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平成20年度税制改正案の概要

平成20年度税制改正案の概要

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現下の経済・財政状況等を踏まえ、持続的な経済社会の活性化を実現する等の観点から、法人関係税制、中小企業関係税制、金融・証券税制、土地・住宅税制等について適切な措置を講ずる。また、民間が担う公益活動を推進する観点から、公益法人制度改革に対応する税制措置を講ずるとともに寄附税制の見直しを行う。併せて、地域間の財政力格差の縮小の観点から所要の措置を講ずる。具体的には、次のとおり。

経済活性化・競争力の強化、中小企業・ベンチャー支援

  • (1)研究開発税制・情報基盤強化税制

    • ○ 研究開発税制について、投資のインセンティブをより高める観点から、試験研究費の総額に係る税額控除(法人税額の20%を限度)に追加して、試験研究費の増加額に係る税額控除と売上高に占める割合が10%を超える試験研究費に係る税額控除とを選択適用できる制度を創設(法人税額の10%を限度)。

    • ○ 情報基盤強化税制について、対象となるソフトウェアの範囲を拡大。また、大企業については対象となる投資額に上限を設ける一方、中小企業の情報基盤への投資を促進するため、中小企業については投資下限額を70万円に引下げ(現行300万円)。

  • (2)中小企業・ベンチャー支援

    • ○ 教育訓練費が増加した場合の特別税額控除の特例について、中小企業の人材育成に資する観点から、対象を中小企業に集中するとともに、中小企業が利用しやすいよう、労働費用に占める教育訓練費の割合が0.15%以上の場合に、教育訓練費の総額の一定割合を税額控除できる制度に改組。

    • ○ 起業期のベンチャー企業に対する資金を広く呼び込むため、エンジェル税制を大幅に拡充し、設立3年目までの一定の特定中小会社に出資した場合に寄附金控除の適用を認める制度を創設(1,000万円を限度)。

  • (3)事業承継税制

    • ○ 中小企業の事業承継の円滑化に資するため、取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度(相続等により取得した一定の議決権株式等に係る課税価格の80%に対応する相続税の納税を猶予)を創設(21年度税制改正で対応し、「経営承継円滑化法(仮称)」施行日(平成20年10月1日を予定)以後の相続等に遡って適用)。

  • (4)トン数標準税制

    • ○ 安定的な国際海上輸送を確保する観点から、日本籍船等の計画的増加を図るため、日本籍船に係るみなし利益課税(いわゆるトン数標準税制)を創設。

  • (5)減価償却制度

    • ○ 項目数の多い機械・装置を中心に資産区分を整理するとともに、使用実態を踏まえ、法定耐用年数を見直し。併せて、耐用年数の短縮特例制度について、承認申請の事務負担に配慮し、手続を簡素化。

民間が担う公益活動の推進・寄附税制の拡充

  • ○ 公益社団・財団法人について、公益目的事業から生じる所得を非課税とするとともに、全ての公益社団・財団法人を寄附優遇の対象となる特定公益増進法人とする。併せて、公益目的事業の実施のために使用される収益事業からの繰入れについては、全額の損金算入を容認。

  • ○ 特定公益増進法人等に対する寄附金の損金算入限度額を、昭和36年以来初めて大幅に拡大(所得基準を所得金額の5%に引上げ(現行2.5%))。

  • ○ 認定NPO法人制度について、認定要件を緩和。また、認定の有効期間を5年に延長する(現行2年)等、申請手続の負担を軽減。

地域の活性化

  • ○ 地域間の税源偏在の是正に対応するため、暫定措置として、法人事業税の一部を分離し、地方法人特別税及び地方法人特別譲与税を創設。

  • ○ 農林水産業と商工業の連携等を図り、地域の活力を引き出す事業活動を行う者の取組みを支援するための税制上の措置を整備(「中小農商工連携促進法」(仮称)の制定に伴う中小企業等基盤強化税制の拡充等)。

金融・証券税制

  • ○ 金融所得の一体化に向け、上場株式等の譲渡益・配当に係る7%(住民税とあわせて10%)軽減税率を平成20年末をもって廃止(平成21年以降15%(住民税とあわせて20%))。その際、円滑に新制度へ移行する観点から、特例措置として、平成21年及び平成22年の2年間、500万円以下の譲渡益及び100万円以下の配当について7%(住民税とあわせて10%)の税率を適用。

  • ○ 個人投資家の株式投資リスクを軽減するため、平成21年より、上場株式等の譲渡損失と配当との間の損益通算の仕組みを導入。

土地・住宅税制

  • ○ 住宅の省エネ改修促進税制(住宅ローン控除制度の特例)を創設。

  • ○ 新築の長期優良住宅(「200年住宅」)に係る登録免許税の軽減制度を創設。

    • ・所有権の保存登記:1/1000(本則4/1000)

    • ・所有権の移転登記:1/1000(本則20/1000)

  • ○ 土地の売買に係る登録免許税(本則20/1000)について、以下の通り3年間軽減税率を適用。

    • ・平成21年3月31日まで:10/1000

    • ・平成22年3月31日まで:13/1000

    • ・平成23年3月31日まで:15/1000

道路特定財源

  • ○ 「道路特定財源の見直しについて」(平成19年12月7日 政府・与党合意)に沿って、揮発油税、地方道路税、自動車重量税の税率の特例措置の適用期限を10年延長。

円滑・適正な納税のための環境整備

  • ○ 納税者利便の向上を図るため、将来行う予定の取引を事前照会の範囲へ追加する等、事前照会に対する文書回答手続を改善。

  • ○ 電子申告において、添付を省略できる書類の範囲を拡大。

  • ○ 課税の適正化を図る観点から、外国為替証拠金取引(FX取引)等に関する資料情報制度を整備。


(別表)

平成20年度の税制改正(内国税関係)による一般会計税収の増減収見込額

(単位:億円)

平成20年度の税制改正(内国税関係)による一般会計税収の増減収見込額
改正事項平年度

初年度

(20年度増減収
見込額)

1 法人関係税制等

(1) 研究開発税制の拡充

430 330

(2) 情報基盤強化税制の見直し

230 230

(うち中小企業分)

(△ 50 (△ 40

(3) 教育訓練費に係る特別税額控除制度の見直し

110 100

(4) 農林水産業と商工業との連携等を促進するための税制措置の創設等

20 20

110 20

2 金融・証券税制

上場株式等に係る配当等の7%軽減税率の廃止

3,090 (注1)

3 土地・住宅税制

(1) 土地の売買による所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置の見直し

770 (注2)

(2) 住宅の省エネ改修促進税制の創設

20 (注3) 0

750 0

4 寄附税制

特定公益増進法人等に係る寄附金の損金算入限度額の引上げ

10 10

5 その他

(1) 社会医療法人に係る税制措置の創設

60 0

(2) 外航海運事業者の日本籍船による収入金額の課税の特例の創設

70 0

(3) その他

10 10

120 10
合   計 3,600 40
  • (注1) 上場株式等に係る配当等の7%軽減税率の廃止に係る平年度増収見込額は、特例措置終了後(平成23年)の制度による。

  • (注2) 土地の売買による所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置の見直し(平成20年度10/1000、平成21年度13/1000、平成22年度15/1000)に係る平年度増収見込額は、税率15/1000による。

  • (注3) 住宅の省エネ改修促進税制の創設に係る平年度減収見込額は、控除が行われる期間全体にわたる減収見込額の合計額を計上している。