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税制メールマガジン 第87号 28/02/29

税制メールマガジン 第87号   平成28年2月29日

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◆目次
1 はじめに
2 国税関係書類に係るスキャナ保存制度の見直しについて
3 主税局員コラム
4 税制をめぐる最近の動き
5 編集後記

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1  はじめに

  大変遅くなりましたが、本年1回目のメールマガジンの配信になります。本年もよろしくお願いいたします。

  皆さんも新聞やテレビなどの報道をご覧になられているかもしれませんが、今、国会では、政府が提出した28年度予算案、税制改正法案に関して、連日精力的な審議が行われています。

  私も、主税局の一員として、28年度税制改正案の内容について説明をさせていただく機会が増えています。
  そうした機会に改めて痛感させられるのは、相手方の問題意識に応じて説明していくことの難しさです。例えば、法人税改革について説明させていただく場合、企業で財務を担当されている方が関心を持たれるのは当然なのですが、「この改革の狙いが、企業の稼ぐ力を高め、投資や賃上げという形で経済の好循環に結び付けていくことにある」といった点をアピールしていけば、働いておられる方にも少しは関心を持っていただけるようです。ひとつひとつの税制の見直しが、個人、企業にどんなインパクトを持つのか、想像力をたくましくしていかねば、と自戒しています。

  一方で、少し気になるのは、「税金を負担させられる」とか「増税は嫌だ」とか、こういった趣旨のお話を伺う機会が増えていることです。
  若輩者が申し上げるのは大変僭越ですが、税金がコストとして受け止められることは残念だなと思います。税金について、今の公共サービスを支えるための会費であるとか、将来世代により良い社会を引き継ぐための投資であるとか、ポジティブな印象を少しでも持っていただけたら、と思います。

  こんな思いを胸に、少しでも読者の皆さんに、税制担当者が何に悩み、どういった考えで一つ一つのテーマに取り組んでいるのか、といったことを紹介するメルマガにしていけたら、と思っています。
  改めまして、この税制メルマガを本年もよろしくお願いします。

主税局総務課 主税企画官  関 禎一郎  

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2  国税関係書類に係るスキャナ保存制度の見直しについて

  本号のメルマガ、読者の皆さんは何を使ってご覧になっているでしょうか。かつてはパソコンや携帯電話が多数派だったでしょうが、今ではスマートフォンをご利用の方が多いのではないでしょうか。スマートフォンはここ数年で急速に普及しており、総務省の調査によれば平成26年には全世帯の64%以上の世帯、世帯主が20代や30代の世帯では9割を超える世帯で保有されている(*)ということですから、その普及率はすでに従来型の携帯電話やパソコンを上回っているかもしれません。このスマートフォンを用いれば、場所や時間を問わず、文書上の情報を電子データ化し、その電子データをネットワークを通じて通信・保管・共有することができます。また、同様の機能を有するタブレット端末も、急速に普及が進んでいます。
  (*)出典 「平成27年 情報通信に関する現状報告 総務省」p369

  こうした高機能の携帯型ICT端末が急速に普及している状況を踏まえ、主税局では、領収書や契約書などの国税関係書類の保存について見直しを検討しています。
  現行の制度では、税務署長の承認を受ければ、文書での保存に代えて、電子データ(電磁的記録)での保存をすることができますが、電子データ化するための機器(スキャナ)については、事務室に設置されるタイプのもの(固定型)であることが要件となっています。というのも、念頭にある経理処理の手順が、社内において経理担当者が領収書等の現物を確認してから電子データ化するというものだからです。今回の見直しでは、社外においてスマートフォン等を使って電子データ化できるよう、この要件を無くそうとしています。この見直しにより、例えば、営業担当者が経理担当者に経費申請する場合に、いちいち本社に戻らなくても、社外での活動の合間に電子的に処理することが可能となります。
  ただし、単に社外での電子データ化を容認するだけだと、割り勘で支払った経費について、全額が記載された領収書をスマホでパシャ、すぐに隣の人に渡してその人もパシャ、その場で領収書は破棄などという不正行為が起こらないとも限りません。こうなってしまうと、経費支出が真実であるかどうかを第三者が事後的に確認することが難しくなってしまいます。そこで、電子データ化する前に受領者が領収書等にサインすることや、領収書の受領日から3日以内に電子データ化してタイムスタンプを付すこと、これらの処理について受領者以外の者がサンプル調査を行うまではその領収書の原本を破棄しないことを要件化することも検討しています。

  今回の制度の見直しは、直接的には納税環境の整備を目的としたものです。一方、個人的には、モバイル型のテレワーク、サテライトオフィス勤務といった新しい勤務形態の普及の環境整備にもつながればいいなと期待もしています。

  なお、今回ご紹介した見直しついては、以下の資料をご覧ください。
 「平成28年度税制改正の大綱」
http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2016/28taikou_06.htm#06_04

  主税局税制第一課 企画官  菅 哲人  

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3  主税局員コラム

  はじめまして、梶野と申します。昨年10月から主税局に勤務しており、あらためて、税の大切さを認識しています。皆様方に税制についてご理解をいただくべく広報に努めてまいりますのでよろしくお願い申し上げます。
  28年度税制改正や社会保障・税一体改革について、鹿児島や山口、奈良、佐賀、東京、札幌などで、説明させていただきました。皆さま、熱心に聞いてくださり、また、いろいろ意見交換させていただき、誠にありがとうございました。

  自分は、団塊ジュニア世代です。先代が築かれた日本経済の強さを青年時代にぼんやりながらも認識していた世代ですので、バブル崩壊後の約20年間もの経済停滞は予想外であり、また、人口が最も多いこの世代として、少子高齢化の進展と社会保障費の急増、そして将来世代の負担を懸念しています。日本経済の成長は、税収や社会保険料収入等の増加を通じて将来世代の負担を減らすという面でも、その持続を願っています。日本は、長い歴史の中で、幾度となく危機を乗り越えてきましたので、今の日本が抱えている様々な課題も、多くの知恵と努力の積み重ねにより乗り越えらえると強く信じています。税制についても、この四半世紀の社会経済の大きな構造変化に対応していくことが求められており、消費税引上げを含む社会保障・税一体改革、法人税改革、所得税改革など大きな構造改革の動きがある中で、自分の立場で少しでもお役に立てればという思いで励みますので、よろしくお願い申し上げます。

  さて、この2月は4年に1日しかない「うるう日」があります。うるう年といえば、オリンピック・パラリンピックです。当時の日本の成長を軌道に乗せた一つに東京オリンピックがありました。52年前の今頃はオリンピック直前で盛り上がっていたに違いありません。また、前回のうるう日2012年2月29日は日本の新しいシンボル、世界一の電波塔スカイツリーの工事が完成した日のようです。ちなみに、うるう日と税の接点については、延滞税や還付加算金などの計算において、うるう日を含む期間についても他の年と同様に365日で計算することになっています。今年のリオのオリンピック・パラリンピックについては、4年後の東京オリンピック・パラリンピックに向けて弾みがつくように、他の年以上に、日本人選手の活躍を期待したいと思います。

    主税局総務課 企画官  梶野 友樹  

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4  税制をめぐる最近の動き

  (1) 税制調査会
  本年1月28日に第29回の税制調査会が開催されました。今回は、昨年末に閣議決定した「平成28年度税制改正の大綱」の内容について、委員へ報告され、それに基づき議論が行われました。
 (税制調査会HP)
http://www.cao.go.jp/zei-cho/

  (2) 平成28年度税制改正
  ・平成28年度税制改正の大綱
  平成28年度の税制改正については、昨年12月24日、「平成28年度税制改正の大綱」を、政府として閣議決定いたしました。
URL :
http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2016/20151224taikou.pdf

 ・「所得税法等の一部を改正する法律案」の閣議決定及び法案提出
  閣議決定された「平成28年度税制改正の大綱」を踏まえた、「所得税法等の一部を改正する法律案」については、本年2月5日に政府として閣議決定するとともに、国会に提出いたしました。
  本法律案は、現在、国会において審議が行われているところです。
URL :
http://www.mof.go.jp/about_mof/bills/190diet/index.htm

  また、平成28年度税制改正(案)の内容をわかりやすくまとめたパンフレット「平成28年度税制改正(案)のポイント」を作成いたしましたので、是非、御一読ください。
URL :
http://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeiseian16.htm

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5  編集後記

  徐々に日も長くなってきましたが、皆様、如何お過ごしでしょうか。折角のオリンピック・パラリンピックイヤーですので、閏日に発行いたしました。
  社会に出ると、一日中、大会を応援するなど夢のまた夢ですが、世界の大舞台で日本代表として戦う選手には、たとえ結果が伴わなくても、大いに賞賛を送りたいという気持ちになります。元の能力が相当高いにせよ、常人には想像もつかない努力の末に勝ち取った場なのだろうということは想像に難くありません。
  他方、そういう前提の上でですが、「日本一になることのできる」競技に出会い、その機会を活かすことができたという、ある種の巡りあわせのようなものにも、畏敬の念を感じずにはいられません。
  能力も、努力も、巡りあわせも、様々なものがうまく噛み合った時に漸く立てる場がオリンピック・パラリンピックなのだろうと思います。

  税の世界に視野を戻すと、なぜ、税制による所得再分配機能が必要とされるのかも、少し次元は違うものの、根源は一緒だと感じる部分があります。
  市場経済による所得の分配は、努力のインセンティブとなり、富を生み出すという点で、重要な機能を果たしていることは否定しえない事実です。能力や機会が噛み合った結果としての富を自身に還元できなければ、誰も努力をしなくなるかもしれません。
  他方、そうした分配のみでは、例えば、生れた環境(遺産)や、人それぞれが持つ能力の特性等が、格差を生み、社会的に望ましいものになるとは限らないわけですから、税制や社会保障制度には十分な再分配機能が求められることとなります。この点は、言うまでもなく、スポーツの世界との違いです。
  更に言えば、そもそも、同じ能力を持つ人同士が、同じ努力をしたとしても、時代背景や社会環境、時には運によって、大きな成果が得られることもあれば、成果を得られないこともあるかも知れません。自分の能力特性に適した場を見つけられるかどうかも重要ですし、そもそも、所得を生み出すという点で、その能力特性と現代社会がマッチしているかどうかという問題もあります。
  そう考えていった時、税制や社会保障制度による再分配機能が十分維持されるべきというのは勿論のこと、1人1人の能力や特性を十分に見極め、うまく活かすことができるよう、今まで以上に、個人に出来る限り寄り添った支援が必要なのだということを強く感じます。

  2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会。
  その時、1964年大会と同じような社会の高揚感や連帯感をもって日本人が大会に臨めるようにするためにも、まずは、こうした一人一人への支援を着実に積み重ねていくことが大切だと感じています。

  雑駁な思いしか書けませんでしたが、編集後記に紙面は割けませんので、このあたりにしたいと思います。
  桜の季節が一段落した頃、またお会いしましょう。

                   (高澤)


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