財 政 制 度 等 審 議 会
た ば こ 事 業 等 分 科 会 (第5回)
議  事  録

平成15年7月1日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 たばこ事業等分科会(第5回)議事次第
 
平成15年7月1日(火)13:00〜13:53
  財務省第1特別会議室(本庁舎3階)


1.


開 会

2.

議 題


○ 新たな注意文言について

3.

閉 会


配付資料

 資料1 注意文言
 資料2 主要国(米、欧、加、中)の注意文言について
 資料3 参考資料


出席者
 分 科 会 長   矢 崎 義 雄   寺澤理財局長
 W G 座 長 村 上 政 博 飯島大臣官房審議官(理財局担当)
 委      員 角   紀代恵 森本理財局総務課長
細 野 助 博 谷内大臣官房企画官
 臨 時 委 員 浜 田    広 井川理財局たばこ塩事業室長
  前 田    庸 脇本課長補佐
 専 門 委 員 荻 原 征三郎
北 村 龍 行
久米川   均
新屋敷   修
西 川 元 啓
廣 P 嘉 夫
松 田 英 三
八 木 俊 道
吉 野 良 彦
 (ワーキンググループ) 加 藤 英 夫
篠 山 重 威
里 中 満智子
常 俊 義 三
永 井 厚 志
林       理
藤 原 久 義
麦 島 文 夫
湯 川 れい子

参考人
  上田・厚生労働省参事官
  大江・厚生労働省生活習慣病対策室長   
   池田・厚生労働省生活習慣病対策室室長補佐
   中之森・日本たばこ産業褐レ問   
   熊倉・日本たばこ産業鰹務執行役員
   小野・社団法人日本たばこ協会専務理事
   

午後1時開会


〔矢崎分科会長〕 まだ来られていない委員の方もいらっしゃいますが、定刻となりましたので、ただいまから第5回たばこ事業等分科会を開催したいと思います。本日は、ご多忙のところを分科会にご出席いただきましてありがとうございました。
 本日は、参考人として、厚生労働省の上田参事官、生活習慣病対策室の大江室長、日本たばこ産業株式会社から中之森顧問、熊倉常務執行役員、日本たばこ協会から小野専務理事をお招きしております。
 さて、昨年10月10日の本審議会の「中間報告」を受けまして、専門家からなるワーキンググループを設置し、本年2月から8回にわたりまして、たばこの包装に記載する注意文言の見直しに当たっての医学的な見地などの聴取を行ってまいりました。
 これを受けて、事務局で検討した結果、新たな注意文言が取りまとめられたとのことであります。
 そこで、本日の分科会では、ワーキンググループに参加していただいた委員の皆様にもご参加いただきまして、まず、ワーキンググループ座長の村上委員から、審議の状況のご報告をいただき、その後、事務局から新たな注意文言をお示しいただくこととしております。
 それでは、まず初めに、村上委員から、ワーキンググループでの審議の状況を報告、お願いいたします。

〔村上WG座長〕 それでは、ご報告申し上げます。
 注意文言の見直しにつきましては、昨年10月の「中間報告」にある基本的な考え方に基づき、本年2月以降、ワーキンググループにおいて審議を重ねてまいりました。
 「中間報告」の考え方は、「現在の注意文言は平成元年に定められて以来、十数年が経過し、改めて意識されなくなっている等の意見も踏まえ、当審議会としては、製造たばこの消費と健康に関して注意を促すという観点から、その見直しが必要であると考える。なお、注意文言の見直しに当たっては、枠組条約等の議論の動向を見据えて、喫煙と健康に関する科学的事実を踏まえ、諸外国の事例なども参考に、たばこ事業部会において専門家を中心としたワーキンググループを設置し、専門的観点から具体的に検討を進めることが適当であると考える。」というものであります。
 注意文言の見直しに当たっては、ワーキンググループで示された最近の医学、科学的事実を踏まえ、諸外国の事例を参考としつつ、我が国医学界等は最近、喫煙と健康の問題について明確な問題意識を明らかにしていること、平成12年3月、厚生労働省は「健康日本21」を策定し、この中で分煙の徹底やたばこについての知識の普及等を推進していること、平成14年12月、厚生科学審議会・地域保健健康栄養増進部会が今後のたばこ対策の基本的考え方を厚生労働大臣に提出していること、さらに、本年5月、健康増進法が施行されたこと、さらには、本年5月、WHOたばこ規制枠組条約がWHO総会で参加加盟国の全員一致で採択されたことなども考慮し、検討を行いました。
 この結果、注意文言を作成するに当たって考慮すべき専門家のコンセンサスは、概ね以下のとおりであります。
 現時点の医学的な知見を踏まえれば、注意文言を作成すべき分野としては、直接喫煙、妊婦の喫煙、受動喫煙、依存、未成年者の喫煙の5分野が適当であると考えられる。
 喫煙と健康についての注意を効果的に促していくためには、現時点での医学的な知見に基づき、できるだけ分かりやすく具体的に書くべきである。
 また、「あなた」という視点に基づき表記していくことが重要である。
 一方、威嚇的な表現は、かえって反発を招き望ましくない。
 それから、直接喫煙についてですが、特に直接喫煙の健康に対する影響については、具体的な疾病名を挙げることが効果的である。
 直接喫煙に関して、注意文言で取り上げる疾病の選択基準としては、相対危険度が高いもの、喫煙による超過死亡者が多いもの、一般になじみのあるものとすることが相当である。
 このような基準に照らすと、ワーキンググループのコンセンサスとして、概ね肺がん、脳卒中、虚血性心疾患、慢性閉塞性肺疾患を記載することが相当である。虚血性心疾患、慢性閉塞性肺疾患は、一般の者にはなじみがないことから、虚血性心疾患については心筋梗塞、慢性閉塞性肺疾患については肺気腫とすべきである。
 妊婦の喫煙につきましては、胎児の発育障害、早産、出産時の死亡、妊娠合併症を引き起こすとの報告があり、また、そのメカニズムはニコチンの作用、及び一酸化炭素による低酸素欠症との考え方がある。
 近時、受動喫煙により肺がん、虚血性心疾患等の重大な疾患に影響があると報告されている。特に子供への影響については周知しなければならない。
 また、平成14年6月に国際がん研究機関が受動喫煙による発がん性評価分類をグループ1に属し強い発がん性があり、人間に対する発がん性に関する十分な証拠があるとしていることにも留意すべきである。
 依存につきましては、人により程度は異なるが、喫煙により国際疾患分類や精神医学の分野で世界的に使用されている精神障害者の診断及び統計マニュアル第4版の診断基準による依存、すなわち国際分類方法で認められるところの依存が引き起こされる。ただし、一般生活に障害を与えるものではなく、依存症という見方は疑問である。
 他方、長期禁煙成功率が低いことが報告されている。
 それから、未成年者の喫煙につきましては、喫煙を開始する時期が早いほど、さらには喫煙期間が長いほど、喫煙量が多いほど、疾病に対する相対危険度が高くなり、未成年者の喫煙は依存をより強めると報告されている。
 一方、法律で禁止されているという書き方では反発を持たれ、説得力を持たない。
 以上がワーキンググループで示された専門家のコンセンサスであります。
 今般、これを踏まえて、財務省において厚生労働省と密接に協議を行い、注意文言を作成した次第であります。「中間報告」において、科学的事実を踏まえとあるのを受けて、厚生労働省のホームページで具体的なデータを掲げたり、さらにはクエスチョン・アンド・アンサーなどのことを行うというアイデアもあることであり、このような時代の流れに沿った新しい工夫は、ワーキンググループでの議論や考え方が、より前向きに反映されているものと考えられます。
 ワーキンググループの座長としても、これから、事務局から報告する注意文言については、国際的に見て、他の先進国と遜色のない適切なものではないかと評価しております。
 ご報告は以上であります。

〔矢崎分科会長〕 どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、事務局からお願いします。

〔井川理財局たばこ塩事業室長〕 それでは、注意文言の説明に入らさせていただきます。
 ただいま村上座長からご報告がございましたように、8回にわたりまして開催しましたワーキンググループでの医学的知見などを踏まえまして、事務局で検討した上で、直接喫煙、妊婦の喫煙、受動喫煙、依存、未成年者の喫煙の5つの分野について注意文言を作成いたしました。お手元の資料の資料1、A4の縦長の資料でございますが、これに沿いまして、それぞれの分野の注意文言を具体的に順次説明させていただきます。
 まず、1ページ目にあります「直接喫煙」と、あと、次のページの冒頭に「妊婦の喫煙」というのがございますが、これらにつきましては、主文の喫煙と健康について、文字のポイント数を上げて注意を促すとともに、「中間報告」にあるように、喫煙者が自ら判断できるよう副文で、主文に比べてポイント数を下げ、科学的事実を併記しております。
 具体的に、まず一番最初には、肺がんの例で見ますと「喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなります。」と、この主文の部分については文字のポイント数を大きくし、「疫学的な推計によると、喫煙者は肺がんにより死亡する危険性が非喫煙者に比べて約2倍から4倍高くなります。(詳細については、厚生労働省のホーム・ページをご参照ください。)」でアドレスがございます。この科学的事実を併記した副文の部分については、主文に比べて文字のポイント数を落とすといったような工夫を考えてみました。
 特に、副文の科学的事実につきましては、相対危険度を文章化して記載したものですが、これは厚生労働省の全面的なご協力を得て作成したものでございます。
 また、さらに詳しく知りたいという方のために、そこにありますように厚生労働省のホームページのアドレスを付記し、同省の全面的な協力により、さらなる情報提供が可能となっております。
 ここにあります肺がんの例を、既にお読みしたところではございますが、直接喫煙の分野におきましては、主文にどのような疾病を記載すべきかについては、ワーキンググループでの議論において、非常に多くの疾病との関係が指摘されておりまして、これらの全てを記載していくことは適当ではないことから、座長からも報告いただきましたワーキンググループとしての概ねのコンセンサスであります肺がん、脳卒中、心筋梗塞、肺気腫、この4つを選択いたしました。
 なお、繰り返しになりますが、これを文章化しただけでは分かりにくいことから、データを併記した上で、さらに厚生労働省のホームページで正しく理解いただくための工夫をしていただくことになっております。
 それでは、まず、資料の1項目目にある肺がんから、具体的にご説明します。
 もう一度読みますが、「喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなります。」これは主文です。あと、副文で「疫学的な推計によると、喫煙者は肺がんにより死亡する危険性が非喫煙者に比べて約2倍から4倍高くなります。(詳細については、厚生労働省のホーム・ページをご参照ください。)」と。この喫煙と肺がんにつきましては、厚生労働省が依拠しているデータによりますと、肺がんによって死亡する相対危険度は、男性が4.45、女性は2.34と高いことから、2倍から4倍高くなりますとした上で、科学的事実を併記し、「原因の一つ」というふうな表現としたものです。
 なお、諸外国の例では、この喫煙と肺がんの関係につきましては、「Causes」という言葉が使われており、これを訳しますと「原因となる」となります。しかしながら、我が国で「原因となる」としますと、喫煙すると必ず、必然的に肺がんになると誤解されるおそれがあることから、諸外国における「Causes」の意味に対応するという趣旨で、疫学上の成果を適切かつ分かりやすく表現するために「原因の一つ」としたものであります。
 次に、下の心筋梗塞ですが、主文では、「喫煙は、あなたにとって心筋梗塞の危険性を高めます。」、副文では「疫学的な推計によると、喫煙者は心筋梗塞により死亡する危険性が非喫煙者に比べて約1.7倍高くなります。(詳細については、厚生労働省のホーム・ページをご参照ください。)」。
 その下の脳卒中でございますが、「喫煙は、あなたにとって脳卒中の危険性を高めます。」、「疫学的な推計によると、喫煙者は脳卒中により死亡する危険性が非喫煙者に比べて約1.7倍高くなります。(詳細については、厚生労働省のホーム・ページをご参照ください。)」。
 この心筋梗塞と脳卒中につきましては、厚生労働省が依拠しておりますデータによりますと、これらの疾病の相対危険度は1.7となりますが、いずれも超過死亡者数は多くなり、また、一般にもなじみがあるということで選択したものでございます。
 なお、肺がんの相対危険度2.34や4.45に比べますと、相対危険度が1.7と低いという疫学上の成果を踏まえまして、心筋梗塞、脳卒中につきましては、主文では「危険性を高める」という表現としております。
 次に、一番下の肺気腫でございますが、「喫煙は、あなたにとって肺気腫を悪化させる危険性を高めます。(詳細については、厚生労働省のホーム・ページをご参照ください。)」。この肺気腫につきましては、肺気腫が死亡の直接の原因となることが必ずしも多くなく、肺がんや心筋梗塞等のような、肺気腫による死亡と喫煙の相関に関するデータはないとのことです。しかしながら、肺気腫の予後に関連の強い一秒量、これは、肺機能を評価する指標とのことですが、この一秒量が喫煙により低下することが確認されていること。喫煙により、肺気腫等の発生機序、メカニズムに関する知見が報告されていること。財政制度等審議会ワーキンググループの専門委員の方からも、肺気腫と喫煙との関係が強く指摘されていることから、主文では「悪化させる危険性を高める」との表現にしたものでございます。
 次に、おめくりいただきまして、資料の2ページでございます。
 一番最初に「妊婦の喫煙」がございます。「妊娠中の喫煙は、胎児の発育障害や早産の原因の一つとなります。」「疫学的な推計によると、たばこを吸う妊婦は、吸わない妊婦に比べ、低出生体重の危険性が約2倍、早産の危険性が約3倍高くなります。(詳細については、厚生労働省のホーム・ページをご参照ください。)」。
 この妊婦の喫煙につきましては、胎児の発育障害、早産、周産期死亡、妊娠合併症を引き起こすとの報告があること。また、その機序、メカニズムとしては、ニコチンの作用及び一酸化炭素による低酸素欠症との考え方があるとのワーキンググループでの議論に基づきまして、注意を促すこととしたものでございます。
 なお、医学的には低出生体重などの専門用語が使用されておりますが、これでは一般的には分かりにくいとのワーキンググループでの議論を踏まえまして、主文では「胎児の発育障害」との表現にしたものです。
 次に、その下の「受動喫煙」でございます。「たばこの煙は、あなたの周りの人、特に乳幼児、子供、お年寄りなどの健康に悪影響を及ぼします。喫煙の際には、周りの人に迷惑にならないように注意しましょう。」。
 この受動喫煙につきましては、最近、受動喫煙は肺がん、虚血性心疾患等の重大な疾患に影響があるとの報告があること。平成14年6月にIARC(国際がん研究機関)が受動喫煙による発がん性評価分類をグループ1、これは強い発がん性があり、人間に対する発がん性に関する十分な証拠があるというものですが、このグループ1としていることなどのワーキンググループでの議論に基づきまして、注意文言を作成したものです。
 受動喫煙につきましても、直接喫煙同様、「原因の一つ」などとの表現とすべきではないかとの意見もあり得ますが、最近、肺がん、虚血性心疾患等の重大な疾患に影響があると報告されているとのワーキンググループでの議論に基づき、「健康に悪影響がある」との表現にしたものです。
 なお、諸外国では、受動喫煙につきましては、「can cause」「can harm」との表現を用いていることも考慮いたしました。
 次に、その下の「依存」でございます。「人により程度は異なりますが、ニコチンにより喫煙への依存が生じます。」。
 依存につきましては、ワーキンググループにおける、喫煙により、国際疾患分類、これはICD10や精神医学の分野で世界的に使用されている精神障害者の診断及び統計マニュアル第4版(DSM−W)の診断基準により依存が引き起こされること。ただし、一般生活に障害を与えるものではなく、その程度は人によって異なること。他方、長期禁煙成功率が低いとの報告があることなどのご議論を踏まえ、この文言を作成したものです。
 その下の「未成年者の喫煙」でございますが、「未成年者の喫煙は、健康に対する悪影響やたばこへの依存をより強めます。周りの人から勧められても決して吸ってはいけません。」。
 未成年者の喫煙につきましては、喫煙を開始する時期が早いほど、すなわち喫煙期間が長いほど、喫煙量が多いほど、疾病に対する相対危険度が高くなると報告されていること。法律で禁止されているという書き方では説得力を持たないことなど、ワーキンググループでのご議論を踏まえ、特に次世代の健康を守る観点から策定したものです。
 以上でそれぞれの注意文言の説明を終えますが、次に、表示方法につきましては、WHOたばこ規制枠組条約の規定内容に従いまして、注意文言はたばこの主要面の両面30%以上を占め、かつローテーション、これは複数の注意文言を順次表示するということですが、ローテーションにより表示するよう求めることといたしますが、この具体的なローテーションの方法等につきましては、今後検討いたしたいと思います。
 注意文言の内容、表示方法は、たばこ事業法施行規則第36条で規定されており、今後、この施行規則、即ち省令の改正を行うことといたしますが、今回の見直しにつきましては、たばこの主要面の両面30%以上の面積をあてるということからも、たばこパッケージのデザイン修正にも及ぶものであることから、JTをはじめ、内外の業者の意見を踏まえ、実施のための合理的な準備期間を確定した上で、実施時期を定めていくこととしております。
 注意文言につきましての説明は以上とさせていただきます。

〔矢崎分科会長〕 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの村上委員からのご報告、そして、事務局からの新たな注意文言についての説明をいただきました。委員の皆様で、ご質問あるいはご意見などがありましたら、お願いしたいと思います。

〔篠山専門委員〕 2番目の心筋梗塞の件なのですけれども、外国の警告文言には、Heart DiseaseかあるいはHeart Attacksという2つの言葉が使ってあって、心筋梗塞という具体的な病名が出ている場合がないと思うのですね。データとしては、心筋梗塞という疾患に関して、1.7倍高いというデータがあるということ、これはいいと思うのですが、心筋梗塞という言葉を、場合によっては、もっと分かりやすい、心臓発作、Heart Attacksとか、心臓病と、もう少し、狭心症も含めた広い範囲で取り上げてはどうかと思いますけれども、いかがでございましょうか。

〔井川理財局たばこ塩事業室長〕 心筋梗塞、あるいは狭心症、これはそれぞれ、病名だというふうに聞いておりますけれども、そういうことで全体として心臓発作という病名を使うことも検討したわけではございますが、心臓発作というのは、またこれ一種の俗称のような部分もあるやに聞いたものですから、ワーキンググループでの議論を踏まえ、虚血性心疾患について病名の代表的なものということで、心筋梗塞とさせていただいたものでございます。

〔村上WG座長〕 私は、経緯だけ説明させていただきます。全体の言葉としては、虚血性心疾患というのが、医学の世界で一番正しい名前です。虚血性心疾患の中に何が入るかというと、厳密に言うと、心筋梗塞と狭心症が、やっぱり多少違う病気というので、入ることは間違いない。ただ、それをどう書きましょうかねといったときに、先ほどの肺がんその他のバランスもありまして、一番なじみがある、皆さんが理解できる心筋梗塞一つで代表させてはどうかという議論があったということでございます。

〔矢崎分科会長〕 そのような経緯ですので、よろしく。厳密な医学的なディフィニションとは少し違いますが、よろしくお願いいたします。
 そのほかいかがでしょうか。

〔西川専門委員〕 心筋梗塞と脳卒中の順番なのですけれども、いずれにしてもローテーションでなっていくものですから意味がないのですが、省令で書くときに、恐らく順番が出てくると思うのですが、肺がんが、お手元の資料からいたしますと相対危険度も高い、超過死亡数も多いということなのですが、次に、心筋梗塞よりは脳卒中の方が、お手元の資料からしますと、はるかに超過死亡数が多いと思うものですから、省令でつくるときには、肺がん、脳卒中、心筋梗塞、肺気腫の順番に並べた方が合理的なのかなと。余り意味のあることを言っているのではございませんけれども、いずれにしても、消費者はどれかを見ることになっているわけですから、意味のないことかもしれませんけれども、並び方がちょっと気になったというのが1点。
 こういう4つの病気ないしは妊婦の胎児に与える影響が書いてありますけれども、あくまでも疫学上のリスクファクターである。そういうことの前提で、原因の一つとなるとか、危険性を高めるとかというふうな表現になっているわけでありまして、あくまでもこういう表現をとられることによって、必ず1対1対応があって、主要な原因であるとか、そういうふうなことへ今までの考え方を大きく変えるものではないのだということの理解で正しいと思うのですけれども、その確認をしていただきたいというのが2点目。
 3点目は、先ほど、準備期間の話がありましたけれども、前回の平成元年のときに、パックの横を変えるのに9カ月の準備期間をとられたということをお聞きしているものですから、今回の場合も、JTの応援をするようであれなのですけれども、できるだけいいデザインを考えて、なおかつたばこを吸われる方に、こういう警告表示がよく分かるようにというデザインを考えるということは、随分時間がかかるだろうなということなので、先ほど事務局からご説明がありましたけれども、準備期間については十分の期間をとるような配慮というのが、やはり会社にとっても、また、消費者にとっても必要なのではないかというふうな感想を申し上げさせていただきます。
 以上です。
 中身については、それで賛成であります。

〔矢崎分科会長〕 今の3点について。

〔井川理財局たばこ塩事業室長〕 まず、疫学的なリスクファクターに基づいているのかどうかということでございますが、お手元に資料3「参考資料」とありますが、この1ページをご覧いただきますと、昨年の秋に当審議会から出していただいた「中間報告」の抜粋がございます。第2の「喫煙と健康の問題等に関する基本的な考え方」、「1.たばこに対する認識」のところの(2)とございますが、「喫煙が特定の疾病に対するリスクであることは疫学的に認められている。」と、いわゆるリスクファクターであると、この「中間報告」の点を踏まえて文言を表現したものでございます。
 あと、準備期間につきましては、内外の業界の意見を踏まえて、合理的な期間を設定していきたいと思っております。
 あとは、どのような順番で症例を書いていくということにつきましては、今後、技術的な点も踏まえまして検討してまいりたいと思います。

〔久米川専門委員〕 たばこ屋の代表でございます。全国に30万軒、たばこ店ございますが、その代表として一言、お願いを申し上げたいと思います。
 まず、こういうふうに新しい文言、大変ご苦労されて、まとめ上げられたことに敬意を表したいと思います。
 私どもたばこ店といたしましても、たばこパッケージへの注意表示につきましては喫煙の健康リスクと言われておりまして、この問題につきましては、正しく喫煙者の皆様方に情報を提供するということは大変重要なことであると考えております。したがいまして、これまでの文言を見直すことについては異論はございません。これは、これまでもたびたび申し上げてきてございます。
 ただ、しかしながら、新しい案文を見せていただきまして、具体的な病名がこのように列挙されまして、しかも、現状の文言と比較して相当強い文章になっている。どうしてもそこまでしなくてはならないのだろうかという思いは、やっぱりぬぐい去ることができないということは申し上げておきたいと思います。
 愛煙家はひとときの安らぎや憩いを求めてたばこに火をつけるわけでございますが、そのたびに、こういう文章を読まされた、目に触れるとなりますと、逆に、かえってストレスがたまってしまうのではないか。ぜひ、私どもにとりまして大事なお客様の気持ちにも、ご配慮をいただきたいというふうに願っております。
 それからもう1つ、私ども大変心配しておりますのは、この新しい文言を見まして、多くのたばこ販売店がたばこの販売の意欲をそがれるのではないか。ここまで書かれるのだったら、もうたばこの店はやっていけないよというふうに感じるのではないかということを、大変強く心配しております。私どもは、これまで国や地方自治体の財政収入に寄与している。このことに大きな誇りを持って、たばこの販売に勤しんでまいったわけでございますけれども、この点につきまして、大変販売意欲がそがれることにならなければいいのだがなと、むしろ、なるのではないかなということを大変心配をしてございます。
 したがいまして、お願いでございますが、先ほどもございましたけれども、愛煙家の皆様に対しましては、たばこを吸えば、必ずこのような病気になるのだというような、そういう逆に誤解が生じてしまわないようなご配慮をお願いしたい。
 それから、また、たばこ店の販売意欲がそがれないためにも、国におかれまして十分なご説明なり、ご配慮をお願いしたいと思っているところでございます。
 それから、最後でございますけれども、厚生省のホームページということが書かれております。これもいいアイデアかとは思いますが、お願いでございますけれども、このホームページが愛煙家を威嚇するようなものであったり、あるいはまた、禁煙キャンペーンの場になったりしないように、喫煙と健康に関する医学的知見、あるいは情報を淡々と正確に情報提供する、そういうスタンスで作成されることを切に願っております。
 以上でございます。

〔新屋敷専門委員〕 私、葉たばこ生産者の代表として、前に意見を述べさせていただきました。我が国の風土や国民性に合った、我が国らしい表示というお願いも申し上げたわけですが、只今の販売組合代表のご意見に全く同感でございまして、そのことだけを申し上げておきたいと思います。

〔矢崎分科会長〕 どうもありがとうございました。
 そのほか、ご意見ございますでしょうか。

〔加藤専門委員〕 どれも簡潔で、具体的で、とてもいい文言だと思うのですが、1つ、2ページ目の依存なのですけれども、これがほかの文章に比べて、ちょっと日本語としてこなれていないなという印象と、ほかの文言が「喫煙は」ということの主語から、ずばっと入っているのに対して、ちょっとまどろっこしい印象を持ったんですね。これも、ほかと同じように「喫煙は」という主語から始めることが可能なのではないかなと思いまして、例えばなのですが、「喫煙は、ニコチンによりたばこへの依存が生じます。依存の程度は人により異なります。」みたいな、2つの文章に分けることによって、ほかと同じような言い方で、より分かりやすくなるのではないか、そういう印象を持ちました。

〔矢崎分科会長〕 ありがとうございます。
 加藤委員の専門の立場からですが、一応、ワーキンググループでこういうふうに決まりましたので、ほかの皆様がよろしいということであれば、このような形にしたいと存じておりますが。

〔里中専門委員〕 直接内容のことではなくて、本当に瑣末なことなのですけれども、2ページ目の受動喫煙のところですが、私の日本語感覚ですと、この2行目の後段、「喫煙の際には、周りの人に迷惑にならないように注意しましょう。」、「に」がずっと重なるというのが、日本語として、ちょっと変かなと。この文章を生かすのであれば、「周りの人の迷惑にならないように」、あるいは「周りの人に」を使うのであれば、「周りの人に迷惑をかけないように」ではないかなと思います。つまらないことで、何となく信頼感が損なわれるといけないかなと思いましたので。

〔矢崎分科会長〕 貴重なご意見、ありがとうございます。

〔篠山専門委員〕 「喫煙の際には、」以降を全部やめるわけにはいきませんか。悪いということが分かっていれば、吸ってはいけないということにもなるわけでありまして、悪ければ、気をつけて吸うのではなくて、吸わないということが前提になるわけですので、この「喫煙」以降の文章を削除する。

〔寺澤理財局長〕 注意文言の基本的な考え方は、たばこについて、喫煙を禁止することではなくて、喫煙をする際に、そのリスクをきちっと表示をして、そのリスクを認識した上で、個人の自己責任で吸っていただくかどうか決めていただくということが、基本的な「中間報告」の考え方ですから、リスクは「悪影響を及ぼします」とした上で、あとはマナーとして、あなたの自己責任で、あなたの問題はそうなのですが、周りの人に迷惑をかけるので、そこをマナーをちゃんと守ってくださいという趣旨で、これが入っているわけです。今、委員がおっしゃるように、吸うことはいかんから、これをとれという考え方ではありません。

〔篠山専門委員〕 いや、そうではなくて、賛成なのですけれども、「悪影響を及ぼします」で十分話が通じるのではないかと思うわけです。いつか申しましたけれども、WHFの今年の標語というのは、「smoking hurts more people than just smokers」となっているわけでありまして、同じ意味で、たばこを吸うということは、吸っている人よりも周囲の人をハートしますよ。「smoking hurts more people than just smokers」という意味が、一番伝えたいメッセージではなかろうかと思うわけです。

〔村上WG座長〕 また、経緯の説明になりますが、やっぱり直接喫煙というのは、疫学的なデータを見ても、数値で説明しやすい結果が出てきます。ただ、想像してもらえば、すぐ分かりますように、受動喫煙のデータというのは、どこで母集団をとったのだとかという議論になると、非常に分かりづらいというか、そこは当然、評価を加えた疫学的な分析結果になると思います。そういう意味で多少弱めてあるのと、もう1つは、受動喫煙の問題というのは、喫煙を直接禁止しなくても、ある程度、分煙をがっちりやることによって、悪影響みたいなものを軽減できるのではないかという議論もありましたので、何となく足してという感じの、こういう形の表現になっているかと思います。
 先ほどの日本語の表現は、当然、一番適切な表現の形になろうと思いますが、両方あるというのは、そのような経緯も踏まえたものです。

〔矢崎分科会長〕 そのほかご意見ございますか。

〔前田臨時委員〕 いろいろなご意見あろうかと思います。たばこ生産の方々のご発言も分からないではないですけれども、私たちは、この注意文言というのは、ほかのに比べると非常に、例えばカナダとか等々と比べると、モダレートな内容になっているような気がしまして、この程度ならやむを得ないというか、適当なのではないかという感じがいたします。
 それから、先ほどの受動喫煙の点につきましても、おっしゃるように、これは自己責任の問題が中心となっていて、ただ、ほかの人に迷惑をかけないようにということで、私は、もしここで、あえて希望を言わせていただければ、「喫煙の際には、周りの人の迷惑にならないように注意しましょう」等々は、これは全部につけ加えてもいいぐらいに考えるので、ただ、これは意見としてではなく、そこまでではなくて、原案で賛成というふうに申し上げたいと思います。部会の方々のご努力に感謝しております。

〔矢崎分科会長〕 そのほか、どうぞ。

〔松田専門委員〕 ホームページのアドレスが直接印刷されることになるのですね。それで、アドレス変更というのは間々あることなのですけれども、こういうふうになると、包装の印刷の変更というのは、大変な手間がかかるわけですけれども、その辺の問題は厚生労働省は分かった上で入れるわけですね。要するに、メール変更は考えられ得る限り、アドレス変更はしないという約束ができるわけですか。

〔大江・厚生労働省生活習慣病対策室長〕 パッケージに印刷をするということでございますので、私どもとしては、できるだけこれを変更せずに、皆様方の利便に資するようには努力をしていきたいと考えております。

〔八木専門委員〕 原案に賛成をいたしたいと思います。
 前田先生と同じような印象を、実は持っておりまして、ややモダレートな書き方にされておるのかなと。しかしながら、具体的な、特に1の直接喫煙につきましては、具体的な指摘と申しますか、注意喚起でございますので、その点、なかなかいいのではないかと。
 実を言いますと、若干気になりますのは、1つは未成年者の喫煙の部分です。法律上、周りの人から勧められても決して吸ってはいけませんと、これは法律の趣旨かなと。今の若者は事実を指摘した警告の方が、より有効なのではないのかなという感じはいたしますけれども、ここは行政当局の法律の趣旨にのっとった警告ということであろうかなと。
 私が教育の場にありまして言うとすればといいますか、若者たちに言いたいことは、むしろ、客観的な事実を厳しく指摘するということで抑制を図っていくのかなという感想でございます。修正意見ということではございません。
 もう1つは、やはり、自己責任の世界ということで、直接喫煙のところは割り切られておるのは当然でございますけれども、社会的な関心ということでいえば、受動喫煙のところかなという感じがいたしておりまして、特に後段が、やや説教調であるということでありますけれども、私、職場が千代田区でありまして、今度の千代田区の対応は、まあまあうまくいっているのかな、呼びかけ調も、またよろしいのかなという気がいたしておりまして、現実に近年といいますか、最近の動向でいきますと、私の出入りしております大学、2つ、3つございますけれども、概ね都心部では、かなり喫煙慣行は学生の間では減ってきているというのが現状かなと思います。大学によりましては、守衛室の裏に1カ所だけ、高い建物の中で喫煙場所を設けているところしかないというところもございますし、私のホーム校では、各フロアに喫煙のちっちゃなコーナーをつくっておりますが、これも最近は半分は禁煙者のための休息場所に切りかえて、喫煙コーナーは偶数フロアに変えてしまった。熊谷組の設計を事実上、変更したということでございまして、かなり若者、特にファッションリーダーの女子学生の方から、かなり禁煙慣行については傾向が強まっているという印象を受けておりまして、この辺の表現は、ややモダレートではあるけれども、適切な表現ではないのかなという実感をいたしております。
 以上でございます。

〔村上WG座長〕 それも経緯から申しますと、「周りの人に勧められても決して吸ってはいけません」というのに代わるもう1つの書き回しというのは、未成年者は法律で禁止されていますという書き回しですが、心理学、犯罪心理学の専門家の委員の皆様からは、そういう威嚇的な表現はかえって反発を招き望ましくなく、ここでの表現の方が効果的ではないかという意見が強かったもので、こういう表現をとっています。

〔矢崎分科会長〕 よろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。
 この文言につきましては、いろいろの立場、あるいは視点から、これが厳し過ぎるというご意見と、当然、これはまたモダレートではないかというご意見がございます。しかし、概ねこの注意文言については、ただいまのご議論でご了解が得られたように思います。
 注意文言の策定は、さきの「中間報告」により、審議会としての考え方を示しまして、それに基づいてワーキンググループでの議論を踏まえ、事務当局で作成することとなったものですが、当審議会としても、これに了承を与え、先ほど、実施することになると、パッケージのデザインとか、そういう大変なご苦労を業界の方にお与えすると存じますので、あるいは販売の関係の方、業界のご協力を得て、できるだけ円滑に導入されることを申し添えたいと思っておりますので、皆様、ご異議ございませんでしょうか。

( 「異議なし」の声あり )

〔矢崎分科会長〕 ありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきます。
 事務局におかれましても、省令の作成など、今後の作業をよろしくお願い申し上げます。
 以上で本日予定しておりました議事は終了させていただきたいと思います。
 なお、昨年10月の「中間報告」で指摘されています、たばこ広告の指針の見直しなどの残された課題については、今後、どのように取り進めるかは、事務局とも相談の上、皆様にご連絡いたしたいと存じております。
 本日の議事につきましては、いつもと同様に、私の方から記者発表を行います。また、議事録につきまして、取りまとめ次第、公開されますが、計数の間違いなど訂正しておきたい発言につきましては、議事終了後においても、事務局までご連絡願えれば対応いたしたいと思います。
 今後も、当分科会の運営に、ぜひご協力のほどをお願い申し上げます。
 本日は、皆様、お忙しいところ、お集まりいただきまして本当にありがとうございました。
 それでは、きょうの分科会は終了させていただきます。重ねて御礼申し上げます。どうもありがとうございました。
 
午後1時53分閉会