ファイナンス 2017年6月号 Vol.53 No.3
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2017年4月21日~23日にかけて、アメリカ・ワシントンにて、G20財務大臣・中央銀行総裁会議(以下「G20」)、国際通貨金融委員会(IMFC)、世銀・IMF合同開発委員会(DC)等の国際会議が開催された。以下、本稿では、G20、国際通貨金融委員会及び世銀・IMF合同開発委員会に関して議論の概要を紹介したい。1G20(2017年4月20日-21日)今回のG20では、世界経済、国際金融アーキテクチャ、アフリカとのコンパクト、金融セクターの発展と規制などをテーマに議論が行われ、麻生大臣からは、以下の発言を行った。なお、前回会議(3月17・18日、独・バーデン=バーデン)からわずか1か月後の開催となったこともあり、今回会議後にコミュニケは発出されなかった。「世界経済」のセッションでは、世界経済に対して明るい見方が広がっており、このことは歓迎できるが、見通しの不確実性が高く、市場の変動も時折見られるため、引き続き協力して市場・経済の安定を図っていく必要がある旨説明した。「国際金融アーキテクチャ」のセッションでは、資本フローへの対処等に関し、国際機関等が互いの強みを生かしつつ連携する必要性を説明し、また、IDA第18次増資に関して、日本が国会の承認手続きを終えたことを伝えつつ、各国が迅速に手続きを終えることを慫慂した。「アフリカとのコンパクト」のセッションでは、アフリカの持続的成長には、投資環境の整備、及び民間投資の促進が不可欠であり、民間の投資対象として成り立つインフラ整備というものを推進する観点から、「質の高いインフラ」の整備が必要である旨発言した。「金融セクターの発展と規制」のセッションでは、技術革新を活用しつつそのリスクに対応していくためには、国際的な協力の強化、民間セクターとの密接な連携が必要であり、また、G20/OECDコーポレートガバナンスの原則の実施も同時に重要である旨発言した。2国際通貨金融委員会(2017年4月22日)国際通貨金融委員会(注)においては、世界経済の動向等について議論が行われた。(注)国際通貨・金融システムに関する問題についてIMFに助言及び報告することを目的として1999年に設立。以降、春・秋の年2回開催。麻生大臣からは、世界経済の見通しが先進国を中心に足下で上向いていることを歓迎する一方国際会議の概要について2017年4月20-23日開催、於:アメリカ・ワシントンD.C.国際局国際機構課長 三好 敏之国際局開発機関課長 土谷 晃浩Spot0116ファイナンス 2017.6SPOT

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