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消費税における「総額表示方式」の概要

平成25年10月1日から平成29年3月31日までの間、消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法(平成25年法律第41号)により、以下に記載されている内容にかかわらず、一定の場合には総額表示を要しないこととされています。詳しくは、以下のページをご確認下さい。
→「消費税の価格転嫁対策について」

平成16年4月から、消費者に対する「値札」や「広告」などにおいて価格を表示する場合には、消費税相当額(含む地方消費税相当額。以下同じ)を含んだ支払総額の表示を義務付ける「総額表示方式」が実施されています。

それまで主流であった「税抜価格表示」では、レジで請求されるまで最終的にいくら支払えばいいのか分かりにくく、また、同一の商品やサービスでありながら「税抜価格表示」のお店と「税込価格表示」のお店が混在しているため価格の比較がしづらいといった状況が生じていました。

「総額表示の義務付け」は、このような状況を解消するために、消費者が値札等を見れば「消費税相当額を含む支払総額」が一目で分かるようにするためのものです。

「総額表示」の実施により、消費者は、いくら支払えばその商品やサービスが購入できるか、値札や広告を見ただけで簡単に分かるようになりますし、価格の比較も容易になりますので、それまでの価格表示によって生じていた煩わしさが解消され、消費税に対する国民の理解を深めていただくことにもつながると考え、実施されたものです。

  •  「総額表示」の対象は?

「総額表示」の義務付けは、消費者に対して商品やサービスを販売する課税事業者が行う価格表示を対象とするもので、それがどのような表示媒体によるものであるかを問いません。具体的には、以下のような価格表示が考えられます。

  • 値札、商品陳列棚、店内表示、商品カタログ等への価格表示
  • 商品のパッケージなどへ印字、あるいは貼付した価格表示
  • 新聞折込広告、ダイレクトメールなどにより配布するチラシ
  • 新聞、雑誌、テレビ、インターネットホームページ、電子メール等の媒体を利用した広告
  • ポスター  など
  • ※ 「総額表示」の義務付けは、価格表示を行う場合を対象とするものであって、価格表示を行っていない場合について表示を強制するものではありません

  • ※ 商品カタログなどは発行後も一定期間利用されることから、平成16年4月前に作成された税抜価格表示による商品カタログ等を使用する場合には、価格表(「税抜価格」と「税込価格」を対比したものなど)を挟み込んでいただくなど、消費者の誤解を招かないような対応をお願いします。

  •  価格表示について
    • 価格表示の方法は、商品やサービスによって、あるいは事業者によってさまざまな方法があると考えられますが、例えば、税抜価格 9,800円の商品であれば、値札等に消費税相当額を含めた「10,290円」を表示することがポイントになります
  •  免税事業者の価格表示は?
    • 免税事業者は、取引に課される消費税がありませんので、これまでも「税抜価格」を表示して別途消費税相当額を受け取るといったことは消費税の仕組み上予定されていません。
    • したがって、免税事業者における価格表示は、消費税の「総額表示義務」の対象とされていませんが、仕入れに係る消費税相当額を織り込んだ消費者の支払うべき価格を表示することが適正な表示です。

「総額表示」Q&A

Q1会員制の店舗等における取引も対象になりますか?

総額表示の義務付けは、「不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等を行う場合」を対象としていますが、会員制のディスカウントストアやスポーツ施設(スポーツクラブ、ゴルフ場)など会員のみを対象として商品やサービスの提供を行っている場合であっても、その会員の募集が広く一般を対象に行われている場合には、「総額表示義務」の対象となります。

Q2「希望小売価格」も「総額表示」にする必要がありますか?

製造業者、卸売業者、輸入総代理店などの小売業以外の者が、自己の供給する商品について、いわゆる「希望小売価格」を設定し、商品カタログや商品パッケージなどに表示している場合がありますが、この「希望小売価格」の表示は、小売店が消費者に対して行う価格表示ではありませんので、「総額表示義務」の対象にはなりません。しかし、小売店において、製造業者等が表示した「希望小売価格」を自店の小売価格として販売している場合には、その価格が総額表示義務の対象となりますので、「希望小売価格」が「税抜価格」で表示されているときは、小売店において、「税込価格」を棚札などに表示する必要が生じます。

製造業者等が表示する「希望小売価格」は総額表示義務の対象ではありませんが、こうした点を踏まえ、「希望小売価格」を「税込価格」に変更することも一つの方法ではないでしょうか。

Q3単価、手数料の表示方法は?

商品の単価や手数料率を表示する場合など、最終的な取引価格そのものではありませんが、事実上、その取引価格を表示しているものについても「総額表示義務」の対象となります。例えば、肉の量り売り、ガソリンなどのように一定単位での価格表示、不動産仲介手数料や有価証券の取引手数料など、取引金額の一定割合(○%)とされている表示がこれに当たります。

(例)「総額表示」が義務付けられる単価等の表示例
「税抜表示」「総額表示」
肉の量り売り 100グラム200円 100グラム210円
ガソリン、灯油 1リットル100円 1リットル105円
土地仲介手数料 売買価格の3.00% 売買価格の3.15%

【ご注意ください】

取引金額の一定割合を手数料やサービス料として受け取る事業者にあっては、その基礎となる取引金額が「税込価格」であれば、手数料やサービス料の割合を変更する必要はありません(以下の事例を御参照ください。)。



【例】
税込価格3,150円の食事の場合(税抜価格は、3,000円)
サービス料10%


  • ○総額表示前 ⇒ メニュー等に「別途サービス料として10%を頂戴いたします。」と表示し、レシート等には以下のような記載がされていた。

レシート
ディナー 3,000円
サービス料10% 300円

小  計 3,300円
消費税 165円

合  計 3,465円
  • ○総額表示後 ⇒ メニュー等に「上記税込価格にサービス料として10%を頂戴いたします。」と表示した場合の例

レシート
ディナー 3,150円
サービス料10% 315円

合  計 3,465円
(内消費税 165円)

Q4値引販売における価格表示は?

スーパーマーケット等における値引販売の際に行われる価格表示の「○割引」あるいは「○円引き」とする表示自体は「総額表示義務」の対象とはなりません(値札等に表示されている値引前の価格は「総額表示」としておく必要があります。) 。なお、値引後の価格を表示する場合には、「総額表示」とする必要があります。

Q5「総額表示」への移行に伴い、レジシステムを変更する必要はあるのですか?

「総額表示義務」は、値札や広告などにおいて「消費税相当額を含む支払総額」の表示を義務付けるものであってレジシステムの変更を義務付けるものではありません。しかし、「総額表示」の下で、「税抜価格」を基に計算するレジシステムを用いている場合には、下の例のような問題が生じ、消費者との間でトラブルが発生する場合があります。したがって、このような場合(税抜価格が20円で割り切れない商品・サービスを扱っている場合)には、 「税込価格」を基に計算するレジシステムに変更するなどの対応が必要になると考えます

〔値札の表示〕
157円(税抜150円)

※157円の商品を2個販売した場合

「税込価格」を基に計算:157円×2個=314円
「税抜価格」を基に計算:150円×2個×1.05=315円

消費者は、1個157円の商品を2個買えば314円のなると思いますが、請求金額が315円になってしまう。

Q6一領収単位(レシート)ごとの端数処理の特例(旧消費税法施行規則第22条第1項)は、どうなっていますか?

従前の規則第22条第1項(課税標準額に対する消費税額の計算の特例)は、事業者が、代金決済のたびに、代金を税抜価格と消費税相当額とに区分して領収し、発行するレシート等にその消費税相当額の1円未満の端数を処理した後の金額を明示している場合に、消費税の納税申告にあたり“売上に対する消費税額”を計算する際、その明示された端数処理後の消費税相当額を基に計算(いわゆる積上げ計算)を行うことができる特例ですが、これは、「税抜価格」の表示を前提に、決済段階で上乗せされる消費税相当額の端数処理に伴う事業者の負担等に配慮して、少額・大量の取引を行う小売業者等を念頭に設けられた特例制度であったことから、「税込価格」の表示を行う総額表示が義務付けられたことを踏まえ、廃止されました(平成16年4月1日)。

しかし、それまで「税抜価格」を前提とした値付け等を行ってきた事業者が多いこと、また、「税込価格」を基に計算するレジシステム等に変更する必要がある場合でも、レジシステムの変更にはある程度時間を要する方もいると考えられることなどを踏まえ、以下の経過措置が設けられています

  • 1 総額表示義務の対象とならない取引(事業者間取引等)

    「税抜価格」を前提とした従前の端数処理の特例措置の適用が、当分の間、認められます。

    • (注) なお、総額表示義務の対象とならない事業者間取引等で、「税込価格」を基礎とした代金決済を行う場合には、下記2の経過措置が適用できます。

  • 2 「税込価格」を基礎とした代金決済を行う取引(総額表示義務の対象とならない事業者間取引等を含む。)

    「税込価格」を基礎とした代金決済を行う際に発行される領収書等において、その領収金額に含まれる消費税相当額(その領収金額に5/105を乗じて算出した金額)の1円未満の端数を処理した後の金額を明示している場合に限り、その明示された端数処理後の消費税相当額を基に消費税額の計算を行うことができる特例が当分の間の措置として設けられています。

  • 3 総額表示義務の対象となる取引(対消費者取引)で、総額表示は行っているものの「税込レジシステム」への変更が間に合わない場合

    少額の取引を行う事業者にあっては、上記Q5で述べたとおり、総額表示への移行後も従来の「税抜レジシステム」を用いた場合には消費者との間でトラブルが生じるケースがあるため、「税込価格」を基に計算するレジシステムに移行されていくことが望ましいと考えます。しかし、レジシステム等の変更が間に合わないなど、すぐには上記2の要件を満たす代金決済を行うことができず、やむを得ず従来の「税抜価格」を基礎とした代金決済を行わざるを得ない場合もあると考えられます。その場合でも、総額表示義務を履行していること又は消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する法律(平成25年法律第41号)第10条第1項(総額表示義務に関する消費税法の特例)(以下「総額表示義務の特例」といいます。)の適用を受けることを要件に、「税抜価格」を前提とした従前の端数処理の特例措置の適用が、平成26年4月1日以後に行われる取引について、当分の間、認められています。

  • ※ 2の経過措置の適用要件を満たす代金決済の例
    (「税込157円(税抜150円)」と表示している商品の場合)

    2の経過措置の適用要件を満たす代金決済の例
  • ※ 3の経過措置の適用要件を満たす代金決済の例

    2の経過措置の適用要件を満たす代金決済の例
  • ※ 3の経過措置の適用を受けるためには、総額表示義務の履行又は総額表示義務の特例を受けていることが必要です。

  • ※ 3の経過措置は、平成26年4月1日以後に行われる取引について適用されます。

【ご注意ください】

ここで説明しているのは、消費税の納付税額を計算する際の措置についてであり、この措置自体がレジにおける計算方法やレシートへの印字内容そのものを拘束するものではありません。

※ 「総額表示について寄せられた主な質問について」もご参照ください。

この資料に関するお問い合わせは、財務省主税局まで。

03-3581-4111(代表) 内線2752