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平成27年度税制改正の大綱(5/7)

五 国際課税

1 外国子会社配当益金不算入制度の見直し

  • (国税)

    • (1) 内国法人が外国子会社(持株割合25%以上等の要件を満たす外国法人をいう。以下1において同じ。)から受ける配当等の額で、その配当等の額の全部又は一部が当該外国子会社の本店所在地国の法令において当該外国子会社の所得の金額の計算上損金の額に算入することとされている場合には、その受ける配当等の額を、本制度の適用対象から除外する。

    • (2) 内国法人が外国子会社から受ける配当等の額で、その配当等の額の一部が当該外国子会社の所得の金額の計算上損金の額に算入された場合には、その受ける配当等の額のうち、その損金の額に算入された部分の金額((3)において「損金算入額」という。)を、上記(1)により本制度の適用対象から除外する金額とすることができる。

    • (3) 上記(2)の適用を受けた事業年度後の各事業年度において、内国法人が外国子会社から受けた配当等の額につき損金算入額が増額された場合には、その増額された後の損金算入額を、本制度の適用対象から除外する。

    • (4) 上記(2)の適用については、確定申告書等に上記(2)の適用を受けようとする旨並びに上記(2)の適用に係る配当等の額及びその計算に関する明細を記載した書類を添付するとともに、一定の書類の保存を要することとする。

    • (5) 上記(1)から(3)までにより本制度の適用対象から除外する配当等の額に対して課される外国源泉税等の額を、外国税額控除の対象とする。

    • (6) その他所要の措置を講ずる。

  • (注1)上記の改正は、平成28年4月1日以後に開始する事業年度において内国法人が外国子会社から受ける配当等の額について適用する。

  • (注2)平成28年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する各事業年度において内国法人が外国子会社から受ける配当等の額(平成28年4月1日において有する当該外国子会社の株式等に係るものに限る。)については、従前どおりの取扱いとする。

2 非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための報告制度の整備

  • (国税)

    • (1) 平成29年1月1日以後に銀行等の一定の金融機関(以下「報告金融機関」という。)との間でその国内にある営業所等を通じて預金又は貯金の受入れを内容とする契約の締結等の一定の取引(以下「特定取引」という。)を行う者は、その者(その者が一定の法人(以下「特定法人」という。)である場合における当該特定法人の支配者である個人を含む。)の氏名又は名称、住所、生年月日、居住地国(その者が居住者として租税を課される国又は地域をいう。以下同じ。)、居住地国が外国の場合にあっては当該居住地国における納税者番号、その者の居住地国が住所に係る国又は地域と異なる場合にはその異なる事情の詳細その他必要な事項を記載した届出書を、その特定取引を行う際、当該報告金融機関の営業所等の長に提出しなければならない。

    • (注1)上記の「支配者」とは、法人の事業経営を実質的に支配できる関係にある一定の者をいう。

    • (注2)届出書を提出した者は、その提出後に居住地国の異動があった場合には、報告金融機関に対し、異動後の居住地国その他必要な事項を記載した届出書を提出しなければならない。

    • (注3)届出書の提出があった場合には、報告金融機関は当該届出書に記載されている事項につき確認をしなければならない。

    • (注4)届出書に記載すべき事項は、電磁的方法による提供も可能とする。

    • (2) 報告金融機関は、次に掲げる者の区分に応じそれぞれ次に定める方法により、その者(その者が特定法人である場合における当該特定法人の支配者である個人を含む。)の居住地国を特定しなければならない。

      • 1 平成29年1月1日以後に特定取引を行う者 上記(1)により提出された届出書に記載されている事項による方法

      • 2 平成28年12月31日以前に特定取引を行った者で、同日において当該特定取引に係る契約を有するもの その保有する記録を検索する等の一定の方法

    • (注1)報告金融機関は、上記2に定める方法による特定の後に上記2に掲げる者の居住地国に異動が生じたことを知った場合には、その者に提出を求めた届出書に記載されている事項による等の一定の方法により、その者の居住地国を特定しなければならない。

    • (注2)上記2に掲げる者は、上記(1)と同様の事項を記載した届出書を提出することができる。この場合には、報告金融機関は、その届出書に記載されている事項により、その者の居住地国を特定しなければならない。

    • (注3)届出書を提出した者は、その提出後に居住地国の異動があった場合には、報告金融機関に対し、異動後の居住地国その他必要な事項を記載した届出書を提出しなければならない。

    • (注4)届出書の提出があった場合には、報告金融機関は当該届出書に記載されている事項につき確認をしなければならない。

    • (注5)届出書に記載すべき事項は、電磁的方法による提供も可能とする。

    • (3) 報告金融機関は、その年の12月31日において、当該報告金融機関の国内にある営業所等に報告対象契約がある場合には、当該報告対象契約を有する者(その者が特定法人である場合における当該特定法人の支配者である個人を含む。)の氏名又は名称、住所、生年月日、居住地国、居住地国における納税者番号、同日における当該報告対象契約に係る財産の価額、その年における当該報告対象契約に係る財産の運用、保有又は譲渡による収入金額その他必要な事項(以下「報告事項」という。)を、その年の翌年4月30日までに、電子情報処理組織を使用して送付する方法又は光ディスク等に記録して提出する方法により、当該報告金融機関の本店所在地等の所轄税務署長に提供しなければならない。

    • (注)上記の「報告対象契約」とは、特定取引に係る契約のうち、次のいずれかの者が有するものをいう。

      • 1 租税条約等の相手国等のうち一定の国又は地域(以下「報告対象国等」という。)を居住地国とする者(以下「報告対象者」という。)

      • 2 報告対象国等以外の国又は地域を居住地国とする特定法人であって、当該特定法人の支配者である個人が報告対象者であるもの

    • (4) 報告金融機関は、特定取引を行った者(その者が特定法人である場合における当該特定法人の支配者である個人を含む。)の居住地国の特定のために採った措置その他必要な事項に関する記録を作成し、保存しなければならない。

    • (5) 報告事項の提供に関する調査に係る質問検査権の規定を整備する。

    • (6) 届出書の不提出・虚偽記載又は報告事項の不提供・虚偽記載若しくは報告事項の提供に関する調査に係る検査忌避等に対する罰則を設ける。

    • (7) その他所要の措置を講ずる。

  • (注)上記の改正は、平成29年1月1日から適用する。

3 店頭デリバティブ取引に係る証拠金の利子の非課税制度の創設

  • (国税)

    • (1) 外国金融機関等が、国内金融機関等との間で平成30年3月31日までに行う店頭デリバティブ取引に関して当該国内金融機関等に預託する証拠金で一定のものにつき支払を受ける利子について、非課税適用申告書の提出等を要件として、所得税を非課税とする。

    • (2) 外国金融機関等が平成30年3月31日までに行う店頭デリバティブ取引で金融商品取引清算機関がその債務を負担するものに係る証拠金につき当該外国金融機関等が支払を受ける利子及び国内金融機関等が同日までに行う店頭デリバティブ取引で外国金融商品取引清算機関がその債務を負担するものに係る証拠金につき当該外国金融商品取引清算機関が支払を受ける利子について、上記(1)と同様の措置を講ずる。

  • (注)上記の改正は、平成27年7月1日以後に支払を受けるべき利子について適用する。

4 外国子会社合算税制等の見直し

  • (国税)

    内国法人等の特定外国子会社等に係る所得の課税の特例(いわゆる外国子会社合算税制)等について、次の見直しを行う。

    • (1) 特定外国子会社等に該当することとされる著しく低い租税負担割合の基準(いわゆるトリガー税率)を20%未満(現行:20%以下)に変更する。

    • (2) 外国子会社合算税制の適用除外基準について、次の見直しを行う。

      • 1 事業基準の判定における被統括会社の範囲に、特定外国子会社等が発行済株式等の50%以上を有する等の要件を満たす内国法人を加える。

      • 2 事業基準の判定における統括会社の要件のうち、二以上の被統括会社に対して統括業務を行っていることとする要件について、二以上の外国法人である被統括会社を含む複数の被統括会社に対して統括業務を行っていることに改める。

      • 3 事業基準の判定における事業持株会社の要件に、統括会社の有する外国法人である被統括会社の株式等の帳簿価額の合計額の当該統括会社の有する全ての被統括会社の株式等の帳簿価額の合計額に対する割合又は統括会社の外国法人である被統括会社に対して行う統括業務に係る対価の額の合計額の当該統括会社の全ての被統括会社に対して行う統括業務に係る対価の額の合計額に対する割合が50%を超えていることを加える。

    • (注)非関連者基準の判定上、卸売業を主たる事業として営む統括会社が内国法人である被統括会社との間で行う取引については、関連者取引に該当するものとする。

    • (3) 適用除外基準の適用がある旨を記載した書面の添付がない確定申告書の提出があり、又はその適用がある旨を明らかにする資料等を保存していない場合においても、税務署長がその添付又は保存がなかったことにつきやむを得ない事情があると認めるときは、当該書面及び資料等の提出があった場合に限り、適用除外基準を適用することができることとする。

    • (注)上記(1)から(3)までの改正は、特定外国子会社等の平成27年4月1日以後に開始する事業年度から適用する。

    • (4) 特定外国子会社等が子会社(持株割合25%以上等の要件を満たす法人をいう。以下(4)において同じ。)から受ける損金算入配当等の額(当該子会社から受ける配当等の額で、その配当等の額の全部又は一部が当該子会社の本店所在地国の法令において当該子会社の所得の金額の計算上損金の額に算入することとされている場合におけるその受ける配当等の額をいう。(5)及び(6)において同じ。)は、当該特定外国子会社等の合算対象とされる金額の計算上控除しないこととする。

    • (5) 特定外国子会社等が他の特定外国子会社等(上記(4)の子会社に該当するものに限る。以下(5)において同じ。)から受ける損金算入配当等の額のうち、当該他の特定外国子会社等の合算対象とされた金額から充てられた部分の額は、当該特定外国子会社等の合算対象とされる金額の計算上控除する。

    • (注)上記(4)及び(5)の改正は、特定外国子会社等の平成28年4月1日以後に開始する事業年度に係る合算対象とされる金額について適用する。

    • (6) 内国法人が特定外国子会社等(上記1(1)の外国子会社に該当するものに限る。以下(6)において同じ。)から受ける損金算入配当等の額のうち、当該内国法人の配当等を受ける日を含む事業年度及び当該事業年度開始の日前10年以内に開始した各事業年度において当該特定外国子会社等につき合算対象とされた金額の合計額に達するまでの金額は、当該内国法人の所得の金額の計算上益金の額に算入しないこととする。

    • (注1)上記(6)の改正は、平成28年4月1日以後に開始する事業年度において内国法人が特定外国子会社等から受ける配当等の額について適用する。

    • (注2)平成28年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する各事業年度において内国法人が特定外国子会社等から受ける配当等の額(平成28年4月1日において有する当該特定外国子会社等の株式等に係るものに限る。)については、従前どおりの取扱いとする。

    • (7) 特殊関係株主等である内国法人等に係る特定外国法人に係る所得の課税の特例について、上記(1)及び(3)から(6)までと同趣旨の改正を行う。

    • (8) その他所要の措置を講ずる。

  • (地方税)

    個人住民税における国内に住所を有する者の特定外国子会社等に係る所得の課税の特例(いわゆる外国子会社合算税制)等について、特定外国子会社等に該当することとされる著しく低い租税負担割合の基準(いわゆるトリガー税率)を20%未満(現行:20%以下)に変更する。

5 国際課税原則の帰属主義への変更の円滑な実施

  • (国税)

    平成26年度税制改正で措置された国際課税原則の帰属主義への変更(平成28年4月1日施行)が円滑に実施されるよう、次の措置を講ずる。

    • (1) 外国法人が得る履行期間が6月未満の売掛債権等に係る利子は、法人税法に規定する国内源泉所得である「国内資産の運用・保有所得」に該当しない旨を明確化する。

    • (2) 外国法人の恒久的施設と本店等との間で、恒久的施設に帰属しなくても課税対象となる国内不動産の譲渡所得や貸付対価等の国内源泉所得を生ずべき資産の当該恒久的施設による譲渡又は取得に相当する内部取引があった場合には、当該内部取引は、その資産の内部取引の直前の帳簿価額に相当する金額により行われたものとして、当該外国法人の恒久的施設帰属所得に係る所得の金額を計算することとする。

      この場合の当該外国法人の恒久的施設における内部取引に係る資産の取得価額は、当該内部取引の直前の帳簿価額に相当する金額とする。

    • (注)非居住者の恒久的施設と事業場等との間の内部取引についても、上記(2)と同様の措置を講ずる。

    • (3) 外国銀行等の資本に係る負債の利子の損金算入制度による損金算入額は、確定申告書等に記載された金額を限度とする。

    • (4) 内国法人の外国税額控除における国外所得金額について、国外事業所等帰属所得とそれ以外の国外源泉所得に区分して計算方法を定めるとともに、国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算について明確化のための所要の整備を行う。

      また、内国法人の本店等と国外事業所等との間の内部取引について、上記(2)と同様の措置を講ずる。

    • (5) その他所要の措置を講ずる。

  • (注)上記の改正は、平成28年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税及び平成29年分以後の所得税について適用する。

  • (地方税)

    個人住民税、法人住民税及び事業税について、国際課税原則の帰属主義への変更の円滑な実施に関する国税における諸制度の取扱いを踏まえ、所要の措置を講ずる。

    (注)上記の改正は、平成28年4月1日以後に開始する事業年度分の法人住民税及び事業税並びに平成30年度分以後の個人住民税について適用する。

6 クロスボーダーの組織再編成に係る適格性判定の特例の見直し

  • (国税)

    合併等の組織再編成に係る適格性を判定するための特定軽課税外国法人の定義について、次の見直しを行う。

    • (1) 設立後間もないために、その外国法人の実際の租税負担割合を計算することができない場合には、その外国法人が所得を得たとした場合に適用される本店所在地国の外国法人税の税率をもってその外国法人の租税負担割合とする。

    • (2) 外国子会社合算税制におけるトリガー税率を20%未満(現行:20%以下)に変更することに伴い、特定軽課税外国法人に該当することとされる著しく低い租税負担割合の基準を20%未満(現行:20%以下)に変更する。

  • (注)上記の改正は、平成27年4月1日以後に行われる合併等について適用する。