ファイナンス2017年11月号 Vol.53 No.8
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然が重なってこの地が決戦地になったと言われる。ただ、既述のとおり隘路であるので、東軍と西軍がここで激突することも必然であったのではないかと個人的には思う。現在でもこの隘路を、東海道新幹線も、東海道本線も、名神高速道路も、国道21号線も、ひしめき合いながら通過している。5観光にまつわるエトセトラ私の親世代までの観光旅行と言えば、JTBのツアーに申し込む、というものが一般的であった(と思う。JTBに他意はない)。しかし、旅行プランを個人で組むようになり、また、名所・旧跡を見るだけでなく、その土地でしかできない体験をしたい、というニーズが強まっている。私の尊敬する人が、観光の極意は「今だけ、ここだけ、あなただけ」であり、「いつでも、どこでも、誰にでも」というサービスでは人に感動を与えることはできない、とおっしゃっていたが、そういう意味では、岐阜県は、ここでしか出来ない体験型観光の宝庫であり、先進県であると言える。春は、山菜とりやタケノコ掘り、夏は鮎の友釣り、秋は栗ひろいやキノコ狩り。もちろん、普通のフルーツ狩りもあちこちで行われているが、上記の体験は(鮎釣りを除いて)私が岐阜で初めて経験したものばかりである。知識・経験の豊富なガイドさんから、毒キノコと食べられるキノコの見分け方を教わったり、タケノコの掘り方を教えてもらったりしながら、生まれて初めての体験ができる。それは、深く記憶に残り、一生の宝物となる。(1)飛騨高山岐阜で観光と言えば飛騨高山が有名である。高山市街の古い町並みや、高山祭(ユネスコ無形文化遺産)があり、観光客数は、5年前の平成23年に348万人であったのが、平成28年には451万人と、100万人も増えている。また、外国人観光客も多く、毎日行われている宮川沿いの朝市では、野菜や漬物や工芸品を売っているおばちゃんたちが普通に英語でやり取りをしている。なお、「観光なら高山がお勧めです。」と言うと「えっ、飛騨高山って岐阜だったの?」という反応が多く見られる。岐阜県です!!(2)白川郷合掌造り集落があり、ユネスコ世界文化遺産にも認定されている。雪をかぶった家々の風景はあまりにも有名である。豪雪地帯であるため、雪があまり積もらないように、あのような、60度という急な角度の屋根になったという。あの屋根の中はどうなっているのか、というお尋ねも多いが、各家庭で養蚕をしていたようである。なお、「白川郷いいよ。」と言うと、「えっ、白川郷って(以下略)(3)栗きんとん中津川市や恵那市といった岐阜県東部地方の名物と言えば栗きんとん。秋になると、和菓子屋さんが、それぞれの特色を出した栗きんとんを一斉に売り始める。甘いもの、さっぱりしているもの、ねっとりしているもの、サクッとしているものなどなど、そのバラエティの豊富さには驚くばかり。残念ながらそれほど日持ちしないため、ぜひ岐阜に来て食べていただきたい。岐阜県東部と言えば、2018年4月からのNHK連続テレビ小説「半分、青い。」の舞台でもあるし、リニア中央新幹線が通る予定地でもある。下呂温泉も近いので、泊りでの観光がお勧めである。なお、「中津川」と言うと、「えっ、中(以下略)(4)郡上おどり約1か月にわたって、郡上八幡の町内各地で開催される「郡上おどり」。特に決まりはなく、櫓の上で、お囃子と笛がはじまれば、その周囲の人々が踊り始める、というものである。素人であっても、しばらく観察していれば踊りを覚えられるので、あとは輪に加わって踊り続けるのみ。通常、夜だけであるが、お盆のころは徹夜で踊り続ファイナンス 2017.1115「清流の国ぎふ」からSPOT

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