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税制メールマガジン 第72号 24/01/24

 
税制メールマガジン 第72号            平成24年1月24日

 

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◆目次

1 五十嵐財務副大臣からのご挨拶

2 税制をめぐる最近の動き

3 諸外国における税制改革の潮流(1)

4 編集後記

 

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1 五十嵐財務副大臣からのご挨拶

 

 平成24年の新春を迎え、謹んで新年の御挨拶を申し上げます。

 平成22年9月の菅改造内閣において当時の野田財務大臣の下、財務副大臣に就任し、その後、野田内閣において安住財務大臣の下で再任され、財務副大臣として2回目の正月を迎えることとなりました。

 振り返りますと、昨年は、3月11日に発生した東日本大震災をはじめとする災害への対応に明け暮れた心の重い一年でした。被災者の方々に対し、改めてお悔やみ申し上げます。震災後、税制においては、被災者への支援策として負担軽減のための様々な措置を講じ、また、復旧・復興のための施策に必要な財源を確保するための措置として、臨時的な税制措置による御負担をお願いすることとしました。こうした取組を通じて、本年も引き続き復旧・復興のための施策を一層推進していく所存です。

 また、昨年は、震災前からの重要課題であった社会保障と税の一体改革について、その実現に向けて大きく前進させることができました。

 我が国の社会保障制度は、現在でも全体として給付に見合う負担を確保できておらず、その機能を維持し制度の持続可能性を確保するための改革が求められています。今後、少子高齢化が一層進んでいく社会にあっても社会保障を持続可能なものとするためには、「給付は高齢世代中心、負担は現役世代中心」という現在の制度を見直し、「全世代対応型」の制度とすることにより、現役世代や今後生まれてくる将来世代のために、国民の共有財産である社会保障制度をしっかりと維持し、引き継いでいかなければなりません。

 一方で、我が国の財政は、税収が歳出の半分すら賄えず、国・地方を合わせた長期債務残高は900兆円を超えると見込まれる極めて厳しい状況にあります。欧州では、ギリシャのソブリンリスクがイタリア、スペインにまで飛び火し、独仏などの大国でさえ対応に苦慮する事態となっています。国家の信用そのものが問われており、それが金融や実体経済にまで大きな影響を及ぼす時代になっています。金融不安が世界同時不況の引き金になりかねないということで、各国政府とも財政を健全化させることが大事だという認識が非常に強まったと思っておりますが、我が国も例外ではありません。子や孫の世代=「次世代」にツケを回さないよう、野放図な国債発行は避けなければなりません。

 こうした状況を考えれば、社会保障と税の一体改革は、避けて通ることのできない待ったなしの問題です。この年末年始に政府・与党で一体改革の素案をとりまとめましたが、この素案をもって野党各党への協議を提案し、与野党協議を踏まえて、年度内に税制改正法案を国会に提出することを目指します。

 あらゆる社会の現象について、私たちは未来からの視点を持って考えていくことが必要であり、税制を検討するに当たっても、未来を創る税制というものを心がけていきたいと思っております。私は、自身の政治信念として、揺るがぬ決意で次世代を護り抜く覚悟でおります。各界の皆様にも幅広い国民的議論をしていただいた上で、改革に向けた御理解と御協力をお願いしたいと思います。

 最後になりましたが、新しい年が皆様にとって少しでも良い年となりますよう心からお祈りいたしまして、新年の御挨拶とさせていただきます。

 

                         財務副大臣 五十嵐 文彦

 

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2 税制をめぐる最近の動き

 

(1)社会保障・税一体改革について

 

 社会保障・税一体改革について、1月6日に開催された政府・与党社会保障改革本部において、「社会保障・税一体改革素案」が決定されました。

 我が国の社会保障制度は、人口減少と少子化・高齢化の同時進行、格差の拡大といった時代の趨勢に必ずしも十分に対応し切れていないため、給付・負担両面で、人口構成の変化に対応した世代間・世代内の公平が確保された制度へと改革していくことが必要です。

 給付面では、子ども・子育て支援などを中心に未来への投資という性格を強め、「全世代対応型」の制度としていくための社会保障改革を行い、負担面では、年齢を問わず負担能力に応じた負担を求めていくなど制度を支える基盤を強化していくための税制抜本改革が求められています。

 また、財政に目を向けると、我が国の財政状況は悪化の一途をたどっており、今や政府の債務残高の対GDP比は諸外国でも最悪の水準です。財政の健全化は、一刻の猶予も許されない課題となっています。

 今回の税制抜本改革は、こうした状況に対応するために「社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成」への第一歩を踏み出し、「支え合う社会」の回復を目指す改革です。

 素案は、内閣官房のHPに掲載されておりますので、ぜひご覧ください。

 

http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/syakaihosyou/

 

【社会保障・税一体改革素案の目次】

 

 第1部 社会保障改革

  第1章 社会保障改革の基本的考え方

  第2章 社会保障改革の方向性

  第3章 具体的改革内容(改革項目と工程)

 

 第2部 税制抜本改革

  第1章 税制抜本改革の基本的な考え方

  第2章 政治改革・行政改革への取組

  第3章 各分野の基本的な方向性

  第4章 税制抜本改革における各税目の改正内容等

 

(2)平成24年度税制改正について

 

 前号でお伝えしましたとおり、昨年末の12月10日に、平成24年度税制改正大綱がとりまとめられました。

 またその後、12月22日には、引き続き検討を行うこととされていた沖縄関連税制の改正についてもとりまとめが行われ、12月24日に税制改正大綱の一部改正が閣議決定されました。

 平成24年度税制改正は、

イ.新成長戦略実現に向けた税制措置

ロ.税制の公平性確保と課税の適正化に向けた取組

ハ.平成23年度改正における積残し事項への対応

などの特に喫緊の対応を要する税制改正を行うものです。ここでは、それぞれの方向性に沿った主な改正内容をご紹介いたします。

 

イ.新成長戦略実現に向けた税制措置

  ・自動車重量税の「当分の間税率」に係る税負担を軽減するととも

   に、いわゆる「エコカー減税」について、特に環境性能に優れた自

   動車に対する軽減措置を拡充した上で、適用期限を3年延長

  ・研究開発税制の増加額等に係る税額控除制度の適用期限を2年延

  ・環境関連投資促進税制の拡充(太陽光発電設備や風力発電設備に係

   る即時償却制度の創設)

  ・中小企業投資促進税制の対象資産を拡充した上で、適用期限を2年

   延長

  ・若年世代への資産の早期移転や省エネルギー性・耐震性を備えた良

   質な住宅ストックを形成する観点から、住宅取得等資金に係る贈与

   税の非課税措置を拡充・延長

 

ロ.税制の公平性確保と課税の適正化に向けた取組

  ・国際的な徴収共助に係る国内法の整備

  ・国外財産調書制度の創設

  ・相続税の連帯納付義務の見直し

  ・租税特別措置等の見直し(合理性等が失われた措置の縮減・廃止な

   ど)

ハ.平成23年度税制改正における積残し事項への対応

  ・課税の適正化等の観点から、給与所得控除に上限を設定するととも

   に、特定支出控除の範囲の拡大等により、給与所得者の実額控除の

   機会を拡大。また、勤続年数5年以下の法人役員等の退職金につい

   て、2分の1課税を廃止

  ・地球温暖化対策のための税の導入

 

 なお、税制改正大綱の概要や関連資料については、下記URLに掲載しておりますので、そちらをご覧ください。

 

http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/index.html

 

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3 諸外国における税制改革の潮流(1)

 

 我が国では、現在、社会保障・税一体改革において、消費税・所得税・相続税などに係る税制抜本改革が議論されています。こうした議論について皆様がお考えになる際の参考となるよう、今後数回にわたり、諸外国における税制改革の潮流について紹介したいと思います。

 本年1月13日、アメリカの格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ社が、ユーロ圏の9カ国を対象に国債の格付けを引き下げました。中でも、ドイツに次ぐユーロ圏第二位の経済規模を誇るフランスが最上位であるトリプルAの格付けを失ったことは、今般の欧州政府債務問題への不安をさらに増幅させるものでした。

 厳しい債務問題を抱える、いわゆるGIIPS(Greece, Ireland, Italy, Portugal, Spain)諸国からは、複数年にわたる財政再建策が相次いで発表されています。歳出削減策において概ね共通して見られるのは、年金給付のカットなど社会保障関係費の削減や公務員人件費の削減をはじめとした行政改革への取組です。これらと併せ、幅広い税目にわたる歳入増加策が盛り込まれていますが、今回は、その中でも各国に共通して行われた付加価値税(日本で言う消費税)の見直しについて紹介したいと思います。

 ギリシャは、2009年後半に財政統計の粉飾問題が顕在化し、財政赤字の実績・見通しを大幅に下方修正した後、19%であった付加価値税率を2010年3月に21%へ、同年7月に23%へと引き上げました。

 アイルランドは、2010年11月に発表した「国家見直し計画」において、21%だった付加価値税率を2014年までに23%へ引き上げることとしていましたが、計画を前倒し、本年1月から23%としています。

 ポルトガルは、20%であった付加価値税率を、2010年7月に21%へ、2011年1月に23%へと引き上げました。

 これら3カ国は、いずれもEU及びIMFからの資金支援を受けていますが、その条件として策定した財政再建策に、付加価値税率の引上げが含まれていました。

 イタリアは、財政再建策の一環として2011年9月に付加価値税率を20%から21%へ引き上げました。それにも関わらず、国債の格付けが引き下げられ、国債金利が高止まったため、イタリアは、11月上旬のカンヌ・サミットにおいて、IMFによる財政監視の受入れを表明しました。11月半ばに発足したモンティ新政権は、さらに、本年9月から付加価値税率を23%へ引き上げる可能性も示唆しています。

 スペインは、財政再建のため、2010年7月に付加価値税率を16%から18%へ引き上げました。

 以上、GIIPS諸国における付加価値税の見直しについて紹介してきましたが、今般格下げがなされた欧州諸国における、今後の税制の動きに注目が集まるところです。

 

                      主税局調査課 阿部 敦壽

 

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4 編集後記

 

 先日、野田改造内閣が発足しましたが、その日の閣議において、一体改革について「同改革の意義を国民向けに分かりやすく情報発信し、政務三役自らが先頭に立って国民への説明に意を尽くす」との方針が閣議決定されました。 財務省でも、24年度予算や税制改正について説明するとともに、併せて一体改革について説明するため、週末に政務三役が仙台、札幌、大阪、静岡などいくつかの地方都市にお伺いしています。今後、政府が一体となって様々な広報活動を行い、全国津々浦々、幅広い国民各層のご理解を求めてまいります。

 このメールマガジンにおいても、次号以降、一体改革の素案に関するもう少し詳しい内容の紹介や、今回から始まった「諸外国における税制改革の潮流」シリーズをお届けしたいと考えています。

 24日(火)より通常国会が開会となります。24年度予算や税制改正法案に加え、一体改革の一環として社会保障改革や税制抜本改革のための法案を国会に提出し、本格的なご議論をお願いしなければなりません。随時、新鮮な情報をお届けしていきたいと考えておりますので、今年もよろしくお願いいたします。

 

                             (鈴野)

 

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