税制メールマガジン 第76号 25/04/26
税制メールマガジン 第76号 平成25年4月26日
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◆目次
1 巻頭言
2 税制をめぐる最近の動き
3 新入省者紹介
4 編集後記
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1 巻頭言
財務省のある東京・霞が関では、新緑がきれいになりました。読書をす
るのによい季節です。読書というと秋のイメージですが、実は春も読書に
関係する日があります。たとえば4月23日は、「子どもの読書活動の推進
に関する法律」という法律で「子ども読書の日」と定められていて、各地
の図書館ではイベントなどが開催されたようです。
何を読むか書店で探すのは楽しいのですが、迷うこともあります。そん
なときに参考になるのが「本屋大賞」。書店員さんが選ぶ売りたい本だそ
うです。今年は、百田尚樹さんの「海賊とよばれた男」です。スケールの
大きな物語で、ゴールデンウイークのお楽しみにしようかと思っています。
昨年は、三浦しをんさんの「舟を編む」。辞書づくりに携わる人々のお
話で、現在、映画も公開されています。私も、主人公ほどまじめではあり
ませんが、法令を扱うということで言葉づかいには気を使う仕事ですので、
とても面白く読みました。
ところで、辞書で「税」を引くと、次のように書かれています(広辞苑
第六版による)。
【税】国費・公費支弁のため、国家・地方公共団体の権力によって、国民
から強制的に徴収する金銭など。「――を納める」
次に、「強制的に」を引きます。
【強制的】無理におしつけてやらせるさま。
税を辞書の限られた字数の中で表現すればこうなるのですが、「権力に
よって」「強制的に」が印象に残り、何やら山上憶良の貧窮問答歌の世界
を思わせます。
他方、福祉国家である現在の日本では、税は、社会保障、教育、道路な
どのインフラの形で、ふたたび国民のもとに戻ります。そして、民主主義
国家・日本では、国民の代表が集う国会において、税制は決定されます。
いわば、制度としては、国民の理解・選択なくして、税はありえないもの
といえます。そして、それゆえに大切なのが、税の使い道である歳出の妥
当性と、税の仕組みの公平性だと考えられます。
現在、国の税収は歳出の半分にも足りていません。平成25年度税制改正
法が成立したばかりですが、税制は常に進化していかねばなりません。税
は、単に「強制的に徴収される金銭」ではなく、「社会共通の費用を賄う
会費」です。そのあり方を皆様とともに考えていけるよう、これからも最
新の情報を発信していきたいと思います。
主税局広報担当主税企画官 小宮 敦史
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2 税制をめぐる最近の動き
○ 平成25年度税制改正法
「所得税法等の一部を改正する法律案」が3月1日に閣議決定され、国
会に提出されていましたが、衆議院及び参議院での審議を経て、当初の案
のとおり、3月29 日に成立しました。
前回は、法律に盛り込まれた措置のうち、「成長と富の創出の好循環」
の実現に向けた税制措置を紹介しましたが、今回は、「社会保障と税の一
体改革の着実な実施」について、ご紹介します。 今回紹介する内容は、
昨年の税制抜本改革法で引き続き検討し、法制上の措置を講ずることとさ
れていたもの等になります。
イ 所得税の最高税率の見直し
格差の是正及び所得再分配機能の回復の観点から、現行の所得税の税率
構造に加えて、課税所得4,000万円超の部分について、45%の税率を設け
ます。
ロ 日本版ISAの創設及び金融所得課税の一体化の拡充
家計の安定的な資産形成を支援するとともに、デフレからの脱却を後押
しする観点から、上場株式や公募の株式投資信託等への非課税投資を可能
とする日本版ISAを創設します。また、税負担に左右されずに金融商品
を選択できるように、金融所得課税の一体化を拡充します。
ハ 相続税の見直し
バブル後の地価の大幅下落等への対応、格差の固定化の防止等の観点か
ら、相続税について、基礎控除を引き下げるとともに、最高税率を55%に
引き上げる等税率構造を見直します。また、これらの見直しと併せて、小
規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例について、適用対象
面積の拡大等を行います。
ニ 贈与税の見直し
高齢者が保有する資産の若年世代への早期移転を促進し、消費拡大を通
じた経済活性化を図る観点から、贈与税の最高税率を相続税の最高税率に
合わせる一方で、子や孫等が受贈者となる場合の贈与税の税率構造を緩和
するとともに、相続時精算課税制度について、贈与者の年齢要件を65歳以
上から60歳以上に引き下げ、受贈者に孫に加える拡充をします。
ホ 消費税率の引上げに伴う住宅対策
消費税率の引上げに伴う一時の税負担の増加による影響を平準化し、及
び緩和する観点から、住宅ローン減税について、延長した上で、最大控除
額を拡充するとともに、自己資金で住宅を取得した場合等に適用される住
宅投資減税を拡充します。
下記URLから参考資料をご覧いただけます。
・パンフレット「平成25年度税制改正(案)のポイント」
http://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeiseian13.htm
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3 新入省者紹介
新しい年度を迎え、主税局に二人の新人が仲間入りしました。そこで、
自己紹介ということで二人に少し登場してもらいます。
まずは、U君から。
はじめまして。4月1日より主税局調査課で働くことになりました。私
の担当はドイツ税制の調査です。毎日、朝から晩までドイツの税法とビー
ルにどっぶりつかる日々で、体重も2キロほど増えてしまいました。まだ
仕事に慣れるのに精一杯ですが、日々新たなことを吸収していくのはとて
もワクワクします。早くドイツの税制をマスターし、海外の視点から日本
の制度を客観的に見ることができるようになることが私の目標です。
次に、Bさん。
はじめまして。私は4月1日から主税局調査課で働き始めました。これ
からフランス税制の調査を担当することになります。フランス語の法令や
資料を探して読んでいく過程は宝探しのようで楽しく、また、日本と異な
る税制やその歴史を学ぶことはとても勉強になります。今は先輩の仕事を
手伝いながら仕事を教わっているところですが、外国税制の調査は日本で
より良い税制を作るための支えとなる、とても重要でやりがいのある仕事
だなと感じています。その一端を担うことが大変嬉しく、身の引き締まる
思いです。一日も早く一人前になれるよう、精一杯頑張ります。よろしく
お願いします。
いずれは、彼らにも当メルマガで外国の税制に関するコラムを執筆して
もらいたいと思いますので、2人の成長を温かく見守っていただけると幸
いです。
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4 編集後記
先月号のメルマガに対する読者の方からのご意見の中に、「税制改正大
綱はいつ決定されたの?」、「正式に決まるのはいつなの?」という声が
ありましたので、平成25年度税制改正の例を簡単にご説明します。
税制改正は財政政策の一部ですので、基本的には予算編成と並行して進
められ、基本的には予算がまとまる直前にとりまとめられるのが通例です。
まず、翌年度以降の税制の在り方について、与党の税制調査会で議論が行
われ、与党大綱が取りまとめられます(平成25年1月24日(平成25年度
改正の場合))。これを受けて、政府で具体的な税制措置を講じる必要が
あるものを取りまとめ、政府の大綱を決定します(1月29日(同))。こ
の政府の大綱に盛り込まれた措置を実現するために、税に関する法律の改
正案を作成し、国会に提出します(3月1日(同))。そして、国会での
審議を経て、法律が成立することで、税制改正の内容が決定します(3月
29日(同))。
税制の措置は、法律に基づいて行われるため、法律が成立して初めて効
力を持つことになります。なお、適用される時期は、一定の準備期間を置
く必要があるものもあるため、措置によって異なりますので、ホームペー
ジやパンフレット等でご確認ください。
ただし、平成25年度税制改正は、昨年末に総選挙が行われ、政権交代が
おこったため、政府が法律案を取りまとめるにあたって、通常よりもスケ
ジュールが遅かった点に留意が必要です。
引き続き、メールマガジンに対するご意見等をお寄せください。今後と
も、分かりやすいメールマガジンにしていきたいと思いますので、引き続
き、よろしくお願いいたします。
(南)
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