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第179回国会における安住財務大臣の財政演説

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平成23年10月28日

 今般、東日本大震災からの本格的な復興等を実現するため、必要な財政措置を盛り込んだ平成二十三年度第三次補正予算を提出することと致しました。その御審議をお願いするに当たり、補正予算の大要を御説明申し上げます。 

(はじめに)

 東日本大震災、原子力発電所事故の発生から七カ月以上が過ぎました。改めてこの災害により亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族に対し、深く哀悼の意を表します。また、今なお避難を続けられている方々をはじめ、被災された方々に対しまして、心よりお見舞いを申し上げます。

 東日本大震災からの復旧・復興は、言うまでもなくこの内閣が取り組むべき最大、かつ最優先の課題であります。これまで、救助・救援活動や復旧活動に関わる官民の関係者やボランティアなど、多くの国民の皆様の御尽力により、復旧・復興への歩みは進んでまいりました。一方で、復旧・復興への取組が迅速さに欠け、必要な方々に支援の手が行き届いていないとの御指摘も頂いております。こうした点を真摯に受け止め、復旧から本格的な復興への取組を更に加速していくことが重要です。また、原子力災害についても、一刻も早い事態の収束に向けて、国の総力を挙げて対応していかなければなりません。更には、日本経済を取り巻く環境も変化しており、現下の円高に対応して、産業空洞化対策等に取り組むことも喫緊の課題です。

 「被災地域の復興なくして、日本経済の再生はない」また、「日本経済の再生なくして、被災地域の真の復興はない」との認識の下、間断なく迅速に復旧から復興への取組を進めるなどにより、我が国経済を自立的な回復軌道に乗せるよう全力を挙げてまいります。

(平成二十三年度補正予算(第三号、特第三号及び機第二号)の大要)

今国会に提出を致しました平成二十三年度第三次補正予算の大要について御説明申し上げます。

まず、東日本大震災関係経費として十一兆七千三百三十五億円を計上し、その内訳は、災害救助等関係経費、災害廃棄物処理事業費、公共事業等の追加、災害関連融資関係経費、地方交付税交付金、東日本大震災復興交付金、原子力災害復興関係経費、全国防災対策費、その他の東日本大震災関係経費、年金臨時財源の補てんとなっております。

 これらの東日本大震災関係の歳出を賄うため、千六百四十八億円の既定経費の減額を行うこととしており、歳入面においては、百八十七億円のその他収入の増加を見込むほか、十一兆五千五百億円の復興債の発行を行うこととしております。

 なお、復興債の発行等については、別途、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法案を提出し、御審議をお願いすることとしております。

 また、台風第十二号等に係る災害対策費などのその他の経費について、三千二百十億円を計上しております。

 その歳出を賄うため、東日本大震災復旧・復興予備費を二千三百四十三億円減額することとしており、歳入面においては、その他収入の増加等七百四十八億円及び前年度剰余金受入百十九億円を見込んでおります。

 さらに、B型肝炎関係経費として、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等四百八十億円を計上しております。

その歳出を賄うため、二百二億円の既定経費の減額を行うこととしており、歳入面においては、二百七十九億円のその他収入の増加を見込んでおります。

これらの結果、平成二十三年度一般会計第三次補正後予算の総額は、一般会計第二次補正後予算に対し、歳入歳出とも十一兆六千八百三十二億円増加し、百六兆三千九百八十七億円となります。

関連して、特別会計予算及び政府関係機関予算についても所要の補正を行うこととしております。

財政投融資計画については、東日本大震災からの復興等に必要となる資金需要に対応するため、補正予算において総額一兆三千四百二十一億円を追加することとしております。

(むすび)

以上、平成二十三年度第三次補正予算の大要について御説明いたしました。

  被災地域の一刻も早い復興のため、何とぞ、関連法案とともに御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。