ファイナンス 2017年12月号 Vol.53 No.9
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整理加工というデニム製造の主要4工程を一貫して手掛ける体制を整えた。この生産体制と商品開発力が評価され、今ではユニクロをはじめとして、国内外のプレミアムブランド、ナショナルブランド、カジュアルブランドの製品に同社のデニム生地が採用されている。その中で貝原副会長はジーンズ市場の変化について「団塊の世代が需要の中心を占めていた時代は男性が主体でしたが、今は女性が主体。約7割を女性のお客様が占めています」と説明。特に2000年以降は、足を細く見せる美脚ジーンズがヒットし、一気に需要が広がったという。それに合わせてジーンズ生地に求められる機能も変わった。以前は強くて破れないのが特徴だったが、最近は、柔らかいデニム、軽いデニム、温かいデニムなど快適に着用できることが重視されるようになっている。「消費者のニーズは常に変化しますから、弊社の提供しているデニム生地も毎年、50%は新商品という状況です」(貝原会長)そのため、商品開発に多くの従業員が関わり、投資にも積極的に取り組んでいる。「日本のモノ作りの灯を消さないために将来を先取りした、中小企業としては多額の設備投資を行っています。投資した金額をできるだけ早く償却できる仕組みを作っていただけると助かります」(貝原副会長)同社は地域の雇用を支えている存在でもある。実際に毎年20名ほどの新規採用を行っている。その意味では、カイハラの事業を守り、拡大していくのは、地域の願いとも言える。写真左から、辻中国財務局長、貝原会長、うえの副大臣、貝原副会長。本社工場内で貝原会長から製造工程について説明を受けるうえの副大臣。貝原歴史資料館には、同社で使われていた機械やこれまで製造してきた商品が所狭しと並んでいる。ファイナンス 2017.129うえの副大臣が訪問車座ふるさとトークin福山特集

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