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税制について考えてみよう

税制の現状
税の種類

   税は、大きく分けると、所得に対する税、消費に対する税、資産等に対する税があります。


税の種類
税目別の税収の推移

   税収は、景気の動向や税制改正といった影響により変動しています。
   所得税、法人税の税収は景気動向に左右されやすい一方、消費税の税収は10兆円前後で推移しており、比較的安定しています。

一般会計税収の推移

一般会計税収の推移
(注)
平成22年度までは決算額、平成23年度は予算額です。

所得税   13兆4,900億円(歳入比14.6%)

   これまで行われてきた度重なる税率構造の累進性の緩和や各種控除の拡充などにより、個人所得課税の負担は大きく軽減されてきています。

所得税収の推移

所得税収の推移
(注)
所得税収は、22年度以前は決算額、23年度は予算額です。 なお、所得譲与税による税源移譲(16年度▲0.4兆円、17年度▲1.1兆円、18年度▲3.0兆円)後の計数です。




所得税の最高税率は、昭和61年当時70%でしたが、現在は40%となっています。

所得税の税率構造(イメージ図)

所得税の税率構造(イメージ図)



日本の個人所得課税の負担は、諸外国と比べて低い水準となっています。

給与収入階級別の個人所得課税負担額の国際比較

給与収入階級別の個人所得課税負担額の国際比較
(備考)
イギリスの就労税額控除及び児童税額控除については、税額から控除されるものではなく、納税額とは別に、全額が給付されるものであることから、個人所得課税負担額として、実際に納付している税額を国際比較する際には、これらを含めずに計算しています。(なお、仮にこれらを含めて計算した場合、イギリスの個人所得課税の負担額は、夫婦子2人及び夫婦子1人の場合は73.1万円(給与収入500万円)、夫婦のみ及び単身の場合は80.3万円(同500万円)となります。また、就労税額控除及び児童税額控除の控除額(給付額)は世帯年間収入に応じて逓減するため、仮にこれらを含めて計算したとしても給与収入700万円及び1,000万円の場合は、個人所得課税の負担額に変化はありません。)
カンガルー
(注)
1. 
個人所得課税には、所得税及び個人住民税等(フランスでは、所得税とは別途、収入に対して社会保障関連諸税(一般社会税等)が定率(現在、合計8%)で課されている)が含まれます。
2. 
日本は、夫婦子1人の場合、子は16歳未満(夫婦子2人の場合、子のうち1人が特定扶養親族、1人が16歳未満)としています。アメリカは子が17歳未満(夫婦子2人の場合、子のうち1人が17歳未満)としています。
3. 
日本の個人住民税は所得割のみです。なお、個人住民税の扶養控除(年少)の廃止【平成24年度分〜】も考慮しています。アメリカの個人住民税の例としては、ニューヨーク州の個人所得税を採用しています。
4. 
邦貨換算レート:1ドル=81円、1ポンド=132円、1ユーロ=116円(基準外国為替相場及び裁定外国為替相場:平成23年(2011年)5月中における実勢相場の平均値)。なお、端数は四捨五入しています。




我が国の納税者のうち約8割の人は、5%、10%といった比較的低い税率が課せられています。

所得税の限界税率ブラケット別納税者(又は申告書)数割合の国際比較

所得税の限界税率ブラケット別納税者(又は申告者)数割合の国際比較
(注)
1. 
日本のデータは、平成23年度予算ベースを基に推計したものです。
2. 
諸外国のデータは各国の税務統計に基づいて作成しています。
3. 
アメリカは個人単位と夫婦単位課税の選択制であり、フランスは世帯単位課税であるため、納税者数の割合は推計が困難です。このため、ここでは申告書数の割合を掲げています。
4. 
ドイツは課税所得に応じて税率が連続的に変化するため、ブラケット別納税者数割合は不明です。
5. 
各国の税率構造について、表中の課税期間においては、日本は6段階(5・10・20・23・33・40%)、アメリカは6段階(10・15・25・28・33・35%)、イギリスは3段階(10・22・40%)、フランスは4段階(5.5・14・30・40%)です。なお、2011年7月現在、イギリスは3段階(20・40・50%)、フランスは4段階(5.5・14・30・41%)となっています。
カンガルー


法人税   7兆7,920億円(歳入比8.4%)

   法人税の基本税率は、グローバル化に対応するとともに国際競争力を強化する観点から、税率を引き下げてきました。一方、法人税収については景気の動向により大きく変動していますが、近年の企業収益回復時も税率の引下げやそれ以外の企業減税により、税収自体は大幅には回復しませんでした。また、平成20年度以降は、リーマンショック後の景気の低迷により、税収は大きく落ち込んでいます。

法人税収の推移

法人税収の推移
(注)
1. 
法人税収は、平成22年度までは決算額、平成23年度は予算額です。
2. 
税引前当期純利益は、法人企業統計調査(財務総合政策研究所)によります。




   我が国の法人のうち、利益を計上し法人税を納めている法人は3割程度であり、残りの7割の法人は欠損法人になっています。資本金1億円超の大会社に限ってみても、利益を計上している法人は5割程度であり、残りの5割は欠損法人となっています。

法人数と欠損法人割合の推移

法人数と欠損法人割合の推移
(出所)
国税庁「会社標本調査」
(注)
1. 
昭和30年分〜平成17年分は各年の2月1日から翌年の1月31日まで、平成18年度分以降は各年の4月1日から翌年の3月31日までの間に終了した事業年度を対象期間としています。
2. 
平成15年分〜平成21年度分の全法人は連結法人を含みますが、資本金別は連結法人を含みません。
3. 
欠損法人割合の資本金区分について、平成19年度以前は「資本金1億円以上の法人」の計数です。
カンガルー


   法人実効税率(国の法人税と地方税を調整した後の表面上の税負担率)の水準を国際的に比べると、我が国はアメリカとほぼ同じ水準であり、それ以外の先進諸国を上回る水準となっています。ただし、法人の負担水準を考える場合には、税率だけでなく、様々な減税措置の存在や社会保険料の影響も考える必要があります。

法人所得課税の実効税率の国際比較

法人所得課税の実効税率の国際比較
(注)
1. 
上記の実効税率は、法人所得に対する租税負担の一部が損金算入されることを調整した上で、それぞれの税率を合計したものです。
2. 
日本の地方税には、地方法人特別税(都道府県により国税として徴収され、一旦国庫に払い込まれた後に、地方法人特別譲与税として都道府県に譲与される)を含みます。また、法人事業税及び地方法人特別税については、外形標準課税の対象となる資本金1億円超の法人に適用される税率を用いています。なお、このほか、付加価値割及び資本割が課せられます。
3. 
アメリカでは、州税に加えて、一部の市で市法人税が課せられる場合があり、例えばニューヨーク市では連邦税・州税(7.1%、付加税[税額の17%])・市税(8.85%)を合わせた実行税率は45.67%となります。また、一部の州では、法人所得課税が課されない場合もあり、例えばネバタ州では実効税率は連邦法人税率の35%となります。
4. 
フランスでは、別途法人利益社会税(法人税額の3.3%)が課され、法人利益社会税を含めた実効税率は34.43%となります(ただし、法人利益社会税の算定においては、法人税額から76.3万ユーロの控除が行われるが、前記実効税率の計算にあたり当該控除は勘案されていません。)。なお、法人所得課税のほか、法人概算課税及び国土経済税(地方税)等が課せられます。
5. 
ドイツの法人税は連邦と州の共有税(50:50)、連帯付加税は連邦税です。なお、営業税は市町村税であり、営業収益の3.5%に対し、市町村ごとに異なる賦課率を乗じて税額が算出されます。本資料では、連邦統計庁の発表内容に従い、賦課率387%(2009年の全ドイツ平均値)に基づいた場合の計数を表示しています。




社会保険料事業主負担の国際比較(対国民所得比)

社会保険料事業主負担の国際比較(対国民所得比)
(出所)
内閣府「国民経済計算確報」、OECD"Revenue Statistics 1965-2009"及び同"National Accounts 1997-2009"等。
(注)
1. 
社会保険料事業主負担については、法人事業主及び個人事業主の負担分の他に、公共部門の社会保険料納付義務者の負担分も含まれています。
2. 
OECD"Revenue Statistics"においては、社会保険料に係る計数について、分類不能とされている項目があり、これについては計算上関連する項目に按分しています。


租税特別措置の見直し

   租税特別措置の見直しは、租税特別措置法に定められた措置や特例等のうち、産業政策等の特定の政策目的により税負担の軽減等を行う措置に当てはまるもの全てを対象とし、平成22年度をはじめとする4年間で抜本的に見直すこととしています。

カンガルー

租税特別措置の見直し結果

(平成23年6月に公布された「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応した税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律」による改正)

租税特別措置の見直し結果:租税特別措置法の規定による特例措置
(注)
平成23年度税制改正大綱に基づく見直し(案)は、廃止8、縮減42です。


消費税   10兆1,990億円(歳入比11.0%)

    消費税は、社会保障をはじめとする公的サービスの費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合う上で、大きな役割を果たしています。 また、消費税に対する信頼性、制度の透明度の向上を図るための見直しを行ってきました。

カンガルー

消費税制度改正の歩み

消費税制度改正の歩み
(注)
平成23年度において、免税点制度は、前年又は前事業年度上半期の課税売上高が1,000万円を超える事業者は不適用とする改正が行われています(法人は25年12月決算から、個人は25年分から適用されます。)。




   我が国の消費税率は、主要国の中では最低の水準にあります。一方、諸外国では、消費税(付加価値税率)は基幹税として主要な位置を占めており、EU加盟国では、標準税率を15%以上とすることが義務づけられています。

付加価値税率(標準税率)の国際比較

付加価値税率(標準税率)の国際比較
(出所)
各国大使館聞き取り調査、欧州連合及び各国政府ホームページ等。
(注)
1. 
日本の消費税率5%のうち1%相当は地方消費税(地方税)です。
2. 
カナダにおいては、連邦の財貨・サービス税(付加価値税)の他に、ほとんどの州で州の付加価値税等が課されています。(例:オンタリオ州8%)
3. 
アメリカは、州、郡、市により小売売上税が課されています。(例:ニューヨーク州及びニューヨーク市の合計 8.875%)




   消費税の税収が充てられる経費(地方交付税交付金を除く)の範囲は、予算総則において、「基礎年金」、「老人医療」、「介護」に限られています。

消費税の使途(平成23年度予算)

消費税の使途

地球温暖化対策のための税

   地球は、深刻な温暖化問題を抱えています。ヨーロッパ諸国においては、地球温暖化対策としてエネルギーや自動車などへの課税を強化し、これらの消費を抑えることで二酸化炭素の排出を抑制する考えが広まっています。我が国における環境関連税制の税収は、GDP比でみると、ヨーロッパ諸国に比べて低い状況にあります。


環境関連税制の税収(対GDP比)の国際比較

環境関連税制の税収(対GDP比)の国際比較
(出所)
OECD/EEA  database on instruments for environmental policy
(注)
OECD環境統計において「環境関連税制」(Environmentally Related Taxes)とされている日本の税目は、揮発油税、地方揮発油税、石油ガス税、航空機燃料税、石油石炭税、自動車重量税、軽油引取税、自動車取得税などです。


相続税   1兆4,230億円(歳入比1.5%)

   基礎控除の引上げなどの改正や地価の下落により、相続税の負担は大きく軽減されてきており、相続税の負担が生じるケースは、亡くなった方の4%程度となっています。


相続税の課税割合及び税収の推移

相続税の課税割合及び税収の推移
(注)
1. 
相続税収は各年度の税収であり、贈与税収を含みます(平成22年度以前は決算額、平成23年度は予算額)。
2. 
課税件数は「国税庁統計年報書」、死亡者数は「人口動態統計」(厚生労働省)によります。




最近における相続税の税率構造・基礎控除等の推移

最近における相続税の税率構造・基礎控除等の推移
(注)
1. 
基礎控除の(  )内は、法定相続人が3人(例:配偶者+子2人)の場合の額です。
2. 
地価公示は、三大都市圏(商業地)の昭和58年を100とした場合の指数です。
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