ファイナンス 2018年1月号 Vol.53 No.10
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それまで家では勉強だけしていれば、親がすべて御膳立てしてくれていたのに慣れていた彼らが、ホームステイ先の日本の一般家庭に入ると、兄弟がいて、家のことを手伝わされたりするのに驚く。学校に行っても勉強しているだけではなく、部活動という受験には何の役にも立ちそうもないことに日本の生徒が一生懸命に取り組んでいるのに驚く。不思議に思いつつも、珍しいこともあり、いろんなことをやってみたくなる、一人でいくつもの部に入る生徒も多い。日本の高校だと普通にある体育祭や文化祭だって、中国にはないから新鮮だ。初めて、みんなで一緒にやるということを経験する。彼らは、第一外国語として日本語を勉強してきた高校生。とはいっても、日本人の大人でもついていけない高校生同士の会話にいきなりついていけるわけでもないので、彼らも初めは相当悩む。しかし、お国でもよく勉強していたので、日本語による授業ということを除けば、日本の学校の勉強自体が大変だということはあまりなく、彼らの熱心な勉強振りは、日本の生徒たちにも良い刺激になる。特に、英語は通常、日本の生徒よりもはるかに上手いから、一目置かれるようになるという。受け入れ校にとっても他の生徒への教育効果というメリットがある。大学生らに交じり、地区予選を勝ち抜き、高校生で唯一、日本語弁論の全国大会に出場した生徒もいる。受入校の中には、例えば、東京だと、大泉にある開校10年目の東京学芸大附属国際中等教育学校や、甲子園出場の強豪、福井県の敦賀気比高等無事、研修を終えて帰国前日の帰国前報告会、阿南所長(中央)と留学生心連心:中国高校生長期招へい事業 第11期生 受入先1とわの森三愛高等学校北海道2立命館慶祥中学校・高等学校北海道3盛岡中央高等学校岩手県4明桜高等学校秋田県5埼玉県立蕨高等学校埼玉県6東京学芸大学附属国際中等教育学校東京都7横須賀市立横須賀総合高等学校神奈川県8敦賀気比高等学校福井県9長野県長野西高等学校長野県10静岡学園高等学校静岡県11光ヶ丘女子高等学校愛知県12桜丘高等学校愛知県13三重高等学校三重県14京都府立鳥羽高等学校京都府15立命館宇治中学校・高等学校京都府16大阪府立桜塚高等学校大阪府17大阪府立夕陽丘高等学校大阪府18清風南海中学校・高等学校大阪府19奈良市立一条高等学校奈良県20和歌山県立那賀高等学校和歌山県21広島市立舟入高等学校広島県22福岡市立福岡西陵高等学校福岡県23龍谷高等学校佐賀県24活水高等学校長崎県25長崎県立壱岐高等学校長崎県26岩田高等学校大分県27日章学園高等学校宮崎県28鹿児島県育英館高等学校鹿児島県29鹿児島県立武岡台高等学校鹿児島県30神村学園高等部鹿児島県31沖縄県立向陽高等学校沖縄県離島の長崎県立壱岐高校でテニス部に入部。指導を受ける何祥龍くんファイナンス 2018.118平和友好条約締結40周年を迎える日中の民間交流 ~中国人高校生のホームステイ留学から歌舞伎北京公演まで~SPOT

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