ファイナンス 2017年6月号 Vol.53 No.3
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国際局長からの協力要請を受け、ADB横浜総会に向けての関東財務局における準備が始まったのは2016年1月のことでした。同年2月には本局内に準備本部を発足させ、4月には横浜財務事務所内に専従3名の体制での事務局を設置しましたが、実は関東財務局ではこれまで、2012年のIMF・世銀東京総会等に一部応援者を派遣したことはあるものの、この種の大きな国際会議運営を主導した実績がありません。事務局員自身が「ADBって何?」というところからのスタートで、当時は全く陸地の見えない広大な海を何も持たずに目的地に進もうとする心境でした。そのような中、まず我々が求めたのが、目的地への「海図」でした。10年前の京都総会を主導した近畿財務局に赴き、京都総会における運営の様子をお聞きしました。京都総会当時の準備事務局員の皆さんが、自分の記憶を頼りに熱心に準備の過程を伝えてくれたことは、我々にとって極めて有益で、有難いものでした。同年7月には関東財務局内からの増員に加え、本省国際局や東京税関、横浜税関からも仲間が事務局に合流。13名の体制で実質的な準備作業がスタートしました。しかし、準備作業はスムーズには進みませんでした。成田空港及び羽田空港という2つの巨大国際空港での代表団接遇計画や、横浜市でも最も人出の多いみなとみらい地区での開催を考慮した実施計画の策定等、今回の総会のために一から検討・策定しなければならなかった作業は膨大なものがありました。開催都市である横浜市とも、必ずしもスムーズに連携できていたわけではなく、少しずつ基本的認識を共有することから始めました。このような状況の中、本年1月からは財務局内から更なる増員を行い、最終的に準備事務局は19名の体制で業務を進めることとなりました。これにより、総会中の個々のイベント等、詳細部分にも対応できる体制となり、関係各所との連携、理解も進みました。しかし、総会直前になっても、事務局員は、自分達の行っている検討がどのような形として現れるのかが想像もつかない状態でした。最終的に総会の大成功という「形」にしてくれたのは、238名の関東財務局応援職員でした。遠いところでは新潟や長野、甲府の各財務事務所からも駆けつけていただき、成田・羽田の両空港や総会会場等で接遇、誘導、案内等の業務に懸命に取り組んでくれました。予期せぬ変更等により、一部の職員には相当の負担をおかけしましたが、そのおかげもあり、各空港・会場とも特段の問題もなく、高い評価をいただくことができたと思います。総会終了後の事務局員や応援職員の感想は、「もう二度とやりたくない」、「案外楽しかった」等々、本当に様々でしたが、国際開発金融機関の総会という、普段財務局では経験できない業務に携わったことで、財務省における業務の幅の広さ等、それぞれの職員が感じ取るものがあったことは、収穫だったのではないかと思います。また、横浜市や神奈川県警等、地元自治体との様々な繋がりを持つことができたことは、地域連携を重要施策としている関東財務局にとって非常に有益であったと考えます。最後になりましたが、今回のADB横浜総会開催にあたり多大なご協力を頂きました、ADB本部、本省各部局、横浜市各部局をはじめとした全ての関係者の皆様に、心より厚く御礼申し上げます。ADB横浜総会関東財務局準備本部事務局/事務局長 斉藤友博、総括次長 氷海 剛、次長 水野敏宏、次長 古井 幸会場誘導(ホスト国レセプション)空港送迎(羽田空港)本部ロジ室にてTOPICS横浜総会関東財務局奮闘記ファイナンス 2017.615 第50回 アジア開発銀行(ADB)年次総会を横浜で開催特集

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