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平成21年度税制改正の要綱(1/4)

平成21年度税制改正の要綱

平成21年1月23日

閣議決定

現下の経済金融情勢を踏まえ、景気回復の実現に資する等の観点から、住宅・土地税制、法人関係税制、中小企業関係税制、相続税制、金融・証券税制、国際課税、自動車課税等について所要の措置を講ずることとし、次のとおり税制改正を行うものとする。

一 住宅・土地税制

  • 1 住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除

    住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除制度について、適用期限を5年延長するとともに、次の措置を講ずる。

    • (1) 住宅の取得等をして平成21年から平成25年までの間に居住の用に供した場合の控除期間、住宅借入金等の年末残高の限度額及び控除率を次のとおりとする。

      居住年控除期間住宅借入金等の
      年末残高の限度額
      控除率
      平成21年 10年間 5,000万円 1.0%
      平成22年 10年間 5,000万円 1.0%
      平成23年 10年間 4,000万円 1.0%
      平成24年 10年間 3,000万円 1.0%
      平成25年 10年間 2,000万円 1.0%
    • (2) 長期優良住宅の普及の促進に関する法律に規定する認定長期優良住宅に該当する家屋で一定のもの(以下「認定長期優良住宅」という。)の新築又は建築後使用されたことのない認定長期優良住宅の取得をして平成21年から平成25年までの間に居住の用に供した場合の特例を創設し、その控除期間、住宅借入金等の年末残高の限度額及び控除率を次のとおりとする。

      居住年控除期間住宅借入金等の
      年末残高の限度額
      控除率
      平成21年 10年間 5,000万円 1.2%
      平成22年 10年間 5,000万円 1.2%
      平成23年 10年間 5,000万円 1.2%
      平成24年 10年間 4,000万円 1.0%
      平成25年 10年間 3,000万円 1.0%
    • (3) 住宅の取得等をして居住の用に供した居住者が、その居住の用に供した日からその年(以下「当初居住年」という。)の12月31日までの間に勤務先から転任の命令その他これに準ずるやむを得ない事由によりその住宅をその者の居住の用に供しなくなった後、当該事由が解消し、再び当該住宅を居住の用に供した場合には、当初居住年において居住の用に供していたことを証する書類の提出等の一定の要件の下で、当該住宅の取得等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の適用年のうちその者が再び居住の用に供した日の属する年(以下「再居住年」という。)以後の各適用年(当該再居住年に当該住宅を賃貸の用に供していた場合には当該再居住年の翌年以後の各適用年)について住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の適用を受けることができる措置を講ずる。

      • (注)上記の改正は、平成21年1月1日以後に自己の居住の用に供しなくなった場合について適用する。

    • (4) 居住者がその所有している家屋について、居住の用に供する前に増改築等をして、6ヶ月以内に居住の用に供した場合には、当該増改築等について住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の適用を受けることができる措置を講ずる。

      • (注)上記の改正は、増改築等をした居住用家屋を平成21年1月1日以後に自己の居住の用に供する場合について適用する。

    • (5) 二以上の居住年に係る住宅の取得等に係る住宅借入金等の金額を有する場合の控除額の調整措置その他所要の措置を講ずる。

    • (6) 個人住民税における住宅借入金等特別税額控除制度の創設に伴い、給与所得の源泉徴収票の記載事項について、所要の整備を行う。

  • 2 長期優良住宅の新築等をした場合の所得税額の特別控除の創設

    • (1) 居住者が、国内において、住宅の用に供する認定長期優良住宅の新築又は建築後使用されたことのない認定長期優良住宅の取得をして、長期優良住宅の普及の促進に関する法律の施行の日から平成23年12月31日までの間に居住の用に供した場合(その新築等の日から6ヶ月以内にその者の居住の用に供した場合に限る。)には、一定の要件の下で、当該認定長期優良住宅の新築等に係る標準的な性能強化費用相当額(1,000万円を限度)の10%に相当する金額をその年分の所得税額から控除(当該控除をしてもなお控除しきれない金額がある場合には、翌年分の所得税額から控除)する。

      • (注1)上記の「標準的な性能強化費用相当額」とは、認定長期優良住宅の構造の区分ごとに、長期優良住宅の認定に係る耐久性、耐震性、省エネ性能、可変性、更新の容易性等の項目ごとにその基準に適合するために必要となる標準的な費用を基に平米当たりで定められた金額に当該認定長期優良住宅の床面積を乗じて計算した金額をいう。

      • (注2)その年分の合計所得金額が 3,000万円を超える場合には適用しない。

    • (2) 上記(1)の税額控除は、確定申告書に、当該控除に関する明細書、長期優良住宅建築等計画の認定書の写し及び登記事項証明書等の一定の書類の添付がある場合に適用するものとする。

    • (3) 上記1の住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除との選択適用とするほか、居住用財産の買換え等の特例との重複適用その他所要の措置を講ずる。

  • 3 既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除の創設

    • (1) 居住者が、その者の居住の用に供する家屋について一定の省エネ改修工事を行った場合において、当該家屋を平成21年4月1日から平成22年12月31日までの間にその者の居住の用に供したときは、一定の要件の下で、当該省エネ改修工事の費用の額と当該省エネ改修工事に係る標準的な工事費用相当額のいずれか少ない金額(200万円(太陽光発電装置を設置する場合は、300万円)を限度)の10%に相当する金額をその年分の所得税額から控除する。

      • (注1)上記の「一定の省エネ改修工事」とは、1全ての居室の窓全部の改修工事、2床の断熱工事、3天井の断熱工事、4壁の断熱工事又は5太陽光発電装置設置工事(25については、1の工事と併せて行うものに限る。また、14については、改修部位の省エネ性能がいずれも平成11年基準以上となるもの、5については一定のものに限る。)であって、その工事費用の額が30万円を超えること等一定の要件を満たすものをいう。

      • (注2)一定の省エネ改修工事の証明は、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく登録住宅性能評価機関、建築基準法に基づく指定確認検査機関又は建築士法に基づく建築士事務所に所属する建築士が行うものとする。

      • (注3)上記の「標準的な工事費用相当額」とは、省エネ改修工事の改修部位ごとに単位当たりの標準的な工事費用の額として定められた金額に当該省エネ改修工事を行った床面積等を乗じて計算した金額をいう。

      • (注4)平成21年分に本税額控除の適用を受けた者は、平成22年分においてはその適用を受けることはできない。

      • (注5)その年分の合計所得金額が3,000万円を超える場合には適用しない。

    • (2) 一定の居住者が、その者の居住の用に供する家屋について一定のバリアフリー改修工事を行った場合において、当該家屋を平成21年4月1日から平成22年12月31日までの間にその者の居住の用に供したときは、一定の要件の下で、当該バリアフリー改修工事の費用の額と当該バリアフリー改修工事に係る標準的な工事費用相当額のいずれか少ない金額(200万円を限度)の10%に相当する金額をその年分の所得税額から控除する。

      • (注1)上記の「一定の居住者」とは、次のいずれかに該当する者とする。

        • 1 50歳以上の者

        • 2 介護保険法の要介護又は要支援の認定を受けている者

        • 3 障害者である者

        • 4 居住者の親族のうち上記2若しくは3に該当する者又は65歳以上の者のいずれかと同居している者

      • (注2)上記の「一定のバリアフリー改修工事」とは、廊下の拡幅、階段の勾配の緩和、浴室改良、便所改良、手すりの設置、屋内の段差の解消、引き戸への取替え又は床表面の滑り止め化を行う工事であって、その工事費用の額(補助金等をもって充てる部分を除く。)が 30万円を超えること等一定の要件を満たすものをいう。

      • (注3)一定のバリアフリー改修工事の証明は、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく登録住宅性能評価機関、建築基準法に基づく指定確認検査機関又は建築士法に基づく建築士事務所に所属する建築士が行うものとする。

      • (注4)上記の「標準的な工事費用相当額」とは、バリアフリー改修工事の種類ごとに単位当たりの標準的な工事費用の額として定められた金額に当該バリアフリー改修工事を行った床面積等を乗じて計算した金額をいう。

      • (注5)平成21年分に本税額控除の適用を受けた者は、平成22年分においてはその適用を受けることはできない。ただし、平成22年において要介護状態区分等が3段階以上上昇した場合には、この限りでない。

      • (注6)その年分の合計所得金額が3,000万円を超える場合には適用しない。

    • (3) 上記(1)及び(2)の改修工事を行った場合におけるその年分の所得税額から控除する金額は、上記(1)及び(2)により計算した金額の合計額(20万円(太陽光発電装置を設置する場合は、30万円)を限度)とする。

    • (4) 上記(1)から(3)までの税額控除は、確定申告書に、当該控除に関する明細書、それぞれの改修工事に該当する旨を証する書類及び登記事項証明書等の一定の書類の添付がある場合に適用するものとする。

    • (5) 上記(1)から(3)までの税額控除は、上記1の住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除及び下記4の特定の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額に係る特例の適用を受ける場合には適用しない。

  • 4 特定の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額に係る特例の適用期限を5年延長するとともに、平成21年4月1日から平成22年12月31日までの間に居住の用に供する場合の1%控除の対象となる省エネ改修工事の要件を上記3(1)の特別控除の工事の要件と同様にする等所要の措置を講ずる。

  • 5 既存住宅の耐震改修をした場合の所得税額の特別控除について、次の措置を講じた上、適用期限を5年延長する。

    • (1) 地方公共団体が作成する耐震改修計画において、補助対象が耐震診断のみの場合も含めるほか、補助金額の下限要件を撤廃することにより、適用対象区域を拡大する。

    • (2) 税額控除の対象となる金額について、住宅耐震改修に要した費用の額と当該住宅耐震改修に係る標準的な工事費用相当額のいずれか少ない金額とする。

      • (注1)上記の改正は、平成21年1月1日以後に行う住宅耐震改修について適用する。

      • (注2)住宅耐震改修工事の証明は、地方公共団体の長、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく登録住宅性能評価機関、建築基準法に基づく指定確認検査機関又は建築士法に基づく建築士事務所に所属する建築士が行うものとする。

      • (注3)上記の「標準的な工事費用相当額」とは、住宅耐震改修工事の種類ごとに単位当たりの標準的な工事費用の額として定められた金額に当該住宅耐震改修工事を行った床面積等を乗じて計算した金額をいう。

  • 6 住宅用家屋の所有権の保存登記若しくは移転登記又は住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限を2年延長する。

  • 7 平成21年及び平成22年に取得した土地等の長期譲渡所得の1,000万円特別控除制度の創設

    • (1) 個人が、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に取得をした国内にある土地等で、その年1月1日において所有期間が5年を超えるものの譲渡をした場合には、その年中の当該譲渡に係る長期譲渡所得の金額から1,000万円(当該長期譲渡所得の金額が1,000万円に満たない場合には、当該長期譲渡所得の金額)を控除する。

    • (2) 上記(1)の特別控除は、法人も同様とする。

  • 8 平成21年及び平成22年に土地等の先行取得をした場合の課税の特例の創設

    事業者が、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの期間内に、国内にある土地等の取得をし、その取得の日を含む事業年度の確定申告書の提出期限までにこの特例の適用を受ける旨の届出書を提出している場合において、その取得の日を含む事業年度終了の日後10年以内に、その事業者の所有する他の土地等の譲渡をしたときは、その先行して取得をした土地等について、他の土地等の譲渡益の100分の80相当額(その先行して取得をした土地等が平成22年1月1日から平成22年12月31日までの期間内に取得をされたものである場合には、100分の60相当額)を限度として、圧縮記帳ができることとする。

    • (注)土地等が棚卸資産である場合には、他の課税の特例と同様に、本特例の対象とはならない。また、個人事業者の所有する土地等が事業用資産でない場合には、本特例の対象とはならない。

  • 9 土地の売買による所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置について、次のとおり、平成21年4月1日以後に引き上げることとしていた税率を2年間据え置き、平成23年4月1日から段階的に引き上げることとする。

    • (1) 土地の売買による所有権の移転登記(現行1,000分の10)

      平成21年4月1日から平成23年3月31日まで 1,000分の10

      平成23年4月1日から平成24年3月31日まで 1,000分の13

      平成24年4月1日から平成25年3月31日まで 1,000分の15

    • (2) 土地の所有権の信託の登記(現行1,000分の2)

      平成21年4月1日から平成23年3月31日まで 1,000分の2

      平成23年4月1日から平成24年3月31日まで 1,000分の2.5

      平成24年4月1日から平成25年3月31日まで 1,000分の3

  • 10 上記9の見直しに併せ、次に掲げる不動産の登記に対する登録免許税の税率の軽減措置について、平成21年4月1日以後に引き上げることとしていた税率を1年間据え置くこととする。

    • (1) 特定目的会社が資産流動化計画に基づき特定不動産を取得した場合等の所有権の移転登記(現行1,000分の8)

    • (2) 農地保有合理化法人が農用地区域内の農用地を取得した場合の所有権の移転登記(現行1,000分の8)

    • (3) 漁業協同組合が水産業協同組合法の規定により漁業協同組合連合会の権利義務の包括承継をした場合の不動産の所有権の移転登記(現行1,000分の4)及び不動産の地上権等の移転登記(現行1,000分の2)

    • (4) 農業協同組合が農業協同組合法の規定による認可を受けて他の農業協同組合と合併をした場合の不動産の所有権の移転登記(現行1,000分の2.5)

  • 11 特定の資産の買換えの場合等の課税の特例について、長期所有の土地、建物等から国内にある土地、建物、機械装置等への買換えの適用期限を3年延長する。

  • 12 優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例について、大都市地域における優良宅地開発の促進に関する緊急措置法の認定及び開発許可を受けて行われる複合的宅地開発事業の事業者に対する譲渡を除外した上、その適用期限を5年延長する。

  • 13 特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の1,500万円特別控除について、次の措置を講ずる。

    • (1) 特定の民間住宅地造成事業のために土地等を譲渡した場合の適用期限を3年延長する。

    • (2) 適用対象から、中小小売商業振興法の高度化事業計画に基づく高度化事業の用に供するために土地等を譲渡した場合を所要の経過措置を講じた上除外する。

  • 14 農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した場合の800万円特別控除について、適用対象から農用地区域内の特定遊休農地を農業経営基盤強化促進法に規定する勧告に係る協議により特定農業法人に譲渡した場合を除外する。

  • 15 認定事業用地適正化計画の事業用地の区域内にある土地等の交換等の場合の譲渡所得の課税の特例の適用期限を2年延長する。

  • 16 短期所有土地の譲渡等をした場合の土地の譲渡等に係る事業所得等の課税の特例について、適用停止措置の期限を5年延長する。

  • 17 法人の土地譲渡益(一般・短期)に対する追加課税制度について、次の措置を講ずる。

    • (1) 適用停止措置の期限を5年延長する。

    • (2) 一般の土地譲渡益に対する追加課税の適用除外措置(優良住宅地等のための譲渡等に係る適用除外)の範囲から大都市地域における優良宅地開発の促進に関する緊急措置法の認定及び開発許可を受けて行われる複合的宅地開発事業の事業者に対する譲渡を除外した上、適用除外措置の期限を5年延長する。

  • 18 収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例等について、収用対象事業用地の買取りに係る簡易証明制度の対象に、一般電気事業者の事業の用に供される一定の規模以上の風力及び太陽光発電施設を加える。

二 法人関係税制

  • 1 エネルギー需給構造改革推進投資促進税制について、平成21年4月1日から平成23年3月31日までの間に取得等をするエネルギー需給構造改革推進設備等は、その事業の用に供した事業年度において、普通償却限度額に加え、取得価額まで特別償却ができることとする。なお、エネルギー需給構造改革推進投資促進税制の適用期限を2年延長する。

  • 2 産業活力再生特別措置法の一部改正に伴い、同法の一部改正法の施行の日から平成24年3月31日までの間において、認定資源生産性革新計画又は認定資源制約対応製品生産設備導入計画に記載された資源生産性革新設備等又は資源制約対応製品生産設備の取得等をした場合には、これらの設備等については、取得価額の100分の30相当額(建物等については、100分の15相当額)の特別償却ができることとする。

    なお、産業活力再生特別措置法の一部改正法の施行の日から平成23年3月31日までの間に取得等をしたものについては、上記1のエネルギー需給構造改革推進投資促進税制と同様に、普通償却限度額に加え、取得価額まで特別償却ができることとする。

  • 3 産業技術力強化法の一部改正に伴い、試験研究費に係る特別税額控除制度について、特別試験研究費の範囲に、改正後の同法に規定する試験研究独立行政法人と共同して行う試験研究に係る費用及び同法人に委託する試験研究に係る費用を加える。

三 中小企業関係税制

  • 1 中小法人等の平成21年4月1日から平成23年3月31日までの間に終了する各事業年度の所得の金額のうち年800万円以下の金額に対する法人税の軽減税率を18%(現行22%)に引き下げる。

    • (注1)中小法人等とは、次の法人をいう。

      • 1 普通法人のうち各事業年度終了の時において資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下であるもの又は資本若しくは出資を有しないもの(保険業法に規定する相互会社等を除く。)

      • 2 公益法人等

      • 3 協同組合等

      • 4 人格のない社団等

    • (注2)協同組合等又は特定医療法人が連結親法人である場合の税率は、単体制度と同様に、年800万円以下の金額に対して19%(現行23%)に引き下げる。

  • 2 中小法人等の平成21年2月1日以後に終了する各事業年度において生じた欠損金額については、欠損金の繰戻しによる還付制度の適用ができることとする。

    • (注)中小法人等の範囲は、上記1の項と同様。

  • 3 中小企業等基盤強化税制の適用期限を2年延長する。

  • 4 商店街の活性化のための地域住民の需要に応じた事業活動の促進に関する法律の制定に伴い、特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の1,500万円特別控除の適用対象に、同法の認定を受けた商店街活性化事業計画又は商店街活性化支援事業計画に基づく事業の用に供するために土地等を譲渡した場合を加える。

四 相続税制

  • 1 非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度等の創設

    • (1) 経営承継相続人が、非上場会社を経営していた被相続人から相続等によりその会社の株式等を取得し、その会社を経営していく場合には、その経営承継相続人が納付すべき相続税額のうち、相続等により取得した議決権株式等(相続開始前から既に保有していた議決権株式等を含めて、その会社の発行済議決権株式等の総数等の3分の2に達するまでの部分に限る。)に係る課税価格の80%に対応する相続税の納税を猶予することとする。

      • (注)「経営承継相続人」とは、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律の規定に基づき経済産業大臣の認定を受ける一定の非上場会社(以下「認定中小企業者」という。)の代表者であった者の後継者をいう。

    • (2) 以下のような非上場株式等に係る贈与税の納税猶予制度を創設する。

      • 1 認定中小企業者の代表者であった者の後継者として経済産業大臣の確認を受けた者が、その代表者であった者から贈与によりその保有する当該会社の株式等の全部(贈与前から既にその後継者が保有していたものを含めて、発行済議決権株式等の総数等の3分の2に達するまでの部分に限る。以下「猶予対象株式等」という。)を取得し、その会社を経営していく場合には、その猶予対象株式等の贈与に係る贈与税の全額の納税を猶予することとする。

      • 2 贈与者の死亡時には、その後継者が猶予対象株式等を相続により取得したものとみなして、贈与時の時価により他の相続財産と合算して相続税額を計算する。その際、経済産業大臣の確認を受けた場合には、相続税の納税猶予を適用する。

    (事業承継税制の詳細は別紙参照)

  • 2 農地等に係る相続税の納税猶予制度等について、次のとおり見直しを行う。

    • (1) 市街化区域外の農地等に係る相続税の納税猶予制度について、次の措置を講ずる。

      • 1 改正後の農業経営基盤強化促進法の規定に基づき貸し付けられた農地等についても納税猶予の適用を認める。

      • 2 納税猶予適用者について、20年間の営農継続により猶予税額の納付を免除する措置を廃止する。

      • 3 猶予期間中に身体障害等のやむを得ない事情により営農継続が困難となったときは、農地等の貸付け(営農の廃止)をした場合でも、納税猶予の継続を認める。

      • 4 災害・疾病等のやむを得ない事情のため一時的に営農できない場合について、営農継続をしているものとする取扱いを明確化する。

      • 5 納税猶予適用者(20年間の営農継続により猶予税額が免除される者を除く。)が、納税猶予に係る農地等の譲渡等をした場合に納付する猶予税額に係る利子税については、税率を年3.6%(現行年6.6%)に引き下げる。

      • 6 農用地区域内の納税猶予に係る農地等を改正後の農業経営基盤強化促進法の規定に基づき譲渡した場合については、総面積の20%を超える譲渡を、納税猶予の取消事由に該当しないこととする。

    • (2) 市街化区域内の農地等に係る相続税の納税猶予について、上記(1)3から5の措置を講ずる。

    • (3) 納税猶予の取消事由である「耕作の放棄」について、要件の見直しを行う。

    • (4) その他、農地等に係る贈与税の納税猶予制度等について、所要の見直しを行う。

(注)上記の改正は、農地法等の一部を改正する法律の施行の日以後の相続若しくは遺贈又は贈与について適用する。

なお、同日前の相続又は遺贈について農地等に係る相続税の納税猶予の適用を受けている者については、上記(1)3から6までを適用する。ただし、当該者は選択により、上記(1)1の適用を受けられることとし、その場合には、上記(1)2及び(3)も適用することとする。

五 金融・証券税制

  • 1 上場株式等の配当所得及び譲渡所得等に対する税率の特例の見直し

    平成21年1月1日から平成23年12月31日までの間の上場株式等の配当所得及び譲渡所得等に対する税率を7%(住民税とあわせて10%)軽減税率とする。

  • 2 上場株式等の配当等に係る源泉徴収税率等の特例の延長

    • (1) 平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に居住者又は国内に恒久的施設を有する非居住者に対して支払う上場株式等の配当等に係る源泉徴収税率に対する7%(住民税とあわせて10%)軽減税率の特例を1年延長する。

    • (2) 国内に恒久的施設を有しない非居住者又は内国法人若しくは外国法人に対して支払う上場株式等の配当等に係る7%軽減税率の特例を平成23年12月31日まで(現行:平成21年3月31日まで)延長する。

  • 3 源泉徴収選択口座における源泉徴収税率の特例の延長

    平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間の源泉徴収選択口座における源泉徴収税率に対する7%(住民税とあわせて10%)軽減税率の特例を1年延長する。

  • 4 カバードワラントに対する課税方式等を以下のように見直すこととする。

    • (1) 先物取引に係る雑所得等の課税の特例の対象に、居住者等が金融商品取引所で取引されるカバードワラントを譲渡した場合における譲渡所得等及び当該カバードワラントに係る差金等決済をした場合における雑所得等を加える。

    • (2) 金融商品取引所又は店頭で取引されるカバードワラントの譲渡及び差金等決済について、先物取引に関する支払調書制度等の対象とする。

      • (注)これらの改正は、平成22年1月1日以後に行われるカバードワラントの譲渡及び差金等決済について適用する。

  • 5 確定拠出年金制度の拡充

    • (1) 企業型確定拠出年金について、事業主拠出額を限度とし、かつ、事業主拠出と合計して拠出限度額の範囲内で行う個人拠出(いわゆるマッチング拠出)が導入されることに伴い、その掛金の全額を所得控除の対象とする。

    • (2) 確定拠出年金の拠出限度額について、次のとおり引き上げる。

      1 企業型

      (現 行)(改正案)

      他の企業年金がない場合

      月額4.6万円 月額5.1万円

      他の企業年金がある場合

      月額2.3万円 月額2.55万円

      2 個人型

      企業年金がない場合

      月額1.8万円 月額2.3万円
  • 6 特定口座内保管上場株式等の譲渡等に係る所得計算等の特例等について、特定口座に受け入れることができる上場株式等の範囲に次に掲げるものを加える。

    • (1) 従業員持株会等を通じて取得した上場株式等で、当該従業員持株会等の事務の委託を受けている金融商品取引業者等の営業所に開設する特定口座に受け入れられるもの

    • (2) 生命保険会社の相互会社から株式会社への組織変更に伴いその社員に割り当てられる株式等で、その株式等の上場の際に一定の方法により特定口座に受け入れられるもの

    • (3) 金融商品取引所等に上場する日前から引き続き所有していた株式等で、その上場の際に一定の方法により特定口座に受け入れられるもの

    • (4) 特定口座以外の口座で管理されていた被相続人、贈与者又は遺贈者(以下「被相続人等」という。)の上場株式等で、当該口座が開設されていた金融商品取引業者等の営業所に当該被相続人等に係る相続人、受贈者又は受遺者が開設している特定口座に一定の方法により移管されるもの

    • (5) 特定口座内保管上場株式等について、所得税法の規定による課税繰延べ要件を満たさない次に掲げる事由が生じたことにより取得する上場株式等

      • 1 取得請求権付株式に係る請求権の行使

      • 2 取得条項付株式に係る取得事由の発生

      • 3 全部取得条項付種類株式に係る取得決議

      • 4 取得条項付新株予約権が付された新株予約権付社債に係る取得事由の発生

      • 5 特定口座内保管上場株式等について与えられた取得条項付新株予約権に係る取得事由の発生

  • 7 特定管理株式が価値を失った場合の株式等に係る譲渡所得等の課税の特例の適用対象に、平成21年1月5日前に上場株式等に該当しないこととなった内国法人の株式で同日に特定管理口座から払い出されたものにつき、同日以後に株式としての価値を失ったことによる損失が生じた場合として当該株式を発行した株式会社の清算結了等の事実が発生したとき(同日から当該事実が発生した日までの間に当該株式と同一銘柄の株式を売買していないことその他一定の要件を満たす場合に限る。)を加える。

  • 8 上場会社等の自己の株式の公開買付けの場合のみなし配当課税の特例の適用期限を1年延長する。

  • 9 公共法人等又は金融機関等が提出する国外公社債等の利子等の源泉徴収不適用申告書について、国外公社債等の利子等の支払の都度の提出を要しないこととする。

  • 10 内国法人又は国内に恒久的施設を有する外国法人が、国内において発行された上場公募株式投資信託(特定株式投資信託を除く。)に係る信託契約の終了又は一部の解約により支払を受ける金銭等のうち収益の分配に係る部分(国内において支払われるものに限る。)については、所得税を課さないこととする。

    この場合において、当該信託契約の終了又は一部の解約により金銭等の支払をする者は、当該支払をする金銭等の額その他一定の事項を記載した支払調書を、その信託契約の終了又は一部の解約があった日の属する月の翌月末日までに、当該支払をする者の所轄税務署長に提出しなければならないこととする。

    • (注)上記の改正は、平成21年4月1日以後の上場公募株式投資信託に係る信託契約の終了又は一部の解約について適用する。

(備考1)少額の上場株式等投資のための非課税措置の創設

  • (1) 金融所得課税の一体化の取り組みの中で「貯蓄から投資へ」の流れを促進する観点から、上場株式等の配当所得及び譲渡所得等に係る7%(住民税とあわせて10%)軽減税率が廃止され15%(住民税とあわせて20%)本則税率が実現する際に、以下を骨子とする少額の上場株式等投資のための非課税措置を創設する。

    • 1 居住者等(満20歳以上の者に限る。)は、金融商品取引業者等の営業所に非課税口座を開設できるものとする。

    • 2 非課税口座とは、本措置の施行の日から5年内の各年において開設する3の非課税措置の適用を受けるための口座(一の年につき一口座に限る。)で、その口座を開設した日からその年12月31日までに取得をする上場株式等(その取得対価の額の合計額が100万円に達するまでのものに限る。)のみを受け入れることとされているものをいう。

    • 3 非課税口座において当該口座を開設した日の属する年の1月1日から10年内に生ずる上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等に対しては、所得税を課さないこととする。

  • (2) 今後、不正防止のための番号制度等を利用した適正な口座管理方法や、非課税口座の設定について要件違反があった場合における源泉徴収の取扱い等の制度設計の詳細について更に検討を進め、平成 22年度改正において法制上の措置を講ずる。

  • (3) なお、金融所得課税の一体化については、金融商品間の課税方式の均衡化や上場株式等の配当所得と譲渡所得等との間における損益通算の範囲の拡大を踏まえ、今後、税の中立性を勘案しつつ、その他の金融資産性所得も対象とした一体化について、引き続き推進する。

(備考2)生命保険料控除の改組

生命保険料控除制度を以下のように改組する。

  • (1) 生命保険契約等のうち介護(費用)保障又は医療(費用)保障を内容とする主契約又は特約に係る保険料等について、現行の一般生命保険料控除と別枠で、4万円の所得控除(介護医療保険料控除)を創設する。

  • (2) 一般生命保険料控除及び個人年金保険料控除の適用限度額をそれぞれ4万円(現行:5万円)とする。

  • (3) 上記(1)及び(2)の各保険料控除の控除額の計算は以下のとおりとする。

    年間の支払保険料等控 除 額
    20,000円以下 支払保険料等の全額
    20,000円超40,000円以下 支払保険料等×1/2+10,000円
    40,000円超80,000円以下 支払保険料等×1/4+20,000円
    80,000円超 一律40,000円
  • (4) 生命保険契約等の主契約又は特約の保障内容に応じ、その契約に係る保険料等を各保険料控除に適用する。

  • (5) 上記の新制度については、新制度の施行日以後に締結した生命保険契約等について適用し、同日前に締結した生命保険契約等については従前の制度を適用する。

    この場合において、新制度と従前の制度の双方の控除の適用があるときにおける合計適用限度額は12万円とする。

  • (6) 新制度は、平成24年分以後の所得税について適用する。今後、保険会社等におけるシステム改修の必要性、契約内容の見直し等の場合の取扱い、各保険商品の保険料控除の適用関係等、制度移行に伴う諸課題について更に検討を進め、平成22年度改正において法制上の措置を講ずる。


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