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〔矢崎たばこ事業部会長〕 あと、松田委員、一方いらっしゃいませんが、時間がまいりましたので、本日の第20回のたばこ事業部会を開催したいと存じます。
本日は、参考人として、日本たばこ産業株式会社から山田執行役員、日本たばこ協会から小野専務理事、そして、厚生労働省から、藤崎参事官、それから大江生活習慣病対策室長、平子室長補佐をお招きしております。
また、ヒアリングに出席をしていただく有識者として、本日は東亜大学の山崎正和学長、関係者として日本広告業協会の升野龍男広告問題研究委員会委員長をお招きしております。
たばこ事業部会では、10月3日に開催されました第6回たばこ事業等分科会において、当部会に付託されました「製造たばこに係る広告規制のあり方」について審議を行い、財務大臣の広告に関する指針の改正に際して、部会としての意見を述べることとしております。
本日は、その前に、葉巻たばこ、かみたばこ等の注意文言、及びたばこ広告規制につきまして、事務局から説明をいただき、続いて、広告規制の在り方について、有識者及び関係者からヒアリングを行いたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、最初に葉巻たばこ、かみたばこ等の注意文言について、事務局から説明をお願いいたします。
〔垣水理財局たばこ塩事業室長〕 たばこ塩事業室長の垣水でございます。私が説明させていただきます。
まず、机の上に資料が大量にございますので、お見づらいかと思いますが、本資料といたしましては、表紙のついております、「第20回」と書いておる資料がメイン資料でございます。そのほか添付資料がついておりますので、こちらについて簡単にご説明いたしますと、お手元に官報のコピーが、ちょっと下の方ですけれども、クリップでとめてあると思います。11月13日付の官報でございますが、これは、ちょうど私ども、厚生労働省、それからワーキンググループ、委員の先生方のお力添えを得てつくりました8種類の注意文言を条約に沿った形でたばこパッケージに表示するということを義務付けた省令でございます。これが13日に公布、施行とでなっております。ちょうど1枚におさまっています最後のところで附則で準備期間を設けている。これにつきまして、まず、お礼を申し上げるとともに、ここの8種類の注意文言、別表第一、別表第二というところに、これは官報なので縦書きなのですが、ついているのをご確認いただければと思います。
クリップどめのものは3点セットになっておりまして、2番目が新旧対照表、古いものと新しいものがついておりますので、適宜、ご覧いただければと思います。
一番最後に1枚紙がついております。これが、今の縦書きの、ちょっと読みにくい別表第一、別表第二が、実際にどういうふうにパッケージに表示されるかと。普通の20本入りの場合でございますが、これは通達で、このようにするように規定しております。横書きで、字の大きさも、ご指摘のありましたように、主文が一番大きい形、それから、文章があと2つある場合には、その次、それから、一番最後の厚生労働省のホームページといった順番で、字の大きさをだんだん変えていくという形で表示してもらいたいということでございます。
これは、実は普通の紙巻きたばこを想定してつくったものでございまして、これが、たばこ一般についての適切な表示と考えておりますが、1枚目の官報に戻っていただきまして、字が小さくて恐縮なのですが、下段の一番右側に11項というのがあり、そこに、会社又は特定販売業者は、葉巻、パイプ、刻み、かみたばこ、かぎたばこ等については、この別表第一及び別表第二に掲げる文言に代えて別の文言を記載することができるという規定がございます。これは、財務大臣が定めるところによりということになっておりますので、告示という形で規定したいと思っております。
そこで、本題に入りますけれども、本資料の資料第1をご覧いただきたいと思います。
横長の紙になってございますが、一番左側、これが今ご説明した8種類の注意文言でございます。これの葉巻版、それから、ほかのかみたばこ、かぎたばこ版はどのようになるかということを、今回、この場でご説明して、ご了承いただければと考えております。
まず、葉巻、パイプ、刻みたばこでございますけれども、これは、別表第一、別表第二という概念を取り外しまして、この3種類をローテーションしていただきたいということでございます。
つまり、これが3分の1ずつ、たばこパッケージにあらわれるということでございまして、内容は一番上のもの、「喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなり、心筋梗塞・脳卒中の危険性、肺気腫を悪化させる危険性を高めます。」その後括弧書きがございますが、これは基本的な、左の4種類の病気のものを、ここにまとめたということでございます。
それから、その次の2番目、これは「妊娠中の喫煙は、胎児の発育障害や早産の原因の一つとなります。たばこの煙は、あなたの周りの人」等の「健康に悪影響を及ぼします。」「周りの人の迷惑にならないように注意しましょう。」ということは、これは別表第二の、一番左側の上の2つ、これを合体させたものでございます。
それから、一番下の「ニコチンにより喫煙への依存が生じます。未成年者の喫煙は、」「悪影響やたばこへの依存をより強めます。周りの人から勧められても決して吸ってはいけません。」これは、一番下の2つを合体させたものでございます。
基本的に、特別な注意文言をつくるときも、ワーキンググループ、またたばこ事業部会で了承をいただいた、一番左のものの注意文言を基本にすべきだと考えておりますので、ちょっと工夫をさせていただいて、ここにまとめたわけでございます。
なぜまとめたかと申しますと、こういう葉巻とかパイプたばこというのは、葉巻だけとりましても定価認可ベースで1,700種類程あります。少量生産でございまして、当然、日本におけるたばこのシェアは普通の紙巻きたばこが主流でございます。99.9%以上が普通の紙巻きたばこで、本当に少ないものが多品種で葉巻たばこ等で売られているということがございます。外国で、ほとんど全部つくっております。国内はJTしかつくれないのですが、次第にシェアを下げていくというふうに聞いておりますので、ほとんど外国産だと考えていただいて結構でございます。外国の業者が、日本語の表示を、日本向けのパッケージごとにして、輸出して、輸入業者が、それを日本で売るということになりますので、非常に業者の負担が大きい。日本語の、そもそも活字自体が、どの程度あるかということもありますし、ローテーションの数が多いと、1年間でこれを3分の1ずつ表示するということができるかどうかという問題がございますので、そのような負担を避けるために、ローテーションの数を少なくし、また、文言もまとめたということでございます。
それから、その右に移らせていただきまして、かみたばこ、かぎたばこでございます。これは、現在、例えばかぎたばこですと、実際、どの程度売られているかというのは把握できないのですけれども、定価認可ベースで60種類ぐらいある。かみたばこは、現在、1種類でございますが、過去に認可されたものから数えますと、今回、5番目ということで、過去に例があるということでございます。
これにつきましては、別表一の病気のところは、肺がんとか肺気腫というのは煙が出ませんので、余り適切ではないということでございます。むしろ、口腔がんの原因の1つではないかということでありまして、そのような文言を書かせていただきました。
それから、別表二の方は、やはり8つの注意文言を基本として、「煙」のところは意味がありませんので、それ以外のものをローテーションでつけていただくということです。
一番右側にまいりまして、製造たばこ代用品、これも、要するに昔の、戦後、たばこがないときに葉っぱを巻いて吸っていたというようなものでございまして、たばこ以外の葉っぱに、火をつけて煙を出すものでございます。これは現在1種類、ハーブの葉っぱでつくったものが日本で売られております。
これについては、ニコチンが入っているか入っていないかが、そもそも全くわかりませんので、通常、入っていないはずでございます。煙の問題、それから、未成年者にも当然いい影響はないだろうということですので、この2つを、それぞれ必ず表示していただくという形にしております。
このような形で、当然のことながら、条約の規定、それから、省令の規定に沿いまして、パッケージの主要な面の30%以上、それからまた、ローテーション、これを義務付けたところで表示していただくことにしております。
以上、簡単でございますが、ご説明を終わらせていただきます。
〔矢崎たばこ事業部会長〕 以上、紙巻きたばこ以外のたばこの注意文言についてでございますが、委員の皆様、何かご意見等ございますでしょうか。1,700種類もあるというのは思いもよりませんで。また、形も多種多様で。
はい、どうぞ。
〔柳田専門委員〕 具体的に、どういうところに注意文言を掲げるのでございますか。
〔垣水理財局たばこ塩事業室長〕 パッケージが、実はそれぞれ多種多様でございまして、例えば葉巻ですと、ばら売りをしているものについては、アルミとかプラスチックのきれいなケースに入れて売っているということが多いようでございます。それについては、きちんと印刷がしてありますので、そこは、それ全体が1つの面として、そこに1つの文言を印刷していただくということを考えております。
また、パイプとか刻みというのは、たばこの葉を細かく砕いたものですので、例えばのど飴か何かが入っている平たい缶がございますね。
〔柳田専門委員〕 容器に入っているタイプですね。
〔垣水理財局たばこ塩事業室長〕 はい。その主要な面は、通常、一番上の1つでございますが、その30%にローテーションでつけていただきたい、こういうふうに思っております。
〔矢崎たばこ事業部会長〕 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
はい、どうぞ。
〔藤崎厚生労働省参事官〕 厚生労働省参事官の藤崎でございます。きょうは参考人ということでございますけれども、私どもも今回のこの注意文言につきまして、たばこ塩事業室の皆さんといろいろと協議しながら進めさせていただいたわけでございます。
1点、この場をおかりしまして、お願いといいましょうか、あるいはご質問になるのかもしれないのですが。
今回の注意文言というのは、やはり1つの新しいステップになってきているのだろうと思うんですね。従来の表示とも変わっているということでございますので。
今回、こういう形で紙巻きたばこも含めてですけれども、新しい注意文言ができたわけですが今後ある程度期間を経過した時点で、見直しと申しましょうか、その表示が適切かどうかとか、あるいは新しい知見が、また疫学的なデータも積み重なっていくだろうと思いますので、そういうことを踏まえながら、あるいは、こういう文言がどのように喫煙者の方、あるいはそれ以外の方々に受けとめられているのかということなどの調査なども含めて、そういうものを踏まえて、適時、見直していくようなことも必要なのかなという気がいたしております。
これは、私どもの所管では当然ございませんし、こちらでの、審議会でのご審議をいただきながらということになるのだろうと思うのですが、そのあたりについて、どのようなお考えかお聞かせいただければと思いますし、私どもとしては、そういう調査の在り方も含めて、いろいろと協力させていただきたいと考えております。
〔垣水理財局たばこ塩事業室長〕 この注意文言をつけたことによりまして、これが消費者に対して、どのような効果をもたらすかということは、非常に我々も興味があることであり、大事なことだと思っておりますので、まさにおっしゃるとおりだと、問題意識は共有していると思っております。
したがいまして、これら注意文言が出て、しかるべき時期に可能な限り、どういう形になっているかをフォローするなり、調査するなりということを、厚生労働省ともご相談しながら、積極的にやっていきたいと思っております。
〔矢崎たばこ事業部会長〕 ありがとうございました。
たばこと健康の問題について、今まで以上に厚生労働省と財務省と、よく連携をとって、今のポイントを今後も確認していただきたいと。これは、委員の皆様方全員のお気持ちではないかと思いますので、私どもからも両方の役所に、今後ともよろしくとお願いしたいと思います。
そのほかいかがでしょうか。
よろしいでしょうか。それでは、紙巻きたばこ以外は、相当、現実的には大変な作業が待っているかと存じますが、できるだけこの趣旨が通るように、よろしくお願いしたいと思います。
それでは、この事務局案、(案)でございますが、(案)を取らせて、この方向で進ませていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
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〔矢崎たばこ事業部会長〕 どうもありがとうございました。
それでは、続いて、たばこ広告規制について、まず事務局から説明をお願いします。
〔木村課長補佐〕 課長補佐の木村でございます。きょうは、主要国における広告規制の現状につきましてご説明させていただきたいと思います。
まず、資料2にあります「主要国の広告規制の現状」でございます。見やすいように一覧表形式のような形でまとめさせていただきました。
こう見ますと、多くの国々で媒体ごとに、それぞれの規制の仕方が異なっているというのが現状でございます。
それで、その背景としまして、アメリカでは、テレビ・ラジオに関しましては連邦法で規制をしてございます。また、雑誌・新聞については、業界の自主規制による規制を行っております。それから、屋外広告等につきましては、これは1998年になりますが、各州との包括的和解という中で規制をしてございます。この包括的和解と申し上げますのは、1994年に、まず最初にミシシッピー州の政府がたばこ会社に対する提訴を行いました。それを皮切りとしまして、全米の各州がたばこ会社を相手取りまして、各州がたばこ関連の疾病のために負担します治療費等の返還を求めて裁判を行ったというものでございます。その訴訟を継続するに当たりましての費用負担というのが相当な額になったようでございまして、その費用負担を回避することを目的といたしまして、たばこ会社が全州と和解を行った。その中では、たばこ企業といたしましては、不法行為とか、あるいは責任にといったものを認めるものではないのですけれども、金銭的な拠出金を負担した上で、各たばこ企業が、各州から、現在あるいは未来のあらゆる請求を免除されるということを求めたものであります。
それとともに、たばこ企業の方にありましては、未成年者をターゲットとした行為の禁止とか、あるいはブランド名を用いたスポンサーシップの制限とか、あるいは屋外広告、あるいは交通広告の禁止といったようなものを取り決めたものでございます。
また、この表を見ていただきますと、イギリス、あるいはフランス、カナダ、韓国といった国々では、法律で広くたばこの広告を禁止しております。
また、ドイツでは、テレビ・ラジオに関する広告の禁止は法律で規定しておりますが、新聞・雑誌等の規制については、それぞれ業界の自主規制に基づいて行われております。
日本におきましては、たばこ事業法の40条に基づきまして、たばこ広告を行うに際しての財務大臣の指針、これを示しまして、それを受けまして社団法人日本たばこ協会の方が、独自に自主規準を作成しまして、現在、広告の規制を行っておるという状況にございます。
媒体別に見ていきますと、テレビ・ラジオに関しましては、各国とも禁止がされております。
また、新聞・雑誌につきましては、未成年者向け出版物についてはできないといった規制の国が多くございます。例えば、カナダにありましては、成人の購読者率が85%以上であるといったことを求めている国もございます。
次に、屋外広告につきましても、多くの国で禁止されておりまして、可能な国の中でも、場所の制限といった形で規制がされております。
あと、公共交通機関におきましても、多くの国で禁止されておりますが、韓国におきましても△としておりますが、原則禁止的な取扱いでございます。また、ドイツにおきましても、相当な程度規制しているのが現状でございます。
それから、消費者に対する見本たばこの配付、こちらにつきましても禁止している国もございますが、年齢確認をした上で、小売店の店頭とか、あるいは成人対象の施設内での配付といったような場所についての制限を加えて実施しているような国もございます。
それから、2枚目の方の(注2)でございますが、ちょっと2枚目をめくっていただきたいのですけれども、マナー広告につきまして、調べた中で、イギリス、フランスの状況がわかりましたので、取り急ぎ、ご報告させていただきたいと思います。
両国とも、ともに法律の中では直接明記はされておりませんが、実際問題といたしましては、イギリスでは、どうも実施されていないようでございます。一方、フランスの方では、問題なく行われておる、実施されておるというふうな状況にあると聞いております。
以上、資料2につきましては、説明させていただきました。続きまして、資料3「主要国のスポンサーシップ規制の現状」でございます。
これにつきましては、たばこの銘柄を用いたスポンサーシップということにつきましては、各国とも厳格に考えておるようでございます。
例えば、イギリスですと、原則禁止という形でございまして、ただし、イクセプショナル・グローバル・イベントということで、2大陸以上で、あるいは3カ国以上で開催されるようなイベント、こういうものについては2005年7月末までの経過措置が適用になります。
また、フランスにおきましても、EUの広告規制が発効する2005年7月まで経過措置期間を設けておるというふうな状況になっております。
また、EUにつきましても、EU広告規制において、F1については2006年のシーズン終了までのスポンサーシップ、原則よりも1年長い期間のスポンサーシップというものを認めておるような状況にございます。
一方、たばこ企業名を用いたスポンサーシップについては、実施可能な国が多い中にありまして、カナダでは禁止。韓国にあっては、女性や青少年を主たる対象とするような行事については禁止しているというのが特徴的なところでございます。
それから、なお、ドイツについて、企業名を用いたスポンサーシップについて、(P)となっておりますが、その後情報がございまして、追加説明させていただきたいと思います。その後の情報で、企業名の一部がブランド名と同一でない限り、企業名でのイベントの後援が可能である。言ってみますと、個別会社名になりますが、例えばフィリップ・モリスが「フィリップ・モリス」という銘柄のたばこを出しておれば、それは会社名でやることは、ちょっと難しい、だめだよというふうな趣旨だと思っております。
これも、新たに情報が入ってきたものでご紹介させていただきましたが、前回の10月3日の事業部会の際、委員の皆様方からご依頼のありました、主要国の広告規制に関する罰則の状況、概要につきまして、取り急ぎ、その概要を取りまとめております。席上配付資料の方で、1枚紙でございますが、「主要国の広告規制の罰則について」というタイトルで、6カ国につきまして罰則の状況をまとめさせていただきました。ご参考までにしていただきたいと考えております。
次に、資料5の「たばこ広告規制の考え方(案)」というものがございます。こちらの方につきまして、ご説明させていただきたいと思います。
たばこ広告の在り方につきましては、資料6で添付させていただいておりますが、昨年10月10日の財政制度等審議会の「中間報告」、こちらの中で触れられておりまして、皆様のおかげをもちまして取りまとめることができ、また、「中間報告」という形で報告させていただいているもので、皆様、よくご存じであると思いますので、内容につきましては省略させていただきますが、今後、たばこ広告の規制を行う際の財務大臣の指針を改正するに当たって、次のような5つのポイントをもって進めさせていただきたいと考えております。
まず、1点目でございますが、財務大臣の指針というのが平成元年に作成しておりますが、現在、この指針を上回るような形で自主規準がとられております。
例えますと、テレビ・ラジオでは禁止、あるいは、学校近辺での屋外広告は禁止、あるいは、屋外広告の看板の面積につきましても、35平米以下という形を規制をしておるという形で、この自主規準を上回る措置がとられております。
このことから、現在の自主規準の内容を、そのレベルを確保した上で、たばこ規制枠組条約が、求めるような内容、これは資料4の方に添付させていただいておりますが、例えますと、国境を越える広告の禁止とか、あるいは、健康に関する警告を広告に付記することとか、そういった条約の求める内容を満たしたものとなるように、さらには、先ほど資料2あるいは資料3でご説明させていただきました主要国の規制の現状をも勘案した上で対応していきたいと考えております。
それから、2点目としまして、広告場所、あるいは方法については、未成年者の喫煙防止に十分配慮すること。特に、未成年者の目につかないといった観点を中心といたしまして、今後、どこまで広告場所や、あるいは広告の方法といったものを制限していくかということが、ポイントになるかと思われます。
それから、3点目といたしまして、たばこの包装に義務付けた注意文言、あるいはディスクレーマーを、広告の一定スペースをとった上で明瞭に読みやすく表示していただくことを求めたいと思います。
それから、4点目といたしまして、指針につきましては、総論的な、全体的な指針と、各論的な媒体別の指針、あるいは内容に対する指針といったものとし、規制内容が明確となるような具体的な記述としたいと考えておりますが、業界の自主性も勘案した上で、細かい細部の条件につきましては、自主規準で、現在の例でいいますと、成人購読者割合が何%以上といったようなところの細かい細部の条件につきましては、自主規準で規定していただくことを考えております。
それから、5点目といたしまして、指針の改正に合わせたところで、業界の自主規準の見直しができるだけ行えるように、タイミングについても業界の方と調整をしていきたい。
というふうな5つのポイントを考えた上で、今後、作業を進めさせていただきたいと考えております。
〔垣水理財局たばこ塩事業室長〕 ちょっと追加をさせていただきます。
まず、資料の関係で申しますと、本資料以外の資料でまだご説明していないものが1つございまして、カラー印刷された横長のもの。これは、先ほどの説明でちらっと出てまいりました、マナー広告の関係も、あと、委員からのご指摘もあり、つけさせていただいたもので、最初のは、これはインターネット上で見ることのできるフィリップ・モリスのホームページであります。未成年者の喫煙の防止とか、たばこの害とか、そういったことを、左側はテレビの画面が動く、右側はインターネットをクリックするようになっているということでございます。また、左の画面は、テレビでも実際に放送されているものです。
2つ目の横長も同じ、違うバージョンのものです。
それから、縦長の「マイケル16歳」と書いてあるものは、これはフィリップ・モリス社とJTI社が共同で、アメリカ以外のテレビで流している未成年者喫煙防止の広告ということでございます。これは、画面を抜粋したものでございますけれども、マイケル16歳がおりますと、スポーツをよくやり、ちょうど体の不自由な方の車いすを押しているところですね。非常にいい青年である。3枚目にいっていただくと、彼はたばこを吸わない。未成年者はたばこを吸いませんという形になっております。
一番最後につけております日本語のものは、これはJTがホームページで掲載しているものでございまして、ちょうどテレビの画面が上半分のところにございますが、そこをクリックすると、画面が下のように、7つございますが、こうやって動いていくということで、これはマナー広告を説明したものであるということでございます。
それから、未成年者防止についてJTがやっているものについては、これは新聞だと思いますけれども、このような広告がついているということでございます。
それから、資料につきまして、本資料の方の資料4でございますが、これは、前回おつけした条約の抜粋と同じものでございます。外務省の方で、前回以降、精査して、また文言等を直しておりますので、もう一回、ご参考につけさせていただきました。
それから、前回、熊沢委員からご指摘のありました、今の広告やスポンサーシップ以外に、例えば業者間での販売促進について、何か規制はあるのかというようなお話でございますが、条約の規定がどうなっているかということなのですが、まず資料4の、用語の定義、第1条の(c)の販売促進については、要するにコマーシャルベースは、対消費者以外、業者間も全て含むのだという解釈でございました。
したがいまして、例えば業者間で、例えば売上が高い小売業者に対して、販売報奨金を出すとか、あと、いろいろなインセンティブをつけるというようなことも、ここに含まれてくるということでございます。
諸外国は、それでは、どうかと申しますと、これは明示的に禁止している国は韓国でございます。
例えば、それでは、厳しい規制のあるカナダなどはどうかといいますと、カナダは業者間、with in industryに限っているので、これは直接的には規制がないということでございます。
あと、ほかの国についても、対消費者に実質的に効果がどの程度及ぶのかという観点もあるのかもしれませんが、現在の調査では形としては除かれているものが多いようです。
あと1つ、カナダについて、非常に厳しい規制かと思われたと思いますが、憲法との関係で申しますと、やっぱり諸外国、ヨーロッパの憲法とかを見ますと、表現の自由につきましては、大体みんな似たような規定になっており、公共の福祉ですとか、法律で規制されない限りは表現の自由が保障されるといった規定になっております。特にヨーロッパなどは、欧州人権条約というものがございまして、イギリスは成文憲法がないわけですが、それを制定法として取り込んでいるといった経緯がございます。
カナダについては、一番最初につくったたばこ規制法が、資料2にある△みたいなところはなくて、全面禁止だったようで、実は1回訴訟を起こされておりまして、何回か逆転、逆転できたのですが、最終的に負けておりまして、それを踏まえて、新しい規制を1997年からつくったということでございます。それが、ここの資料2にある姿でございます。これについて、また、たばこ会社は訴訟を起こしましたが、これは一審では国が勝っております。
それとは別に、つい最近、今年の10月に、資料3にございますスポンサーシップの規制をいきなり強化したということでございまして、これに対しF1レース側が「カナダでF1やらないぞ」といったことで、政治的な問題になったのですが、結局、F1レースには、約10億円をカナダ政府が補助金として出しまして開催するということになった。つまり、カナダ政府はこの方針を全くまげなかったという、かなり強い意思をもってたばこ規制をやった。
そういうことですので、ほかの国でも訴訟の問題とかも踏まえて、イギリスなども法案をつくっておりますので、一応、各国の憲法上の表現の自由、訴訟リスクというフィルターを越えて、現在の姿になっているのだと理解しております。
〔矢崎たばこ事業部会長〕 よろしいですか。
どうもありがとうございました。
広告規制の考え方と方向性というものを、今、事務局からお示しいただいたと思いますが、今の考え方のまとめが資料5にあるかと存じますが、各国の状況とも見比べながら、委員の方々からご議論いただければと思います。いかがでしょうか。
はい、どうぞ。
〔廣P専門委員〕 スポンサーシップ規制で、イギリス、フランスあたりが2005年7月まで経過措置をつけていますね。この2005年7月というのは、何か特別な意味があるのでしょうか。たまたまこうなったということでしょうか。
〔木村課長補佐〕 2005年7月と申し上げますのは、資料3の右端にありますEU広告指令というところの中に書いておるのですけれども、EU広告指令の方も、2005年7月末までの経過措置と。
〔廣P専門委員〕 EUの指令なんですか。出ているんですね。
〔木村課長補佐〕 ええ、出ております。そちらの期限に合わせたものだと思います。
〔廣P専門委員〕 それで、では、EUの指令が2005年の7月末とつくったというのは、何かわけがあるんですか。
〔垣水理財局たばこ塩事業室長〕 ちょっとそこは、よくわからないのですけれども、EUの広告指令自体も、一度、ドイツが欧州裁判所に提訴し敗訴したため取り下げられているんですね。そういうことも踏まえて練り直したものなのですが、やはり、各国によっても深度も違いますし、激変緩和という意味で、具体的な算定方法まではわかりませんが、ある程度の期間を置いたのだと考えております。
〔矢崎たばこ事業部会長〕 もしかすると、業者さんとの、いつまで可能かというところで、こうなっている可能性もありますね。
〔廣P専門委員〕 そういう問題もあるのかもしれませんね。
〔矢崎たばこ事業部会長〕 そうですね。
そのほかいかがでしょうか。
これは、枠組条約の広告規制で各国の状況を見ますと、例えばカナダなど一番厳しいわけですね。韓国も結構厳しい規制でございますね。それと枠組条約との関連はいかがでしょうか。
〔垣水理財局たばこ塩事業室長〕 なかなか難しいご指摘なのですが、やはり、重なっている部分、カナダの規制と枠組条約の規制はかなり重なっている部分があると思いますが、完全に重なるものではないという気もいたします。
例えば、たばこ企業名を用いたスポンサーシップにつきましては、これは条約上は、企業名であれば許されるのではないかというような、外務省にも聞いているのですが、そういう感触らしいんです。カナダの場合は、これはもう明らかにだめという形になっておりますので、カナダの方が厳しい可能性があるということでございます。
それから、逆に、販売促進、業者間のインセンティブですとか販売促進活動につきましては、先ほどご説明いたしましたように、カナダについては業者間は除かれるようでありまして、そこは、条約の要請を恐らく満たしていないのだろうというふうに思っております。
あと、カナダの通常の広告につきましては、条約は、資料4を読んでいただくと、13条の第5項でございますが、「締約国は、4に規定する義務を越える措置を実施することが奨励される。」とありますので、実は5年以内に、こういう広告等を規制しようということが、4の(e)のところに書いてございます。これは、最低限の規制ということで、少なくとも次のことを行うという中の(e)の規制なのですが、それを越える義務をすることは奨励されるとありますので、条約の趣旨としては、なるべくきつい規制にしてほしいと。そういう意味では、カナダはそれを比較的忠実に守っているという気がしております。
〔細野委員〕 資料5の一番最後のところに「憲法第21条等に照らし、広告の包括的禁止は行わないこととする。」とありますよね。これに踏まえまして、例えば、公共交通機関の中での広告をどうするかという話がありますけれども、前回の審議会で部会長がおっしゃったことがあったですね。要するに、たばこの銘柄の広告を打っていいけれども、その同じところに、どういう注意文言をするかという話をなさった。今も「吸いすぎに注意しましょう」とか、「未成年の喫煙は禁止されてます」とかありますよね。それはいいのだけれども、せっかく今年度前半の審議会で、たばこについては病気がどうのこうのとかリスクがどうのこうのということをやったわけですから、できたら、それとの連動も、やっぱり考えた方がいいのではないかなと思うんです。
だから、たばこは合法的な商品だから、吸いたい人は吸いたい。したがって、それの新製品の広告なり何なりはいいだろう。ただし、その広告、車内広告の幾ばくかのスペースは、この注意文言をくっつけるというような形での前進というか、というものがあっていいのではないかと私は思います。
〔垣水理財局たばこ塩事業室長〕 細野委員がおっしゃったのは、資料5の3の趣旨をかみ砕いてご説明していただいたのだと思いますけれども、我々としてもそうであろうと思っておりまして、前回つくりました、今ちょうどご説明した8つの注意文言、これをローテーションでというのは、なかなか難しいと思いますが、この情報をなるべく正確に広告に表示してもらいたいと思っております。
成人が正確な情報を持って喫煙するかどうかというものを判断することは重要でありますので、その結果、リスクを踏まえて喫煙を選択するということについては、問題がないと考えておりますので、商品のイメージ面だけがクローズアップされることのないように、注意表示をなるべく正確につけたいと考えております。
〔矢崎たばこ事業部会長〕 どうぞ。
〔北村専門委員〕 ちょっと教えていただきたいのですけれども、業界の自主規準というのは、どういうプロセスで決まっていくのでしょうか。
〔矢崎たばこ事業部会長〕 いかがでしょうか。
〔小野社団法人日本たばこ協会専務理事〕 たばこ協会でございますが、自由化される1985年ですね、この時点では専売公社の自主規準がございまして、それを引き継ぐ形で各社、外国企業を含めまして、業界としての自主規準という形になっております。
その後、社団法人化とか、種々性格の変更がございましたが、内容は踏襲する形で現在にきておりますが、その間、平成10年にはテレビ・ラジオ等を中止するとか、昨年には、国際マーケティング規準に合わせて改定をするとか、その都度改定をしてきております。
これは、業界のたばこ会社間の申し合わせといいますか、自主的な規準でございまして、強制力というのはございません。しかし、各社、その内容をしっかり遵守している状況できてございます。
〔北村専門委員〕 自主規準自体を決めるときは、業界の中のメンバーで話し合って決めるということですか。
〔小野社団法人日本たばこ協会専務理事〕 はい、そうでございます。
〔矢崎たばこ事業部会長〕 どうぞ。
〔前田臨時委員〕 資料の未定稿で「主要国の広告規制の罰則について」というペーパーがありますけれども、資料5で「たばこ広告規制の考え方(案)」というのは、これに違反した場合に、罰則の制裁を科することを予定しているのかどうか。もしそうだとすると、罪刑法定主義というのか、余程内容を明確なものにしないと困るのではないかということで、その点、お伺いしたいと思います。
〔垣水理財局たばこ塩事業室長〕 資料5でご説明した内容は、現在のたばこ事業法の第40条に基づいた指針としたいと思っております。これは、罰則の規定はございませんで、行政側としては、指針を策定し、それが守れなかった場合に勧告をする。やむを得ない理由がない場合には、それを公表するという、要は社会的な制裁ということを考えておりますので、今のご懸念は当たらないと思っております。
〔角委員〕 今の前田委員のご質問と関連するのですけれども、先回、たしか広告規制をどうするかということで、たばこ事業法の40条の枠自体は変えないで、指針について見直すということをおっしゃったと思うのですけれども、現実に、結果として広告規制が効率的にできるか、今、出口の話は別にして、法律の枠組みの話、そのレベルだけでご質問したいのですけれども、他国の広告規制というのは、もっとダイレクトに、例えばテレビではするなというふうに書いてありますけれども、日本の規制の枠組みですと、今おっしゃいましたように、結局は企業のレピュテーションリスクに頼っているということで、法的な規制の強制の手段としては、かなり弱いと思うのですけれども、そのあたりが、この枠組条約との関連で問題がないのかどうかということを、ちょっと教えていただきたい。
どういうことかというと、他国は、かなりダイレクトな形で禁止しているときに、日本だけがふわっとした形で規制するということが、どうなのかということを教えていただきたいと思います。
〔垣水理財局たばこ塩事業室長〕 規制を行う場合に、実態を踏まえてということが1つ観点かと思うのですが、現在のところ、たばこ協会さんに加盟しているたばこ、シェアは99%以上あると。その業界内で、今いろいろな自主規制が行われているわけなのですが、それがきちんと守られているという現実がございます。
ですので、そのようなきちんとした姿が1つございますので、それをいきなり踏み越えて、急にきつい規制をすることは、ちょっといかがかなと我々は思っておりますので、この指針の改定、また、それがどのように守られるかということにもよるかと思いますが、当面は、少なくともこの形で十分遵守されるのではないかと思っております。
また、条約との関係で申しますと、条約は、行政が何らかの対策をとるというようなことが書いてあるのですが、具体的に申しますと、資料4の第3項でございます。下から2行目に、「この点に関し、締約国は、適当な立法上、執行上、行政上又は他の措置をとり」云々とございます。この中で今の指針の形は認められるものだと考えております。
〔緒方委員〕 私、規制の方向性については異論はございません。ただ、広告規制を強くするから効果が出るかというと、それはまた別なステージの話ではないかなと思っておりまして、これだけいろいろ広告規制を、いろいろな国でやっておりますので、例えば、その効果がどれだけあったのかというふうな調査か何かなされた国はあるのでしょうか。例えば、販売量の面とか、消費量が減ったとか、増えたとか、何か。何もそういう消費者の意識とか、広告の効果とかわからずに、どんどんどんどん強く強く進めていけば、それで済むというわけでもないような気がするのですけれども。きちんとした効果を検証しながら、広告規制を考えていくというのも、1つの方法ではなかろうかと思っております。
〔垣水理財局たばこ塩事業室長〕 その点につきましては、過去の当部会等でも議論が出たようでございますが、外国の資料を見ますと、今手元にございませんが、やはり両面ありまして、非常に効果があったという国もありますし、別に関係なかったという、両方の研究発表がございますので、なかなかそれは定量的には難しいのではないかと思っております。
〔柳田専門委員〕 広告の件の前に只今の話ですけれども、先ほど、藤崎参事官が調査という言葉を使っておられましたね。その上で、文言の改定をやっていくというお考えを示されましたけれども、もし、調査なしで、変えるのは、ちょっとまずいかと思います。根拠がないですね。
それから、私の言いたかったのは、先ほどの話に戻って、資料5の3番ですけれども、広告のときに注意文言をなるべく全部入れてもらうとおっしゃっていましたけれども、私、これ見ましたら、いかにも長いんですね。1つの広告の中で、こんなにたくさんあると、これでは何の広告だかわからず、注意文言の広告みたいになってしまうのではないかという気がしました。これは、やっぱり少し分けるか、あるいは、葉巻、パイプたばこのような短縮されたものにするか、その辺工夫する必要があるように思いますので、ひとつよろしくご検討いただきたいと思います。
〔矢崎たばこ事業部会長〕 ありがとうございます。
なかなかエビデンスに基づいた広告規制というのは、なかなか難しいかと思いますが。
はい、どうぞ。
〔荻原専門委員〕 憲法で包括的な規制ができない、しないということを大前提にある中で、省令なり何かで、さらに各論で、こうすべきだ、こうしてはいけない、こうやりなさいというようなことを決めていくことの整合性について、わかりやすくご説明願いたいんです。
つけ加えますと、憲法で包括的な規制ができないものを、省令なり何なりで規制することの、いかがなものかという気もしないでもないわけです。自主規制で、しかも指針を上回るレベルでの自主規制が行われているという現実から考えれば、では、指針をあえて改正までする必要があるのかどうかということです。
それと違反行為を処罰することは、当然できないという、それは憲法での包括的な規制をしていないからだと思うのですけれども、他国は具体的な罰金の金額まで定めてきているのは、憲法との関係をクリアしているからこそできるのだろうと、私、解釈していますが、そのとおりかどうかということ。
〔矢崎たばこ事業部会長〕 今の、いかがでしょうか。
〔大前大臣官房審議官〕 ちょっと私、抜けておりまして失礼いたしました。私どもは、憲法に照らして、たばこ広告の包括的な禁止はできないという立場に立っておりますけれども、表現の自由は、あくまでも公共の福祉等が許す範囲で、公共の福祉との関係で、その在り方が問われるべきなのだろうと思います。
たばこ広告の在り方につきましては、たばこ事業法におきまして、過度にわたらないこと、未成年者の喫煙防止、それから健康との関係、そういったことに留意することが定められておりまして、その法律を定める際に、やはり憲法との関係については相当に議論がなされ、整理がなされたのだろうと思います。その結果として、財務大臣の指針と、あと、業界の自主規制の組合せで、必要な対応を行っていこうということになっているものでございます。
この法律ができましてから、既に20年近くたっておりまして、その間、社会的な情勢、特に足元、枠組条約が採択されたといった大きな変化があったことを踏まえれば、広告の在り方について議論がされ、さらに一歩踏み込んだ対応が検討されることは、非常に自然なことだろうと思っております。
〔松田専門委員〕 その関連なのですけれども、今まで自主規準ということで業界が決めたと思うのですが、ご当局との間で、いわゆる日本的なあうんの呼吸というのもあったと想像するわけですね。それで、こういうものというのは、規制を厳しくすればするほど、やはりそういうあいまいな形のあうんの呼吸に頼るのは、やはりよくないと思うんですね。もし仮に、厳しい規制を求めるのでしたら、やっぱり法律という格好で、国会で国民の代表の審議を経た上でやるべきではないかというふうに私は思っております。
〔矢崎たばこ事業部会長〕 そのほかいかがでしょうか。はい、どうぞ。
〔廣P専門委員〕 財務大臣の指針に対して、業界が過去に守らなかったとか、あるいは違反したとかという事実があれば、罰則をつけたり、もっと厳格な表示が必要になると思うのですけれども、むしろ優等生なんですよね。財務大臣の指針以上に業界でなさっているのですから、私はそれを特別に厳格化する必要はない。
そういう意味で、この資料5の考え方は、これで結構だと思います。この程度でちょうどいいのではないかなという感じなんですけれども。
〔矢崎たばこ事業部会長〕 一応、本日、11時ぐらいまで入り口の議論をさせていただいて、この後、有識者あるいは関係団体の代表の方にご意見をいただこうと思いますので、きょうは、これからまだ議論続きますので、本来の議論は一応ここで中止させていただきますが、財務大臣の指針に関しまして、今のは、やはりこういう社会情勢のずっと前に決まったものでありますので、そのものはやはり改正するタイミングではないかというふうに、私自身は思ってますので、その方向でご議論いただければ大変ありがたいと思います。
それでは、次に、広告規制の在り方ついて、関係者及び有識者の方からご意見を伺いたいと思います。
まず初めに、有識者として東亜大学の山崎正和先生、関係者として日本広告業協会の升野龍男広告問題研究委員会委員長から、たばこ広告規制の在り方について、どのようなお考えをお持ちか、それぞれお話をいただき、それに基づきまして、委員の皆様から意見をいただいて、議論を深めていきたいと思います。
それでは、まず初めに、山崎先生からよろしくお願いします。
なるべくディスカッションを多くしたいと思いますので、10分ぐらいを目途にお話しいただければ大変ありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
〔山崎東亜大学学長〕 おはようございます。
広告問題のご議論だそうでありますが、事柄がたばこに関することでありますので、たばことはどういうものであるか、それから、現在のいわゆる反喫煙運動がどういうものであるかという、私の理解を最初にちょっと申し上げさせていただきます。
私自身、平成10年に行われました当時厚生省、現在の厚生労働省の21世紀のたばこ対策検討会というものの委員をいたしまして、約1年近く議論をいたしました。
そのときの結論を申し上げますと、中央省庁の答申としては異例のことでありますが、座長総括は両論併記と相なりました。詳しいことは今申し上げる時間がありませんけれども、たばこは医学的見地において有害であるという議論、あるいは有害である可能性が高いというご議論が出る一方で、たばこというものは、そもそも人類の文化の問題であるから、医学だけの見地でその価値を決定するのは間違っているという議論が両論併記されました。
ちなみに、そのときに言うところの平山疫学、つまり、たばこは有害であるということを30年にわたる疫学的調査において結論づけられ、実はこれが世界の反喫煙運動の論拠になっていて、現在のWHOの反喫煙運動も、そのもとは平山疫学というか調査に基づいているものですが、それについて疑念が提示されました。
私及び何人かの委員は、この結論自体が正しいかどうか再検討させていただきたいと申し出ました。そもそも統計学というものは、ある原因と結果の間に、つまり関連を見出すわけでありますけれども、その関連を見出すに当たっては、他の諸条件が排除されていなければならない。早い話が、たばこを吸う人の間に肺がん及びその他の病気が多いとして、仮に2つが結びつけられていても、そのときに両者のグループの間に、他の条件があるはずである。それが十分排除されているか検討させていただきたいという要求を出しました。
つまり、もしもたばこを吸う人が、たまたまというか、かなりの可能性においてストレスの多い生活をしている人であれば、その部分を排除しなければ、たばこが原因か、ストレスが原因か、よくわからないからであります。
ところが、そのお願いをしたところ、厚生省及び反喫煙運動のお立場に立つ委員から拒否されました。
私どもは、平山調査の、つまり原資料を開示していただきたいとお願いしたのですが、お答えは、反喫煙運動者以外には見せられないとおっしゃいました。これは、議事録に残っておりますので、もし、お疑いの方があれば、厚生労働省の資料をお取り寄せいただきたいと思います。
そういう第三の条件が排除されていないとすると、私は文科系の人間でありますけれども、およそ学問にかかわっている者として、統計の処理上、極めて疑わしい。もしも任意に関連する2つの計数を取り上げて、それを原因、結果というならば、人類にとって最も危険な場所はベッドであります。ベッドで死ぬ人間が一番多いからです。
続きまして、これは本年のことでありますが、いわゆる肺がんで亡くなった、あるいは肺気腫、喉頭がん等々で亡くなった人による訴訟に判決が出ました。たばこを吸っていた結果、そうなったのだと主張する被告のグループが、東京地方裁判所に賠償の請求をいたしました。
その結果、本年、2003年10月21日に出た東京地裁の判決によれば、これは原告の請求を棄却するというものでありました。その中に、顕著な主張を読みとりますと、疫学の結果、他の要因の存否や、つまり、私が申し上げていることですね、その寄与の割合の検討なくして、個別的な因果関係を結びつけることはできない、というのが東京地方裁判所の結論でありました。
さまざまございますが、時間がないので、もう一例だけ申し上げます。
これも2003年でありますが、カリフォルニア大学のJ・E・エンストロムという教授と、それから、ニューヨーク・ステート・ユニバーシティのG・C・カバットという人が中心になりまして、研究結果を発表いたしました。これは、日本語に訳して申しますと、「カリフォルニア州在住者を対象とした受動喫煙とたばこ関連死亡」という題の論文です。つまり、受動喫煙というのは、ご存じのようにセカンダリー・スモーキング、本人は吸わないのに身辺に喫煙者がいた結果、汚染した空気を吸って病気になるという、広い信念がございます。WHOも、その立場に立って禁煙運動を進めているわけでありますが、少なくともこの調査、これは1960年から98年、38年間の調査でありますが、これは否定な結論を出しています。
受動喫煙というものは存在しない。その結果、さまざまな病気になる有意な相違は出ていないという結論が出ておりまして、これは雑誌、『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』の326巻に載っておりますので、ご覧いただければと思います。
ちなみに申しますと、この論文を掲載拒否したたくさんの科学雑誌があります。その理由は、この38年間の研究の過程で、ごく一部にたばこ会社からの研究費援助があったということが指摘されています。
しかし、研究があるスポンサーの意向によって歪められたかどうかという確実な論証は上げられておりません。そして、それに対して反発する米国がん学界、心臓学学界等々の反応は、極めて感情的でありまして、既に常識として確立しているたばこ有害説に対して、これは悪質な混乱をもたらすものだと言う。つまり、初めから論争しないという態度で拒否しております。
私も学問の一端にかかわる者として、内容上の議論をしないで、感情的に批判されるというのは大変遺憾だと思う次第であります。
したがいまして、私は、現在、世界中を席巻している反喫煙運動というのは、やがて何十年か、あるいは100年たって、歴史学者が振り返りますと、奇妙な世界的な集団ヒステリーであったという結論が出る可能性が極めて大きいと思います。私は少なくとも、この中にも当然、反喫煙の委員がいらっしゃると思いますが、平山調査というものを、公開の上、再検討なさるようにお奨めしたい。さらに、このカリフォルニアにおける、同じく30年以上にわたる調査の内容を科学的に検討なさって、その結果、たばこ問題について結論をお出しいただきたいと、切に願うものであります。
たばこというものは文化であるということを、私はかねてから申し上げてます。簡単に申しますと、人間以外の動物というのは、自分の欲望を開発することができませんし、したことがありません。牛は草しか食べませんし、トラは肉しか食べません。雑食のブタはおりますけれども、ブタが新しい欲望を開発して、それを満足したということはないのです。人間だけが独自の生理的な必要としては持っていない欲望を開発して、それを満足して、幸せを感じます。例えば、砂糖ですが、砂糖というものは、私たちが普通の含水炭素の中から糖分を摂取すれば生きるに十分でありまして、コーヒーに砂糖を入れる必要は、生理的には毛頭ないので、これは単に心理的、あるいは精神的満足を味わっているにすぎません。
ある研究によると、食塩ですら、食塩として摂取する必要がない。現にしていない民族がいるということが言われております。酒などになれば当然のことでありますが、たばこが一番典型的であります。
私たちは生理的に生きるだけではなくて、例えば絵画を見て満足したい、音楽を聞いて楽しみたいという欲望を開発いたしました。そして、それを満足しております。その意味において、私はたばこというのは文化であると考えております。
たばこが全く体に有害でないなどという乱暴なことを私は申し上げておりません。吸い過ぎれば、当然、それは体に害があるでしょう。しかし、それは砂糖についても、塩についても言えることでありまして、たばこだけを目の敵にするというのは、これはある非常に奇妙な社会心理現象というものだろうと思っております。
したがいまして、こういう見地に立っておりますから、私はたばこについて、特別の広告規制をする必要は今のところ見当たらないと申し上げます。今のところというのは、先ほど申し上げた平山調査とカリフォルニアの調査とが、もう一度、専門家によって検討されて、改めてたばこの害が証明が確立してからで遅くないと考えております。
もう1つ申し上げますが、WHOがこの問題について主張を行い、各国にたばこ禁止の条約をつくるように要求し、その批准を求めているというのは、全く間違いだと私は思っております。そもそもWHOの目的というのは、国際間の衛生問題、これを管理するのが任務であります。つまり、例えばCO2が増え過ぎて、これは当然、地球上全体の問題になります。フロンガスも同様であります。あるいは、SARSというのは、これは国境を越えて被害を引き起こします。こういう問題についてはWHOが活躍して、諸外国が共同して防疫に当たるというのは当然でありますが、一国の国民が、その独自の見地に基づいてたばこを吸うか吸わないかというようなことを、WHOが干渉するのは、全くの筋違いだと考えております。
したがいまして、私は政府に対して、新しい条約に批准することはおやめいただきたいと思っております。
ただ、もちろん、青少年の喫煙に関する規制というのは、これは実はご存じのように、日本が世界に先駆けて行ってきたことであります。その理由は、私は、衛生学的なものではなくて、文化的なものだと思っております。人類には必ずイニシエーションという儀式がございます。現代の人類には、このイニシエーションの意識がだんだんと少なくなってきまして、微弱な形でしか残っていませんが、たばこ及び酒を1つのイニシエーションの一段階として決める。つまり、青少年には吸わさない、飲まさないということは正しいと思います。
ですから、従来どおり、未成年者喫煙を防止するという観点で広告をお考えになることについては反対いたしません。しかし、その他の広告については、これを今、特段の規則をつくって禁止したり、制限する理由は根本的にないと考えております。
以上であります。
〔矢崎たばこ事業部会長〕 どうもありがとうございました。
それでは、引き続きまして、日本広告業協会の升野広告問題研究委員会委員長からお話を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
〔升野(社)日本広告業協会広告問題研究委員会委員長〕 升野です。きょうは問題委員会の委員長という立場と、かつてコピーライターをしていましたコピーライターという立場と、それから、私は博報堂に勤務しておりますけれども、法務室長をしております、法務室長という立場、3つの観点から、コミュニケーションについて少しお話をできたらと思っております。
今から四半世紀ぐらい前、ローマを訪れたときに、友人がリストランテで「灰皿どこだ」と言ったら、ボーイが地面を指して「ここだ」と言ったことがあるんですね。おおらかだったなと思ったのですけれども、そのイタリアでもたばこ規制が昨今厳しくなっていると聞いたので、ラテンの民族もそうかなと驚いている次第なのです。
たばこの広告規制ですが、議論が混乱しやすいので的を絞りたいと思います。成人に吸わせるとか吸わせないという議論は、たばこの製造、販売が認められているわけなので、余り意味がないと考えます。
それから、広告の全面禁止という論もあると思うのですが、これは情報化時代ということを余り考慮していない発想ではないかなと思います。情報化社会というのは、情報が付加価値ではなく、主体価値になると考えております。これは、私どもの発想なのですけれども。具体例を申し上げれば、例えば、民間小口配達便ではマーケットが開けないですね。これには宅急便という概念を持ち込まないとマーケットが開けない。それから、小型携帯ステレオではマーケットが開けない。これは、ウォークマンという概念を持ち込まないとマーケットが開けない。情報化しないと、製品が商品にならないということでございます。
ですから、たばこに関する広告をなくすということは、極端に言うと、市場から撤退しろということになってしまうということです。そういう論議ではないということを、まず確認したいと思います。
もし広告をなくすと、新製品の紹介もできませんし、メリット、デメリットの表示もできません。それから、後で申しますけれども、マナーの問題、モラルの問題についても言及できなくなるということで、非常に大きい問題です。コミュニケーションの役割というのは、そういうところにあることを、まずご承知いただきたいと思っています。
そうなると、広告の問題については、対象の機関とか、対象のエリアとか、対象の媒体、対象のスペース、頻度になるのではないか。どのくらい出すという問題。ここでルール化とか自主規制の問題が出てくるんですね。ルール化、それから自主規制の問題。
私はルールで束縛するのは反対なんですね。これは、広告会社の人間として言っているのではなくて、これは法律に携わる人間の一人として発言をしたいと思うのですけれども、なぜかと申しますと、やっぱり民主主義の危機という観点からであります。民主主義というのは、マナーとかモラルという約束事を共通認識、つまり常識でつくって共有していく作業だと思うんです。それがうまくできたときに、人間の進歩があると思います。
この進歩を、もしかして否定して、何でもルール化して強制化していくということで目的を達成できるかというと、甚だ疑問だと思うんです。ルールをつくったから、目的が達成できるかというと、相当疑問であるということです。これは、後でもう少し申し上げますけれども、これが健全な民主主義になるかと申しますと、そうではないのではないかと思います。
それからもう1つの問題がありまして、イエスかノーかという論理があります。一元的な論理なのですけれども、これも昨今の問題を見て、一神教と八百万の神の違いではないかなと思っています。僕は、いろいろな価値観があってもよいし、あった方がむしろいいと思っています。その中で特に違法なものは、やっぱり取り締まる。これはルール化すべきだと思うんですね。ただ、モラル、マナーとか倫理的な問題は、教育を徹底すべきである。ですから、心の問題を、もっと重要視すべきではないかなと思っています。
つい最近、ちょっと読み直した司馬遼太郎さんの『アメリカ素描』という本があったのですけれども、彼が書いたように、アメリカはメイフラワー号を下船するときに、みんなでルールをつくったんですね。この土地に行ったときに、こうしようではないか。最初から法治国家なんです、これは。
ところが、長年の文化が横たわっている地域、国、日本もそうですけれども、法治一辺倒で統治できるかどうかについては、彼はこの『アメリカ素描』の中でも、かなり疑問を呈しています。私も全くそう思います。
でも、何でもかんでも任せっきりの、逆に放置ですね。何でも任せっきりの放置国家ではマナーとかモラルの低下があるので、ここは気になるわけです。
最近、私はある大学で文章演習という教育に携わっているのですけれども、モラルの低下が非常に甚だしいので、こんなことを話したことがあります。スポーツクラブに土日行っているのですが、せんだって、赤信号のところで車をとめたら、女の子と言ったら怒られるかもしれないですけれども、髪を金色とシルバーに染めた若い女性がしゃがんでいるんですね。何しているのかなと思って見ていたら、お弁当を食べているんです。お弁当を食べるぐらいだったらいいんですけれども、そのお弁当箱が地べたに置かれているんですね。そこにはしを伸ばしているんです。モラルも地に落ちたと思ったのですけれども。これは相当ひどいというふうに思っています。
ですから、ここら辺の問題を、もっともっと取り上げるべきではないかなと思っています。
つい最近、美輪明宏さんが、若い人向けの講演で、こんなことをしゃべっていました。君たちは、頭と下半身の間の精神が抜け落ちているのではないかということをしゃべっていると、結構、感動してくれるというんですね。もっと話そうじゃないかと言うと、若い人、向いてくれると言うんですね。こういうところに重要なポイントがあるのではないかと、一つ感じています。
それから、かつて韓国のイ・オリョンさんという方、『「縮み」志向の日本人』の著者ですけれども、イ・オリョンさんのお話を伺ったときに、すごくいい指摘をしてくれました。「躾」という字がありますね。「躾」のへんを、日本人は「身」と書くのですけれども、そろそろりっしんべんの心にしたらいいのではないでしょうか。美しい心ですね。とおっしゃっているんですね。これ、美輪明宏さんのことと同じようなことを、私は感じたのですけれども、そんな感じがしております。
そうすると、たばこというのは、吸い方とか、吸わない人に対する気の配り方に、結構大きな問題があるのではないかなと思います。
といって、けしからんから、全部ルールで縛るという方法論で改善できるかというと、そうではないのではないか。目的がモラルやマナーの向上だったら、そこに議論を集中すべきではないかなと思います。
私はラグビーが非常に好きで、よくラグビーを見ます。時たまテレビでも見るのですけれども、副音声の方にシフトするんです。そうすると、ラグビーのレフェリーがものすごくよくしゃべっているんです。笛を吹く以上に、笛を吹く10倍以上しゃべっていますね。しゃべっている内容が、ボールをリサイクルしなさい、次、やったらとりますよと言ってるんですね。それから、重大なペナルティーがあった場合は、選手とキャプテンを呼んで、次にやったら退場になるよ、もくしは一時退場になりますよ、コーションを与えているんですね。ということは、ゲームのゲームメーカーをやっているわけですね。しょっちゅうやっているんです。
あそこに出ている選手が一流のプレーヤーではないかというと、全部一流ですね。でも、起こるんですね、しょっちゅう。ということがあるので、そういう様にしょっちゅうやるということの重要性が、非常にコミュニケーション上、重要だというふうに考えるんです。
それからもう1つ、法律に携わっている者の一人として言うと、相次ぐ企業不祥事の連続で、ルールの遵守とか、倫理遵守を徹底しようではないかということで、最近、コンプライアンスという、ちょっとわかりにくいかもしれませんが、概念があります。これは、遵法というふうに訳せばいいのかもしれません。私は、弊社でもコンプライアンス委員会のマネジメント、事務局長を務めています。コンプライアンス運動を各企業でやっているのですけれども、うまくいかない例の筆頭は、事細かなコンプライアンス憲章をつくるということなんです。ものすごく細密につくるんですね。つくって、満足するんですけれども、どういうことになるかといいますと、有名な言葉なのでご紹介しましょう。だれも読まない社史、だれも読まないコンプライアンス憲章となってしまうんですね。ここが重要です。
我々の場合は、私の品質が博報堂品質です。私のサービスは安全です。その約束をしてもらって、全部、行動指針に置きかえて、検証をずっと続けているのですけれども、それでも起こります。ですから、ルールよりも、実際的に行動指針になるようなものをつくって、しょっちゅうやっていくということが重要である。それにはコミュニケーションは欠かせないと思っています。
それから、マナーのことになるのですけれども、最近、つい先週、1週間ぐらい、妻と二人で信州をドライブしてきました。その際、小布施で、ある人のたばこの吸い方が非常に目についたんです。普通の方は、歩きながら吸う場合は、火のついた方を外側に向けて歩いてます。その方は、たばこを内側に、火をついた方を、内側に向けて歩いているんですね。これはすごく目にとまりました。明らかに火の危険性とか、他人に対する配慮をしている。別に、その方を外見で判断するわけではないのですけれども、やっぱり紳士然としていましたね。こういうところに、1つヒントがあるのではないかなと思います。
こういうことから学んだことは、吸う方の自己責任の問題がある。それから、他人への配慮という問題があるのではないかと思います。ですから、吸う、吸わないは、リスクを承知した上での自己責任ではないか。それから、他人への配慮ということが非常に必要だということが考えられると思います。
これも、2年ぐらい前、アメリカのサンフランシスコに行ったときに見た光景なのですけれども、サンフランシスコベイに看板がありまして、そこには、遊泳禁止と書いてないんですね。ここには監視員がいません。水、ちょっと冷たいけど、泳ぐなら自己責任でと書いてあるんですね。
それから、そのときにヨセミテ公園にも行ったんですけれども、ここは国立公園だから、道路にガードレールつけません。落っこったら自己責任だと書いてあるんですね。
ですから、そこら辺のことも論議すべきではないかなと思っています。
それから、先ほど話も出ましたけれども、青少年のメディア接触という問題もありましたね。これについてはある程度配慮しなければならないのですけれども、実はブロードバンド化されたインターネットの状況は、メディアの問題で規制しても、多分余り有効ではないと思います。これは、いつでも、どこでもアクセスできるんですね。
もう1つ重要なことは、これは私の概念ですけれども、情報ハンターになっているんですね、最近の人は。テレビの情報はギブンですけれども、インターネットの情報は自分で取りにいきますね。情報をハンティングします。大量の情報ハンターが生まれています。この年末に、多分、ブロードバンドの世帯普及率は30%超えますね。常時接続です。定額で、安い低額でありますから、しょっちゅう取りにいくんですね。これは著作権の問題もあってややこしいのですけれども、マザーという概念がありませんから、どんどんどんどん複写できてしまう。そうすると、どこでも、いつでも見ることができるんです。
ですから、規制をかけるのは必要かもしれませんけれども、余り効果がないということも言えます。その上で教育の問題を考えなければならないと思っています。
それから、たばこの広告について、コピーライターの一人として一言申し上げたいのですけれども、そういう意味ではマナー広告をもっと行った方がいい。これは、たばこの吸い方に限らず、マナーの問題を扱った方がいい。マナーに関する、ちょっとよい話とか、感動したエピソードを募集して出すとか、出版するとか、そういう情報の方が、はるかに抑止力がある。マナー向上につながると思います。こういう社会貢献がグッドウィルを得る時代環境ではないかなと考えます。
つまり、情報の質をどのように高めていくか。情報をどういうふうに的確にタイムリーに流すかということが、最優先課題ではないかなと思っています。
最後なのですけれども、広告というのは、生活者と企業、生活者と商品とかサービスとの間に、良質な関係をつくるんですね。良質な関係をつくる役目を果たしているので、その機能を重要視していただきたいのです。ルールでがんじがらめにしても効果が上がるとは思えません。もっともっと議論を闘わせて、コミュニケーションの部分から、教育の部分から、より良い環境をつくっていくことが重要ではないかなと、私は考えております。
以上でございます。
〔矢崎たばこ事業部会長〕 ありがとうございました。
ただいまお二人の方からご意見を伺いましたが、何かコメントございますでしょうか。どうぞ。
〔熊沢委員〕 やっぱり、ちょっと我々の議論は条約に合わせるという技術論を、少し意識し過ぎていて、つまり、もともと我々のところにとって、たばこと広告というのは、そもそもどういうことかということ、そちらをきっちり考えるのも忘れて、ちょっと急いで枠組みに対処するということ、議論がそちらに走り過ぎていたのかなという気がしました。それだけですけれども。
以上でございます。
〔矢崎たばこ事業部会長〕 そのほかいかがでしょうか。
〔村上臨時委員〕 せっかくの機会なので、升野さんにお伺いしたいのですが、広告の性格として、今問題になっているたばこみたいな、多少、商品の性質に危険性があって、それで広告規制が行われるという点で、ある程度似たような商品というものが世の中にはいろいろな品物があると思いますが、何かございますでしょうか。
〔升野(社)日本広告業協会広告問題研究委員会委員長〕 たばこほどのものは思い浮かびませんね。アルコールとか金融の問題について、若干ありますけれども、たばこほど自主規制が行われて、その上で、世界中がこうで、こうだという問題については、ないというふうに判断できると思いますけれども。
〔村上臨時委員〕 もうちょっとよろしいでしょうか。
確かにアルコールとかその品物が一般人に使われていて、多少、健康その他に危険性があって、広告をやるとかやらないということについて制約がかかる。そういうもので参考になるような品物というのはないでしょうか。
〔升野(社)日本広告業協会広告問題研究委員会委員長〕 医療とか健康食品の問題がありますけれども、これは、こういうふうにご説明した方がいいと思います。アウトローは必ずいるんですね、違法のプレーヤー。これは取り締まれないんです。その業界にも入ってませんし。そこでは必ずそういう問題が起こります。ですから、よく起こる、広告で被害を受けたという問題は、そこに発します。そういうものは、最初から違法を承知でやっていますから、違法な行為をします。
ただ、広告の産業を代表してお話をしたいのですけれども、非常に広告というのは、そういう意味ではチェック的な機構がしっかりしていまして、まず、広告会社に法律、法務機能があります。ここで必ずチェックしています。
それからもう1つは、媒体社に考査とかチェック機能があります。ここで出る前にチェックします。
それから、出た後にJAROという機関があります。実は、広告審査機構、私、ここの委員をしております。出た後でも行われます。
それから、企業に対する消費者相談窓口があります。ここで全部チェックをしておりますから、普通に広告を行う場合、問題はほとんどございません。ただ、アウトローの問題は、いつも起こります。
アウトローの問題は、2つのケースでコミュニケーション上起こります。1つは、新聞の折込みチラシです。あれは、媒体社が関与できないんですね。それから、もう1つの問題がインターネットです。インターネットというのは匿名性で偽名も使えますし、すぐ消せます。出生は明らかに突きとめられないんですね。インターネットというのは、表通りも、小さな道も、外通りもないんです。全部入れるんですね。ここで違法な情報を流していけます。
ですから、出会い系サイトの問題がありますけれども、あの、出会い系サイトというのはインターネットの最大の特徴のひとつで、そこに違法なプレーヤーが登場した場合には、ちょっと取り締まれない。ここは別な、倫理問題とか、教育問題とか、そういうことをやっていかないとうまくいかないと思っています。
〔三村専門委員〕 2つのことをお聞きしたいのですけれども、今の広告の関連でということなのですが。
1つは、先ほど、私も広告という概念と、それから、いわゆるコミュニケーションという概念と、ある意味で重層性をもって考えるべきだという考え方には、私も賛成しております。
ただ、その場合に、先ほどの広告におきまして、どちらかというと社会性を帯びた広告と、いわゆる製品広告という次元がありますし、さらに、いわゆるコミュニケーションというのは、どちらかというと、例えばいわゆる教育とか、もっとソフトな場を通してという、いろいろな重層的志向を持っている。
そういう場合に、例えば広告効果、あるいは、その広告が発したメッセージを、どういうふうにしてそれをきちんとした消費者に伝わったのか、どう認知されたのかというところの検証のところになりましたときに、そういった重層的なコミュニケーションを設計したときに、それがきちんと、ある意味で検証されるような工夫が、現在、業界の中でとか、こういう関係者などに、そういったような仕組みができつつあるのかどうか、これがまず1つ、お聞きしたいなと感じております。
それからもう1つ、広告は媒体によって相当に影響が違うということ。これが、恐らく一番大きなポイントになるかと思うのですが、例えば、屋外広告というのは、どちらかというと規制しにくいとか、そういったような枠組みから少し外れやすいという話も聞いたことがございます。インターネットではなくて、現在ある広告媒体でということなのですが、いかがなのでしょうか。
〔升野(社)日本広告業協会広告問題研究委員会委員長〕 それは、私に対する質問ですか。
〔三村専門委員〕 はい、お願いいたします。
〔升野(社)日本広告業協会広告問題研究委員会委員長〕 最初の問題なのですけれども、広告にはいろいろな種類がございまして、いわゆる15秒スポットでやるような広告はハードセリングと申しまして、即売りの広告ですね。即効性を強める広告。
それからもう1つは、企業広告に代表されるようなブランドを構築していく広告ですね。それから、社会性の関与を強めるような広告もございます。
今の複合的なコミュニケーションによって、何が行われるかと申しますと、次のようなことです。まず、即売りの広告ではローンチングという、商品を市場導入したときに売り方の効果とか認知等を把握することが課題で、それには、すぐ測定できる方法があります。
それから、今ご指摘のあった、社会的な役割とかブランドの問題については、社会的役割の方は、ちょっと今定かではないのですが、ブランドの方は、ブランドの認知率ということで測定する作業が、もう実際に行われて、それで動いております。ですから、それは測定可能な段階であるし、実際行われています。多くの企業はこのような複合的なコミニュケーション活動をすることによって、社会の一員としてのポジションを形成しているのです。
次に屋外広告なのですけれども、これは、規制というのはありますし、自主規制もあるので、そこの問題でかかわっていけばいいと思います。もう1つ、視点をちょっと将来的に転じますと、多分、液晶化されると思うんです。そうすると、そこの時間帯の問題に規制をかけていくという方が、より効果的だと思いますし、情報を送る側も、のべつまくなしに、同じ画面を出しているというのは、ほとんど意味がないんですね。ですから、むしろ、通行量とか通行時間帯に合わせた適切な情報を出すということの方が、より、社会情報としてもよろしいと思います。一番いい解決方法ではないでしょうか。技術の進歩も含めて考えていくテーマだと思います。これは、屋外広告に限らず、駅張りの広告であろうが、電車の中の広告であろうが、そういう方向が望ましいし、一番いい解決方法ではないかなと、これはちょっと私見も入りますけれども考えております。
以上です。
〔矢崎たばこ事業部会長〕 どうぞ。その後、浜田委員。
〔緒方委員〕 升野委員長さんにお伺いしたいのですが、お話の中で規制は効果がないとおっしゃいましたが、それは、広告業界の統一的な見解なのでしょうか。それとも。
〔升野(社)日本広告業協会広告問題研究委員会委員長〕 規制が効果がないというより、ルール化して、文言を詰めていって、つくっていって、それを実施しようとしても、余り効果がないという経験則で申し上げたということです。
〔浜田臨時委員〕 先ほど、山崎先生の大変明快なというか、痛快なお話を承って、今さら何を言うかと言われるような話に、ちょっとなりますけれども、だからどうしろということではないのですけれども、たばこの煙と健康の関係、これがあいまいであれば、今まで議論したことは一体何だったの。集団ヒステリーのあれになっているのということになりかねないのですけれども。
ここに、注意文言に恐ろしい病名が書いてありますね。まず、肺がん、心筋梗塞、脳卒中、肺気腫、これが1.7倍から2倍ぐらい喫煙者の方が高いという、厚生省のホームページで確認してくださいと、みんな書いてありますね。これについて、山崎先生、どういうふうにお考えか。
実は、私はずっと愛煙家でございまして、受動喫煙で嫌煙家が多くなって、隣で吸わない人がいらっしゃるときには吸わないように努力をしておりますけれども、一人のときには吸っておるわけです。肺がんになるぞと言われて、どのぐらい肺がんになるのと聞いたら、2倍だと、非喫煙者の。非喫煙者は何千人に1人死んでいるのと言ったら、何千人に1人だと。それでは、何千人に2人かと。それでは、ほとんど差はないなと、勝手にあれしまして、健康に害って、その程度かと。1,000人に1人が1,000人に200人とか300人になるなら、私も考えるし、関係者にも、なるべく吸うな、吸うなと言って歩くけれども、その程度ならという勝手な解釈であれしているのですが、ちょっとその辺、どういうふうにお考えか。
〔山崎東亜大学学長〕 嗜好品の中で、たばこの特色というか欠点は、吸わない人にも、そばで吸われるとにおいがするということなんですね。これも、社会的、文化的な背景がありまして、世の中でたばこというものが、いいものだと思われていた時代には、紫煙などと言いまして、喜ぶ人さえいたわけです。
実は、私などは子供のころ、父親がたばこを朝煙らせていますと、いいにおいだと思ったものなんです。しかし、一旦、これが悪いというイメージで広がりますと、もうかぐのも嫌だとなってくる。
それはわかります。個人の嗜好の問題ですから、人様に私のたばこの煙のにおいをかがせるのは申しわけない。したがって、分煙ということに関しては、私は当初から一貫して賛成しております。たばこ税は極めて高いのですから、そこから政府の費用で、予算で、社会的に、日本中に分煙の装置をつける。もちろん、そこにマナーの問題というものがございます。私自身が見ても、喫煙者の中で、甚だしくみっともない人間がおります。ですから、それはマナー広告なり何なりで、大いに教育する。
今の病気とたばこの関係。これは、私は医者ではございませんので、断言はできませんけれども、しかし、例えば吸う人と吸わない人の間に、病気の罹患率が1.7倍だという場合に、その統計の原簿を見せていただきたい。私は、せめてそれを申し上げたい。
その場合に、その2つの対照グループの生活形態全体を教えていただきたい。先ほど申したベッドと死の関係みたいなもので、任意にどんな関係でもつけられるわけですね。
よくありがちなことですけれども、たばこを吸う人間にストレスの多い生活をしているケースが多い。実は、おもしろい身辺の現象ですが、最近、反喫煙運動が進むにつれて、小説家たちは、8割ぐらいたばこをやめました。ところが、同じく演劇関係者は、これは役者も、作者も、演出家もですが、8割ぐらいがまだ吸っている。
なぜそうなるか。これは明らかにストレスが違うんです。芝居やっている者は、集団で仕事をします。そもそも集団が苦手な連中が集団をつくります。ストレスも高いのでたばこを吸う。
ですから、そういった他の条件が完全に同じであった上で、有意な数値の差が出れば、これは科学的と私も認めざるを得ませんが、いまだかつてそういうものを見せていただいたことがない上に、お願いしても出してもらえない。先ほど申し上げたように、反喫煙論者でなければ見せられない。これははっきりおっしゃっているんです。こうなると、禁煙の科学というものを疑わざるを得ないというのが、私の立場でございます。
〔細野委員〕 山崎先生のお話、とてもおもしろかったのですけれども、ちょっとお聞きしたいことがあります。今、女性の喫煙率が上がっているんですね。我々の委員会でも、未成年の喫煙というものに対しては、どういう形で防止したらいいのだろうかということを考えていたわけですけれども、女性、特に母親とか、あるいは若い女性が、そのままいったら母親になると思いますけれども、彼らが吸っているという行動を見て、若い連中が、たばこというのは法律で禁じられているとかいろいろ書いてあるけれども、何で20歳まで吸ってはいけないのだろうか。それは文化かもしれませんし。そのあたりのことを、うまく言葉で母親が、私は吸っているけれど、未成年はだめなんだよと言うようなことが、例えば女性の喫煙率がどんどんどんどん上がっていった状況では、できないのではないかなという気が私はするのですけれども、そのあたりは、どういうふうにお考えでしょうか。
〔山崎東亜大学学長〕 これもまた、先ほど申し上げたように、社会的習慣及び文化の問題だと思います。例えば、性的関係に関しても法律がございまして、12歳以下の女性と関係を持つと、それが同意であろうとなかろうとレイプとして認定されます。では、なぜ12歳なんだ。生理的に見れば、いろいろな個体差があるはずです。しかし、それは社会的通念として禁止しているのでありまして、たばこについても同様だと思います。一般に、子供のしていいことと、大人のしていいことを区別するという考えが、戦後社会において著しく衰えたんですね。
それから、もう1つ重要な要件は、日本に徴兵制がなくなったということ。徴兵というのは20歳です。それと同時にたばこも酒も解禁したわけですね。要するに、国家に命を捧げる人間には、楽しみを与えようということです。ところが、そういう制度がなくなりました。
したがって、そういう目に見える強制力というものがなくなったことは事実ですけれども、やはり、大人のしていいことと、子供のしていいことの違いはあるよというのを、これは社会全体を挙げて教育すべきであろうと思っております。
〔矢崎たばこ事業部会長〕 そのほかいかがでしょうか。はい、どうぞ。
〔角委員〕 升野さんにお伺いしたいというか、お話の立っていらっしゃる前提についてお聞きしたいのですけれども、例えば、国家がたばこの消費量を総体として減少させるための手段として広告規制は効果がないという、最終的なたばこの消費というものを減少させるという、そこの目的自体を前提、それについて、一番最初に、たばこは禁制品ではないのにというようなことをおっしゃったので、そこのところ自体についても、ご疑問を持っていらっしゃるというふうに理解してよろしいのでしょうか。
〔升野(社)日本広告業協会広告問題研究委員会委員長〕 国家がたばこの生産、販売を縮小するということが前提だというご議論なんですか、今のご質問は。
〔角委員〕 ではなくて、国家が、そもそも国家が今、たばこというのは禁制品になっておりませんですよね。だから、そういう枠組みの中で、国家が禁制品でもない商品について、消費を減少させるという、そういう施策をとることが妥当ではないというふうにお考えになっているかどうかというのを、ちょっと。日本語が、ちょっと上手でないのかもしれない。
とにかく、国家がたばこの消費量を減らすという目的を持つということ自体について、是か非かというお立場をおとりになっているのかどうかということ。
〔升野(社)日本広告業協会広告問題研究委員会委員長〕 そこの部分は、僕は問題にすることではないと思うんです。認めているということ自体、減らすということでも、増やすということでもないのではないですか。製造、販売を認めているということは。
〔角委員〕 ええ、そうです。
〔升野(社)日本広告業協会広告問題研究委員会委員長〕 増やす、減らすということの論議ではないということじゃないですか。それは、委ねるということではないですか。
〔角委員〕 わかりました。国家が禁制品として禁止していない以上、消費量が増えるか減らすかは、それはマーケットに任せる。
〔升野(社)日本広告業協会広告問題研究委員会委員長〕 マーケットに委ねるということだと思うんですね。
〔山崎東亜大学学長〕 1つだけ、私が追加してもよろしいですか。
〔矢崎たばこ事業部会長〕 はい、どうぞ。
〔山崎東亜大学学長〕 ただいまのご質問、大事な問題だと思うんですね。私は、厚生省が出しました、正式な名前は覚えておりませんけれども、国民の健康を促進する省令なのでしょうか、そういうものを文書を出したことがあって、そのときにある新聞で反論を書きました。
国民が健康に生きられるように、さまざまな外的な条件を整える。これは国家として当然のこと。例えば、CO2が増えないようにするとか、排気ガスがどうのこうのと言うのは正しい。
ただ、国民の生活習慣にまつわることについて、国家が、あるガイドラインを出していきますと、最初は大変常識的なように見えても、最終的には大変危険なことになる。例えば、あの中に、たばこはもちろん全廃、それから、酒は1日1合、いや、冗談ではなくて、本当にそう書いてある。そういうふうに国民に努めさせる。将来的に、そのインプリケーションを言いますと、そういうガイドラインに従わない人間は、ある意味でいうと非国民だということになる。つまり、例えば健康保険を余分に消費するということですね。したがって、国民を健康に維持していくことは国策だというお考えなんです。
ただ、それを言いますと、例えば、本を読み過ぎる人間は目が悪くなります。運動をし過ぎる人間、スポーツをし過ぎる人間は体が悪くなります。全てについてガイドライン、ほどほどのガイドラインというものをつくって、これを国民に守るべしとやったら、どういう社会ができるでしょう。
ですから、私は、国家が、あるいはしかるべき研究機関が、科学的な根拠に基づいて、自分の信念を発表されることは、これは当然だと思うんですね。しかし、それを国家というものが権力にもとづいて、生活習慣病になるのは本人が悪いから、これを矯正しようという方向にいくことは、大変危険なことだというふうに思っております。
ちなみに申しますと、反喫煙運動で最も強く声を上げ、かつ成果も上げたのは、ヒットラーのナチスでした。
〔矢崎たばこ事業部会長〕 そのほかいかがでしょうか。
〔熊沢委員〕 さっき、条約に対処するというのではない、つまり、我々の現実をなぞった、結局、喫煙とそれに対する態度の1つとしての広告の問題を、どういうスタンスでつくるかということですが、山崎先生がおっしゃったことは、もともと、例えば日本の社会と文化の基本的な形の中には、結局、自己責任的な概念というのがやはりあって、そのバランスよく形ができていたということですから、結局、そういう形を、要するにたばこの問題にも回復していくということで、それは結局、いろいろな情報を、それぞれの人が的確に得られればいいということで、極端に言えば、たばこの有害というのも情報で、山崎先生のお説でいけば、何倍有害であるという説があるとか、こういう説があるというような情報の提供という形ですね。それで、その情報の提供を受けて、どう判断するかということですから、情報判断力があると思われる人には、結局、いろいろな角度で、例えば新製品の情報も1つの情報であり、こういうふうな、要するにこういう説があるという情報も1つの情報であるという形で、つまり、広告というのは、いろいろなタイプの情報の提供という素材になれば、それぞれの人が自己責任でやる。
ただし、その判断能力のない人たちは、それから除外されるべきであるということで、そういう意味では、私の印象では、例えば、現状、我々は今、たばこの広告の問題で、例えば動機がどこからきているかは別として、とにかく、まあまあ今の現状のところで、大体かなりバランスよく、有害という情報も十分回っている、新商品の情報も回っているということで、我々が感じて、大体普通の人が判断できているというふうに見られれば妥当ではないかという、結果的には、そういうことになるのではないか。
つまり、むしろ、我々の、現代の社会の中で、要するに物事の判断の仕方が、それぞれの人がきっちりできるようになっているという形の方が大事で、それで、さっき升野さんがおっしゃったこともあるのでしょうけれども、結局、社会のマナーということも、全部いろいろな次元で含めて、我々が自分の責任でいろいろものを見る。それで、社会がその暗黙の枠の中で物事をやる。だから、それを基本的なところで健全に流れていれば、要するに、それをディテールにわたって何か追求するということは、レギュレートするということになりますから、そうすると結局、レギュレートされれば、それは結局、我々のいき方ではないし、価値観ではないだろうということなんですね。
ちょっと話がくどくなったのですけれども、そういう意味では、広告問題にも、結局、一種の情報提供の下での自己責任社会という概念を貫いていくべきだろうということを感じます。ですから、レギュレートという考え方は排除すべきであるという印象を、私は持ったわけであります。
以上でございます。
〔矢崎たばこ事業部会長〕 そのほか、よろしいでしょうか。
では、私の方から最後に、山崎先生に。先ほど、平山データと、それから、『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』のペーパーを例に挙げられましたが、これについては多くのディスカッションがあると思いますが、そのほか、たばこは害と結びつかないという論拠は、先生はどういうところにお持ちでいらっしゃるのですか。
〔山崎東亜大学学長〕 たばこが一切の健康問題と関係がないなどということは、私は一言も申し上げておりません。しかし、たばこだけが、ある特定の病気と関係があるという説得的な、そして、十分に内容を開示された報告は世の中にないということを申し上げた。
もう1つ、有害なものはほかにもたくさんあって、砂糖であれ、塩であれ、とり過ぎれば有害に決まっていますし、それから、人間の動物としての、生物としての人間にとって、食塩も砂糖も、実は不必要なものであるということを申し上げた。
〔矢崎たばこ事業部会長〕 先ほどの疫学的な研究で、エビデンスとして出すのには、何と何が関係があるというのは、今は多変量解析とか、いろいろな方法で、あるものを抽出して、このAとBが関係あるという、もう本当に科学的な解析法はでき上がっているのですけれども、いかがでしょうか。
〔山崎東亜大学学長〕 でき上がっているかどうかを拝見したいと、私は公式の、厚生労働省の委員会でお願いしたわけです。しかし、それは拒否されました。
〔矢崎たばこ事業部会長〕 どうなんでしょうかね。これについては、もしできればですね。
〔山崎東亜大学学長〕 いや、それは本当に事実の問題ですから、そのときの議事録をお取り寄せになって、お調べになったらいいです。
〔矢崎たばこ事業部会長〕 ありがとうございました。
一方では、村上委員が座長をされたワーキンググループの議事録も、できれば山崎先生に見ていただければ、そこでのディスカッション。
〔山崎東亜大学学長〕 それは、どこのワーキンググループですか。
〔矢崎たばこ事業部会長〕 財務省の。
〔山崎東亜大学学長〕 ああ、そうですか。
〔矢崎たばこ事業部会長〕 はい。よろしくお願いいたします。
そろそろ終わりの時間になりましたので、どうもありがとうございました。特に山崎先生と升野委員長には、ご多忙のところをいただきましてありがとうございました。
きょうは時間まいりましたので、議論をここで終了させていただきたいと思います。
次の部会は12月16日の午前10時から開催し、今回に引き続き、広告規制の在り方について、同じく有識者及び関係者からヒアリングを行うとともに、本日の部会で委員の皆様から出された意見も踏まえて、事務局が資料を、これからさらに集めて、委員の先生方に提示することができると思いますが、それを踏まえて議論を深めていきたいと思います。
本日の議事につきましては、この会が終了後、いつもと同じように、私の方からまとめて記者の方々にお伝えします。
議事録につきましても、取りまとめ次第公開されます。
大変お忙しいところを、本日、お集まりいただき、また、ご熱心に議論いただきましてありがとうございました。きょうは、これで終了させていただきます。
どうもありがとうございました。
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