ファイナンス 2017年6月号 Vol.53 No.3
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3.今後に向けて今回の横浜総会では、日本国政府の他にも、JBIC、JICA、横浜市、日本銀行、日本企業などが、入念な準備を経て各種セミナーなどの行事を開催した。まさに“オールジャパン”で日本の取組みや知識・ノウハウを世界に発信した国際会議であったといえよう。今後、この横浜総会を一つの契機として、国内関係者相互の協力関係をさらに強化し、多くの課題解決に取り組んでいくことが重要である。そして、ADBに対しても引き続き資金面・知見面の両面から強力に支援することで、アジア地域の更なる発展に貢献していきたい。1997年に発生したアジア通貨危機の後、ASEAN+3各国(ASEAN10ヶ国と日本、中国、韓国)は柔軟な為替制度の採用、外貨準備の積み上げ、健全なマクロ経済政策運営に尽力。マルチの枠組みとしては、強靭な金融セーフティ・ネットとしてのチェンマイ・イニシアティブ(CMIM)や域内サーベイランス機関であるAMRO(ASEAN+3 Macroeconomics Research Office)が発足。また、アジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI)を通じ、域内の現地通貨建て債券市場を育成。こうした地域金融協力の進展により、世界金融危機の域内への影響は、他地域に比べ軽微なものにとどまった。2017年はアジア通貨危機発生から20年の節目の年にあたることを踏まえ、本セミナーでは、地域金融協力の足元の課題や今後の展望について議論。日本からは、木原副大臣に開会の辞を述べていただいたほか、パネルディスカッションには浅川財務官が出席し、各国の財務大臣・政策担当者や国際機関、学者等のパネリスト達と、足元のASEAN+3地域金融協力の課題や今後の展望について議論。TOPICSアジア通貨危機からの20年~成果と今後の展望~国際局地域協力課課長 吉田昭彦、同課総括課長補佐 二宮悦郎、同課企画係係長 倉本惇弘、同課企画係 富永達也セミナーにおいて他のパネリストと議論する浅川財務官の様子開催国主催セミナー6ファイナンス 2017.6

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