ファイナンス2017年11月号 Vol.53 No.8

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国際預金保険協会（IADI）の概要（International Association of Deposit Insurers）（平成29年10月現在）1．目的①預金保険分野における国際協力の推進や預金保険制度のガイダンスの提供により金融システムの安定に貢献すること②預金保険機関、その他関係機関の国際交流を広げていくこと2．設立平成14年5月（我が国預金保険機構は設立当初より加盟）3．加盟機関数・正会員（Member）：84（預金保険機関等）・準会員（Associate）：8（中央銀行等）・パートナー（Partner）：14（国際機関等）4．組織1．IADI会長正会員たる預金保険機関の代表者から選出。業務執行委員会の議長も兼任。2．IADI事務局事務局長以下専任スタッフが常駐。所在地はスイス・バーゼルの国際決済銀行（BIS）内。歴代IADI会長・Jean Pierre Sabourin（カナダ預保総裁（当時））平成14年5月～19年11月・Martin J. Gruenberg（米FDIC副総裁（当時）、現米FDIC総裁）平成19年11月～24年10月・Jerzy Pruski（ポーランド預金保証基金総裁（当時））平成24年10月～27年10月・Thomas M. Hoenig（米FDIC副総裁）平成27年10月～29年10月5．業務執行委員会IADIの実質的意思決定機関で、年3回程度開催（最高意思決定機関は全ての加盟機関からなる年次総会）。現在の定数は、IADI会長が兼務する議長を含め25名。投票権は各委員が1票ずつ保有。我が国預金保険機構の担当理事はIADI設立当初より委員を務めている。業務執行委員会メンバー：アルゼンチン、カナダ、クロアチア、ハンガリー、インド、インドネシア、イタリア、日本、ケニア、韓国、コソボ、マレーシア、メキシコ、ナイジェリア、ノルウェー、パレスチナ、ポーランド、ロシア、スイス、台湾、トリニダード・トバゴ、トルコ、英国、米国、ウルグアイ6．その他委員会1．カウンシル委員会（4委員会）①監査・リスク管理、②コア・プリンシプル・リサーチ、③メンバー・リレーション、④トレーニング・技術支援2．地域委員会（8委員会）①アジア・太平洋、②アフリカ、③カリブ、④ヨーロッパ、⑤ユーラシア、⑥ラテンアメリカ、⑦中東・北アフリカ、⑧北米アジア太平洋地域委員会メンバー：オーストラリア、アゼルバイジャン、バングラデシュ、ブルネイ、香港、インド、インドネシア、日本、カザフスタン、韓国、キルギス、マレーシア、モンゴル、フィリピン、ロシア、シンガポール、台湾、タイ、ベトナム7．対外活動の例1．「実効的な預金保険制度のためのコア・プリンシプル」をバーゼル銀行監督委員会と共同で作成し、平成21年6月に公表。平成26年11月に金融危機後の状況を反映した改訂版コア・プリンシプルをIADIが主体となって作成し、公表。2．コア・プリンシプルはIMF・世銀が行う金融セクター評価プログラム（FSAP）において、各国預金保険制度を評価するための基準となっている。著者紹介佐藤 宣之（さとう のぶゆき）昭和40年4月13日東京都杉並区生。昭和63年3月東京大学法学部第一類（私法コース）卒業、同年4月大蔵省（現・財務省）入省。入省後は、ケンブリッジ大学留学（MA in Economics）、名古屋国税局磐田税務署長、在シンガポール日本国大使館二等・一等書記官、OECD事務局（パリ）、金融庁監督局郵便貯金・保険監督総括参事官兼内閣官房国家戦略室参事官、名古屋大学大学院経済学研究科教授、チャタムハウス（英国王立国際問題研究所）客員研究員等を経て、本年7月より現職。平成28年1月より名古屋大学客員教授を兼職。ファイナンス　2017.1129預金保険を巡る国際的な動き―三國谷預金保険機構理事長の国際預金保険協会（IADI）会長への就任について―ＳＰＯＴ