ファイナンス 2017年12月号 Vol.53 No.9
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デニム生地の一貫製造・販売で地域の経済・雇用を支えるカイハラ株式会社視察レポート世界トップメーカーに デニム生地を提供「車座ふるさとトーク」にあわせ、うえの副大臣は広島県福山市に本社を置く、カイハラ株式会社の視察を行い、貝原良治代表取締役会長と貝原潤司代表取締役副会長に事業概況の説明を受けた。同社は、手て織おり正しょう藍あい染ぞめ小こ幅はば絣かすりを製造する個人商店として、明治26年に貝原助治郎氏が創業した。創業直後の日清・日露戦争、その後の第一次・第二次世界大戦による資材調達難の中でも事業を継続し、戦後を迎える。戦後は日本の高度成長とともに変化する生地需要に応え、絣織物での展開を図るも、絣需要の減退により、1970年にはデニム事業に転換。現在では、デニム生地の製造において世界トップクラスのメーカーにまで成長した。街中で見かけるジーンズの2本に1本は同社のカイハラデニムが使われていると言ってもいいほどだという。同社は現在、本社工場のほか、吉舎工場、上下工場、三和工場と広島県内で4工場を稼働させている。デニム生地は、1970年に染色に着手して以降、78年に織布、80年には最終仕上げの工程全般を担う整理加工、さらに91年には紡績まで事業領域を拡大した。結果、紡績→染色→織布→カイハラ株式会社概要創業1893年(明治26年)会社設立1951年(昭和26年)代表者貝原 良治(代表取締役会長)貝原 潤司(代表取締役副会長)貝原 護(代表取締役社長)従業員数731名(平成29年3月現在、関連会社を含む)年商147億円(平成29年2月期)事業内容デニム素材の一貫生産(紡績、染色、織布、整理加工)及び販売本社広島県福山市主要取引先ファーストリテイリング、ユニチカトレーディング、双日、三菱商事、東レ、東レインターナショナル、豊島、伊藤忠商事、 豊田通商、丸紅、住友商事、モリリン、綾部紡績、ヤギ、野澤組、カイタック同社のデニム生地を使用した リーバイスのビンテージ復刻日本製貝原会長から事業概況の説明を受けるうえの副大臣。8ファイナンス 2017.12

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