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財政構造改革部会

記者会見

平成21年5月18日
財政制度等審議会


〔西室部会長〕本日は14時から財政審の財政構造改革部会を開催いたしました。議題は、お手元にありますように、「医療崩壊から脱出するための緊急提言」についての有識者ヒアリングということで、日本医師会の常任理事の中川さんからのプレゼンです。

それから、「農政改革について」と社会保障に関する補足説明ということであります。

まず、中川さん、日本医師会の常任理事ですけれども、「医療崩壊から脱出するための緊急提言」という題目の資料1のお話がございました。実際には、ほとんどこのままでご説明をされましたので、あえて繰り返す必要はないかと思いますけれども、まだブリーフィングも何も済んでいないというお話なので、ほんの少しだけ内容についてお話をしたいと思います。

ご主張の第一番最初の部分は、診療報酬の引き下げを直接的な要因として、平均在院日数の短縮化だとか、あるいは、患者負担割合の引き上げ、雇用・生活環境の悪化、さらには新医師臨床研修制度、これを間接的な要因として全国の病院、それから病棟の閉鎖、診療科の休止などが相次いでいるので、何としても社会保障費削減政策は撤回すべきである。

今、ここで申し上げましたように、在院日数の短縮化の話ですとか、あるいは患者負担の引き上げですとか、いろいろ財審としては、むしろ国際比較からいっても、在院日数が極めて長過ぎるということですとか、あるいは患者負担そのものをある程度上げた方がいいのではないかとかいうお話をしてきたわけですが、それは全部撤回して、医療費抑制はやめた方がいいと、こういうお話であります。

今、概略を申し上げましたのが、ずっと最初の方のお話です。長寿医療制度についてのお話というのが、その次の話題ですけれども、75歳以上の方は疾病にかかるリスクが高いし、長期療養が必要になるので、高齢者に関しては保険原理というのは働きにくいという状況がある。これは26ページです。

これを考えると、やはり、保険ではなくて保障ということ、つまり、医療費の9割は公費で、主として国が負担すべきである。28ページですけれども、高齢者以外の一般は純粋保険制度でやったらどうだ、こういうお話であります。

つまり、高齢者の方は全部公費負担にして、それで高齢者以外の一般は全部保険でやる。これがご主張です。

それからあと、それ以外の部分については、国民皆保険を守るための財源として、29ページのところにありますけれども、この3つ、つまり、消費税など新たな財源を検討すべきであるということ、それから、国の支出の見直しの継続をしろ、それに、公的医療保険の見直しが必要である、こういうことであります。

この公的医療保険の見直しというのは、今、保険制度が分かれておりまして、それで、34ページのところにありますように、協会けんぽ、組合健保、それから、共済組合の中の国家公務員、地方公務員、私学教職員と、こう分けて現状を見ると、それぞれの間で負担の仕方についての差がある。保険料率、パーミル書いてございますように、82.00‰、73.90‰、それから、64.34‰その他、これをすべて協会けんぽの料率82.00‰にする、こういうご提案が具体的な提案としてございました。

それから、こういう見直しを同時並行的に進めて、それで消費税を充てるべき費用は2009年、9.1兆円不足しているので、国・地方の配分が変わらなければ、これでどうにもなりません、こういうお話であります。

それであとは、医師会は、これを前提として、35ページのところにございますけれども、国民の経済的困窮から来る受診の抑制、重症化の懸念、これを解決するためには、外来における患者一部負担の割合を引き下げろと、こういうご提案と、それから、医療資源の大幅な不足・偏在による地域医療の崩壊というのについては、診療報酬を大幅に引き上げなさい、こういうことであります。これをやれば、身近な医療機関が健全に存続し、国民が経済的負担におびえることなく、いつでも医療機関にかかることができる。

こういうご提案なんですが、1つの医療ユートピア論と言ってもいいのではなかろうかと思われるようなご説明だというふうな印象を正直言って受けました。

このご説明に関して、各委員の方々からのご質問、ご発言を披露しておきたいと思います。

まず、宮本委員からは、確かに皆保険制度というのは世界に誇るべき制度であり、社会保険制度を維持していく必要がある。そして、医療保険制度は国民全体、国民全体というのは、患者と医師が支える必要がある。すべて、それについてのご指摘は事実だけれども、幾つか質問があると。1つは、医療費の増加については、財源の確保ということのほかに医療コストの節減も必要ではないだろうか。経費の節減について、例えばレセプトのオンライン化だとか、あるいは後発医療品、ジェネリックの利用拡大だとか、そういうものに反対をしないで積極的に取り組むべきではないだろうかというご提言が1つ。

それから、2つ目は、財源の確保については、消費税の引き上げが必要であるというふうに思うけれども、それについてどうお考えだろうか。

それから、3つ目は、少額医療費についての保険免責制というのを、ぜひとも導入したらどうだろう。

4つ目が、混合医療についても前向きな議論をしてほしい。所得格差が医療格差につながるのはおかしいという意見もあるけれども、自分の健康に対する投資だけが不当に制限されるのはおかしいのではないか。このご議論は、お金持ちの人がいい医療が得られるみたいな反対論があるけれども、人によって、ファーストクラスに乗って海外旅行をする人もいるし、エコノミーで行って楽しむ人もいるし、そういう差が実際にあっても、そんなに変な話ではないのだろうか、こういうご主張でありました。

今の質問についての医師会の中川さんのご回答は、まず、オンライン化の問題については、医師会はIT化自体反対ではないけれども、完全義務化ということ、それから、それが期限が守れなかったらペナルティーがつくみたいな、そういうオンライン化は効率に結びつくとは思えないし、議論があるというご主張であります。

これは、中川さんに言わせれば、医師、殊に地方にいらっしゃる医師の方でお年の方もいらっしゃるので、それを全部やるのは難しい。これが反対の理由である、こうおっしゃっておられます。

それから、免責制というのは、前から財審でも免責制の導入については提言をしておりますけれども、これについては、軽度の医療の負担割合が極端に大きくなってしまうので、皆保険制度の意義が問われるのだと、こういうお考えで、医師会としては賛成できない。

それから、混合医療については、最先端の有効な医療、新薬については、速やかに保険診療の対象にすべきである。これが混合医療を全面解禁すると安全性、有効性が確保できない。そういうふうな民間療法もすべて解禁されるので、これは反対をしている。

いずれにしても、宮本さんのご提言については、すべて反対であるということであります。

重ねて宮本さんからは、特に免責制については、皆保険制度を守るのだったら、むしろこの方がいいのではないかと。医療費を税で負担しようが、保険料で負担しようが、結局、医療コストは国民のだれかが負担するということになるので、それで、免責制を投入した方がいい。

それに対して、中川さんの方からは、前提としては、税金による負担は日本は諸外国と比較して最も低い水準である。これは、6ページのところに各国の比較表がありますけれども、国の借金の主な原因は社会保障ではないのだというご主張もございました。

それから、吉川さんから、医療の再生には、ただ金を積めばいい、費用を出せばいいということではなくて、地域の病院と診療所の連携が必要である。医師会には、地域医療のシステムを構築するためリーダーシップを発揮してもらいたい。また、医療報酬の配分やあり方そのものを検討するに当たって、中医協のメンバーとしてリーダーシップを発揮してほしい。これは、医師会に対するご要望です。

それから、続けて、患者自己負担の引き下げには全く賛成できない。所得水準に依存する話であり、一律に引き下げればいいというものではない。保険制度では限られたリソースを、どう考えるかという考え方が大事であって、例えば、高所得者には高額医療費制度が有効に機能するというふうに思う。

それからもう1つ、レセプトのオンライン化については、強制化に反対というふうに医師会の方はおっしゃっているけれども、これだけ国費が投入されている現実があるので、医療機関にも相応の義務が発生するのはやむを得ないのではなかろうか。以上3つが吉川さんからのご指摘です。

それに対して、まず、オンライン化の話、先ほど宮本さんからもオンライン化の話が出ましたけれども、オンライン化に反対しているのは、人口の少ない地域、高齢の医師など、小規模な診療所に期限を切って導入しろと言われても、それは無理だということでありました。

これについては、救済措置を講じればいいような話ではないかと、正直言うと、私は思います。

それから、地域医療の崩壊というのは、既に共通認識なので、金だけでは再生できないのは確かであるけれども、金がなければだめなのが実態である。

これは、吉川さんからのご指摘の、医師会に地域医療のシステムというものを、この前のときにご説明しましたような、地域の医療ネットワークみたいなものを、しっかりつくるべきだという、そういうもののリーダーシップも医師会が持ってほしいというお願いだったのですが、これについては、どうもちゃんとしたご回答は、残念ながらいただけなかったということであります。

それから、その次に、田近さんから、29ページの資料で、国庫負担の見直しを、この29ページで、この3つ、国民皆保険を守るための財源というの、ここに3つ書いてあるけれども、これにやはり国庫負担の見直しを考えてほしい。具体的に言うと、提案されているように、組合健保の保険料率を協会けんぽ並みに上げるという議論の背後には、国が医療に対してどういう負担をすべきかという議論がある。

この29ページの前の28ページをごらんいただきますと、そこには高齢者医療制度の提案が、先ほども見ていただいたように出ておりますし、それで、この高齢者医療制度の提案をされるのであれば、若い人も含めて国庫負担のあり方を検討すべきだし、例えば、国保組合の国庫負担を廃止すべきということも含めて検討すべきであるということであります。

これはご承知のように、国保組合については、国庫の負担が厚く出ているという現実があるので、それについてのご指摘です。

それに対して、中川さんの方からは、国保、協会けんぽ等の保険制度からは国庫負担を排除して、若人世帯で助け合う仕組みにすべきであるという提案であると。

これについて田近さんから、協会けんぽや国庫負担は原則廃止ということで主張されていると理解していいかという質問につきましては、今回は財源の話としてこの話が出ているだけで、制度の話として国庫負担全廃ということを提案しているわけではないという解説がありました。

それから、岩崎委員からのご指摘は、国民感情からすると、なぜいきなり診療報酬を引き上げるのか理解ができない。医師の給料が高いと思っている人がほとんどであるし、診療報酬改定の過去からの推移を見ると、人事院勧告との乖離も大きい。診療報酬には多額の税金が入っているので、人事院勧告を全く無視した形で決まっているという従来からのやり方がおかしいのではないだろうか。しかも、不況の下で人事院勧告や民間の給与は下がるのに、なぜ診療報酬だけが上がるのか。議論すべきは、診療報酬の水準よりも、むしろ、配分の問題ではないだろうか。

例えばということで、岩崎さんがおっしゃったのは、開業医と勤務医の格差があるのは共通認識であって、アメリカでは専門医の方が家庭医よりも給与が高い。これは後で資料は別に説明をいたします。簡単な診療より難しい診療を行う者の給料が高いというのは当たり前の話で、日本でも開業医よりも病院の専門医に手厚く配分すべきではないかということを、岩崎さんからお話しされたのに対して、中川さんからは、医師の給料が幾らであるべきかというのは、いわば神学論争であって、それで、手取り年収で勤務医と開業医の比較、そういう一つをとってみても、開業医の年収が法外に高いとは言えない。赤ひげのやるような医療というのを期待しても、それはできない話だ。診療報酬の配分の見直しという姑息な手段では問題は解決しないというふうに言われました。

岩崎さんからもう1回、配分の見直しは姑息な手段ではないだろうと。医師の給与が高くないというのは、国民の常識からはかけ離れている。まずは配分を大胆に見直した上で、診療報酬の水準を議論するべきである。

これに対して医師会の方からは、国民の常識とおっしゃるけれども、例えば、中川さんは札幌の方なんですが、札幌の開業医の給与は悲惨なもので、給与が高い裕福な医師というのは一部にしかすぎないので、イメージで話さないでデータを根拠にして話してほしい。

これは、結局、神学論争ということにならざるを得ない話になりました。

それから、井堀さんから、高齢者医療の提案、これは28ページに書いてあるものですけれども、1つの考え方だけれども、あまり手厚くし過ぎると医療費もかなり増えると思うけれども、今後、医療費というのは、例えば10年先、20年先にどうなっていくかという推計があるのだろうか。特に高齢者についての推計を医師会はお持ちだろうかというご質問でしたが、これについては、20年先の医療費推計が妥当であるかということも疑問でもあるし、10年くらいの見通しは行うべきではないかと思っているということであります。

それから、本件の最後の質問が千葉商大の島田さんですが、また混合医療の話で、患者側のメリットや医療を成長産業にする医師側のメリットというものもあるので、混合医療をやることによって、高額の医療費収入が入るということで、それも考えられるのではないかということでありますけれども、これについて、医師会というか、中川さんのご回答は、ぜいたくな部分は患者負担にしろということに反対しているわけではなくて、混合医療については、現行の制度でも実質的に解決可能だというふうに言っただけである。

先ほど申し上げましたように、これを早く認可すればいいのだということですね。新しい医療の仕方、あるいは薬が出てきたら、それを早く認可すればいい。

しかし、混合医療にどうして反対かというと、その導入によって、普遍的な医療のレベルが下がってしまうおそれがあるということであります。高度な医療を提供する医師は多くなくて、医師の収入が増えるわけではない。

この部分は、ちょっと解説だけさせていただくと、医師会さんのご主張は、混合医療を容認することによって、一部の医師が極めて先端的な治療医薬を使うということになると、そうすると保険で認められているレベルそのものが上に上がらないで、それは特殊な人たちだけ、医師だけがやれるようなことになってしまうということになってはいけない。それではおかしいのではなかろうか。高度な医療ができる人は、そんなに数は多くないよというご主張であります。

今回、島田さんから繰り返してご主張があったのは、このレポートそのものは、医師の収入を増やすということが大事なのではないかというレポートだと思うけれども、混合医療の解禁というのも、その突破口になるのではないかというご指摘がありましたが、これについては、そうは思わないということで、そういう意味では、やりとりそのものは極めてエキサイトした感じのやりとりがされたというのが正直なところであります。

医療の話は以上で終わりでありまして、その次に、農政改革の話、これについての説明があって、それから、審議がありました。農政改革の中身の説明、この資料の説明は既に済んでいるというふうに聞きました。内容の審議のところだけお話しします。

島田委員から、農地のかなりの部分が耕作されていないというふうに言っているけれども、それは、改善方法はいかなる方針なのか。また、担い手そのものが減っているということについて、企業の参入は担い手の比率増減という観点では、どのような影響を及ぼすのか。これは、主計官に対する質問です。

それについて、現在の数値目標としては、向こう3年間で10万ヘクタールは改良しようというふうに思っている。農地法制の改正で貸し出しも容易になるという効果を期待しているし、企業の参入については、担い手について円滑な世代交代が基本という議論の一方で、これは新たな産業の創出という観点もあるので、しっかり支援の対象にしようというのが議論の方向であるという解説がありました。

それから、土居さんから、農政改革関係閣僚会議など、そういう場所で、WTOの動向をにらんでいかなる議論が進められているのかという質問。保護貿易にならない一方で、財政依存もしないという方向を維持するために、農政改革は絶対必要であるけれども、WTOとの絡みではどうなっているだろうか。

これについて、主計官からの回答、状況説明は、特命チームの会合でも議論されているし、大きな方向として国際的な自由化の流れはあるけれども、今のWTOの議長テキストを前提とした議論はしていない。WTOの動向自体は問題意識としては十分踏まえている。

これは何を言っているか、よくわからない回答ですけれども、何を言っているかというと、WTOで農業補助的な志向については問題になるというのは、そういう認識はあります。ただ、具体的に話をしようと思うと、現在出ているWTOの議長の出したテキスト、それをもとにして、前提の議論をすると、そうすると日本のこれから先のWTOに対する対応の仕方は、それに基づいてやるなという話がわかってしまうので、公の場所では、そういう議論はしていませんよと。ただ、中身的にはいろいろ難しい問題があるなということで、意識はして議論をしています。こういう意味ですよね。

〔事務方〕今、会長がおっしゃったとおり、私が説明したことは、テキストの内容を前提とした議論をすると、これからの外交交渉についての問題もあり得るということが特命チームとして議論されていると。したがって、特命チームはテキストを前提としての制度設計ということにはなっていない。ただ、大きな流れとして、国際化という動きを踏まえた議論になっている、こういうふうに説明しています。

〔西室部会長〕WTO交渉で不利になってはいけないので、あまり大きな声でやらない、こういう話ですね。

それから、石橋さんからの質問です。国際的に見て、日本は農業生産者に対する助成金が最も高いという指摘がある。ある東欧の国では、畜産業者への助成金を廃止したところ、心疾患患者が半減したという報道があって、助成金のあり方は国民の健康にも影響するという視点もあるのではないか。

これは珍しいご指摘なんだけれども、ちょっと解説してくれる。

〔事務方〕ちょっと私もわからないんですけれども、委員からは、お肉を食べ過ぎることが病気になるので、支援をやめると、健康によくなったと、そういうことですけれども、ちょっと私はその知識がなかったので、直接ご答弁しておりませんけれども、農業予算の国際比較というところで、石橋委員からは、日本の助成金は高いのではないかというご指摘だったのですけれども、私の方からは、まず、諸外国比較する場合に、どういう基準で比較するかはなかなか一概には言えない。ただ、いろいろなデータですけれども、諸外国と比べて少ないという意見も、私は耳にしております。

それから、農家戸数が多いものですから、戸数当たりで見ると、諸外国に比べて金額は小さい。一方で、面積が狭隘なものですから、面積当たりの金額としては大きいというようなことと承知していますという説明をしています。

〔西室部会長〕それから、井堀さんから質問が出ましたのは、今回の補正予算で農業関係が全体で1兆円超えているのだけれども、来年度以降の農政改革を先取りして、当初予算を先にしているという理解でよいのかと。むしろ、新たな改革であって、来年度以降もこれが続いて1兆円ずつ続けて支出があるのだろうかという質問でありました。

これについて、今回の補正予算、この経済対策はあくまでも一時的なものである。それで、農政改革については、将来的なコスト削減の方向性も踏まえたものであるけれども、いずれにしても、来年度以降については検討チームが今討議をしているところなので、その結論を踏まえる必要があるだろうということで、やっぱり、あくまでも補正予算は補正予算で、それが後を引くようなことにはならないはずだという回答であります。

それから、榧野さんからのご指摘は、今回の農政改革の方向について、仮に農産物の価格が激減した際の影響を考えると、主業農家をターゲットとすべきではないか。どういった農家を援助すべきかという純粋な考え方で臨んでほしい。

この説明資料の13ページを見ていただきますと、非常にはっきりと出ているのは、一番左側に全体の絵がありますよね。総所得が484万円で、その中の農業所得というのが120万円だと。それに対して、その次に、3つに分けて書いてありますのが、主業農家さん、これは425万円が農業収入であって、それ以外の収入は極めて小さいけれども、準主業農家と言われるところも副業的農家と言われるところ、この戸数的に一番多いのは副業で、それから、準主業でも主業農家よりも多いんですけれども、そちらの方の実際の農業所得というのは極めて小さい、48万円とか32万円とか書いてありますけれども、それを踏まえて考えると、将来の農業の形を考えたときには、大事なのは主業農家ではないか。これをしっかり考えてもらいたいというのが榧野さんのご指摘であります。

これは、各委員の皆さんも共通で、そういうふうに考えておられるというふうに思います。

それから、三木さんからの質問は、食料自給率について、どのように位置づけるか。各国に比べて低いのではないかということであります。

今回、基本計画では、27年度に45%、これはいろいろな取り組みが実施されることを前提としたものであって、50%にはすべきだという総理の演説もあり、45%に甘んじないという一定の方向が出ている。基本計画に向けて議論をしていく、これは説明資料の最初の方に総理のスピーチもちゃんと入れてありますので、そういうことを、50%というのは1つの方向づけで考えたらどうだろうかというふうな議論になっていますよということです。

それから、長島委員からの質問は、新エネルギーを生み出すという部分があるけれども、5ページの右側にずっと並んでいる中の新エネルギーという部分です。これで、2030年にはバイオ燃料を600万キロリットル生産する、1,600万世帯の年間電気消費量に相当すると、こう書いてあるけれども、一体遊休地の活用だとかそういうことでやるのだろうかという質問であります。

これは、長島さんのご心配は、今、アメリカでやっているようなコーンを原料にしてバイオ燃料をつくるというふうなことを、まさか日本は考えているのではないでしょうねということだと思います。

それで、これは主計官からの回答は、少なくとも食料の供給とは矛盾しない方針でやっていくということで、麦わらだとか、あるいは木質チップだとか、いわば食べられないものを活用するということであります。

それで、これは、昔、最初にこのバイオ燃料の話が出たときに、サトウキビからつくるということで、何か小泉総理が沖縄まで行って、サトウキビの話をしていましたけれども、実際には、将来のバイオ燃料の話というのは、そういう実際に活用できるような、食料に使えるようなものを原料とするのではなくて、それ以外の原料、麦わらだとか、あるいは木質チップだとか、そういうものにするというのが方向づけであるという回答であります。

それからあと、恐縮ですけれども、小さいというか薄い資料で、社会保障の追加の資料があります。これは追加の資料なのでちょっと見ておいていただきたいのですけれども、資料3。

それで、医師不足問題の解決に必要な対策ということについては、ここで抜き出しておりますのは、いろいろな対策が打たれていて、それで実際に医師不足に対応するための10%と、先ほどの医師会からの提案ではありましたけれども、それ以上の増加が図られているということであります。

それから、実際に何が必要かということについては、医師の配置の適正化だとか、あるいは職種間の役割分担だとか、そういうことがある。

それから、次の2ページ目に書いてありますのは、コメディカルと称する、その役割をもう少ししっかりと認めた方がいいのではないかということで、いろいろ書いてありますのは、アメリカではナースプラクティショナーですとか、あるいはクリニカルナーススペシャリストだとか、そういうふうな資格がある看護師さんが10%弱、それに対して、日本でもそういう認定看護師ですとか、専門看護師ですとかいう方がいらっしゃる。しかも17分野、10分野ということであるのだけれども、極めてそういうことをおやりになる方が少な過ぎる。これがしっかりと数が増えてくだされば、医師の負担も減るのではないか、こういう例として。

それから、その次に見開きになって、A3の表ですけれども、これはそれぞれの国の、この前、ドイツの話をちょっとしました。それにプラスして、日本、イギリス、ドイツ、フランス、アメリカ、これの比較を書いているということであります。特に一番上のところの、うち公的医療費、GDP対比というのがありますけれども、この部分について、イギリスはすべて税負担、7.1%、それから、ドイツはほとんどが保険であって、フランスも同様に保険である。アメリカは公的負担の方が7割の社会保険が3割。それに対して日本は、これは公的負担2割、社会保険8割となっておりますけれども、社会保険の方に実際には公的な負担が入ってしまっているものですから、それをしっかりと見直しをすれば、税負担が4割強、保険料が6割弱ということで、ちょうどイギリス、ドイツが対照的なのに対して、日本は公的負担と社会保険の負担がちょうど中間であるということが言えるということであります。

その他について、いろいろ比較がありますけれども、それはまた後で見ておいていただきたいと思います。

私からは以上ですけれども、これだけだと、どうも何となく歯切れが悪過ぎるような気がしますので、それで医療関係について、2回プレゼンテーションをいただき、そして、それぞれの委員の方にもいろいろな発言をいただきました。それで、きょういただいた意見、あるいはこの前の意見もあわせて、どういうことを今問題意識として医療について持っているかということをまとめて説明させていただきたいと思います。

まず、医療提供体制の再生・確保のためには、医師の偏在の是正が必要ではないかということであります。医師の偏在というのは、地域別の偏在と、それから、診療科目別の偏在、それから、病院・診療所間の負担の偏在、こういうふうなものを是正するための具体的な取り組みが必要なのではなかろうかということであります。

そのための手段として、まず1つ目には、経済的な手法としては、診療報酬の改定が今度あるわけですけれども、その配分の見直し、それから、診療報酬の体系の見直し、この2つが必要ではないだろうか。具体的に言えば、今一番過重な労働を強いられていると言われる病院勤務医の負担軽減に確実につながるような診療報酬の配分、病院への配分を厚くする必要があるのではないか。そうしたあり方を決定する中医協のあり方についての見直しが必要ではないかということ。

それから、これはこの前のときに、亀田理事長から、厚生省、中医協の内部の議論で決まっているけれども、病院経営について医師会の理解が少な過ぎるというご指摘もありました。

それから、偏在是正の2つ目の手段としては、医師の配置を適正化するために、1人の医師の養成には多額の税金が投入されているということにも鑑みて考えれば、規制的な手法も必要なのではなかろうか。日本以外の主要国では、先ほどの比較表にもありますけれども、医師、保険医の地域、あるいは診療科の選択、開業の自由、それについてさまざまな公的な規制が明らかに存在する。ドイツでは、この前のときのブリーフィングでもお話ししたように、地域を10に分けて、診療科を14に分けて、それぞれの地域について、各診療科の定員を決めて、10%以上の医師の配置はしないということにしているというふうな例があります。

それから、さらに経済的な手法として、医師の過剰、過少に伴って、地域ごとに診療報酬単価を増減されるという方法すら導入されているということであります。

きょう、国際比較、先ほどちょっと説明した、これにおいても、主要国では医師の自由度、患者の自由度、患者の自由度というのは、つまり日本だけなんですね、フリーアクセス、どこの病院でもちゃんと診てくれるという形。それはすばらしい制度ではあるのですけれども、こういう制度上の制限がないというのは日本だけなので、ある程度の制限を甘受しても、公的な関与が必要ではないかということであります。

それから、その次は、もう1つ2つ指摘しておきたいのは、医療関係業種間の役割分担の見直しという問題が大きな問題としてあるだろうと思います。役割分担の見直しというのは、結局、勤務医の負担を軽減するためという、このための役割分担の見直しというのは必要でありましょうけれども、それのほかにコメディカルの活用、さっき申し上げた看護師の方、あるいは薬剤師の方、それから、医師の分担の中でも、前にも指摘があったように、麻酔科医が足りないということについて、歯科医の方で麻酔に熟達している人を活用するとか、そんなふうないろいろな考え方があるだろう。

それとあとは、看護師の方でもっとスキルの高い看護師の方をたくさん養成するということが医師の負担の軽減にはつながるのではなかろうか、こういうことで、つまり、医療関係者全体、それについてしっかりと考え直す必要があるのではないかというのが、もう1つの主張です。

それから、3つ目で言いたいのは、医療費負担のあり方はどういうふうに考えられるのだろうか。先ほどの資料でも説明しましたとおり、日本の国民医療費は大半が税金と保険料で賄われている。今後も医療費の増大が見込まれているけれども、現状のままでいれば国民負担を、国民負担というのは、つまり、税金か保険料かどちらか上げなければいけないということになるだろう。

一方、アメリカのように医療支出の多くを私的な支出、個人負担と民間保険、これで賄っているという例もあるけれども、我が国においても国民負担を増加させずに、仮に医療費の増大を許容する場合には、こうした方法もあるのではなかろうか。

これは、先日の亀田理事長からのお話、紹介しましたように、医療従事者の多くは混合診療を解禁すべきだというふうに考えているということがありますので、きょうも議論のあったような混合診療の問題というのは、もう1つ、しっかりと考える必要がある。

それから、もう1つ、言い忘れましたけれども、診療報酬そのものが医師の経験熟達度を全く反映していないという現状があります。これについては、専門医というのがこれから大事になる。しかも、専門医の報酬というのは、先ほどの最後の資料にもありますように、極めて格差があって、専門医の方が報酬が高いというのは、アメリカでの現状である。それを考えると、やはり医師の熟達度に伴って診療報酬というのは変わってもいいのではないかということも検討の課題であり、私ども、今度の建議の中には、その部分も触れざるを得ないだろうというふうに思っております。

大体そんなところです。

〔幹事〕では、幹事からお伺いします。まずは、医師会の方の主張で確認させていただきたいのですが、財源の、国民皆保険を守るための財源のところで触れておりましたが、消費税、触れておりましたが、32ページの方で、9.1兆円不足しているということで、消費税で3.6%分スキマがあるんだという主張もされていますが、医師会としては、積極的にこの分を消費税で穴埋めしようというスタンスだという理解でよろしいですか。

〔西室部会長〕そういうふうに理解をいたしました。確かめませんでしたけれども、これだけはっきりスキマとか、不足とか書いてあると、そう読まざるを得ないなというふうに理解しています。

〔幹事〕では、各社、お願いします。

〔質問〕すみません、まず、きょうの本筋の話とはちょっと外れるので恐縮なんですけれども、先日、民主党の代表選があって、ああいう結果になったのですけれども、鳩山さんの記者会見の中で、お金の使い方と社会保障費の捻出の中で、今後どうするかということを考えるに当たって、今の霞が関的なお金の使い方は無駄が多過ぎる、自分は今まで10兆円ぐらい無駄を捻出してきたけれども、多分、民主党政権になれば20兆円分ぐらい捻出できて、そのかなりの部分を社会保障費に回せるというお話だったんですけれども、無駄遣いが、具体的なことはわからないんですけれども、無駄が多過ぎるのではないかというお話だったんですけれども、そのご見解について、西室さん、どのように受けとめられていらっしゃいますでしょうか。

〔西室部会長〕あの記者会見そのものは、私もテレビで拝見をしましたけれども、非常に漠然としたお話、概念論、及び友愛論のお話がほとんどであって、中身について具体的なご指摘がはっきりしていないというのは残念だったというふうに思います。

それで、今の10兆円、20兆円ぐらいの捻出ができるというのも、個別に積み上げて、どういうことになるかという検討を、やはりしっかりと、常にこれは無駄をなくして、それで有効な支出、歳出をしっかりとやっていこうというのは、我々のところの、財政審のいわば基本的な任務ですから、我々もいろいろなご指摘があれば、謙虚に耳を傾けて、それでこの部分無駄だったら無駄だという指摘はさせていただくようにしたいと思います。

ですから、もう少しかみ砕いたご説明をいただければ、それに対応して、どういうふうに考えるかというのは、これからしっかりやっていきたいというふうには思います。ただ、概論でおっしゃられた部分については、今すぐに納得するということは、ちょっとできないなというのが正直の感想です。

〔質問〕診療報酬のところで、先ほど配分の見直しとか、そういうお話があったんですけれども、診療報酬の総額自体についてはどういうふうにお考えでしょうか。

〔西室部会長〕診療報酬の総額。診療報酬の総額そのものの議論をあわせてやるわけですよね。それで、これについて、総額議論、これから診療報酬をもっと増やした方がいいという、先ほどのプレゼンについてどう思うかというご質問?増やしてはいけないとは言っていないんです。必要なものは増やすべきだけれども、まず、現在のところであまりに配分の仕方その他が適正ではないように思われるので、はっきりと意思を持って改革をするというのを打ち出す方が大事なところだろうというふうに思います。増やすということについては、これは社会保障会議でいろいろな検討をされているように、増やしていくのが必然的に必要な部分というのは当然ありますから、それを全部抑え込むということを言っているわけではありません。

〔質問〕ちょっときょうの議論とまた違うんですけれども、きょう、ムーディーズが日本の国債の格付を引き上げたというんですけれども、これについてどういうふうに受けとめていらっしゃるか、お聞かせください。

〔西室部会長〕ムーディーズが日本の国債の格付を引き上げた。ほんと? きょう?

〔質問〕きょう発表、円建ての方を引き上げて、外貨建ては、円建てにあわせて引き下げたというんですけれども。

〔西室部会長〕何、引き下げたの、上げたの?

〔質問〕何か外貨建ての方は引き下げたんだけれども、円建ての、ま、一般的に私たちが見ているものについては引き上げたと。

〔西室部会長〕そうですか。いや、今、実は私もそれ知らなかったんですけれども、ムーディーズさんが国債そのものを通貨に基づいて評価するということを始められるのだったら、ぜひとも各国のをやっていただきたいですね。今の評価は結局、日本の円そのものの信頼が高くなってきたということを意味するのではないかと思うんですね。それで、しかし、国債そのものは円建てでしか現状では発行していませんから、それの外貨分についてどうするというのは、つまり、日本の通貨である円以外の建値そのものが心配があるよという意味になりますわね。ということは、つまり、ムーディーズがやりたいと思っていることがどういう意味か、よくわからないのだけれども、これから先各国、例えばアメリカの通貨、アメリカの国債、それを例えば円建てで評価すればどうなんだみたいなことをやるのかね。ちょっと、正直言って、意味がよくわかりません。ムーディーズさんが、それをどういうふうな形で考えてやられているのか。今まではやったことないはずですよね。今、アメリカもドルでしか国債を出していませんね。日本も円でしか国債を出していない。それが、そのときの為替換算レートによって外貨で表示されているだけですから。だから、それを差別して表現することによって、為替換算レートそのものについて将来を考えると疑問があるというふうに思ったのか、ちょっとよくわかりません。すみません。

〔質問〕すみません、先ほどの診療報酬のところについて、最後に西室さんに論点整理してお話しいただいたところがあると思うんですが、その中で、今年のところにも反映させるというお話でしたが、今すぐできることと、中期的に考えなくてはいけないことがあると思うんですけれども、来年度予算に反映してもいい、すべきだと思っているところは、どんなところなのかということを。

〔西室部会長〕今申し上げた論点整理そのものは、今度の建議、つまり「骨太の方針」にできる限り反映してもらいたいということで出したいと思います。それを、「骨太の方針」を最終的に決めるときに、どういうふうに選ばれるかということも、まず1つあると思います。それを参照しながら、今度は来年度予算については、それも見ながら審議会としての論議をしていくということになります。

だから、今全部これを仕分けして、中期、長期というのではなくて、本当は全部やってもらいたいんですよね、一気に。だけど、そのうちにできるもの、できないものあるねというので、積み残しが何だということになると、そうすると来年、積み残し予算でどういうふうに反映するかということが出てくると思います。

〔質問〕すみません、さっき、中医協のあり方の見直しが必要だというお話があったんですけれども、これは要するに、今のフレームで決めること自体を変えなければいけないということなのか、今の中医協の委員の構成を見直す必要があるのか、そこはどちらなんですか。

〔西室部会長〕委員構成の見直しというのは、何か既に決まって、規則で人数と任期が2年で、それで半分ずつ交代するとかいう話になっているんだそうですから、だから、これをすぐに変えるというのは、まず、私どもの提案として言ったとしても、極めて荒唐無稽な話になりかねないので、それを主張しているわけではありません。

ですから、中医協そのものの今の議論が、具体的に診療報酬の点数の配分だけに終わらないで、もっと抜本的な見直しが将来できるような形に持っていく議論が必要だと、そういうふうに申し上げた方がいいのだろうと思います。

だれを首にして、だれを入れろみたいな話をしているわけでは全くありませんから。極めて良識のある、見識のある方が集まっておられるのですから、しっかりわかっていただければ、それなりの方向づけはやっていただけるのだろうというふうに考えたいと思います。

では、こんなところでよろしいでしょうか。

〔幹事〕よろしいですか。

〔西室部会長〕どうもありがとうございました。

そうだ、次回は27日で、それで、その辺から最後の建議の検討に入りますので、27日にやるんですけれども、記者会見は27日からしばらく、2、3回はやらないことにさせていただきます。途中段階で説明するのは、ちょっと無理があるので、それでいろいろな議論をしながら、最終的につくったもので発表させていただくということにさせてください。

どうもありがとうございました。

―― 了 ――

 

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