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第156回国会における塩川財務大臣の財政演説


平成十五年一月二十日


 今般、先に策定されました「改革加速プログラム」を受けて、平成十四年度補正予算(第一号、特第一号及び機第一号)を提出することとなりました。その御審議をお願いするに当たり、補正予算の大要について御説明いたします。


(改革加速プログラム)

 まず、昨年十二月に策定されました「改革加速プログラム」について申し述べます。

 我が国の景気は引き続き持ち直しに向けた動きがみられるものの、回復の勢いは緩やかとなっており、また今後、不良債権処理を加速する過程における影響には、万全の対応を講じる必要があります。

 こうした中、昨年十月にとりまとめました「改革加速のための総合対応策」を補完・強化するため、「改革加速プログラム」を策定いたしました。

 同プログラムには、1雇用対策の強化、中小企業等対策の充実、創業・新規開業の支援等、及び少子・高齢化の進展に備えた公平で安心な社会の確立、を内容とする「経済・社会構造の変革に備えたセーフティネットの構築」、2都市再生及びこれを促進する都市機能高度化の推進、魅力ある都市と地方の再生に向けた基盤整備、並びに環境問題等緊急課題への対応、を内容とする「構造改革推進型の公共投資の促進」を盛り込んでおります。


(平成十四年度補正予算(第一号、特第一号及び機第一号)の大要)

 次に、今般提出いたしました平成十四年度補正予算(第一号、特第一号及び機第一号)の大要について御説明いたします。

 まず、歳出面においては、「改革加速プログラム」に関連して、経済・社会構造変革セーフティネット充実対策費として一兆五千億円、構造改革推進型公共投資の促進のための経費として一兆五千億円、合計三兆円を計上しております。このほか、地方交付税交付金五千三百二十五億円を減額するとともに、義務的経費や災害対策費の追加等特に緊要となったやむを得ない事項等について措置することとし、併せて既定経費の節減及び予備費の減額を行うこととしております。

 他方、歳入面においては、租税について最近までの収入実績等を勘案して二兆五千四百億円の減収を見込むとともに、その他収入の増加を見込んでおります。
 以上によってもなお不足する歳入について、やむを得ざる措置として四兆九千六百八十億円の公債の追加発行を行うこととしております。今回の措置により、平成十四年度の公債発行額は三十四兆九千六百八十億円となり、公債依存度は四十一・八パーセントとなります。
 これらの結果、平成十四年度一般会計補正後予算の総額は、当初予算に対し歳入歳出とも二兆四千五百九十億円増加し、八十三兆六千八百九十億円となります。

 以上の一般会計補正等に関連して、特別会計予算及び政府関係機関予算についても所要の補正を行うこととしております。

 財政投融資計画については、この補正予算において、「改革加速プログラム」に盛り込まれた措置を実施するため、日本政策投資銀行等七機関に対し、総額千百四十四億円を追加することとしております。

 以上、平成十四年度補正予算の大要について御説明いたしました。
 今回の補正予算は、構造改革の加速に併せて緊急に措置することが必要な施策及びデフレ抑制に直接的に資する施策を盛り込んで策定した「改革加速プログラム」を早急に実施するために編成したものであります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。