ファイナンス2017年11月号 Vol.53 No.8
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リキュラムに第二外国語科目を導入。英語が第一外国語の場合、フランス語、ベトナム語、中国語、日本語の中から第二外国語を選択。従来、外国語の国定教科書は英語、フランス語のみ。それらに次いで、現在、日本語の教科書開発が進められており、中学1年生用の日本語の国定教科書が今年完成。このように教育制度が変わると影響は大きいので、地道に相手国の教育省などに日本語教育の導入、維持を働き掛けていくことが重要。そのためにも日本が様々な面で魅力的でないと難しい。次に、経済的なつながりに関しては、教育制度改革で減少したインドネシアを除き、日本語人材の給与水準も高いという東南アジア諸国では、最近かなり学習者が増加。インドでも日印の経済関係緊密化に伴い、日本語学習の需要が増加。9月の日印首脳会談の際、共同声明で、今後5年間でインドの100の高等教育機関において日本語講座を開設し、1,000人以上の日本語教師の研修に取り組むことが表明されている。また、母集団の学習者の主要層である学生数が減少すれば、当然、日本語学習者も減少。韓国や東欧最大の学習者のいるロシアで若者が減少しているのも要因。3日本語能力試験(JLPT)語学をある程度学習すると、どれくらい上達したのかを知りたくなる。それに、学校の入試や企業の採用に当たって、語学能力を客観的に測れる指標は重要。厚切りジェイソンやパックンも受けた日本語能力試験は、日本語を母語としない人の日本語能力を測定し、N1からN5の5レベルで認定。学習到達目標の設定により、学習意欲継続・向上を促し、日本語教育の普及に資するもの。7月と12月に実施。実施国・地域は年々増加し、2016年には73の国・地域228都市、日本国内135会場で実施。応募者は年々増加し、2016年には、866,294人(7月389,674人、12月476,620人、国内266,740人、海外599,554人)。1984年の試験開始以来、累計応募者は1,000万人以上。その規模感は、2017年の大学入試センター試験の志願者数575,967人の1.5倍。(ちなみに人口87万人未満の県は7県)。)更に2017年7月は対前年7月比20%増加。国・地域別だと2016年で、海外での応募者は、中国が1位(217,720人)、2位台湾(80,168人)、3位韓国(78,947人)、4位ベトナム(69,587人)、5位タイ(27,549人)、6位インド(17,841人)。国内の受験者は、ベトナム1位(78,853人)、中各国・地域の学習者数/機関数/教師数(学習者数順位)順位2012年順位国・地域学習者(人)機関(機関)教師(人)2015年2012年増減率(%)2015年2012年増減率(%)2015年2012年増減率(%)11中国953,2831,046,490▲8.92,1151,80017.518,31216,7529.322インドネシア745,125872,411▲14.62,4962,3466.44,5404,5380.033韓国556,237840,187▲33.82,8623,914▲26.914,85517,817▲16.644オーストラリア357,348296,67220.51,6431,40117.32,8002,6854.355台湾220,045233,417▲5.78517749.93,8773,5449.467タイ173,817129,61634.160646530.31,9111,38737.876米国170,998155,9399.71,4621,4490.93,8944,270▲8.888ベトナム64,86346,76238.721918021.71,7951,52817.5910フィリピン50,03832,41854.420917718.172155629.7109マレーシア33,22433,0770.4176196▲10.2430509▲15.51111ニュージーランド29,92530,041▲0.4257281▲8.5378431▲12.31214インド24,01120,11519.4184204▲9.865557513.91315ブラジル22,99319,91315.53523258.31,1401,1320.71413香港22,61322,5550.37073▲4.1523618▲15.41516フランス20,87519,3198.12222058.37237013.11617英国20,09315,09733.136430818.270458520.31712カナダ19,60123,110▲15.2178228▲21.9727765▲5.01818ドイツ13,25614,393▲7.9181193▲6.2457547▲16.51930ミャンマー11,3013,297242.813244200.0524194170.12020シンガポール10,79810,5152.7302050.022719019.5出典:国際交流基金32ファイナンス 2017.11SPOT

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