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平成28年度税制改正の大綱(6/7)

六 納税環境整備

1 クレジットカード納付制度の創設

  • (国税)

    国税の納付手続について、国税を納付しようとする者がクレジットカードに係る事項につきインターネットを利用して行う入力により納付しようとする場合には、国税庁長官が指定する納付受託者に納付を委託することができることとする。この場合において、納付受託者が国税の納付をしようとする者の委託を受けたときは、その委託を受けた日に国税の納付があったものとみなして、延滞税、利子税等に関する規定を適用するほか、納付受託者の納付義務、帳簿保存義務、納付受託者の指定の取消し等について所要の措置を講ずる。

  • (注)上記の改正は、平成29年1月4日以後に国税の納付を委託する場合について適用する。

2 加算税制度の見直し

  • (国税)

    加算税制度について、次の見直しを行う。

    • (1) 調査を行う旨、調査対象税目及び調査対象期間の通知以後、かつ、その調査があることにより更正又は決定があるべきことを予知((2)において「更正予知」という。)する前にされた修正申告に基づく過少申告加算税の割合(現行:0%)については5%(期限内申告税額と50万円のいずれか多い額を超える部分は10%)とし、期限後申告又は修正申告に基づく無申告加算税の割合(現行:5%)については10%(納付すべき税額が50万円を超える部分は15%)とする。

    • (注1)次の修正申告等については、上記(1)の加算税の対象としない。

      • 1 次のように調査対象を区分する場合において、調査対象とならない部分に係る修正申告

        • イ 調査の事前通知の際に納税者の同意の上、移転価格調査とそれ以外の部分の調査に区分する場合

        • ロ 一部の連結子法人の調査を行わないこととした場合

      • 2 他の税目における更正の請求に基づく減額更正に伴い、調査対象税目において必要となる修正申告等

      • 3 相続税又は贈与税について、遺産分割が確定するなどして任意に行う修正申告等

    • (注2)源泉所得税の不納付加算税については、上記(1)の見直しの対象としない。

    • (2) 期限後申告若しくは修正申告(更正予知によるものに限る。)又は更正若しくは決定等(以下(2)において「期限後申告等」という。)があった場合において、その期限後申告等があった日の前日から起算して5年前の日までの間に、その期限後申告等に係る税目について無申告加算税(更正予知によるものに限る。)又は重加算税を課されたことがあるときは、その期限後申告等に基づき課する無申告加算税の割合(15%、20%)又は重加算税の割合(35%、40%)について、それぞれその割合に10%加算する措置を講ずる。

    • (注)過少申告加算税及び源泉所得税に係る不納付加算税については、上記(2)の見直しの対象としない。

    • (3) その他所要の措置を講ずる。

    (注)上記の改正は、平成29年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税について適用する。

3 マイナンバー記載の対象書類の見直し

  • (国税)

    提出者等の個人番号(マイナンバー)を記載しなければならないこととされている税務関係書類(申告書及び調書等を除く。)のうち、次に掲げる書類について、提出者等の個人番号の記載を要しないこととする。

    • (1) 申告等の主たる手続と併せて提出され、又は申告等の後に関連して提出されると考えられる書類(例:所得税の青色申告承認申請書、消費税簡易課税制度選択届出書、納税の猶予申請書)

    • (2) 税務署長等には提出されない書類であって提出者等の個人番号の記載を要しないこととした場合であっても所得把握の適正化・効率化を損なわないと考えられる書類(例:非課税貯蓄申込書、財産形成非課税住宅貯蓄申込書、非課税口座廃止届出書)

    (注1)上記(1)の改正は、平成29年1月1日以後に提出すべき書類について適用する。

    上記(2)の改正は、平成28年4月1日以後に提出すべき書類について適用する。

    (注2)上記の改正の趣旨を踏まえ、個人番号の記載を要しないこととする上記(1)の書類については、施行日前においても、運用上、個人番号の記載がなくとも改めて求めないこととする。

    (備考)日本年金機構における個人情報流出問題を契機として、行政機関等がオンライン手続により利用者から個人番号の提供を受ける際のセキュリティ対策が重要視されていることを踏まえ、平成27年度税制改正で決定された「e-Taxの新たな認証方式」について、納税者利便にも配意しつつ、早期にセキュリティ対策やなりすまし対策について再検討を行った上で実施する。

  • (地方税)

    提出者等の個人番号(マイナンバー)を記載しなければならないこととされている地方税関係書類について、次の見直しを行う等の所要の措置を講ずる。

    • (1) 地方税関係書類のうち、申告等の主たる手続と併せて提出され、又は申告等の後に関連して提出されると考えられる一定の書類について、提出者等の個人番号の記載を要しないこととする。

    • (2) 給与等、公的年金等又は退職手当等の支払者に対して次に掲げる申告書の提出をする場合において、その支払者が、当該提出をする者の個人番号及び当該申告書に記載すべき控除対象配偶者又は扶養親族等の個人番号その他の事項を記載した帳簿を備えているときは、当該提出をする者は、当該申告書に、その帳簿に記載された個人番号の記載を要しないものとする。

      • 1 給与所得者の扶養親族申告書

      • 2 公的年金等受給者の扶養親族申告書

      • 3 退職所得申告書

    (注)上記の改正は、国税における手続と一体的に行われると考えられる手続については、当該国税における手続の適用開始時期と合わせて適用を開始するものとする。また、それ以外の手続に係る適用の開始時期については、地方公共団体における円滑な施行が可能となるよう所要の措置を講ずる。

4 国税関係書類に係るスキャナ保存制度の見直し

  • (国税)

    国税関係書類に係るスキャナ保存制度について、次の見直しを行う。

    • (1) 国税関係書類(契約書、領収書等の重要書類に限る。以下(1)において同じ。)の受領等をする者がスキャナで読み取りを行う場合には、次に掲げる事項をスキャナ保存に係る承認の要件とする。

      • 1 国税関係書類の受領等後、当該受領等をする者が当該国税関係書類に署名を行った上で、特に速やか(3日以内)にタイムスタンプを付すこととする。

      • 2 記録する国税関係書類が日本工業規格A列4番以下の大きさである場合には、国税関係書類の大きさに関する情報の保存を要しないこととする。

      • 3 適正事務処理要件のうち、相互けん制要件及び定期検査要件について、次のとおりとする。

        • イ 相互けん制要件について、国税関係書類の受領等をする者以外の者が記録事項の確認(必要に応じて原本の提出を求めることを含む。)を行うこととすることで足りることとする。

        • ロ 定期検査要件について、定期検査を了するまで必要とされている国税関係書類の原本保存を本店、支店、事務所、事業所その他これらに準ずるものにおいて行うこととする。

      • 4 小規模企業者(中小企業基本法に定める小規模企業者をいう。)である場合にあっては、上記3ロの定期検査要件について、税務代理人による検査とすることにより、上記3イの相互けん制要件を不要とすることができることとする。

    • (2) その他

      • 1 スキャナについて、原稿台と一体となったものに限定する要件を廃止する。

      • 2 スキャナに係る階調の要件について、デジタルカメラ、スマートフォン等の機器に対応した取扱いを行うこととする。

      • 3 その他所要の措置を講ずる。

    (注1)上記の「スキャナ」とは、原稿をデジタル画像にデータ変換する入力装置を指し、デジタルカメラやスマートフォン等の機器も含まれる。

    (注2)上記の改正は、平成28年9月30日以後に行う承認申請について適用する。

5 その他

  • (国税)

    • (1) 最高裁判決(平成26年12月12日)を踏まえ、申告をした後に減額更正がされ、その後更に増額更正又は修正申告があった場合における延滞税等について、次の措置を講ずる。

      • 1 増額更正等により納付すべき税額(その申告により納付すべき税額のうち、減額更正前に納付がされた部分に限る。)について、その申告により納付すべき税額の納付日から増額更正等までの間(減額更正が納税者からの更正の請求に基づきされたものである場合にあっては、その減額更正がされた日から1年を経過する日までの期間を除く。)は、延滞税を課さないこととする。

      • (注1)上記の「申告により納付すべき税額」のうち、未納の税額については、減額更正(減額更正が納税者からの更正の請求に基づきされたものである場合にあっては、その減額更正がされた日から1年を経過する日)までの間、延滞税の対象とする。

      • (注2)上記の改正は、平成29年1月1日以後の期間に対応する延滞税について適用する。

      • 2 増額更正等により納付すべき税額(その期限内申告があった場合において、その申告税額に達するまでの部分に限る。)については、加算税を課さないことを法令上明確化する。

      • (注)上記の改正は、平成29年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税について適用する。

      • 3 その他所要の措置を講ずる。

    • (2) 法人の分割又は合併につき無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合における徴収手続について、次の措置を講ずる。

      • 1 分割等をした法人は、分割により事業を承継した法人等の分割等の日後に納税義務の成立した国税について、連帯して納付する義務を負うこととする。

      • 2 その他所要の措置を講ずる。

    • (注)上記の改正は、平成29年1月1日以後に行われる分割等について適用する。

    • (3) 事業を譲り受けた者の第二次納税義務について、次の見直しを行う。

      • 1 第二次納税義務の対象となる者の範囲を納税者と生計を一にする親族等又は特定支配関係同族会社に限ることとする。

      • 2 事業の譲受人が同一とみられる場所において事業を営んでいるとの要件を廃止する。

      • 3 第二次納税義務の責任について、譲受財産の価額を限度とする。

    • (注1)上記の「特定支配関係同族会社」とは、1株主グループの所有株式数が会社の発行済株式の50%を超える場合等におけるその会社をいう。

    • (注2)上記の改正は、平成29年1月1日以後に滞納となった国税(同日前に事業を譲り受けた場合における当該事業に係るものを除く。)について適用する。

    • (4) 口座振替納付に係る領収証書の発行方法の見直しを踏まえ、金融機関へ送付する納付書の様式について、所要の措置を講ずる。

    • (注)上記の改正は、平成29年1月1日から適用する。

    • (5) 農林中央金庫及び特定農水産業協同組合等による信用事業の再編及び強化に関する法律の改正に伴い、納税貯蓄組合預金について、農業協同組合連合会を指定金融機関の対象とするとともに、農林中央金庫が主務大臣の認可を受けて子会社とした特定業務を営む特定承継会社を銀行と同様の取扱いとする等所要の措置を講ずる。

  • (地方税)

    • (1) 都道府県知事が市町村長の同意を得て行う個人住民税の滞納処分等について、当該年度の前年度分までの個人住民税を滞納している者以外の者の当該年度分の滞納に係る徴収金を対象に加えるため所要の措置を講ずる。

    • (2) 電子情報処理組織(eLTAX)により行う給与所得に係る特別徴収税額通知(特別徴収義務者用)について、特別徴収義務者の同意がある場合には、当該通知の内容が電子情報処理組織に記録され、市町村が、その旨を事前に登録された当該特別徴収義務者の電子メールアドレス宛に送信したときに、到達したものとみなすものとする。

    • (3) 加算金制度について、次の見直しを行う。

      • 1 期限後申告若しくは修正申告(更正又は決定があるべきことを予知(以下1において「更正予知」という。)してされたものでないもの等を除く。)又は更正若しくは決定(以下1において「期限後申告等」という。)があった場合において、その期限後申告等があった日の前日から起算して5年前の日までの間に、その期限後申告等に係る税目について不申告加算金(更正予知によらないもの等を除く。)又は重加算金を課されたことがあるときは、その期限後申告等に基づき課する不申告加算金の割合(15%、20%)又は重加算金の割合(35%、40%)について、それぞれその割合に10%加算する措置を講ずる。

      • (注)過少申告加算金については、上記の見直しの対象としない。

      • 2 その他所要の措置を講ずる。

    • (注)上記の改正は、平成29年1月1日以後に申告書の提出期限が到来する地方税について適用する。

    • (4) 最高裁判決(平成26年12月12日)を踏まえ、個人住民税、法人住民税及び事業税に係る延滞金の計算期間等について、国税における延滞税の計算期間等の見直しに準じて所要の措置を講ずる。

    • (注)上記の改正は、平成29年1月1日以後の期間に対応する延滞金又は同日以後に申告書の提出期限が到来する地方税について適用する。

    • (5) 法人の分割又は合併につき無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合における徴収手続について、次の措置を講ずる。

      • 1 分割等をした法人は、分割により事業を承継した法人等の分割等の日後に納税義務の成立した地方税について、連帯して納付する義務を負うこととする。

      • 2 その他所要の措置を講ずる。

    • (注)上記の改正は、平成29年1月1日以後に行われる分割等について適用する。

    • (6) 事業を譲り受けた者の第二次納税義務について、次の見直しを行う。

      • 1 第二次納税義務の対象となる者の範囲を納税者と生計を一にする親族等又は特定支配関係同族会社に限ることとする。

      • 2 事業の譲受人が同一とみられる場所において事業を営んでいるとの要件を廃止する。

      • 3 第二次納税義務の責任について、譲受財産の価額を限度とする。

    • (注1)上記の「特定支配関係同族会社」とは、1株主グループの所有株式数が会社の発行済株式の50%を超える場合等におけるその会社をいう。

    • (注2)上記の改正は、平成29年1月1日以後に滞納となった地方税(同日前に事業を譲り受けた場合における当該事業に係るものを除く。)について適用する。

七 関税

1 暫定税率の適用期限の延長等

  • (1) 平成28年3月31日に適用期限の到来する暫定税率(431品目)について、その適用期限を平成29年3月31日まで延長する。

  • (2)平成28年3月31日に適用期限の到来する特別緊急関税制度及び牛肉・豚肉に係る関税の緊急措置(牛肉の発動基準数量の算定基礎の特例を含む。)について、その適用期限を平成29年3月31日まで延長する。

2 個別品目の関税率の見直し

  • (1) 義務教育学校制度の施行に伴い、給食に使用される脱脂粉乳に対する関税減税措置の対象に、義務教育学校を追加する。

  • (2) バイオエタノールの暫定税率を無税とする。

  • (3) その他所要の措置を講ずる。

3 「輸出入してはならない貨物」への営業秘密侵害品の追加

企業から不正に流出した技術により生産された物(営業秘密侵害品)を、関税法上の水際取締りの対象とする。

4 輸出入申告官署の自由化等

輸出入しようとする貨物が置かれている場所を所轄する税関官署に対して輸出入申告を行う原則は維持しつつ、AEO(認定事業者)のうち輸出入者及び通関業者等については、いずれの税関官署に対しても輸出入申告を行うことを可能とする。

これに伴い、通関業者の業務を各税関の管轄区域内に制限する規定を廃止する。また、昨今の通関手続を取り巻く環境の変化等に対応するため、通関業制度の見直しを行う。

5 HS条約2017年改正に対応するための関税率表の改訂

平成29年1月1日から適用される、HS条約(商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約)の改正に伴い、関税率表の改訂を行う。

6 納税環境整備等

  • (1) 納税環境整備に係る内国税の規定を踏まえ、郵便又は信書便により納税申告書等が提出された場合の発信主義の適用等に係る規定を整備する。

  • (2) 行政不服審査法の改正を踏まえ、関税等不服審査会への諮問事項を追加する。

7 環太平洋パートナーシップ協定関連

環太平洋パートナーシップ(TPP)協定に関し、今後、署名を経て協定文が確定され、必要な法制度と併せ、必要な時期に国会に提出される際には、関税制度につき以下の措置を講ずる。

  • (1) 原産地手続等の規定の整備

    • 1 我が国に輸入される貨物の原産性等を確認するために税関が行う調査

    • 2 我が国から輸出された貨物の原産性に関する輸出先税関への協力

  • (2) セーフガード手続等の規定の整備

    1TPP協定締約国からの輸入が急増した場合、2TPP協定締約国が協定に違反した場合、3TPP協定締約国からの牛肉、豚肉などの特定品目の輸入数量が一定の水準を超えた場合等に、それぞれ関税率を引き上げる手続規定の整備

  • (3) その他所要の措置