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税制メールマガジン 第81号 26/4/21

税制メールマガジン 第81号   平成26年4月21日

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◆目次
1 はじめに
2 大田弘子座長からのメッセージ
3 税制をめぐる最近の動き
4 編集後記

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1 はじめに

 4月となり新しい年度がスタートしました。みなさまに税制メールマガジン第81号
をお届けします。今回は、税制調査会法人課税ディスカッショングループで座長を
務められている大田弘子政策研究大学院大学教授からメッセージを寄稿いただ
きましたので、是非お読みください。

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2 大田弘子座長からのメッセージ   

 「法人にかかる税金の体系も、国際相場に照らして競争的なものにしなければ
なりません」・・・今年1月22日にスイスのダボスで開かれた世界経済フォーラム
での安倍総理の講演で、法人税率引下げの議論が活発になってきました。政府
税制調査会でも、法人税改革を議論するグループがつくられ、3月12日に議論を
スタートさせました。
 なぜ、いま法人税率引下げが必要なのでしょうか。一言でいうと、経済活動のグ
ローバル化が年々進み、「企業が国を選ぶ時代」になったからです。企業は、新た
な拠点を国内につくるか、海外につくるか、海外であればどの国につくるかを選択
します。この選択にあたって、法人税率は重要な要素です。地方自治体も法人に
課税していますから、ここでいう法人税改革は、国税と地方税の両方を含むもの
です。
 多くの先進国が、成長企業を国内に引き寄せ、同時に税収も維持しようと、真剣
に法人税改革に取り組んでいます。日本も、グローバル化のなかで法人税がどう
あればいいか、高齢化が急速に進むなかで法人税がどうあればいいか、真剣に
考えるべきときです。
 しかし、法人税改革は容易ではありません。経済政策としてはもっとも実行が難
しい部類にはいるかもしれません。それはなぜか。
 第一には、財源をめぐって利害が対立するからです。税率引下げには賛成でも、
その財源として自社に関わる税が増税になるとすれば、誰しも反対に回ります。こ
れまで設備投資促進や中小企業保護など、さまざまな目的で税制上の優遇措置
がとられてきました。こうした措置は一度つくられると廃止は難しく、既得権になっ
てしまっているものもたくさんあります。
 ここで重要なのは、法人税改革がめざすものは税率引下げだけではないという
ことです。法人税を誰がどう負担するかという「構造」も変えていかねばなりません。
旧来型の産業に有利な税制が残されていると、新しい産業は起こりにくくなります。
わが国では、法人税負担の偏りが他の国より目立ちます。単に財源のためだけ
ではなく、税負担の構造を変えることで、“広く薄く”担う税にすることが必要です。
 第二には、法人税率を引き下げる必要性が広く一般の方々に理解されにくいと
いうことがあります。企業だけが優遇されるのはけしからん、という議論も聞かれ
ます。しかし、国内に成長企業を引き寄せるのは、将来の雇用の場をつくるため
に不可欠です。高すぎる法人税のしわ寄せは、賃金など何らかのかたちで個人
に及びます。ドイツでは2000年代に法人税率が大きく引き下げられましたが、
この改革を支えたのは、雇用の場が生産コストの低い旧東独に奪われてしまう
という国民の危機感でした。
 6月の成長戦略に向けて、4月、5月が法人税改革のヤマ場になります。10年
先の日本経済がどうなっているのかを常に念頭に置いて、個々の利害を乗り越
え、危機感を共有しながら法人税改革を議論したいものだと切に思います。

 

                                   政策研究大学院大学
                                      教授 大田弘子

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3 税制をめぐる最近の動き

(1) 税制調査会

■税制調査会(総会)
 昨年12月2日に第4回、本年2月13日に第5回、4月14日に第6回の税制調
査会が開催されました。国際課税ディスカッショングループ、マイナンバー・税務
執行ディスカッショングループの議論の紹介や法人課税を巡る議論が行われま
した。また、基礎問題小委員会の設置が了承されました。

■国際課税ディスカッショングループ
 昨年11月14日に第2回、本年4月4日に第3回の会議が開催されました。第
1回に引き続いて、BEPS(税源浸食と利益移転)、帰属主義への見直し、国境
を越えた役務の提供に対する消費税、自動的情報交換等について議論が行わ
れています。

■マイナンバー・税務執行ディスカッショングループ
 昨年11月28日に第2回、本年2月28日に第3回、4月8日に第4回の会議が
開催されました。第1回に引き続いて、マイナンバー制度を中心に議論が行われ、
第4回の会議で、論点整理が行われました。

■法人課税ディスカッショングループ
 3月12日に第1回の法人課税ディスカッショングループが開催されました。座
長は、会長より、大田弘子委員が指名されました。これまでに法人課税を巡る
論点について、3回にわたって議論が行われています。
(税制調査会HP)
http://www.cao.go.jp/zei-cho/

(2) 平成26年度税制改正

 平成26年度の税制改正については、昨年12月24日に「平成26年度税制改
正の大綱」を閣議決定し、これに基づいて、「所得税法等の一部を改正する法
律案」及び「地方法人税法案」を2月4日に閣議決定し、国会に提出しました。
この法律案については、衆議院及び参議院での審議を経て、当初の案のとお
り、3月20 日に成立しました。
 平成26年度の税制改正の内容については、「平成26年度税制改正(案)の
ポイント」というパンフレットを作成しております。お申込みいただければ、直接
送付いたしますので、ご活用下さい。
(財務省HP 平成26年度税制改正(案)のポイント)
http://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeiseian14.htm

(3) 消費税率の引上げ

 本年4月1日から、消費税率が8%に引上げられました。今回の消費税率の
引上げを含む「社会保障と税の一体改革」は、社会保障制度を財政的にも仕
組み的にも安定させることで、だれもが安心して利用できようにするための改
革です。
 改革の趣旨等については、政府広報等でもお知らせしておりますので、ご参
照ください。
(政府広報オンライン 社会保障と税の一体改革)
http://www.gov-online.go.jp/tokusyu/syaho/index.html

 また、総務省・財務省・厚生労働省・経済産業省では、2月下旬以降、47都
道府県で社会保障と税の一体改革の趣旨や社会保障制度改革の内容等を
直接ご説明するため、地方説明会を開催しています。6月まで全国各地で開
催しておりますので、御関心のある方は、是非ご参加ください。
(財務省HP 社会保障と税の一体改革説明会)
http://www.mof.go.jp/comprehensive_reform/chihosetsumeikai.html

(4)「領収証」等に係る印紙税の非課税範囲の拡大

 「領収証」等の「金銭又は有価証券の受取書」は、これまで、記載された受取
金額が3万円未満のものが非課税とされていましたが、平成26年4月1日以降
に作成されるものについては、記載された受取金額が「5万円未満」のものが
非課税とされています。
 事業者の皆様におかれましては、納付する印紙税額に誤りのないよう、ご注意
ください。
(国税庁HP)
http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h26/ryoshusho/index.htm

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4 編集後記

 前回の配信からだいぶ間が空いてしまって申し訳ありません。この間、税制調
査会では様々な議論が精力的に行われています。また、4月には消費税率が
17年ぶりに引き上げられました。税制をめぐる新しい動きについては、引き続き、
財務省ホームページ等でお知らせしていきますので、御確認ください。
 さて、私も広報担当として、全国各地で実施しています社会保障と税の一体改
革地方説明会でいくつかの会場にお伺いし、お話をさせていただいています。各
地で、大変貴重なご意見をたくさんお伺いいたします。これから開催される県もあ
りますので、関心のある方は御参加ください。様々な場所で、できるだけ多くの方
に説明をしていきたいと思います。(南)


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