ファイナンス 2017年12月号 Vol.53 No.9
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巻頭言日本の将来を見据えて財務大臣政務官を拝命して4か月、我が国の中核を担う財務省の皆様と仕事ができ、同時に勉強させて頂き、やりがいと楽しさ溢れる毎日を過ごしています。また、この間には、衆議院議員総選挙があり、長峯政務官や財務省の皆様が温かく送り出していただいたお陰で、3度目の当選をすることが出来ました。私は15歳の時に、医療・社会保障が分かる国会議員を目指しました。それは、様々な実体験や今後の日本は社会保障が大きな論点になるからという理由ですが、その為には、現場を経験せねばならないので、医者になりました。政策も学ばねばならないので、東京大学医療政策人材養成講座で学びながら、現場と政策双方からのアプローチで社会保障を考えております。各論はともかくとして、大きな議論として、よく「中負担・中福祉」という話がありますが、もはや日本の財政状況や人口構造からすれば、「中負担・低福祉」か「高負担・中福祉」か「超高負担・高福祉」という選択肢しかありません。国民負担率を指標に、今後の日本社会の在り方について真面目に考え、議論し、国民の皆様とも共有していくことで、パッチワークで非効率的な状況から脱却できるのではないかと考えています。是非、皆さんと語り合いたいと思います。江戸の町奉行として有名な大岡越前守忠相が、「松が枝の 直ぐなる心 保ちたし 柳の糸の なべて世の中」という言葉を残しています。「柳の糸(枝)のように世の中はゆらゆら移り変わるが、松の枝のように真っ直ぐな心を持ち続けたいものだ」という意味です。まさに今の時代は色々な課題が噴出し、重要課題が変わり、政治行政も大きく動く時代ですが、こういう時だからこそ変わらないものが重要ではないでしょうか。様々な政治リスクを超えて進んでいきたいものです。更に、この言葉は財務省の皆さんの仕事を表しているのではないかと思います。税については国税にしても関税にしても、国民生活に直結をすることから安定させねばなりませんし、世界を相手にする仕事も継続性が重要です。財政健全化への歩みも着実に進めねばなりません。実は、この大岡越前は、我が地元に所縁のある偉人なのです。東京赤坂に豊川稲荷赤坂別院があります。節分には、芸能人の方々が豆まきをすることでも有名なお寺です。実はこの豊川稲荷は、私の地元である愛知県第14選挙区の豊川市に本院があり、京都の伏見稲荷などと並んで日本三大稲荷と呼ばれています。この豊川稲荷を大岡越前は信仰しており、勧請し、屋敷稲荷として自邸に祀ったのが、赤坂別院のルーツなのです。大岡越前守忠相が旗本から大名へと取り立てられたこともあり、江戸時代には立身出世に霊験あらたかであると評判にもなったそうです。一度、皆さまもお参りしてみてはいかがでしょうか? 勿論、東京駅から新幹線などで約1時間半の豊川市の本院にもお越しいただければ、名物の精進料理や豊川稲荷ずしもあり、素敵な休日をお過ごし頂けます。とにもかくにも、財務大臣政務官として、今後も非常に重要な職責を務めさせて頂くことへの感謝と誇りを胸に、全身全霊をかけて、我が国の発展と財政再建に邁進致しますので、宜しくお願い申し上げます。財務大臣政務官今枝 宗一郎ファイナンス 2017.121財務省広報誌「ファイナンス」はこちらからご覧いただけます。

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