ファイナンス2017年11月号 Vol.53 No.8
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場のある県としてもっともっと売り出していくことが可能であると思う。特に、高鷲ICを降りれば、鷲ヶ岳、ホワイトピア、高鷲スノーパーク、ダイナランドと、大きなスキー場が4つもあり、選り取り見取りである。岐阜市内からであれば、朝6時に出れば、8時前からそれらのスキー場で滑ることが十分可能であるが、そこまで気合が入っていなくても、冬の日曜日の朝「今日どうする~?」とゆるい感じの会話を交わし、昼には揖斐高原スキー場で午後専用リフト券で滑っている、ということもよくある。6エピローグ岐阜城近くの家から県庁まで片道約14km、長良川沿いを毎日自転車で通勤している。長良橋で河川敷に下り、金華橋、忠節橋、大縄場大橋、鏡島大橋、河渡橋、JR東海道本線をくぐり、穂積大橋で国道21号線に上がるルートだ。危機管理のためとか、健康のためとか、いろいろ理由は付けられるが、やはり最大の理由は、川沿いを走ることが気持ちいいということだろう。長良川は日々違う相貌を表わし、昼夜を舎かず、一瞬としてとどまることはない。春は日ごとに暖かくなり、日も長くなる。奥美濃の山々は霞み、長良川では鵜飼が始まる。金華山は、その名の由来となったように、ツブラジイの花が咲き乱れ、山全体を金色に彩る。何もなくともウキウキする季節である。夏は長良川が一気に活気づく。朝から鮎掛けの釣り人が川に立ち始め、夕方にはBBQをする人々で川原は賑わう。帰宅が遅くなったときは、ちょうど鵜舟が松明を灯しながら狩り下ってくるのを見ることができる。鵜飼観覧は、船に乗って見るものであるが、川岸に座っていても見ることはできる。秋は台風が来るごとに気温が下がっていく。県立岐阜高校の生徒が河川敷で体育大会の応援練習をしている。鵜飼は10月15日まで。鮎掛けも終息していく。冬は厳しい寒さとの戦いである。伊吹山は雪化粧をし、自転車に乗っていると、伊い吹ぶき颪おろしが骨まで染み透る。17時には暗くなり、澄み切った夜空に、星々が誠に美しい。7まとめ岐阜県の素晴らしさ、奥深さはまだまだ語り尽くせないところであるが、ここでいったん筆を擱くこととしたい。本稿を読まれた方が、「面白そうだから、岐阜に遊びに行ってみようかな。」と思っていただけたとしたら、筆者として、これに勝る喜びはない。岐阜は、知れば知るほど、体験すれば体験するほど、新たな魅力を表わしてくれるところである。私自身も、引き続き岐阜を究めていきたいと考えている。ファイナンス 2017.1117「清流の国ぎふ」からSPOT

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