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令和5年度税制改正の大綱(6/10)

納税環境整備

電子帳簿等保存制度の見直し

(国税)

(1)国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保存制度について、一定の国税関係帳簿に係る電磁的記録の保存等が、国税の納税義務の適正な履行に資するものとして一定の要件等を満たしている場合におけるその国税関係帳簿(以下「優良な電子帳簿」という。)に係る過少申告加算税の軽減措置の対象となる申告所得税及び法人税に係る優良な電子帳簿の範囲を次のとおりとする。

1仕訳帳

2総勘定元帳

3次に掲げる事項(申告所得税に係る優良な電子帳簿にあっては、ニに掲げる事項を除く。)の記載に係る上記1及び2以外の帳簿

手形(融通手形を除く。)上の債権債務に関する事項

売掛金(未収加工料その他売掛金と同様の性質を有するものを含む。)その他債権に関する事項(当座預金の預入れ及び引出しに関する事項を除く。)

買掛金(未払加工料その他買掛金と同様の性質を有するものを含む。)その他債務に関する事項

有価証券(商品であるものを除く。)に関する事項

減価償却資産に関する事項

繰延資産に関する事項

売上げ(加工その他の役務の給付その他売上げと同様の性質を有するもの等を含む。)その他収入に関する事項

仕入れその他経費又は費用(法人税に係る優良な電子帳簿にあっては、賃金、給料手当、法定福利費及び厚生費を除く。)に関する事項

(注)上記の改正は、令和6年1月1日以後に法定申告期限等が到来する国税について適用する。

(2)国税関係書類に係るスキャナ保存制度について、次の見直しを行う。

1国税関係書類をスキャナで読み取った際の解像度、階調及び大きさに関する情報の保存要件を廃止する。

2国税関係書類に係る記録事項の入力者等に関する情報の確認要件を廃止する。

3相互関連性要件について、国税関係書類に関連する国税関係帳簿の記録事項との間において、相互にその関連性を確認することができるようにしておくこととされる書類を、契約書・領収書等の重要書類に限定する。

(注)上記の改正は、令和6年1月1日以後に保存が行われる国税関係書類について適用する。

(3)電子取引(取引情報の授受を電磁的方式により行う取引をいう。以下同じ。)の取引情報に係る電磁的記録の保存制度について、次の見直しを行う。

1電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存要件について、次の措置を講ずる。

保存義務者が国税庁等の当該職員の質問検査権に基づく電磁的記録のダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には検索要件の全てを不要とする措置について、対象者を次のとおりとする。

(イ)その判定期間における売上高が5,000万円以下(現行:1,000万円以下)である保存義務者

(ロ)その電磁的記録の出力書面(整然とした形式及び明瞭な状態で出力され、取引年月日その他の日付及び取引先ごとに整理されたものに限る。)の提示又は提出の求めに応じることができるようにしている保存義務者

電磁的記録の保存を行う者等に関する情報の確認要件を廃止する。

2電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存要件に従って保存をすることができなかったことについて相当の理由がある保存義務者に対する猶予措置として、申告所得税及び法人税に係る保存義務者が行う電子取引につき、納税地等の所轄税務署長が当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存要件に従って保存をすることができなかったことについて相当の理由があると認め、かつ、当該保存義務者が質問検査権に基づく当該電磁的記録のダウンロードの求め及び当該電磁的記録の出力書面(整然とした形式及び明瞭な状態で出力されたものに限る。)の提示又は提出の求めに応じることができるようにしている場合には、その保存要件にかかわらず、その電磁的記録の保存をすることができることとする。

3電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存への円滑な移行のための宥恕措置は、適用期限の到来をもって廃止する。

(注)上記の改正は、令和6年1月1日以後に行う電子取引の取引情報に係る電磁的記録について適用する。

(4)その他所要の措置を講ずる。

加算税制度の見直し

(国税)

加算税制度について、次の見直しを行う。

(1)無申告加算税の割合(現行:15%(納付すべき税額が50万円を超える部分は20%))について、納付すべき税額が300万円を超える部分に対する割合を30%に引き上げる。

(注1)調査通知以後に、かつ、その調査があることにより更正又は決定があるべきことを予知((2)において「更正予知」という。)する前にされた期限後申告又は修正申告に基づく無申告加算税の割合(現行:10%(納付すべき税額が50万円を超える部分は15%))については、上記の納付すべき税額が300万円を超える部分に対する割合を25%とする。

(注2)上記の納付すべき税額が300万円を超える部分に対する割合について、納付すべき税額が300万円を超えることにつき納税者の責めに帰すべき事由がない場合の適用に関する所要の措置を講ずる。

(2)過去に無申告加算税又は重加算税が課されたことがある場合に無申告加算税又は重加算税の割合を10%加重する措置の対象に、期限後申告若しくは修正申告(調査通知前に、かつ、更正予知する前にされたものを除く。)又は更正若しくは決定(以下「期限後申告等」という。)があった場合において、その期限後申告等に係る国税の前年度及び前々年度の当該国税の属する税目について、無申告加算税(期限後申告又は修正申告が、調査通知前に、かつ、更正予知する前にされたものであるときに課されたものを除く。)若しくは無申告加算税に代えて課される重加算税((2)において「無申告加算税等」という。)を課されたことがあるとき、又はその無申告加算税等に係る賦課決定をすべきと認めるときに、その期限後申告等に基づき課する無申告加算税等を加える。

(注)過少申告加算税、源泉徴収等による国税に係る不納付加算税及び重加算税(無申告加算税に代えて課されるものを除く。)については、上記の見直しの対象としない。

(3)その他所要の措置を講ずる。

(注)上記の改正は、令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税について適用する。

その他

(国税)

(1)ダイレクト納付の利便性の向上

電子情報処理組織を使用する方法(e-Tax)により行われる期限内申告等と併せてダイレクト納付の手続が法定納期限に行われた場合(その税額が1億円以下である場合に限る。)において、法定納期限の翌日にその納付がされたときは、法定納期限に納付があったものとみなして、延滞税等に関する規定を適用するほか、これに伴う所要の措置を講ずる。

(注)上記の改正は、令和6年4月1日以後に行うダイレクト納付の手続について適用する。

(2)公示送達制度の見直し

公示送達制度について、次の見直しを行う。

1公示送達は、公示事項をインターネットを利用する方法により不特定多数の者が閲覧することができる状態に置く措置をとるとともに、公示事項が記載された書面を税務署等の掲示場に掲示し、又は公示事項をその税務署等に設置した電子計算機の映像面に表示したものの閲覧をすることができる状態に置く措置をとることによってすることとする。

2公示事項について、送達すべき書類の名称の公示を不要とするとともに、送達すべき書類を特定するために必要な情報を公示するための措置を講ずる。

(注)上記の改正は、他法令における公示送達制度の見直しの適用時期を踏まえ、実施する。

(3)税理士の懲戒処分等の公告方法の見直し

税理士の懲戒処分の公告は、財務大臣が、公告事項を、相当と認める期間、インターネットを利用する方法により不特定多数の者が閲覧することができる状態に置く措置をとるとともに、官報をもって公告する方法により行うこととする(税理士であった者の懲戒処分を受けるべきであったことについての決定の公告及び税理士法人の税理士法違反行為等に対する処分の公告についても同様とする。)。

(注1)上記の改正は、令和6年4月1日から施行する。

(注2)上記の「相当と認める期間」は、概ね、次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める期間として取り扱うこととする。

1税理士業務の禁止の懲戒処分又は税理士法人の解散の命令の公告である場合税理士等がその処分を受けた日から3年間

2税理士業務の停止の懲戒処分等の公告である場合税理士業務の停止の期間

3戒告の懲戒処分等の公告である場合税理士等がその処分を受けた日から1月間

4懲戒処分を受けるべきであったことについての決定の公告である場合税理士であった者が受けるべきであったその懲戒処分の種類に応じ上記1から3までに定める期間に準ずる期間

(4)税理士試験合格者の公告方法等の見直し

税理士試験合格者等の公告及び税理士試験実施の日時等の公告は、国税審議会会長が、公告事項を、相当と認める期間、インターネットを利用する方法により不特定多数の者が閲覧することができる状態に置く措置をとるとともに、官報をもって公告する方法により行うこととする(国税審議会が行う公認会計士の税法に関する研修の公告、試験科目の一部の免除の認定基準の公告及び税理士試験免除に係る指定研修の公告についても同様とする。)。また、税理士試験合格者等の公告について、公告事項を受験番号(現行:氏名)とし、税理士試験全科目免除者の公告を廃止する。

(注)上記の改正は、令和6年4月1日から施行する。

(5)スマートフォン用電子証明書を利用したe-Taxの利便性の向上

電子情報処理組織を使用する方法(e-Tax)により申請等を行う際に送信すべき電子証明書の範囲に、スマートフォンに搭載された署名用電子証明書を加えるとともに、利用者証明用電子証明書が搭載されたスマートフォンを用いて電子情報処理組織を使用する方法により申請等又は国税の納付を行う際に、識別符号及び暗証符号の入力を要しないこととする等の所要の措置を講ずる。

(注1)上記の改正は、令和7年1月1日以後に行う申請等又は同日以後に行う国税の納付について適用する。

(注2)e-Taxの利便性の向上及び税務手続のデジタル化の推進を図る観点から、国税庁の新たな基幹システム(次世代システム)の導入時期に合わせて、処分通知等の更なる電子化に取り組む。

(6)滞納処分免脱罪の適用対象の整備

滞納処分免脱罪の適用対象に、納税者等が滞納処分の執行又は徴収の共助の要請による徴収を免れる目的で、その現状を改変して、その財産の価額を減損し、又はその滞納処分に係る滞納処分費等を増大させる行為をした場合を加える。

(注)上記の改正は、令和6年1月1日以後にした違反行為について適用する。

(7)徴収職員の滞納処分に関する調査手続等の見直し

徴収職員の滞納処分に関する調査に係る質問検査権等について、次の見直しを行う。

1滞納処分に関する調査に係る質問検査権の対象に、帳簿書類以外の物件を加える。

(注)上記の改正は、令和6年1月1日以後に新たに滞納者等に対して開始する調査に係る質問検査等について適用する。

2滞納処分に関する調査の相手方に対し、帳簿書類その他の物件(その写しを含む。)の提示又は提出を求めることができることとする(納税の猶予の申請に関する調査についても同様とするとともに、猶予の不許可事由について所要の整備を行う。)。

(注)上記の改正は、令和6年1月1日以後に新たに滞納者等に対して開始する調査に係る質問検査等又は同日以後に申請される納税の猶予について適用する。

3滞納処分に関する調査において滞納者等から提出された物件の預かり・返還等に関する手続を整備する(納税の猶予の申請に関する調査についても同様とする。)。

(注)上記の改正は、令和6年1月1日以後に提出される物件又は同日以後に申請される納税の猶予について適用する。

4滞納処分に関する調査に係る質問検査権の行使先の範囲について、滞納者に対して過去に債権又は債務があったと認めるに足りる相当の理由がある者が含まれることを法令上明確化する。

(注)上記の改正は、令和6年1月1日以後に新たに滞納者等に対して開始する調査に係る質問検査等について適用する。

5その他所要の措置を講ずる。

(8)事業者等への協力要請の整備

徴収職員は、事業者(特別の法律により設立された法人を含む。)に、滞納処分に関する調査に関し参考となるべき帳簿書類その他の物件の閲覧又は提供その他の協力を求めることができることを法令上明確化する。

(注)上記の改正は、令和6年1月1日以後に行う協力の求めについて適用する。

(9)税理士等でない者が税務相談を行った場合の命令制度の創設等

1財務大臣は、税理士又は税理士法人でない者が税務相談を行った場合(税理士法の別段の定めにより税務相談を行った場合を除く。)において、更に反復してその税務相談が行われることにより、不正に国税若しくは地方税の賦課若しくは徴収を免れさせ、又は不正に国税若しくは地方税の還付を受けさせることによる納税義務の適正な実現に重大な影響を及ぼすことを防止するため緊急に措置をとる必要があると認めるときは、その税理士又は税理士法人でない者に対し、その税務相談の停止その他その停止が実効的に行われることを確保するために必要な措置を講ずることを命ずることができることとする。

(注1)財務大臣は、上記の命令をしたときは、遅滞なくその旨を、相当と認める期間、インターネットを利用する方法により不特定多数の者が閲覧することができる状態に置く措置をとるとともに、官報をもって公告しなければならない。

(注2)上記(注1)の「相当と認める期間」は、概ね、上記の命令を受けた日から3年間として取り扱うこととする。

2国税庁長官は、上記1の命令をすべきか否かを調査する必要があると認めるときは、税務相談を行った者から報告を徴し、又は当該職員をしてその者に質問し、若しくはその業務に関する帳簿書類(その電磁的記録を含む。)を検査させることができることとする。

(注)上記の質問検査等に対する拒否又は虚偽答弁等については、税理士等に対する質問検査等の場合と同様の罰則を設ける。

3上記1の命令について、命令違反に対する罰則を設ける。法定刑は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金とする。

4その他所要の措置を講ずる。

(注)上記の改正は、令和6年4月1日から施行する。

(備考)令和4年度税制改正で決定された「税理士法に違反する行為又は事実に関する調査の見直し」のうち、税理士法に違反する行為又は事実に関する調査に係る質問検査等の対象に税理士業務の制限又は名称の使用制限に違反したと思料される者を加える部分については、上記の措置として講ずる。

(地方税)

(1)クラウド等を利用した給与支払報告書等の提出方法の整備

国税において可能とされているクラウド等を利用した支払調書等の提出方法について、同様の方法により個人住民税においても給与支払報告書等の提出を行うことができることとする。

(注)上記の改正は、令和5年4月1日から施行し、eLTAXのシステム面も含めた実務的な準備が整い次第対応する。

(2)償却資産(知事・大臣配分資産)に係る固定資産税の申告・通知の電子化

1都道府県知事又は総務大臣が評価すべき固定資産の所有者が行う申告について、eLTAXを通じて電子的に行うことができることとする。

2都道府県知事又は総務大臣が所有者に対して行う固定資産の価格等の通知について、1により電子的に申告を行う所有者が申出をしたときは、電子的に通知する。

(注)上記の改正は、令和7年度分以後の償却資産に係る固定資産税について適用する。

(3)相続税に係る固定資産情報の通知の電子化

令和4年度税制改正により、市町村長が相続税の課税のために税務署長に対して行うこととされた固定資産情報の通知について、eLTAXを通じて電子的に通知する。

(注)上記の改正は、令和4年度の相続税法改正法の施行の日から施行する。

(4)法人事業税に係るeLTAXを通じた団体間回送手続の対象拡大

eLTAXを通じて行うことができる行政機関間の通知の対象に、法人事業税の確定申告書の提出期限の延長の特例等に係る通知を追加する。

(5)個人住民税における配偶者特別控除の適用に係る所要の措置

夫婦それぞれの合計所得金額が一定の金額である場合における個人住民税の配偶者控除及び配偶者特別控除の適用関係を整理するための所要の措置を講ずる。

(注)上記の改正は、令和8年度分以後の個人住民税について適用する。

(6)ふるさと納税の指定取消しに係る所要の措置

1総務大臣は、ふるさと納税(特例控除)の対象として指定をした都道府県又は市区町村(以下「都道府県等」という。)が、指定の取消しをしようとするとき前2年以内に基準に適合していなかったと認める場合等には、指定を取り消すことができることとする。

(注)上記の改正は、都道府県等が令和5年4月1日以後に基準に適合していなかった場合等について適用する。

2指定を取り消された都道府県等が、指定取消期間(指定の取消しの日から起算して2年間)を経過した後に指定を受けるため、申出書等を総務大臣に提出することができる期間について、所要の措置を講ずる。

3その他所要の措置を講ずる。

(7)固定資産税及び不動産取得税に係る質問検査権の対象の明確化

固定資産税及び不動産取得税に係る質問検査権の行使先の範囲について、納税義務者が所有する家屋の施工業者が含まれることを法令上明確化する。

(注)上記の改正は、令和6年4月1日から施行する。

(8)少額減価償却資産等に係る規定の整備

令和4年度税制改正により、国税における少額の減価償却資産の取得価額の損金算入制度及び一括償却資産の損金算入制度について、対象資産から貸付け(主要な事業として行われるものを除く。)の用に供した資産を除外するとされたことに伴い、償却資産に係る固定資産税について、これに準じて所要の措置を講ずる。

(9)電子帳簿等保存制度の見直し

1地方たばこ税及び軽油引取税に係る書類(以下「地方税関係書類」という。)に係るスキャナ保存制度について、次の見直しを行う。

地方税関係書類をスキャナで読み取った際の解像度、階調及び大きさに関する情報の保存要件を廃止する。

地方税関係書類に係る記録事項の入力者等に関する情報の確認要件を廃止する。

(注)上記の改正は、令和6年1月1日以後に保存が行われる地方税関係書類について適用する。

2地方税関係書類に記載すべき事項に係る電磁的記録の保存制度について、次の見直しを行う。

地方税関係書類に記載すべき事項に係る電磁的記録の保存要件について、次の措置を講ずる。

(イ)保存義務者が徴税吏員の質問検査権に基づく電磁的記録のダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には検索要件の全てを不要とする措置について、対象者を次のとおりとする。

その判定期間における売上高が5,000万円以下(現行:1,000万円以下)である保存義務者

その電磁的記録の出力書面(整然とした形式及び明瞭な状態で出力され、取引年月日その他の日付及び取引先ごとに整理されたものに限る。)の提示又は提出の求めに応じることができるようにしている保存義務者

(ロ)電磁的記録の保存を行う者等に関する情報の確認要件を廃止する。

地方税関係書類に記載すべき事項に係る電磁的記録を保存要件に従って保存をすることができなかったことについて相当の理由がある保存義務者に対する猶予措置として、地方公共団体の長が当該地方税関係書類に記載すべき事項に係る電磁的記録を保存要件に従って保存をすることができなかったことについて相当の理由があると認め、かつ、当該保存義務者が質問検査権に基づく当該電磁的記録のダウンロードの求め及び当該電磁的記録の出力書面(整然とした形式及び明瞭な状態で出力されたものに限る。)の提示又は提出の求めに応じることができるようにしている場合には、その保存要件にかかわらず、その電磁的記録の保存をすることができることとする。

(注)上記の改正は、令和6年1月1日以後に行う地方税関係書類に記載すべき事項に係る電磁的記録について適用する。

3その他所要の措置を講ずる。

(10)加算金制度の見直し

加算金制度について、次の見直しを行う。

1不申告加算金の割合(現行:15%(納付すべき税額が50万円を超える部分は20%))について、納付すべき税額が300万円を超える部分に対する割合を30%に引き上げる。

(注)上記の納付すべき税額が300万円を超える部分に対する割合について、納付すべき税額が300万円を超えることにつき納税者等の責めに帰すべき事由がない場合の適用に関する所要の措置を講ずる。

2過去に不申告加算金又は重加算金が課されたことがある場合に不申告加算金又は重加算金の割合を10%加重する措置の対象に、期限後申告若しくは修正申告(更正又は決定があるべきことを予知(以下2において「更正予知」という。)してされたものでないもの等を除く。)又は更正若しくは決定(以下2において「期限後申告等」という。)があった場合において、その期限後申告等に係る地方税の前年度及び前々年度の当該地方税の属する税目について、不申告加算金(更正予知によらないもの等を除く。)又は不申告加算金に代えて課される重加算金(以下2において「不申告加算金等」という。)に係る決定をすべきと認めるときに、その期限後申告等に基づき課する不申告加算金等を加える。

(注)過少申告加算金及び重加算金(不申告加算金に代えて課されるものを除く。)については、上記見直しの対象としない。

3その他所要の措置を講ずる。

(注)上記の改正は、令和6年1月1日以後に申告書の提出期限が到来する地方税について適用する。

(11)公示送達制度の見直し

公示送達制度について、次の見直しを行う。

1公示送達は、公示事項をインターネットを利用する方法により不特定多数の者が閲覧することができる状態に置く措置をとるとともに、公示事項が記載された書面を地方公共団体の掲示場に掲示し、又は公示事項をその地方公共団体の事務所に設置した電子計算機の映像面に表示したものの閲覧をすることができる状態に置く措置をとることによってすることとする。

2その他所要の措置を講ずる。

(注)上記の改正は、他法令における公示送達制度の見直しの適用時期を踏まえ、実施する。

(12)滞納処分免脱罪の適用対象の整備

滞納処分免脱罪の適用対象に、納税者等が滞納処分の執行を免れる目的で、その現状を改変して、その財産の価額を減損し、又はその滞納処分に係る滞納処分費を増大させる行為をした場合を加える。

(注)上記の改正は、令和6年1月1日以後にした違反行為について適用する。

(13)徴収の猶予の申請に関する調査手続等の見直し

徴収の猶予の申請に関する調査について、次の見直しを行う。

1徴収の猶予の申請に関する調査の相手方に対し、帳簿書類その他の物件(その写しを含む。)の提示又は提出を求めることができることとするとともに、猶予の不許可事由について所要の整備を行う。

2提出された物件の預かり・返還等に関する手続を整備する。

3その他所要の措置を講ずる。

(注)上記1及び2の改正は、令和6年1月1日以後に申請される徴収の猶予について適用する。