このページの本文へ移動

日米租税条約(新条約)の発効についての財務大臣談話

16 3 30

財務大臣談話

1.  先般、国会で承認されました日米租税条約については、26日に天皇陛下の御認証をいただきまして、本日日米両国の批准書を交換する運びとなりました。本日12時から行われる批准書交換式には日本側からは逢沢外務副大臣、アメリカ側からはベーカー駐日大使が御出席されると聞いております。本日の批准書交換をもちまして、日米新租税条約は正式に発効することとなり、源泉徴収される租税については本年7月1日から適用されることとなります。
 
2.  この日米新租税条約は、両国間の積極的な投資交流を促進する観点から、投資所得(配当、利子、使用料)について源泉地国の課税を大幅に軽減しており、ビジネスチャンスの拡大、雇用の創出につながることが大いに期待されます。あわせて、租税条約の濫用や国際的な租税回避行為の増加にも対応するべく、新たに包括的な特典条項を導入しております。
 
3.  このように先進的な内容である日米新租税条約は、昨年11月の正式署名後、速やかに日米両国の議会の承認が得ることができました。ここで改めてご尽力された日米両国の議会を始めとする関係者に対して感謝申し上げます。
 
4.  今後、我が国としては、日米新租税条約で新たに採用された基本方針に基づいて、他の欧州諸国やアジア諸国とも租税条約を改正していきたいと考えております。特に、アジア地域におきましては、投機的な短期資金ではなく安定的な投資に向かう長期の民間資金を還流させる必要があることから、租税条約ネットワークを拡大していくことが有効な手段になるものと考えられます。最近、アジア諸国との経済連携協定(EPA)について活発に議論が進められているところであり、これに関連して租税条約改正の議論を開始することができれば、モノとカネの両面で経済交流を増加させることとなり、ひいてはアジア諸国の国際競争力の強化につながるものと期待されます。
 
5.  経済のグローバル化が進展する中、今後とも持続的な経済社会の活性化を実現させていくためには、国際的な投資交流促進の観点から、各国との租税条約を締結・改正していくことが必要であり、あわせて国際課税の適正化に努めていきたいと考えております。