険においては、本年8月から、補足給付23の支給に当たり、所得水準のみならず、本人の申告に基づき、一定の預貯金等の保有状況も勘案する仕組みが導入されている。マイナンバーを活用する制度設計前であっても、例えば、医療保険における入院時生活療養費等については、同様の仕組みを優先的に「第ローマ数字1トラック」で検討・実施し、負担能力に応じた負担を少しでも進めていくことが適当である。〔資料ローマ数字2−2−20参照(PDF:326KB)PDF


21 後期高齢者医療制度においては、「現役並み所得」は、公的年金等控除等を差し引いた課税所得で判定されており、収入ベースでは夫婦2人世帯で年間収入520万円以上とされている。他方、本年8月から介護保険における2割負担対象者となる「一定以上の所得者」は、公的年金等控除等を差し引く前の年金収入等で実質的に判定されており、夫婦2人世帯で年間収入350万円以上とされている。
22 これらの項目については、給付の適正化が前提である、他の社会保険料負担を含めて総合的に考える必要がある、保険者努力の意欲をそぐおそれがあるといった指摘もあった。
23 介護保険施設における居住費や食費の具体的な水準は、利用者と施設との契約によることが原則であるが、低所得者には負担限度額を設け、平均的な費用(基準費用額)と負担限度額との差額を保険給付で補う補足給付の仕組みが設けられている。

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