ファイナンス 2017年6月号 Vol.53 No.3
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ADB横浜総会に向けて、第50回に相応しい素晴らしいものにしようと、日本側準備事務局のみならずADBも一丸となって準備を進めてきた。結果として、過去最多の参加者を記録するのみならず、コンテンツや運営面でも多くの参加者に評価いただけた。紙面が限られているので、本稿では、準備事務局総括を担った財務官室の視点から、総会準備と運営のハイライトについて紹介したい。1.総会成功の鍵準備チームの緊密な連携総会成功の一番の鍵を握るのは、日本側準備事務局内、そしてADBとの緊密な連携である。財務省においては、財務官室(福島室長、瀧村総括補佐の下に専担最大3名)が全体総括、開発機関課が総会予算、関東財務局横浜事務所に設置した事務局(専担最大18名)が具体的な執行を担った。横浜市も、16名の事務局を設置し、地元主催レセプションや各種ツアー、横浜市展示、横浜市セミナー、市内交通、会場外警備など、幅広く担当していただいた。これらに、会議運営会社コングレや、ホテル・輸送を担当するJTB、会場のパシフィコ横浜を加え、日本側準備事務局を構成した。これらのメンバーは、月に1~2回のペースで財務省に集まり、情報交換や意思決定、全体調整を行った。これが日本側準備事務局の緊密な連携の背景である。ADBとの連携も同じく重要である。特にADB総会は、グリーンブックと呼ばれる辞書のように分厚い基準に則って準備する必要があるので、総会+αとしてホスト国が準備するものを除き、ADBとうまく調整しなければならない。ADBからは、2016年に2回、2017年に2回ミッション団を受け入れ、日本からADB本部にも2016年に1回ミッション団を派遣し、毎度数日から1週間にわたって詳細な議論を行った。また、2016年秋以降は、月に1回ビデオ会議を行った。こうしたミッションやビデオ会議は準備作業のマイルストーンとして極めて重要である。また、ADBとの日々の電話・メールでの連絡第50回ADB横浜年次総会の準備・運営財務官室補佐 津田広和2016年8月ミッションでの集合写真10ファイナンス 2017.6

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