税制メールマガジン 第74号 25/02/13
税制メールマガジン 第74号 平成25年2月13日
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◆目次
1 小渕財務副大臣からのご挨拶
2 税制をめぐる最近の動き
3 諸外国における税制について〜国際比較の「落とし穴」〜
4 編集後記
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1 小渕財務副大臣からのご挨拶
昨年末に発足した安倍内閣において、財務副大臣を拝命いたしました小
渕優子です。主な担当分野として、税制をはじめ、関税、国際関係を担当
させて頂きます。
麻生副総理兼財務大臣を、山口副大臣、両政務官とともにしっかりとお
支えしていきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
私はこれまで政治家としてのライフワークとして、少子化問題、若者政
策、女性政策等に携わってまいりました。特に、2008年から麻生内閣の少
子化対策担当大臣として、これらの問題解決のため具体的な政策立案と予
算確保につとめてまいりました。これからますます高齢化が進み社会保障
費が増えていく中で、支えられる側を安定させ、持続可能なものにしてい
くためには、支える側をしっかり強化していくことが重要であると考えて
います。
私自身、まさに次代を担っていく世代の1人です。私達の世代はこれか
ら先の人生を考えた時に、負担を長く背負っていく世代です。この私達の
世代が、日本の財政という課題としっかり真正面から向き合っていくこと
が大切だと考えています。また、財政という課題を考えるうえで、一番そ
の要になる次代の人間が意思決定の場にいるということの重要性を強く感
じています。
私は、大蔵省時代も含めた歴代の財務省政務において、初めての女性で
あります。今後、人口減少が進んでいく中で、女性の社会進出は必要不可
欠です。世界の中でも能力が高いと言われる日本女性の力を、社会の中で
充分に発揮していただくことが、今後の日本の発展につながるものと確信
しています。
私はまた、二児の母という立場でもあり、育児をしながら働くことには、
どのような障害や困難な点があるかということを、身をもって体験してい
ます。
女性の視点、母親の視点、そして日本のこの平和と豊かさを未来へつな
いでいくための責任を持って、今回財務副大臣として職務に邁進していき
たいと思います。
安倍内閣の最重要課題の一つは、「経済の再生」です。長引くデフレ不
況からの脱却を図るために、大胆な金融政策、機動的な財政政策、成長戦
略の実現の「三本の矢」で取り組んでまいります。
そのため、内閣発足直後から年末年始を返上して取り組み、1月11日に
は「緊急経済対策」を決定し、「復興・防災対策」、「成長による富の創
出」、「暮らしの安心・地域活性化」の3分野を重点として、当面の景気
底上げと将来の成長につながる施策を総動員することとしました。この
「緊急経済対策」に基づき、補正予算が編成され、国会でご審議を頂いて
います。
同時並行で、税制改正の議論や、平成25年度予算の編成が進められ、先
月の29日に、平成25年度税制改正の大綱の閣議決定と、平成25年度予算
の概算決定を行いました。
「経済の再生」に向けた平成25年度税制改正や予算を一刻も早く実現で
きるように、国会においてがんばってまいります。
皆様のご理解・ご支援をお願い申し上げます。
財務副大臣 小渕 優子
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2 税制をめぐる最近の動き
(1)緊急経済対策
1月11日に「日本経済再生に向けた緊急経済対策」が閣議決定されまし
た。
税制に関しても、国内への設備投資を後押しするための税制措置、企業
のイノベーションを促進するための研究開発税制の拡充、企業による雇用
・労働分配(給与等支給)を拡大するための税制措置等の措置が盛り込ま
れています。なお、これらの措置の具体的な内容については、(2)の税
制改正大綱に盛り込まれています。
下記URLから参考資料をご覧いただけます。
・日本経済再生に向けた緊急経済対策
http://www5.cao.go.jp/keizai1/keizaitaisaku/2013/0111_01taisaku.pdf
(2)税制改正大綱
1月29日に「平成25年度税制改正の大綱」が閣議決定されました。
現下の経済情勢等を踏まえ、「成長と富の創出の好循環」の実現に向け、
民間投資の喚起、雇用・所得の拡大、中小企業対策・農林水産業対策等の
ための税制上の措置を講ずることとしています。また、社会保障・税一体
改革を着実に実施するため、所得税、相続税及び贈与税についての所要の
措置、住宅取得に係る税制上の措置等を講ずることとしています。さらに、
震災からの復興を支援するための税制上の措置等を講ずることとしていま
す。
なお、今後、これらの措置を実施するため、関係法律の改正法案を作成
し、国会に提出することとしています。
下記URLから参考資料をご覧いただけます。
・平成25年度税制改正の大綱
http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2013/25taikou_mokuji.html
(3)税制調査会
1月29日に、政府の税制改正の枠組みを整備し、明確化するため、新た
な税制調査会を設置するための政令が閣議決定されました。なお、これと
併せて、従前の税制調査会の設置根拠(閣議決定)は廃止されました。
今後、専門的・技術的・中長期的な税制上の課題について、学識経験者
や有識者を中心に議論して頂くことになります。
下記のURLから参考資料をご覧いただけます。
・内閣府本府組織令の一部を改正する政令
・税制調査会令
http://www.kantei.go.jp/jp/kanpo/2013/jan.5/km0201ee.html
(4)アメリカ合衆国との租税条約
米国時間1月24日(日本時間1月25日)、日本国政府とアメリカ合衆国
政府との間で「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止
のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の条約を改正する議定書」
の署名がワシントンDCにおいて行われました。
改正議定書は、2004年に発効した現行条約の一部を改正するものであり、
両国間の投資交流を一層促進するため、投資所得(配当及び利子)に対す
る源泉地国免税の対象を拡大するとともに、租税条約上の税務紛争の解決
促進のため、相互協議手続に仲裁制度を導入しています。また、徴収共助
の対象を拡大するなど、両国の税務当局間の協力関係が強化されています。
下記のURLから参考資料をご覧いただけます。
http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/press_release/250125us.htm
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3 諸外国における税制について 〜国際比較の「落とし穴」〜
政権交代後、1月初旬から1か月弱で成立した税制改正大綱ですが、大
綱がまとまるまでには、連日、与党税制調査会等で激しい議論が交わされ
ました。
私の所属する主税局調査課では、今回の税制改正を始めとする議論の参
考となる海外の税制などを調査し、国際比較資料を作成しています。
私が財務省に入って早2年、1年目の冬は民主党政権下で、2年目の冬
は自民党政権下で税制改正プロセスを体験しましたが、議論の際、「諸外
国においても同様の税制が導入されている」と頻繁に海外の税制が引き合
いに出されていたのが印象的でした。
無論、国際比較は「周りがやっているから日本もやればいい」という短
絡的な結論を述べるためのものではありません。日本で検討中の税制をす
でに導入した国を調査すれば、当該税制の導入がどのような結果をもたら
しているのかを観察できますし、導入当時の議論を調査すれば、これから
日本において行われる議論にとって有益な情報が見つかるかもしれません。
しかし、国際比較には今申し上げたような利点がある一方、前提条件や
比較対象次第で、資料の見え方が大きく変わってしまう恐れがある点も忘
れてはなりません。ここでは、日本とお隣の韓国における法人課税を比較
してみることにしましょう。
法人税率(国税)は日本:25.5%、韓国:22%である一方、法人実効税
率(国税+地方税)は、日本:35.64%(東京都における税率、復興特別
法人税を除く)、韓国:24.2%であり、日本の税率の方が高いことが分か
ります。
しかし、法人税に係る租税負担率(=税収(対国民所得比))を比べて
みると、日本(2009):3.6%、韓国(2008):5.6%と、法人実効税率で
は日本の7割に満たない韓国が、法人税に係る租税負担率では日本の1.5
倍以上になっています。比較対象を変えるだけで、こうも簡単に見え方が
逆転してしまうのがお分かり頂けるかと思います。税率は一般的に理解し
やすく、頭に残りやすいので、よく比較の対象になるのですが、法人課税
を考える際には、実際の租税負担率に影響を与える課税ベースなども考慮
に入れる必要があります。
たとえば、韓国については、「最低限税」という制度が課税ベースに影
響を与えています。租税特例制限法に規定されている様々な租特(租税特
別措置)を適用した場合であっても、一定額以上の法人税額を納付せねば
ならない、という最低限税制度によって、韓国においては、租特を活用し
た課税ベースの縮小に制限を設け、一定の法人税収を確保していることに
なります。
先ほどお示しした比較のズレを説明するのに、最低限税制度だけでは不
十分だと思いますが、国際比較の難しさはお分かり頂けたかと思います。
故に、我々が国際比較を行う際は、まず入り口となる前提条件や比較対象
を丁寧に検討した上で資料の作成に入っておりますが、実際に国際比較資
料をご覧になる際には、上記で触れたような点に留意しながら、幅広い視
野で資料を眺めて頂くことで、これまでとは違った事実が見えてくるかも
しれません。
主税局調査課 安部 峻平
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4 編集後記
年末の衆議院議員総選挙を経て、安倍内閣が発足し、多くの職員が年末
年始を返上して、予算編成作業とその前提となる税制改正作業にあたりま
した。今後、予算委員会等でこれらの議論が本格化します。主税局をはじ
め、省内の関係部局は、引き続き忙しい日々が続きますが、予算や税制に
盛り込まれた内容が実現できるよう我々も全力で頑張りたいと思います。
主税局で作成しているパンフレット「税制について考えてみよう」に昨
年成立した税制抜本改革法の内容等を加えた改訂版を作成しました。以下
のURLからダウンロードできますので、ご活用ください。
http://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei_pdf201301/index.htm
メールマガジンをはじめ、広報のコンテンツの充実に努めていきたいと
思いますので、引き続き、よろしくお願いいたします。
(南)
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