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平成15年度税制改正の要綱(1/3)

平成15年度税制改正の要綱

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平成15年1月17日

閣議決定

 


  現下の経済・財政状況等を踏まえつつ、持続的な経済社会の活性化を実現するための「あるべき税制」の構築に向け、次のとおり改正を行うこととする。
  具体的には、わが国産業の競争力強化のための研究開発・設備投資減税の集中・重点化、次世代への資産移転の円滑化に資する相続税・贈与税の一体化及び税率の引下げ、「貯蓄から投資へ」の改革に資する金融・証券税制の軽減・簡素化、土地の有効利用の促進に資する登録免許税の軽減、人的控除の簡素化等の観点からの配偶者特別控除(上乗せ部分)の廃止、消費税に対する信頼性・透明性を向上させるための免税点制度等の改革、酒税及びたばこ税の見直しその他の所要の措置を一体として講ずる。
  なお、上記措置の実施により、平成15年度において1.5兆円程度の減税となり、多年度においては税収中立となる。



 法人関連税制

 

 研究開発減税

 

 

(1)

 試験研究費の総額に係る特別税額控除制度の創設
 増加試験研究費の特別税額控除制度との選択制で、試験研究費の総額に対し次の控除割合による特別税額控除を認める。ただし、当期の法人税額の100分の20相当額を限度とする。

 

 

 

1

 特別税額控除割合は、試験研究費の総額の売上金額(当期を含む4年間の平均売上金額)に対する割合(以下「試験研究費割合」という。)に応じ、次のとおりとする。

 

 

 

 

試験研究費割合が100分の10以上 100分の10

 

 

 

 

試験研究費割合が100分の10未満 100分の8+試験研究費割合×0.2

 

 

 

2

 3年間の時限措置として、上記1の特別税額控除割合に100分の2を上乗せし、試験研究費割合に応じ、次のとおりとする。

 

 

 

 

試験研究費割合が100分の10以上 100分の12

 

 

 

 

試験研究費割合が100分の10未満 100分の10+試験研究費割合×0.2

 

 

(2)

 産学官連携の共同研究・委託研究に係る特別税額控除制度の創設
 大学、公的研究機関等との共同試験研究及びこれらに対する委託試験研究について、上記(1)と合わせてこれらの試験研究に係る試験研究費の額の100分の12相当額の特別税額控除を認める。ただし、上記特別税額控除額と合計して、当期の法人税額の100分の20相当額を限度とする。
 なお、3年間の時限措置として、上記特別税額控除割合に100分の3を上乗せし、特別税額控除割合を100分の15とする。

 

 

(3)

 中小企業技術基盤強化税制の拡充
 中小企業技術基盤強化税制について、増加試験研究費の特別税額控除制度並びに上記(1)及び(2)の特別税額控除制度の適用に代えて、試験研究費の総額の100分の12(現行100分の6(平成15年3月31日までは100分の10))相当額の特別税額控除を認める。ただし、当期の法人税額の100分の20相当額を限度とする。
 なお、3年間の時限措置として、上記特別税額控除割合に100分の3を上乗せし、特別税額控除割合を100分の15とする。

 

 

(4)

 税額控除限度超過額の繰越控除(1年)
 前1年以内に開始した事業年度において、上記(1)から(3)までの特別税額控除制度による控除をしても控除しきれない金額(税額控除限度超過額)がある場合に、その事業年度の試験研究費の総額が前事業年度の試験研究費の総額を超えるときは、税額控除限度超過額の繰越控除を認める。ただし、当期における上記(1)から(3)までの特別税額控除額と合計して、当期の法人税額の100分の20相当額を限度とする。

 

 

(5)

 試験研究費等の範囲の見直し
 試験研究費の範囲から、特定産業集積の活性化に関する臨時措置法の商工組合等が賦課する負担金等を、特別試験研究費の範囲から、エネルギー等の使用の合理化及び再生資源の利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法の承認事業者等が行う試験研究に係る試験研究費を除外する。

 

 

(6)

 増加試験研究費の特別税額控除制度の適用期限の延長
 増加試験研究費の特別税額控除制度の適用期限を平成18年3月31日まで3年延長する。

 

 

(7)

 適用関係
 上記(1)から(3)までの措置は、平成15年1月1日以後に開始する事業年度で、かつ、平成15年4月1日以後に終了する事業年度について適用する。

 



 設備投資減税

 

 

(1)

 IT投資促進税制の創設
 平成15年1月1日から平成18年3月31日までの期間内に、一定のIT関連設備等(別紙参照)の取得等をして、これを国内にある事業の用に供した場合には、取得価額の100分の50相当額の特別償却と取得価額の100分の10相当額の特別税額控除との選択適用を認める。また、資本金が3億円以下の法人にあっては、一定のリース資産(別紙参照)の賃借をして、これを国内にある事業の用に供した場合には、リース費用の総額の100分の60相当額について100分の10相当額の特別税額控除を認める。ただし、当期の法人税額の100分の20相当額を限度とし、控除限度超過額については1年間の繰越しを認める。

 

 

(2)

 開発研究用設備の特別償却制度の創設
 平成15年1月1日から平成18年3月31日までの期間内に、一定の開発研究用設備(別紙参照)の取得等をして、これを国内にある開発研究の用に供した場合には、その取得価額の100分の50相当額の特別償却を認める。

 

 

(3)

 適用関係等
 上記(1)及び(2)の措置は、平成15年4月1日以後に終了する事業年度について適用する。
 なお、同日前に終了する事業年度において平成15年1月1日から平成15年3月31日までの間に対象設備等の取得等をした場合には、平成15年4月1日を含む事業年度において、特別税額控除相当額又は特別償却相当額の繰越控除又は償却を認める。

 

 

(注)連結納税制度についても上記1及び2と同様の措置を講ずる。

 



 中小企業・ベンチャー企業支援

 

 

(1)

 中小企業技術基盤強化税制の拡充(再掲)

 

 

(2)

 同族会社の留保金課税制度について、自己資本比率(総資産に占める自己資本(同族関係者からの借入金を含む。)の割合)が100分の50以下の中小法人(資本金1億円以下の法人)の、平成15年4月1日から平成18年3月31日までの間に開始する事業年度については、留保金課税を適用しない措置を講ずるとともに、現行の課税留保金額に対する税額の5%軽減措置を廃止する。

 

 

(3)

 交際費等の損金不算入制度について、400万円の定額控除を認める対象法人の範囲を資本金1億円以下の中小法人(現行資本金5,000万円以下の中小法人)に拡大するとともに、定額控除額までの金額の損金不算入割合を100分の20から100分の10に引き下げた上、その適用期限を3年延長する。

 

 

(4)

 中小企業の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例制度を創設することとし、中小企業者等が、平成15年4月1日から平成18年3月31日までの間に、取得価額30万円未満の減価償却資産を取得した場合には、取得価額の全額の損金算入を認める措置を講ずる。

 

 

(5)

 特定中小会社が発行した株式に係る課税の特例(いわゆる「エンジェル税制」)について、次の措置を講ずる。

 

 

 

1

 特定中小会社の特定株式の取得時における投資促進税制の創設
 中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法の特定中小会社の特定株式を払込みにより取得した場合に、一定の要件の下で、その取得をした年分の株式等に係る譲渡所得等の金額からその特定株式の取得に要した金額(当該株式等に係る譲渡所得等の金額を限度とする。)を控除する特例を創設する。この場合において、その取得をした特定株式の取得価額は、当該控除をした金額をその取得に要した金額から控除した金額とする。

 

 

 

2

 適用要件の緩和
 特定中小会社の特定株式を上場等の日以後に譲渡した場合の譲渡所得等の課税の特例の要件とされている譲渡期間を、当該上場等の日以後3年以内(現行1年以内)に延長する。

 

 

(6)

 中小企業等基盤強化税制について、事業化設備等を取得した場合等の特別償却又は特別税額控除制度を統合するとともに、適用対象者から飲食店業を営む大規模法人、中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律の認定計画に従って改善事業を実施する認定組合等及びその構成員並びに産業活力再生特別措置法の認定事業再構築計画に従って事業再構築を行う中小企業者を除外するほか、特定旅館業者の対象設備を見直した上、その適用期限を2年延長する。

 

 

(7)

 商業施設等の特別償却制度について、中小企業流通業務効率化促進法の認定計画に係る共同利用施設の範囲を拡充するとともに、中小小売商業振興法の連鎖化事業計画に係る措置及び商店街整備等支援計画に係る措置を除外した上、その適用期限を2年延長する。



 相続税・贈与税

 

 相続時精算課税制度(仮称)の創設
 次により相続時精算課税制度を創設する。

 

 

(1)

 概要
 生前贈与については、受贈者の選択により、現行の贈与税制度に代えて、贈与時に贈与財産に対する贈与税を支払い、その後の相続時にその贈与財産と相続財産とを合計した価額を基に計算した相続税額から、既に支払ったその贈与税を控除することにより贈与税・相続税を通じた納税をすることができることとする。

 

 

(2)

 適用対象者
 本制度の適用対象となる贈与者は65歳以上の親、受贈者は20歳以上の子である推定相続人(代襲相続人を含む。)とする。

 

 

(3)

 適用手続
 本制度の選択を行おうとする受贈者(子)は、その選択に係る最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に所轄税務署長に対してその旨の届出を贈与税の申告書に添付することにより行うものとする。この選択は、受贈者である兄弟姉妹が各々、贈与者である父、母ごとに選択できるものとし、最初の贈与の際の届出により相続時まで本制度は継続して適用される。

 

 

(4)

 適用対象財産等
 贈与財産の種類、金額、贈与回数には、制限を設けない。

 

 

(5)

 税額の計算

 

 

 

1

 贈与税額の計算
 本制度の選択をした受贈者(子)は、本制度に係る贈与者(親)からの贈与財産について贈与時に申告を行い、他の贈与財産と区分して、選択をした年以後の各年にわたるその贈与者(親)からの贈与財産の価額の合計額を基に計算した本制度に係る贈与税を支払うものとする。
 その贈与税の額は、選択をした年以後については基礎控除110万円を控除せず、上記の贈与財産の価額の合計額から、複数年にわたり利用できる非課税枠2,500万円(特別控除)を控除した後の金額に、一律20%の税率を乗じて算出する。

 

 

 

 

(注

)なお、本制度を選択した受贈者(子)が本制度に係る贈与者(親)以外の者から贈与を受けた場合には、その贈与財産の価額の合計額から基礎控除110万円を控除し、下記3の贈与税の税率を乗じて贈与税額を計算する。

 

 

 

2

 相続税額の計算
 本制度の選択をした受贈者(子)は、本制度に係る贈与者(親)からの相続時に、それまでの贈与財産と相続財産とを合算して現行と同様の課税方式(法定相続分による遺産取得課税方式)により計算した相続税額から、既に支払った本制度に係る贈与税相当額を控除する。その際、相続税額から控除しきれない場合には、その控除しきれない本制度に係る贈与税相当額の還付を受けることができる。
 なお、相続財産と合算する贈与財産の価額は、贈与時の時価とする。

 



 相続税の税率構造の見直し
 相続税の税率構造を次のように改める。

 

 

現   行

 

 

改正案

 

 

税率

 

 

税率

800万円

以下の金額

10%

 

1,000万円

以下の金額

10%

1,600万円

15%

 

3,000万円

15%

3,000万円

20%

 

5,000万円

20%

5,000万円

25%

 

 

 

 

1億円

30%

 

1億円

30%

2億円

40%

 

3億円

40%

4億円

50%

 

3億円

超の金額

50%

20億円

60%

 

 

 

20億円 

超の金額

70%

 

 

 

 



 贈与税の税率構造の見直し
 相続時精算課税制度の対象とならない贈与財産に係る贈与税の税率構造を次のように改める。

 

 

現   行

 

 

改正案

 

 

税率

 

 

税率

150万円

以下の金額

10%

 

200万円

以下の金額

10%

200万円

15%

 

300万円

15%

250万円

20%

 

400万円

20%

350万円

25%

 

 

 

 

450万円

30%

 

600万円

30%

600万円

35%

 

 

 

 

800万円

40%

 

1,000万円

40%

1,000万円

45%

 

 

 

 

1,500万円

50%

 

1,000万円

超の金額

50%

2,500万円

55%

 

 

 

4,000万円

60%

 

 

 

1億円

65%

 

 

 

1億円

超の金額

70%

 

 

 

 

 


(注


)上記1から3までの改正は、平成15年1月1日以後の相続又は贈与から適用する。

 



 住宅取得資金等に係る相続時精算課税制度の特例の創設

 

 

(1)

 相続時精算課税制度について、自己の居住の用に供する一定の家屋を取得する資金又は自己の居住の用に供する家屋の一定の増改築のための資金の贈与を受ける場合に限り、65歳未満の親からの贈与についても適用することとするほか、これらの資金の贈与については2,500万円の非課税枠(特別控除)に1,000万円を上乗せし、非課税枠(特別控除)を3,500万円とする。

 

 

(2)

 上記(1)の「一定の家屋」とは、次の要件を満たす家屋をいう。

 

 

 

1

 新築又は築後経過年数が20年以内(一定の耐火建築物である場合には、25年以内)であること。

 

 

 

2

 家屋の床面積(区分所有の場合には、当該区分所有する部分の床面積)が50m2以上であること。

 

 

 

3

 その他所要の要件を満たすこと。

 

 

(3)

  上記(1)の「一定の増改築」とは、その者が所有する家屋について行う増築、改築、大規模の修繕、大規模の模様替その他の工事で次の要件を満たすものをいう。

 

 

 

1

 増改築の工事費用が100万円以上であること。

 

 

 

2

 増改築後の家屋の床面積(区分所有の場合には、当該区分所有する部分の床面積)が50m2以上であること。

 

 

 

3

 その他所要の要件を満たすこと。

 

 

(4)

 この特例は、平成15年1月1日から平成17年12月31日までの間に贈与により取得する金銭について適用する。

 

 

(5)

 現行の住宅取得資金等の贈与を受けた場合の贈与税額の計算の特例(5分5乗方式)については、平成17年12月31日まで、経過措置として存置する。

 

 

 

(注

)平成15年1月1日以後に贈与により取得した住宅取得資金等について、住宅取得資金等の贈与を受けた場合の贈与税額の計算の特例の適用を受けた者は、当該贈与を受けた日の属する年以後5年間は、当該贈与に係る贈与者からの贈与について、相続時精算課税制度を選択できないこととする。

 



 その他

 

 

(1)

 相続税の申告に際し必要となる他の共同相続人等の贈与税の申告内容について、必要最小限の情報を相続人等の請求により税務署長が開示する制度を創設する。

 

 

(2)

 相続税額の二割加算制度について、加算の対象となる者に被相続人の養子となった当該被相続人の孫(代襲相続人である者を除く。)を追加する。

 

 

(3)

 贈与税について、更正等の期間制限(現行3年又は5年)を6年に延長する。

 

 

(4)

 生命保険に関する権利の法定評価の規定について、所要の経過措置を講じた上、廃止し、原則として個々の契約に係る解約返戻金の額を用いて評価することとする。

 

 

(5)

 税務職員の守秘義務違反に係る罰則を2年以下の懲役又は30万円以下の罰金(現行2年以下の懲役又は3万円以下の罰金)とする。

 

 

(6)

 出国時における申告書の提出期限の延長、税務職員の検査対象規定の整備、相次相続控除の規定の整備、財産の所在地に関する規定の明確化その他所要の規定の整備を行う。

 

 

(7)

 特定事業用資産についての相続税の課税価格の計算の特例については、相続時精算課税制度に係る贈与財産を適用対象に加えるとともに、所要の規定の整備を行う。

 

 

(8)

 上記(7)の他、相続時精算課税制度の導入に伴い、租税特別措置その他の規定について、所要の規定の整備を行う。


[続きがあります]