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平成28年度税制改正の大綱(5/7)

五 国際課税

1 日台民間租税取決めに規定された内容の実施に係る国内法の整備

  • (国税)

    「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための公益財団法人交流協会と亜東関係協会との間の取決め」(以下「日台民間租税取決め」という。)に規定された内容を実施するため、台湾においてわが国の居住者又は内国法人に対して同様の権利が認められること(以下「相互主義」という。)を条件として、次の措置を講ずる。

    • (1) 双方居住者の振分けルール

      わが国と台湾の双方の居住者に該当する者について、恒久的住居の所在等を基準とした振分けルールに基づき、台湾の居住者に振り分けられる者にあってはわが国の非居住者とみなし、いずれか一方の居住者に振り分けられない者にあっては下記(2)4ニ及びホの措置は適用しない。

    • (2) 台湾居住者等の所得に対する所得税又は法人税の非課税等

      • 1 事業所得に対する所得税又は法人税の非課税

        台湾居住者(非居住者又は外国法人で、台湾の法令において、台湾の居住者として租税を課されるものとされているもの(台湾の権限のある機関を含む。)をいう。以下同じ。)が有する事業所得のうち日本国内にある事業所等に帰せられないもの等について、所得税又は法人税を非課税とする。

      • 2 配当等に対する所得税又は法人税の軽減又は非課税

        • イ 台湾居住者が支払を受ける一定の配当、利子又は使用料(以下2において「対象配当等」といい、下記ロ又はハの適用があるものを除く。)について、所得税又は法人税の税額を当該対象配当等の10%相当額に軽減する。

        • ロ 台湾の権限のある機関等が支払を受ける一定の利子及び台湾居住者(台湾の権限のある機関等を除く。)が支払を受ける一定の利子(台湾の輸出入銀行等により債務保証等がされた債権に係るものに限る。)について、所得税又は法人税を非課税とする。

        • ハ 発行時に源泉徴収の対象とされた割引債の発行者は、台湾居住者に対し当該割引債の償還差益の支払をする場合には、当該台湾居住者に対し、その源泉徴収された所得税に相当する金額の全部又は一部を還付する。

      • (注1)上記の措置は、台湾居住者の日本国内にある事業所等に帰せられる対象配当等については、適用しない。

      • (注2)上記の措置は、対象配当等の額が独立企業間価格を超えるときは、その超過額については、適用しない。

      • (注3)一定の利子又は使用料について、わが国の国内法に定める租税条約に異なる定めがある場合の国内源泉所得に関する取扱いと同様の措置を講ずる。

      • 3 資産の譲渡所得に対する所得税又は法人税の非課税

        台湾居住者が有する資産の譲渡所得(恒久的施設帰属所得又は国内資産譲渡所得のうち一定のもの及び工業所有権等の譲渡所得に限る。)について、所得税又は法人税を非課税とする。

      • 4 人的役務提供対価等に対する所得税の非課税

        • イ 台湾居住者が支払を受ける一定の報酬について、当該台湾居住者が短期滞在者に該当する等の場合には、所得税を非課税とする。

        • ロ 台湾居住者が支払を受ける一定の給与(内国法人の役員として行う勤務に基因するものを除く。ハにおいて同じ。)について、当該台湾居住者が短期滞在者に該当する等の場合には、所得税を非課税とする。

        • ハ 台湾居住者が支払を受ける一定の報酬又は給与のうち日本国外において行う役務提供又は勤務に基因するものについて、所得税を非課税とする。

        (注1)上記の措置は、芸能人等として日本国内において行う役務提供又は勤務に基因するものについては、適用しない。

        (注2)納税申告書の提出等をした台湾居住者が短期滞在者に該当すること等となった場合には、その該当すること等となった日から4月以内に、更正の請求により上記の措置の適用を受けることができることとする。

        (注3)源泉分離課税の対象とされる台湾居住者が短期滞在者に該当することとなった場合には、還付申告書を提出することにより上記の措置の適用を受けることができることとする。

        • ニ 台湾居住者等で一定の要件を満たすものが台湾の権限のある機関等から支払を受ける一定の給与等又は年金について、所得税を非課税とする。

        • ホ 台湾居住者等で一定の要件を満たす学生等が支払を受ける日本国外からの一定の給付について、所得税を非課税とする。

    • (注1)上記の措置は、その適用対象となる国内源泉所得に関し、台湾居住者又はその関係者による当該国内源泉所得の基因となる行為の主たる目的の一つが、上記の措置の適用を受けることである場合には、適用しない。

    • (注2)わが国と台湾で課税上の取扱いが異なる事業体に対する上記の措置の適用について、わが国の国内法に定めるわが国と租税条約の相手国等で課税上の取扱いが異なる事業体への租税条約の適用に関する措置と同様の措置を講ずる。

    • (注3)上記の措置のうち源泉徴収による所得税につき軽減又は非課税の適用を受けようとする台湾居住者等について、わが国の国内法に定める租税条約の適用手続に関する措置と同様の措置を講ずる。

    • (3) 台湾における移転価格課税に係る対応的調整

      内国法人等に係る台湾の関連者との間で行う取引に関し、その価格が独立企業間価格と異なることにより当該内国法人等の所得が過大となる場合において、国税庁長官の確認を受けたときは、当該取引は独立企業間価格で行われたものとして課税所得を計算する。

    • (4) 国税庁長官の確認があった場合の更正の請求の特例等

      • 1 納税申告書の提出等をした者は、上記(2)の措置の適用により課税標準等又は税額等が過大となる場合において、国税庁長官の確認があったときは、その確認の日から2月以内に、更正の請求により上記(2)の措置の適用を受けることができる。

      • 2 台湾居住者等が有する所得につき上記(2)の措置の適用により源泉徴収による所得税に係る過誤納があった場合において、国税庁長官の確認があったときは、税務署長は、当該所得に係る源泉徴収義務者に対し、その過誤納金に相当する給付金を支給する。ただし、当該過誤納金につき還付請求をすることができる場合には、この限りでない。

    • (5) 台湾の租税に関する権限のある機関への情報提供

      台湾の租税に関する権限のある機関に対し、租税に関する情報の提供を行うことができる旨の規定を設ける。

    • (6) その他所要の措置を講ずる。

    (注)上記の改正は、台湾において相互主義が確保されるために必要な手続が完了する時期に合わせて実施する。

  • (地方税)

    • (1) 個人住民税及び法人住民税について、日台民間租税取決めに規定された内容の実施に関する国税の取扱いに準じて所要の措置を講ずる。

    • (2) その他所要の措置を講ずる。

    • (注)上記の改正は、台湾において相互主義が確保されるために必要な手続が完了する時期に合わせて実施する。

2 移転価格税制に係る文書化

  • (国税)

    移転価格税制に係る文書化制度について、BEPSプロジェクトの行動計画に対応して示された勧告を踏まえ、次の措置を講ずる。

    • (1) 国別報告事項

      多国籍企業グループの最終親事業体である内国法人等は、当該多国籍企業グループが事業を行う国ごとの収入金額、税引前当期利益の額、納付税額その他必要な事項(国別報告事項)を、最終親事業体の会計年度終了の日の翌日から1年を経過する日までに、電子情報処理組織を使用する方法(e-Tax)により、税務署長に提供しなければならないこととする。

    • (注)上記の改正は、平成28年4月1日以後に開始する最終親事業体の会計年度に係る国別報告事項について適用する。

    • (2) 事業概況報告事項(マスターファイル)

      多国籍企業グループの構成事業体である内国法人等は、当該多国籍企業グループの組織構造、事業の概要、財務状況その他必要な事項(事業概況報告事項)を、最終親事業体の会計年度終了の日の翌日から1年を経過する日までに、電子情報処理組織を使用する方法(e-Tax)により、税務署長に提供しなければならないこととする。

    • (注)上記の改正は、平成28年4月1日以後に開始する最終親事業体の会計年度に係る事業概況報告事項について適用する。

    • (3) 独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類(ローカルファイル)

      国外関連取引に係る独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類(電磁的記録を含む。)を確定申告書の提出期限までに作成し、原則として、7年間保存しなければならないこととする等の所要の整備を行う。

    • (注)上記の改正は、平成29年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用する。

    (上記2につき別紙2参照)

3 外国子会社合算税制等の見直し

  • (国税)

    内国法人等の特定外国子会社等に係る所得の課税の特例(いわゆる「外国子会社合算税制」)等について、次の見直しを行う。

    • (1) 本税制の適用除外基準の適用方法について、次の見直しを行う。

      • 1 一の内国法人等によってその発行済株式等の全部を直接又は間接に保有されている等の要件を満たす特定外国子会社等(英国ロイズ市場において保険業を行うものに限る。以下(1)において同じ。)の実体基準又は管理支配基準の判定について、当該一の内国法人等によってその発行済株式等の全部を直接又は間接に保有されている等の要件を満たす他の特定外国子会社等がその特定外国子会社等の本店所在地国において実体基準又は管理支配基準を満たしている場合には、その特定外国子会社等は実体基準又は管理支配基準を満たすものとする。

      • 2 非関連者基準の判定上、一の内国法人等によってその発行済株式等の全部を直接又は間接に保有されている等の要件を満たす特定外国子会社等が当該一の内国法人等によってその発行済株式等の全部を直接又は間接に保有されている等の要件を満たす他の特定外国子会社等との間で行う取引については、関連者取引に該当しないものとする。

      • 3 その他所要の措置を講ずる。

    • (2) 本税制の適用がある場合の外国税額控除の対象となる外国法人税の額は、特定外国子会社等が納付した外国法人税の額に本税制による合算所得の特定外国子会社等の所得に対する割合(合算割合)を乗じて計算されるが、特定外国子会社等が子会社(持株割合25%以上等の要件を満たす法人をいう。)から受ける配当等のうち外国法人税の課税標準に含まれないものは、当該合算割合の計算に係る特定外国子会社等の所得から除外する。

    • (3) 特殊関係株主等である内国法人等に係る特定外国法人に係る所得の課税の特例について、上記(2)と同趣旨の改正を行う。

    (注)上記の改正は、特定外国子会社等の平成28年4月1日以後に開始する事業年度から適用する。

  • (地方税)

    国内に住所を有する者等の特定外国子会社等に係る所得の課税の特例(いわゆる「外国子会社合算税制」)の適用除外基準の適用方法について、次の見直しを行う。

    • (1) 一の国内に住所を有する者等によってその発行済株式等の全部を直接又は間接に保有されている等の要件を満たす特定外国子会社等(英国ロイズ市場において保険業を行うものに限る。以下同じ。)の実体基準又は管理支配基準の判定について、当該一の国内に住所を有する者等によってその発行済株式等の全部を直接又は間接に保有されている等の要件を満たす他の特定外国子会社等がその特定外国子会社等の本店所在地国において実体基準又は管理支配基準を満たしている場合には、その特定外国子会社等は実体基準又は管理支配基準を満たすものとする。

    • (2) 非関連者基準の判定上、一の国内に住所を有する者等によってその発行済株式等の全部を直接又は間接に保有されている等の要件を満たす特定外国子会社等が当該一の国内に住所を有する者等によってその発行済株式等の全部を直接又は間接に保有されている等の要件を満たす他の特定外国子会社等との間で行う取引については、関連者取引に該当しないものとする。

    • (3) その他所要の措置を講ずる。

4 店頭デリバティブ取引に係る証拠金の利子の非課税制度の拡充

  • (国税)

    金融商品取引業等に関する内閣府令の改正を前提に、本制度の対象となる店頭デリバティブ取引の範囲について見直しを行う。

5 振替社債等の利子等の非課税制度の適用期限の延長

  • (国税)

    非居住者又は外国法人が次に掲げる振替社債等について受ける利子等の非課税制度について適用期限を3年延長する。

    • (1) 振替特定目的信託受益権のうち社債的受益権

    • (2) 東日本大震災復興特別区域法に規定する特定地方公共団体との間に完全支配関係がある内国法人が発行する利益連動債(地方公共団体が債務保証をしないものに限る。)

6 国際課税原則の帰属主義への変更の円滑な実施

  • (国税)

    平成26年度税制改正で措置された国際課税原則の帰属主義への変更(平成28年4月1日施行)を円滑に実施するため、次の措置を講ずる。

    • (1) 内国法人の外国税額控除に係る国外所得金額の計算について、国外事業所等帰属所得の金額が零を下回る場合にはその下回る金額である旨及び国外所得金額(国外事業所等帰属所得とその他の国外源泉所得の合計額)が零を下回る場合には零である旨を明確化する。

    • (2) 外国法人(過去に恒久的施設を有していた外国法人に限る。)が適格合併等により恒久的施設を有することとなった場合には、その外国法人が過去に有していた恒久的施設に係る欠損金の繰越控除は認めない旨を明確化する。

    • (3) その他所要の措置を講ずる。

  • (地方税)

    • (1) 個人住民税、法人住民税及び事業税について、国際課税原則の帰属主義への変更の円滑な実施に関する国税における諸制度の取扱いを踏まえ、所要の措置を講ずる。