ファイナンス 2018年1月号 Vol.53 No.10
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ある。北京外国語大学は、アカデミックな面が強く、博士課程・修士課程の研究者を指導。これまで修士課程853人、博士課程185人を養成。本プログラムについては、例えば、中国でのビジネスとも縁が深い三菱商事から毎年ご協力をいただいている。他方、北京大学は、中国の官公庁・企業の若手幹部等を対象にした、より実務的なプログラムとして発足し、社会科学専攻の大学院生に対象を変えた今日も、その修了生は中国の官公庁、産業界、学界等で幅広く活躍している。これまで551人が受講。この北京大学のプログラムには、1990年の竹中平蔵先生、加藤寛先生以来、堀内昭義先生、吉野直行先生、吉川洋先生といった学者の方々や日本の財政・金融政策について講義するため財務省や日銀のOB、現役も教授として派遣されている。北京日本学研究センターを含め世界中の日本の専門家を支援・育成を担当する柳澤国際交流基金研究・知的交流部長によると、「中国に限らず、研究者は学位取得のために論文を書くので、他の人がやっていないことをテーマにします。その結果、大きなテーマには一般に先行研究があるので、次第に細分化されたテーマになっていくのはせっかくの研究成果の活用を考えると悩ましいところ。もし、中国に関係深い企業や、地域研究について地方公共団体などから特定のテーマについて資金を出すので研究してほしいというような要望があれば、研究成果が活かされる研究でもあり、大歓迎です。」とのこと。7おわりに昨年、国交正常化45周年、今年、平和友好条約締結40年を迎える日中関係にはいろいろとある。人と人との交流は迂遠にも見えてすぐに効くようなものではないが、長期的には漢方薬のように効いてくるかもしれない。このような中国関係事業、勿論、日本の文化外交の実施機関である国際交流基金の事業の重要な柱である。主な参考文献・外交青書2017、外務省・国際交流基金 日中交流センター 10年のあゆみ・国際交流基金 心連心:中国高校生長期招へい事業 第10期報告書・国際交流基金 平成28(2016)年度年報Website等・外務省のWebsite・外交青書・白書 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/bluebook/2017/html/chapter2_01_02.html#s2120102・これまでの新日中友好21世紀委員会の活動について http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/jc_yuko21/index.html・外交史料館 http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/honsho/shiryo/・国際交流基金のWebsite http://www.jpf.go.jp/j/index.html・中国高校生長期派遣事業 http://www.chinacenter.jp/・ふれあいの場 http://www.chinacenter.jp/japanese/fureai/・北京日本学研究センター http://www.jpf.go.jp/j/project/intel/study/support/bj/index.html・日本映画上映会 http://www.jpf.go.jp/j/project/culture/media/exchange/2017/10-01.html・Cinema Art OnlineのWebsite http://cinema.u-cs.jp/event/china-japan-lm-2017-op/・歌舞伎美人のWebsite http://www.kabuki-bito.jp/昭和54年の大平総理訪中の際の外交史料「対中日本語教育特別計画について」。外務省外交史料館所蔵。23ファイナンス 2018.1平和友好条約締結40周年を迎える日中の民間交流 ~中国人高校生のホームステイ留学から歌舞伎北京公演まで~SPOT

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