ファイナンス 2018年1月号 Vol.53 No.10
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職員トップセミナーうに、分かりやすいビジョンを関係者にお伝えするというのが、第一に重要なことだと思います。第二に重要なのは、やはり実績を積んでいくということで、毎年総会がありますので、それに合わせて税関を取り巻く環境変化に対応した新しい施策を打ち出すと共に、評価のための指標をつけて、お約束したものを実施していますということを示すのが重要です。それから第三が、統治(ガバナンス)でありまして、これは、職員の採用、昇進に気をつけて、不公平とならないようにする。また、メンバー国とのコミュニケーションを可能な限りに密にして、彼らのニーズを把握し、これに応えているという形にする。さらに、組織の財政を健全にし、常に赤字とならないようにすることかと考えます。最近は、幸いにしてパフォーマンスが良いということで、様々なドナーの援助が来るようになっています。先ほど、年間予算1,600万ユーロと申し上げましたけれども、その他に、任意拠出、あるいは支援の形で1,400万ユーロぐらいは、毎年来るようになっていまして、これはこの9年間の間に大きく変わってきた傾向ですので、WCOの重要性が益々認識されてきたということかと思っております。以上の3点が、いつも心がけていることです。お時間のようですので私の話はここまでに致します。ご清聴ありがとうございました。講師略歴御厨 邦雄1954年生まれ。1976年東京大学法学部卒業後、大蔵省(現財務省)に入省。主計局給与課長や主計官(外務、経済協力、通産)、関税局監視課長、国際調査課長及び関税局参事官(多国間協力担当)を歴任し、2002年からWCO事務総局次長を7年務めた後、2009年から現職。現在2期目。ファイナンス 2018.148連 載|セミナー

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